JP2012247254A - ハイブリッド車両 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、乗員のドライブ計画に沿う充電を行うことができるハイブリッド車両を提供する。
【解決手段】 ハイブリッド電気自動車10では、ナビ用制御手段94は、目的地Gが設定されると目的地までの一条の走行経路を設定する。また、ナビ用制御部94は、走行経路に含まれる、登り坂道を検出する。メイン制御部80は、電池22の充電率が非充電閾値未満になるとエンジン60を稼動させて電池22を充電する。また、メイン制御部80は、ナビ用制御部94が検出した坂道情報に基づき非充電閾値の変更案を得る。メイン制御部80は、乗員が変更案に賛成であると、非充電閾値を変更案に変更し、乗員が拒否すると、ナビ用制御部94に異なる走行経路を設定させる。
【選択図】図1
【解決手段】 ハイブリッド電気自動車10では、ナビ用制御手段94は、目的地Gが設定されると目的地までの一条の走行経路を設定する。また、ナビ用制御部94は、走行経路に含まれる、登り坂道を検出する。メイン制御部80は、電池22の充電率が非充電閾値未満になるとエンジン60を稼動させて電池22を充電する。また、メイン制御部80は、ナビ用制御部94が検出した坂道情報に基づき非充電閾値の変更案を得る。メイン制御部80は、乗員が変更案に賛成であると、非充電閾値を変更案に変更し、乗員が拒否すると、ナビ用制御部94に異なる走行経路を設定させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンと電動モータとによって走行するハイブリッド車両に関する。
エンジンと電動モータとを備えるハイブリッド車両は、各種走行モードを備えている。各種走行モードの例としては、電池から供給される電力で電動モータを駆動してこの電動モータのみで走行するEV走行モードと、エンジンで発電しながら発電した電力で電動モータを駆動して走行するシリーズ走行モードと、エンジンを用いて走行するパラレル走行モードとがある。
一般的に、EV走行モードとシリーズ走行モードは、車速が低速または中速のときに用いられる走行モードである。パラレル走行モードは、車速が高速のときに用いられる走行モードである。
上記のように、車速が高速のときにエンジンで走行する走行モードを備えるハイブリッド車両は、エンジンの出力軸の回転を減速して駆動輪に伝達するトランスミッションを備えていない。エンジンの出力軸の回転は、減速されることなく、駆動輪に伝達される。
エンジンの出力トルクは高速走行に適してしるものの、走行道路が登り坂道になると、高速状態の車速を維持しながらこの登り坂道を登ることが困難である。この場合、電池から電力が供給されて電動モータが駆動され、電動モータとエンジンとの両方で走行する。このように、ハイブリッド車両は、パラレル走行時に登り坂道を走行しているときや加速時など大きな駆動力が必要になると電動モータが駆動されて、電動モータのアシストを得る。
EV走行モードと、シリーズ走行モードと、パラレル走行モードとは、例えば、車速と、電池の充電率に応じて、選択される。
ハイブリッド車両は、エンジンを駆動する燃料の消費を小さくするために、なるべく発電機を駆動しないように設定されている。具体的には、電池への充電を開始する条件として、充電率が予め設定された所定値未満にならないと充電を開始しない。この所定値は、必要最低限の電力に応じて設定されている。
しかしながら、ハイブリッド車両がパラレル走行モードであって電池の充電率が所定値近傍であるときに登り坂道を走行する場合、電動モータのアシストを受けるために電動モータが駆動されると、電池の充電率は直ぐに低下して所定値未満となる。この状態になると、エンジンは、駆動輪を駆動するとともに発電機を駆動して電池を充電する。この状態では、エンジンは、駆動輪と発電機との両方を駆動しなければならず、それゆえ、駆動輪に十分なトルクを伝えることができなかったり、効率の悪いエンジンの稼動状態により燃費が悪くなる。
このような状態を回避する為に、走行道路中の登り坂道に到達する前までに、この登り坂道を登りきるために必要な電力を電池に充電する技術がある(例えば、特許文献1参照。)。また、車両を目的値までナビゲートするカーナビゲーション装置と連動して登り坂道を登りきるために必要な電力を算出するとともに、算出値に基づいて登り坂道に到達するまでの放電量を制御する技術がある(例えば、特許文献2参照。)。
特許文献1,2の技術は、車両側の判断で充電作業が開始されるので、必ずしも、ハイブリッド車両の運転者のドライブ計画に適するものではない。
特許文献1,2の技術は、ハイブリッド車両の走行時間帯、走行道路の渋滞情報、運転者の都合を総合的に判断するものではなく、必ずしも運転者のドライブ計画に沿うものではない。
このため、本発明は、乗員のドライブ計画に沿う充電を行うことができるハイブリッド車両を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明のハイブリッド車両は、車両駆動用電動モータに電力を供給する電池と、エンジンと、前記エンジンにより駆動され前記電池を充電する発電機と、前記電池の充電率を検出する充電率検出手段と、自車両の目的地が設定されると、前記設定がなされた地点から前記目的地までの一条の走行経路を設定する走行経路設定手段と、前記走行経路に含まれる、前記自車両が登坂または降坂する可能性がある坂道を検出する坂道検出手段と、前記電池の所定充電率を非充電閾値として、前記充電率検出手段の検出結果が前記非充電閾値未満になると前記エンジンを稼動させると共に、前記坂道検出手段が検出した坂道情報に基づき前記非充電閾値の変更案を得る充電制御手段と、前記変更案への変更の確認を報知する報知手段と、前記変更案に対して乗員が賛成または拒否の入力を行う入力手段とを備える。
前記充電制御手段は、前記入力手段への入力結果に基づき、前記入力結果が賛成であると前記非充電閾値を前記変更案に変更し、前記入力結果が拒否であると前記走行経路設定手段により異なる走行経路を設定させる。
請求項2に記載の発明のハイブリッド車両は、請求項1の記載において、前記報知手段が報知した時点からの経過時間をカウントする計測手段を備える。前記充電制御手段は、前記計測手段の検出値に基づき前記入力手段への未入力状態が所定時間経過したら拒否であると判断して、前記走行経路設定手段により異なる走行経路を設定させる。
請求項3に記載の発明のハイブリッド車両では、請求項1または2の記載において、前記充電制御手段は、前記坂道検出手段が検出した前記坂道情報に基づいて変更される前の初期非充電閾値を有し、かつ、前記拒否が所定回数になると、前記非充電閾値を前記初期非充電閾値にリセットすると共に、前記走行経路設定手段による走行経路の設定をキャンセルさせる。
請求項1に記載のハイブリッド車両では、乗員のドライブ計画に沿う充電を行うことができる。
請求項2に記載ハイブリッド車両では、請求項1の効果に加えてさらに、非充電閾値の変更案に対して乗員が反応できない場合であっても、処理を進めることができる。
請求項3に記載のハイブリッド車両では、請求項1,2の効果に加えてさらに、乗員が非充電閾値の変更を望んでいない場合は、非充電閾値の変更の処理を速やかに中止することができる。
本発明の一実施形態に係るハイブリッド車両を、図1〜15を用いて説明する。図1は、本発明のハイブリッド車両の一例である、ハイブリッド電気自動車10を示す概略図である。ハイブリッド電気自動車10は、プラグインハイブリッド電気自動車である。
図1に示すように、ハイブリッド電気自動車10は、一対の後輪11と、一対の前輪12と、電池装置20と、後輪駆動用電動モータ30と、後輪駆動用インバータ35と、前輪駆動用電動モータ40と、前輪駆動用インバータ45と、発電機50と、エンジン60と、車速センサ70と、メイン制御部80と、タイマ82と、カーナビゲーション装置90とを備えている。
電池装置20は、複数の電池セル21が電気的に直列接続されて形成される電池22と、CMU(Cell Monitor Unit)23と、BMU(Battery Management Unit)24とを備えている。
CMU23は、1つの電池セル21に対して1つ設けられている。CMU23は、当該CMU23が設けられる電池セル21の温度、電圧値などを含む各電池セル21の状態を検出する。各CMU23が検出した電池セル21の情報は、BMU24に送信される。なお、図1中、複数の電池セル21の一部を図示しており、他の電池セル21の図示は省略している。
BMU24は、各CMU23が検出した各電池セル21の状態の情報に基づいて電池22の充電率を検出する。充電率は、百分率で表される。満充電状態では、充電率は、100%である。
上記したようにハイブリッド電気自動車10はプラグインハイブリッド電気自動車であるので、電池22は、外部の充電装置を用いて充電することが出来る。
後輪駆動用電動モータ30は、後輪11を回転駆動する。後輪駆動用電動モータ30の出力軸31は、第1の伝達機構32を介して後輪11に接続されている。後輪駆動用インバータ35は、電池22から供給される直流電流を、ハイブリッド電気自動車10の走行状態に合わせて適切な交流電流に変換して、後輪駆動用電動モータ30に供給する。後輪駆動用インバータ35は、後述されるメイン制御部80によって制御される。
前輪駆動用電動モータ40は、前輪12を回転駆動する。前輪駆動用電動モータ40の出力軸41は、第2の伝達機構42を介して前輪12に接続されている。前輪駆動用インバータ45は、電池22から供給される直流電流を、ハイブリッド電気自動車10の走行状態に合わせて適切な交流電流に変換して、前輪駆動用電動モータ40に供給する。前輪駆動用インバータ45は、後述されるメイン制御部80によって制御される。
発電機50は、後述されるメイン制御部80の制御によって発電可能状態に設定されると、入力軸51が回転されることによって発電する。発電機50は、電池22に接続されている。発電機50で発電された電力は、電池22に充電される。
エンジン60は、一例として、燃料を燃焼して駆動する内燃機関である。エンジン60の出力軸61は、第3の伝達機構62を介して発電機50の入力軸51に接続されている。エンジン60が駆動することによって、エンジン60の出力軸61が回転する。エンジン60の出力軸61の回転は、第3の伝達機構62を介して発電機50の入力軸51に伝達される。このように、エンジン60が駆動することによって、入力軸51が回転する。
また、エンジン60の出力軸61の回転は、第4の伝達機構63を介して前輪12に選択的に伝達される。第4の伝達機構63は、クラッチ装置64を備えている。クラッチ装置64は、一対のクラッチ板65と、クラッチ板駆動部66とを備えている。クラッチ板駆動部66は、クラッチ板65を接続するとともに、この接続を解除可能である。クラッチ板65を接続するとは、一対のクラッチ板65を互いに押し付けあい、一方のクラッチ板65の回転を、他方のクラッチ板65に伝達できる状態にすることである。第4の伝達機構63は、エンジン60の出力軸61の回転数を変速する変速機能は備えていない。このため、クラッチ板65どうしが接続されると、エンジン60の出力軸61の回転は、そのまま前輪12に伝達される。
エンジン60は、エンジン制御部67によって、動作が制御される。エンジン制御部67は、クラッチ板駆動部66を動作して、クラッチ板65を接続、または、この接続を解除する。なお、ハイブリッド電気自動車10は、燃料タンク69を備えている。燃料タンク69は、エンジン60を駆動するための燃料を蓄えている。エンジン制御部67は、後述されるメイン制御部80によって制御される。
車速センサ70は、前輪12の回転数を検出することによって、車速を検出する。なお、車速センサ70の構造は、上記以外であってもよい。要するに、ハイブリッド電気自動車10の車速を検出できればよい。要するに、ハイブリッド電気自動車10の車速を検出するための手段があればよい。車速船さ70は、車速を検出する手段の一例である。
メイン制御部80は、ハイブリッド電気自動車10の様々な制御を行う。メイン制御部80の動作の一部として、電池22の充電の制御と、ハイブリッド電気自動車10の走行の制御とがある。
まず、電池22の充電の制御について、説明する。メイン制御部80は、BMU24に接続されており、BMU24が検出した電池22の充電率の情報を得ている。また、メイン制御部80は、エンジン制御部67に接続されており、エンジン制御部67を制御する。
メイン制御部80は、電池22の充電率が非充電閾値未満になると、電池22を充電するべく、エンジン60を駆動する信号をエンジン制御部67に送信する。また、発電機50を発電可能状態に設定する。エンジン制御部67は、メイン制御部80からエンジン駆動信号を受信すると、エンジン60を駆動する。エンジン60が駆動されることによって発電機50が駆動されて発電される。発電機50によって発電された電力は、電池22に充電される。
非充電閾値の初期値である初期非充電閾値は、メイン制御部80の記憶部81内に予め記憶されている。初期非充電閾値は、ハイブリッド電気自動車10に求められる、最低限必要な電力に対応する充電率より大きいに設定されている。本実施形態では、ハイブリッド電気自動車10は、発進時には、前輪駆動用電動モータ40と後輪駆動用電動モータ30とが用いられる。発進時に前輪駆動用電動モータ40と後輪駆動用電動モータ30とを駆動するための電力が最低限必要な電力である。そして、最低限必要な電力に対応する充電率は、25パーセントである。非充電閾値の初期値は、30パーセントに設定されている。
なお、上記された非充電閾値の初期値の設定は、電池22に設定される値である。このため、用いる電池によっては、ハイブリッド電気自動車10に求められる、最低限必要な電力が異なる。また、初期値が最低限必要な電力に対応する充電率に基づいて決定されることも一例である。非充電閾値は、任意に設定することが出来る。
メイン制御部80は、非充電閾値を初期非充電閾値から変更することができる。非充電閾値が初期非充電閾値に対して変更される点については、後で詳細に説明する。
つぎに、メイン制御部80による、ハイブリッド電気自動車10の走行の制御について説明する。メイン制御部80は、車速に応じて、電池22の充電率に応じて走行モードを選択する。メイン制御部80は、選択された走行モードに合わせて、エンジン制御部67の制御と、発電機50の制御と、前輪駆動用インバータ45の制御と、後輪駆動用インバータ35の制御とを行い、ハイブリッド電気自動車10の走行を制御する。ハイブリッド電気自動車10の走行は、EV走行モードと、シリーズ走行モードと、パラレル走行モードとがある。
EV走行モードは、電池22の充電率が非充電閾値より大きく、かつ、ハイブリッド電気自動車10の車速が低速〜中速の状態での走行モードである。EV走行モードは、後輪駆動用電動モータ30と前輪駆動用電動モータ40とを用いて前輪12と後輪11とを回転して走行する走行モードである。EV走行モードでは、エンジン60は駆動されないので、発電機50は発電しない。
EV走行モードでは、メイン制御部80は、アクセルペダル13の踏み込み量、踏み込み速度に応じて、前輪駆動用インバータ45と後輪駆動用インバータ35とを制御し、電池22から前輪駆動用電動モータ40と後輪駆動用電動モータ30とに電力を供給する。なお、アクセルペダル13の踏み込み量と踏み込み速度とは、アクセルセンサ14によって検出されてメイン制御部80に送信される。
シリーズ走行モードは、電池22の充電率が非充電閾値未満であって、かつ、ハイブリッド電気自動車10の車速が低速〜中速の状態での走行モードである。シリーズ走行モードでは、エンジン60を駆動して発電機50で発電するとともに、発電された電力で前輪駆動用電動モータ40と後輪駆動用電動モータ30とを駆動して前輪12と後輪11とを回転される。シリーズ走行モードでは、クラッチ板65は、接続されないので、エンジン60の回転は、前輪12に伝わらない。
また、メイン制御部80は、シリーズ走行モードでは、電池22の充電率が、非充電閾値未満にならないように電池22に充電する。このため、シリーズ走行モードでは、電池22の充電率は、非充電閾値未満にならないように、維持される。シリーズ走行モードでは、エンジン60は、燃費のよい運転状態となるように制御され、それゆえ、出力軸61の回転数は一定である。
パラレル走行モードは、車速が高速状態の走行モードであって、クラッチ板65が接続されてエンジン60によって前輪12が回転される走行モードである。パラレル走行モードでは、エンジン60の出力トルクで走行可能である場合は、エンジン60のみで走行する。エンジン60のトルクだけでは足りない場合、具体的には、加速時や登り坂道を上るときなど大きなトルクを必要とする場合では、前輪駆動用電動モータ40又は後輪駆動用電動モータ30でアシスト駆動される。パラレル走行モードで走行中に電池22の充電率が非充電閾値未満になると、メイン制御部80は、発電機50を駆動して電池22を充電する。
EV走行モード、シリーズ走行モード、パラレル走行モードの説明で用いられた、低速、中速、高速は、ハイブリッド電気自動車10に予め設定された速度の設定である。低速、中速、高速の速度域は、任意に設定できるものである。
タイマ82は、メイン制御部80によって動作が制御される。タイマ82は、後述されるように、表示画面95が報知を行った時点からの経過時間を計測する。タイマ82の動作については、後で詳細に説明する。
図2は、カーナビゲーション装置90を概略的に示すブロック図である。図2に示すように、カーナビゲーション装置90は、記憶部91と、位置検出部92と、表示装置93と、入力装置96と、ナビ用制御部94とを備えている。
記憶部91は、地図情報と、標高情報とを備えている。地図情報は、ハイブリッド電気自動車10が用いられる国の地図情報である。地図情報は、道路情報を有している。道路情報は、車両が走行できる道路を示す情報である。また、地図情報は、道路を特定する情報を有している。道路を特定する情報とは、その道路の種類や名前の情報である。種類としては、ハイブリッド電気自動車10が日本国で用いられる場合では、高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道がある。名前としては、国道1号線、県道1号線などがある。標高情報は、地図情報の全ての位置の標高を示す情報である。
位置検出部92は、ハイブリッド電気自動車10の位置を検出する。検出する方法としては、一例として、GPSを利用することができる。なお、ハイブリッド電気自動車10の位置を検出する方法は、GPSを利用すること以外の方法であってもよい。
表示装置93は、表示画面95を備えている。表示画面95は、運転者が走行動作中に見やすい位置に設けられている。表示画面95は、地図情報を表示するとともに、表示された地図上にハイブリッド電気自動車10の位置を表示できる。
入力装置96は、目的地を入力するために運転者などの運転者が操作する操作部を有しており、入力された情報を後述されるナビ用制御部94に伝える。本実施形態では、表示装置93は、タッチパネル式であり、表示画面95は入力画面としても機能する。運転者は、目的地を表示画面95に表示される操作ボタンを押すことによって、入力できる。表示画面95は、入力装置96の入力部としても機能する。なお、入力装置96は、表示画面95を入力部として利用する構造以外であってもよい。表示画面95とは別途に設けられるボタンなどの表示部を備える構造であってもよい。表示装置93は、メイン制御部80の制御によっても制御される。
ナビ用制御部94は、表示装置93の表示画面95にハイブリッド電気自動車10の現在地を表示する機能と、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報をメイン制御部80に送信する機能と、目的地までの一条の走行経路を設定する機能と、設定された走行経路を他の道路と比較して目立つように表示画面95に表示する機能と、設定された走行経路中に含まれる登り坂道を検出する機能と、検出した登り坂道の情報をメイン制御部80に送信する機能と、メイン制御部80から走行経路再設定の信号を受信すると走行経路を再設定する機能とを有している。
表示装置93の表示画面95に現在地を表示する機能について説明する。ナビ用制御部94は、位置検出部92が検出したハイブリッド電気自動車10の位置情報と地図情報とに基づいてハイブリッド電気自動車10の現在位置を特定するとともに、ハイブリッド電気自動車10の現在位置をその周辺の地図情報とともに表示画面95に表示する。
目的地までの一条の走行経路を設定する機能について説明する。ナビ用制御部94は、目的地が設定されると、ハイブリッド電気自動車10の現在位置と目的地とを結ぶ一条の走行経路を、地図情報から検出する。一条の走行経路は、一筋の経路である。このとき、ナビ用制御部94は、予め設定されている条件を満たす経路を走行経路として設定する。この条件の一例としては、最短距離であることである。本実施形態では、ナビ用制御部94は、走行経路として、現在地から目的地までの最短距離となる経路を走行経路として設定する。
なお、目的地の設定は、例えば、入力部としてき機能する表示画面95を操作することによって行われる。または、別の操作部があって、運転者がこの操作部を操作することによって目的地を設定してもよい。目的地が設定されると、目的地の情報は、記憶部91に記憶される。
設定された走行経路を他の道路と比較して目立つように表示画面95に表示する機能について説明する。設定された走行経路は、表示画面95に、他の道路の色とは異なる色で表示される。このことによって、走行経路が目立つようになる。なお、走行経路を他の道路の色とは異なる色で表示することは、上記した目立つ用に表示することの一例である。例えば、設定した走行経路を点滅させることによって、他の道路と比較して目立つようにしてもよい。
設定された走行経路中の登り坂道を検出する機能について説明する。まず、登り坂道について説明する。本実施形態では、ハイブリッド電気自動車10がパラレル走行モードで走行しているときに、後輪駆動用電動モータ30のアシストがなければ、車速を高速状態に維持して登りきることができない程度の傾斜を有するものを、登り坂道として認識する。メイン制御部80は、後輪駆動用電動モータ30を駆動せず、エンジン60のみで登りきることができる登り坂は、登り坂道として認識しない。
メイン制御部80は、本実施形態では、具体的に、登り坂道の始点と終点との標高差が200メートル以上であって、かつ、距離が5キロメートル以上のものを、登り坂道として認識するように設定されている。この2つの条件を満たさないものは、登り坂道とは認識しない。
ナビ用制御部94は、道路の位置情報と標高情報とに基づいて、設定された走行経路中に登り坂道がある場合、この登り坂道を検出する。
登り坂道の情報をメイン制御部80に送信する機能について説明する。ナビ用制御部94は、メイン制御部80に接続されており、走行経路中の登り坂道を検出すると、登り坂道の情報をメイン制御部80に送信する。登り坂道の情報とは、登り始め地点の位置情報と標高情報と、登り坂道の終了地点の位置情報と標高情報と、登り坂道の勾配の情報などである。
メイン制御部80から走行経路再設定の信号を受信すると走行経路を再設定する機能について説明する。メイン制御部80は、ナビ用制御部94に対して走行経路の再設定を指示する場合がある。ナビ用制御部94は、メイン制御部80から走行経路の再設定の指示を受けると、走行経路を再設定する。走行経路を再設定する場合の設定条件としては、通常時の走行経路の設定条件に加えて、前回までに設定した走行経路とは異なることである。具体的に説明すると、本実施形態では、前回までに設定した走行経路以外であって、かつ、目的地までの距離が最短となる経路である。再設定された走行経路中に含まれる登り坂道の情報は、上記のようにメイン制御部80に送信される。
つぎに、非充電閾値が初期非充電閾値に対して変更される場合と、メイン制御部80がナビ用制御部94に走行経路の再設定の指示を出す場合とについて、説明する。
メイン制御部80は、ナビ用制御部94から登り坂道の情報を受信すると、ハイブリッド電気自動車10がパラレル走行モードでこの登り坂道を登ることを想定して、この登り坂道を登りきるために必要な電気エネルギを電池22に充電する。なお、登りきるとは、登り坂道を最後まで登ることである。
上記したように、ハイブリッド電気自動車10は、高速域で走行する場合は、パラレル走行モードが選択される。そして、高速走行域での走行を維持するためにエンジン60の出力トルク以上のトルクを必要とする場合は、後輪駆動用電動モータ30が駆動されて後輪駆動用電動モータ30のトルクを得る。
このため、高速走行中、電池22の充電率が非充電閾値の近傍の値であると、後輪駆動用電動モータ30を駆動することによって充電率が直ぐに非充電閾値未満になってしまう。パラレル走行モードでは、電池22の充電率が非充電閾値未満になると、エンジン60は発電機50を駆動するためにも用いられるので、駆動輪である前輪12に伝達されるエンジン60のトルクが小さくなってしまう。
このため、メイン制御部80は、登り坂道の情報を受信すると、ハイブリッド電気自動車10が高速域での走行を維持して登り坂道を登ることを想定して、高速域での走行を維持して登り坂道を登りきるために必要な電気エネルギを算出する。そして、メイン制御部80は、上記算出された電気エネルギに基づいて電池22を充電するために、電池22の充電を開始する非充電閾値を、初期非充電閾値に対して変更する変更案を算出する。
具体的には、メイン制御部80は、登り坂道を登りきるために必要な電気エネルギに対応する電池22の充電率を演算する。演算して得られた充電率をCとする。非充電閾値変更案をPとすると、メイン制御部80は、P=初期非充電閾値+Cとする。
P=初期非充電閾値+Cであることによって、ハイブリッド電気自動車10が登り坂道を登りきった後でも、電池22の充電率は、初期非充電閾値が維持される。
メイン制御部80は、変更案を算出すると、表示装置93を制御して表示画面95に変更案を表示するとともに非充電閾値を変更案に確定してよいか否かの選択を運転者に要求する。メイン制御部80は、運転者が変更案に賛成であると判断すると変更案を確定して非充電閾値を変更案に変更する。
メイン制御部80は、運転者が変更案を拒否したと判断すると、ナビ用制御部94に走行経路の再設定を指示する。そして、メイン制御部80は、非充電閾値の変更案が所定回数否定されると、非充電閾値を初期非充電閾値に戻すともに、走行経路設定の再設定の中止をナビ用制御部94に指示する。所定回数は、任意に設定することができる。本実施形態では、一例として、4回とする。なお、1回であってもよいし、または、3回、5回などの複数回であってもよい。
このようなメイン制御部80の動作、および、ナビ用制御部94の動作を、ハイブリッド電気自動車10が出発点Lから目的地Gまで走行する場合を、例にして説明する。出発点Lでの電池22の充電率は、80パーセントである。
図3は、ハイブリッド電気自動車10が出発点Lにあるときの、表示装置93の表示画面95を示す平面図である。なお、図3では、まだ目的地Gが設定されていないので、ナビ用制御部94は走行経路を設定しない。このため、表示画面95には、道路情報のみが表示されている。ハイブリッド電気自動車10の動作の説明として、より具体的に、以下の第1〜3のパターンに基づいて説明する。
第1のパターンは、ナビ用制御部94が最初に設定した走行経路に基づいてメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案に、ハイブリッド電気自動車10の走行を開始する前に運転者が賛成するパターンである。
第2のパターンは、ナビ用制御部94が1回目に設定した走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案と、ナビ用制御部94が2回目に設定した走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案とに対しては運転者が拒否し、ナビ用制御部94が3回目に設定した走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案に対して運転者が、ハイブリッド電気自動車10の走行を開始する前に、賛成するパターンである。
第3のパターンは、ナビ用制御部94が設定した1〜4回目の走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案に対して運転者が、ハイブリッド電気自動車10の走行を開始する前に、全て拒否したパターンである。なお、運転者は、本発明で言う乗員の一例である。
第1のパターンについて説明する。図4は、ナビ用制御部94の動作の一例を示すフローチャートである。まず、カーナビゲーション装置90が動作可能となる状態について説明する。ハイブリッド電気自動車10は、メインスイッチのオンオフの切り替えにイグニッションキーが用いられる。イグニッションキーは、運転者によって車体に設けられるキーシリンダに挿入される。
キーシリンダは、回転後の位置として、一例として、オフ位置と、アクセサリ位置と、オン位置とを有している。アクセサリ位置は、オフ位置とオン位置との間に設けられている。キーシリンダの初期位置は、オフ位置である。イグニッションキーは、キーシリンダがオフ位置にあるときに、挿入および引き抜きが可能である。オフ位置は、ハイブリッド電気自動車10のメインスイッチがオフとなるとともに、アクセサリもオフとなる位置である。
アクセサリ位置は、ハイブリッド電気自動車10のメインスイッチはがオフとなるとともに、アクセサリがオンとなる状態である。アクセサリがオンとなる状態とは、ハイブリッド電気自動車10のエアコンやオーディをなどのアクセサリが動作可能となる状態である。カーナビゲーション装置90は、本実施形態では、アクセサリ位置で動作が可能となる。
オン位置は、アクセサリがオンであるとともにメインスイッチがオン状態となる位置である。メインスイッチがオン状態とは、シフト位置がドライブ位置に変更されてアクセルペダルを踏み込まれると、ハイブリッド電気自動車10が走行できる状態である。
このように、本実施形態では、カーナビゲーション装置90は、メインスイッチがオン状態となる前のアクセサリのみがオンとなる状態で、動作が可能となる。
なお、ハイブリッド電気自動車10は、上記のように、キーシリンダの回転によってメインスイッチのオンオフが切り替えられる構造に限定されない。例えば、メインスイッチのオンオフが押しボタンの操作によって切り替えられる構造であってもよい。この場合、押しボタンが押されてない初期状態では、メインスイッチがオフ状態であり、アクセサリもオフ状態である。そして、押しボタンが押し込まれることによって、メインスイッチとアクセサリとがともにオン状態になる。上記は一例である。カーナビゲーション装置90は、メインスイッチがオン状態となるときに動作可能となってもよい。
ナビ用制御部94の動作の説明に戻る。カーナビゲーション装置90が動作可能となると、ステップST1に進む。カーナビゲーション装置90が動作可能となることによって、位置検出部92は、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報を検出する。
ステップST1では、ナビ用制御部94は、位置検出部92が検出したハイブリッド電気自動車10の位置情報と記憶部91に記憶されている地図情報とに基づいて、表示装置93の表示画面95に、ハイブリッド電気自動車10の現在地と、ハイブリッド電気自動車10の周囲の地図情報とを表示する。また、ナビ用制御部94は、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報と、道路情報とをメイン制御部80に送信する。ついで、ステップST2に進む。図3は、ハイブリッド電気自動車10の現在地が表示された状態を示す表示画面95を示している。
ステップST2では、ナビ用制御部94は、ハイブリッド電気自動車10の目的地が設定されたか否かを判定する。第1のパターンでは、運転者は、目的地として目的地Gを設定する。ナビ用制御部94は、目的地が設定されていると判定すると、ついで、ステップST3に進む。目的地が設定されるまでは、ステップST1に戻る。
ステップST3では、ナビ用制御部94は、目的地が設定された後、はじめてステップST3に進んだか否かを判定する。この段階では、目的地が設定された後、はじめてステップST3に進むので、ナビ用制御部94は、目的地設定後がはじめてステップST3に進んだと判定する。ついで、ステップS4に進む。
ステップST4では、ナビ用制御部94は、目的地Gまでの最短距離となる一条の第1の走行経路R1を地図情報から検出し、設定する。走行経路が設定されると、ついでステップST5に進む。
ステップST5では、ナビ用制御部94は、ステップST4で検出した第1の走行経路R1を、表示装置93の表示画面95に表示される地図情報中に明確になるように表示する。図5は、表示画面95に第1の走行経路R1を明確になるように表示している状態を示している。図5中では、設定された第1の走行経路R1は、黒く塗りつぶされて表示されている。ついで、ステップST6に進む。なお、図5中には、非充電閾値の変更案に対する賛成または拒否の報知する画像が表示されているが、ステップST5の段階では、これは表示されておらず、地図情報と第1の走行経路R1の情報とが表示されている。
ステップST6では、ナビ用制御部94は、ステップST4で設定された第1の走行経路R1中に登り坂道がある場合、登り坂道を検出する。第1の走行経路R1中には、第1の登り坂道U1が含まれている。このため、ナビ用制御部94は、第1の走行経路R1中の第1の登り坂道U1を検出する。ついで、ステップST7に進む。
図6は、第1の走行経路R1の標高情報を示すグラフである。図6の横軸は、出発点Lからの距離を示している。横軸は、方向xに沿って進むにつれて、距離が離れることを示す。第1の走行経路R1に沿って走行する場合、出発点Lから目的地Gまでの距離は、D1である。横軸の零は、ハイブリッド電気自動車10が出発点Lにあることを示す。横軸のD1は、ハイブリッド電気自動車10が目的地Gにあることを示す。図6の縦軸は、標高情報を示している。縦軸は、方向yに沿って進むにつれて、値が大きくなることを示す。つまり、標高が大きくなること示す。
図6に示すように、第1の走行経路R1では、出発点Lからの距離がD2からD3の範囲が第1の登り坂道U1である。出発点Lから距離D2の地点O1は、第1の登り坂道U1の一端であり、登り始めの位置である。出発点Lから距離D3の地点E1は、第1の登り坂道U1の他端であり、登坂が完了する地点である。
ステップST7では、ナビ用制御部94は、登り坂道が検出されたか否かを判定する。上記したように、ナビ用制御部94は、第1の走行経路R1中の第1の登り坂道U1を検出しているので、登り坂道を検出したと判定する。ついで、ステップST8に進む。
ステップST8では、ナビ用制御部94は、検出した第1の登り坂道U1の情報を、メイン制御部80に送信する。ついで、ステップST1に戻る。
つぎに、第1のパターンでのメイン制御部80の動作を説明する。図7は、メイン制御部80の動作の一例を示すフローチャートである。本実施形態では、メイン制御部80は、一例として、アクセサリが動作可能となる状態で動作可能となる。なお、上記のナビ用制御部94の動作と、以下説明するメイン制御部80の動作とは、並行して行われている。
図7に示すように、メイン制御部80は、ステップST31では、メインスイッチがオン状態であるか否かを判定する。第1のパターンではメインスイッチはオン状態であるので、メイン制御部80は、メインスイッチがオン状態であると判定する。ついで、ステップST32に進む。
ステップST32では、ハイブリッド電気自動車10が登り坂道を登坂中であるか否かを判定する。なお、メイン制御部80は、ナビ用制御部94から登り坂道の情報と、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報と、道路情報とが送信される。メイン制御部80は、これらの情報に基づいて、ハイブリッド電気自動車10が登り坂道を登坂中であるか否かを判定する。
メイン制御部80は、ナビ用制御部94から、登り坂道の情報、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報、道路情報などの情報のすべて、または、一部を受信しておらず、それゆえ、ハイブリッド電気自動車10が登坂中であるか否かを判定できない場合は、登坂中ではないと判定する。
この段階では、ハイブリッド電気自動車10は、登坂中ではないので、メイン制御部80は、登坂中ではないと判定する。ついで、ステップST33に進む。
ステップST33では、メイン制御部80は、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報と登り坂道の情報と道路情報とに基づいて、ハイブリッド電気自動車10が登り坂道を登りきっているか否かを判定する。
メイン制御部80は、ナビ用制御部94から、登り坂道の情報、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報、道路情報などの情報のすべて、または、一部を受信しておらず、それゆえ、ハイブリッド電気自動車10が登り坂道を登りきったか否かを判定できない場合は、登坂を完了していないと判定する。
第1のパターンでは、ハイブリッド電気自動車10の走行を開始する前に動作が行われることを想定しているので、メイン制御部80は、登坂は完了していないと判定する。ついで、ステップST34に進む。
ステップST34では、メイン制御部80は、電池22の充電率が、電池22の非充電閾値であるか否かを判定する。電池22の充電率の情報は、BMU24から送信される。初期非充電閾値は、30パーセントである。第1のパターンでは、電池22の充電率は、出発点Lで80パーセントである。このため、メイン制御部80は、電池22の充電率は、非充電閾値未満ではないと判定する。ついで、ステップST33に進む。
ステップST35では、メイン制御部80は、電池22が充電中であるか否かを判定する。ハイブリッド電気自動車10が走行を開始する前では電池22の充電率は80パーセントであるので、電池22は充電中ではない。メイン制御部80は、充電中ではないと判定する。ついで、ステップST36に進む。
ステップST36では、メイン制御部80は、ナビ用制御部94から登り坂道の情報を受信しているか否かを判定する。第1のパターンでは、ナビ用制御部94は、第1の登り坂道U1を検出しており、第1の登り坂道U1の情報をメイン制御部80に送信している。メイン制御部80は、ナビ用制御部94から第1の登り坂道U1の情報を受信するまでは、ステップST31に戻り、ステップST31〜ST35の処理を繰り返す。ナビ用制御部94から第1の登り坂道U1の情報を受信すると、ステップST36からステップST37に進む。
ステップST37では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案を演算する。ステップST37について、具体的に説明する。メイン制御部80は、ナビ用制御部94から受信した第1の登り坂道U1の情報に基づいて、後輪駆動用電動モータ30のアシストを受けながら車速を高速に維持してハイブリッド電気自動車10が第1の登り坂道U1を最後まで登るために必要な電気エネルギを演算する。
そして、メイン制御部80は、演算された電気エネルギに対応する電池22の充電率を演算する。演算して得られた充電率をC1とする。非充電閾値変更案をP1とすると、メイン制御部80は、P1=初期非充電閾値+C1とする。
P1=初期非充電閾値+C1であることによって、ハイブリッド電気自動車10が第1の登り坂道U1を登りきった後でも、電池22の充電率は、初期非充電閾値が維持される。本実施形態では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案として、50パーセントを得る。非充電閾値変更案が演算されると、ついで、ステップST38に進む。
ステップST38では、メイン制御部80は、ステップST37で演算された非充電閾値変更案を運転者に報知するとともに、非充電閾値変更案に対する運転者の賛成、または、拒否を確認する。本実施形態では、報知、および、賛成または拒否の確認の一例として、表示画面95に表示する。
具体的に説明する。メイン制御部80は、表示装置93の表示画面95に確認の表示をする。図5は、表示画面95が確認の表示をしている状態を示している。本実施形態では、一例として、図5に示すように、「非充電閾値を50パーセントに変更しますか?」と表示する。また、表示画面95には、第1のボタン100と、第2のボタン101とを表示する。第1のボタン100は、「はい」と表示されている。第2のボタン101は、「いいえ」と表示されている。これら表示は、同時になされる。なお、「非充電閾値を50パーセントに変更しますか?」の表示は、本発明で言う、変更の確認の報知の一例である。
また、メイン制御部80は、表示装置93への上記表示の指示を出すとともに、タイマ82を動作して時間の計測を開始する。タイマ82は、表示画面95が上記表示を開始した時点から経過した時間を計測する。ついで、ステップST40に進む。
ステップST40では、メイン制御部80は、タイマ82の検出結果に基づいて、表示画面95に上記の表示を行ってから予め設定された所定時間が経過したか否かを判定する。所定時間が経過していない場合は、ステップST41に進む。所定時間は、予め設定されている。所定時間は、例えば、表示画面に確認の表示がされてから運転者が対応するのに十分な時間が設定されている。この時間は、例えば実験によって求めることができる。
ステップST41では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案に対して運転者から応答があったか否かを判定する。表示画面95は、タッチパネルである。運転者は、非充電閾値変更案に賛成の場合は、第1のボタン100に触れる。運転者は、非充電閾値変更案に賛成しない場合、つまり非充電閾値変更案を拒否する場合は、第2のボタン101に触れる。
表示装置93は、運転者が第1のボタン100または第2のボタン101に触れたことを検出すると、運転者が第1のボタン100または第2のボタン101に触れたことを示す信号をメイン制御部80に送信する。上記したように、表示装置93は、メイン制御部80にも接続されており、メイン制御部80とも信号の送受信を行う。
第1のパターンでは、運転者は、非充電閾値変換案に賛成する。このため、運転者は、表示画面95に上記の表示がなされると、所定時間が経過する前に、第1のボタン100に触れる。このため、表示装置93は、メイン制御部80に、第1のボタン100に触れたという信号を送信する。メイン制御部80は、運転者が応答したと判定する。
また、メイン制御部80は、運転者からの応答があったと判定すると、表示装置93を制御して表示画面95に上記の報知および第1,2の盆短100,101の表示をすることを中止する。ついで、ステップS42に進む。
ステップST42では、メイン制御部80は、運転者が非充電閾値変更案に賛成であるか否かを判定する。表示装置93からは、第1のボタン100に触れたとの信号を受信しているので、メイン制御部80は、運転者が非充電閾値変換案に賛成であると判定する。ついで、ステップST43に進む。
ステップST43では、メイン制御部80は、非充電閾値を、初期非充電閾値から非充電閾値変更案に変更する。具体的には、非充電閾値を、30パーセントから50パーセントに変更する。変更された非充電閾値は、記憶部81に記憶される。ついで、ステップST31に戻る。運転者は、非充電閾値変更案に対する応答をした後、ハイブリッド電気自動車10の走行を開始する。
つぎに、第1のパターンにおいて、非充電閾値が50パーセントに変更された後、ハイブリッド電気自動車10が目的地Gに走行する場合の動作を説明する。
図8は、ハイブリッド電気自動車10が第1の走行経路R1に沿って走行した際の、走行に伴う電池22の充電率の変更を示すグラフである。図8の横軸は、ハイブリッド電気自動車10の出発点Lからの走行距離を示す。横軸は、図6の横軸と同じである。縦軸は、2種類を示している。1つ目は、第1の走行経路R1の走行標高情報である。2つ目は、電池22の充電率の変化を示している。縦軸は、図6の縦軸と同じであり、方向yに沿って進むにつれて値が大きくなる。
図8に示すように、ハイブリッド電気自動車10は、第1のパターンでは、一例として、出発後、EV走行モードで走行する。このため、出発後、電池22の充電率は、80パーセントから減少する。
そして、走行距離がD4になると、電池22の充電率は50パーセントになる。電池22の非充電閾値は、5050パーセントに変更されているので、充電率が50パーセント未満になると、ステップST34からステップST44に進む。
ステップST44では、メイン制御部80は、電池22の充電率が50パーセント未満となることを防止するために、エンジン60と発電機50とを駆動して電池22の充電を開始する。メイン制御部80は、エンジン60と発電機50とに動作開始信号を送信すると、ステップST31に戻る。また、電池22の充電率が非充電閾値である50パーセント未満でなくなると、言い換えると、50パーセント以上になると、ステップST35からステップST45に進む。ステップST45では、メイン制御部80は、電池22の充電を終了するべく、エンジン制御部67と発電機50とに充電終了の信号を送信する。
このように、メイン制御部80がステップST44,45で充電開始、充電終了を制御することによって、電池22の充電率が非充電閾値未満になることが抑制されて、非充電閾値に保たれる。
その後、ハイブリッド電気自動車10は、加速して高速域で走行をする。メイン制御部80は、車速が高速域であるので、エンジン60を駆動する。その後、第1の登り坂道U1に到達する。
メイン制御部80は、ナビ用制御部94から送信されるハイブリッド電気自動車10の現在地情報、道路情報に基づいてハイブリッド電気自動車10が登坂を開始したと判定すると、ステップST31に戻る。なお、ステップST32では、メイン制御部80は、登坂中に電池22の充電中であると判定すると、電池22の充電を終了するべく、エンジン制御部67と発電機50との動作終了の信号を送信する。登坂中は、ステップST31,ST32の動作が繰り返される。このため、登坂中は、電池22は、充電されない。
また、メイン制御部80は、ハイブリッド電気自動車10が第1の登り坂道U1の登坂を開始したと判定すると、後輪駆動用電動モータ30を駆動して、登坂に必要なトルクを得る。このため、図8に示すように、第1の登り坂道U1の登坂中は、電池22の充電率は、50パーセントから減少する。
ハイブリッド電気自動車10が第1の登り坂道U1を登りきると、言い換えると、地点E1に到達すると、電池22の充電率は、非充電閾値の初期値である30パーセントになる。メイン制御部80は、登坂が完了すると、登坂中ではないと判定する。ついで、ステップST33に進む。ステップST33では、メイン制御部80は、登坂が終了したと判定する。ついで、ステップST46に進む。
ステップST46では、メイン制御部80は、電池22の非充電閾値を、初期非充電閾値に設定する。具体的は、30パーセントに設定される。このため、第1の登り坂道U1の登坂が完了した後は、非充電閾値は初期値になる。非充電閾値を初期非充電閾値に設定すると、ステップST31に戻る。
ハイブリッド電気自動車10は、第1の登り坂道U1の登坂が完了した後は、目的地Gまで高速域で走行を維持する。第1の走行経路R1において第1の登り坂道U1の登坂終了地点E1から目的地Gまでは、下り坂道となっている。このため、後輪駆動用電動モータ30のアシストは必要ないので、後輪駆動用電動モータ30の動作は停止される。このため、図8に示すように、電池22の充電率は、非充電閾値が維持される。ハイブリッド電気自動車10は、第1の登り坂道U1を登りきった後、しばらくすると、目的地Gに到達する。
つぎに、第2のパターンでの動作を説明する。第2のパターンについて、再度説明する。第2のパターンは、ナビ用制御部94が1回目に設定した走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案と、ナビ用制御部94が2回目に設定した走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案とに対しては運転者が拒否し、ナビ用制御部94が3回目に設定した走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案に対して、ハイブリッド電気自動車10の走行を開始する前に運転者が賛成したパターンである。
なお、第2のパターンの出発点と目的地とは、第1のパターンと同じである。そして、出発点Dでの電池22の充電率は、第1のパターンと同じであり、80パーセントである。
第2のパターンでは、ナビ用制御部94は、第1のパターンと同様にステップST1〜ST8の処理をして、走行経路として第1の走行経路R1を設定し、第1の走行経路R1内の第1の登り坂道U1を検出する。そして、ハイブリッド電気自動車10の現在地の情報と、道路情報と、第1の登り坂道U1の情報とをメイン制御部80に送信する。
メイン制御部80は、第1のパターンでの処理と同様に、演算の結果、非充電閾値の変更案として充電率50パーセントを得る。そして、図5に示すように、表示装置93を制御して表示画面95に、非充電閾値変更案を運転者に報知するとともに、非充電閾値変更案に賛成かまたは拒否かを確認するべく第1,2のボタン100,101を表示する。
第2のパターンでは、上記したように、運転者は、メイン制御部80が演算して得た1回目の非充電閾値案には拒否である。この理由について説明する。
メイン制御部80は、登り坂道がある場合、登り坂道を高速域で走行する場合を想定して非充電閾値変更案を演算する。しかしながら、運転者は、登り坂道を高速域で走行することを考えていない場合がある。
運転者が登り坂道を高速走行域で走行しないと考える原因の例としては、ハイブリッド電気自動車10の走行時間帯である。例えば、運転者が夜ハイブリッド電気自動車10を運転する場合は、周囲が暗くなっているため、運転者は車速が高速域にならないように運転することを考える。
または、原因の例としては、道路の渋滞状況である。道路が渋滞している場合では、高速走行域での運転はできない。または、原因の例としては、運転者の疲労の具合や、体調である。例えば長距離運転をすることによって運転者が疲れを感じていると、運転者は高速域での走行を考えず、中速での走行を考える。
または、原因の一例としては、エンジン60の燃料の残量である。燃料の残量が少ない場合、非充電閾値が変更されて充電が早い時期に行われると燃料がなくなるので、充電が早期に行われないように、高速域で走行することを考えない。
なお、上記原因は、例である。このように、運転者は、運転者のドライブ計画によって、後輪駆動用電動モータ30のアシストが必要な登り坂道を、高速域で走行することを考えない場合がある。
第2のパターンでは、一例として、燃料が少なく、それゆえ、運転者は、非充電閾値が50パーセントに変更されることを拒否する。
このため、表示画面95に「非充電閾値を50パーセントに変更しますか?」の表示がなされると、運転者は、第2のボタン101に所定時間内に触れる。表示装置93は、運転者が第2のボタン101に触れたという信号をメイン制御部80に送信する。このため、メイン制御部80の処理は、ステップST42からステップST47に進む。メイン制御部80は、非充電閾値変更案が予め設定されている所定回数以上拒否されたか否かを判定する。この所定回数は、予め設定されており、記憶部81に記憶されている。本実施形態では、一例として、4回である。なお、所定回数は、4回にのみに限定されるものではない。例えば、3回や5回などであってもよい。
この段階では、1回目の非充電閾値変更案に対して運転者が拒否をしたので、拒否回数は、1回である。メイン制御部80は、拒否回数が所定回数以上ではないと判定する。ついで、ステップST48に進む。
なお、メイン制御部80は、共通の目的地に対して算出された非充電開始閾値に対する拒否の回数を記憶部81に記憶している。なお、目的地が変更されると、記憶されていた拒否の回数の情報は、消去される。
ステップST48では、メイン制御部80は、走行経路再設定の指示をナビ用制御部94に送信する。再設定の指示を送信すると、ステップST31に戻る。
ナビ用制御部94は、第1の走行経路R1を設定し、第1の登り坂道U1を検出した後、第1の走行経路R1の情報と第1の登り坂道U1の情報となどをメイン制御部80に送信すると、ステップST31から処理が繰り返される。
そして、目的地が変更されたり、または、メイン制御部80から走行経路再設定の指示が送信されない場合は、新たな走行経路の設定、登り坂道の検出を行わない。
つぎに、メイン制御部80から走行経路の再設定の指示が送信された場合のナビ用制御部94の動作を説明する。図4に示すように、ナビ用制御部94は、ステップST3では、目的地が設定された後初めてステップST3の処理の進んだのではないので、ステップST9に進む。
ステップST9では、ナビ用制御部94は、目的地が変更されているか否かを判定する。第2のパターンでは目的地は変更されないので、ナビ用制御部94は、目的地は変更されていないと判定する。ついで、ステップST10に進む。
ステップST10では、ナビ用制御部94は、メイン制御部80が送信した走行経路の再設定の指示を受信したか否かを判定する。この段階では、上記したように、メイン制御部80は走行経路の再設定の指示を送信しており、ナビ用制御部94は、走行経路の再設定の指示を受信している。このため、ナビ用制御部94は、走行経路の再設定の指示を受信していると判定する。ついで、ステップST11に進む。
ステップST11では、ナビ用制御部94は、前回設定した走行経路とは異なる走行経路を設定する。この段階では、具体的に、ナビ用制御部94は、第1の走行経路R1とは異なる第2の走行経路R2を設定する。走行経路を再設定する際の条件は、予め設定されている。本実施形態では、先に設定されている走行経路の次に、目的地Gまでの最短経路となる経路である。具体的には、第2の走行経路R2は、第1の走行経路R1の次に最短距離となる経路である。ついで、ステップST5に進む。
ステップST5では、ナビ用制御部94は、表示画面95に第2の走行経路R2を表示する。図9は、第2の走行経路R2を示している。なお、図9中には、非充電閾値変更案の報知および第1,2のボタン100,101が表示されているが、ステップST5の段階では、報知および確認の表示はなされていない。ついで、ステップST6に進む。
ステップST6では、ナビ用制御部94は、第2の走行経路R2中に登り坂道があるか否かを判定するとともにある場合は登り坂道を検出する。第2の走行経路R2には、第2の登り坂道U2が含まれている。ナビ用制御部94は、第2の登り坂道U2を検出する。ついで、ステップST7を経てステップST8に進む。
ステップST8では、ナビ用制御部94は、第2の走行経路R2の情報と、第2の登り坂道U2の情報と、などをメイン制御部80に送信する。
図10は、第2の走行経路R2の標高を示すグラフである。図10の横軸と縦軸とは、図6の横軸と縦軸と同じである。横軸は、第2の走行経路R2に沿って出発点Dからの走行距離を示す。第2の走行経路R2に沿って目的地Gまでは距離D5である。このため、横軸でD5の位置は、目的地Gの標高を示す。登り開始地点O2は、出発点Dから距離D6の位置である。登り終了地点E2は、出発点から距離D7の地点である。
つぎに、ナビ用制御部94が走行経路を再設定した場合のメイン制御部80の動作を説明する。図7に示すように、メイン制御部80は、ステップST37で、ナビ用制御部94から送信された第2の登り坂道U2の情報に基づいて非充電閾値変更案を演算して得る。メイン制御部80は、第2の走行経路R2を走行する場合の非充電閾値変更案として、70パーセントを得る。演算が終了すると、ステップST38に進む。
ステップST38では、メイン制御部80は、非充電閾値案を運転者に報知するとともに、非充電閾値変更案に対する運転者の賛成または拒否を確認する。図9は、表示画面95が、非充電閾値変更案を報知するとともに、非充電閾値変更案に賛成または拒否かを確認する画面を表示している状態を示している。
図9に示すように、表示画面95は、「非充電閾値を70パーセントに変更しますか?」と、第1,2のボタン100,101とを表示する。メイン制御部80は、表示画面95に表示が開始されるとステップST39に進む。
第2のパターンでは、運転者は燃料の残量が少ないので、非充電閾値が変更されることに拒否している。このため、運転者は、第2のボタン102に所定時間内に触れる。このため、ステップST40,ST41,ST42を経て、再びステップST47に進む。
なお、非充電閾値変更案に対する拒否の意思表示として、運転者は、表示画面95に表示される第2のボタン101に触れる。これに加えて、メイン制御部80は、表示画面95に非充電閾値変更案と第1,2のボタン100,101が表示された後所定時間以内に第1のボタン100または第2のボタン101に触れたという情報が表示装置93からメイン制御部80に送信されない場合は、運転者は非充電閾値変更案に拒否していると判定する。
言い換えると、メイン制御部80は、表示画面95に非充電閾値変更案と第1,2のボタン100,101が表示された後、表示画面95への未入力状態が所定時間経過したら拒否であると判断する。
ステップST47では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案に対する拒否回数が所定回数以上であるか否かを判定する。この段階では、運転者は2回目の非充電閾値変更案に対して運転者が拒否しているので、拒否回数は2回目である。このため、メイン制御部80は、拒否回数は所定回数未満であると判定する。ついで、ステップST48に進む。
ステップST48では、メイン制御部80は、走行経路再設定の指示を、ナビ用制御部94に再び送信する。ついで、ステップST31に戻る。
ナビ用制御部94は、メイン制御部80から走行経路再設定指示を受けると、ステップST11で第3の走行経路R3を設定する。第3の走行経路R3は、第2の走行経路R2のつぎに目的地Gまでの距離が最短となる経路である。ついで、ステップST5に進む。
ステップST5では、ナビ用制御部94は、表示画面95に第3の走行経路R3を表示する。図11は、表示画面95に第3の走行経路R3が表示された状態を示している。なお、図11には、非充電閾値の変更案と第1,2のボタン100,101が表示されているが、ステップST5の段階では、非充電閾値変更案と第1,2のボタン100,101とは表示されていない。表示画面95に第3の走行経路R3が明確に表示されると、ステップST6に進む。
ステップST6では、ナビ用制御部94は、第3の走行経路R3中の登り坂道を検出する。第3の走行経路R3は、第3の登り坂道U3を含んでいる。ナビ用制御部94は、第3の登り坂道U3を検出する。ついで、ステップST7を経てステップST8に進む。ステップST8では、ナビ用制御部94は、第3の登り坂道U3の情報を送信する。
図12は、第3の走行経路R3の標高情報を示すグラフである。図12の横軸と縦軸とは、図6の横軸と縦軸と同じである。図12の横軸は、第3の走行経路R3に沿って走行した場合の出発点Lからの距離である。横軸の走行距離D8は、目的地Gを示す。距離D9は、登り開始地点O3を示す。距離D10は、登り終了地点E3を示す。
つぎに、第3の走行経路R3が設定された後のメイン制御部80の動作を説明する。図7に示すように、ステップST37では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案を演算する。メイン制御部80は、非充電閾値変更案として、電池22の充電率40パーセントを得る。ついで、ステップST38に進む。
ステップST38では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案を運転者に報知するとともに非充電閾値変更案に対する運転者の賛成または拒否を確認するための表示を表示画面95に表示する。図11は、表示画面95に、非充電閾値変更案の報知と、第1,2のボタン100,101とが表示された状態を示している。図11では、一例として、「非充電閾値を40パーセントに変更しますか?」と表示する。表示すると、ステップST39に進む。
第2のパターンでは、運転者は、3回目の非充電閾値変更案に対しては賛成である。これは、燃料の残量を考慮して、非充電閾値が電池22の充電率が40パーセントであれば燃料が足りると運転者が判断するためである。運転者は、第1のボタン100に所定時間内に触れる。運転者が第1のボタン100に触れると、ついで、ステップST41,ST42を経てステップST43に進む。
ステップST43では、メイン制御部80は、40パーセントを非充電閾値として設定し、記憶部81に記憶する。ついで、ステップST31に戻る。
つぎに、第2のパターンにおいて非充電閾値が設定された後、ハイブリッド電気自動車10が走行を開始した場合の動作を説明する。図13は、ハイブリッド電気自動車10が第3の走行経路R3に沿って走行する際の、走行に伴う充電率の変更を示すグラフである。図13の横軸は、ハイブリッド電気自動車10の出発点Lからの走行距離を示す。横軸は、図6の横軸と同じである。縦軸は、2種類を示している。1つ目は、第1の走行経路R1の走行標高情報である。2つ目は、電池22の充電率の変化を示している。縦軸は、図6の縦軸と同じであり、方向yに沿って進むにつれて値が大きくなる。
図13に示すように、ハイブリッド電気自動車10は、第2のパターンでは、一例として、出発後、EV走行モードで走行する。このため、出発後、電池22の充電率は、80パーセントから減少する。
そして、図13に示すように、走行距離がD11になると電池22の充電率が非充電閾値である40パーセント未満になる。電池22の充電率が40パーセント未満になると、メイン制御部80は、ステップST34からステップST44に進む。ステップST44では、メイン制御部80は、電池22を充電するべく、エンジン制御部67と発電機50とに駆動信号を送信する。
また、電池22の充電率が非充電閾値である40パーセント未満でなくなると、言い換えると、40パーセント以上になると、ステップST35からステップST45に進む。ステップST45では、メイン制御部80は、電池22の充電を終了するべく、エンジン制御部67と発電機50とに充電終了の信号を送信する。
このように、メイン制御部80がステップST44,45で充電開始、充電終了を制御することによって、電池22の充電率が非充電閾値未満になることが抑制されて、非充電閾値に保たれる。
その後、ハイブリッド電気自動車10は、加速して高速域で走行をする。メイン制御部80は、エンジン60を駆動する。その後、ハイブリッド電気自動車10は、第3の登り坂道U3に到達する。
メイン制御部80は、ナビ用制御部94から送信されるハイブリッド電気自動車10の現在地情報、道路情報に基づいてハイブリッド電気自動車10が登坂を開始したと判定すると、ステップST31に戻る。登坂中は、ステップST31,ST32の動作が繰り返される。このため、登坂中は、電池22は、充電されない。
第2のパターンでは、運転者は、第3の登り坂道U3を高速域で登坂する。このため、メイン制御部80は、ハイブリッド電気自動車10が登り坂道U3の登坂を開始すると、後輪駆動用電動モータ30を駆動する。このため、図13に示すように、電池22の充電率は、40パーセントから減少する。
ハイブリッド電気自動車10が第3の登り坂道U3を登りきると、言い換えると、地点E3に到達すると、電池22の充電率は、初期非充電閾値である30パーセントになる。メイン制御部80は、登坂が完了すると、ステップST32からステップST33を経てステップST46に進む。
ステップST46では、メイン制御部80は、電池22の非充電閾値を、初期非充電開始値に設定する。非充電閾値を初期値に設定すると、ステップST31に戻る。このため、第1の登り坂道U1の登坂が完了した後は、非充電閾値は初期値になる。
ハイブリッド電気自動車10は、第3の登り坂道U3の登坂が完了した後は、目的地Gまで高速域で走行を維持する。第3の走行経路R3において第3の登り坂道U3を登坂完了後は、下り坂道となっている。このため、後輪駆動用電動モータ30のアシストは必要ないので、後輪駆動用電動モータ30の駆動は停止される。
このため、図13に示すように、電池22の充電率は、非充電閾値が維持される。ハイブリッド電気自動車10は、第3の登り坂道U3を登りきった後、しばらくすると、目的地Gに到達する。
つぎに、第3のパターンについて説明する。第3のパターンについて、再度説明する。第3のパターンは、ナビ用制御部94が設定した1〜4回目の走行経路に対してメイン制御部80が算出した非充電閾値の変更案に対してハイブリッド電気自動車10の運転者が、ハイブリッド電気自動車10の走行を開始する前に全て拒否するパターンである。
第3のパターンでは、出発点と目的地とは、第1のパターンと同じである。出発点Lでの電池22の充電率は第1のパターンと同じであり、80パーセントである。第3のパターンでは、ナビ用制御部94とメイン制御部80とは、第3の走行経路R3の設定と第3の登り坂道U3の検出までは、第2のパターンと同じ動作をする。
第3のパターンでは、運転者は、非充電閾値を変更することを拒否する。このため、第3の登り坂道U3を登りきるために演算した非充電閾値変更案である40パーセントに対して、運転者は、拒否する。運転者は、非充電閾値変更案が表示画面95に表示されると、第2のボタン101に触れるか、または、第1のボタン100と第2のボタン101に触れない。
メイン制御部80は、表示装置93から運転者が第2のボタン101に触れたという信号を受信すると、または、タイマ82による計測開始後所定時間を経過しても表示装置93から信号を受信しないと、運転者が非充電閾値変更案に変更することを拒否していると判定し、ステップST47に進む。
ステップST47では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案に対する拒否回数が所定回数以上であるか否かを判定する。この段階では拒否回数は、3回である。このため、メイン制御部80は、所定回数以上ではないと判定する。ついで、ステップST48に進む。
ステップST48では、メイン制御部80は、走行経路の再設定の指示をナビ用制御部94に送信する。再設定の指示を送信すると、ステップST31に戻る。ナビ用制御部94は、メイン制御部80が送信した走行経路再設定指示を受信すると、ステップST10からステップST11に進む。
ステップST11では、メイン制御部80は、第1の走行経路R1,R2,R3とは異なる走行経路を設定する。設定する条件としては、目的地Gまでの距離が、第1の走行経路R1,R2,R3のつぎに短い経路である。ナビ用制御部94は、第4の走行経路R4を設定する。第4の走行経路R4は、第4の登り坂道U4を有している。ついで、ステップST5に進む。
ステップST5では、ナビ用制御部94は、第4の走行経路R4を、他の道路に対して明確になるように表示する。図14は、第4の走行経路R4が明確に表示された状態を示している。第4の走行経路R4が明確に表示されると、ステップST6に進む。
ステップST6では、ナビ用制御部94は、第4の走行経路R4中に第4の登り坂道U4があることを検出する。ついで、ステップST7を経てステップST8に進む。ナビ用制御部94は、第4の登り坂道U4の情報をメイン制御部80に送信する。
図15は、第4の走行経路R4の標高を示すグラフである。図15の横軸は、図6と同じである。図15の縦軸は、図6と同じである。横軸は、出発点Lからの、第4の走行経路R4に沿って走行したときの走行距離を示している。距離D12は、目的地Gを示している。距離D13は、第4の登り坂道U4の登り開始地点O4を示している。距離D14は、第4の登り坂道U4の登り終了地点E4を示している。
メイン制御部80は、第4の登り坂道U4の情報を受信すると、図7に示すように、メイン制御部80は、ステップST37で、ナビ用制御部94から送信された第4の登り坂道U4の情報に基づいて非充電閾値変更案を演算して得る。メイン制御部80は、第4の走行経路R4を走行する場合の非充電閾値変更案として、電池22の充電率35パーセントを得る。演算が終了すると、ステップST38に進む。
ステップST38では、メイン制御部80は、非充電閾値案を表示画面95に表示するとともに、第1,2のボタン100,101を表示する。図14は、表示画面95が、非充電閾値変更案を報知するとともに、非充電閾値変更案に賛成または拒否かを確認する画面を表示している状態を示している。
図9に示すように、表示画面95は、「非充電閾値を35パーセントに変更しますか?」と表示する。また、表示画面95に表示するとともに、タイマ82による時間の計測を開始する。
第3のパターンでは、運転者は非充電閾値が変更されること求めていないので、運転者は、第2のボタン101に触れるか、または、第1,2のボタン100,101に触れない。このため、ステップST40,ST41,ST42を経て、再びステップST47に進む。
ステップST47では、メイン制御部80は、非充電閾値変更案に対する拒否回数が所定回数以上であるか否かを判定する。この段階では、拒否回数は、4回である。このため、メイン制御部80は、拒否回数が所定回数以上であると判定してステップST49に進む。
ステップST49では、メイン制御部80は、非充電閾値を初期値に設定して記憶部81に記憶する。ついで、ステップST50に進む。ステップST50では、メイン制御部80は、走行経路の設定の中止する指示をナビ用制御部94に送信する。ついで、ステップST31に戻る。
ステップST50でナビ用制御部94に走行経路の設定の中止を指示した後は、目的地が再設定されない限り、登り坂道の情報は送信されない。このため、目的地が再設定されない場合は、メイン制御部80は、ステップST31〜ST36,ST44,ST45の動作が繰り返される。
ナビ用制御部94は、ステップST12で、走行経路の設定の中止指示を受信したか否かを判定すると、ステップST13に進む。ステップST13では、メイン制御部80は、走行経路の設定を中止する。そして、表示画面95に明確になるように表示した走行経路の表示を中止する。このため、表示画面95には、図3に示すように、道路情報のみが表示される。ついで、ステップST1に戻る。
走行経路の設定の中心指示を受信した後は、ナビ用制御部94は、目的地が再設定されない場合は、ステップST1〜ST3、ステップST9、ステップST10,ST12を経てステップST1に戻る処理が繰り替えされる。このため、ナビ用制御部94は、走行経路を設定することなく、それゆえ、表示画面95には走行経路が明確になるように表示されることはない。
なお、ナビ用制御部94が走行経路の設定の中止の指示を受信した後であっても、運転者によって目的地の設定が変更されると、ステップST9からステップST4に進み、走行経路を設定する処理が行われる。また、目的地の設定が変更されると、メイン制御部80の記憶部82に記憶されている拒否回数はリセットされて零になる。
なお、上記では、坂道を登坂する場合について説明したが、降坂する坂道の検出は、登坂と逆の処理を実施すればよい。また、降坂する坂道による回生エネルギを考慮した充電量を設定するとよい。なお、降坂とは、坂道を下ることである。
本実施形態のハイブリッド電気自動車10では、非充電閾値変更案に対して運転者が拒否すると、走行経路が改めて設定されるとともに非充電閾値案が改めて演算される。運転者は、運転者のドライブ計画に適する非充電閾値を選択することができる。このドライブ計画は、上記したように、走行時間帯、渋滞状態、走行距離、など運転者の都合を考慮したものである。
また、メイン制御部80は、表示画面95に非充電閾値変更案と第1,2のボタン100,101の表示を開始して、第1,2のボタン100,101へ未入力状態が所定時間経過すると、非充電閾値変更案に設定することを拒否している判定する。
このため、非充電閾値変更案に対して運転者が反応できない場合であっても、処理を進めることができる。
また、非充電閾値変更案が所定回数拒否されると、メイン制御部80は、非充電閾値を初期値に設定するともに、走行経路の設定を中止するようナビ用制御部94に指示を送信する。ナビ用制御部94は、走行経路の設定の中止の指示を受信すると、走行経路の設定を中止する。
このため、運転者が非充電閾値の変更を望んでいない場合は、非充電閾値の変更の処理を速やかに中止することができる。
また、非充電閾値は、初期非充電閾値に、登り坂道の登りきるために必要な電気エネルギに対応する充電率を加えたものとしている。このため、登り坂道を登りきった後であっても、電池22の充電率は、初期非充電閾値に維持される。さらに、登り坂道を登りきった後では、非充電閾値は、初期非充電閾値に設定される。このため、登り坂道を登りきった後に、電池22を充電する必要がない。
CMU23とBMU24とは、本発明で言う充電率検出手段の一例を構成している。なお、充電率検出手段は、CMU23とBMU24との組み合わせ以外であってもよい。または、CMU23とBMU24以外の装置が存在し、この装置が充電率検出手段として機能してもよい。または、複数の装置が存在し、これら複数の装置によって電池の充電率が検出されてもよい。要するに、電池22の充電率を検出する機能を有していればよい。
ナビ用制御部94は、本発明で言う走行経路設定手段の一例である。なお、走行経路検出手段は、ナビ用制御部94以外であってもよい。具体的には、ナビ用制御部94以外の装置が存在し、この装置が走行経路手段として機能してもよい。または、複数の装置が存在し、これら装置が走行経路手段として機能してもよい。要するに、走行経路検出手段として機能すればよい。
ナビ用制御部94は、本発明で言う坂道検出手段の一例である。なお、坂道検出手段は、ナビ用制御部94以外であってもよい。具体的には、ナビ用制御部94以外の装置が存在し、この装置が坂道手段として機能してもよい。または、複数の装置が存在し、これら装置が坂道手段として機能してもよい。要するに、坂道検出手段として機能すればよい。
メイン制御部80は、本発明で言う充電制御手段の一例である。なお、充電制御手段は、ハイブリッド電気自動車10の全体を制御するメイン制御部80以外であってもよい。具体的には、メイン制御部80とは異なる装置が存在し、この装置が充電制御手段として機能してもよい。または、複数の装置が存在し、これら複数の装置が充電制御手段として機能してもよい。要するに、充電率検出手段として機能すればよい。
表示装置93は、本発明で言う報知手段の一例である。なお、報知手段は、表示装置93以外であってもよい。例えば、本実施形態では、報知の一例として、映像で報知している。しかしながら、映像以外で報知してもよく、例えば音声で乗員に報知してもよい。この場合の例としては、「非充電閾値を70パーセントに変更してもよいですか?」と音声で報知する。この場合、スピーカなど音声を発することができるものが報知手段として機能する。
また、報知手段としては、または、複数の装置が存在し、これら装置が報知手段として機能してもよい。要するに、報知手段として機能すればよい。
ハイブリッド電気自動車10は、本発明で言うハイブリッド車両の一例である。例えば、本発明は、線路に沿って走行する車両に適用されてもよい。
表示装置93は、本発明で言う入力手段の一例である。なお、入力手段は、表示装置93以外であってもよい。例えば、表示装置93とは別の入力部があってもよい。要するに、入力手段として機能すればよい。
タイマ82は、本発明で言う計測手段の位置である。なお、計測手段は、タイマ82以外であってもよい。例えば、メイン制御部80が時間を計測する部分を備えていてもよい。要するに、計測手段として機能すればよい。
なお、図1では、メイン制御部80などの装置間の信号の送受信を示す信号線は、図面を分かりやすくするために、省略している。実際には、各部品は、信号の送受信のために有線で接続されている。または、無線で信号の送受信をしている。
また、本実施形態では、本発明でいう、坂道検出手段と、走行経路設定手段と、報知手段として、カーナビゲーション装置90の構成を利用している。言い換えると、メイン制御部80がカーナビゲーション装置90と連動して動作している。このため、カーナビゲーション装置90の記憶部91が備える道路情報、標高情報などを利用することができる。
しかしながら、カーナビゲーション装置90を備えておらず、本発明で言う走行経路設定手段と、坂道検出手段と、報知手段と、入力手段とを備える構造であってもよい。
この発明は、上述した実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上述した実施の形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成できる。例えば、上述した実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除しても良い。
10…ハイブリッド電気自動車(ハイブリッド車両)、22…電池、23…CMU(充電率検出手段)、24…BMU(充電率検出手段)、50…発電機、60…エンジン、80…メイン制御部(充電制御手段)、82…タイマ(計測手段)、93…表示装置(報知手段、入力手段)、94…ナビ用制御部(走行経路設定手段、坂道検出手段)。
Claims (3)
- 車両駆動用電動モータに電力を供給する電池と、
エンジンと、
前記エンジンにより駆動され前記電池を充電する発電機と、
前記電池の充電率を検出する充電率検出手段と、
自車両の目的地が設定されると、前記設定がなされた地点から前記目的地までの一条の走行経路を設定する走行経路設定手段と、
前記走行経路に含まれる、前記自車両が登坂または降坂する可能性がある坂道を検出する坂道検出手段と、
前記電池の所定充電率を非充電閾値として、前記充電率検出手段の検出結果が前記非充電閾値未満になると前記エンジンを稼動させると共に、前記坂道検出手段が検出した坂道情報に基づき前記非充電閾値の変更案を得る充電制御手段と、
前記変更案への変更の確認を報知する報知手段と、
前記変更案に対して乗員が賛成または拒否の入力を行う入力手段と
を具備し、
前記充電制御手段は、前記入力手段への入力結果に基づき、前記入力結果が賛成であると前記非充電閾値を前記変更案に変更し、前記入力結果が拒否であると前記走行経路設定手段により異なる走行経路を設定させる
ことを特徴とするハイブリッド車両。 - 請求項1の記載において、前記報知手段が報知した時点からの経過時間をカウントする計測手段を備え、
前記充電制御手段は、前記計測手段の検出値に基づき前記入力手段への未入力状態が所定時間経過したら拒否であると判断して、前記走行経路設定手段により異なる走行経路を設定させる
ことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。 - 前記充電制御手段は、前記坂道検出手段が検出した前記坂道情報に基づいて変更される前の初期非充電閾値を有し、かつ、前記拒否が所定回数になると、前記非充電閾値を前記初期非充電閾値にリセットすると共に、前記走行経路設定手段による走行経路の設定をキャンセルさせる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140805 |