JP2012250620A - オフロード用の空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】凹凸路面におけるトラクション性を維持しながら、硬質路面における操縦安定性を向上させる。
【解決手段】ビードコアからカーカスの本体部と折返し部との間を通って半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム、及びビードコアの半径方向内面に接するフリッパー底部のタイヤ軸方向両端に、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向内側面に接して途切れるフリッパー内側部と、ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向外側面に接して途切れるフリッパー外側部とを折り曲げたU字状をなし、かつ有機繊維のゴム引き織物からなるビードフリッパーを具える。ビードコアのタイヤ軸方向のコア巾を8〜10mm、ビード部のタイヤ軸方向外側面からビードトウ部分の先端までのタイヤ軸方向のビードベース巾を18〜20mmとし、しかもビードフリッパーの有機繊維としてアラミド繊維を用いた。
【選択図】図2
【解決手段】ビードコアからカーカスの本体部と折返し部との間を通って半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム、及びビードコアの半径方向内面に接するフリッパー底部のタイヤ軸方向両端に、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向内側面に接して途切れるフリッパー内側部と、ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向外側面に接して途切れるフリッパー外側部とを折り曲げたU字状をなし、かつ有機繊維のゴム引き織物からなるビードフリッパーを具える。ビードコアのタイヤ軸方向のコア巾を8〜10mm、ビード部のタイヤ軸方向外側面からビードトウ部分の先端までのタイヤ軸方向のビードベース巾を18〜20mmとし、しかもビードフリッパーの有機繊維としてアラミド繊維を用いた。
【選択図】図2
Description
本発明は、特にラリー用として好適であり、凹凸路面におけるトラクション性を維持しながら、硬質路面における操縦安定性を向上しうるオフロード用の空気入りタイヤに関する。
ラリー、ダートトライアルなどの競技に使用されるオフロード用のタイヤでは、硬質路面を走行する際、コーナリング中のタイヤ変形が大きくなると操縦安定性が減じてラップタイムの低下を招く。そのため従来においては、ビードエーペックスゴムを高くしたり、カーカスの折返し部を高くするなどしてタイヤのサイドウォール剛性を増し、前記コーナリング中のタイヤ変形の低減を図っている。
しかしながらこのようなタイヤは、前記サイドウォール剛性の増加に伴いタイヤの縦バネ定数も増加する。そのためサイドウォール剛性を上げすぎると、凹凸路面を走行する際にタイヤの跳ね上がりが大きくなって路面追従性が悪くなり、トラクション性を低下させるという問題がある。このように、凹凸路面でのトラクション性と、硬質路面での操縦安定性とは二律背反の関係にあり、両者を高レベルで両立させることは難しいことであった。
他方、競技用のダートコースでは轍が深く形成される。そのためタイヤがこの轍に舵角を有してぶつかった場合には、ビード部が強く捻れてリム外れを起こすという恐れが生じる。そのためオフロード用のタイヤでは、通常のオンロード用タイヤに比してビードコアの内径を減じ、リムとの嵌合力を増加させることが望まれるが、しかしこの場合には、リム組み性能が大幅に低下してしまうという問題がある。
なお空気入りタイヤのビード部には、従来より、図4に示すように、例えばナイロン繊維のゴム引き織物からなるビードフリッパーaを用いてビードコアbをビードエーペックスゴムcとともにU字状に包み込み、生タイヤ形成時にビードコアbとビードエーペックスゴムcとが剥がれてしまうのを防止することが行われている(例えば特許文献1の図6(A)、(B)参照。)。
そこで本発明は、前記ビードフリッパーにアラミド繊維を用いるとともに、ビードコアのコア巾及びビード部のビードベース巾を従来よりも巾広とすることを基本として、縦バネ定数の増加を抑えながらビード変形を抑制でき、凹凸路面におけるトラクション性を維持しながら、硬質路面における操縦安定性を向上しうるとともに、耐リム外れ性能を高めうるオフロード用の空気入りタイヤを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部と、この本体部の両端から前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部とを有し、かつ2枚以上のカーカスプライからなるカーカス、
前記ビードコアから前記本体部と折返し部との間を通って半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム、
及び前記ビードコアの半径方向内面に接するフリッパー底部のタイヤ軸方向両端に、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向内側面に接して途切れるフリッパー内側部と、ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向外側面に接して途切れるフリッパー外側部とを折り曲げたU字状をなし、かつ有機繊維のゴム引き織物からなるビードフリッパーを具えるとともに、
前記ビードコアのタイヤ軸方向のコア巾を8〜10mm、
かつ前記ビード部のタイヤ軸方向外側面からビードトウ部分の先端までのタイヤ軸方向のビードベース巾を18〜20mmとし、
しかも前記ビードフリッパーの有機繊維としてアラミド繊維を用いたことを特徴としている。
前記ビードコアから前記本体部と折返し部との間を通って半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム、
及び前記ビードコアの半径方向内面に接するフリッパー底部のタイヤ軸方向両端に、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向内側面に接して途切れるフリッパー内側部と、ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向外側面に接して途切れるフリッパー外側部とを折り曲げたU字状をなし、かつ有機繊維のゴム引き織物からなるビードフリッパーを具えるとともに、
前記ビードコアのタイヤ軸方向のコア巾を8〜10mm、
かつ前記ビード部のタイヤ軸方向外側面からビードトウ部分の先端までのタイヤ軸方向のビードベース巾を18〜20mmとし、
しかも前記ビードフリッパーの有機繊維としてアラミド繊維を用いたことを特徴としている。
又請求項2の発明では、前記ビード部は、前記カーカスとビードフリッパーとの間に、前記フリッパー底部に沿うベース部と、前記フリッパー内側部に沿う内の立上げ部と、前記フリッパー外側部に沿う外の立上げ部とからなるU字状をなし、しかも厚さが0.2〜1.0mmかつゴム硬度が70〜80°の硬質ゴムからなるコア周囲ゴム層を具えることを特徴としている。
又請求項3の発明では、前記ビード部は、ビード部の半径方向内面をなすチェーファ底片部と、ビード部の内側面をなすチェーファ内片部と、ビード部の外側面をなすチェーファ外片部とからなるU字状をなすリムずれ防止用のシート状のチェーファを有するとともに、前記チェーファとカーカスとの間に、前記チェーファ底片部に沿ってのびる底部分と、前記チェーファ内片部に沿ってのびる内部分とを継ぐL字状主部を少なくとも有するゴム硬度が70〜80°の硬質ゴムからなるトウ補強ゴムを設けたことを特徴としている。
又請求項4の発明では、前記カーカスは、3枚のカーカスプライからなることを特徴としている。
なお本明細書では、特に断りがない限り、タイヤの各部の寸法等は、非リム組状態において、タイヤサイズで規定されるリム巾に合わせてビード部を保持したときに特定される値とする。
又前記ゴム硬度は、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより、23℃の環境下で測定したデュロメータA硬さである。
カーカスコードに張力が作用した際、ビード部にはビードコア中心点回りの回転モーメントが作用する。しかし本発明では、ビードコアのコア巾を従来よりも幅広の8〜10mmの範囲に設定している。そのため、前記回転モーメントに起因してビードトウ部分が浮き上がる向きにビード部が傾く所謂ビードローテーション変形に対して、その抗力を高めることができる。又ビード部のビードベース巾も18〜20mmと従来よりも巾広としているため、これによっても前記ビードローテーション変形に対する抗力をより高めることができる。
しかも、前記ビードフリッパーにアラミド繊維を用いている。従って、ビードコアとビードエーペックスゴムとがより強固に一体化されるため、前記ビードエーペックスゴムが大きな抵抗となってビードローテーション変形に対する抗力を増し、ビードローテーション変形を抑制しうる。
その結果、ビード部の横剛性が増し、硬質路面でのコーナリングの際に、ビード部からサイドウォール部にかけてタイヤ軸方向外側に倒れ込むタイヤ変形が抑えられ、操縦安定性を向上させることができる。又このものは、タイヤの縦バネ定数の増加が低く抑えられるため、凹凸路面に対する路面追従性を確保することができ、トラクション性を高レベルで維持することも可能となる。
さらに、前記コア巾及びビードベース巾が幅広となること、並びに前記ビードローテーション変形が抑えられることとによりリムとの着座性が高まる。そのためリムとの嵌合圧を高めることなく、即ちリム組み性能を損ねることなく、耐リム外れ性能を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1において、本実施形態のオフロード用の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る本体部6Aと、この本体部6Aの両端から前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部6Bとを有するカーカス6、及び前記カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7を具える。
図1において、本実施形態のオフロード用の空気入りタイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至る本体部6Aと、この本体部6Aの両端から前記ビードコア5の廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部6Bとを有するカーカス6、及び前記カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部に配されるベルト層7を具える。
なお前記トレッド部2には、溝深さ9.0mm以上のトレッド溝Gによって区画されたブロックBが隔置するブロックパターンが形成されるとともに、このブロックパターンのランド比として、従来のオフロード用タイヤと同様、40〜65%の範囲が好適である。前記ランド比は、周知の如く、トレッド面の全面に占めるブロックBの表面積の割合で示される。
前記カーカス6は、タイヤ内腔側に配される第1のカーカスプライ6aと、その外側に重置される第2のカーカスプライ6bとを含む少なくとも2枚のカーカスプライから形成される。本例ではカーカス6が、2枚のカーカスプライ6a、6bからなる所謂2−0構造の場合が示される。各前記カーカスプライ6a、6bは、タイヤ赤道面Coに対して例えば75〜90°の角度で配列するカーカスコードを具え、カーカスコードとして、ポリエステル、ナイロン、レーヨンなどの有機繊維コードが好適に採用される。
前記カーカスプライ6a、6bの折返し部6Bの高さは特に規制されることがなく、従来と同様の範囲が好適に採用しうる。本例では、各折返し部6Bが、前記カーカス6の本体部6Aが最もタイヤ軸方向外側に張り出すカーカス最大幅位置Pmと、ベルト層7のタイヤ軸方向外端部との間の領域内で終端した場合が示される。
又各ビード部4には、前記ビードコア5から半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム8が設けられるとともに、前記ビードコア5とビードエーペックスゴム8とはU字状のビードフリッパー10によって一体に包まれる。なおビードコア5としては、例えば硬鋼線などからなるビードワイヤを、多列多段に巻回した断面略矩形状の周知構造のものが使用される。
前記ビードエーペックスゴム8は、ゴム硬度が70〜90°の硬質ゴムからなり、前記ビードコア5から前記本体部6Aと折返し部6Bとの間を通って半径方向外側に先細状にのびる。このビードエーペックスゴム8の高さも特に規制されることがなく、従来と同様の範囲が好適に採用しうる。本例では、ビードエーペックスゴム8の外端のビードベースラインBLからの半径方向高さH1を、タイヤ断面高さHTの25〜45%の範囲とした場合が示される。
又図2に示すように、前記ビードフリッパー10は、前記ビードコア5の半径方向内面に接するフリッパー底部10aのタイヤ軸方向両端に、前記ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向内側面に接してのびかつこの内側面上で途切れるフリッパー内側部10iと、ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向外側面に接してのびかつこの外側面上で途切れるフリッパー外側部10oとを折り曲げた断面U字状をなし、前記ビードコア5とビードエーペックスゴム8とをU字状に包み込んで一体化する。
このビードフリッパー10は、有機繊維のゴム引き織物から形成される。このゴム引き織物としては、多数本の平行な経糸に、細い緯糸を長手方向に所定間隔離して絡ませることで構成した所謂すだれ織物をコーティングゴムで被覆したもの、あるいは、多数本の平行な経糸と多数本の緯糸とを交互に織ることで構成した所謂キャンバス布をコーティングゴムで被覆したものを用いることができる。なお前記経糸のタイヤ周方向に対する角度は20〜70°の範囲が一般的である。そしてこの、ビードフリッパー10が従来のビードフリッパーと相違する点は、前記有機繊維としてアラミド繊維が用いられることであり、具体的には、前記織物がすだれ織物の場合には、少なくとも経糸にアラミド繊維コードが使用され、又キャンバス布の場合には、経糸及び緯糸の双方にアラミド繊維コードが使用される。このアラミド繊維コードの太さは、1600〜1700dtexが好適である。
又本例では、前記カーカス6とビードフリッパー10との間に、厚さt11が0.2〜1.0mmかつゴム硬度が70〜80°の硬質ゴムからなるコア周囲ゴム層11が配される。このコア周囲ゴム層11は、前記フリッパー底部10aに沿うベース部11aと、前記フリッパー内側部10iに沿う内の立上げ部11iと、前記フリッパー外側部10oに沿う外の立上げ部11oとからなるU字状をなす。
本例のコア周囲ゴム層11では、前記外の立上げ部11oは、ビードコア5の半径方向外面よりも半径方向外側、かつ前記フリッパー外側部10oの外端よりも半径方向内側で途切れるとともに、前記内の立上げ部11iは、ビードコア5の半径方向外面よりも半径方向外側、かつ前記フリッパー内側部10iの外端よりも半径方向内側で途切れている。特に本例では、前記内の立上げ部11iが、前記外の立上げ部11oの外端よりも半径方向外側、さらには前記フリッパー外側部10oの外端よりも半径方向外側で途切れ、剛性段差を減じた場合が示される。
又前記ビード部4には、図3に示すように、従来タイヤと同様のリムずれ防止用のシート状のチェーファ12が配される。このチェーファ12は、ビード部4の半径方向内面をなすチェーファ底片部12aと、ビード部4の内側面をなすチェーファ内片部12iと、ビード部4の外側面をなすチェーファ外片部12oとからなるU字状をなす。本例では前記チェーファ12が、耐摩耗性に優れるゴムシートから形成される場合が示されるが、前記ビードフリッパー10と同様、有機繊維のゴム引き織物から形成することもできる。
又前記ビード部4には、本例では、前記チェーファ12とカーカス6との間に、ゴム硬度が70〜80°の硬質ゴムからなるトウ補強ゴム14が配される。このトウ補強ゴム14は、前記チェーファ底片部12aに沿ってのびる底部分13aと、前記チェーファ内片部12iに沿ってのびる内部分13bとを継ぐL字状主部13を少なくとも具える。本例では、前記トウ補強ゴム14が、前記チェーファ外片部12oに沿ってのびる外部分14oをさらに立ち上げた場合が示される。このトウ補強ゴム14は、前記L字状主部13によってビードトウ部分4Tを補強し、ビードトウ部分4Tの変形を抑制する。
なおトウ補強ゴム14は、前記底部分13aと内部分13bとが交わる交わり部Pでは厚肉をなすとともに、この交わり部P以外では、0.2〜1.0mmの厚さt14で形成される。なお前記ビードトウ部分4Tの先端の角度の2等分線X上における前記トウ補強ゴム14の厚さtaは、2等分線X上におけるビードトウ部分4Tの先端からカーカス6までの距離tbの70%以下、さらには60%以下が好ましく、前記70%を越えると、前記ビードトウ部分4Tが硬質化し過ぎて、リム組性能を損ねるとともに前記ビードトウ部分4Tが損傷し易くなる傾向となる。なおビードトウ部分4Tにおいて、前記トウ補強ゴム14とカーカス6との間に介在するゴム15には、従来のビードトウ部分に配されるゴムと同硬度(ゴム硬度55〜75°)のゴムが使用される。
又本実施形態のタイヤ1では、前記ビードコア5のタイヤ軸方向のコア巾W5を、8〜10mmの範囲と従来のオフロード用タイヤのコア巾W5よりも幅広に設定するとともに、ビード部4のタイヤ軸方向外側面からビードトウ部分4Tの先端までのタイヤ軸方向のビードベース巾W4を、18〜20mmの範囲と従来のオフロード用タイヤのビードベース巾W4よりも幅広に設定している。なお従来のオフロード用タイヤでは、コア巾W5は6〜7mm程度であり、又ビードベース巾W4は14〜17.5mm程度である。
空気入りタイヤでは、カーカスコードに張力が作用した際、ビード部4にはビードコア中心点回りの回転モーメントが作用し、ビードトウ部分4Tが浮き上がる向きのビードローテーション変形が発生する。これに対して、本実施形態のタイヤ1では、コア巾W5及びビードベース巾W4が幅広に設定されるため、前記ビードローテーション変形に対する抗力を高めることができる。さらに本実施形態のタイヤ1では、前記ビードフリッパー10にアラミド繊維を用いている。このアラミド繊維は、引張り弾性率が非常に大であるため、前記ビードコア5とビードエーペックスゴム8とをより強固に一体化でき、前記ビードエーペックスゴム8が大きな抵抗となってビードローテーション変形に対する抗力をさらに高めうる。その結果、硬質路面でのコーナリングの際、ビード部4からサイドウォール部3にかけての部分がタイヤ軸方向外側に倒れ込むタイヤ変形が抑えられ、操縦安定性を向上させることができる。
しかもこのものは、タイヤの縦バネ定数の増加が低く抑えられるため、凹凸路面に対する路面追従性を確保することができ、凹凸路面でのトラクション性を高レベルで維持することも可能となる。
さらに本実施形態のタイヤ1では、前記コア巾W5及びビードベース巾W4が幅広となること、並びに前記ビードローテーション変形が抑えられることとにより、リムとの着座の安定性が高まる。そのためリムとの嵌合圧を高めることなく、即ちリム組み性能を損ねることなく、耐リム外れ性能を向上させることができる。
なおコア巾W5が8mm未満、ビードベース巾W4が18mm未満、及びビードフリッパー10にアラミド繊維を用いない場合には、ビードローテーション変形の抑制効果が過小となって、硬質路面での操縦安定性を充分に向上させることができなくなる。なおビードコア5では、コア重量の不必要な増加を抑えるため、ビードワイヤの総巻回数には制限があり、従って、コア巾W5が10mmを越えた場合には、コア高さが低くなってビードコア5が偏平化し、ビードコア5自体が変形し易くなってリムとの嵌合力を逆に減じて操縦安定性の低下を招いたり、又ビードローテーション変形の抑止効果が充分発揮されなくなる。なお総巻回数を増すことでコア巾W5を10mmより大に設定する場合には、ビードコア5が大型化してしまい、タイヤ重量の不必要な増加を招くとともに、リム組み性能に悪影響を与える。又前記ビードベース巾W4が20mmを越えた場合にも、ビード部4が大きくなってタイヤ重量の不必要な増加を招くとともに、リム組み性能に悪影響を与える。
又ビード部4に設けた前記コア周囲ゴム層11は、硬質ゴムからなり前記ビードコア5の周囲を固めてビードコア5自体のコア中心点回りの動きを拘束しうる。そのため前記ビードローテーション変形をさらに抑制でき、硬質路面での操縦安定性の向上効果をさらに高めうる。
又前記トウ補強ゴム14も、ビードトウ部分4Tがリムから浮き上がる際の伸び変形を、硬質ゴムからなることにより抑制でき、ビードトウ部分4Tのリムからの浮き上がりを抑えてビードローテーション変形をさらに抑制できる。
なお前記コア周囲ゴム層11、及びトウ補強ゴム14のゴム硬度が、それぞれ70°未満となると、前記ビードローテーション変形の抑制効果が不充分となる。逆に80°を越えると、硬質化し過ぎとなってリム組み性能に悪影響を及ぼすとともに、割れなどの損傷を招く恐れが生じる。なお前記コア周囲ゴム層11、及びトウ補強ゴム14の各前記厚さt11、t14が0.2mm未満の場合にも前記ビードローテーション変形の抑制効果が不充分となる、又1.0mmを越えるとリム組み性能に悪影響を及ぼす。
次に、前記ベルト層7は、周知の如く、タイヤ赤道面Coに対して例えば10〜45°の角度で配列するベルトコードを具える2枚以上、本例では2枚のベルトプライ7a、7bから形成される。このベルト層7は、各ベルトコードがプライ間相互で交差することにより、ベルト剛性を高め、トレッド部2の略全巾をタガ効果を有して強固に補強している。ベルトコードとしては、本例ではスチールコードを採用しているが、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド等の高モジュラスの有機繊維コードも必要に応じて用いうる。
又タイヤ1には、前記図1に示すように、ダートコースを走行する際に、砕石、瓦礫、草木などと接触してサイドウォール部3が損傷するのを防止するために、カットプロテクタ21が形成される。このカットプロテクタ21は、サイドウォール部3の外面3Sから隆起してタイヤ周方向に連続してのびるリブ状をなす。なおカットプロテクタ21の前記外面3Sからの隆起高さhは、従来的なオフロード用タイヤと同様2〜6mmの範囲が好適に採用しうる。
なお本発明のオフロード用の空気入りタイヤ1では、前記コア周囲ゴム層11及びトウ補強ゴム14の一方、或いは双方を排除して形成することもできる。又カーカス6を、3枚のカーカスプライによって形成することもでき、かかる場合には、3枚のカーカスプライをビードコア5の廻りで折り返した所謂3−0構造を採用しうるが、最外側に配される第3のカーカスプライを、第2のカーカスプライ6bの折返し部を覆うように半径方向外側から内側に巻き下ろすアウタープライとした所謂2−1構造を採用することもできる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示すタイヤ構成を有するオフロード用の空気入りタイヤ(タイヤサイズ205/65R15)を表1に示す仕様に基づいて試作した。そして、試供タイヤを、国産の4輪駆動車(2000cc)に装着し、ダートトライアルコース(一周約1.5km)にてタイムトライアルを行い、各2回走行したうちのベストタイムを比較した。又タイムトライアルの際、硬質路面におけるコーナリング性、及び凹凸路面におけるトラクション性について、ドライバーの官能評価により比較例7を3点とした5点法によって評価した。数値が大きいほど優れている。
リムに装着された各供試タイヤ(内圧200kPa)に対し、ビード部の外側から横力を加え、ビード部がリムシート面から外れたときの横力の値を、リム外れ抗力として測定した。数値が大きいほどリム外れし難いことを示す。
各タイヤとも、表1に記載以外は、実質的に同仕様であり、
ビードコアのビードワイヤの総巻回数は、24回;
ビードエーペックスゴムのゴム硬度は、80°;
ビードフリッパーは、有機繊維のキャンバス布(経糸及び緯糸の太さは1670dtex);
とした。
ビードコアのビードワイヤの総巻回数は、24回;
ビードエーペックスゴムのゴム硬度は、80°;
ビードフリッパーは、有機繊維のキャンバス布(経糸及び緯糸の太さは1670dtex);
とした。
表1に示す如く、実施例は、硬質路面におけるコーナリング性、及び凹凸路面におけるトラクション性に優れ、ラップタイムを短縮させうるのが確認できる。又嵌合圧力の上昇を抑えながらリム外れ性を向上しうるのが確認できる。
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
4T ビードトウ部分
5 ビードコア
6 カーカス
6A 本体部
6B 折返し部
8 ビードエーペックスゴム
10 ビードフリッパー
10a フリッパー底部
10i フリッパー内側部
10o フリッパー外側部
11 コア周囲ゴム層
11a ベース部
11i 内の立上げ部
11o 外の立上げ部
12 チェーファ
12a チェーファ底片部
12i チェーファ内片部
12o チェーファ外片部
13 L字状主部
13a 底部分
13b 内部分
14 トウ補強ゴム
W4 ビードベース巾
W5 コア巾
3 サイドウォール部
4 ビード部
4T ビードトウ部分
5 ビードコア
6 カーカス
6A 本体部
6B 折返し部
8 ビードエーペックスゴム
10 ビードフリッパー
10a フリッパー底部
10i フリッパー内側部
10o フリッパー外側部
11 コア周囲ゴム層
11a ベース部
11i 内の立上げ部
11o 外の立上げ部
12 チェーファ
12a チェーファ底片部
12i チェーファ内片部
12o チェーファ外片部
13 L字状主部
13a 底部分
13b 内部分
14 トウ補強ゴム
W4 ビードベース巾
W5 コア巾
Claims (4)
- トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至る本体部と、この本体部の両端から前記ビードコアの廻りをタイヤ軸方向内側から外側に折り返される折返し部とを有し、かつ2枚以上のカーカスプライからなるカーカス、
前記ビードコアから前記本体部と折返し部との間を通って半径方向外側に先細状にのびるビードエーペックスゴム、
及び前記ビードコアの半径方向内面に接するフリッパー底部のタイヤ軸方向両端に、前記ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向内側面に接して途切れるフリッパー内側部と、ビードエーペックスゴムのタイヤ軸方向外側面に接して途切れるフリッパー外側部とを折り曲げたU字状をなし、かつ有機繊維のゴム引き織物からなるビードフリッパーを具えるとともに、
前記ビードコアのタイヤ軸方向のコア巾を8〜10mm、
かつ前記ビード部のタイヤ軸方向外側面からビードトウ部分の先端までのタイヤ軸方向のビードベース巾を18〜20mmとし、
しかも前記ビードフリッパーの有機繊維としてアラミド繊維を用いたことを特徴とするオフロード用の空気入りタイヤ。 - 前記ビード部は、前記カーカスとビードフリッパーとの間に、前記フリッパー底部に沿うベース部と、前記フリッパー内側部に沿う内の立上げ部と、前記フリッパー外側部に沿う外の立上げ部とからなるU字状をなし、しかも厚さが0.2〜1.0mmかつゴム硬度が70〜80°の硬質ゴムからなるコア周囲ゴム層を具えることを特徴とする請求項1記載のオフロード用の空気入りタイヤ。
- 前記ビード部は、ビード部の半径方向内面をなすチェーファ底片部と、ビード部の内側面をなすチェーファ内片部と、ビード部の外側面をなすチェーファ外片部とからなるU字状をなすリムずれ防止用のシート状のチェーファを有するとともに、前記チェーファとカーカスとの間に、前記チェーファ底片部に沿ってのびる底部分と、前記チェーファ内片部に沿ってのびる内部分とを継ぐL字状主部を少なくとも有するゴム硬度が70〜80°の硬質ゴムからなるトウ補強ゴムを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のオフロード用の空気入りタイヤ。
- 前記カーカスは、3枚のカーカスプライからなることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のオフロード用の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
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JP2011124560A JP2012250620A (ja) | 2011-06-02 | 2011-06-02 | オフロード用の空気入りタイヤ |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2017065186A1 (ja) * | 2015-10-15 | 2017-04-20 | 住友ゴム工業株式会社 | 空気入りタイヤ |
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2011
- 2011-06-02 JP JP2011124560A patent/JP2012250620A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140805 |