以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
(遊技機の構成)
まず、図1及び図2を参照して遊技機の全体的な構成について具体的に説明する。図1は本発明の一実施形態である遊技機の正面図であり、図2は遊技機の斜視図である。
遊技機100は、遊技球500が流下する遊技領域6が形成された遊技盤2を有しており、この遊技盤2は、外枠120に固定される。遊技盤2の遊技領域6の前面側には、ガラス枠110が備えられている。このガラス枠110には遊技領域6に向けて遊技球を発射させるための操作ハンドル3が回動可能に設けられている。ガラス枠110の背面には外枠120が設けられており、ガラス枠110及び外枠120は支持台130に支持されている。
ガラス枠110には、受皿ユニット4が形成されており、この受皿ユニット4には、投入媒体としての所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入される紙幣投入口21、ゲームを開始するためのゲーム開始ボタン24、ゲームにおけるレートを変更するためのレート切替ボタン25(いわゆる、デノミをする操作を受け付けるボタン)、ゲームの進行上における各種演出で操作可能となる演出ボタン26、ゲームを終了するときに投入した金銭(又は獲得したクレジット)の精算するための精算ボタン27が設けられている。
その他、ガラス枠110には、精算時(「精算ボタン27に受け付けられた操作が有効な操作であるとき」のことをいう、以下同様)にチケットが払い出されるチケット払出口22、会員カードやゲストカード等の遊技場のみで利用可能な、いわゆるハウスカードの投入及び排出が可能なカード受入口23、サブモニタ30及び装飾部材35(複数の星を模った装飾部材)が設けられている。
紙幣投入口21に、所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入されると、遊技機100において、少なくとも所定個数(例えば1000個)まで遊技球の発射操作が有効になる。また、投入された紙幣の金額はクレジットとしてサブモニタ30に表示される。
例えば、1円が1クレジットに換算され、1クレジットの価値が遊技球1個とした場合、1000円が投入されると、遊技者の保持するクレジットとして「1000」が表示される。そして、遊技球が1個発射されるごとに、「999、998、・・、700」というようにクレジットも減算されていく。
また、始動口9(図5参照、詳細は後述する)に入球したことを契機として開始される大当たりの抽選において当選(以下、「入賞」という)すると、所定数のクレジットが付与されるとともに、サブモニタ30に表示されているクレジットが加算される。
なお、図34及び図35に示すサブモニタ30にて表示される画像の一例では、左上に「CREDITS」という文字と「10000,00」という数字が表示されている。すなわち、現在、遊技者の保持するクレジットが「10000クレジット」であることがこの表示にて認識できる。さらに、右上の「COINS」という表示は、後述する、遊技球1個の単価を示すものである。また、「BET」とは、1回のゲームにおいて消費されるクレジットを示すと共に、発射可能な遊技球の総数を示すものである。また、「WIN」とは、入賞により付与されたクレジットを示すものであると共に、このクレジットに対応する遊技球の総数を示すものである。
例えば、図34及び図35で示す「COINS」が「1」とは、遊技球1個が1円であることを示しており、「BET」が「100」とは、1回のゲームにおいて消費されるクレジットが100クレジットであることを示すと共に、発射可能な遊技球の総数(上記所定個数に該当する)が100個であることを示している。また、「WINS」が「300,00」とは、入賞により付与されるクレジットが300クレジットであることを示すと共に、このクレジットに対応する遊技球が300個であることを示している。
このように、本実施形態においては、いわゆる賞球(入賞したことにより与えられる遊技価値)として直接的に遊技球が払い出されることがなく、この賞球に相当する分の遊技価値がクレジットとして付与されることになる。したがって、入賞すると、その結果として、クレジットが加算されることとなる。また、本実施形態では、この加算されたクレジットに対応して、発射することが可能な遊技球の総数も増加するものとしている。
なお、本実施形態では、1円が1クレジット及び遊技球1個(すなわち、遊技球1個の単価=1円=1クレジット)に換算することを前提として説明するが、後述する各種処理(図13〜図33参照)においては、必要に応じてこの換算比率(以下では、「レート」という)が変更されうるものとなっている。例えば、「遊技球1個の単価=1円=1クレジット」となるレートが設定されている場合には、1000円紙幣が投入されると「1000クレジット」に換算される。そして、遊技球1個が発射されるたびに、当該遊技球1個分に相当するクレジットが減算されていくこととなる。
なお、単価とは、投入金額(例えば、1000JPY、100HKD、10USD)に対する遊技球1個の価値のことをいう。
また、詳細については後述するが、遊技球1個の単価は、レートを切り替えることにより変えることが可能となっている。
そして、以下では、遊技球1個の単価が1円=1クレジットに設定された場合について説明する。すなわち、後述する当該レートが「レート1」に設定された場合について説明する。
サブモニタ30は、図1及び図2に示すように、ハートマークを模った形状(ハート型)を成しており、その中央には液晶表示部31を有している。そして、この液晶表示部31において、上記したクレジットについての情報を表示するデータ表示器として機能する。また、大当たり遊技やジャックポット抽選に係る演出が表示又は実行される演出表示手段としても機能する。
チケット払出口22から払い出されるチケットは、精算時までに遊技者が保持していたクレジットの情報が記録されたレシート状のチケットであり、認証番号やバーコード等の偽造防止技術が施されており、偽造のチケットとは判別できるように構成されている。ここでいう「遊技者が保持していたクレジット」とは、投入した金額に相当する分のクレジットや、遊技において獲得した分のクレジットを含むものである。
なお、チケットは、遊技機100の内部に設けられたチケット払出モータ202a(図9参照)を駆動させることにより払い出される。このチケット払出モータ202aは、詳細な図示を省略するが、チケットを挟み込む2つのローラを少なくとも設けている。そして、チケット払出モータ202aが正方向に1秒間回転する毎に、2つのローラもそれぞれチケット払出口22側に回転して、2つのローラの間から1枚のチケットがチケット払出口22に排出されるように構成されている。
なお、カード受入口23に投入するハウスカードにて、金銭情報やクレジットの情報を読み込み可能及び書き込み可能な構成としてもよい。
次に、図3〜図8を参照して、遊技機100の各部位について具体的に説明する。図3はガラス枠110を外枠120から開放させた状態の遊技機100を示す斜視図であり、図4はガラス枠110の斜視図である。また、図5は遊技盤2の正面図であり、図6(a),(b)は遊技盤2内に設けられた始動口について説明する図である。そして、図7は遊技盤2の背面図(裏面図)であり、図8は遊技盤2の背面側の一部分を拡大した斜視図である。
図3に示すように、ガラス枠110は、遊技盤2の前方(遊技者側)において遊技領域6を視認可能に覆うガラス板112を支持している。なお、ガラス板112は、ガラス枠110に対して着脱可能に固定されている。
また、ガラス枠110は、左右方向の一端側(たとえば遊技機100に正対して左側)においてヒンジ機構部111を介して外枠120に連結されており、ヒンジ機構部111を支点として左右方向の他端側(たとえば遊技機100に正対して右側)を外枠120から開放させる方向に回動可能とされている。ガラス枠110は、ガラス板112とともに遊技盤2を覆い、ヒンジ機構部111を支点として扉のように回動することによって、遊技盤2を含む外枠120の内側部分を開放することができる。ガラス枠110の他端側には、ガラス枠110の他端側を外枠120に固定するロック機構が設けられている。ロック機構による固定は、専用の鍵によって解除することが可能とされている。また、ガラス枠110には、ガラス枠110が外枠120から開放されているか否かを検出する扉開放スイッチ33(図9参照)も設けられている。
外枠120には、上辺6a、下辺6b、側辺6c,6dからなる四辺によって略長方形状の囲繞空間が形成されており、この囲繞空間に図5に示す遊技盤2が固定される。
そして、図4に示すように、ガラス枠110に設けられている受皿ユニット4には、前述した各種ボタン(ゲーム開始ボタン24、レート切替ボタン25、演出ボタン26、精算ボタン27)が設けられており、これらのボタンは、遊技者が押下操作可能(押圧操作可能)なボタンとなっている。例えば、演出ボタン26は、演出表示装置13(図5にて後述する)に当該演出ボタン26を操作するようなメッセージが表示されたときに有効となる。そして、遊技者が演出ボタン26を押下操作すると、この操作に応じてさらなる演出が実行される。
なお、上記各種ボタンとしては、いわゆる「十字キー」といわれるキーボード式のボタンに代表されるような複数種類の選択操作が可能な入力手段を採用してもよい。
また、受皿ユニット4には、複数の遊技球500を貯留し、遊技球を打ち出すための槌4bに向けて誘導する受け皿40が設けられている。そして、受け皿40の上方には、受け皿40を覆って、受け皿40にある遊技球を取り出すことができないようにした蓋部48が設けられている。この蓋部48は透明板で構成されており、受け皿40内に遊技球が貯留されているかを視認することができるものとなっている。
なお、このように、受け皿40が蓋部48によって覆われているため、本実施形態では、遊技機100の外部から遊技球を入れたり、または受け皿40から遊技球を取り出したりすることが不可能となっている。
また、受け皿40は、槌4bの方向に向けて下りの傾斜を有しており、ガラス枠110の裏面に設けられた玉送り開口部41を介して遊技球が発射レール42に送りだされる。この発射レール42も槌4bの方向に向けて下りの傾斜を有しており、発射レール42の下り傾斜側の端部の上方には、遊技球を停止させるためのストッパー43が設けられている。このため、玉送り開口部41から送り出された遊技球500は、発射レール42の端部で1個の遊技球が停留されることになる。
また、発射レール42には、槌4bで打ち出された後の遊技球が通過する位置に発射球検出スイッチ42sが設けられており、この発射球検出スイッチ42sで遊技球が検出されると、発射された球(発射球)としてカウントされる。
そして、遊技者が操作ハンドル3を回転させると、操作ハンドル3に直結している可変抵抗器からなる発射ボリューム3a(図9参照)も回転する。ここで、槌4bは、ロータリーソレノイドからなる発射用ソレノイド4c(図9参照)に直結しており、発射用ソレノイド4cを回転させることで、槌4bも回転する。この発射ボリューム3aに応じた発射強度で、槌4bが発射レール42の端部で貯留されている遊技球500に衝突することにより、遊技球500が遊技領域6に向けて発射される。
上記のようにして発射された遊技球(遊技球500のことを、以下では単に「遊技球」という)は、発射レール42から、図5に示すレール5a、5b間を上昇して玉戻り防止片5cを超えると、遊技領域6に到達し、その後、遊技領域6内を落下する。このとき、遊技領域6に設けられた複数の釘や風車によって、遊技球は予測不能に落下することとなる。
また、上記遊技領域6の下部位置には、遊技球が入球可能な第1始動口9Aが設けられている。第1始動口9Aには、遊技球の入球を検出する始動口検出スイッチ9s(図9参照)が設けられており、この始動口検出スイッチ9sが遊技球の入球を検出すると、後述する「大当たりの抽選」が行われる。
また、第1始動口9Aの真下には、電チュー始動口9Bが設けられている。電チュー始動口9Bは、一対の可動片9dを有しており、これら一対の可動片9dが閉状態に維持される第1の態様(図6(a)参照)と、一対の可動片9dが開状態となる第2の態様(図6(b)参照)とに可動制御される。
なお、「電チュー」とは、いわゆる「電動チューリップ」と呼ばれる電気式で開閉するチューリップ型の役物のことをいう。すなわち、「電チュー始動口」とは、電動チューリップが設けられた始動口のことをいう。
図6(a)に示すように、電チュー始動口9Bが上記第1の態様に制御されているときには、当該電チュー始動口9Bの真上に位置する第1始動口9Aが障害物となって、電チュー始動口9Bへの遊技球の受入れを不可能または困難としている。したがって、電チュー始動口9Bが第1の態様に制御されている場合には、遊技球の入球が可能な始動口は第1始動口9Aのみとなる。
一方で、図6(b)に示すように、電チュー始動口9Bが上記第2の態様に制御されているときには、上記一対の可動片9dが受け皿として機能し、電チュー始動口9Bへの遊技球の入球が容易となる。したがって、電チュー始動口9Bが第2の態様に制御されている場合には、遊技球の入球が可能な始動口は第1始動口9A及び電チュー始動口9Bの双方となる。
つまり、電チュー始動口9Bが、第1の態様にあるときには遊技球の入球機会がほとんどなく、第2の態様にあるときには遊技球の入球機会が増すこととなる。この電チュー始動口9Bにも上記始動口検出スイッチ9sが設けられており、この検出スイッチが遊技球の入球を検出したときにも「大当たりの抽選」が行われる。このように、第1始動口9Aに入球した遊技球及び電チュー始動口9Bに入球した遊技球も同じ始動口検出スイッチ9sにて検出されるものであるため、以下で、単に「始動口9」という場合には第1始動口9A及び電チュー始動口9Bを共に含むものとして説明する。
この電チュー始動口9Bは、第1始動口9Aに入球した遊技球の個数にばらつきや偏りが生じたときに、そのばらつきや偏りを調整するために第2の態様または第1の態様に制御される。この調整をするための制御については後述する。
そして、上記第1始動口9Aのさらに下方には、大入賞口11が設けられている。この大入賞口11は、通常は大入賞口開閉扉11bによって閉状態に維持されており、遊技球の入球を不可能としている。これに対して、後述する特別遊技が開始されると、大入賞口開閉扉11bが開放されるとともに、この大入賞口開閉扉11bが遊技球を大入賞口11内に導く受け皿として機能し、遊技球が大入賞口11に入球可能となる。大入賞口11には大入賞口検出スイッチ11s(図9参照)が設けられており、この大入賞口検出スイッチ11sが遊技球の入球を検出すると、所定数のクレジットが付与される。
なお、本実施形態における、電チュー始動口9Bが、本発明の始動可変入球装置の一例に該当し、始動口検出スイッチ9sが、本発明の始動領域検出手段の一例に該当する。また、本実施形態における、大入賞口11が、本発明の特別可変入賞装置の一例に該当する。
上記大入賞口11のさらに下方、すなわち、遊技領域6の最下部には、第1始動口9A、電チュー始動口9B及び大入賞口11のいずれにも入球しなかった遊技球を排出するためのアウト口12が設けられている。
また、上記遊技盤2の中央位置には、遊技球の流下に影響を与える飾り部材14が設けられている。この飾り部材14の略中央部分には、液晶表示器(LCD)等からなる演出表示装置13が設けられており、この演出表示装置13の上方には、雪だるま(2体)を模ったフィギュアから構成された演出用役物装置15が設けられている。さらに、演出表示装置13の右側面には、大小4個の星を模したフィギュアからなる演出用照明装置16が設けられている。なお、本実施形態においては、演出表示装置13を液晶表示器として用いているが、円環状の構造物からなるリールや、いわゆる7セグメントLED、ドットマトリクス等の表示装置を用いてもよい。
この演出表示装置13は、遊技が行われていない待機中に画像を表示したり、遊技の進行に応じた画像を表示したりする。なかでも、後述する大当りの抽選結果を報知するための演出図柄70が3列1行で、合計3個表示され、特定の演出図柄70の組合せ(例えば、777等)が停止表示されることにより、大当りの抽選結果として大当りが報知される。より具体的には、始動口9に遊技球が入球したときには、3個の演出図柄70をそれぞれスクロール表示するとともに、所定時間経過後に当該スクロールを停止させて、演出図柄70を停止表示するものである。なお、この演出図柄70の変動表示中に、さまざまな画像やキャラクタ等を表示することによって、大当たりに当選するかもしれないという高い期待感を遊技者に与えるようにもしてもよい。
なお、本実施形態における、演出表示装置13は、本発明の可変表示手段を構成する。
上記演出用役物装置15は、その動作態様によって遊技者に期待感を与えるものである。演出用役物装置15は、図5に示すように2体の雪だるまが密着した状態になったり、あるいは離間した状態になったりすることが可能である。これら演出用役物装置15の動作態様によって、遊技者にさまざまな期待感を与えるようにしている。
また、上記演出用照明装置16は、点灯や点滅などの発光態様によって遊技者に期待感を与えるものである。
さらに、遊技機100にはスピーカからなる音声出力装置18(図9参照)が設けられており、上記演出表示装置13、演出用役物装置15及び演出用照明装置16に加えて、音声による演出も行うようにしている。
そして、遊技領域6の右下方には、特別図柄表示装置19、特別図柄保留表示器20が設けられている。
さらに、特別図柄の変動表示中や後述する特別遊技中等、始動口9に遊技球が入球しても、即座に大当たりの抽選が行えない場合には、一定の条件のもとで、大当たりの抽選の権利が保留される。より詳細には、始動口9に遊技球が入球したときに取得された特別図柄判定用乱数値を保留として記憶する。
この保留は、上限保留個数を4個に設定し、その保留個数は、特別図柄保留表示器20に表示される。なお、保留が1つの場合には、特別図柄保留表示器20の1つのLED(20a)が点灯し、保留が2つの場合には、特別図柄保留表示器20の2つのLED(20a及び20b)が点灯する。また、保留が3つの場合には、特別図柄保留表示器20の3つのLED(20a,20b及び20c)が点灯し、保留が4つの場合には、特別図柄保留表示器20の4つのLED(20a,20b,20c及び20d)が点灯する。
また、図7及び図8に示すように、遊技盤2の裏面には、アウト口12に入球した遊技球を受け皿40(詳細には、受け皿40の入り口として設けられている受け口40a)に誘導させるアウト口誘導路44が設けられている。このアウト口誘導路44は、アウト口12と受け口40aを連結する通路状の構造を成しており、この通路内を遊技球が転動することが可能となっている。また、アウト口誘導路44は、アウト口12から受け口40aに向けて下り傾斜を形成しており、アウト口12からアウト口誘導路44に案内された遊技球は、該アウト口誘導路44内を受け口40aに向けて下りながら転動していくことになる。この「下り傾斜」は、アウト口12からアウト口誘導路44に案内された遊技球が、アウト口12に逆流してしまうことが無い程度の傾斜角度を有している。
このアウト口誘導路44によって、受け皿40を介して発射された遊技球が、アウト口12に入球すると、再び受け皿40に戻ってくることになる。
さらに、遊技盤2の裏面側には始動口9に入球した遊技球をアウト口誘導路44に誘導させる入球口誘導路45、大入賞口11に入球した遊技球をアウト口誘導路44に誘導させる入賞口誘導路46も設けられている。また、発射された遊技球の発射強度が弱いなどにより、遊技領域6に到達しなかった遊技球(つまり、玉戻り防止片5cを超えられなかった遊技球)はファール球として扱われ、ファール球通路47からアウト口誘導路44に合流する。結果的に受け皿40を介して発射された遊技球は、全て受け皿40に戻ってくるように構成され、遊技機100において遊技球が循環するように構成されている。
なお、入球口誘導路45内には、上記始動口検出スイッチ9sが設けられ、入賞口誘導路46内には上記大入賞口検出スイッチ11sが設けられている。さらに、ファール球通路47にもファール球検出スイッチ47sが設けられており、このファール球検出スイッチ47sで遊技球が検出されると、ファール球としてカウントされる。
このようにして、遊技盤2(遊技領域6)に向けて発射された遊技球は遊技機100内を循環して受け皿40に戻ってくることとなるが、前述したとおり、受け皿40が蓋部48によって覆われている。したがって、遊技機100の外部から遊技球を継ぎ足したり、あるいは遊技機100内から遊技球を取り出したりすることが不可能となっている。このため、本実施形態における遊技機100は、当該遊技機100内に所定数の遊技球が封入されて、これらの遊技球が循環することにより遊技が進行するものとなる。
なお、ここでいう「所定数」とは、常に発射可能な状態にある遊技球が保たれる程度であることが望ましい。つまり、発射が行われているときに少なくとも受け皿40には常に遊技球が供給されている状態が保たれる程度であることが望ましい。または、球詰まり等で複数個(例えば、10〜20個)の遊技球が受け皿40に戻ってこないような事態が発生した場合であっても、受け皿40には未だ貯留された遊技球がある状態が保たれる程度であることが望ましい。
また、遊技機100の裏面には、主制御基板101、演出制御基板102、枠制御基板103、電源基板107、遊技情報出力端子板108などが設けられている。また、電源基板107に遊技機100に電力を給電するための電源プラグ50や、図示しない電源スイッチが設けられている。
(制御手段の内部構成)
次に、図9の遊技機100のブロック図を用いて、遊技の進行を制御する制御手段について説明する。
主制御基板101は遊技の基本動作を制御する主制御手段であり、始動口検出スイッチ9s等の各種検出信号を入力して、特別図柄表示装置19や大入賞口開閉ソレノイド11c等を駆動させて遊技を制御するとともに、遊技の進行に応じてクレジット制御基板200との信号の入出力を制御する。
なお、本実施形態における、主制御基板101が、本発明の発射球数計数手段、進入球数計数手段、抽選手段、遊技価値付与手段、進入球数判定手段、可変入球装置制御手段、抽選結果強制手段、ハズレ強制取得手段、可変表示制御手段の一例に該当する。
この主制御基板101は、メインCPU101a、メインROM101b、メインRAM101c、主制御用の入力ポートと出力ポート(図示せず)を備えている。
この主制御用の入力ポートには、クレジット制御基板200、枠制御基板103、始動口9に遊技球が入球したことを検知する始動口検出スイッチ9s、大入賞口11に遊技球が入球したことを検知する大入賞口検出スイッチ11s、ゲーム開始ボタン24が操作されたことを検知するゲーム開始ボタン検出スイッチ24s、レート切替ボタン25が操作されたことを検知するレート切替ボタン検出スイッチ25s、精算ボタン27が操作されたことを検知する精算ボタン検出スイッチ27s、発射球検出スイッチ42s、ファール球検出スイッチ47sが接続されている。この主制御用の入力ポートによって、各種信号が主制御基板101に入力される。
また、主制御用の出力ポートには、電チュー始動口9Bの一対の可動片9dを開閉動作させる始動口開閉ソレノイド9c、大入賞口開閉扉11bを開閉動作させる大入賞口開閉ソレノイド11c、特別図柄を表示する特別図柄表示装置19、特別図柄の保留球数を表示する特別図柄保留表示器20、外部情報信号を出力する遊技情報出力端子板108が接続されている。この主制御用の出力ポートによって、各種信号が出力される。
メインCPU101aは、各検出スイッチやタイマからの入力信号に基づいて、メインROM101bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の基板にコマンドを送信したりする。また、紙幣投入口21に、所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入されると、メインCPU101aは、少なくとも所定数の遊技球(例えば1000個)が発射されるまで枠制御基板103を介して、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可する発射許可信号を出力する。
メインROM101bには、遊技制御用のプログラムや各種の遊技に決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
例えば、大当たりの抽選のときに大当たりとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブル(図10参照)、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブル(図11参照)等がメインROM101bに記憶されている。これら各種テーブルの具体例は図10〜図11において後述する。
なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
メインRAM101cは、メインCPU101aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
例えば、メインRAM101cには、特別図柄保留数(U)記憶領域、判定記憶領域、特別図柄記憶領域、ラウンド遊技回数(R)記憶領域、大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域、停止図柄データ記憶領域、演出用伝送データ格納領域、特別図柄時間カウンタ、特別遊技タイマカウンタ、特図特電処理データ記憶領域、進入球カウンタ(S)記憶領域、許容発射球カウンタ(KY)記憶領域、操作許可フラグ記憶領域、レート切替フラグ記憶領域、ゲーム開始フラグ記憶領域、精算許可フラグ記憶領域、発射球カウンタ(H)記憶領域、ファール球カウンタ(F)記憶領域、不許可フラグ記憶領域、発射許可データ記憶領域、開放中フラグ記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
遊技情報出力端子板108は、主制御基板101において生成された外部情報信号を遊技場の管理装置(例えば、管理サーバやホールコンピュータ等)に出力するための基板である。また、遊技情報出力端子板108は、主制御基板101と配線接続されている。そして、遊技情報出力端子板108には、外部情報を遊技場の管理装置等と接続をするためのコネクタが設けられている。
電源基板107は、コンデンサからなるバックアップ電源を備えており、遊技機100に電源電圧を供給するとともに、遊技機100に供給する電源電圧を監視し、電源電圧が所定値以下となったときに、電断検知信号を主制御基板101に出力する。より具体的には、電断検知信号がハイレベルになるとメインCPU101aは動作可能状態になり、電断検知信号がローレベルになるとメインCPU101aは動作停止状態になる。バックアップ電源はコンデンサに限らず、例えば、電池でもよく、コンデンサと電池とを併用して用いてもよい。
演出制御基板102は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御する。この演出制御基板102は、サブCPU102a、サブROM102b、サブRAM102c、RTC102dを備えており、主制御基板101に対して、当該主制御基板101から演出制御基板102への一方向に通信可能に接続されている。サブCPU102aは、主制御基板101から送信されたコマンド、または、演出ボタン26が操作されたことを検知する演出ボタン検出スイッチ26s、タイマからの入力信号に基づいて、サブROM102bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータをランプ制御基板104または画像制御基板105に送信する。サブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
なお、本実施形態における、演出制御基板102が、本発明の可変表示制御手段の一例に該当する。
演出制御基板102のサブROM102bには、演出制御用のプログラムや各種の遊技の決定に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
具体的には、主制御基板から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて演出パターンを決定するための演出パターン決定テーブル、停止表示する演出図柄70の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブル(図12参照)等がサブROM102bに記憶されている。なお、上述したテーブルは、本実施形態におけるテーブルのうち、特徴的なテーブルを一例として列挙しているに過ぎず、遊技の進行にあたっては、この他にも不図示のテーブルやプログラムが多数設けられている。
演出制御基板102のサブRAM102cは、サブCPU102aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。
具体的には、コマンド受信バッファ、演出パターン記憶領域、演出図柄記憶領域等が設けられている。なお、上述した記憶領域も一例に過ぎず、この他にも多数の記憶領域が設けられている。
枠制御基板103は、エラーの検知や主制御基板101と発射制御基板とのやりとりを制御する。
この枠制御基板103は、図示を省略する払出CPU、払出ROM、払出RAMを備えており、主制御基板101に対して、双方向に通信可能に接続されている。払出CPUは、扉開放スイッチ33やタイマからの入力信号に基づいて、払出ROMに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、当該処理に基づいて、対応するデータを主制御基板101に送信する。このとき、払出RAMは、払出CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
また、主制御基板101から発射許可信号を入力すると、入力した発射許可信号を発射制御基板106に出力する。
ランプ制御基板104は、演出用役物装置15を動作させるソレノイドやモータ等の駆動源を通電制御する。また、演出用照明装置16を点灯、点滅させる発光態様を制御する。このランプ制御基板104は、演出制御基板102に接続されており、演出制御基板102から送信されたデータに基づいて、上記の各制御を行うこととなる。
画像制御基板105は、上記演出表示装置13の画像表示制御を行うための図示しない画像CPU、画像ROM、画像RAM、VRAMと、音声CPU、音声ROM、音声RAMとを備えている。この画像制御基板105は、上記演出制御基板102に双方向通信可能に接続されており、その出力側に上記演出表示装置13および音声出力装置18を接続している。
上記画像ROMには、演出表示装置13に表示される演出図柄70や背景等の画像データが多数格納されており、画像CPUが演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、所定の画像データを画像ROMからVRAMに読み出して、演出表示装置13における表示制御をする。なお、画像CPUは、演出表示装置13に対して、背景画像表示処理、演出図柄表示処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行するが、背景画像、演出図柄画像、キャラクタ画像は、演出表示装置13の表示画面上において重畳表示される。
すなわち、演出図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示される。このとき、同一位置に背景画像と図柄画像が重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAMに記憶させる。
また、上記音声ROMには、音声出力装置18から出力される音声のデータが多数格納されており、音声CPUは、演出制御基板102から送信されたコマンドに基づいて所定のプログラムを読み出すとともに、音声出力装置18における音声出力制御をする。
クレジット制御基板200は、遊技の開始時や終了時その他、遊技の進行に関して主制御基板101とのやりとりを制御する。
このクレジット制御基板200は、紙幣投入口21から投入された投入媒体としての所定の金額の紙幣(例えば1000円、100HKD、10USD)を受け付けると、主制御基板101に対して、所定数(例えば1000個、レート選択によっては、500個、100個など)の遊技球を発射し終えるまでの遊技を許可するゲーム許可信号を出力したり、チケット払出モータ202aを駆動させてチケットを払い出したり、サブモニタ30にクレジットの情報などを表示させたりするものである。
また、クレジット制御基板200は、クレジットCPU200aと、クレジットROM200bと、クレジットRAM200cと、クレジット制御用の入出力ポート(図示せず)とを備えている。そして、クレジット制御用の入出力ポートには、主制御基板101、紙幣検知スイッチ201s、チケット払出モータ202a、サブモニタ30が接続されている。このクレジット制御用の入出力ポートによって、紙幣検知スイッチ201sから出力された紙幣投入信号や、主制御基板101から出力された精算信号、大当り信号が入力されるとともに、主制御基板101にゲーム許可信号を出力する。このゲーム許可信号には紙幣投入時のクレジット情報も含まれている。
紙幣検知スイッチ201sは、紙幣投入口21に所定の金額の紙幣(例えば1000円)が投入されことを検知すると、紙幣投入信号をクレジット制御用の入出力ポートを介して、クレジットCPU200aに出力する。
チケット払出モータ202aは、クレジット制御用の入出力ポートを介して、クレジットCPU200aから出力された駆動データを入力すると、モータの駆動を行う。
クレジットCPU200aは、入力した各種信号に基づいて、クレジットROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各種信号を出力する制御を行う。
クレジットROM200bには、紙幣投入制御用のプログラムや各種の演算に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
クレジットRAM200cは、クレジットCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、複数の記憶領域を有している。例えば、クレジットの情報に係るデータ(クレジットデータ)が記憶されるクレジットデータ記憶領域、適用レート記憶領域などが設けられている。このクレジットデータ記憶領域では、遊技の進行に伴って、増減する遊技者が保持するクレジットが随時更新されて記憶される。
また、クレジットCPU200aは、クレジットRAM200cに記憶されているクレジットデータに基づく情報をサブモニタ30に表示させる。これにより、サブモニタ30には、遊技者の獲得したクレジットの情報などが表示されることになる。
発射制御基板106は、枠制御基板103から発射許可信号を入力すると発射の許可を行う。そして、タッチセンサ3sからのタッチ信号および発射ボリューム3aからの電圧値を読み出し、発射用ソレノイド4cを通電制御(発射用ソレノイド4cを励磁)し、この発射ボリューム3aに応じた発射強度で、発射レール42の端部で貯留されている遊技球500を槌4bにより打ち出して、遊技領域6に向けて遊技球を発射する。
ここで、発射用ソレノイド4cの回転速度は、発射制御基板106に設けられた水晶発振器の出力周期に基づく周波数から、99(回/分)に設定されている。これにより、1分間における発射遊技数は、発射用ソレノイド4cが1回転する毎に1個発射されるため、99(個/分)となる。すなわち、遊技球は約606ms毎に発射されることになる。
なお、本実施形態における操作ハンドル3、発射ボリューム3a、タッチセンサ3s、発射用ソレノイド4c、及び発射制御基板106は、本発明の発射手段の一例に該当する。
(各種テーブル)
次に、図10〜図11を参照して、メインROM101bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明し、その後、図12を参照して、サブROM102bに記憶されている各種テーブルの詳細について説明する。
(大当り判定テーブル)
図10は、「大当たりの抽選」のときに大当たりとするか否かを判定する際に参照される大当り判定テーブルを示す図である。
メインCPU101aは、この大当り判定テーブルを参照して、取得した特別図柄判定用乱数値に基づいて、「大当たり」か「小当たり」か「ハズレ」か、を判定する。このテーブルにおいて、「7」、「33」、「77」の3個の特別図柄判定用乱数値が大当たりと判定され、「100」〜「699」の600個の特別図柄判定用乱数値が小当たりと判定される。それ以外の397個の特別図柄判定用乱数値がハズレと判定される。
従って、特別図柄判定用乱数値の乱数範囲が0〜999であるから、大当たりと判定される確率は1/333.3となる。
(図柄決定テーブル)
図11は、特別図柄の停止図柄を決定する図柄決定テーブルを示す図である。
図11(a)は、大当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図11(b)は、小当たり時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルであり、図11(c)は、ハズレ時に停止図柄を決定するための図柄決定テーブルである。
メインCPU101aは、大当たりと判定された場合には、図11(a)に示す図柄決定テーブルを参照して、取得した大当たり図柄用乱数値に基づいて、特別図柄の種類(停止図柄データ)を決定する。例えば、図11(a)に示す図柄決定テーブルによれば、大当たり図柄用乱数値が「0」〜「32」であれば停止図柄データとして「01」(特別図柄1)を決定し、大当たり図柄用乱数値が「33」〜「99」であれば停止図柄データとして「02」(特別図柄2)を決定する。
また、メインCPU101aは、小当たりと判定された場合には、図11(b)に示す図柄決定テーブルを参照して、例えば、小当たり図柄用乱数値が「0」〜「4」であれば停止図柄データとして「03」(特別図柄A)を決定し、小当たり図柄用乱数値が「50」〜「99」であれば停止図柄データとして「06」(特別図柄D)を決定する。
また、メインCPU101aは、ハズレと判定された場合には、図11(c)に示す図柄決定テーブルを参照して、停止図柄データとして「00」(特別図柄0)を決定する。
そして、特別図柄の変動開始時には、決定した特別図柄の種類(停止図柄データ)に基づいて、特別図柄の情報としての演出図柄指定コマンドが生成される。ここで、演出図柄指定コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御コマンドの分類を識別するため1バイトのMODEデータと、実行される制御コマンドの内容(機能)を示す1バイトのDATAデータとから構成される。このことは、後述する変動パターン指定コマンド等についても同様である。
(演出図柄決定テーブル)
図12は、演出図柄70の組み合わせを決定するための演出図柄決定テーブルである。
図12(a)は、大当たりと判定されたときに停止表示する演出図柄70の組み合わせを決定するための大当たり時の演出図柄決定テーブルであり、図12(b)は、小当たりと判定されたときに停止表示する演出図柄70の組み合わせを決定するための小当たり時の演出図柄決定テーブルである。
サブCPU102aは、大当たりと判定された場合には、図12(a)に示す大当たり時の演出図柄決定テーブルを参照し、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、演出図柄データを決定し、小当たりと判定された場合には、図12(b)に示す小当たり時の演出図柄決定テーブルを参照し、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、演出図柄データを決定する。
例えば、図12(a)に示す大当たり時の演出図柄決定テーブルによれば、特別図柄1を示す演出図柄指定コマンド(「E0H01H」)を受信したときには、数字の「7」を模った「7」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定され、特別図柄2を示す演出図柄指定コマンド(「E0H02H」)を受信したときには、数字に「3」を模った「3」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定される。
また、小当たりの場合も上記と同様に、特別図柄Aを示す演出図柄指定コマンド(「E0H03H」)を受信したときには、数字の「2」を模った「2」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定され、特別図柄Bを示す演出図柄指定コマンド(「E0H04H」)を受信したときには、数字の「6」を模った「6」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定され、特別図柄Cを示す演出図柄指定コマンド(「E0H05H」)を受信したときには、数字の「8」を模った「8」図柄が3個揃った演出図柄の組み合わせが決定される。なお、特別図柄Dを示す演出図柄指定コマンド(「E0H06H」)を受信したときには、数字に「4」を模った「4」図柄が1個だけとなる演出図柄の組み合わせが決定される。
(大当たりの種類の説明)
本実施形態において「大当たり」というのは、始動口9に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、大当たり遊技を実行する権利を獲得したことをいう。
「大当たり遊技」においては、大入賞口11が開放されるラウンド遊技を計15回行う。各ラウンド遊技における大入賞口11の総開放時間は最大29.5秒に設定されており、この間に大入賞口11に所定個数の遊技球(例えば10個)が入球すると、1回のラウンド遊技が終了となる。そして、大入賞口11に遊技球が入球したことにより、発射可能となる遊技球(以下、「許容発射球」という)が特定個数付与される。また、これに伴って所定数のクレジットが付与される。つまり、「大当たり遊技」は、大入賞口11に遊技球が入球するごとに所定数のクレジットが付与されていくことから、大量にクレジットを増加させることの可能な遊技である。
上記「許容発射球」とは、ゲーム開始時(ゲーム開始ボタン24の操作が有効な操作として受け付けられたとき)に発射可能な遊技球として設定される遊技球を含み、当該ゲーム開始時から終了までの間、発射することが可能な遊技球のことをいう。
具体的には、ゲーム開始時には、初期値として「100」個の遊技球が発射可能な遊技球(許容発射球)として設定されるものとなっており、遊技球が発射されるごとに許容発射球が減っていく。一方で、大入賞口11に遊技球が入球すると、許容発射球が増える。この許容発射球の個数については、メインRAM101c内に設けられた、許容発射球カウンタ(KY)記憶領域において更新及び記憶される。
なお、ゲーム開始時に設定される「100」個の許容発射球を「許容発射球の初期値」という。
また、大入賞口11に遊技球が入球したときに付与される遊技球の個数は、当該当選した特別図柄(図11及び図18参照)に基づいて予め決められている。例えば、第1大当たり(特別図柄1)に当選となり第1大当たり遊技が実行される場合には、大入賞口11に遊技球が入球するごとに、40個の遊技球が付与される。また、第2大当たり(特別図柄2)に当選となり第2大当たり遊技が実行される場合には、大入賞口11に遊技球が入球するごとに、20個の遊技球が付与される。
例えば、図11(a)に示すように、特別図柄1に係る大当たり遊技では付与される遊技球の個数(総数)が、
「40(個)×10(個)×15(ラウンド)=6000(個)」、
特別図柄2に係る大当たり遊技では付与される遊技球の個数(総数)が、
「20(個)×10(個)×15(ラウンド)=3000(個)」となっている。
また、これに伴って付与されるクレジットは、上記した「大入賞口11に遊技球が入球したときに付与される遊技球の個数」及び上記した「大当たり遊技において付与される遊技球の個数(総数)」に、遊技球1個の単価を乗算して算出されるものである。なお、大当たり遊技についての詳細は後述する。
このように、大当たり遊技では、大入賞口11に遊技球が入球するごとに特定個数の遊技球が付与されていくため、これに対応してクレジットも複数回に分けて付与される(いわゆる「小分け」にして付与される)。したがって、遊技球が大入賞口11に入球するごとに付与する遊技球の個数(これに伴うクレジットの数)を抽選などにより決定するものとしたり、あるいは抽選などして決定しているかのように見せ掛けたりすることが可能となる。
一方、「小当たり」というのは、始動口9に遊技球が入球したことを条件として行われる大当たりの抽選において、小当たりの当選により、所定個数の遊技球(これに伴う所定数のクレジット)が付与される権利を獲得したことをいう。詳細には、「小当たり遊技」においては、大入賞口11が開放されることはなく、図11(b)に示す、小当たりに該当する演出図柄70の組み合わせが表示されたときに(一度に)所定個数の遊技球(これに伴う所定数のクレジット)が付与される。
本実施形態では、図11(b)に示すように、小当たり遊技では付与される遊技球の個数(総数)が「5(個)」〜「100(個)」と大当たり遊技に比べると極めて少ない。このため、小当たり遊技において付与される遊技球(これに伴うクレジット)を複数回に分けて付与することは、遊技者にとって有益とはならないため、一度に付与するものとしている。
次に、遊技機100における遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
(主制御基板のメイン処理)
図13を用いて、主制御基板101のメイン処理を説明する。
電源基板107により電源が供給されると、メインCPU101aにシステムリセットが発生し、メインCPU101aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS10において、メインCPU101aは、初期化処理を行う。この処理において、メインCPU101aは、電源投入に応じて、メインROMから起動プログラムを読み込むとともに、メインRAMに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS20において、メインCPU101aは、特別図柄の変動態様(変動時間)を決定するための演出用乱数値を更新する演出用乱数値更新処理を行う。
ステップS30において、メインCPU101aは、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップS20とステップS30との処理を繰り返し行う。
(主制御基板のタイマ割込処理)
図14を用いて、主制御基板101のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板101に設けられたリセット用クロックパルス発生回路によって、所定の周期(4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、以下に述べるタイマ割込処理が実行される。
まず、ステップS50において、メインCPU101aは、メインCPU101aのレジスタに格納されている情報をスタック領域に退避させる。
ステップS60において、メインCPU101aは、特別図柄時間カウンタの更新処理、特別電動役物の開放時間等などの特別遊技タイマカウンタの更新処理等の各種タイマカウンタを更新する時間制御処理を行う。
ステップS70において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値を更新する乱数更新処理を行う。
具体的には、それぞれの乱数値及び乱数カウンタを「1」加算して更新する。なお、加算した乱数カウンタが乱数範囲の最大値を超えた場合(乱数カウンタが1周した場合)には、乱数カウンタを0に戻し、その時の初期乱数値からそれぞれの乱数値を新たに更新する。
ステップS80において、メインCPU101aは、ステップS30と同様に、特別図柄判定用初期乱数値、大当たり図柄用初期乱数値を更新する初期乱数値更新処理を行う。
ステップS90において、メインCPU101aは、入力制御処理を行う。
この処理において、メインCPU101aは、始動口検出スイッチ9s、大入賞口検出スイッチ11s、ゲーム開始ボタン検出スイッチ24s、レート切替ボタン検出スイッチ25s、精算ボタン検出スイッチ27s、発射球検出スイッチ42s、ファール球検出スイッチ47sの各スイッチから入力があったか否か判定する入力処理を行う。
具体的には、始動口検出スイッチ9sから検出信号を入力した場合には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、演出用乱数値を取得して、取得した乱数値を特別図柄記憶領域に記憶する。また、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力した場合には、特定個数の許容発射球を付与する。このとき、この特定個数に対応するクレジットを付与するクレジットデータも作成される。
また、ゲーム開始ボタン検出スイッチ24sから検出信号を入力した場合には、許容発射球の初期値が設定される(つまり、発射可能な遊技球の個数を「100」個に設定する)。また、レート切替ボタン検出スイッチ25sから検出信号を入力した場合には、現在設定されているレートを変更する。また、精算ボタン検出スイッチ27sから検出信号を入力した場合には、遊技者の保持しているクレジットの情報に基づいて、チケットの払い出しを行う。
また、発射球検出スイッチ42sから検出信号を入力した場合には、発射球カウンタ(H)を更新する。ファール球検出スイッチ47sから検出信号を入力した場合には、ファール球カウンタ(F)を更新する。なお、直前に発射球検出スイッチ42sから検出信号が入力されていない場合は、ファール球検出スイッチ47sから検出信号が入力されてもファール球カウンタ(F)を加算しないようにすることで、一方的に加算する不正や誤作動を防止することもできる。この入出力制御処理については、図15〜図23を用いて具体的に後述する。
ステップS100において、メインCPU101aは、クレジット制御基板200からゲーム許可信号を入力すると、許容内遊技(許容発射球として設定された範囲内での遊技球の発射が許可された遊技のこと)を開始させるための所定のデータをセットさせるプレイ開始制御処理を行う。このプレイ開始制御処理については、図24及び図25を用いて具体的に後述する。
ステップS200において、メインCPU101aは、許容内遊技を終了させるための所定のデータをセットさせるプレイ終了制御処理を行う。このプレイ終了制御処理については、図26を用いて具体的に後述する。
ステップS300において、メインCPU101aは、大当たりの抽選、特別電動役物の制御を行うための特図特電制御処理を行う。この特図特電制御処理においは、大当たり遊技や小当たり遊技が行われる。そして、小当たり遊技においても所定数のクレジットが付与され、この所定数のクレジットを付与するためのクレジットデータが作成される。詳しくは、図27及び図28を用いて後述する。
ステップS400において、メインCPU101aは、電チュー始動口9Bを第1の態様又は第2の態様に制御するための電チュー制御処理を行う。詳しくは、図29を用いて後述する。
ステップS500において、メインCPU101aは、データ作成処理を行う。このデータ作成処理において、メインCPU101aは、大当り遊技が制御されていることを示す大当り信号、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可するための発射許可信号、始動口開閉ソレノイド9cを駆動させるための始動口開閉ソレノイドデータ、大入賞口開閉ソレノイド11cを駆動させるための大入賞口開閉ソレノイドデータ、特別図柄表示装置19を点灯表示させるための特別図柄表示装置データ、特別図柄保留表示器20を点灯表示させるための保留表示器用データのデータ作成処理を行う。
ステップS600において、メインCPU101aは、出力制御処理を行う。この処理において、上記ステップS90〜ステップS500で作成した信号、つまり、レートの切り替えが受け付けられたことを示すレート切替信号、ゲームの開始操作が受け付けられたことを示すゲーム開始信号、ゲームを終了する操作(精算操作)が受け付けられたことを示す精算信号等、を出力させるポート出力処理を行う。
また、上記ステップS90及びステップS300で作成したクレジットデータをクレジット制御基板200に出力するクレジットデータ出力処理を行う。
また、上記ステップS500で作成した特別図柄表示装置データおよび保留表示器用データを出力する表示装置出力処理を行う。
さらに、メインRAM101cの演出用伝送データ格納領域にセットされているコマンドを送信するコマンド送信処理も行う。
ステップS700において、メインCPU101aは、上記ステップS50で退避した情報をメインCPU101aのレジスタに復帰させる。
(入力制御処理)
図15を用いて、主制御基板101の入力制御処理を説明する。
まず、ステップS91において、メインCPU101a は、始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が始動口9に入球したか否かを判定して、大当たりの判定を行うための所定のデータをセットする始動口検出スイッチ入力処理を行う。この始動口検出スイッチ入力処理については、詳しくは、図16を用いて後述する。
ステップS92において、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力したか、すなわち、遊技球が大入賞口11に入球したか否かを判定して、この入球に対応して付与する特定個数の遊技球及びこれに伴う所定数のクレジットを決定する大入賞口検出スイッチ入力処理を行う(図17参照)。また、大入賞口11に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS93において、メインCPU101aは、レート切替ボタン検出スイッチ25sが信号を入力したか、すなわち、レート切替ボタン25が操作されたか否かを判定するレート切替ボタン検出スイッチ入力処理を行う(図19参照)。
ここで、本実施形態におけるレートには、
[レート1・・・・1000円投入で1000個の遊技球の発射が許容される]すなわち、遊技球1個の単価1円(1000クレジットで許容発射球が1000個)、
[レート2・・・・1000円投入で500個の遊技球の発射が許容される]すなわち、遊技球1個の単価2円(1000クレジットで許容発射球が500個)、
[レート4・・・・1000円投入で250個の遊技球の発射が許容される]すなわち、遊技球1個の単価4円(1000クレジットで許容発射球が250個)、
[レート10・・・1000円投入で100個の遊技球の発射が許容される]すなわち、遊技球1個の単価10円(1000クレジットで許容発射球が100個)、
という「レート1」〜「レート10」までの4つのレートが設けられている。
例えば、「レート1」は、遊技球1個が1円(1クレジット)となっており、遊技球1個の単価が最も低くなっている。この「レート1」を「最小レート」という。
一方で、「レート10」は、遊技球1個の単価が10円(10クレジット)となっており、遊技球1個の単価が最も高くなっている。この「レート10」を「最大レート」という。
また、最小レートから1段階大きいレートが「レート2」であり、さらに「レート2」から1段階大きいレートが「レート4」であり、さらに1段階大きいレートが最大レートである。
なお、「レートN(Nは1,2,4,10)」で示す「N」は、それぞれ遊技1個の単価と同じとなっている。このことから、「レート」は「コインサイズ」と呼ばれることもある。
ステップS94において、メインCPU101aは、ゲーム開始ボタン検出スイッチ24sが信号を入力したか、すなわち、ゲーム開始ボタン24が操作されたか否かを判定するゲーム開始ボタン検出スイッチ入力処理を行う(図20参照)。
ステップS95において、メインCPU101aは、精算ボタン検出スイッチ27sが信号を入力したか、すなわち、精算ボタン27が操作されたか否かを判定する精算ボタン検出スイッチ入力処理を行う(図21参照)。
ステップS96において、メインCPU101aは、発射球検出スイッチ42sが信号を入力したか、すなわち、遊技球が発射されたか否かを判定する発射球検出スイッチ入力処理を行う(図22参照)。
ステップS97において、メインCPU101aは、ファール球検出スイッチ47sが信号を入力したか、すなわち、発射された遊技球が遊技領域6に到達できずに再び受け皿40に戻ってきたか否かを判定するファール球検出スイッチ入力処理を行う(図23参照)。
(始動口検出スイッチ入力処理)
図16を用いて、主制御基板101の始動口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS91−1において、メインCPU101aは、始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力したか否かを判定する。
始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力した場合にはステップS91−2に処理を移し、始動口検出スイッチ9sからの検出信号を入力しなかった場合には、始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS91−2において、メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域にセットされているデータが4未満であるか否かを判定する。特別図柄保留数(U)記憶領域にセットされているデータが4未満であった場合には、ステップS91−3に処理を移し、特別図柄保留数(U)記憶領域にセットされているデータが4未満でない場合には始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS91−3において、メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域に「1」を加算して記憶する。
ステップS91−4において、メインCPU101aは、始動口9に入球した遊技球を計数するための進入球カウンタ(S)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS91−5において、メインCPU101aは、進入球カウンタ(S)の値(以下、「進入球数S」という)が、上限値γを超えたか否かを判定する。すなわち、特定値(上限値γ)を超えて始動口9に入球した遊技球があるか否かが判定される。このとき、進入球数Sが上限値γを超えたと判定された場合には、ステップS91−7に処理を移し、進入球数Sが上限値γを超えていないと判定された場合には、ステップS91−6に処理を移す。
ステップS91−6において、メインCPU101aは、特別図柄判定用乱数値を取得して、特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した特別図柄判定用乱数値を記憶する。
ステップS91−7において、メインCPU101aは、ハズレとなる特別図柄判定用乱数値を取得して、特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した特別図柄判定用乱数値を記憶する。この「ハズレとなる特別図柄判定用乱数値」とは、図10に示す、判定結果がハズレとなる特別図柄判定用乱数値の範囲からいずれかの特別図柄判定用乱数値を取得することをいう。したがって、本ステップS91−7の処理を経由した場合には、判定結果が必ずハズレになる。
ステップS91−8において、メインCPU101aは、大当たり図柄用乱数値を取得して、特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した大当たり図柄用乱数値を記憶する。
ステップS91−9において、メインCPU101aは、演出用乱数値として、演出用乱数値を取得して、特別図柄記憶領域にある第1記憶部から順に空いている記憶部を検索していき、空いている記憶部に取得した演出用乱数値を記憶し、始動口検出スイッチ入力処理を終了する。
以上より、特別図柄記憶領域の所定の記憶部には、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、演出用乱数値が記憶されることとなる。
(大入賞口検出スイッチ入力処理)
図17を用いて、主制御基板101の大入賞口検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS92−1において、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力したか否かを判定する。
大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力した場合にはステップS92−2に処理を移し、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力しなかった場合には、大入賞口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS92−2において、メインCPU101aは、大入賞口11に入賞した遊技球を計数するための大入賞口入球カウンタ(C)記憶領域のカウンタを加算して更新する。
ステップS92−3において、メインCPU101aは、クレジット付与設定処理を行う。この処理では、大入賞口入球カウンタ(C)がカウントアップされるごとに、特定個数の遊技球を付与すると共に、このとき付与される特定個数の遊技球に対応するクレジットを付与するためのクレジットデータを生成する。
次に、このクレジット設定処理について、図18を用いて説明する。
ステップS92−3−1において、メインCPU101aは、当該当選した特別図柄に基づいて、大入賞口入球カウンタ(C)がカウントアップされるごとに新たに発射可能とする遊技球の個数(特定個数)を決定する。このとき、当該当選した特別図柄が特別図柄1であれば、特定個数を「40」とし、当該当選した特別図柄が特別図柄2であれば、特定個数を「20」とする。
ステップS92−3−2において、メインCPU101aは、許容発射球カウンタ(KY)を更新する。詳細には、メインCPU101aが、許容発射球カウンタ(KY)の値に、上記ステップS92−3−1で決定した特定個数を加算して更新する。
ステップS92−3−3において、メインCPU101aは、現在設定されているレート(以下、「当該レート」という)を参照する。
ステップS92−3−4において、メインCPU101aは、上記ステップS92−3−3で参照した当該レートに基づいて「倍率」を設定する。
この「倍率」とは、レートごとに対応付けられた遊技球1個の単価に基づくものである。例えば、当該レートが「レート1」であれば、「倍率」は「1倍(図示では「×1」で表記している)」が設定される。また、当該レートが「レート2」であれば、「倍率」は「2倍(図示では「×2」で表記している)」が設定され、当該レートが「レート4」であれば、「倍率」は「4倍(図示では「×4」で表記している)」が設定され、当該レートが「レート10」であれば、「倍率」は「10倍(図示では「×10」で表記している)」が設定される。
ステップS92−3−5において、メインCPU101aは、上記ステップS92−3−4で設定した倍率と、上記ステップS92−3−1で決定された特定個数と、から、付与される所定数のクレジット(以下、「付与クレジット」という)を算出する。
ステップS92−3−6において、メインCPU101aは、上記付与クレジットに基づいてクレジットデータを生成し、クレジット付与設定処理を終了する。
本ステップS92−3−6において作成されたクレジットデータは、クレジット制御基板200に送信される。そして、クレジットデータを受信したクレジット制御基板200側では、このとき受信したクレジットデータに基づいて、大当たり遊技においてクレジットが大量に付与されていることを報知する演出である「大当たり演出」がサブモニタ30において実行される。
図34(a)は、サブモニタ30における大当たり演出の一例(1)を示す演出画像である。ここでは数字(「10」、「50」、「60」、「80」、・・)が描かれた風船が飛んでおり、一部の風船が割れている様子が示されている。この演出は、図34(b)に示すように、大入賞口11に遊技球が入球する(詳細には、大入賞口検出スイッチ11sからの検出信号を入力する)たびに、風船が割れていく内容となっており、割れた風船に描かれた数字がクレジットとして加算される。このような演出内容により、大当たり遊技で獲得できるクレジット数をランダムに見せることが可能となる。
再び、図17に戻り、ステップS92−4以降の処理について説明する。
ステップS92−4において、メインCPU101aは、特別抽選を行う。この「特別抽選」とは、当該大当たり遊技とは別に「特別大当たり遊技」を実行する権利を獲得できるか否かの抽選のことをいう。本実施形態では、特別抽選に当選となった場合、当該大当たり遊技の終了後に、当該大当たり遊技と同じ内容の大当たり遊技を実行するか、まったく別の内容の大当たり遊技を実行することができるものとなっている。そして、特別抽選における当選確率は、「1/10000」など非常に低い確率に設定されている。また、この特別抽選は、特別大当たり遊技中には行われず、始動口検出スイッチ9sの検出時に抽選するようになっている。なお、この特別大当たり遊技の内容については、遊技場側で設定できるものとしてもよいし、遊技者が選択できるものとしてもよい。
なお、この「特別大当たり」をいわゆるジャックポット(プログレッシブジャックポットなど広く含む)としてもよいし、特別抽選において当選した場合に、ジャックポットに参加するための権利(ジャックポットへの参加権)を与えるものとしてもよい。
また、特別抽選についても、上記大当たり演出において示唆したり報知したりすると、より演出面での面白みを増すことが可能となる。図35(a)は、サブモニタ30における大当たり演出の一例(2)を示す演出画像である。例えば、大当たり演出において特別抽選を示唆したり報知したりする場合には、図35(a)に示すように、風船が割れたときに「JP CHANCE!!」という文字を表示する。これにより、単にクレジットが加算されるのではなく、他の遊技価値が与えられるのではないかという大きな期待感を遊技者に持たせることができる。このような示唆や報知は、特別抽選に当選したときのみに限らず、ランダムに決めたり、抽選で決めたりして行うものであってもよい。
ステップS92−5において、メインCPU101aは、上記ステップS92−4において特別抽選に当選したか否かを判定する。特別抽選に当選していない場合には、メインCPU101aは、大入賞口検出スイッチ入力処理を終了する。
ステップS92−6において、メインCPU101aは、メインRAM101c内に設けられた特別当選フラグ記憶領域においてフラグ(特別当選フラグ)をONにする。この特別当選フラグがONされていることにより特別大当たり遊技が実行される(図示しない)。
(レート切替ボタン検出スイッチ入力処理)
図19を用いて、主制御基板101のレート切替ボタン検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS93−1において、メインCPU101aは、レート切替ボタン検出スイッチ25sからの検出信号を入力したか否かを判定する。このとき、レート切替ボタン検出スイッチ25sからの検出信号を入力しなかった場合には、レート切替ボタン検出スイッチ入力処理を終了し、レート切替ボタン検出スイッチ25sからの検出信号を入力した場合には、ステップS93−2に処理を移す。
ステップS93−2において、メインCPU101aは、操作許可フラグがONであるか否かを判定する。このとき、操作許可フラグがONされていないと判定された場合には、レート切替スイッチ検出ボタン入力処理を終了し、操作許可フラグがONされていると判定された場合にはステップS93−3に処理を移す。この操作許可フラグとは、メインRAM101c内に設けられた操作許可フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。
ステップS93−3において、メインCPU101aは、レート切替フラグをONにして、レート切替ボタン検出スイッチ入力処理を終了する。このレート切替フラグとは、メインRAM101c内に設けられたレート切替フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。
(ゲーム開始ボタン検出スイッチ入力処理)
図20を用いて、主制御基板101のゲーム開始ボタン検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS94−1において、メインCPU101aは、ゲーム開始ボタン検出スイッチ24sからの検出信号を入力したか否かを判定する。このとき、ゲーム開始ボタン検出スイッチ24sからの検出信号を入力しなかった場合には、ゲーム開始ボタン検出スイッチ入力処理を終了し、ゲーム開始ボタン検出スイッチ24sからの検出信号を入力した場合にはステップS94−2に処理を移す。
ステップS94−2において、メインCPU101aは、操作許可フラグがONであるか否かを判定する。このとき、操作許可フラグがONされていないと判定された場合には、ゲーム開始ボタン検出スイッチ入力処理を終了し、操作許可フラグがONされていると判定された場合にはステップS94−3に処理を移す。
ステップS94−3において、メインCPU101aは、ゲーム開始フラグをONにして、ゲーム開始ボタン検出スイッチ入力処理を終了する。このゲーム開始フラグとは、メインRAM101c内に設けられた、ゲーム開始フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。
(精算ボタン検出スイッチ入力処理)
図21を用いて、主制御基板101の精算ボタン検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS95−1において、メインCPU101aは、精算ボタン検出スイッチ27sからの検出信号を入力したか否かを判定する。このとき、精算ボタン検出スイッチ27sからの検出信号を入力しなかった場合には、精算ボタン検出スイッチ入力処理を終了し、精算ボタン検出スイッチ27sからの検出信号を入力した場合にはステップS95−2に処理を移す。
ステップS95−2において、メインCPU101aは、精算許可フラグがONであるか否かを判定する。このとき、精算許可フラグがONされていないと判定された場合には、精算ボタン検出スイッチ入力処理を終了し、精算許可フラグがONされていると判定された場合にはステップS95−3に処理を移す。この精算許可フラグとは、メインRAM101c内に設けられた精算許可フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。
ステップS95−3において、メインCPU101aは、クレジットを精算するための操作が受け付けられたことを、クレジット制御基板200に出力するための精算信号を生成する。
(発射球検出スイッチ入力処理)
図22を用いて、主制御基板101の発射球検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS96−1において、メインCPU101aは、発射球検出スイッチ42sからの検出信号を入力したか否かを判定する。このとき、発射球検出スイッチ42sからの検出信号を入力しなかった場合には、発射球検出スイッチ入力処理を終了し、発射球検出スイッチ42sからの検出信号を入力した場合にはステップS96−2に処理を移す。
ステップS96−2において、メインCPU101aは、発射球カウンタ(H)を更新する。詳細には、メインRAM101c内に設けられた発射球カウンタ(H)記憶領域に記憶されている、発射球カウンタの値に「1」を加算して更新する。そして、発射球検出スイッチ入力処理を終了する。
(ファール球検出スイッチ入力処理)
図23を用いて、主制御基板101のファール球検出スイッチ入力処理を説明する。
まず、ステップS97−1において、メインCPU101aは、ファール球検出スイッチ47sからの検出信号を入力したか否かを判定する。このとき、ファール球検出スイッチ47sからの検出信号を入力しなかった場合には、ファール球検出スイッチ入力処理を終了し、ファール球検出スイッチ47sからの検出信号を入力した場合にはステップS97−2に処理を移す。
ステップS97−2において、メインCPU101aは、ファール球カウンタ(F)を更新する。詳細には、メインRAM101c内に設けられたファール球カウンタ(F)記憶領域に記憶されている、ファール球カウンタの値に「1」を加算して更新する。そして、ファール球検出スイッチ入力処理を終了する。
(プレイ開始制御処理)
図24を用いて、主制御基板101のプレイ開始制御処理を説明する。
まず、ステップS101において、メインCPU101aは、操作許可フラグがONであるか否かを判定する。このとき、操作許可フラグがONされていると判定された場合には、ステップS120に処理を移し、操作許可フラグがONされていないと判定された場合には、ステップS102に処理を移す。
ステップS102において、メインCPU101aは、クレジット制御基板200から、遊技を許可するためのゲーム許可信号を入力したか否かを判定する。このとき、ゲーム許可信号を入力していないと判定された場合には、プレイ開始制御処理を終了し、ゲーム許可信号を入力したと判定された場合には、ステップS103に処理を移す。
ステップS103において、メインCPU101aは、不許可フラグがONされているか否かを判定する。このとき、不許可フラグがONされていないと判定された場合には、ステップS105に処理を移し、不許可フラグがONされていると判定された場合には、ステップS104に処理を移す。この不許可フラグとは、メインRAM101c内に設けられた不許可フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。
ステップS104において、メインCPU101aは、不許可フラグをOFFにする。
ステップS105において、メインCPU101aは、操作許可フラグをONにして、プレイ開始制御処理を終了する。
次に、上記ステップS101において、操作許可フラグがONされていると判定された場合に実行される、ステップS120における、主制御基板101のレート切替処理について、図25を用いて説明する。
まず、ステップS121において、メインCPU101aは、レート切替フラグがONされているか否かを判定する。このとき、レート切替フラグがONされていないと判定された場合には、レート切替処理を終了し、レート切替フラグがONされていると判定された場合には、ステップS122に処理を移す。
ステップS122において、メインCPU101aは、当該レートが最大レートであるか否か、すなわち、「レート10」であるか否かを判定する。このとき、「最大レート」ではないと判定された場合には、ステップS124に処理を移し、「最大レート」であると判定された場合には、ステップS123に処理を移す。
ステップS123において、メインCPU101aは、「最小レート」、すなわち「レート1」を選択する。
ステップS124において、メインCPU101aは、当該設定されているレートよりも「1段階大きいレート」を選択する。例えば、当該設定されているレートが「レート1」であれば「レート2」が選択され、当該設定されているレートが「レート2」であれば「レート4」が選択され、当該設定されているレートが「レート4」であれば「レート10」が選択される。
ステップS125において、メインCPU101aは、上記ステップS123またはステップS124において選択したレートを、メインRAM101c内に設けられた、当該レート記憶領域に記憶する。これにより、上記ステップS123またはステップS124において選択したレートが当該レートとして設定される。すなわち、レートの切り替えが受け付けられたこととなる。
なお、本実施形態では、初期値として「レート1」が当該レートとして設定されている。このため、遊技機100の電源投入時から本レート切替処理において当該レートの切り替えが行われるまでは、「レート1」が設定されたうえで遊技が行われることとなる。
ステップS126において、メインCPU101aは、レート切替フラグをOFFにする。
ステップS127において、メインCPU101aは、当該レートが切り替えられたことを、クレジット制御基板200に出力するためのレート切替信号を生成し、レート切替処理を終了する。
再び、図24に戻り、ステップS106以降の処理について説明する。
ステップS106において、メインCPU101aは、ゲーム開始フラグがONであるか否かを判定する。このとき、ゲーム開始フラグがONされていないと判定された場合には、プレイ開始制御処理を終了し、ゲーム開始フラグがONされていると判定された場合には、ステップS107に処理を移す。
ステップS107において、メインCPU101aは、許容発射球カウンタ(KY)に「初期値」をセットする。詳細には、メインRAM101c内に設けられた許容発射球カウンタ(KY)記憶領域に「100」を記憶させる。
本実施形態では、「レート1」〜「レート10」のいずれが設定された場合にも、ゲーム開始時には、許容発射球の初期値は「100個」に設定される。すなわち、上記ステップS107においては、許容発射球カウンタ(KY)の初期値として「100」がセットされる。
ステップS108において、メインCPU101aは、発射制御基板106に遊技球を発射させることを許可するために、発射許可データをメインRAM101c内に設けられた発射許可データ記憶領域にセットする。
ステップS109において、メインCPU101aは、ゲーム開始フラグをOFFにする。
ステップS110において、メインCPU101aは、ゲーム実行中フラグをONにする。このゲーム実行中フラグは、メインRAM101c内に設けられた、ゲーム実行中フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。
ステップS111において、メインCPU101aは、操作許可フラグをOFFにする。本ステップS109において操作許可フラグがOFFにされることにより、ゲーム開始ボタン24及びレート切替ボタン25への操作が受け付けられなくなる。すなわち、上記各ボタン24、25への操作がなされたとしても、このとき受け付けられた操作は有効な操作とは判定されず、無効な操作として扱われることとなる。言い換えれば、操作許可フラグがOFFにされている場合とは、レートを切り替えることが不可能な状態であり、ゲームを開始すること(つまり、新たに又は追加して許容発射球をセットすること)が不可能な状態である。
ステップS112において、メインCPU101aは、精算許可フラグをOFFにする。本ステップS112において精算許可フラグがOFFにされることにより、精算ボタン27への操作が受け付けられなくなる。すなわち、精算ボタン27への操作がなされたとしても、このとき受け付けられた操作は有効な操作とは判定されず、無効な操作として扱われることとなる。言い換えれば、精算許可フラグがOFFにされている場合とは、クレジットを精算することが不可能な状態である。
ステップS113において、メインCPU101aは、ゲームを開始するための操作が受け付けられたことを、クレジット制御基板200に出力するためのゲーム開始信号を生成して、プレイ開始制御処理を終了する。
(プレイ終了制御処理)
図26を用いて、主制御基板101のプレイ終了制御処理を説明する。
まず、ステップS201において、メインCPU101aは、クレジット制御基板200からの遊技を許可しないためのゲーム不許可信号を入力したか否かを判定する。このとき、ゲーム不許可信号を入力していないと判定された場合には、ステップS203に処理を移し、ゲーム不許可信号を入力したと判定された場合には、ステップS202に処理を移す。
ステップS202において、メインCPU101aは、不許可フラグをONにする。
ステップS203において、メインCPU101aは、ゲーム実行中フラグがONされているか否かを判定する。このとき、ゲーム実行中フラグがONされていないと判定された場合には、プレイ終了制御処理を終了し、ゲーム実行中フラグがONされていると判定された場合には、ステップS204に処理を移す。
ステップS204において、メインCPU101aは、発射球カウンタ(H)の値からファール球カウンタ(F)の値を減算した結果として算出される値、つまり、遊技領域6に打ち出された遊技球(以下、「有効発射球」という)の総個数(以下、「有効発射球数」という)が、許容発射球カウンタ(KY)記憶領域に記憶されている、許容発射球カウンタ(KY)の値と同じ値になったか否かを判定する。すなわち、許容発射球を全て発射し切ったか否かが判定される。このとき、有効発射球数(H−F)の値が、許容発射球カウンタ(KY)の値と同じではないと判定された場合には、プレイ終了制御処理を終了し、有効発射球数(H−F)の値が、許容発射球カウンタ(KY)の値と同じであると判定された場合には、ステップS205に処理を移す。
ステップS205において、メインCPU101aは、発射許可データをクリアする。本ステップS205において、発射許可データがクリアされることにより、発射が停止されることになる。
なお、プレイ終了制御処理に基づいて発射を停止させる手法については、操作ハンドル3を遊技者が操作しても遊技球が打ち出されない形態であればよく、例えば、タッチセンサ3sにおける検出を無効化する、発射ボリューム3aの電圧値の読み出しを行わない等の手法を用いてもよい。
ステップS206において、メインCPU101aは、ゲーム実行中フラグをOFFにする。
ステップS207において、メインCPU101aは、精算許可フラグをONにする。本ステップS207において精算許可フラグがONにされることにより、精算ボタン27への操作が受け付けられたときに、このとき受け付けられた操作が有効な操作と判定され、有効な操作として扱われることとなる。言い換えれば、精算許可フラグがONにされている場合とは、クレジットを精算することが可能な状態である。
ステップS208において、メインCPU101aは、不許可フラグがONであるか否かを判定する。このとき、不許可フラグがONされていると判定された場合にはステップS210に処理を移し、不許可フラグがONされていないと判定された場合には、ステップS209に処理を移す。
ステップS209において、メインCPU101aは、操作許可フラグをONにする。本ステップS209において操作許可フラグがONにされることにより、ゲーム開始ボタン24及びレート切替ボタン25への操作が受け付けられたときに、このとき受け付けられた操作が有効な操作と判定され、有効な操作として扱われることとなる。言い換えれば、操作許可フラグがONにされている場合とは、レートを切り替えることが可能な状態であり、ゲームを開始すること(つまり、新たに又は追加して許容発射球をセットすること)が可能な状態である。
ステップS210において、メインCPU101aは、発射球カウンタ(H)及びファール球カウンタ(F)をクリアする。また、メインCPU101aは、進入球カウンタ(S)もクリアする。そして、プレイ終了制御処理を終了する。
(特図特電制御処理)
図27を用いて、主制御基板101の特図特電制御処理を説明する。
ステップS301において、メインCPU101aは、特図特電処理データの値をロードし、ステップS302においてロードした特図特電処理データから分岐先アドレスを参照し、特図特電処理データ=0であれば特別図柄記憶判定処理(ステップS310)に処理を移し、特図特電処理データ=1であれば特別図柄変動処理(ステップS320)に処理を移し、特図特電処理データ=2であれば特別図柄停止処理(ステップS330)に処理を移し、特図特電処理データ=3であれば大当たり遊技処理(ステップS340)に処理を移し、特図特電処理データ=4であれば小当り遊技処理(ステップS350)に処理を移し、特図特電処理データ=5であれば特別大当り遊技処理(ステップS360)に処理を移す。
この「特図特電処理データ」は、後述するように特図特電制御処理の各サブルーチンの中で必要に応じてセットされていくので、その遊技において必要なサブルーチンが適宜処理されていくことになる。
ステップS310において、メインCPU101aは、大当たりの抽選、停止表示する特別図柄の決定をする特別図柄記憶判定処理を行う。具体的には、図28を用いて後述する。
ステップS320の特別図柄変動処理においては、メインCPU101aは、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定する処理を行う。
具体的には、メインCPU101aは、ステップS310で決定された特別図柄の変動時間が経過したか否か(特別図柄時間カウンタ=0か?)を判定し、特別図柄の変動時間が経過していないと判定した場合には、特図特電処理データ=1を保持したまま、今回の特別図柄変動処理を終了し、次のサブルーチンを実行する。
特別図柄の変動時間が経過したと判定すれば、特別図柄の変動表示データをクリアして、上記ステップS310で決定された特別図柄を特別図柄表示装置19に停止表示させる。これにより、特別図柄表示装置19に特別図柄が停止表示され、遊技者に大当たりの判定結果が報知されることとなる。
最後に、特図特電処理データ=1から特図特電処理データ=2にセットして、特別図柄停止処理に移す準備を行い、特別図柄変動処理を終了する。
ステップS330の特別図柄停止処理においては、メインCPU101aは、停止表示された特別図柄を判定する処理を行う。
具体的には、メインCPU101aは、まず停止表示された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。大当たり図柄と判定された場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=3にセットして、大当たり遊技処理に移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
また、大当たり図柄と判定されなかった場合には、特図特電処理データ=2から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、特別図柄停止処理を終了する。
ステップS340の大当たり遊技処理においては、メインCPU101aは、大入賞口開閉ソレノイド11cを駆動させ、大入賞口11を開放させる処理を行う。
具体的には、メインCPU101aは、大入賞口開閉扉11bを開放するために大入賞口開閉ソレノイド11cの駆動データを出力するとともに、29.5秒の開放時間を特別遊技タイマカウンタにセットして、大入賞口開閉扉11bを最大29.5秒まで開放させる。この開放中に所定個数の遊技球が大入賞口11に入球する(例えば大入賞口入球カウンタ=10?)か、最大開放時間が経過する(特別遊技タイマカウンタ=0)と、大入賞口開閉ソレノイド11cの駆動データの出力を停止させて、大入賞口開閉扉11bを閉鎖させる。これにより、1回のラウンド遊技が終了する。このラウンド遊技の制御を繰り返し15回行う。
このラウンド遊技が合計15回行われると、特別当選フラグがONされていない場合には、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
一方、特別当選フラグがONされている場合には、特図特電処理データ=3から特図特電処理データ=5にセットして、特別大当たり遊技処理に移す準備を行い、大当たり遊技処理を終了する。
ステップS350の小当り遊技処理においては、メインCPU101aは、当該小当たり図柄に該当する所定個数の遊技球を許容発射球として付与する(図11(b)参照)。また、メインCPU101aは、このとき付与される所定個数の遊技球に対応して所定数のクレジットを付与するためのクレジットデータも作成する。その後、特図特電処理データ=4から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、小当り遊技処理を終了する。
ステップS360の特別大当たり遊技処理においては、メインCPU101aは、直前まで行われていた大当たり遊技を再度実行させるか、またはまったく別の内容の大当たり遊技を実行させる。そして当該大当たり遊技が終了すると、特図特電処理データ=5から特図特電処理データ=0にセットして、特別図柄記憶判定処理に移す準備を行い、特別大当り遊技処理を終了する。
(特別図柄記憶判定処理)
図28を用いて、主制御基板101の特別図柄記憶判定処理を説明する。
ステップS310−1において、メインCPU101aは、特別図柄の変動表示中であるか否かを判定する。ここで、特別図柄の変動表示中であれば(特別図柄時間カウンタ≠0)、特別図柄記憶判定処理を終了し、特別図柄の変動表示中でなければ(特別図柄時間カウンタ=0)、ステップ310−2に処理を移す。
ステップS310−2において、メインCPU101aは、特別図柄の変動中ではない場合には、特別図柄保留数(U)記憶領域が1以上であるかを判定する。
メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域が「1」以上であると判定した場合にはステップS310−3に処理を移し、特別図柄保留数(U)記憶領域が1以上でない場合には特別図柄記憶判定処理を終了する。
ステップS310−3において、メインCPU101aは、特別図柄保留数(U)記憶領域に記憶されている値から「1」を減算して記憶する。
ステップS310−4において、メインCPU101aは、上記ステップS310−2〜S310−3において減算された特別図柄保留数(U)記憶領域に対応する特別図柄保留記憶領域に記憶されたデータのシフト処理を行う。具体的には、特別図柄記憶領域にある第1記憶部〜第4記憶部に記憶された各データを1つ前の記憶部にシフトさせる。ここで、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)にシフトさせる。このとき、第1記憶部に記憶されているデータは、判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれるとともに、既に判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれていたデータは特別図柄保留記憶領域からは消去されることとなる。これにより、前回の遊技で用いた特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄用乱数値、演出用乱数値が消去される。
ステップS310−5において、メインCPU101aは、上記ステップS310−4において特別図柄保留記憶領域の判定記憶領域(第0記憶部)に書き込まれた特別図柄判定用乱数値に基づいて、大当たりの抽選処理を行う。
この大当たりの抽選処理においては、メインCPU101aは、図10に示す大当たり判定テーブルを参照し、特別図柄判定用乱数値が「大当たり」「小当たり」のものであるか否かの判定を行う。
ステップS310−6においては、メインCPU101aは、停止表示する特別図柄を決定する特別図柄決定処理を行う。
この特別図柄決定処理においては、メインCPU101aは、大当たりの抽選の結果として、メインCPU101aは、大当たりと判定された場合には、図11(a)に示す図柄決定テーブルを参照し、大当たり図柄用乱数値に基づいて大当たり図柄の停止図柄データを決定し、小当たりと判定された場合には、図11(b)に示す図柄決定テーブルを参照し、小当たり図柄用乱数値に基づいて小当たり図柄の停止図柄データを決定する。また、ハズレと判定された場合には、図11(c)に示す図柄決定テーブルを参照し、ハズレ図柄の停止図柄データを決定する。その後、決定した停止図柄データを停止図柄データ記憶領域にセットする。
ステップS310−7においては、メインCPU101aは、特別図柄の変動態様を決定する変動パターン決定処理を行う。
この変動パターン決定処理においては、メインCPU101aは、図示しない変動パターン決定テーブルを参照して、大当たりの抽選結果、特別図柄の種類、特別図柄保留数(U)、取得した演出用乱数値に基づいて、変動パターンを決定する。そして、メインCPU101aは、決定した変動パターンに対応する変動パターン指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。
ステップS310−8において、メインCPU101aは、上記ステップS310−7において決定した変動パターンに基づいた変動時間(カウンタ値)を特別図柄時間カウンタにセットする。なお、特別図柄時間カウンタは上記ステップS60において4ms毎に減算処理されていく。
ステップS310−9において、メインCPU101aは、特別図柄表示装置19に特別図柄の変動表示(LEDの点滅)を行わせるための特別図柄の変動表示データをセットする変動表示開始処理を行う。これにより、特別図柄の変動表示データがセットされていると、上記ステップS500でLEDを点灯させる、または点滅させる特別図柄表示装置データが適宜作成され、作成されたデータがステップS600において出力されることで、特別図柄表示装置19の変動表示が行われる。この特別図柄の変動表示は、上記ステップS310−8においてセットされた変動時間だけ継続して行われることとなる。
ステップS310−10において、メインCPU101aは、特図特電処理データ=1をセットすることで、ステップS320に示す特別図柄変動処理に処理を移して、特別図柄記憶判定処理を終了する。
(電チュー制御処理)
図29を用いて、主制御基板101の電チュー制御処理を説明する。
まず、ステップS401において、メインCPU101aは、開放中フラグがONされているか否かを判定する。このとき、開放中フラグがONされていると判定された場合には、ステップS406に処理を移し、開放中フラグがONされていないと判定された場合には、ステップS402に処理を移す。
ステップS402において、メインCPU101aは、有効発射球数(H−F)が規定値αを超えたか否かを判定する。
このとき、有効発射球数(H−F)が規定値αを超えていないと判定された場合には、電チュー制御処理を終了し、有効発射球数(H−F)が規定値αを超えたと判定された場合には、ステップS403に処理を移す。
本実施形態における規定値αは、許容発射球の初期値として設定される「100個」の半分の値に設定されている。すなわち、規定値αは、100(個)/2=50(個)となる。
ステップS403において、メインCPU101aは、進入球カウンタ(S)記憶領域において更新されている進入球カウンタ(S)の値(進入球数S)が、上限値γ未満であるか否かを判定する。このとき、進入球数Sが上限値γ以上であると判定された場合には、電チュー制御処理を終了し、進入球数Sが上限値γ未満であると判定された場合には、ステップS404に処理を移す。
本実施形態における上限値γは、「10」に設定されている。
ステップS404において、メインCPU101aは、始動口開閉ソレノイド9cに通電を開始する。これにより、電チュー始動口9Bが開放して第2の態様に制御されることとなる。
ステップS405において、メインCPU101aは、開放中フラグをONにして、電チュー制御処理を終了する。この開放中フラグとは、電チュー始動口9Bを第2の態様に制御するときに参照されるフラグであり、メインRAM101c内に設けられた、開放中フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。
ステップS406において、メインCPU101aは、進入球数Sが上限値γ以上であるか否かを判定する。このとき、進入球数Sが上限値γ以上ではないと判定された場合には、ステップS409に処理を移し、進入球数Sが上限値γ以上であると判定された場合には、ステップS407に処理を移す。
ステップS407において、メインCPU101aは、開放中フラグをOFFにする。
ステップS408において、メインCPU101aは、始動口開閉ソレノイド9cの通電を停止する。これにより、電チュー始動口9Bは第1の態様に復帰し、再び遊技球の入球が不可能または困難となることとなる。
ステップS409において、メインCPU101aは、有効発射球数(H−F)の値が許容発射球カウンタ(KY)の値と等しくなったか否かを判定する。すなわち、全ての許容発射球を遊技領域6に発射し切ったか否か(許容発射球を全て打ち切ったか否か)が判定される。このとき、有効発射球数(H−F)の値が許容発射球カウンタ(KY)の値と等しくなったと判定された場合(つまり、許容発射球を全て打ち切ったと判定された場合)には、上記ステップS407に処理を移し、未だ有効発射球数(H−F)の値が許容発射球カウンタ(KY)の値 と等しくなっていないと判定された場合には、始動口開閉ソレノイド9cに通電を保持させたまま、電チュー制御処理を終了する。
すなわち、電チュー始動口9Bが開放して第2の態様に制御されてからは、進入球数Sが上限値γに到達するか、又は許容発射球を全て打ち切るかするまで、電チュー始動口9Bは第2の態様に制御され続けることとなる。
次に、クレジット制御基板200におけるクレジットCPU200aにより実行される処理について説明する。本実施形態においては、クレジットCPU200aは、電源が投入されることを契機に実行されるメイン処理(図30)を、少なくとも実行することとなる。
(クレジット制御基板200のメイン処理)
図30を用いて、クレジット制御基板200のメイン処理を説明する。
電源基板107により電源が供給されると、クレジットCPU200aにシステムリセットが発生し、クレジットCPU200aは、以下のメイン処理を行う。
まず、ステップS1000において、クレジットCPU200aは、初期化処理を行う。この処理において、クレジットCPU200aは、電源投入に応じて、クレジットROM200bから起動プログラムを読み込むとともに、クレジットRAM200cに記憶されるフラグなどを初期化する処理を行う。
ステップS2000において、クレジットCPU200aは、紙幣検知スイッチから201sからの紙幣投入信号の入力、主制御基板101からのゲーム開始信号、レート切替信号、精算信号、クレジットデータ等の受信によりクレジットRAM200cに記憶される「クレジットの残存量」を更新するクレジット更新処理(図31及び図32にて後述する)を行う。
ここでいう「クレジットの残存量」とは、上記した紙幣投入信号の入力があったときやゲーム開始信号、レート切替信号、精算信号、クレジットデータ等を受信したときにクレジットRAM200cに記憶されているクレジットのことをいい、以下では「累計クレジット」と呼ぶ。
ステップS3000において、クレジットCPU200aは、主制御基板101からの精算信号の受信によりクレジットRAM200cに記憶されている累計クレジットを精算するクレジット精算処理(図33にて後述する)を行う。
ステップS4000において、クレジットCPU200aは、所定時間がセットされた払出タイマが0になるまで、チケット払出モータ202aを駆動させる駆動データを出力する。なお、上述したように、チケット払出モータ202aは正方向に1秒間回転する毎に、1枚のチケットがチケット払出口22から排出されることになる。
ステップS5000において、クレジットCPU200aは、主制御基板101にゲームの開始を許可するためのゲーム許可信号や、ゲームの開始を許可しないためのゲーム不許可信号を出力するとともに、精算時における累計クレジットをチケットデータとして出力する出力制御処理を行う。なお、この出力制御処理においては、サブモニタ30にクレジットの情報及び各種遊技情報を表示させるためのデータも出力される。
(クレジット更新処理)
図31及び図32を用いて、クレジット制御基板200のクレジット更新処理について説明する。
まず、ステップS2010において、クレジットCPU200aは、紙幣投入信号を入力したか否かを判定する。すなわち、遊技者が紙幣を紙幣投入口21に投入したか否かが判定される。このとき、紙幣投入信号を入力しなかったと判定された場合には、ステップS2050に処理を移し、紙幣投入信号を入力したと判定された場合には、ステップS2020に処理を移す。
ステップS2020において、クレジットCPU200aは、当該投入された紙幣額(金額)をクレジットに換算する。このとき換算されたクレジットを投入クレジットという。
ステップS2030において、クレジットCPU200aは、クレジットが残っているか否かを判定する。詳細には、クレジットRAM200c内に設けられた累計クレジット記憶領域において記憶されている累計クレジットがあるか否かが判定される。このとき、累計クレジットがないと判定された場合には、ステップS2110に処理を移し、累計クレジットがあると判定された場合には、ステップS2040に処理を移す。
ステップS2040において、クレジットCPU200aは、累計クレジットに上記ステップS2020において換算された投入クレジットを加算する。
ステップS2050において、クレジットCPU200aは、クレジットデータを受信したか否かを判定する。このとき、クレジットデータを受信していないと判定された場合には、ステップS2080に処理を移し、クレジットデータを受信したと判定された場合には、ステップS2060に処理を移す。
ステップS2060において、クレジットCPU200aは、クレジットデータに基づいて付与クレジットを算出する。詳細には、当該クレジットデータを解読して、当該クレジットデータに対応する付与クレジット(当該付与クレジット)を確定する。
ステップS2070において、クレジットCPU200aは、累計クレジットに当該付与クレジットを加算する。なお、累計クレジットが無い場合には、累計クレジットが「0」となるため、このときには、「0」に当該付与クレジットを加算する。
ステップS2080において、クレジットCPU200aは、ゲーム開始信号を入力したか否かを判定する。すなわち、ゲーム開始ボタン24が操作されたか否かが判定される。このとき、ゲーム開始信号が入力されていないと判定された場合には、ステップS2200に処理を移し、ゲーム開始信号が入力されたと判定された場合にはステップS2090に処理を移す。
ステップS2090において、クレジットCPU200aは、ゲーム許可フラグがONされているか否かを判定する。このゲーム許可フラグは、クレジットRAM200c内に設けられたゲーム許可フラグ記憶領域においてON/OFFされるものである。このとき、ゲーム許可フラグがONされていないと判定された場合には、クレジット更新処理を終了し、ゲーム許可フラグがONされていると判定された場合には、ステップS2100に処理を移す。
ステップS2100において、クレジットCPU200aは、累計クレジットからベットクレジットを減算する。このベットクレジットとは、ゲーム開始時にセットされる許容発射球の初期値(遊技球100個)に対応するクレジットのことである。
ステップS2110において、クレジットCPU200aは、上記ステップS2040、ステップS2070、ステップS2100において加算及び減算された結果として算出された累計クレジットを新たな累計クレジットとして更新する。
ステップS2120において、クレジットCPU200aは、クレジット更新コマンドを生成する。このとき生成されたクレジット更新コマンドに基づいて、サブモニタ30に更新後のクレジットの情報を表示させるためのデータが上記ステップS5000の出力制御処理において出力される
ステップS2200において、クレジットCPU200aは、レート切替信号を入力したか否かを判定する。このとき、レート切替信号を入力しなかったと判定された場合には、クレジット更新処理を終了し、レート切替信号を入力したと判定された場合には、ステップS2210に処理を移す。
ステップS2210において、クレジットCPU200aは、上記入力したレート切替信号に基づいて「適用レート」を変更する。この「適用レート」とは、クレジットRAM200c内に設けられた、適用レート記憶領域において記憶されるものであり、前述した「当該レート」(図25等参照)に対応するものである。詳細には、前述した図25のレート切替処理におけるステップS122〜ステップS125までの処理と同様の処理が行われることにより、適用レートが切り替えられる(適用レートが変更される)。例えば、適用レート記憶領域において、「レート1」が記憶されている状態でレート切替信号が入力されると、適用レート記憶領域には、「レート2」が記憶される。
ステップS2220において、クレジットCPU200aは、適用レートに基づくベットクレジットを設定する。このとき設定されたベットクレジットを当該ベットクレジットと呼ぶ。
ステップS2230において、クレジットCPU200aは、累計クレジットが当該ベットクレジット以上であるか否かを判定する。このとき、累計クレジットが当該ベットクレジット以上ではないと判定された場合には、ステップS2270に処理を移し、累計クレジットが当該ベットクレジット以上であると判定された場合には、ステップS2240に処理を移す。
本ステップS2230において累計クレジットが当該ベットクレジット以上ではないと判定される場合とは、ゲーム開始信号を入力したとき(ゲーム開始時)にセットされる許容発射球の初期値(遊技球100個)が累計クレジットでは不足してしまう程度の所定数のクレジットしか残されていない場合のことをいう。
ステップS2240において、クレジットCPU200aは、ゲーム許可フラグがONされているか否かを判定する。このとき、ゲーム許可フラグがONされていると判定された場合には、クレジット更新処理を終了し、ゲーム許可フラグがONされていないと判定された場合には、ステップS2250に処理を移す。
ステップS2250において、クレジットCPU200aは、ゲーム許可フラグをONにする。
ステップS2260において、クレジットCPU200aは、ゲーム許可信号を生成し、クレジット更新処理を終了する。このとき生成されたゲーム許可信号は上記ステップS5000の出力制御処理において主制御基板101に出力される。
ステップS2270において、クレジットCPU200aは、ゲーム許可フラグがOFFであるか否かを判定する。このとき、ゲーム許可フラグがOFFであると判定された場合には、クレジット更新処理を終了し、ゲーム許可フラグがOFFではないと判定された場合には、ステップS2280に処理を移す。
ステップS2280において、クレジットCPU200aは、ゲーム許可フラグをOFFにする。
ステップS2290において、クレジットCPU200aは、ゲーム不許可信号を生成し、クレジット更新処理を終了する。このとき生成されたゲーム不許可信号は上記ステップS5000の出力制御処理において主制御基板101に出力される。
(クレジット精算処理)
図33を用いて、クレジット制御基板200のクレジット精算処理について説明する。
まず、ステップS3100において、クレジットCPU200aは、精算信号を入力したか否かを判定する。すなわち、精算ボタン27が操作されたか否かが判定される。このとき、精算信号を入力していないと判定された場合には、クレジット精算処理を終了し、精算信号を入力したと判定された場合には、ステップS3200に処理を移す。
ステップS3200において、クレジットCPU200aは、累計クレジット記憶領域において記憶されている現在の累計クレジットを精算時のクレジットとしてチケットデータを生成する。
ステップS3300において、クレジットCPU200aは、払出タイマカウンタに所定時間をセットする。この所定時間は、例えば、1000msに設定されている。これは、本実施形態においては、チケット払出モータ202aが正方向に1秒間回転する毎に、1枚のチケットが払い出されるためである。なお、この払出タイマは、図示しないチケットタイマ割込処理にて、4ms毎に1つ減算されて更新処理されていく。このため、1000msが経過して払出タイマ=0になることになる。
ステップS3400において、クレジットCPU200aは、チケット払出信号を生成する。これにより、チケットがチケット払出口22より払い出されることになる。
次に、演出制御基板102について簡単に概略を説明する。
演出制御基板102は、主制御基板101から送信されたコマンドを受信すると、演出制御基板102のコマンド受信割込処理が発生し、受信したコマンドを受信バッファに格納する。
そして、演出制御基板102におけるサブCPU102aは、2ms毎に行われる演出制御基板102のタイマ割込み処理にて、受信したコマンドを解析して各コマンドに対応する各種データを生成する。その後、生成した各種データは、画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信される。
具体的には、サブCPU102aは、主制御基板101から変動パターン指定コマンドを受信すると、サブROM102bに記憶された演出パターン決定テーブルを参照し、受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、演出表示装置13や音声出力装置18や演出用照明装置16、演出用役物装置15に所定の演出を実行させるための演出パターンを決定する。そして、決定した演出パターンに対応する演出データを生成し、かかる演出データを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。
また、サブCPU102aは、主制御基板101から演出図柄指定コマンドを受信すると、大当りを示す演出図柄指定コマンドであると、図11に示す大当たり時の演出図柄決定テーブルを参照し、受信した演出図柄指定コマンドに基づいて、演出図柄データを決定する。そして、決定した演出図柄データを画像制御基板105やランプ制御基板104へ送信する。これにより、演出表示装置13に特定の演出図柄70の組合せが停止表示されることになる。なお、ハズレを示す演出図柄指定コマンドの場合にも、ハズレ時の演出図柄決定テーブルを記憶しており(図示省略)、特定の演出図柄70の組合せとならないようにハズレ時の演出図柄決定テーブルが構成されている。
次に、画像制御基板105とランプ制御基板104について簡単に概略を説明する。
画像制御基板105において、演出制御基板102からのデータが受信すると、音声CPUが音声ROMから音声出力装置制御プログラムを読み出して、音声出力装置18における音声を出力制御するとともに、画像CPUが画像ROMからプログラムを読み出して、受信した演出用のコマンドに基づいて演出表示装置13における画像表示を制御する。
ランプ制御基板104においても、演出制御基板102からのデータが受信すると、受信したデータに基づいて演出用役物装置作動プログラムを読み出して、演出用役物装置15を作動制御するとともに、受信した演出用のデータに基づいて演出用照明装置制御プログラムを読み出して、演出用照明装置16を制御する。
以上のように、本実施形態によれば、有効発射球数(H−F)に対する進入球数Sの割合が少ない場合には、電チュー始動口9Bを第2の態様に制御することにより、進入球数Sを増やすことが可能となる。一方、進入球数Sの割合が大きくなった場合には上限値γを超えた分については強制的にハズレとなるようにしている。これにより、一定数量の遊技球を使った場合に、有効となる抽選の回数を一定範囲内に調整することができる。さらには、大当たりの確率を変えることなく、実質的な大当たり確率を調整することも可能となる。
また、本実施形態では、クレジット付与設定処理(図17及び図18参照)において、許容発射球カウンタ(KY)が更新される形態、すなわち、大入賞口入球カウンタ(C)が更新されると、許容発射球数も増加するものとしたが、これに限られない。例えば、許容発射球の初期値である「100個」の遊技球を発射し終えることにより、1回のゲームが終了する形態を採用することとしてもよい。このような形態を採用する場合には、クレジット付与設定処理(図18参照)のステップS92−3−2の処理において、許容発射球(KY)カウンタの値が増加することとなる更新をしないものとすればよい。これにより、1回のゲームは「100個」の許容発射球を発射し終えることで終了となり、当該1回のゲーム中に大当たりや小当たりに当選した場合には、クレジットのみが増加(加算)する遊技の形態を提供することができる。このような遊技の形態においても、本実施形態と同様の効果を得ることができる。
なお、本実施形態では、遊技機100単体からなる構成(いわゆるスタンドアロン型)で説明したが、これに限られない。例えば、図36に示すように、複数台の遊技機100及びサーバ600(中央管理装置など)からなるクライアントサーバ型などであってもよい。このようにすると、複数台の遊技機100からジャックポットのための積立を行うことが可能となるため、これによりスタンドアロン型に比べて非常に高配当のジャックポットを提供することが可能となる。
なお、本実施形態では、進入球数Sが上限値γを超えた場合には、強制的にハズレとなる特別図柄判定用乱数値を取得する(図16参照)ものとしたが、これに限られない。例えば、図37に示すように、ステップS91−5において進入球数Sが上限値γを超えたと判定された場合に、特別図柄判定用乱数値、大当たり図柄判定用乱数値及び演出用乱数値を取得しないようにしてもよい。
このようにすると、上記した各乱数値を取得しないため、特別図柄記憶判定処理における大当たりの抽選処理(図28のステップS310−5参照)において、大当たり及び小当たりの判定自体が行われないものとなる。これにより、強制的にハズレと同様の効果が得られる結果(判定結果)を導出することができる。なお、この場合にも、演出面においては、特別図柄の変動態様を決定したり、保留数を増加させたりして、進入球数Sが上限値γを超えていないときと同様の演出を行うようにすることが望ましい。これにより、遊技者には、始動口9に入球したにも関わらず大当たりの抽選自体が行われていないという不利益さを感じさせることなく、遊技を楽しませることができる。
なお、図37は、図16に示す始動口検出スイッチ入力処理の別形態の一例を示したものであり、図16における各ステップの処理と同じ処理については同符号を付している。
なお、本実施形態では、電チュー始動口9Bの態様に係わらず、進入球数Sが上限値γを超えると、その超えた分についてはハズレとなるものとしたが、これに限られない。例えば、電チュー始動口9Bが第2の態様となったことを条件として、進入球数Sが上限値γを超えるとその超えた分についてはハズレとなるようにしてもよい。
なお、本実施形態では、遊技機100内に所定数の遊技球が封入されて、この封入された遊技球が循環することにより遊技が進行する構成を例にとって説明したが、これに限られない。例えば、遊技球を遊技機外から継ぎ足すことや、遊技球を遊技機外に排出することが可能な構成であってもよい。
なお、本実施形態では、投入媒体として、紙幣(または金銭の硬貨)を使用するものとしたが、これに限られない。例えば、メダル、コインなどの遊技機で用いるトークンや、情報記録媒体(例えばICカードやICコイン等)に記憶された金銭情報やポイント情報等であってもよい。
なお、本実施形態では、大当たり遊技や小当たり遊技においては、許容発射球が付与されることに対応して、所定数のクレジットが付与されるものとしたが、これに限られない。例えば、物品などの景品、この景品と引き換え可能なチケットなどであってもよい。これは特別大当たりも同様である。
なお、本実施形態では、大入賞口11に遊技球が入球したことを契機として特別抽選を行うものとしたがこれに限られない。例えば、始動口9に入球したときや大当たりの抽選時において行うものとしてもよい。なお、始動口9に入球したときや大当たりの抽選時において行うものであっても、図22等の演出を行うことにより、あたかも大当たり遊技中に特別抽選が行われているように見せることも可能である。
なお、本実施形態では、大当たり及び小当たり、それぞれ付与される遊技球の個数を、「6000」、「3000」、「100」というように予め決めておくものとしたがこれに限られない。例えば、「3000〜5000」や「10〜500」、「上限は8000まで」というように、付与する遊技球の個数に所定の範囲(上限や下限)を設けて、その中で抽選を行って、付与する遊技球の個数を決定してもよい。また、上記所定の範囲などを設けずに完全に付与する遊技球の個数をランダムにしてもよい。また、完全にランダムではなく、最終的には当該大当たり遊技で付与される遊技球の合計個数が必ず一致するように付与する遊技球の個数を決めていくような形態であってもよい。