JP2012249970A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遊技の単調さを極力抑制することのできる遊技機を提供することを目的とする。
【解決手段】始動口9に遊技球が入球したときには、大当たりの抽選が行われるのみとし、入球によるクレジットの付与など特典の付与は行わない。そして、大当たりの抽選において当選したときに初めて、賞が付与される(所定数のクレジットが付与される)ように構成した。
【選択図】図15

Description

本発明は、遊技機に関する。
従来、ゲームセンターやカジノ等の遊技場においては、特許文献1に示すような、コインやメダルを使用するスロットマシンが広く知られている。このような遊技機では、遊技者がコインを所定枚数だけ投入することにより1回のゲームの掛け数を決定してゲームをスタートさせる。このスタートを契機としてリール(ビデオスロットマシン等において、リールを画像で表示するものを含む)が回転を開始し、このリールが停止したときに、特定の表示態様(例えば、特定の図柄が揃っているなど)に応じてコインが払い出される場合があることとなる。具体的には、ゲームのスタートを契機として当たり/ハズレの抽選が行われる。そして、抽選結果として、ハズレであれば払い出しが行われず、当たりであれば予め決められた枚数(例えば、100枚)のコインが払い出される。
特開2008−62046号公報
しかしながら、上記したようなスロットマシンでは、ゲームのスタートを契機として抽選が行われるため、「コイン投入⇒スタート⇒結果」という流れの繰り返しが、次第に遊技の単調さを遊技者に与える結果になってしまうことが問題となっている。
本発明は、上記の問題に鑑みて、遊技の単調さを極力抑制することのできる遊技機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えた遊技機であって、所定条件が成立したときに、遊技価値が付与される賞に入賞したと判定する入賞判定手段と、前記遊技領域に設けられた入球口に遊技球が入球したことを検出する入球口検出手段と、前記入球口検出手段によって遊技球が入球したことが検出されたときに、特定の結果が得られるか否かの抽選を行う抽選手段と、を備え、前記入賞判定手段は、前記入球口検出手段によって遊技球が入球したことが検出された場合には、前記賞に入賞したと判定しない一方、前記抽選手段による抽選結果として特定の結果が得られた場合には、前記賞に入賞したと判定することを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、前記入賞判定手段により賞に入賞したと判定された場合に、所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段をさらに備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、前記遊技価値付与手段は、所定数の遊技球に換算可能な遊技媒体を前記遊技価値として付与することを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、所定の記録情報を記憶する記憶手段をさらに備え、前記遊技価値付与手段は、前記記憶手段により記憶される前記記録情報を前記遊技価値として付与することを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、前記遊技価値として付与される前記記録情報は、所定数の遊技球に換算可能な数値情報であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、遊技球を発射させるための発射操作を検出する発射操作検出手段と、所定の投入媒体が受け付けられたことを検知する投入媒体検知手段と、前記投入媒体検知手段によって前記所定の投入媒体が受け付けられたことが検知されると、所定の条件が成立するまで、該投入媒体に応じて所定数の遊技球の発射を許容する発射許容手段と、前記発射許容手段によって、前記所定数の遊技球の発射が許容されていることを条件として、前記発射操作検出手段によって前記発射操作が検出されると、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、をさらに備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、前記投入媒体は、前記遊技価値とは異なる媒体であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、前記入賞判定手段により入賞と判定される賞には、複数の賞が設けられており、前記抽選手段は、1回の抽選において、前記複数の賞のうちのいずれか1つの賞に対応づけられた結果を含む複数の抽選結果から1つの抽選結果が得られる抽選を実行することを特徴とする。
ここで、「所定の投入媒体」とは、メダル、コインなどの遊技機で用いるトークンや、金銭の硬貨または紙幣を主として意味するが、情報記録媒体(例えばICカードやICコイン等)に記憶された金銭情報やポイント情報等であってもよい。
本発明によれば、入球によっては賞が与えられず、抽選によって賞が与えられるという遊技機を提供することができる。
すなわち、入球口には、抽選を行うための契機としての役割だけを持たせることができる。
遊技機の正面図である。 遊技機の斜視図である。 ガラス枠を開放させた状態の遊技機の斜視図である。 ガラス枠を正面方向から見た斜視図である。 遊技盤の正面図である。 遊技盤の裏面図である。 遊技盤の裏面の部分拡大図である。 遊技機の構成を示すブロック図である。 大当たり判定テーブルを示す図である。 図柄決定テーブルを示す図である。 演出図柄決定テーブルを示す図である。 主制御基板におけるメイン処理を示す図である。 主制御基板におけるタイマ割込処理を示す図である。 主制御基板における入力制御処理を示す図である。 主制御基板における始動口検出スイッチ入力処理を示す図である。 主制御基板における大入賞口検出スイッチ入力処理を示す図である。 主制御基板におけるプレイ開始制御処理を示す図である。 主制御基板におけるプレイ終了制御処理を示す図である。 主制御基板における特図特電制御処理を示す図である。 主制御基板における特別図柄記憶判定処理を示す図である。 クレジット制御基板における演出内容の一例を示す図である。 クレジット制御基板における演出内容の一例を示す図である。 クライアントサーバ型の構成を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
まず、図1及び図2を参照して遊技機の全体的な構成について具体的に説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の正面図であり、図2は遊技機の斜視図である。
遊技機100は、遊技球500が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2を有しており、遊技盤2の遊技領域6の前面側にガラス枠110が備えられている。このガラス枠110には遊技領域6に向けて遊技球を発射させるための操作ハンドル3が回動可能に設けられている。ガラス枠110の背面には外枠120が設けられており、ガラス枠110及び外枠120は支持台130に支持されている。
ガラス枠110には、受皿ユニット4が形成されており、この受皿ユニットには、ガラス枠110には、投入媒体としての所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入される紙幣投入口21、ゲームにおけるレートを変更する(いわゆるデノミ機能)ためのレート切替ボタン24、ゲームを終了するとき(主には途中で終了するとき)に投入した金銭(又は獲得したクレジット)の精算するための精算ボタン25、ゲームの進行上における各種演出で操作可能となる演出ボタン26が設けられている。
その他、ガラス枠110には、精算時にチケットが払い出されるチケット払出口22、会員カードやゲストカード等の遊技場のみで利用可能ないわゆるハウスカードの投入及び排出が可能なカード受入口23、サブモニタ30及び装飾部材35(複数の星を模った装飾部材)が設けられている。
紙幣投入口21に、所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入されると、遊技機100において、少なくとも所定個数(例えば1000個)まで遊技球の発射操作が有効になる。また、投入された紙幣の金額はクレジットとしてサブモニタ30に表示される。例えば、1000円が投入されると、遊技者の保持するクレジットとして「1000」が表示される。そして、遊技球が1個発射されるごとに「999、998、・・、700」というようにクレジットも減算されていく。また、始動口9に入球したことを契機として開始される大当たりの抽選において当選(入賞)すると、所定数のクレジットが付与されるとともに、サブモニタ30に表示されているクレジットが加算される。
言い換えれば、本実施形態において、入賞(大当たりの抽選に当選)した場合には、いわゆる賞球(入賞したことにより与えられる特典としての遊技球)として遊技球が払い出されることがなく、この賞球に相当する分の遊技価値がクレジットとして付与されることになる。したがって、結果としては、クレジットが加算されることとなり、発射することが可能な遊技球数が増加することとなる。
このサブモニタ30は、図1及び図2に示すハート型を成しており、その中央には液晶表示部30aを有している。そして、この液晶表示部30aにおいて、上記したクレジットについての情報を表示するデータ表示器として機能する。また、大当たり遊技やジャックポット抽選に係る演出が表示又は実行される演出表示手段としても機能する。
また、チケット払出口22から払い出されるチケットは、精算時までに遊技者が保持していた(投入した金額分や、遊技において獲得した分を含む)クレジットの情報が記録されたレシート状のチケットであり、認証番号やバーコード等の偽造防止技術が施されており、偽造のチケットとは判別できるように構成されている。なお、チケットは、遊技機100の内部に設けられたチケット払出モータ202a駆動させることにより払い出される。このチケット払出モータ202aは、図示省略するが、チケットを挟み込む2つのローラを少なくとも設けている。そして、チケット払出モータ202aが正方向に1秒間回転する毎に、2つのローラもそれぞれチケット払出口22側に回転して、2つのローラの間から1枚のチケットがチケット払出口22に排出されるように構成されている。
なお、カード受入口23に投入するハウスカードにて、金銭情報やクレジットの情報を読み込み可能及び書き込み可能な構成としてもよい。
次に、図3〜図7を参照して、遊技機100の各部位について具体的に説明する。図3はガラス枠110を開放させた状態の遊技機1の斜視図であり、図4はガラス枠110の斜視図である。また、図5は遊技盤2の正面図であり、図6は遊技盤2の背面図(裏面図)であり、図7は遊技盤2の背面側の部分を拡大した斜視図である。
ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板112を支持している。なお、ガラス板112は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
またガラス枠110は、左右方向の一端側(たとえば遊技機100に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠120に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機100に正対して右側)を外枠120から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠110は、ガラス板112とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠120の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠120に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠120から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33(図8参照)も設けられている。
また、遊技機100は、複数の遊技球500を貯留し、遊技球を打ち出すための槌4b(図3参照)に向けて誘導する受け皿40が設けられている。この受け皿40は、槌4bの方向に向けて下りの傾斜を有しており、ガラス枠110の裏面に設けられた玉送り開口部41を介して遊技球が発射レール42に送りだされる。この発射レール42も槌4bの方向に向けて下りの傾斜を有しており、発射レール42の下り傾斜側の端部の上方には、遊技球を停止するストッパー43が設けられている。
このため、玉送り開口部41から送り出された遊技球500は、発射レール42の端部で1個の遊技球が停留されることになる(図3参照)。
また、発射レール42には、槌4bで打ち出された後の遊技球が通過する位置に発射球検出スイッチ42sが設けられており、この検出スイッチ42sで遊技球が検出されると、発射された球(発射球)としてカウントされる。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回転させると、操作ハンドル3に直結している可変抵抗器からなる発射ボリューム3aも回転する。ここで、槌4bは、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド4cに直結しており、発射用ソレノイド4cを回転させることで、槌4bも回転する。
発射制御基板106は、発射用ソレノイド4cを励磁し、この発射ボリューム3aに応じた発射強度で、発射レール42の端部で貯留されている遊技球500を槌4bにより打ち出して、遊技領域6に向けて遊技球を発射する。
なお、本実施形態における、発射ボリューム3aが発射操作検出手段を構成し、槌4bと直結した発射用ソレノイド4aおよび発射制御基板106が発射手段を構成する。
上記のようにして発射された遊技球は、発射レール42から、図5に示すレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6の下部位置には、遊技球が入球可能な始動口9が設けられている。始動口9には、遊技球の入球を検出する始動口検出スイッチ9sが設けられており、この検出スイッチ9sが遊技球の入球を検出すると、後述する「大当たりの抽選」が行われる。
また、始動口9の真下には、電チュー始動口10が設けられている。電チュー始動口10は、一対の可動片10bを有しており、これら一対の可動片10bが閉状態に維持される第1の態様と、一対の可動片10bが開状態となる第2の態様とに可動制御される。なお、電チュー始動口10が上記第1の態様に制御されているときには、当該電チュー始動口10の真上に位置する始動口9が障害物となって、遊技球の受入れを不可能または困難としている。一方で、電チュー始動口10が上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片10bが受け皿として機能し、電チュー始動口10への遊技球の入球が容易となる。つまり、電チュー始動口10は、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。この電チュー始動口10にも上記始動口検出スイッチ9sが設けられており、この検出スイッチが遊技球の入球を検出したときにも「大当たりの抽選」が行われる。
なお、電チュー始動口10は、始動口9に入球した遊技球の個数にばらつきや偏りが生じたときの調整用に制御される始動口としての機能を有している。また、始動口9に入球した遊技球及び電チュー始動口10に入球した遊技球も同じ始動口検出スイッチ9sにて検出されるものであるため、以下で「始動口9」という場合には電チュー始動口10も含むものとして説明する。
そして、上記始動口9のさらに下方には、大入賞口11が設けられている。この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉11bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技球を大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口11に入球可能となる。大入賞口11には大入賞口検出スイッチ11sが設けられており、この大入賞口検出スイッチ11sが遊技球の入球を検出すると、所定数のクレジットが付与される。
なお、本実施形態における、始動口9が、本発明の入球口を構成し、始動口検出スイッチ9sが、本発明の入球口検出手段を構成する。
上記大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、始動口9及び大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口12が設けられている。
また、上記遊技盤2の中央位置には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材14が設けられている。この飾り部材14の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる演出表示装置13が設けられており、この演出表示装置13の右側面には、大小4個の星を模したフィギュアからなる演出用役物装置15が設けられている。なお、本実施形態においては、演出表示装置13を液晶表示器として用いているが、円環状の構造物からなるリールや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置を用いてもよい。
この演出表示装置13は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための演出図柄70が3列1行で、合計3個表示され、特定の演出図柄70の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。より具体的には、始動口9に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄70をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄70を停止表示するものである。なお、この演出図柄70の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしてもよい。
上記演出用役物装置15は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用役物装置15は、例えば、大小の星の何れかを点灯や点滅させたり、この星を揺らす動作をさせたりすることが可能である。これら演出用役物装置15の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
また、上記受皿ユニット4には、遊技者が押圧操作可能な、演出ボタン26が設けられている。この演出ボタン26は、例えば、上記演出表示装置13に当該演出ボタン26を操作するようなメッセージが表示されたときに有効となる。なお、演出ボタン26には、演出ボタン検出スイッチ26sが設けられており、この演出ボタン検出スイッチ26sが遊技者の操作を検出すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
なお、前述したレート切替ボタン24及び精算ボタン25も、上記演出ボタン26同様に、遊技者が押圧操作可能なボタンとなっており、レート切替ボタン24にはレート切替ボタン検出スイッチ24sが設けられており、精算ボタン25には精算ボタン検出スイッチ25sが設けられており、それぞれの検出スイッチにより遊技者のボタンの操作を検出することができる。
さらに、遊技機100にはスピーカからなる音声出力装置18(後述する図8参照)が設けられており、上記の各演出装置に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の右下方には、特別図柄表示装置19、特別図柄保留表示器20が設けられている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、始動口9に遊技球が入球しても、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、始動口9に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を保留として記憶する。
この保留は、上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、特別図柄保留表示器20に表示される。なお、保留が1つの場合には、特別図柄保留表示器20の1つのLEDが点灯し、保留が2つの場合には、特別図柄保留表示器20の2つのLEDが点灯する。また、保留が3つの場合には、特別図柄保留表示器20の3つのLEDが点灯し、保留が4つの場合には、特別図柄保留表示器20の4つのLEDが点灯する。
また、遊技盤2の裏面には、アウト口12に入球した遊技球を受け皿40(詳細には、受け皿40の入り口として設けられている受け口40a)に誘導させるアウト口誘導路44が設けられている。このアウト口誘導路44は、アウト口12と受け口40aを連結する通路状の構造を成しており、この通路内を遊技球が転動することが可能となっている。また、アウト口誘導路44は、アウト口12から受け口40aに向けて下り傾斜を形成しており、アウト口12からアウト口誘導路44に案内された遊技球は、該アウト口誘導路44内を受け口40aに向けて下りながら転動していくことになる。この「下り傾斜」は、アウト口12からアウト口誘導路44に案内された遊技球が、アウト口12に逆流してしまうことが無い程度の傾斜角度を有している。
このアウト口誘導路44によって、受け皿40を介して発射された遊技球が、アウト口12に入球すると、再び受け皿40に戻ってくることになる。
さらに、図6及び図7に示すように、遊技盤2の裏面側には始動口9に入球した遊技球をアウト口誘導路44に誘導させる入球口誘導路45、大入賞口11に入球した遊技球をアウト口誘導路44に誘導させる入賞口誘導路46も設けられている。また、発射された遊技球の発射強度が弱いなどにより、遊技領域6に到達しなかった遊技球(つまり、玉戻り防止片5cを超えられなかった遊技球)はファール球として扱われ、ファール球通路47からアウト口誘導路44に合流する。結果的に受け皿40を介して発射された遊技球は、全て受け皿40に戻ってくるように構成され、遊技機100において遊技球が循環するように構成されている。なお、入球口誘導路45内には、上記始動口検出スイッチ9sが設けられ、入賞口誘導路46内には上記大入賞口検出スイッチ11sが設けられている。さらに、ファール球通路47にもファール球検出スイッチ47sが設けられており、この検出スイッチ47sで遊技球が検出されると、ファール球としてカウントされる。
そして、受け皿40の上方には、受け皿40を覆って、受け皿40にある遊技球を取り出すことができないようにした蓋部48(図4及び図5参照)が設けられている。この蓋部48は透明板で構成されており、受け皿40内に遊技球が貯留されているかを視認することができるものとなっている。このように、受け皿40が蓋部48によって覆われているため、本実施形態では、発射された遊技球が受け皿40に戻ってきたとしても、遊技球を取り出すことができなくなる。
このため、本実施形態では、所定数の遊技球のみを遊技機100内に封入して遊技をすることが可能となっている。なお、ここでいう「所定数」とは、常に発射可能な状態に遊技球が保たれる程度(つまり、発射が行われているときに少なくとも受け皿40には常に遊技球が供給されている状態)が望ましい。又は、球詰まり等で複数個(例えば、10〜20個)の遊技球が受け皿40に戻ってこないような事態が発生してもまだ受け皿40には貯留された遊技球がある程度が望ましい。
また、遊技機100の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、枠制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に遊技機100に電力を給電するための電源プラグ50や、図示しない電源スイッチが設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図8の遊技機100のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、始動口検出スイッチ9s等の各種検出信号を入力して、特別図柄表示装置19や大入賞口開閉ソレノイド11c等を駆動させて遊技を制御するとともに、遊技の進行に応じてクレジット制御基板200との信号の入出力を制御する。
なお、本実施形態における、主制御基板101が、本発明の入賞判定手段、抽選手段、遊技価値付与手段、記憶手段、発射許容手段を構成する。
この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101c、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、クレジット制御基板200、枠制御基板103、始動口9に遊技球が入球したことを検知する始動口検出スイッチ9s、大入賞口11に遊技球が入球したことを検知する大入賞口検出スイッチ11s、レート切替ボタン検出スイッチ24s、精算ボタン検出スイッチ25s、発射球検出スイッチ42s、ファール球検出スイッチ47sが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板101に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、電チュー始動口10の一対の可動片10bを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド10c、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11c、特別図柄を表示する特別図柄表示装置19、特別図柄の保留球数を表示する特別図柄保留表示器20、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板108が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、紙幣投入口21に、所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入されると、メインCPU101aは、少なくとも所定数の遊技球(例えば1000個)が発射されるまで枠制御基板103を介して、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射許可信号を出力する。
メインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たりの抽選のときに大当たりとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル(図9参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図10参照)等がメインROM101bに記憶されている。これら各種テーブルの具体例は図9〜図10において後述する。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM101cには、特別図柄保留数(U)記憶領域、判定記憶領域、特別図柄記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、特図特電処理データ記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技場の管理装置(例えば、管理サーバーやホールコンピュータ等)に出力するための基板である。遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続され、外部情報を遊技場の管理装置等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機100に電源電圧を供給するとともに、遊技機100に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102cを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、または、上記演出ボタン検出スイッチ26s、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板104または画像制御基板105に送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
具体的には、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄70の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル(図11参照)等がサブROM102bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
具体的には、コマンド受信バッファ、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
枠制御基板103は、エラーの検知や主制御基板101と発射制御基板とのやりとりを制御する。
この枠制御基板103は、図示を省略する払出CPU、払出ROM、払出RAMを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、扉開放スイッチ33やタイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、主制御基板101から発射許可信号を入力すると、入力した発射許可信号を発射制御基板106に出力する。
ランプ制御基板104は、遊技盤2に設けられた演出用照明装置16を点灯制御したり、光の照射方向を変更するためのモータに対する駆動制御をしたりする。また、演出用役物装置15を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、上記演出表示装置13の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置13および音声出力装置18を接続している。
上記画像ROMには、演出表示装置13に表示される演出図柄70や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、演出表示装置13における表示制御をする。なお、画像CPUは、演出表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、演出表示装置13の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
また、上記音声ROMには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力制御をする。
クレジット制御基板200は、遊技の開始時や終了時その他、遊技の進行に関して主制御基板101とのやりとりを制御する。
このクレジット制御基板200は、紙幣投入口21から投入された投入媒体としての所定の金額の紙幣(例えば1000円、100HKD、10USD)を受け付けると、主制御基板101に対して、所定数(例えば1000個、レート選択によっては、500個、100個など)の遊技球を発射し終えるまでの遊技を許可するゲーム許可信号を出力したり、チケット払出モータ202aを駆動させてチケットを払い出したり、サブモニタ30にクレジットの情報などを表示させたりするものである。
また、クレジット制御基板200は、クレジットCPU200aと、クレジットROM200bと、クレジットRAM200cと、クレジット制御用の入出力ポート(図示せず)とを備えている。そして、クレジット制御用の入出力ポートには、主制御基板101、紙幣検知スイッチ201s、チケット払出モータ202a、サブモニタ30が接続されている。このクレジット制御用の入出力ポートによって、紙幣検知スイッチ201sから出力された紙幣投入信号や、主制御基板101から出力された精算信号、大当り信号が入力されるとともに、主制御基板101にゲーム許可信号を出力する。このゲーム許可信号には紙幣投入時のクレジット情報も含まれている。
紙幣検知スイッチ201sは、紙幣投入口21に所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入されことを検知すると、紙幣投入信号をクレジット制御用の入出力ポートを介して、クレジットCPU200aに出力する。
なお、本実施形態における、紙幣検知スイッチ201sが、本発明の投入媒体検知手段を構成し、クレジットが、本発明の遊技価値の一例に該当する。
チケット払出モータ202aは、クレジット制御用の入出力ポートを介して、クレジットCPU200aから出力された駆動データを入力すると、モータの駆動を行う。
クレジットCPU200aは、入力した各種信号に基づいて、クレジットROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各種信号を出力したりする制御を行う。
クレジットROM200bには、紙幣投入制御用のプログラムや各種の演算に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
クレジットRAM200cは、クレジットCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、クレジット情報に係るデータ(クレジットデータ)が記憶されるクレジットデータ記憶領域などが設けられている。このクレジットデータ記憶領域では、遊技の進行に伴って、増減する遊技者が保持するクレジットが随時更新されて記憶される。
また、クレジットCPU200aは、クレジットRAM200cに記憶されているクレジットデータに基づく情報をサブモニタ30に表示させる。これにより、サブモニタ30には、遊技者の獲得したクレジット数などが表示されることになる。
発射制御基板106は、枠制御基板103から発射許可信号を入力すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3sからのタッチ信号および発射ボリューム3aからの電圧値を読み出し、発射用ソレノイド4cを通電制御し、遊技球を発射させる。
ここで、発射用ソレノイド4cの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、99(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射用ソレノイド4cが1回転する毎に1個発射されるため、99(個/分)となる。すなわち、遊技球は約606ms毎に発射されることになる。
(各種テーブル)
次に、図9〜図10を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明し、その後図11を参照して、サブROM102bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(大当り判定テーブル)
図9は、「大当たりの抽選」のときに大当たりとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブルを示す図である。
メインCPU101aは、この大当り判定テーブルを参照して、取得した特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」か、を判定する。このテーブルにおいて、「7」、「33」、「77」の3個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定され、「100」〜「699」の600個の特別図柄判定用乱数値が小当たりと判定される。それ以外の397個の特別図柄判定用乱数値がハズレと判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜999であるから、大当たりと判定される確率は1/333.3となる。
(図柄決定テーブル)
図10は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図10(a)は、大当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図10(b)は、小当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図10(c)は、ハズレ時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
メインCPU101aは、大当たりと判定された場合には、図10(a)に示す図柄決定テーブルを参照して、取得した大当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定する。例えば、図10(a)に示す図柄決定テーブルによれば、大当たり図柄用乱数値が「0」〜「32」であれば停止図柄データとして「01」(特別図柄1)を決定し、大当たり図柄用乱数値が「33」〜「99」であれば停止図柄データとして「02」(特別図柄2)を決定する。
また、メインCPU101aは、小当たりと判定された場合には、図10(b)に示す図柄決定テーブルを参照して、例えば、小当たり図柄用乱数値が「0」〜「4」であれば停止図柄データとして「03」(特別図柄A)を決定し、小当たり図柄用乱数値が「50」〜「99」であれば停止図柄データとして「06」(特別図柄D)を決定する。
また、メインCPU101aは、ハズレと判定された場合には、図10(c)に示す図柄決定テーブルを参照して、停止図柄データとして「00」(特別図柄0)を決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
(演出図柄決定テーブル)
図11(a)は、大当たりと判定されたときに停止表示する演出図柄70の組み合わせを決定するための大当たり時の演出図柄決定テーブルであり、図11(b)は、小当たりと判定されたときに停止表示する演出図柄70の組み合わせを決定するための小当たり時の演出図柄決定テーブルである。
サブCPU102aは、大当たりと判定された場合には、図11(a)に示す大当たり時の演出図柄決定テーブルを参照し、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、演出図柄データを決定し、小当たりと判定された場合には、図11(b)に示す小当たり時の演出図柄決定テーブルを参照し、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、演出図柄データを決定する。
例えば、図11(a)に示す大当たり時の演出図柄決定テーブルによれば、特別図柄1を示す演出図柄指定コマンド(「E0H01H」)を受信したときには、数字の「7」を模った「7」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定され、特別図柄2を示す演出図柄指定コマンド(「E0H02H」)を受信したときには、数字に「3」を模った「3」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定される。
また、小当たりの場合も上記と同様に、特別図柄Aを示す演出図柄指定コマンド(「E0H03H」)を受信したときには、数字の「2」を模った「2」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定され、特別図柄Bを示す演出図柄指定コマンド(「E0H04H」)を受信したときには、数字の「6」を模った「6」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定され、特別図柄Cを示す演出図柄指定コマンド(「E0H05H」)を受信したときには、数字の「8」を模った「8」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定される。なお、特別図柄Dを示す演出図柄指定コマンド(「E0H06H」)を受信したときには、数字に「4」を模った「4」図柄が1個だけとなる演出図柄の組み合わせが決定される。
(大当たりの種類の説明)
本実施形態において「大当たり」というのは、始動口9に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。
「大当たり遊技」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における大入賞口11の総開放時間は最大29.5秒に設定されており、この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば10個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。そして、大入賞口11に遊技球が入球したことにより所定数のクレジットが付与される。つまり、「大当たり遊技」は、大入賞口11に遊技球が入球するごとに所定数のクレジットが付与されていくことから、大量にクレジットを増加させることの可能な遊技である。
本実施形態では、図10(a)に示すように、特別図柄1に係る大当たり遊技では付与されるクレジット数が「6000」、特別図柄2に係る大当たり遊技では付与されるクレジット数が「3000」となっている。これは1回の大当たり遊技において付与されるクレジットの合計であり、大当たり遊技では複数回に分けてクレジットが付与される(いわゆる「小分け」にして付与される)。
このように、複数回に分けたり、小分けにしたりしてクレジットを付与することにより、遊技球が大入賞口11に入球するごとにクレジットを付与させることや、そのように見せ掛けることが可能となる。
一方、「小当たり」というのは、始動口9に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たりの当選によりクレジットが付与される権利を獲得したことをいう。詳細には、「小当たり遊技」においては、大入賞口11が開放されることはなく、小当たりに該当する演出図柄70(図11参照)の組み合わせが表示されたときに(一度に)所定数のクレジットが付与される。
本実施形態では、図10(b)に示すように、小当たり遊技では付与されるクレジット数が「5」〜「100」と大当たり遊技に比べると極めて少ない。このため、複数回に分けてクレジットを付与することは、遊技者にとって有益とはならないため、一度に付与するものとしている。
次に、遊技機100における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図12を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板107により電源が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROMから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAMに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU101aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するための演出用乱数値の更新を行う演出乱数更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値の更新を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図13を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS50において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS60において、メインCPU101aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS70において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値の乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを「1」加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS80において、メインCPU101aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS90において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、始動口検出スイッチ9s、大入賞口検出スイッチ11s、レート切替ボタン検出スイッチ24s、発射球検出スイッチ42s、ファール球検出スイッチ47sの各スイッチから入力があったか否か判定する入力処理を行う。
具体的には、始動口検出スイッチ9sから検出信号を入力した場合には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、演出用乱数値を取得して、取得した乱数値を特別図柄記憶領域に記憶する。また、大入賞口検出スイッチ11sからの各種検出信号を入力した場合には、所定数のクレジットを加算して更新する。
また、レート切替ボタン検出スイッチ24sから検出信号を入力した場合には、現在設定されているレートを変更する。また、発射球検出スイッチ42sから検出信号を入力した場合には、許容発射球数(KY)を減算し、ファール球検出スイッチ47sから検出信号を入力した場合には、許容発射球数(KY)を加算する。直前に発射球検出スイッチ42sから検出信号が入力されていない場合は、ファール球検出スイッチ47sから検出信号が入力されても許容発射球数(KY)を加算しないようにすることで、一方的に加算する不正や誤作動を防止することもできる。
ステップS100において、メインCPU101aは、クレジット制御基板200からゲーム許可信号を入力すると、許容内遊技(所定数の範囲内での遊技球の発射が許可された遊技のこと)を開始させるための所定のデータをセットさせるプレイ開始制御処理を行う。このプレイ開始制御処理については、図17を用いて具体的に後述する。
ステップS200において、メインCPU101aは、許容内遊技を終了させるための所定のデータをセットさせるプレイ終了制御処理を行う。このプレイ終了制御処理については、図18を用いて具体的に後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、大当たりの抽選、特別電動役物の制御を行うための特図特電制御処理を行う。詳しくは、図19を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU101aは、データ作成処理を行う。このデータ作成処理において、メインCPU101aは、始動口開閉ソレノイド10cを駆動させるための始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイド11cを駆動させるための大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置19を点灯表示させるための特別図柄表示装置データ、特別図柄保留表示器20を点灯表示させるための保留表示器用データ、クレジットを精算するための精算時クレジットデータのデータ作成処理を行う。
ステップS500において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記ステップS400で作成した信号を出力させるポート出力処理を行う。また、上記ステップS400で作成した特別図柄表示装置データおよび保留表示器用データを出力する表示装置出力処理を行う。さらに、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS600において、メインCPU101aは、ステップS50で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
(入力制御処理)
図14を用いて、主制御基板101の入力制御処理を説明する。
まず、ステップS91において、メインCPU101aは、始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が始動口9に入球したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする始動口検出スイッチ入力処理を行う。この始動口検出スイッチ入力処理については、詳しくは、図15を用いて後述する。
ステップS92において、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口11に入球したか否かを判定して付与するクレジット数を決定する大入賞口検出スイッチ入力処理を行う(図16参照)。また、大入賞口11に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS93において、メインCPU101aは、レート切替ボタン検出スイッチ24sが信号を入力したか、すなわち、レート切替ボタン24が操作されたか否かを判定する。このレート切替ボタン検出スイッチ入力処理において、レート切替ボタン24が操作されたと判定された場合には、レートを現在設定されているレートから別のレートに切り替えるため処理が行われる。
なお、本実施形態におけるレートには、
[レート1・・・・1000円投入で100個の遊技球の発射が許容される]
[レート2・・・・1000円投入で250個の遊技球の発射が許容される]
[レート3・・・・1000円投入で500個の遊技球の発射が許容される]
[レート4・・・・1000円投入で1000個の遊技球の発射が許容される]
という「レート1」〜「レート4」までの4つのレートが設けられており、レート4が最も低い単価(遊技球1個が1円に相当する)で遊技ができるものとなっている一方で、レート1が最も高い単価(遊技球1個が10円に相当する)で遊技ができるものとなっている。なお、単価とは、投入金額(例えば、1000JPY、100HKD、10USD)に対する遊技球1個の価値のことをいう。
ステップS94において、メインCPU101aは、精算ボタン検出スイッチ25sが信号を入力したか、すなわち、遊技者が当該遊技機における遊技を終了するための操作をしたか否かを判定して、クレジットの精算を行う精算ボタン検出スイッチ入力処理を行う。この処理では、遊技者が現在保持しているクレジットの情報が精算時クレジット情報として記憶される。
ステップS95において、メインCPU101aは、発射球検出スイッチ42sが信号を入力したか、すなわち、遊技球が発射されたか否かを判定して、許容発射球数(KY)を減算する発射球検出スイッチ入力処理を行う。この処理では、発射球検出スイッチ42sが信号を入力するごとに、許容発射球数(KY)が「1」減算される。
ステップS96おいて、メインCPU101aは、ファール球検出スイッチ47sが信号を入力したか、すなわち、発射された遊技球が遊技領域に到達出来ずに再び受け皿40に戻ってきたか否かを判定して、許容発射球数(KY)を加算する発射球検出スイッチ入力処理を行う。この処理では、ファール球検出スイッチ47sが信号を入力するごとに、許容発射球数(KY)が「1」加算される。
(始動口検出スイッチ入力処理)
図15を用いて、主制御基板101の始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS91−1において、メインCPU101aは、始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力したか否かを判定する。
始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力した場合にはステップS91−2に処理を移し、始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力しなかった場合には、始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS91−2において、メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。特別図柄保留数(U)記憶領域にセットされているデータが4未満であった場合には、ステップS91−3に処理を移し、特別図柄保留数(U)記憶領域にセットされているデータが4未満でない場合には始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS91−3において、メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
ステップS91−4において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値を取得して、特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
ステップS91−5において、メインCPU101aは、大当たり図柄用乱数値を取得して、特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS91−6において、メインCPU101aは、演出用乱数値として、演出用乱数値を取得して、特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した演出用乱数値を記憶し、始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
以上より、特別図柄記憶領域の所定の記憶部には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、演出用乱数値が記憶されることとなる。
(大入賞口検出スイッチ入力処理)
図16を用いて、主制御基板101の大入賞口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS92−1において、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力したか否かを判定する。
大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力した場合にはステップS92−2に処理を移し、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力しなかった場合には、大入賞口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS92−2において、メインCPU101aは、大入賞口11に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS92−3において、メインCPU101aは、クレジット付与設定処理を行う。この処理では、予め決められたクレジット数を付与する。本実施形態では、1回ごとに決められたクレジット数「10」を付与するものとしている。
なお、このとき決定したクレジット数に基づいて、付与時クレジットデータが作成され(上記ステップS400のデータ作成処理にて)、クレジット制御基板200へ送信される(上記ステップS500の出力制御処理にて)。そして、クレジット制御基板200では、受信した付与時クレジットデータに基づいて大当たり演出をサブモニタ30にて実行させる。例えば、図21(a)は、サブモニタ30における大当たり演出の一例を示す演出画像である。ここでは数字(「10」、「50」、「60」、「80」、・・)が描かれた風船が飛んでおり、一部の風船が割れている様子が示されている。この演出は、図21(b)に示すように、大入賞口に遊技球が入球するたびに、風船が割れていく内容となっており、割れた風船に描かれた数字がクレジットとして加算される。このような演出内容により、大当たり遊技で獲得できるクレジット数をランダムに見せることが可能となる。
ステップS92−3において、メインCPU101aは、特別抽選を行う。この「特別抽選」とは、当該大当たり遊技とは別に「特別大当たり遊技」を実行する権利を獲得できるか否かの抽選のことをいう。本実施形態では、特別抽選に当選となった場合、当該大当たり遊技の終了後に、当該大当たり遊技と同じ内容の大当たり遊技を実行するか、まったく別の内容の大当たり遊技を実行することができるものとなっている。そして、特別抽選における当選確率は、「1/10000」など非常に低い確率に設定されている。また、この特別抽選は、特別大当たり遊技中には行われず、始動口検出スイッチ9sの検出時に抽選するようになっている。
なお、この「特別大当たり」をいわゆるジャックポット(プログレッシブジャックポットなど広く含む)としてもよいし、特別抽選において当選した場合に、ジャックポットに参加するための権利(ジャックポットへの参加権)を与えるものとしてもよい。
また、特別抽選についても、上記大当たり演出において示唆したり報知したりすると、より演出面での面白みを増すことが可能となる。例えば、図22(a)は、上記図21(a)で説明した大当たり演出において、風船が割れたときに「JPCHANCE!!」という文字を表示する。これにより、単にクレジットが加算されるのではなく、他の遊技価値が与えられるのではないかという大きな期待感を遊技者に持たせることができる。このような示唆や報知は、特別抽選に当選したときのみに限らず、ランダムに決めたり、抽選で決めたりして行うものであってもよい。
ステップS92−4において、メインCPU101aは、上記ステップS92−3において特別抽選に当選したか否かを判定する。特別抽選に当選していない場合には、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ入力処理を終了し、特別抽選に当選している場合には、メインRAM101c内に設けられた特別当選フラグ記憶領域においてフラグ(特別当選フラグ)をONにする。
(プレイ開始制御処理)
図17を用いて、主制御基板101のプレイ開始制御処理を説明する。
ステップS101において、メインCPU101aは、クレジット制御基板200からの遊技を許可するためのゲーム許可信号を入力したか否かを判定し、ゲーム許可信号を入力したと判定した場合には、ステップS102に処理を移し、ゲーム許可信号を入力したと判定しなかった場合には、プレイ開始制御処理を終了する。
ステップS102において、メインCPU101aは、ゲーム許可信号に含まれているクレジット情報から、当該クレジットに基づいて発射を許容する遊技球数(許容遊技球数)をメインRAM101c内に設けられた許容遊技球数(KY)記憶領域にセットする。
ステップS103において、メインCPU101aは、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可するために、発射許可データを発射許可データ記憶領域にセットして、プレイ開始制御処理を終了する。
(プレイ終了制御処理)
図18を用いて、主制御基板101のプレイ終了制御処理を説明する。
ステップS201において、メインCPU101aは、許容遊技球数(KY)が「0」であるか否か、すなわち、「KY=0」であるか否かを判定する。メインCPU101aは、「KY=0」ではないと判定した場合にはプレイ終了制御処理を終了し、「KY=0」であると判定した場合にはステップS202に処理を移す。
ステップS202において、メインCPU101aは、発射許可データをクリアして、プレイ終了制御処理を終了する。本ステップS202において、発射許可データがクリアされることにより、発射が停止されることになる。
なお、プレイ終了制御処理に基づいて発射を停止させる手法については、操作ハンドル3を遊技者が操作しても遊技球が打ち出されない形態であればよく、例えば、タッチセンサ3sにおける検出を無効化する、発射ボリューム3aの電圧値の読み出しを行わない等の手法を用いてもよい。
(特図特電制御処理)
図19を用いて、主制御基板101の特図特電制御処理を説明する。
ステップS301において、メインCPU101aは、特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐先アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば小当り遊技処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば特別大当り遊技処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310において、メインCPU101aは、大当たりの抽選、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄記憶判定処理を行う。具体的には、図20を用いて後述する。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、メインCPU101aは、ステップS310で決定された特別図柄の変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定し、特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
特別図柄の変動時間が経過したと判定すれば、特別図柄の変動表示データをクリアして、上記ステップS310で決定された特別図柄を特別図柄表示装置19に停止表示させる。これにより、特別図柄表示装置19に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理に移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU101aは、停止表示された特別図柄を判定する処理を行う。
具体的には、メインCPU101aは、まず停止表示された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。大当たり図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理に移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、大当たり図柄と判定されなかった場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cを駆動させ、大入賞口11を開放させる処理を行う。
具体的には、メインCPU101aは、大入賞口開閉扉11bを開放するために大入賞口開閉ソレノイド11cの駆動データを出力するとともに、29.5秒の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットして、大入賞口開閉扉11bを最大29.5秒まで開放させる。この開放中に所定個数の遊技球が大入賞口11に入球する(例えば大入賞口入球カウンタ=5?)か、最大開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、大入賞口開閉ソレノイド11cの駆動データの出力を停止させて、大入賞口開閉扉11bを閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
このラウンド遊技が合計15回行われると、特別当選フラグがONされていない場合には、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
一方、特別当選フラグがONされている場合には、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=5にセットして、特別大当たり遊技処理に移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS350の小当り遊技処理においては、メインCPU101aは、当該小当たり図柄に該当する所定数のクレジットを加算して更新する。その後、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、小当り遊技処理を終了する。
ステップS360の特別大当たり遊技処理においては、メインCPU101aは、直前まで行われていた大当たり遊技を再度実行させるか、またはまったく別の内容の大当たり遊技を実行させる。そして当該大当たり遊技が終了すると、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、特別大当り遊技処理を終了する。
(特別図柄記憶判定処理)
図20を用いて、主制御基板101の特別図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU101aは、特別図柄の変動中ではない場合には、特別図柄保留数(U)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域が「1」以上であると判定した場合にはステップS310−3に処理を移し、特別図柄保留数(U)記憶領域が1以上でない場合には特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS310−3において、メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算して記憶する。
ステップS310−4において、メインCPU101aは、上記ステップS310−2〜S310−3において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、演出用乱数値が消去される。
ステップS310−5において、メインCPU101aは、上記ステップS310−4において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた特別図柄判定用乱数値に基づいて、大当たりの抽選処理を行う。
この大当たりの抽選処理においては、メインCPU101aは、図9に示す大当たり判定テーブルを参照し、特別図柄判定用乱数値が「大当たり」「小当たり」のものであるか否かの判定を行う。
ステップS310−6においては、メインCPU101aは、停止表示する特別図柄を決定する特別図柄決定処理を行う。
この特別図柄決定処理においては、メインCPU101aは、大当たりの抽選の結果として、メインCPU101aは、大当たりと判定された場合には、図10(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄の停止図柄データを決定し、小当たりと判定された場合には、図10(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄の停止図柄データを決定する。また、ハズレと判定された場合には、図10(c)に示す図柄決定テーブルを参照し、ハズレ図柄の停止図柄データを決定する。その後、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS310−7においては、メインCPU101aは、特別図柄の変動態様を決定する変動パターン決定処理を行う。
この変動パターン決定処理においては、メインCPU101aは、図示しない変動パターン決定テーブルを参照して、大当たりの抽選結果、特別図柄の種類、特別図柄保留数(U)、取得した演出用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。そして、メインCPU101aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS310−8において、メインCPU101aは、上記ステップS310−7において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記ステップS60において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS310−9において、メインCPU101aは、特別図柄表示装置19に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための特別図柄の変動表示データをセットする変動表示開始処理を行う。これにより、特別図柄の変動表示データがセットされていると、上記ステップS400でLEDの点滅させる特別図柄表示装置データが適宜作成され、作成されたデータがステップS500において出力されることで、特別図柄表示装置19の変動表示が行われる。この特別図柄の変動表示は、上記ステップS310−8においてセットされた変動時間だけ継続して行われることとなる。
ステップS310−10において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=1をセットすることで、ステップS320に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
次に、演出制御基板102について簡単に概略を説明する。
演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板102のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、2ms毎に行われる演出制御基板102のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種データを生成する。その後、生成した各種データは、画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信される。
具体的には、サブCPU102aは、主制御基板101から変動パターン指定コマンドを受信すると、サブROM102bに記憶された演出パターン決定テーブルを参照し、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、演出表示装置13や音声出力装置18や演出用照明装置16、演出用役物装置15に所定の演出を実行させるための演出パターンを決定する。そして、決定した演出パターンに対応する演出データを生成し、かかる演出データを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。
また、サブCPU102aは、主制御基板101から演出図柄指定コマンドを受信すると、大当りを示す演出図柄指定コマンドであると、図11に示す大当たり時の演出図柄決定テーブルを参照し、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、演出図柄データを決定する。そして、決定した演出図柄データを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。これにより、演出表示装置13に特定の演出図柄70の組合せが停止表示されることになる。なお、ハズレを示す演出図柄指定コマンドの場合にも、ハズレ時の演出図柄決定テーブルを記憶しており(図示省略)、特定の演出図柄70の組合せとならないようにハズレ時の演出図柄決定テーブルが構成されている。
次に、画像制御基板105とランプ制御基板104について簡単に概略を説明する。
画像制御基板105において、演出制御基板102からのデータが受信すると、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置18における音声を出力制御するとともに、画像CPUが画像ROMからプログラムを読み出して、受信した演出用のコマンドに基づいて演出表示装置13における画像表示を制御する。
ランプ制御基板104においても、演出制御基板102からのデータが受信すると、受信したデータに基づいて演出用役物装置作動プログラムを読み出して、演出用役物装置15を作動制御するとともに、受信した演出用のデータに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置16を制御する。
なお、本実施形態では、遊技機100単体からなる構成(いわゆるスタンドアロン型)で説明したが、これに限られない。例えば、図23に示すように、複数台の遊技機100及びサーバ(中央管理装置など)からなるクライアントサーバ型などであってもよい。このようにすると、複数台の遊技機100からジャックポットのための積立を行うことが可能となるため、これによりスタンドアロン型に比べて非常に高配当のジャックポットを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、投入媒体として、紙幣(または金銭の硬貨)を使用するものとしたが、これに限られない。例えば、メダル、コインなどの遊技機で用いるトークンや、情報記録媒体(例えばICカードやICコイン等)に記憶された金銭情報やポイント情報等であってもよい。
なお、本実施形態では、大当たり遊技や小当たり遊技においては、所定数のクレジットが付与されるものとしたが、これに限られない。例えば、物品などの景品、この景品と引き換え可能なチケットなどであってもよい。これは特別大当たりも同様である。
なお、本実施形態では、大入賞口11に遊技球が入球したことを契機として特別抽選を行うものとしたがこれに限られない。例えば、始動口9に入球したときや大当たりの抽選時において行うものとしてもよい。なお、始動口9に入球したときや大当たりの抽選時において行うものであっても、図22等の演出を行うことにより、あたかも大当たり遊技中に特別抽選が行われているように見せることも可能である。
なお、本実施形態では、大当たり及び小当たり、それぞれ付与されるクレジット数を「6000」や「3000」というように予め決めておくものとしたがこれに限られない。例えば、「3000〜5000」や「10〜500」、「上限は8000まで」というように、付与するクレジット数に所定の範囲(上限や下限)を設けて、その中で抽選を行ってクレジット数を決定してもよい。また、上記所定の範囲などを設けずに完全に付与されるクレジット数をランダムにしてもよい。
なお、本実施形態では、クレジット付与設定処理において、予め決められたクレジット数を付与するものとしたが、これに限られない。例えば、抽選でクレジット数を決定していくが、完全にランダムではなく、最終的には当該大当たり遊技で付与されるクレジット数に合計数が必ず一致するようにクレジット数を決めていくような形態であってもよい。
2 遊技盤
3 操作ハンドル
3a 発射ボリューム
3s タッチセンサ
4c 発射用ソレノイド
6 遊技領域
9s 始動口検出スイッチ
11s 大入賞口検出スイッチ
11b 大入賞口開閉扉
11c 大入賞口開閉ソレノイド
12 アウト口
21 紙幣投入口
22 チケット払出口
30 サブモニタ
44 アウト口誘導路
45 入球口誘導路
46 入賞口誘導路
100 遊技機
101 主制御基板
101a メインCPU
101b メインROM
101c メインRAM
106 発射制御基板
108 遊技情報出力端子板
200 クレジット制御基板
200a クレジットCPU
200b クレジットROM
200c クレジットRAM
201s 紙幣検出スイッチ
202a チケット払出モータ

Claims (8)

  1. 遊技球が流下する遊技領域が形成された遊技盤を備えた遊技機であって、
    所定条件が成立したときに、遊技価値が付与される賞に入賞したと判定する入賞判定手段と、
    前記遊技領域に設けられた入球口に遊技球が入球したことを検出する入球口検出手段と、
    前記入球口検出手段によって遊技球が入球したことが検出されたときに、特定の結果が得られるか否かの抽選を行う抽選手段と、
    を備え、
    前記入賞判定手段は、
    前記入球口検出手段によって遊技球が入球したことが検出された場合には、前記賞に入賞したと判定しない一方、
    前記抽選手段による抽選結果として特定の結果が得られた場合には、前記賞に入賞したと判定することを特徴とする遊技機。
  2. 前記入賞判定手段により賞に入賞したと判定された場合に、所定の遊技価値を付与する遊技価値付与手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記遊技価値付与手段は、
    所定数の遊技球に換算可能な遊技媒体を前記遊技価値として付与することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  4. 所定の記録情報を記憶する記憶手段をさらに備え、
    前記遊技価値付与手段は、
    前記記憶手段により記憶される前記記録情報を前記遊技価値として付与することを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
  5. 前記遊技価値として付与される前記記録情報は、
    所定数の遊技球に換算可能な数値情報であることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
  6. 遊技球を発射させるための発射操作を検出する発射操作検出手段と、
    所定の投入媒体が受け付けられたことを検知する投入媒体検知手段と、
    前記投入媒体検知手段によって前記所定の投入媒体が受け付けられたことが検知されると、所定の条件が成立するまで、該投入媒体に応じて所定数の遊技球の発射を許容する発射許容手段と、
    前記発射許容手段によって、前記所定数の遊技球の発射が許容されていることを条件として、前記発射操作検出手段によって前記発射操作が検出されると、前記遊技領域に向けて遊技球を発射する発射手段と、
    をさらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
  7. 前記投入媒体は、
    前記遊技価値とは異なる媒体であることを特徴とする請求項6に記載の遊技機。
  8. 前記入賞判定手段により入賞と判定される賞には、
    複数の賞が設けられており、
    前記抽選手段は、
    1回の抽選において、前記複数の賞のうちのいずれか1つの賞に対応づけられた結果を含む複数の抽選結果から1つの抽選結果が得られる抽選を実行することを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
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