JP2012246541A - 三次元形状造形物の製造方法および製造装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(i)原料粉末から成る粉末層の所定箇所に光ビームを照射してその所定箇所の原料粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および、(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程を繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、光ビームの照射位置データに基づいて、新たな粉末層のうちの必要な造形領域を特定し、その特定された造形領域に原料粉末を局所的に供給することを特徴とする三次元形状造形物の製造方法。
【選択図】図9
Description
・原料粉末の供給が造形領域と関係の無い領域にまで行われる。従って、“関係の無い領域”に供される余分な原料粉末を材料タンクに仕込んでおく必要がある。
・造形物の大きさに拘わらず、一定の量の原料粉末を造形テーブルに供給するので、使用量の調節が難しい。
・造形部の形状は、下段側の層から上段側の層へと移行するにつれて変化し得るが、層毎に造形領域の形状やサイズが変化しても一定量の原料粉末が造形テーブルに供給される。
・造形完了後においては、造形に寄与しなかった原料粉末を回収する必要があり手間がかかってしまう(例えば図26(a)に示すように、余剰粉末は回収タンクへと落ちることになるが、常に一定量の原料粉末を供給する場合では回収される余剰粉末量が多くなってしまう)。
(i)原料粉末から成る粉末層の所定箇所に光ビームを照射してその所定箇所の原料粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
を繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
光ビームの照射位置データに基づいて、新たな粉末層のうちの必要な造形領域を特定し、その特定された造形領域に原料粉末を局所的に供給することを特徴とする、三次元形状造形物の製造方法が提供される。
光ビームの照射位置データに基づいて各粉末層の造形領域を特定する原料供給領域演算部を有して成り、
粉末層形成手段が特定された造形領域へと原料粉末を局所的に供給する構成を有していることを特徴としている。
原料粉末を上下に昇降させる粉末テーブルを備えた原料粉末タンク、および
造形テーブル上に配された造形プレート上において粉末層を形成するための均しブレード
を有して成り、
均しブレードが、原料粉末タンクから「粉末層および/または固化層が形成されることになる造形テーブル」に向かってスライド移動することができ、かつ、スライド移動する方向に垂直な方向のブレード幅寸法が可変自在となっている。
原料粉末を一時的に貯留するための貯留タンク部
貯留タンク部からの原料粉末の排出を可能とする原料排出部、および
原料排出部の開口を開閉自在とする蓋
を有して成り、
原料供給デバイス自体が造形テーブル上にて自在に移動できるようになっている。
・造形領域と関係の無い領域への原料粉末供給を抑制できるので、過剰な原料粉末を材料タンクに予め仕込んでおく必要がなくなる。
・造形物の断面サイズに応じて原料粉末を供給するので、粉末使用量の調節が可能となる。例えば、下段側から上段側へと層移行するに際して層毎に造形領域の形状やサイズが大きく変化する場合であっても、その変化に応じた量の原料粉末を供給することができる。
・造形完了後に回収される余剰粉末量を減じることができる。
まず、本発明の製造方法の前提となる粉末焼結積層法について説明する。説明の便宜上、材料粉末タンクから原料粉末を供給し、均し板を用いて原料粉末を均して粉末層を形成する態様を前提として粉末焼結積層法を説明する。また、粉末焼結積層法に際しては造形物の切削加工をも併せて行う複合加工の態様を例に挙げて説明する(つまり、図2(b)ではなく図2(a)に表す態様を前提として説明する。しかしながら、本発明は、切削機構を具備しない図2(b)に示す態様であっても実現可能であることを付言しておく。)図1,3および4には、粉末焼結積層法と切削加工とを実施できる光造形複合加工機の機能および構成が示されている。光造形複合加工機1は、「金属粉末を所定の厚みで敷くことによって粉末層を形成する粉末層形成手段2」と「外周が壁27で囲まれた造形タンク29内において上下に昇降する造形テーブル20」と「造形テーブル20上に配され造形物の土台となる造形プレート21」と「光ビームLを任意の位置に照射する固化層形成手段3」と「造形物の周囲を削る切削手段4」とを主として備えている。粉末層形成手段2は、図1に示すように、「外周が壁26で囲まれた原料粉末タンク28内において上下に昇降する粉末テーブル25」と「造形プレート上に粉末層22を形成するための均し板23」とを主として有して成る。固化層形成手段3は、図3および図4に示すように、「光ビームLを発する光ビーム発振器30」と「光ビームLを粉末層22の上にスキャニング(走査)するガルバノミラー31(スキャン光学系)」とを主として有して成る。必要に応じて、固化層形成手段3には、光ビームスポットの形状を補正するビーム形状補正手段(例えば一対のシリンドリカルレンズと、かかるレンズを光ビームの軸線回りに回転させる回転駆動機構とを有して成る手段)やfθレンズなどが具備されている。切削手段4は、「造形物の周囲を削るミーリングヘッド40」と「ミーリングヘッド40を切削箇所へと移動させるXY駆動機構41(41a,41b)」とを主として有して成る(図3および図4参照)。
本発明の製造方法は、上述した粉末焼結積層法のなかでも、特に粉末層の形成態様に特徴を有している。具体的には、光ビームの照射位置データに基づいて、新たな粉末層のうちの造形領域を特定し、その特定された造形領域にのみ原料粉末を局所的に供給する。
本発明の製造装置は、上記の製造方法を実施するための装置である。従って、かかる装置は、光ビームの照射位置データに基づいて粉末層における造形領域を特定する原料供給領域演算部を有して成り、粉末層形成手段が、その特定された造形領域に原料粉末を局所的に供給するための構成を有している。
「幅寸法が可変自在な原料供給ブレード」の態様を例示すると、“原料粉末を均して粉末層を形成する均し板”がその寸法を適宜変えることができるように構成されていることが好ましい。特に、均し板がスライド移動する方向に対して垂直な方向の幅寸法が可変自在となっていることが好ましい。かかる場合、粉末層形成手段は、図11に示すように、「原料粉末を上下に昇降させる粉末テーブルを備えた原料粉末タンク28」および「造形テーブル20上に配された造形プレート上において粉末層22を形成するための均しブレード機構23’であって、粉末層および/または固化層が形成されることになる造形テーブル20側へとスライド移動することができ、かつ、スライド移動する方向に垂直な方向のブレード幅寸法が可変自在となっている均しブレード機構23’」を有しているといえる。
「可動自在に設けられた原料供給ユニット」の態様を例示する。可動自在な原料供給ユニットは、原料粉末の一時的な貯留機能を有する原料供給デバイスから構成されていることが好ましい。つまり、一時的に貯留された原料粉末の供給を可能とする可動自在な原料供給デバイスを用いて“特定された造形領域”へと原料粉末を供給する態様が好ましい。かかる態様では、原料供給ユニット、特に可動自在な原料供給デバイスの貯留タンクが実際に必要な領域へと移動することで、より細かい領域に対して原料粉末を供給することができる。つまり、図18(a)および図18(b)に示すように、可動自在な原料供給デバイス60が「原料粉末の一時的貯留を可能とする原料タンク」を有して成ることが好ましい。原料粉末は、その一時的な貯留を可能とする原料供給デバイスのタンク61に蓄えられるところ、そのタンク61自体が「造形テーブルの上方領域を自在に移動可能な駆動テーブル」に対して取り付けられていることが好ましい。そして、タンク61には造形領域に対して粉末を排出するための排出口が設けられており、その排出口には外部からの信号によって開閉自在に作動する弁が設けられていることが好ましい。このような態様では、上記駆動テーブルと開閉弁によって、所望の造形領域に対して局所的に原料粉末を供給することができる。
2 粉末層形成手段
3 光ビーム照射手段
4 切削手段
8 ヒューム
19 粉末/粉末層(例えば金属粉末/金属粉末層)
20 造形物支持部材(造形物テーブル)
21 造形プレート
22 粉末層(例えば金属粉末層または樹脂粉末層)
23 スキージング用ブレード
23’ 均しブレード機構
23a,23b,23c サブ・ブレード
23L 基本ブレード
23M,23M’ 拡張ブレード
23N,23N’ 拡張ブレード
24 固化層(例えば焼結層)
25 粉末テーブル
26 粉末材料タンクの壁部分
27 造形タンクの壁部分
28 原料粉末タンク
29 造形タンク
30 光ビーム発振器
31 ガルバノミラー
40 ミーリングヘッド
41 XY駆動機構
50 チャンバー
52 光透過窓またはレンズ
53 材料メインタンク
54 ホース
60 可動自在な原料供給デバイス
61 材料一時タンク部
62 貯留タンク部
62a 蓋
62b 封止膜
64 原料排出部
64a ノズル部
65 開口部
67 スキージ
69 振動子
L 光ビーム
100 三次元形状造形物
200 成形品又は樹脂原料
Claims (12)
- (i)原料粉末から成る粉末層の所定箇所に光ビームを照射して前記所定箇所の原料粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する工程、および
(ii)得られた固化層の上に新たな粉末層を形成し、前記新たな粉末層の所定箇所に光ビームを照射して更なる固化層を形成する工程
を繰り返して行う三次元形状造形物の製造方法であって、
前記光ビームの照射位置データに基づいて、前記新たな粉末層のうちの造形領域を特定し、該特定された造形領域に原料粉末を局所的に供給することを特徴とする、三次元形状造形物の製造方法。 - 前記特定された造形領域が複数独立して存在しており、前記独立した造形領域間の離隔距離が所定の閾値よりも大きい場合、各造形領域を別個の領域と見なして個別に原料粉末を供給する一方、前記独立した造形領域間の離隔距離が所定の閾値よりも小さい場合、各造形領域を全体として1つの領域と見なして原料粉末を供給することを特徴とする、請求項1に記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 幅寸法が可変自在な原料供給ブレードまたは可動自在に設けられた原料供給ユニットを用いて、前記特定された造形領域に前記原料粉末を局所的に供給することを特徴とする、請求項1または2に記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 前記特定された造形領域のサイズに合うように、前記原料供給ブレードの幅寸法を変えることを特徴とする、請求項3に記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 前記原料供給ユニットを前記特定された造形領域の上方に移動させてから該原料供給ユニットから前記特定された造形領域へと前記原料粉末を供給することを特徴とする、請求項3に記載の三次元形状造形物の製造方法。
- 原料粉末から成る粉末層を造形テーブル上に形成する粉末層形成手段と、前記粉末層の所定箇所に光ビームを照射して前記所定箇所の原料粉末を焼結又は溶融固化させて固化層を形成する固化層形成手段とを有して成り、前記粉末層形成手段による粉末層の形成と、前記固化層形成手段による固化層の形成とを繰り返すことにより複数の固化層が積層一体化された三次元形状造形物を製造するための装置であって、
前記光ビームの照射位置データに基づいて各粉末層における造形領域を特定する原料供給領域演算部を有して成り、
前記粉末層形成手段が、前記特定された造形領域へと前記原料粉末を局所的に供給する構成を有していることを特徴とする、三次元形状造形物の製造装置。 - 前記粉末層形成手段が、幅寸法が可変自在な原料供給ブレードまたは可動自在に設けられた原料供給ユニットを有して成ることを特徴とする、請求項6に記載の三次元形状造形物の製造装置。
- 前記粉末層形成手段が、
前記原料粉末を上下に昇降させる粉末テーブルを備えた原料粉末タンク、および
前記造形テーブル上に配された造形プレート上に前記粉末層を形成するための均しブレード
を有して成り、
前記均しブレードは、前記粉末層および/または前記固化層が形成されることになる造形テーブルに向かってスライド移動することができ、該スライド移動する方向に垂直な方向のブレード幅寸法が可変自在となっていることを特徴とする、請求項6または7に記載の三次元形状造形物の製造装置。 - 前記粉末層形成手段が、前記原料粉末を一時的に貯留して供給するための原料供給デバイスを有して成り、該原料供給デバイスが、
前記原料粉末を前記一時的に貯留するための貯留タンク部
前記貯留タンク部に前記貯留された前記原料粉末を排出するための原料排出部、および
前記原料排出部の開口を開閉自在とする蓋
を有して成り、
前記原料供給デバイスが、前記造形テーブル上にて移動できるように可動自在となっていることを特徴とする、請求項6または7に記載の三次元形状造形物の製造装置。 - 前記原料排出部は、前記原料粉末の排出方向を変えることができるように回転自在に構成されていることを特徴とする、請求項9に記載の三次元形状造形物の製造装置。
- 前記貯留タンク部は前記原料排出部と分離自在に設けられていることを特徴とする、請求項9または10に記載の三次元形状造形物の製造装置。
- 前記原料供給デバイスが、前記貯留タンク部から供給された前記原料粉末を均すためのスキージを更に有して成ることを特徴とする、請求項9〜11のいずれかに記載の三次元形状造形物の製造装置。
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