JP2012246959A - 車両用変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用変速機の油圧制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】オイルポンプの低回転時においてオイルポンプ装置の第1出力ポートからの作動油をライン油路よりも低圧の油路へ分流可能な車両用変速機の油圧制御装置を提供する。
【解決手段】スプール弁子164が第1ライン油路156内の作動油の逃がし量を抑制する側の位置に位置させられたときに、第1出力ポート144と第1ライン油路156よりも低圧の潤滑部(低圧油路)172との間が、第1調圧弁160に設けられた第1弁部V1によって開かれることから、第1出力ポート144から吐出される作動油が第1弁部V1を通して潤滑部172へ導かれる。オイルポンプ装置28が低回転であって第1ライン油路156内の作動油の消費量が少ない車両状態たとえば車両停止状態においてそのオイルポンプ装置28の駆動トルクが低減され、車両燃費の向上が得られる。
【選択図】図6

Description

本発明は、一対の吐出口を有するオイルポンプ装置を備える車両用変速機の油圧制御装置に関し、特に、オイルポンプの駆動トルクを低減し、燃費を向上させる技術に関するものである。
一対の出力ポートを備える1個のオイルポンプや、出力ポートをそれぞれ備える一対のオイルポンプのように一対の出力ポートを有するオイルポンプ装置を備える車両用変速機の油圧制御装置が知られている。たとえば、特許文献1および特許文献2に記載されたものがそれである。特許文献1の油圧制御装置では、エンジンにより回転駆動されるオイルポンプに備えられた一対のポートのうち、一方のポートはプライマリレギュレータバルブに作動油を供給し、そのプライマリレギュレータバルブはライン油路を介してセカンダリシーブの油圧を調圧している。他方のポートはオイルコントロールバルブに作動油を供給し、そのオイルコントロールバルブは作動油量を多く必要とするときはその他方のポートから供給された作動油を上記ライン油路に合流させ、作動油量をそれほど必要としないときは、その他方のポートから供給された作動油をオイルポンプの吸入ポートに還流させ、そのオイルポンプの駆動トルクを低減して燃費を向上させるようにしている。また、特許文献2の油圧制御装置では、メインポンプおよびサブポンプが設けられており、プライマリレギュレータに作動油を供給するメインポンプとプライマリレギュレータからリリーフされた作動油を調圧するクラッチレギュレータバルブに作動油を供給するサブポンプが設けられており、メインポンプに接続されてCVTのプーリに設けられた油圧アクチュエータの油圧源となるライン油圧がプライマリレギュレータにより調圧されるようになっているが、そのメインポンプの油圧(ライン油圧)が低下した場合には、切換弁が切換えられてサブポンプからの油圧が前後進切換機構5などの油圧必要部へ直接供給されることで、エンジン起動時における係合ショックが抑制されるようになっている。これら特許文献1および2に記載の油圧制御装置では、オイルコントロールバルブおよび切換弁が油圧回路に追加されており、そのためのスペースおよびコストが必要となっていた。
これに対して、特許文献3に提案されている車両用無段変速機の油圧制御装置では、一対の第1吐出口および第2吐出口を備えるオイルポンプと、第1吐出口および第2吐出口から吐出された作動油が第1オイル必要部(CVT油圧サーボ)に導くとともに第1調圧弁により調圧される第1油路(ライン油路)と、第1調圧弁からリリーフされた作動油を調圧し、第2油路を介して第2オイル必要部(摩擦係合装置)へ供給する第2調圧弁とを有し、さらに、第2吐出口から吐出された作動油を第1油路を経由させずに第2油路に供給するための第3油路が設けられ、第2吐出口から吐出された作動油を、作動油流量を多く必要とするときには第1油路に供給させ、作動油流量の必要量が少ないときは第2油路に供給させる切換機能が第1調圧弁に設けられている。これによれば、作動油流量の必要量が少ないときは第2吐出口の圧力がライン圧よりも低下させられるので、燃費が向上させられるとともに、切換弁を追加する必要がなくスペースおよびコストが不要となる利点がある。
特開平10−110796号公報 特開2007−010090号公報 特開2004−076817号公報
ところで、上記特許文献1乃至特許文献3に提案されている従来の車両用無段変速機の油圧制御装置では、必要とされる作動油流量が少なく且つ必要とされる作動油の圧力が低い領域においては、低回転時におけるオイルポンプの第2の出力口から吐出される作動油を、ライン圧よりも低圧側の油路に分流させる機構を備えておらず、オイルポンプが低回転である車両状態においてその駆動トルクが低減されず、燃費の向上に関して未だ改善の余地があった。たとえば、引用文献3のように、切換弁を追加せず、第1調圧弁を用いて切り換えようとしても、第1調圧弁は高回転時すなわち高流量時しかスプール弁子が移動せず、低回転時の油路の切換を行うことができなかった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、オイルポンプの低回転時においてオイルポンプ装置の第1出力ポートからの作動油をライン油路よりも低圧の油路へ分流可能な車両用変速機の油圧制御装置を提供することにある。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 一対の第1出力ポートおよび第2出力ポートを有するオイルポンプ装置と、該オイルポンプ装置の第2出力ポートにから吐出される作動油を第1作動油必要部へ送出するとともに該作動油が不足状態となったときに該第1出力ポートから吐出される作動油を受け入れる第1ライン油路と、該第1ライン油路内の作動油の一部を逃がすために移動させられるスプール弁子を有し、該第1ライン油路内の作動油の逃がし量を変化させることで該第1ライン油路内の作動油を調圧するリリーフ型の第1調圧弁とを備える車両用変速機の油圧制御装置であって、(b) 前記第1調圧弁に設けられ、前記スプール弁子が前記第1ライン油路内の作動油の逃がし量を抑制する側に位置させられたときに、該スプール弁子により前記第1出力ポートと前記第1ライン油路よりも低圧の低圧油路との間を連通させる第1弁部を、含むことを特徴とする。
本発明の車両用変速機の油圧制御装置によれば、スプール弁子が前記第1ライン油路内の作動油の逃がし量を抑制する側の予め定められた低逃がし量位置に位置させられたときに、前記第1出力ポートと前記第1ライン油路よりも低圧の低圧油路との間が、第1調圧弁に設けられた第1弁部によって開かれることから、オイルポンプ装置の低回転時において第1出力ポートから吐出される作動油がその第1弁部を通して前記低圧油路へ導かれる。このため、オイルポンプ装置が低回転であって前記第1ライン油路内の作動油の消費量が少ない車両状態においてそのオイルポンプ装置の駆動トルクが低減され、燃費の向上が得られる。
ここで、好適には、(c)前記第1調圧弁は、前記スプール弁子が前記第1ライン油路内の作動油の逃がし量を増大する側に位置させられたときに、該スプール弁子により前記第1出力ポートと前記第1ライン油路よりも低圧の低圧油路との間を連通させる第2弁部を、備えるものである。このように構成された油圧制御装置によれば、オイルポンプ装置の高回転時において第1出力ポートから吐出される作動油がその第2弁部を通して前記低圧油路へ導かれる。このため、オイルポンプ装置が高回転であって前記第1ライン油路内の作動油の消費量が少ない車両状態においてそのオイルポンプ装置の駆動トルクが低減され、燃費の向上が得られる。
また、好適には、(d)前記第1ライン油路内から前記第1調圧弁を通して逃がされる作動油を第2作動油必要部へ送出する第2ライン油路と、該第2ライン油路内の作動油の一部の逃がし量を変化させることで該第2ライン油路内の作動油を調圧するリリーフ型の第2調圧弁とが、さらに備えられる。このように構成された油圧制御装置によれば、前記第1調圧弁を通して逃がされる作動油が流入させられる第2ライン油路内の作動油が第2調圧弁によって調圧されるので、その第2ライン油路内の作動油が、前記第2作動油必要部において、第1ライン油路内の作動油よりも低圧の油圧源として用いられる利点がある。
また、好適には、(e)前記低圧油路は、前記車両用変速機内の軸受または噛合部の潤滑のために前記作動油を供給する潤滑油路、または前記第2ライン油路である。このように構成された油圧制御装置によれば、前記オイルポンプ装置が低回転であって第1ライン油路内の作動油の消費量が少ない車両状態、または、オイルポンプ装置が高回転であって第1ライン油路内の作動油の消費量が少ない車両状態において、オイルポンプ装置の第1出力ポートから吐出される作動油がその第1弁部または第2弁部を通して、第1ライン油路よりも低圧である潤滑油路または第2ライン油路へ導かれるので、そのオイルポンプ装置の駆動トルクが低減され、燃費の向上が得られる。
また、好適には、(f)前記車両用変速機は、エンジンの回転を伝達するロックアップクラッチ付の流体伝動装置と、該流体伝動装置から入力された回転を油圧アクチュエータを用いて無段階に変速する無段変速機とを備えるものであり、(g)前記第1作動油必要部は、該無段変速機の油圧アクチュエータの作動を制御する変速制御回路であり、(h)前記第2作動油必要部は、前記ロックアップクラッチの作動を制御するロックアップクラッチ制御回路である。このように構成された油圧制御装置の変速制御回路では、無段変速機の変速過渡期間では油圧アクチュエータによって比較的大容量の作動油が消費されるが、無段変速機の変速比が一定の車両停止状態および車両の定常走行状態では油圧アクチュエータによって作動油がそれほど消費されないので、このような車両停止状態および車両の定常走行状態において、第1出力ポートの作動油が第1ライン油路よりも低圧である潤滑油路または第2ライン油路へ導かれるので、そのオイルポンプ装置の駆動トルクが低減され、燃費の向上が得られる。
また、好適には、前記第1出力ポートと前記第1弁部との間に直列に設けられ、前記作動油の温度が予め設定された判定値よりも高いときに閉じられる開閉弁を、さらに備える。このようにすれば、たとえば車両停止時のようなオイルポンプ装置の低回転時において、作動油温度が高温となることに起因する漏れ量の増大があったときには、第1出力ポートから吐出される作動油が第1ライン油路に供給されるので、第1ライン油路内の第1ライン油圧を維持することができる。
また、好適には、前記第1出力ポートと前記第1弁部との間に直列に設けられ、前記無段変速機の出力側油圧アクチュエータの油圧が予め設定された判定値よりも高いときに閉じられる開閉弁を、さらに備える。このようにすれば、たとえば車両停止時のようなオイルポンプ装置の低回転時において、前記無段変速機の出力側油圧アクチュエータの油圧が高圧となることに起因する漏れ量の増大があったときには、第1出力ポートから吐出される作動油が第1ライン油路に供給されるので、第1ライン油路内の第1ライン油圧を維持することができる。
本発明が適用された車両用動力伝達装置の構成を説明する骨子図である。 図1の車両用動力伝達装置を制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。 図1のオイルポンプを説明する図であって、図4および図5のIII-III視断面図である。 図1のオイルポンプを説明する図であって、図3のV-V視断面図である。 図1のオイルポンプを説明する図であって、図3のVI-VI視断図である。 図2の油圧制御回路の要部であって、ライン圧制御回路を説明する図である。 本発明の他の実施例のライン圧制御回路を説明する図であって、図6に相当する図である。
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、本発明が適用された車両用動力伝達装置10の構成を説明する骨子図である。この車両用動力伝達装置10は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)型車両に好適に採用されるものであり、走行用の動力源としてのエンジン12に連結されている。内燃機関にて構成されているエンジン12の出力は、そのエンジン12のクランク軸から流体式伝動装置としてのトルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式無段変速機(CVT)18、減速歯車装置20を介して差動歯車装置22に伝達され、左右の駆動輪24L、24Rへ分配される。
トルクコンバータ14は、エンジン12のクランク軸に連結されたポンプ翼車14pと、トルクコンバータ14の出力側部材に相当するタービン軸34を介して前後進切換装置16に連結されたタービン翼車14tと、一方向クラッチ15を介してハウジングHに固定された固定翼車14sとを備えており、それら翼車の間で流体(作動油)を介して動力伝達を行うようになっている。また、ポンプ翼車14pとタービン翼車14tとの間にはロックアップクラッチ26が設けられている。このロックアップクラッチ26は、後述の図2に示す制御用油圧制御回路76内に設けられる図示しないロックアップコントロールバルブによってそのロックアップクラッチ26の係合側油室および開放側油室に供給される作動油が調圧制御されることにより、係合または開放されるようになっており、完全係合させられることによってポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tが一体回転させられるようになっている。また、ポンプ翼車14pには、無段変速機18の変速制御やベルト挟圧力制御、およびロックアップクラッチ26の係合開放制御等を実施するための油圧を発生させる機械式のオイルポンプ28が連結されている。このオイルポンプ28は、エンジン12の回転と連動して作動させられる。
このように構成されたトルクコンバータ14では、車両の運転状態が所定の運転領域になったときに、例えば、ロックアップクラッチ26を完全係合させてポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tを直結状態とするロックアップ制御や、ロックアップクラッチ26を半係合(スリップ)させてポンプ翼車14pおよびタービン翼車14tを半直結状態とするフレックスロックアップ制御等が行われる。上記ロックアップ制御およびフレックスロックアップ制御が実施される運転領域は、例えばアクセル開度と車速との関係として予め設定されている。
前後進切替装置16は、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1とダブルピニオン型の遊星歯車装置16pとを主体として構成されている。上記遊星歯車装置16pのサンギヤ16sは、トルクコンバータ14のタービン軸34に一体的に連結され、キャリア16cは、無段変速機18の入力軸36に一体的に連結されている。そして、キャリア16cおよびサンギヤ16sは、前進用クラッチC1を介して選択的に連結され、リングギヤ16rは、後進用ブレーキB1を介してトランスミッションケースに選択的に固定されるようになっている。上記前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1は、何れも油圧シリンダ等の油圧アクチュエータによって摩擦係合させられる油圧式摩擦係合装置である。これら前進用クラッチC1および後退用ブレーキB1は、後述の図2に示す油圧制御回路76内に設けられる図示しないマニュアルバルブによってそれら前進用クラッチC1および後退用ブレーキB1に供給される作動油が調圧制御されることにより、係合または解放されるようになっている。
このように構成された前後進切換装置16では、前進用クラッチC1が係合させられるとともに後進用ブレーキB1が開放されると、前後進切換装置16は一体回転させられてタービン軸34が入力軸36に直結され、前進用動力伝達経路が成立させられて、前進方向の駆動力が駆動輪24Rおよび24Lに伝達される。また、後進用ブレーキB1が係合させられるとともに前進用クラッチC1が開放されると、入力軸36はタービン軸34に対して逆回転させられ、後進方向の駆動力が駆動輪24Rおよび24Lに伝達される。また、前進用クラッチC1および後進用ブレーキB1が共に開放されると、前後進切換装置16は動力伝達を遮断するニュートラル状態(動力伝達遮断状態)になる。
無段変速機18は、互いに平行に且つ各軸心まわりに回転可能に設けられた入力軸36および出力軸40と、入力軸36に設けられた入力側可変プーリ42と、出力軸40に設けられた出力側可変プーリ46と、それら可変プーリ42および46のV溝にそれぞれ巻き掛けられてそれら可変プーリ42および46との間の摩擦力により動力伝達を行う伝動ベルト48と、可変プーリ42および46のV溝幅を変更する推力を付与するとともにそれら可変プーリ42および46の伝動ベルト48に対する挟圧力をそれぞれ付与する入力側油圧シリンダ50および出力側油圧シリンダ52とを備えている。上記可変プーリ42および46は、入力軸36および出力軸40にそれぞれ固定された固定シーブ42aおよび46aと、入力軸36および出力軸40に対して軸心まわりの相対回転不能かつ軸心方向の移動可能に設けられた可動シーブ42bおよび46bとを備えている。これら可変プーリ42および46は、後述の図2に示す油圧制御回路76内に設けられる図示しない変速制御用ソレノイドバルブによって入力側油圧シリンダ50に供給される作動油が調圧制御されることにより、固定シーブ42aおよび46aと可動シーブ42bおよび46bとの間のV溝幅がそれぞれ変更され、伝動ベルト48の掛かり径である有効径が変更されるようになっている。また、可変プーリ42および46では、後述の図2に示す油圧制御回路76内に設けられる図示しない挟圧力制御用ソレノイドバルブによって出力側油圧シリンダ52に供給される作動油が調圧制御されることにより、可変プーリ42および46の伝動ベルト48に対する挟圧力がそれぞれ調節されるようになっている。
このように構成された無段変速機18では、車両の走行状態に応じて入力側可変プーリ42および出力側可変プーリ46の溝幅がそれぞれ変化させられて、それら可変プーリ42および46に対する伝動ベルト48の掛かり径(有効径)が変更されることにより、変速比γ(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT)が連続的に変化させられるようになっている。また、それら可変プーリ42および46の伝動ベルト48に対する挟圧力がそれぞれ調節されることにより、伝動ベルト48の滑りが抑制されるようになっている。
図2は、図1の車両用動力伝達装置10などを制御するために車両に設けられた制御系統の要部を説明するブロック線図である。図2において、電子制御装置54は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、エンジン12の出力制御、無段変速機18の変速制御およびベルト挟圧力制御、およびロックアップクラッチ26の係合開放制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用や無段変速機18およびロックアップクラッチ26の油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置54には、エンジン回転速度センサ56により検出されたエンジン12の回転速度すなわちエンジン回転速度Nを表す信号、タービン回転速度センサ58により検出されたタービン軸34の回転速度すなわちタービン回転速度Nを表す信号、入力回転速度センサ60により検出された入力軸36の回転速度すなわち入力軸回転速度NINを表す信号、出力軸回転速度センサ62により検出された出力軸40の回転速度すなわち出力軸回転速度NOUTを表す信号、車速センサ64により検出された車速Veを表す信号、およびアクセル開度センサ66により検出されたアクセルペダルの操作量すなわちアクセル開度Accを表す信号などが供給される。
電子制御装置54からは、エンジン12の出力制御のためのエンジン出力制御指令信号として、例えば、電子スロットル弁68の開閉を制御するためにスロットルアクチュエータ70を駆動するためのスロットル信号STH、燃料噴射装置72から噴射される燃料の量を制御するための燃料噴射信号S、および点火装置74によるエンジン12の点火時期を制御するための点火時期信号Sなどがそれぞれ出力される。また、電子制御装置54からは、入力側油圧シリンダ50を駆動して無段変速機18の変速比γを制御するための変速制御指令信号S、出力側油圧シリンダ52を駆動して伝動ベルト48の挟圧力を制御するための挟圧力制御指令信号S、およびロックアップクラッチ26の係合、開放、スリップ量を制御するためのロックアップ制御指令信号SL/Uなどが油圧制御回路76へそれぞれ出力される。
電子制御装置54の制御機能の要部に対応する変速制御手段78およびベルト挟圧力制御手段80について以下に詳述する。変速制御手段78は、例えば、運転者の出力要求量を表すアクセル開度Accと、車速Veと、目標入力軸回転速度NINTとの予め定められて記憶された関係すなわち変速マップから、アクセル開度Accおよび車速Veに基づいて目標入力軸回転速度NINTを算出し、実際の入力軸回転速度NINが上記目標入力軸回転速度NINTと一致するように、それらの偏差に応じて無段変速機18の変速比γを変更する変速制御を行う。具体的には、変速制御手段78は、前記変速制御用ソレノイドバルブをフィードバック制御するなどして入力側油圧シリンダ50へ供給される作動油の流量を制御することにより、入力側可変プーリ42および出力側可変プーリ46のV溝幅を変更して伝動ベルト48の掛かり径(有効径)を変更し、変速比γを連続的に変化させる。
ベルト挟圧力制御手段80は、アクセル開度Accと、変速比γと、目標ベルト挟圧力Fとの予め定められて記憶された関係すなわち挟圧力マップから、アクセル開度Accおよび変速比γに基づいて目標ベルト挟圧力Fを算出し、実際のベルト挟圧力Fが上記目標ベルト挟圧力Fに一致するようにベルト挟圧力Fを調節するベルト挟圧力制御を行う。具体的には、ベルト挟圧力制御手段80は、前記挟圧力制御用ソレノイドバルブをフィードバック制御するなどして出力側油圧シリンダ52へ供給される作動油圧を制御することにより、ベルト挟圧力Fを調節する。上記挟圧力マップは、伝動ベルト48が滑りを生じないようなベルト挟圧力Fとアクセル開度Accと変速比γとの関係として予め実験的に求められて記憶されている。
オイルポンプ28は、たとえば図3の断面図に示すように、エンジン12によって回転駆動される内接歯車式ギヤポンプである。図4は、図3のIV-IV視断面図であり、図5は、図3のV-V視断面図である。図3乃至図5に示すように、オイルポンプ28は、トルクコンバータ14と前後進切替装置16との間においてハウジングHの隔壁に固設されたハウジング82と、複数個の外周歯84を有し、ポンプ翼車14pの内周端部から軸心(一軸心)C1方向に突設された円筒状のポンプ軸86の先端部の複数の爪部86aに係合され、上記ポンプ軸86と共に軸心C1まわりに回転可能にポンプハウジング82内に収容されたドライブギヤ88と、上記外周歯84に噛み合わされた複数個の内周歯90と円筒状外周面92とを有して、軸心C1から偏心した偏心軸心C2まわりに回転可能にポンプハウジング82内に収容され、上記ドライブギヤ88により回転駆動される円環状のドリブンギヤ94とを、備えている。
上記ドライブギヤ88およびドリブンギヤ94は、図4に示すように、外周歯84および内周歯90が下方で互いに噛み合わされている。ドライブギヤ88は、ポンプ軸86により軸心C1まわりの図4の矢印aで示す回転方向に回転駆動され、ドリブンギヤ94は、ドライブギヤ88により偏心軸心C2まわりの上記回転方向aに回転駆動されるようになっている。図4の下方で所定の内周歯90に噛み合わされた外周歯84は、軸心C1まわりに1回転させられると、上記所定の内周歯90に対して前記回転方向の前方に隣接する内周歯90と噛み合わされるようになっている。
図4および図5において、外周歯84と内周歯90との噛合隙間によって周方向に形成された複数個の油圧室96は、ドライブギヤ88およびドリブンギヤ94の回転に伴って回転方向aへ移動させられる。この油圧室96の容積は、油圧室96が回転角度θ=0°の位置(図4の下方位置)から回転方向aに移動させられるに従って増加し、油圧室96が回転角度θ=180°の周方向位置(図4の上方位置)に位置させられたときに最大となる。次いで、油圧室96の容積は、油圧室96が回転角度θ=180°の周方向位置から回転方向aに移動させられるに従って減少し、油圧室96が回転角度θ=360°の周方向位置(図4の下方位置)に位置させられたときに最小となる。
ポンプハウジング82は、上記ドリブンギヤ94およびドライブギヤ88を収容し、ドリブンギヤ94の円筒状外周面92が嵌め入れられた円筒状内周面98を有するポンプ室100と、そのポンプ室100内に油を吸入するために、ポンプ室100のトルクコンバータ14側の側面102(図4参照)およびポンプ室100の前後進切換装置16側の側面104(図5参照)にそれぞれ開口させられた第1吸入油路106および第2吸入油路108と、上記ポンプ室100内から油を吐出するために図4に示すようにポンプ室100の側面102に周方向の所定の間隔を隔ててそれぞれ開口させられた第1高圧吐出油路110および第1低圧吐出油路112と、上記ポンプ室100内から油を吐出するために図5に示すようにポンプ室100の側面104に周方向の所定の間隔を隔ててそれぞれ開口させられた第2高圧吐出油路114および第2低圧吐出油路116とを、備えている。図4および図5にそれら油路の開口縁が実線又は破線で示されている。
上記第1吸入油路106および第2吸入油路108は、油圧室96が回転方向aに移動させられるに従ってその油圧室96の容積が増加する周方向範囲である吸入区間でポンプ室100に開口させられている。これにより、油圧室96がドライブギヤ88およびドリブンギヤ94の回転に伴って回転方向aへ移動させられて油圧室96の容積が増加させられる過程で、油圧室96が第1吸入油路106および第2吸入油路108に連通させられるようになっている。
前記第1高圧吐出油路110および第2高圧吐出油路114は、油圧室96が回転方向aに移動させられるに従ってその油圧室96の容積が減少する周方向範囲である吐出区間のうち、回転方向上流側の第1吐出区間でポンプ室100に開口させられている。これにより、油圧室96がドライブギヤ88およびドリブンギヤ94の回転に伴って回転方向aへ移動させられて油圧室96の容積が減少させられる過程の前半でその油圧室96が第1高圧吐出油路110および第2高圧吐出油路114に連通させられるようになっている。
前記第1低圧吐出油路112および第2低圧吐出油路116は、油圧室96が回転方向aに移動させられるに従ってその油圧室96の容積が減少する周方向範囲である吐出区間のうち、回転方向a下流側の第2吐出区間でポンプ室100に開口させられている。これにより、油圧室96がドライブギヤ88およびドリブンギヤ94の回転に伴って回転方向aへ移動させられて油圧室96の容積が減少させられる過程の後半でその油圧室96が第1低圧吐出油路112および第2低圧吐出油路116に連通させられるようになっている。
ここで、第1高圧吐出油路110および第1低圧吐出油路112は、高圧吐出側の容積効率の低下を防止するために、互いに連通しないように設けられている。このことは、第2高圧吐出油路114および第2低圧吐出油路116についても同様である。
図3に戻って、ポンプハウジング82は、円板状のポンプボデー134と、そのポンプボデー134の前後進切換装置16側の端面に比較的大径に且つ浅く形成された嵌合穴136内に嵌合された状態で複数のボルト138により固定されたポンプカバー140とが組み合わされて構成されている。円筒状内周面98は、嵌合穴136の底面に形成された有底円筒孔の内周面である。そして、ポンプ室100の側面102は、上記有底円筒孔の底面であり、側面104は、上記ポンプカバー140のポンプボデー134側の端面である。ポンプ室100は、上記有底円筒孔と上記ポンプカバー140のポンプボデー134側の端面とによって囲まれた空間により形成されている。そして、ポンプカバー140の内周面には、一端部がトルクコンバータ14のステータ翼車14sに連結された円筒状のステータシャフト142の他端部が、一体的に嵌め着けられている。そのステータシャフト142の内周側には、タービン軸34が貫通させられている。第1吸入油路106、第1高圧吐出油路110、および第1低圧吐出油路112は、図4および図5に示すように、ポンプボデー134に形成され、第2吸入油路108、第2高圧吐出油路114、および第2低圧吐出油路116は、ポンプカバー140に形成されている。
図6は、オイルポンプ装置28および油圧制御回路76の構成の要部であってライン圧制御回路を説明する図である。オイルポンプ装置28は、第1低圧吐出油路112および第2低圧吐出油路116が合流させられた第1出力ポート144と、第1高圧吐出油路110および第2高圧吐出油路114が合流させられた第2出力ポート146と、第1吸入油路106および第2吸入油路108が合流させられた吸入ポート148とを備えている。オイルポンプ装置28は、例えばトルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式無段変速機18、減速歯車装置20を収容するトランスアクスルケースのオイルパン150に還流させられた作動油をストレーナ152を通して吸入ポート148から吸入し、第1出力ポート144および第2出力ポート146からサブ油路154および第1ライン油路156を介してそれぞれ吐出する。これらサブ油路154と第1ライン油路156との間には、サブ油路154から第1ライン油路156への作動油の流通を許容するが、第1ライン油路156からサブ油路154への作動油の流通を阻止する一方向弁158が設けられ、第1ライン油路156内の作動油が不足する場合には、第1出力ポート144からの作動油が第1ライン油路156内に受け入れられて補充されるようになっている。第1ライン油路156は、第1調圧弁160により調圧された第1ライン油圧PL1を第1作動油必要部162へ供給する。この第1作動油必要部162は、たとえば、変速制御手段78により入力側油圧シリンダ50へ供給される作動油の流量を制御して実際の入力軸回転速度NINが上記目標入力軸回転速度NINTと一致するように入力側可変プーリ42および出力側可変プーリ46のV溝幅を変更する変速制御や、ベルト挟圧力制御手段80による伝動ベルト48が滑りを生じないように出力側油圧シリンダ52へ供給される作動油圧を制御する挟圧力制御を実行する変速制御回路である。
第1調圧弁160は、第1ライン油路156内の作動油の一部の逃がし量を変化させることでその第1ライン油路156内の第1ライン油圧PL1を調圧するリリーフ型の調圧弁である。第1調圧弁160は、第1ライン油路156内の作動油が供給される作動油入力ポート160a、その作動油を第2ライン油路163へ逃がすための作動油リリーフポート160b、サブ油路154に接続された第1開閉入力ポート160cおよび第2開閉入力ポート160d、潤滑油路166に接続された第1開閉出力ポート160eおよび第2開閉出力ポート160f、および、第1ライン油路156に接続されたフィードバックポート160gと、上記作動油入力ポート160aと作動油リリーフポート160bとの間、上記第1開閉入力ポート160cと第1開閉出力ポート160eとの間、および、上記第2開閉入力ポート160dと第2開閉出力ポート160fとの間を開閉するスプール弁子164と、そのスプール弁子164を開弁側位置すなわち高逃がし量側位置に向かって付勢するスプリング166を収容し且つ第1ライン圧PL1を制御する指示圧PSLTが作用されるスプリング室168と、フィードバックポート160gからの第1ライン圧PL1を受けて上記スプール弁子164の端面にその閉弁側位置すなわち低逃がし量側位置に向かって付勢力を作用させるフィードバック室170とを備え、次式の制御式(1)に従って作動させられるようになっている。上記指示圧PSLTは、無段変速機18の入力トルクに対応した値となるように、電子制御装置54により制御される図示しないリニヤソレノイド弁から出力される。
PL1= (S1/S2)PSLT+F/S2 ・・・(1)
但し、S1はスプール弁子164のスプリング室168側の受圧面積、S2はスプール弁子164のフィードバック室170側の受圧面積である。
この制御式(1)は、スプール弁子164の閉弁方向の推力(PSLT+F)と開弁方向の推力(PL1×S2)との平衡式から求められたものである。スプール弁子164は、その制御式(1)が成り立つ位置に移動させられるので、第1ライン油路156内のライン圧PL1が指示圧PSLTに対応する値よりも高い場合にはスプール弁子164が開弁側位置に向かって移動させられて第1ライン油路156内の作動油の作動油リリーフポート160bからの逃がし量が増量され、第1ライン油圧PL1が上記指示圧PSLTに対応する値に接近させられる。反対に、第1ライン油路156内のライン圧PL1が指示圧PSLTに対応する値よりも低い場合にはスプール弁子164が閉弁側位置に向かって移動させられて第1ライン油路156内の作動油の作動油リリーフポート160bからの逃がし量が減少させられ、第1ライン油圧PL1が上記指示圧PSLTに対応する値に接近させられる。スプール弁子164が、図6の第1調圧弁160の中心線より左側に示す予め定められた低逃がし量位置たとえば図6の上下ストロークの上限位置とされると作動油リリーフポート160bからの作動油の逃がし量が少なくされ、図6の第1調圧弁160の中心線(1点鎖線)より右側に示す予め定められた高逃がし量位置たとえば図6の上下ストロークの下限位置とされると作動油リリーフポート160bからの作動油の逃がし量が増量される。
スプール弁子164は、上記低逃がし量位置では、サブ油路154に接続された第1開閉入力ポート160cと潤滑油路166に接続された第1開閉出力ポート160eとの間を開放するが、上記高逃がし量位置では、第1開閉入力ポート160cと第1開閉出力ポート160eとの間を閉じるように形成されている。すなわち、スプール弁子164のスプリング室168側に位置する第1ランドL1に、上記低逃がし量位置において第1開閉入力ポート160cと第1開閉出力ポート160eとの間を開く第1溝G1が形成されている。第1開閉入力ポート160cおよび第1開閉出力ポート160eと、第1溝G1が形成された第1ランドL1が、第1開閉入力ポート160cと第1開閉出力ポート160eとの間を開閉するために第1調圧弁160に設けられた第1弁部V1に対応している。
また、スプール弁子164は、上記低逃がし量位置では、サブ油路154に接続された第2開閉入力ポート160dと潤滑油路166に接続された第2開閉出力ポート160fとの間を閉じるが、上記高逃がし量位置では、第2開閉入力ポート160dと第2開閉出力ポート160fとの間を閉じるように形成されている。すなわち、スプール弁子164の長手方向の中間部に位置する第2ランドL2に、上記低逃がし量位置において第2開閉入力ポート160dと第2開閉出力ポート160fとの間を開く第2溝G2が形成されている。第2開閉入力ポート160dおよび第2開閉出力ポート160fと、第2溝G2が形成された第2ランドL2が、第2開閉入力ポート160dと第2開閉出力ポート160fとの間を開閉するために第1調圧弁160に設けられた第2弁部V2に対応している。
第1調圧弁160は、第1ライン油路156内の作動油圧を第1ライン油圧PL1とするために調圧作動するものであるから、オイルポンプ装置28の第2出力ポート146から第1ライン油路156へ吐出される作動油量が第1ライン油路156内の作動油の消費量に比較して十分に多い場合は、スプール弁子164を図6の中心線より右側に示す予め定められた高逃がし量位置すなわち上下ストロークの下限位置として作動油入力ポート160aと作動油リリーフポート160bとの間を開いて逃がし量を多くし、第1ライン油圧PL1を維持しようとする。同時に、第1調圧弁160は、第2弁部V2に対応する第2開閉入力ポート160dと第2開閉出力ポート160fとの間を開いてオイルポンプ装置28の第1出力ポート144から吐出される作動油を、低圧油路である潤滑部172へ流出させる。この潤滑部172は、たとえば、前記トルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式無段変速機18、減速歯車装置20を収容するトランスアクスルケース内の複数の軸受またはギヤ噛合部の潤滑のために作動油を複数部位において供給する潤滑油路を含むものである。これにより、車両の定常高速走行時のような作動油の消費が少なくエンジン12が高回転となるような、オイルポンプ装置28から吐出される作動油量が過剰となる状態において、オイルポンプ装置28の第1出力ポート144から吐出される作動油が、大気圧に近い低い圧力の潤滑部172へ供給されるので、オイルポンプ装置28の駆動損失が低減されて車両の燃費が向上させられる。
無段変速機18の変速過程において第1作動油必要部162で作動油が多量に消費されることで、第1調圧弁160の作動に拘わらず第1ライン油圧PL1を維持しがたくなる場合は、オイルポンプ装置28の第1出力ポート144の圧力が第2出力ポート146の圧力よりも高くなるので、第1出力ポート144から吐出された作動油が一方向弁158を通して第1ライン油路156へ供給される。
たとえば車両が停止しているように、アクセルオフ状態のようなアクセルペダルの踏込み量が極めて小さく且つ第1ライン油路156内の作動油消費量が少ない場合は、第1調圧弁160のスプール弁子164は 図6の中心線の左側に示す予め定められた低逃がし量位置すなわち上下ストロークの上限位置として作動油入力ポート160aと作動油リリーフポート160bとの間を閉じて逃がし量を最小とし、第1ライン油圧PL1を維持しようとする。この状態では、第1ライン油路156内の作動油消費量が少ないので、オイルポンプ装置28の第2出力ポート146から第1ライン油路156へ吐出される作動油量で充足される。このため、本実施例の第1調圧弁160は、第1弁部V1に対応する第1開閉入力ポート160cと第2開閉出力ポート160eとの間を開いてオイルポンプ装置28の第1出力ポート144から吐出される作動油を、低圧油路である潤滑部172へ流出させる。このように、エンジン12の回転がたとえばアイドル回転程度に低下した車両の停止状態では、作動油の消費量が少なく、オイルポンプ装置28の第1出力ポート144から吐出される作動油が余剰となるが、その作動油が大気圧に近い低い圧力の潤滑部172へ供給されるので、オイルポンプ装置28の駆動損失が低減されて車両の燃費が向上させられる。
第1調圧弁160により第1ライン油路156からリリーフされた作動油が流入させられる第2ライン油路163内の作動油圧である第2ライン油圧PL2は、第2調圧弁174により調圧され、第2作動油必要部176へ供給される。この第2作動油必要部176は、たとえばロックアップクラッチ26のスリップ制御を実行する油圧制御回路やマニアルバルブの操作に応答して前進用クラッチC1或いは後進用ブレーキB1の係合制御を行うロックアップクラッチ用油圧制御回路或いは前進後進切換用油圧制御回路である。第2調圧弁174は、第1弁部V1および第2弁部V2を備えていない以外は、第1調圧弁160と同様に構成されており、第2ライン油路163内の作動油の一部を潤滑部172へ流出させることで、第2ライン油路163内の第2ライン油圧PL2を指示圧PSLTに応じて調圧する。
上述のように、本実施例によれば、スプール弁子164が図6の中心線左側に示すように第1ライン油路156内の作動油の逃がし量を抑制する側の予め定められた低逃がし量位置に位置させられたときに、第1出力ポート144と第1ライン油路156よりも低圧の潤滑部(低圧油路)172との間が、第1調圧弁160に設けられた第1弁部V1によって開かれることから、オイルポンプ装置28の低回転時において第1出力ポート144から吐出される作動油がその第1弁部V1を通してその潤滑部172へ導かれる。このため、オイルポンプ装置28が低回転であって第1ライン油路156内の作動油の消費量が少ない車両状態たとえば車両停止状態においてそのオイルポンプ装置28の駆動トルクが低減され、車両燃費の向上が得られる。
また、本実施例によれば、第1調圧弁160は、スプール弁子164が図6の中心線の右側に示すように第1ライン油路156内の作動油の逃がし量を増大する側の予め定められた高逃がし量位置に位置させられたときに、スプール弁子164により第1出力ポート144と第1ライン油路156よりも低圧の潤滑部(低圧油路)172との間を連通させる第2弁部V2を、備えるものである。これにより、オイルポンプ装置28の高回転時において第1出力ポート144から吐出される作動油がその第2弁部V2を通して潤滑部172へ導かれるので、オイルポンプ装置28が高回転であって第1ライン油路156内の作動油の消費量が少ない車両状態においてそのオイルポンプ装置28の駆動トルクが低減され、車両燃費の向上が得られる。
また、本実施例によれば、第1ライン油路156内から第1調圧弁160を通して逃がされる作動油を第2作動油必要部176へ送出する第2ライン油路163と、その第2ライン油路163内の作動油の一部の逃がし量を変化させることで第2ライン油路163内の作動油を調圧するリリーフ型の第2調圧弁174とが、さらに備えられる。このため、第1調圧弁160を通して逃がされる作動油が流入させられる第2ライン油路163内の作動油が第2調圧弁174によって調圧されて、その第2ライン油路163内の作動油が第2作動油必要部176に供給され、第2作動油必要部176において、第1ライン油圧PL1よりも低圧の油圧源として第2ライン油圧PL2が利用される利点がある。
また、本実施例によれば、第1出力ポート144からの作動油が第1調圧弁160を通して流出させられる低圧油路としては、トルクコンバータ14、前後進切換装置16、ベルト式無段変速機18、減速歯車装置20を収容するトランスアクスルケース内の複数の軸受または噛合部の潤滑のために作動油を供給する複数の潤滑油路から成る潤滑部172である。このため、オイルポンプ装置28が低回転であって第1ライン油路156内の作動油の消費量が少ない車両状態、または、オイルポンプ装置28が高回転であって第1ライン油路156内の作動油の消費量が少ない車両状態において、オイルポンプ装置28の第1出力ポートから吐出される作動油が第1調圧弁160の第1弁部V1または第2弁部V2を通して、第1ライン油路156よりも低圧である潤滑部172にへ導かれるので、そのオイルポンプ装置28の駆動トルクが低減され、車両燃費の向上が得られる。
また、本実施例の車両用変速機は、エンジンの回転を伝達するロックアップクラッチ26付のトルクコンバータ(流体伝動装置)14と、そのトルクコンバータ14から入力された回転を入力側油圧シリンダ50および出力側油圧シリンダ52を用いて無段階に変速する無段変速機18とを備えるものであり、第1作動油必要部162は、その無段変速機18の油圧アクチュエータの作動を制御する変速制御回路であり、第2作動油必要部176は、ロックアップクラッチ26の作動を制御するロックアップクラッチ制御回路である。このため、無段変速機18の変速過渡期間では油圧アクチュエータによって比較的大容量の作動油が消費されるが、無段変速機18の変速比が一定の車両停止状態および車両の定常走行状態では油圧アクチュエータによって作動油がそれほど消費されないので、このような車両停止状態および車両の定常走行状態において、第1出力ポート144の作動油が第1ライン油路156よりも低圧である潤滑部172へ導かれるので、そのオイルポンプ装置28の駆動トルクが低減され、車両燃費の向上が得られる。
次に、本発明の他の実施例を図7を用いて説明する。なお、以下の実施例において、前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
図7に示す実施例では、前述の図6に示す実施例に比較して、サブ油路154と第1調圧弁160の第1開閉入力ポート160cとの間に、油温信号圧POTまたはセカンダリシーブ圧PSECを受けて、それら油温信号圧POTまたはセカンダリシーブ圧PSECが所定値よりも上昇すると閉じられる開閉弁180が直列に設けられている。油温信号圧POTは作動油温度が予め設定された油温判定値を越えた場合に図示しないソレノイド弁から発生させられる。セカンダリシーブ圧PSECは、無段変速機18の伝動ベルト48への挟圧力或いは伝動ベルト48の張力を決定するための出力側油圧シリンダ52内の油圧である。
開閉弁180は、サブ油路154を介して第1出力ポート144に接続された入力ポート182、および第1調圧弁160の第1開閉入力ポート160cに接続された出力ポート184と、それらを開閉可能に移動させられるスプール弁子186と、スプール弁子186を開弁方向に付勢するスプリング188と、油温信号圧POTを受け入れてスプール弁子186を閉弁方向に付勢する推力を発生させる油室190と、セカンダリシーブ圧PSECを受け入れてスプール弁子186を閉弁方向に付勢する推力を発生させる油室192とを備えている。
本実施例によれば、作動油の高温時或いは伝動ベルト48の張力が高い高トルク伝動状態において、油温信号圧POTまたはセカンダリシーブ圧PSECが開閉弁180の油室190または油室192に作用されてその開閉弁180が閉じられると、オイルポンプ装置28の第1出力ポート144から吐出された作動油は、第1調圧弁160の第1弁部V1が開かれているにも拘わらず、潤滑部172へ流出させられず、オイルポンプ装置28の第1出力ポート144から吐出された作動油が一方向弁158を通して第1ライン油路156へ供給される。このため、たとえば車両停止時のようなオイルポンプ装置28の低回転且つ第1ライン油路156の作動油の消費量が少ない状態において、作動油高温に起因する作動油の漏れ量の増大や、セカンダリシーブ圧PSECの高圧に起因する作動油の漏れ量増大が発生したとしても、第1ライン圧PL1が維持される。
以上、本発明の一実施例を図面を参照して詳細に説明したが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、別の態様でも実施され得る。
たとえば、前述の実施例において、オイルポンプ装置28は、一対の第1低圧吐出油路112および第2低圧吐出油路116と一対の第1高圧吐出油路110および第2高圧吐出油路114とを備えていたが、それら第1低圧吐出油路112および第2低圧吐出油路116と一対の第1高圧吐出油路110および第2高圧吐出油路114とは、それぞれ一方が設けられればよい。
また、前述の実施例の車両では、ベルト式無段変速機18を備えていたが、それに替えて、有段式自動変速機を備えたものであってもよい。また、前述の実施例の車両は、トランスアクスルケースを有するFF車両であったが、FR車両であってもよい。

また、前述の実施例のオイルポンプ装置28は、1つの内接歯車式ギヤポンプが一対の第1出力ポート144および第2出力ポート146を備えたものであったが、それぞれ1個の出力ポートを有してエンジンにより駆動される一対のギヤポンプから構成されてもよい。また、オイルポンプ装置28は、駆動源として用いられる電動機により回転駆動されるものであってもよい。
また、前述の実施例において、第2ライン油路163内の作動油を調圧する第2調圧弁174が設けられていたが、必ずしも設けられていなくてもよい。
また、前述の実施例において、車両停止時には、第1出力ポート144から吐出される作動油は第1弁部V1を通して潤滑部172へ導かれていたが、第2ライン油路163へ導かれていてもよい。第1ライン油路156よりも低圧の低圧油路であればよい。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、その他一々例示はしないが、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づいて種々変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両用動力伝達装置
12:エンジン
14:トルクコンバータ(流体伝動装置)
18:無段変速機(変速機)
26:ロックアップクラッチ
28:オイルポンプ装置(オイルポンプ)
50:入力側油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
52:出力側油圧シリンダ(油圧アクチュエータ)
144:第1出力ポート
146:第2出力ポート
156:第1ライン油路
160:第1調圧弁
162:第1作動油必要部
163:第2ライン油路
164:スプール弁子
172:潤滑部(低圧油路)
174:第2調圧弁
176:第2作動油必要部
V1:第1弁部
V2:第2弁部

Claims (7)

  1. 一対の第1出力ポートおよび第2出力ポートを有するオイルポンプ装置と、該オイルポンプ装置の第2出力ポートにから吐出される作動油を第1作動油必要部へ送出するとともに該作動油の不足状態となると該第1出力ポートから吐出される作動油を受け入れる第1ライン油路と、該第1ライン油路内の作動油の一部を逃がすために移動させられるスプール弁子を有し、該第1ライン油路内の作動油の一部の逃がし量を変化させることで該第1ライン油路内の作動油を調圧するリリーフ型の第1調圧弁とを備える車両用変速機の油圧制御装置であって、
    前記第1調圧弁に設けられ、前記スプール弁子が前記第1ライン油路内の作動油の逃がし量を抑制する側に位置させられたときに、該スプール弁子により前記第1出力ポートと前記第1ライン油路よりも低圧の低圧油路との間を連通させる第1弁部を、含むことを特徴とする車両用変速機の油圧制御装置。
  2. 前記第1調圧弁は、前記スプール弁子が前記第1ライン油路内の作動油の逃がし量を増大する側に位置させられたときに、該スプール弁子により前記第1出力ポートと前記第1ライン油路よりも低圧の低圧油路との間を連通させる第2弁部を、備えるものであることを特徴とする請求項1の車両用変速機の油圧制御装置。
  3. 前記第1ライン油路内から前記第1調圧弁を通して逃がされる作動油を第2作動油必要部へ送出する第2ライン油路と、
    該第2ライン油路内の作動油の一部の逃がし量を変化させることで該第2ライン油路内の作動油を調圧するリリーフ型の第2調圧弁とを、
    さらに備えることを特徴とする請求項1または2の車両用変速機の油圧制御装置。
  4. 前記低圧油路は、前記車両用変速機内の軸受または噛合部の潤滑のために前記作動油を供給する潤滑部、または前記第2ライン油路であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1の車両用変速機の油圧制御装置。
  5. 前記車両用変速機は、エンジンの回転を伝達するロックアップクラッチ付の流体伝動装置と、該流体伝動装置から入力された回転を油圧アクチュエータを用いて無段階に変速する無段変速機とを備えるものであり、
    前記第1作動油必要部は、該無段変速機の油圧アクチュエータの作動を制御する変速制御回路であり、
    前記第2作動油必要部は、前記ロックアップクラッチの作動を制御するロックアップクラッチ制御回路であることを特徴とする請求項3の車両用変速機の油圧制御装置。
  6. 前記第1出力ポートと前記第1弁部との間に直列に設けられ、前記作動油の温度が予め設定された判定値よりも高いときに閉じられる開閉弁を、さらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1の車両用変速機の油圧制御装置。
  7. 前記第1出力ポートと前記第1弁部との間に直列に設けられ、前記無段変速機の出力側油圧アクチュエータの油圧が予め設定された判定値よりも高いときに閉じられる開閉弁を、さらに備えることを特徴とする請求項5の車両用変速機の油圧制御装置。
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