以下、実施例に係る弾球遊技機に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施例のパチンコ機1を示す正面図である。図示のパチンコ機1は、島構造体に着脱可能に装着される矩形枠状の木製外枠2と、外枠2に固着されたヒンジ3を介して開閉可能に枢着される前枠4とで構成されている。この前枠4には、遊技盤5が裏側から着脱自在に装着され、その前側には、ガラス扉6と前面板7とが夫々開閉自在に枢着されている。
前面板7には発射用の遊技球を貯留する上皿8が装着され、前枠4の下部には、上皿8から溢れ出し又は抜き取った遊技球を貯留する下皿9と、発射ハンドル10とが設けられている。発射ハンドル10は発射モータM2と連動しており、発射ハンドル10の回動角度に応じて動作する打撃槌によって遊技球が発射される。
上皿8のほぼ中央には、ランプを内蔵する楕円形のチャンスボタン11が設けられている。なお、このチャンスボタン11は、遊技者の左手で操作できる位置に設けられており、遊技者は、発射ハンドル10から右手を離すことなくチャンスボタン11を操作できる。このチャンスボタン11は、通常時には機能していないが、ゲーム状態がボタンチャンス状態となると内蔵ランプが点灯されて操作可能となる。なお、ボタンチャンス状態は、必要に応じて設けられるゲーム状態である。
上皿8の右部には、カード式球貸し機に対する球貸し操作用の操作パネル12が設けられ、カード残額を3桁の数字で表示する度数表示部12aと、所定金額分の遊技球の球貸しを指示する球貸しスイッチ12bと、ゲーム終了時にカードの返却を指令する返却スイッチ12cとが設けられている。
図2に示すように、遊技盤5には、金属製の外レールと内レールとからなるガイドレール13が環状に設けられ、その内側の遊技領域5aの略中央には、液晶カラーディスプレイDISPが配置されている。また、遊技領域5aの適所には、左右2つの図柄始動口15A,15Bと、単一の大入賞口16と、左右4つの普通入賞口17と、左右2つの通過口であるゲート18とが配設されている。これらの入賞口及びゲート15〜18は、それぞれ内部に検出スイッチを有しており、遊技球の通過を検出できるようになっている。
液晶ディスプレイDISPの下部には、7セグメントLEDやドットマトリクスなどで構成される特別図柄表示部14A,14Bが設けられている。特別図柄表示部14A,14Bは、左右の図柄始動口15A,15Bに対応して2つ設けられており、各図柄始動口15A,15Bに遊技球が入賞することを条件に実行される大当り抽選の抽選結果を明示するための表示部である。各特別図柄表示部14A,14Bは、対応する図柄始動口15A,15Bに遊技球が入賞すると、表示内容の変動動作を開始し、その後、大当り状態か否かの抽選結果を表示して停止するようになっている。図示のように、特別図柄表示部14A,14Bが7セグメントLEDで構成されている場合、大当り状態であれば特別図柄(例えば「1」〜「9」)の何れかを表示し、ハズレ状態あれば「−」を表示する。
特別図柄表示部14A,14Bの下部には、それぞれ4個のLEDランプで構成された2つの抽選保留数表示部19A,19Bが、図柄始動口15A,15Bに対応して設けられている。抽選保留数表示部19A,19Bは、特別図柄表示部14A,14Bの変動動作中に、同じ図柄始動口15A,15Bに更に遊技球が入賞したことを示しており、4個を限度に遊技球の入賞が記憶され、その後の大当り抽選処理が保留状態となる。
本実施例の場合、液晶ディスプレイDISPは、従来装置のように、特別図柄表示部として機能するのではなく、演出図柄を変動表示する演出図柄表示部20として機能している。そして、特別図柄表示部14A又は特別図柄表示部14Bと同期した演出動作を実行している。具体的には、大当り状態に係わる演出図柄(簡易的には、特別図柄と同じ「1」〜「9」)を変動表示すると共に、背景画像や各種のキャラクタなどをアニメーション的に表示している。
例えば、図柄始動口15Aに遊技球が入賞すると、特別図柄表示部14Aの変動動作が開始されるのに合わせて、演出図柄表示部20でも変動動作が開始される。そして、特別図柄表示部14Aの変動動作が終了して、大当り抽選の当否結果(例えば、「1」〜「9」又は「−」)が表示されるタイミングでは、演出図柄表示部20でも、大当り抽選の当否結果に応じた表示をして変動動作を終了させる。
このような液晶ディスプレイDISPの最下部には、演出保留数表示部RESが設けられており、演出図柄の変動表示の動作開始が保留されている個数が明示されている。ここで、図柄始動口15A、15Bに対応する大当り抽選の抽選保留数が最大各4個であるのに対して、演出図柄の演出保留数は、これより1個多い最大9個となる。以下、この関係を説明する。
例えば、図柄始動口15Aへの遊技球入賞に係わる変動動作が終了する以前に、別の図柄始動口15Bに遊技球が入賞すると、動作中の特別図柄表示部14Aの変動動作に加えて、右側の特別図柄表示部14Bの変動動作が開始される。しかし、演出図柄表示部20での演出図柄の変動動作は、そのまま継続され、図柄始動口15Bへの遊技球入賞に係わる変動動作は、その開始動作が保留状態となる。そのため、図柄始動口15Bへの遊技球入賞に関する大当り抽選の抽選保留数がゼロであるに対して、演出図柄表示部20での変動動作の演出保留数は1個となり、演出保留数表示部RESには、1個の保留数が明示される。このような関係から、演出図柄の演出保留数の最大値は、抽選保留数の総和の最大値より1個多い9個となる。
なお、図柄始動口15Aへの遊技球入賞に係わる変動動作が終了する以前に、同じ図柄始動口15Aに遊技球が更に入賞した場合には、特別図柄表示部14Aで特別図柄が変動動作中であることから、大当り抽選処理が保留される。また、演出図柄表示部20でも演出図柄が変動動作中であることから、変動動作の開始も保留される。したがって、このような場合には、図柄始動口15Aへの遊技球入賞に関する大当り抽選の抽選保留数も、演出図柄表示部20での変動動作の演出保留数も共に1個となる。
さて、このような演出図柄表示部20及び演出保留数表示部RESとして機能する液晶ディスプレイDISPの右上部には、普通図柄表示部21が設けられている。普通図柄表示部21は普通図柄を表示するものであり、ゲート18を通過した遊技球が検出されると、表示される普通図柄が所定時間だけ変動し、遊技球のゲート18の通過時点において抽出された抽選用乱数値により決定される停止図柄を表示して停止するようになっている。なお、普通図柄の変動動作中に、遊技球がゲート18を通過した場合には、4個を上限として変動動作の開始が保留される。
ところで、演出図柄表示部20がハズレの停止状態となって静止した後、図柄始動口15Aに改めて遊技球が入賞したと仮定すると、先に説明した通り、特別図柄表示部14Aと、演出図柄表示部20の表示図柄が所定時間だけ変動し、図柄始動口15Aへの遊技球の入賞タイミングに応じた抽選結果に基づいて決定される停止図柄で停止する。そして、特別図柄表示部14Aと演出図柄表示部20の停止図柄が「7」及び「7・7・7」などの特別図柄のとき、「大当り」と称される特別遊技が開始される。
大入賞口16は、前方に開放可能な開閉板16aで開閉されるが、特別遊技が開始されると、相当数の遊技球が突入するほどの長い時間、開閉板16aが開放されるようになっている。また、大入賞口16の内部には、入賞した遊技球を検出する所定個数、例えば1個の入賞検出器が設けられている。
左右2つの図柄始動口15A,15Bのうち、特に、図柄始動口15Aは、一対の開閉爪を備えた電動式チューリップで開閉され、普通図柄表示部21の変動後の停止図柄が当り図柄を表示した場合には、開閉爪が所定時間だけ開放されるようになっている。
大入賞口16の開閉板16aが開放された後、所定時間が経過し、又は所定数(例えば10個)の遊技球が入賞すると開閉板16aが閉じる。このとき、最大で例えば16回まで特別遊技が継続され、遊技者に有利な状態に制御される。
なお、特別図柄表示部14の変動後の停止図柄が特別図柄のうちの特定図柄であった場合には、特別遊技の終了後のゲームが高確率状態となるという特典が付与される。この特定図柄による大当りを「確変大当り」と言うこともあるが、この実施例では、例えば「1」〜「9」の特別図柄のうち、奇数値(1,3,5,7,9)を特に特定図柄として、確変大当り用に使用している。
図3は、実施例に係るパチンコ機1の全体構成を示すブロック図である。図示の通り、このパチンコ機1は、遊技動作を中心的に制御する主制御基板30と、主制御基板30からの制御コマンド(PTiなど)を、コマンド中継基板31を経由して受信して演出動作を実行する演出制御基板32と、払出モータM1を制御して遊技球を払出す払出制御基板33と、発射モータM2によって遊技球を発射させる発射制御基板34とを中心に構成されている。
図示の通り、主制御基板30には、普通図柄表示部21と2つの特別図柄表示部14A,14Bとが接続されており、主制御基板30による直接的な制御によって図柄変動動作を実現している。また、主制御基板30には、各4つのLEDからなる抽選保留数表示部19A,19Bが接続されて、これらが主制御基板30によって直接的に制御されている。先に説明した通り、抽選保留数表示部19A,19Bでは、特別図柄表示部14A,14Bにおける変動動作の開始待ちの個数(本質的には、大当り抽選処理が保留されている個数)が明示される。
更にまた、主制御基板30には、各入賞口及びゲート15〜18の検出スイッチからのスイッチ信号が入力されると共に、ソレノイドSLNを制御して大入賞口16aを開閉している。
演出制御基板32は、LEDランプ群、液晶ディスプレイDISP、及びスピーカSPに接続されて各部の演出動作を制御している。すなわち、液晶ディスプレイDISPの演出図柄表示部20で図柄演出動作が実行されると、これに合わせて、LEDランプ群によるランプ演出動作や、スピーカSPによる音声演出動作を実現している。なお、演出制御基板32には、チャンスボタン11が接続されている。
主制御基板30、演出制御基板32、及び払出制御基板33は、それぞれワンチップマイコンを備えるコンピュータ回路が搭載されており、演出制御基板32及び払出制御基板33は、主制御基板30からの制御コマンドを受けて個別的な制御動作を実現している。そこで、主制御基板30や演出制御基板32に搭載された回路、及びその回路によって実現される動作を機能的に総称して、以下、主制御部30、演出制御部32、及び払出制御部33と称することがある。また、払出制御部33や演出制御部32を指してサブ制御部ということがある。
図4は、主制御部30の回路構成を示すブロック図である。図示の通り、主制御部30は、ワンチップマイコンからなるCPU回路30aと、CPU動作クロックCLKの整数倍の周波数であるクロック信号Φ0を発生するシステムクロック発生部30bと、CPUからのアドレス信号に基づき各部のチップセレクト信号を生成するデコード回路30cと、CPUからのデータを出力するための出力ポート回路30dと、外部データをCPUが取り込むための入力ポート回路30eと、各サブ制御部31,32,33に制御コマンドを出力する出力駆動回路30fと、遊技盤各部のスイッチ類のON/OFF状態を入力するスイッチ入力回路30gと、を中心に構成されている。なお、CPU回路30aには、Z80CPU(Zilog社)相当品のCPUコアが内蔵されている。
図3の構成からなる主制御部30は、図5に示すタイマ割込み処理を所定時間(2mS)毎に実行することによって、パチンコ機1の動作全体を総括的に制御している。以下、図5に基づいて説明すると、タイマ割込みが生じると、各レジスタの内容がスタック領域に退避された後(ST10)、乱数作成処理が行なわれる(ST11)。乱数作成処理には、普通図柄処理ST19や特別図柄処理ST23における抽選処理で使用される当り用カウンタRGや大当り用カウンタCTの更新処理を含んでいる。
当り用カウンタRGや大当り用カウンタCTは、ステップST11において、それぞれ所定数値範囲内でインクリメント(+1)処理によって更新され、更新後のカウンタの値は、それぞれ、当り判定用乱数値や大当り判定用乱数値として当否抽選処理で活用される。具体的には、当り用カウンタRGの値は、遊技球がゲート18を通過した場合に、普通図柄処理(ST19)における当り抽選処理で使用され、大当り用カウンタCTの値は、遊技球が図柄始動口15A又は15Bを通過した場合に、特別図柄処理(ST23)における大当り抽選処理に使用される。なお、乱数作成処理(ST11)においては、普通図柄表示部21や特別図柄表示部14における停止図柄を決定するための、当り図柄用乱数作成処理や、大当り図柄用乱数作成処理も含んでいる。
以上のような乱数作成処理(ST11)が終わると、各遊技動作の時間を管理しているタイマについてタイマ減算処理が行なわれる(ST12)。減算されるタイマは、大入賞口16の開放時間や、その他の遊技演出時間を管理するものである。したがって、ステップST12の処理には、特別図柄表示部14A,14Bにおける図柄変動動作を管理する図柄変動タイマTMの減算処理を含んでいる(図7(a)参照)。
この実施例では、図7(a)に示すように、図柄変動タイマTMは、特別図柄表示部14Aの図柄変動を管理する特図A変動タイマTAと、特別図柄表示部14Bの図柄変動を管理する特図B変動タイマTBとに区分されている。そして、特図A変動タイマTAは、図柄始動口14Bへの入賞に起因する大当り中(特図Bの大当り中)でないことを条件に(ST81)、割込み処理毎に、デクリメント処理される(ST82)。同様に、特図B変動タイマTBは、図柄始動口14Aへの入賞に起因する大当り中(特図Aの大当り中)でないことを条件に(ST84)、割込み処理毎に、デクリメント処理される(ST85)。なお、特図A変動タイマTA≠0の状態では、特図Aの大当り中であることはなく、特図B変動タイマTB≠0の状態では、特図Bの大当り中であることはない。
以上のようなタイマ減算処理(図5のST12)が終わると、図柄始動口15やゲート18の検出スイッチを含む各種スイッチ類のスイッチ信号が入力されて記憶される(ST13)。図6は、スイッチ入力管理処理の一部である、図柄始動口チェック処理を図示したものである。
図6に示すように、先ず、図柄始動口15Aがチェックされ(ST30)、図柄始動口15Aの検出スイッチがON状態であれば、ワークエリアのHORYU(a)の値から、この段階における抽選保留数が判定される(ST31)。
そして、抽選保留数が4未満であれば、抽選保留数を示すHORYU(a)の値がインクリメントされると共に(ST32)、入賞コマンドがコマンドバッファNYU(a)に格納される(ST33)。なお、格納された入賞コマンドは、ステップST14(図5)のタイミングで演出制御部32に伝送され、液晶ディスプレイの演出保留数表示部RESに演出保留数を表示するために使用される。
次に、大当り抽選処理における判定用乱数値が取得されてワークエリアの記憶欄RND(a)に記憶される(ST34)。具体的には、ステップST11で更新された大当り用カウンタCTの値が、ステップST34のタイミングで取得されて判定用乱数値となり、この判定用乱数値が、書込みポインタWRが指示する記憶欄RND(a)に格納される。抽選保留数の最大値が4個であることから、記憶欄RND(a)には、判定用乱数値が最大4つ格納できるようになっている。なお、書込みポインタWRは、書込み処理の後にインクリメントされる。
また、大当り図柄用の乱数値についても同様に取得されて、ワークエリアの記憶欄ZU(a)に記憶される(ST35)。記憶欄ZU(a)の構成や記憶方法は、記憶欄RND(a)の場合と全く同じである。
以上説明したステップST30〜ST35と同様の処理が始動口Bへの入賞についても行われる。すなわち、図柄始動口15Bがチェックされ(ST30’)、図柄始動口15Bの検出スイッチがON状態であれば、この段階における抽選保留数が判定される(ST31’)。そして、抽選保留数が4未満であれば、抽選保留数を示すHORYU(b)の値がインクリメントされると共に(ST32’)、入賞コマンドがコマンドバッファNYU(b)に格納される(ST33’)。
また、大当り抽選処理における判定用乱数値RNDが取得されてワークエリアの記憶欄RND(b)に記憶され、大当り図柄用の乱数値ZUが取得されて、ワークエリアの記憶欄ZU(a)に記憶される。なお、ステップST33’において、同一の入賞コマンドを、NYU(a)とは別のNYU(b)に格納するのは、図柄始動口15Aと図柄始動口15Bとが、同時に入賞状態となることがあるので、その同時入賞を読み落とさないためである。
その後の処理について、図5に戻って説明を続けると、ステップST14では、この段階で生成されているコマンドをサブ制御部32,33に伝送する(ST14)。したがって、ステップST33の処理で用意された入賞コマンドは、ステップST14のタイミングで、コマンド中継基板31を経由して、演出制御部32に伝送されることになる。
その後、エラー管理処理が行われるが(ST15)、エラー管理処理とは、遊技球の補給が停止したり、遊技球が詰まっていないかなど、機器内部に異常が生じていないかの判定を意味する。次に、払出制御部33向けの制御コマンドを作成した後(ST16)、この段階で生成されている制御コマンドを該当するサブ制御部に伝送する(ST17)。
続いて、現在が当り中の動作モードでないことを条件に、普通図柄処理を行う(ST19)。普通図柄処理とは、普通電動役物を作動させるか否かの判定を意味する。具体的には、ステップST13のスイッチ入力結果によって遊技球がゲートを通過していると判定された場合に、乱数生成処理(ST11)で更新された当り用カウンタRGを、当り当選値と対比して行われる。そして、対比結果が当選状態であれば当り中の動作モードに変更する。また、当り中となれば、普通電動役物の作動に向けた処理を行う(ST21)。
次に、必要な制御コマンドを該当するサブ制御部に伝送し(ST22)、特別図柄処理を行う(ST23)。特別図柄処理とは、大入賞口16など特別電動役物を作動させるか否かの判定であり、大当り抽選処理を含んだ処理である。概略動作は、図7(b)に示す通りであり、動作ステイタスの値に応じて、特別図柄の変動動作を開始させる変動開始処理(ST42)→特別図柄の変動中処理(ST43)→特別図柄や演出図柄の変動を終了させる終了処理(ST44)の順に動作内容が推移するようになっている。
図8は、変動開始処理(ST42)の内容を更に詳細に図示したものであり、図柄始動口15Aに関するもの(図8(a))と、図柄始動口15Bに関するもの(図8(b))に区分して表示している。図柄始動口15Aに関する図8(a)について説明すると、先ず、現在が、特別図柄Bについて大当り中の動作モードでないことを条件に(ST50)、HORYU(a)の値から抽選保留数がチェックされる(ST51)。
図6において説明したように、図柄始動口15Aに遊技球が入賞すると、HORYU(a)の値がインクリメント処理されるので、ゼロ以外の値になっている(ST32)。したがって、この段階でHORYU(a)≠0である場合は、図柄始動口15Aへの入賞が発生したことを意味するので、保留個数HORYU(a)をデクリメントした後(ST52)、ステップST34及びST35の処理で記憶されている大当り用乱数値RND及び大当り図柄用乱数値ZUを、記憶エリアから読み出す(ST53,ST54)。
読出し動作は、必ず、記憶エリアRND(a),ZU(a)の先頭アドレスに対して行われる(図6の読出しポインタRD参照)。そして、読出し動作後、記憶エリアRND(a),ZU(a)の各データは、先頭アドレスに向けて記憶位置が一つ分シフトされ、また、書込みポインタWRの値はデクリメントされる。
次に、読み出した乱数値RNDに基づいて大当り抽選処理を行い、大当り状態か否かの当否を判定する(ST55)。また、変動動作後の停止図柄についても抽選処理によって決定する(ST56)。なお、大当り抽選に当選している場合には、乱数値ZUに基づいて当選状態の特別図柄を決定する。次に、特別図柄表示部14Aにおける図柄変動時間を設定した後(ST57)、動作ステイタスを00Hから01Hに変更して処理を終える(ST58)。なお、以上説明したステップST50〜ST58と同様の処理が、図柄始動口15Bに関しても同様に実行される。
図9は、変動時間の設定処理(ST57)について説明したフローチャートである。なお、変動時間の設定処理(ST57’)についても同様であり、図9に記載のAやaを、Bやbと読み替えると共に、Bやbを、Aやaと読み替えることになる。
図9について説明すると、先ず、ステップST55の大当り抽選処理の当否結果が確認される(ST62)。そして、大当り抽選に当選していれば、当りの変動パターンコマンドが選択され(ST64)、ハズレであればハズレの変動パターンコマンドが選択される(ST63)。
ここで、変動パターンコマンドとは、演出制御部32に伝送される演出動作用の制御コマンドであり、演出図柄表示部20における図柄変動動作を規定したものである。この変動パターンコマンドは、大当り抽選の当否結果だけでなく、リーチ演出などの演出動作の総時間Taを特定している。
ステップST63又はST64では、変動パターンコマンドPTiが選択されるので、この変動パターンコマンドが主制御部30のコマンドバッファに格納される(ST65)。なお、格納された変動パターンコマンドは、その後のステップST26(図5)のタイミングで演出制御部32に伝送される。
また、決定された変動パターンに対応して、その演出総時間Taも自動的に決定されるので、これが一時的にワークエリアSUMに格納される(ST66)。演出動作の総時間Taは、演出図柄表示部20における演出の総時間を規定するものであるが、原則として、特別図柄表示部14Aにおける図柄変動の総時間にも一致している。但し、図11に示すように、特別図柄表示部14Aでの変動動作開始時に、特別図柄表示部14Bが変動動作中である場合には、演出図柄表示部20と特別図柄表示部14Aの演出総時間が一致しない。
それは、特別図柄表示部14Aでの変動動作開始時に、特別図柄表示部14Bが変動動作中である場合には、演出図柄表示部20も変動動作中であるので、演出図柄表示部20での自己の演出動作の開始タイミングが遅れることによる。すなわち、直ちに始まった特別図柄表示部14Aでの変動動作の終了タイミングと、遅れた始まった演出図柄表示部20での演出動作の終了タイミングとを一致させるために、直ちに始まる特別図柄表示部14Aにおける図柄変動動作の総時間を増加させる補正している。
具体的には、先ず、特別図柄表示部14Bが変動動作中であるか否か判定される(ST67)。そして、特別図柄表示部14Bが変動中であれば、特別図柄表示部14Bにおける変動動作の残り時間Tbを、特図B変動タイマTBから算出し、SUM←SUM+Tbの演算から、今回の特別図柄表示部14Aにおける変動総時間を補正する(ST68)。なお、残り時間Tbとは、実行中の演出が終了した後、連続する次の演出が始まるまでの空き時間も含んだ概念である。
そして、補正演算後のワークエリアSUMの値を、特図A変動タイマTAに初期値設定する(ST69)。なお、説明の便宜上、ステップST67を図示しているが、特別図柄表示部14Bが変動動作中でない場合には、特図B変動タイマTBの値は0であるから、実際には、ステップST67の判定は不要である。
このようにして特別図柄の変動開始処理(ST42)が実行されると、次回のタイマ割込み時からは、特別図柄の変動動作と図柄変動タイマTMの減算処理が実行される。動作ステイタス01Hの時に実行される変動中処理では、先ず、図柄変動タイマTMがゼロか否かが判定され、ゼロでなければ何もしないで処理を終える。このような処理を繰り返していると、やがて図柄変動タイマTM(具体的にはTA又はTB)がゼロになるので、TM=0の場合には、移行処理として、演出制御部32の演出動作を終了させるための「演出停止コマンド」を送信すると共に、動作ステイタスを01Hから02Hに変更する。
このようにして動作ステイタスが02Hに変化すると、次回のタイマ割込みによる変動終了処理(ST44)では、所定時間後に特別図柄表示部14の図柄変動動作を終了させると共に、動作ステイタスを02Hから00Hに変更する。そして、もしステップST55の大当り抽選において大当り状態となっていれば、動作モードを「大当り中」として処理を終える。
特別図柄処理(ST23)は、概略、図7(b)に示す通りであり、大当り抽選処理(ST55,ST55’)によって当選状態となれば、変動終了処理(ST44)において、大当り中の動作モードに変わる。また、大当り中となれば、大入賞口など特別電動役物の作動に向けた処理を行う(ST25)。
図5に戻って説明を続けると、次に、ステップST26では、ステップST65(図9)の処理で生成された変動パターンコマンドPTiなどがサブ制御部に伝送される(ST26)。次に、ワークエリアのHORYU(a),HORYU(b)に格納されている抽選保留数を抽選保留数表示部19A,19Bに表示する(ST27)。そして、最後に、ステップST10の処理で退避しておいたレジスタを復帰させてタイマ割込み処理を終える(ST28)。その結果、メインルーチンの処理に戻ることになるが、所定時間(2mS)経過すると、再度ステップST10の処理が開始されるので、ステップST10〜28の処理は、2mS毎に繰り返されることになる。
以上説明した図5のフローチャートについて、制御コマンドの伝送処理について確認すると、図柄始動口15A,15Bに遊技球が入賞した場合、ステップST14のタイミングで入賞コマンドが演出制御部32に伝送される。また、大当り抽選処理の結果に応じて決定される変動パターンコマンドPTiは、ステップST26のタイミングで演出制御部32に伝送される。
図10は、演出制御部32における制御コマンドの受信割込み処理と、タイマ割込み処理の一部とを例示したフローチャートである。演出制御部32では、コマンド中継基板31を経由して制御コマンドを受けると、CPUに対して受信割込みを受けるように構成されている。受信割込み処理では、先ず、入賞コマンドを受信したか否か判定される(ST60)。図6に関して説明したように、入賞コマンドは、図柄始動口15A,15Bに遊技球が入賞したことを示す制御コマンドである。そこで、演出制御部32では、入賞コマンドを受けた場合には、その受信回数をカウントするべくワークエリアのCNTの値をインクリメントする(ST61)。
次に、受信した制御コマンドが変動パターンコマンドか否かが判定される(ST62)。変動パターンコマンドPTiは、演出制御部32における演出動作の概略種別と、演出総時間を規定するものである。そこで、変動パターンコマンドを受信した場合には、変動パターンコマンドPTiと、適宜な乱数値とに基づく演出抽選によって、演出内容を具体的に決定する。すなわち、演出制御部32には、演出総時間が予め定められた複数の演出が用意されているので、その何れの演出を実行するかを決定する。
そして、決定された演出内容を特定する演出番号が、演出バッファBUFに格納される(ST63)。演出バッファBUFには、複数の記憶エリアが設けられているが、格納先のアドレスは、書込みポインタWRによって指示される。そして、演出番号を格納した後は、書込みポインタWRがインクリメントされる。なお、この演出バッファBUFは、初期状態では全記憶エリアには無効データNULLが格納されている。
以上のような受信割込み処理は、演出制御部32が制御コマンドを受ける毎に起動されるが、これとは別に、演出制御部32では、所定時間毎にタイマ割込み処理が起動されるよう構成されている。タイマ割込み処理では、演出バッファBUFの先頭アドレスが空か否か、具体的には、先頭アドレスの内容が無効データNULLか否か判定される(ST70)。
その判定の結果、先頭アドレスが空でない場合には、現在が演出動作中でないことを条件に、演出バッファBUFの先頭アドレスの内容(演出番号)が読み出され、検出フラグFGが1にセットされる(ST72)。そして、先頭アドレスから演出番号が読み出された後は、演出バッファBUFの全ての記憶内容が一つ上位のアドレスにシフトされ、有効データの記憶されていた最下位のアドレスには、無効データNULLが書き込まれる。また、これに合わせて、書込みポインタWRの値もデクリメントされる。
次に、ワークエリアのCNTの値がデクリメントされ(ST73)、デクリメント後のCNTの値が、演出保留数表示部RESに表示される(ST74)。このような処理をするのは、その後、演出バッファBUFの先頭アドレスから読み出された演出番号の演出動作が開始されるので、演出保留数をデクリメントして表示内容を更新するためである。但し、ステップST70やST71の判定がYesの場合には、ステップST72以下の処理をスキップして、ステップST74に移行するので、元の演出保留数がそのまま表示される。
続いて、検出フラグFGが1か否か判定され(ST75)、FG=1なら検出フラグをクリアした後(ST76)、演出バッファの先頭アドレスから読み出した演出番号の演出動作を開始する(ST77)。したがって、受信した変動パターンコマンドPTiで規定される演出総時間の間、演出図柄表示部20では図柄演出動作が実行される。なお、特別図柄表示部14における図柄変動時間は、ステップST68の処理によって適宜に補正されているので、演出図柄表示部20と特別図柄表示部14における図柄変動は、同じタイミングで終了する。
図11は、変動パターンコマンドPTi及び入賞コマンドに関して、主制御基板30と演出制御基板32の動作内容を示すタイムチャートである。以下、時間の推移と共に説明する。
<タイミングt1> タイミングt1では、図柄始動口15Aに遊技球が入賞するので、大当り抽選処理(ST55)の後、特別図柄表示部14Aでは図柄変動動作が開始される(ST43)。したがって、抽選保留数表示部19Aには保留数0が明示される。なお、以下の全ての場合を含め、大当り抽選の当否結果はハズレ状態である。
一方、演出制御部32に対して、入賞コマンドが伝送され(ST14)、続いて変動パターンコマンドPT1が伝送される(ST26)。そして、演出制御部32の演出図柄表示部20では、直ちに演出動作を開始するので、演出保留数表示部RESには保留数0が明示される。
<タイミングt2、t3> 以上の関係は、タイミングt2の場合も実質的に同じである。一方、タイミングt3では、特別図柄表示部14Aの動作中に、図柄始動口15Bに遊技球が入賞する。この場合には、大当り抽選処理(ST55’)の後、特別図柄表示部14Bでは図柄変動動作が開始されるが(ST43)、この時の特図B変動タイマTBの初期値は、変動パターンコマンドPT3に対応する演出時間と、変動動作中の特別図柄表示部14Aの変動残り時間とを加算した値となる(ST68)。
また、演出制御部32に伝送された入賞コマンド(ST14)と、変動パターンコマンドPT3(ST26)とは、実効化されない。すなわち、タイミングt2における図柄始動口15Bへの遊技球入賞に応じて、演出図柄表示部20では演出動作が実行されているので、ワークエリアCNTの値はデクリメントされないまま、演出保留数表示部RESに表示され、演出保留数が1となる。また、伝送された変動パターンコマンドPT3に基づいて決定された演出番号は、演出バッファBUFの先頭アドレスに記憶されたままである。
<タイミングt4> 次に、タイミングt4では、特別図柄表示部14A及び特別図柄表示部14Bの動作中に、図柄始動口15Aに遊技球が入賞する。この場合には、特図Aに関する動作ステイタスが01Hであることから、図8の処理がスキップされることになり、HORYU(a)のデクリメント処理(ST52)も、大当り抽選処理(ST55)も実行されない。そのため、抽選保留数表示部19Aには保留数1が表示される。
また、演出制御部32に伝送された入賞コマンド(ST14)によってインクリメントされた値が、そのまま演出保留数表示部RESに表示されるので、演出保留数は2となる。なお、大当り抽選処理(ST55)が実行されないため、演出制御部32に変動パターンコマンドが伝送されることはない。
<タイミングt5> タイミングt5では、特別図柄表示部14A及び特別図柄表示部14Bの動作中に、図柄始動口15Bに遊技球が入賞する。この場合には、特図Bに関する動作ステイタスが01Hであることから、図8の処理がスキップされることになり、HORYU(b)のデクリメント処理(ST52’)も、大当り抽選処理(ST55’)も実行されない。そのため、抽選保留数表示部19Bには保留数1が表示される。
また、演出制御部32に伝送された入賞コマンド(ST14)によってインクリメントされた値が、そのまま演出保留数表示部RESに表示されるので、演出保留数は3となる。
<タイミングt6> その後、特別図柄表示部14Aと演出図柄表示部20の変動動作が同期して終了して、特図Aに関する動作ステイタスが00Hとなる。そのため、図8に示す変動準備動作が実行されることになり、抽選保留数HORYU(a)がデクリメントされ(ST52)、大当り抽選処理が行われる(ST55)。そして、特別図柄表示部14Aでは図柄変動動作が開始されるが(ST43)、この時の特図A変動タイマTAの初期値は、変動パターンコマンドPT4に対応する演出時間と、変動動作中の特別図柄表示部14Bの変動残り時間とを加算した値となる(ST68)。
一方、演出制御部32には、変動パターンコマンドPT4が伝送され、演出番号が決定されて演出バッファ領域の適所に記憶される(ST63)。また、演出制御部32のタイマ割込みにおいて、演出バッファBUFの先頭アドレスから、変動パターンコマンドPT3に対応する演出番号が読み出され、この演出動作が開始される。また、ワークエリアCNTの値がデクリメントされて表示されるので(ST73,ST74)、演出保留数は3から2に変わる。
<タイミングt7〜T17> 以下同様であり、タイミングt7〜t9まで、抽選保留数の増加に合わせて、演出保留数が3→4→5と増加する。図12はタイミングt8の状態における演出保留数表示部RESと、抽選保留数表示部19A,19Bの表示内容を図示したものである。
図示の通り、図柄始動口15A、15Bへの遊技球入賞に関する抽選保留数が、それぞれ1個と2個であるのに対して、演出保留数は4個となっている。通常、遊技者は演出図柄表示部20に注目して遊技を続けるので、本実施例によれば、遊技者は、実際の抽選保留数よりも多い演出保留数に着目して、大当り抽選動作の保留個数を認識することになる。そのため、従来の装置よりも、大当り状態の到来の期待感を高めることができる。また、演出保留数を液晶ディスプレイに表示する構成を採れば、LEDランプの場合よりも演出保留数を大きく表示できるために、保留個数をより認識しやすい。
さて、タイミングt10では、特別図柄表示部14Bと演出図柄表示部20の変動動作が同期して終了するので、特図Bに関する動作ステイタスが00Hとなる。そのため、図8に示す変動準備動作が実行されることになり、抽選保留数HORYU(b)がデクリメントされ(ST52’)、大当り抽選処理が行われる(ST55’)。
そして、特別図柄表示部14Bでは図柄変動動作が開始されるが(ST43)、この時の特図B変動タイマTAの初期値は、変動パターンコマンドPT5に対応する演出時間と、変動動作中の特別図柄表示部14Aの変動残り時間とを加算した値となる(ST68)。
一方、演出制御部32には、変動パターンコマンドPT5が伝送され、演出番号が決定されて演出バッファ領域の適所に記憶される(ST63)。また、演出制御部32のタイマ割込みにおいて、演出バッファBUFの先頭アドレスから、変動パターンコマンドPT4に対応する演出番号が読み出され、この演出動作が開始される。また、ワークエリアCNTの値がデクリメントされて表示されるので(ST73,ST74)、演出保留数は5から4に変わる。
以上の関係は、タイミングt11以降も同じであり、演出制御部32は、主制御部30から入賞コマンドを受ける毎に演出保留数を増加させ(ST61)、演出動作を開始させる毎に演出保留数を減少させる(ST73)。また、主制御部30は、演出図柄表示部20と特別図柄表示部14A,14Bが同期して変動動作を開始する毎に、大当り抽選処理を行い(ST55,ST55’)、変動パターンコマンドを演出制御部32に伝送する。また、主制御部30は、特別図柄表示部14と演出図柄表示部20とが同期して変動動作を終了できるように、図柄変動タイマTA,TBの初期値を補正して設定する(ST68)。
なお、図11において、図柄始動口15Aへの遊技球入賞をA1〜A7で表現し、その遊技球入賞に関する演出図柄表示部20や特別図柄表示部14Aの変動動作も、遊技球入賞に対応させてA1〜A4で表現している。図柄始動口15Bへの遊技球入賞を示すB1〜B6についても同様である。
以上、本発明の実施例について具体的に説明したが、具体的な記載内容は特に本発明を限定するものではない。すなわち、特に、フローチャートで例示する具体的な制御方法は何ら本発明を限定するものではない。
なお、上記の弾球遊技機において、停電などの電源遮断時に、主制御部30や演出制御部32のワークエリアの内容が全て消滅する構成を採ると、その後、特別図柄表示部14の変動動作や、演出表示部20の演出動作を再現できないことになる。そこで、主制御部30だけでなく、演出制御部32についても、電池バックアップなどによって、ワークエリアの内容を電源復旧時まで保存するのが望ましい。なお、この場合には、電源遮断時にNMI(non-maskable-interrupt)を発生させて、CPUのレジスタ類を保存する必要もある。
一方、演出制御部32についてまで、メモリを電池でバックアップするのは煩雑であるので、主制御部30のメモリのみを電池でバックアップする構成を採っても良い。本遊技機の場合、特別図柄表示部14A,14Bは、演出制御部32ではなく、主制御部30によって制御されているので、折角の大当り当選状態が、停電によって消滅するような弊害は生じない。
電源遮断時に演出制御部32のワークエリアを保護しない場合には、電源復旧後、主制御部30において、例えば、抽選保留数HORYU(a)、HORYU(b)が共にゼロであり、且つ特別図柄表示部14A,14Bの変動動作が共に終了しているか否かを判定するのが好ましい。そして、この判定がNOである間は、主制御部30から演出制御部32への変動パターンコマンドや入賞コマンドの送信を停止する一方、演出図柄表示部32おいては、適当な演出画面を表示するのが好ましい。やがて、特別図柄A及び特別図柄Bの抽選保留数HORYU(a)、HORYU(b)が共にゼロとなり、且つ特別図柄表示部14A,14Bの変動動作が共に終了するので、そのタイミングで、変動パターンコマンドや入賞コマンドを送信する通常の処理を開始すれば良い。
また、図1〜図12に例示した実施例では、演出保留数表示部RESに、演出保留数を単純に表示するだけであったが、その保留数が、図柄始動口15Aへの入賞に関わるものか、図柄始動口15Bへの入賞に関わるものかを特定して表示するのも好適である。演出保留数が5個である場合、図2に例示した構成では、5個の同一形状が並ぶだけであるが、これに代えて、例えば、「B−B−A−B−B」にように表示すれば、何れの図柄始動口15A,15Bへの入賞が多いか液晶ディスプレイ上で確認することができる。
このような動作を実現するには、コマンドバッファNYU(a),NYU(b)に格納されている入賞コマンドを送信する時に(ST14)、始動口15A,15Bを特定した入賞コマンドを送信すれば良い。これに対応して、演出制御部32では、入賞コマンドの受信回数をカウントする2つのエリアCNT(a),CNT(b)を設け、その内容を演出保留数表示部RESに表示すれば足りる。
しかしながら、図柄始動口の個数に対応して、液晶ディスプレイの数を増やしたり、或いは、液晶ディスプレイの表示領域を分割したのでは、その分だけ液晶ディプレイの制御が複雑化してしまう。