JP2012243937A - 半導体レーザ構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】製作工程が複雑になることなく、電流経路を狭窄できる半導体レーザ構造を提供すること。
【解決手段】(a)n型クラッド層2、8、(b)発光層4、10、及び(c)p型クラッド層6、12を積層して成るレーザ構造単位101、103を複数備えるとともに、前記レーザ構造単位101、103間の境界における一部の領域に、p型導電型層7a及びn型導電型層7bから成るトンネル接合層7を備え、前記境界に、以下の(イ)、(ロ)のうちの一方又は両方を備えることを特徴とする半導体レーザ構造。(イ)前記一部以外の領域において、前記n型クラッド層8に接し、そのn型クラッド層8よりもバンドギャップエネルギーが大きいn型の層21。(ロ)前記一部以外の領域において、前記p型クラッド層6に接し、そのp型クラッド層6よりもバンドギャップエネルギーが大きいp型の層。
【選択図】図1

Description

本発明は半導体レーザ構造に関する。
半導体レーザ構造を、例えばレーザレーダ等、パルス大電流による高出力が必要な装置に適用する場合、図4に示すように、レーザ構造単位201(n型クラッド層203、発光層205、及びp型クラッド層207から成る単位)を、基板209の成長面に対して垂直方向に複数積層する構造が用いられる。この構造は、隣接するレーザ構造単位201の発光層205を数μm内に近接できるため、容易にレンズで集光することができる。
この構造では駆動時にレーザ構造単位201間にバイアスがかかり、高抵抗となるため、各レーザ構造単位201の界面にトンネル接合層211を設け、トンネル効果による低抵抗化を図る必要がある。また、半導体レーザ構造には、p側電極213、絶縁層215、及びn側電極217が設けられる。
半導体レーザ構造において、発光ストライプ幅(p側電極213のうち、絶縁層215で覆われず、開口している部分の幅)は、レンズの大きさ等に応じて設定される。この場合、図4において破線で示すように、絶縁層215の下への電流の広がりが無視できず、発光ストライプ幅が設計よりも大きくなってしまったり、光に寄与しない無効電流が増大し、光出力が抑制されてしまう。
これに対し、半導体レーザ構造の両側に、非伝導性の埋め込み構造を設けることによって電流経路を狭窄する方法(特許文献1における第1の実施形態参照)や、トンネル接合層の一部を除去して電流経路を狭窄する方法(特許文献1における第3の実施形態参照)が提案されている。
特開2007−251031号公報
しかしながら、非伝導性の埋め込み構造を設ける方法では、半導体レーザ構造の製作工程が複雑になってしまう。また、トンネル接合層の一部を除去する方法では、トンネル接合層を除去した領域のレーザ構造単位の境界における電流の流れを十分に抑制できない。
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、製作工程が複雑になることなく、電流経路を狭窄できる半導体レーザ構造を提供することを目的とする。
本発明の半導体レーザ構造は、(a)n型クラッド層、(b)発光層、及び(c)p型クラッド層を積層して成るレーザ構造単位を複数備えるとともに、前記レーザ構造単位間の境界における一部の領域に、p型導電型層及びn型導電型層から成るトンネル接合層を備え、前記境界に、以下の(イ)、(ロ)のうちの一方又は両方を備える。
(イ)前記一部以外の領域において、前記n型クラッド層に接し、そのn型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいn型の層
(ロ)前記一部以外の領域において、前記p型クラッド層に接し、そのp型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいp型の層
本発明の半導体レーザ構造は、前記(イ)の層、前記(ロ)の層、又はその両方の層を備えることにより、レーザ構造単位間の境界において、トンネル接合層が設けられていない領域での電流の流れを、より効果的に抑制し、電流の広がりを抑制することができる。その結果、電流の広がりによる発光ストライプ幅の増大や、無効電流の増大に伴う光出力の低下を抑制することができる。
また、本発明の半導体レーザ構造では、非伝導性の埋め込み構造を設ける必要が無いので、半導体レーザ構造の製作工程が複雑になってしまうことがない。
前記(イ)の層、又は前記(ロ)の層は、Al及び/又はPを含むことが好ましい。前記(イ)の層、又は前記(ロ)の層は、Al、P、又はその両方を含むことにより、バンドギャップエネルギーが一層大きくなる。そのことにより、電流の広がりを抑制する効果が一層顕著になる。
本発明の半導体レーザ構造は、基板を備え、前記(イ)の層、又は前記(ロ)の層は、前記基板に対し、伸長歪みを有することが好ましい。この場合、前記(イ)の層、又は前記(ロ)の層のバンドギャップエネルギーが一層大きくなる。そのことにより、電流の広がりを抑制する効果が一層顕著になる。
本発明の半導体レーザ構造は、絶縁層により開口部を狭窄された電極を備え、前記半導体レーザ構造の各層に直交する方向から見たとき、前記一部は、前記開口部の範囲内にあることが好ましい。そのことにより、発光層における電流の広がりを一層効果的に抑制することができる。
その開口部の幅は、50μm以上であることが好ましい。この場合、従来技術のような、埋め込み構造の作製は困難であるが、本発明によれば、電流狭窄を効果的に行うことができる。
前記p型導電型層及び前記(ロ)の層におけるドーパントとしては、Znが好ましい。また、前記n型導電型層及び前記(イ)の層におけるドーパントとしては、Seが好ましい。ドーパントが上記のものであることにより、ドーパンの相互拡散を抑制し、安定した電気的特性を実現できる。
前記(イ)の層は、前記境界に面する前記p型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことが好ましい。この場合、電流の広がりを抑制する効果が一層高くなる。また、前記(ロ)の層は、前記境界に面する前記n型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことが好ましい。この場合、電流の広がりを抑制する効果が一層高くなる。
半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。 半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。 半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。 従来の半導体レーザ構造の構成を表す断面図である。
本発明の実施形態を説明する。
1.半導体レーザ素子の製造
本発明の半導体レーザ構造を適用した半導体レーザ素子の製造方法を図1に基づいて説明する。n型InP基板1上に、MOCVD法により、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型クラッド層6、p型層21、p型導電型層7a、n型導電型層7bを順次積層する。ここで、p型導電型層7a、及びn型導電型層7bは、トンネル接合層7を構成する。
その後、トンネル接合層7上に、レーザの共振方向に対して垂直となる方向において所望の幅(例えば200μm)を有するレジストを形成し、それ以外の領域のトンネル接合層7をエッチングにより除去する。エッチングには、例えば、H2SO4、H2O2、H2Oの混合液を用いることができる。エッチング終了後、レジストを除去する。エッチングにより、トンネル接合層7が残っている領域以外では、p型層21が露出する。
次に、MOCVD法により、第2のn型クラッド層8、第2のn型光ガイド層9、第2の多重量子井戸活性層(発光層)10、第2のp型光ガイド層11、第2のp型クラッド層12、及びp型コンタクト層13を順次積層する。第2のn型クラッド層8は、トンネル接合層7が残っている領域ではトンネル接合層7に接し、それ以外の領域では、p型層21に接する。
ここで、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層4、第1のp型光ガイド層5、及び第1のp型クラッド層6は、第1のレーザ構造単位101を構成する。また、第2のn型クラッド層8、第2のn型光ガイド層9、第2の多重量子井戸活性層10、第2のp型光ガイド層11、及び第2のp型クラッド層12は、第2のレーザ構造単位103を構成する。
各層のキャリア濃度、厚さ、組成は、表1に示すとおりである。なお、全てのn型層のドーパントはSeであり、全てのp型層のドーパントはZnである。また、第1の多重量子井戸活性層4、及び第2の多重量子井戸活性層10はいずれもアンドープ層である。また、各層の成長時の基板温度は550〜800℃とする。
Figure 2012243937
なお、第1の多重量子井戸活性層4、及び第2の多重量子井戸活性層10は、詳しくは、Al0.03Ga0.3In0.67Asから成り、厚さ10nmの井戸層と、Al0.25Ga0.23In0.52Asから成り、厚さ15nmの障壁層との積層構造を有する。
次に、p型コンタクト層13上に、SiO2層(絶縁層)31を所定のパターンとなるように形成する。詳しくは、半導体レーザ構造の各層に直交する方向(図1におけるD方向)から見たとき、トンネル接合層7が形成された領域と、SiO2層31の開口部31aとが一致するように(幅200μmのストライプ状に)形成する。
その後、SiO2層31の上に、Cr/Pt/Auから成るp側電極32を形成する。p側電極32のうち、SiO2層31によって覆われず、開口している部分(SiO2層31の開口部31aに対応する部分)は、電流注入ストライプ領域32aとなる。すなわち、SiO2層31は、p側電極32の開口部を狭窄する。
次に、膜厚が120μm程度となるように、n型InP基板1を研削し、研削面にAu-Ge/Ni/Auから成るn側電極33を形成する。さらに、電極(n側電極33)と半導体(n型InP基板1)とのコンタクトを安定化させるために350℃で30秒間の熱処理を実施する。
次に、共振器を形成するために、壁開により幅500μmで短冊化し、Al2O3、a-Si等の材料を用い、一方の端面にレーザ光の波長に対して低反射率の層を形成し、もう一方の端面に高反射率な反射層を形成し、所定の大きさに素子化することで半導体レーザ素子を完成する。
この半導体レーザ素子において、p型層21は、第1のレーザ構造単位101と、第2のレーザ構造単位103との境界のうち、トンネル接合層7が存在しない領域において、第1のp型クラッド層6と第2のn型クラッド層8に接している。p型層21のバンドギャップエネルギーは、その組成(表1参照)から明らかなように、第1のp型クラッド層6のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のn型クラッド層8のバンドギャップエネルギーよりも大きい。また、p型層21は、その組成(表1参照)から明らかなように、n型InP基板1に対し、伸長歪みを有する。
なお、結晶を構成する各元素の原料としては、例えば、Gaの原料にトリメチルガリウム、Alの原料にトリメチルアルミニウム、Inの原料にトリメチルインジウム、Znの原料にジエチルジンクを用いることができる。また、 例えば、Asの原料にAsH3(アルシン)、Pの原料にPH3(ホスフィン)、Seの原料にH2Se(セレン化水素)を用いることができる。
2.半導体レーザ素子が奏する効果
(1)半導体レーザ素子は、レーザ構造単位101、103の境界のうち、トンネル接合層7が存在しない領域に、p型層21を備えている。このp型層21のバンドギャップエネルギーは、第1のp型クラッド層6のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のn型クラッド層8のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
そのことにより、レーザ構造単位101、103間の境界において、トンネル接合層7以外の領域での電流の流れを、より効果的に抑制し、電流の広がりを抑制することができる。
(2)p型層21は、Alを含むので、バンドギャップエネルギーが大きい。そのため、上記(1)の効果を一層顕著にすることができる。
(3)p型層21は、n型InP基板1に対し、伸長歪みを有するので、バンドギャップエネルギーが大きい。そのため、上記(1)の効果を一層顕著にすることができる。
(4)半導体レーザの各層に直交する方向D(図1参照)から見たとき、トンネル接合層7が形成された領域は、SiO2層31の開口部31aの範囲内にある。そのことにより、発光層における電流の広がりを一層効果的に抑制することができる。
(5)半導体レーザ素子では、電流注入ストライプ領域32aの幅を50μm以上としている。この場合、従来技術のような、埋め込み構造の作製は困難であるが、本実施形態によれば、電流狭窄を効果的に行うことができる。
(6)非伝導性の埋め込み構造を設ける必要が無いので、半導体レーザ構造の製作工程が複雑になってしまうことがない。
1.半導体レーザ素子の製造
本発明の半導体レーザ構造を適用した半導体レーザ素子の製造方法を図2に基づいて説明する。n型GaAs基板1上に、MOCVD法により、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型クラッド層6、p型導電型層7a、n型導電型層7bを順次積層する。ここで、p型導電型層7a、及びn型導電型層7bは、トンネル接合層7を構成する。
その後、トンネル接合層7上に、レーザの共振方向に対して垂直となる方向において所望の幅(例えば100μm)を有するレジストを形成し、それ以外の領域のトンネル接合層7をエッチングにより除去する。エッチングには、例えば、H2SO4、H2O2、H2Oの混合液を用いることができる。エッチング終了後、レジストを除去する。エッチングにより、トンネル接合層7が残っている領域以外では、第1のp型クラッド層6が露出する。
次に、MOCVD法により、n型層22、第2のn型クラッド層8、第2のn型光ガイド層9、第2の多重量子井戸活性層(発光層)10、第2のp型光ガイド層11、第2のp型クラッド層12、及びp型コンタクト層13を順次積層する。n型層22は、トンネル接合層7が残っている領域ではトンネル接合層7に接し、それ以外の領域では、第1のp型クラッド層6に接する。
ここで、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層4、第1のp型光ガイド層5、及び第1のp型クラッド層6は、第1のレーザ構造単位101を構成する。また、第2のn型クラッド層8、第2のn型光ガイド層9、第2の多重量子井戸活性層10、第2のp型光ガイド層11、及び第2のp型クラッド層12は、第2のレーザ構造単位103を構成する。
各層のキャリア濃度、厚さ、組成は、表2に示すとおりである。なお、全てのn型層のドーパントはSeであり、全てのp型層のドーパントはZnである。また、第1の多重量子井戸活性層4、及び第2の多重量子井戸活性層10はいずれもアンドープ層である。また、各層の成長時の基板温度は550〜800℃とする。
Figure 2012243937
なお、第1の多重量子井戸活性層4、及び第2の多重量子井戸活性層10は、詳しくは、In0.1Ga0.9Asから成り、厚さ8nmの井戸層と、Al0.2Ga0.8Asから成り、厚さ15nmの障壁層 との積層構造を有する。
次に、p型コンタクト層13上に、SiO2層(絶縁層)31を所定のパターンとなるように形成する。詳しくは、半導体レーザ構造の各層に直交する方向(図2におけるD方向)から見たとき、トンネル接合層7が形成された領域と、SiO2層31の開口部31aとが一致するように(幅100μmのストライプ状に)形成する。
その後、SiO2層31の上に、Cr/Pt/Auから成るp側電極32を形成する。p側電極32のうち、SiO2層31によって覆われず、開口している部分(SiO2層31の開口部31aに対応する部分)は、電流注入ストライプ領域32aとなる。すなわち、SiO2層31は、p側電極32の開口部を狭窄する。
次に、膜厚が120μm程度となるように、n型GaAs基板1を研削し、研削面にAu-Ge/Ni/Auから成るn側電極33を形成する。さらに、電極(n側電極33)と半導体(n型GaAs基板1)とのコンタクトを安定化させるために350℃で30秒間の熱処理を実施する。
次に、共振器を形成するために、壁開により幅500μmで短冊化し、Al2O3、a-Si等の材料を用い、一方の端面にレーザ光の波長に対して低反射率の層を形成し、もう一方の端面に高反射率な反射層を形成し、所定の大きさに素子化することで半導体レーザ素子を完成する。
この半導体レーザ素子において、n型層22は、第1のレーザ構造単位101と、第2のレーザ構造単位103との境界のうち、トンネル接合層7が存在しない領域において、第1のp型クラッド層6と第2のn型クラッド層8に接している。n型層22のバンドギャップエネルギーは、その組成(表2参照)から明らかなように、第1のp型クラッド層6のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のn型クラッド層8のバンドギャップエネルギーよりも大きい。また、n型層22は、その組成(表2参照)から明らかなように、n型GaAs基板1に対し、伸長歪みを有する。
なお、結晶を構成する各元素の原料としては、例えば、Gaの原料にトリメチルガリウム、Alの原料にトリメチルアルミニウム、Inの原料にトリメチルインジウム、Znの原料にジエチルジンクを用いることができる。また、 例えば、Asの原料にAsH3(アルシン)、Pの原料にPH3(ホスフィン)、Seの原料にH2Se(セレン化水素)を用いることができる。
2.半導体レーザ素子が奏する効果
(1)半導体レーザ素子は、レーザ構造単位101、103の境界のうち、トンネル接合層7が存在しない領域に、n型層22を備えている。このn型層22のバンドギャップエネルギーは、第1のp型クラッド層6のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のn型クラッド層8のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
そのことにより、レーザ構造単位101、103間の境界において、トンネル接合層7以外の領域での電流の流れを、より効果的に抑制し、電流の広がりを抑制することができる。
(2)n型層22は、Al、及びPを含むので、バンドギャップエネルギーが大きい。そのため、上記(1)の効果を一層顕著にすることができる。
(3)n型層22は、n型GaAs基板1に対し、伸長歪みを有するので、バンドギャップエネルギーが大きい。そのため、上記(1)の効果を一層顕著にすることができる。
(4)半導体レーザの各層に直交する方向D(図2参照)から見たとき、トンネル接合層7が形成された領域は、SiO2層31の開口部31aの範囲内にある。そのことにより、発光層における電流の広がりを一層効果的に抑制することができる。
(5)半導体レーザ素子では、電流注入ストライプ領域32aの幅を50μm以上としている。この場合、従来技術のような、埋め込み構造の作製は困難であるが、本実施形態によれば、電流狭窄を効果的に行うことができる。
(6)非伝導性の埋め込み構造を設ける必要が無いので、半導体レーザ構造の製作工程が複雑になってしまうことがない。
1.半導体レーザ素子の製造
本発明の半導体レーザ構造を適用した半導体レーザ素子の製造方法を図3に基づいて説明する。n型InP基板1上に、MOCVD法により、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層(発光層)4、第1のp型光ガイド層5、第1のp型クラッド層6、p型層21、p型導電型層7a、n型導電型層7bを順次積層する。ここで、p型導電型層7a、及びn型導電型層7bは、トンネル接合層7を構成する。
その後、トンネル接合層7上に、レーザの共振方向に対して垂直となる方向において所望の幅(例えば200μm)を有するレジストを形成し、それ以外の領域のトンネル接合層7をエッチングにより除去する。エッチングには、例えば、H2SO4、H2O2、H2Oの混合液を用いることができる。エッチング終了後、レジストを除去する。エッチングにより、トンネル接合層7が残っている領域以外では、p型層21が露出する。
次に、MOCVD法により、n型層22、第2のn型クラッド層8、第2のn型光ガイド層9、第2の多重量子井戸活性層(発光層)10、第2のp型光ガイド層11、第2のp型クラッド層12、及びp型コンタクト層13を順次積層する。n型層22は、トンネル接合層7が残っている領域ではトンネル接合層7に接し、それ以外の領域では、p型層21に接する。
ここで、第1のn型クラッド層2、第1のn型光ガイド層3、第1の多重量子井戸活性層4、第1のp型光ガイド層5、及び第1のp型クラッド層6は、第1のレーザ構造単位101を構成する。また、第2のn型クラッド層8、第2のn型光ガイド層9、第2の多重量子井戸活性層10、第2のp型光ガイド層11、及び第2のp型クラッド層12は、第2のレーザ構造単位103を構成する。
各層のキャリア濃度、厚さ、組成は、表3に示すとおりである。なお、全てのn型層のドーパントはSeであり、全てのp型層のドーパントはZnである。また、第1の多重量子井戸活性層4、及び第2の多重量子井戸活性層10はいずれもアンドープ層である。また、各層の成長時の基板温度は550〜800℃とする。
Figure 2012243937
なお、第1の多重量子井戸活性層4、及び第2の多重量子井戸活性層10は、詳しくは、Al0.03Ga0.3In0.67Asから成り、厚さ10nmの井戸層と、Al0.25Ga0.23In0.52Asから成り、厚さ15nmの障壁層との積層構造を有する。
次に、p型コンタクト層13上に、SiO2層(絶縁層)31を所定のパターンとなるように形成する。詳しくは、半導体レーザ構造の各層に直交する方向(図3におけるD方向)から見たとき、トンネル接合層7が形成された領域と、SiO2層31の開口部31aとが一致するように(幅200μmのストライプ状に)形成する。
その後、SiO2層31の上に、Cr/Pt/Auから成るp側電極32を形成する。p側電極32のうち、SiO2層31によって覆われず、開口している部分(SiO2層31の開口部31aに対応する部分)は、電流注入ストライプ領域32aとなる。すなわち、SiO2層31は、p側電極32の開口部を狭窄する。
次に、膜厚が120μm程度となるように、n型InP基板1を研削し、研削面にAu-Ge/Ni/Auから成るn側電極33を形成する。さらに、電極(n側電極33)と半導体(n型InP基板1)とのコンタクトを安定化させるために350℃で30秒間の熱処理を実施する。
次に、共振器を形成するために、壁開により幅500μmで短冊化し、Al2O3、a-Si等の材料を用い、一方の端面にレーザ光の波長に対して低反射率の層を形成し、もう一方の端面に高反射率な反射層を形成し、所定の大きさに素子化することで半導体レーザ素子を完成する。
この半導体レーザ素子において、p型層21は、第1のレーザ構造単位101と、第2のレーザ構造単位103との境界のうち、トンネル接合層7が存在しない領域において、第1のp型クラッド層6、及びn型層22に接している。p型層21のバンドギャップエネルギーは、その組成(表3参照)から明らかなように、第1のp型クラッド層6のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のn型クラッド層8のバンドギャップエネルギーよりも大きい。また、p型層21は、その組成(表3参照)から明らかなように、n型InP基板1に対し、伸長歪みを有する。
また、この半導体レーザ素子において、n型層22は、第1のレーザ構造単位101と、第2のレーザ構造単位103との境界のうち、トンネル接合層7が存在しない領域において、第2のn型クラッド層8、及びp型層21に接している。n型層22のバンドギャップエネルギーは、その組成(表3参照)から明らかなように、第1のp型クラッド層6のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のn型クラッド層8のバンドギャップエネルギーよりも大きい。また、n型層22は、その組成(表3参照)から明らかなように、n型InP基板1に対し、伸長歪みを有する。
なお、結晶を構成する各元素の原料としては、例えば、Gaの原料にトリメチルガリウム、Alの原料にトリメチルアルミニウム、Inの原料にトリメチルインジウム、Znの原料にジエチルジンクを用いることができる。また、 例えば、Asの原料にAsH3(アルシン)、Pの原料にPH3(ホスフィン)、Seの原料にH2Se(セレン化水素)を用いることができる。
2.半導体レーザ素子が奏する効果
(1)半導体レーザ素子は、レーザ構造単位101、103の境界のうち、トンネル接合層7が存在しない領域に、p型層21、及びn型層22を備えている。このp型層21、及びn型層22のバンドギャップエネルギーは、第1のp型クラッド層6のバンドギャップエネルギーよりも大きく、第2のn型クラッド層8のバンドギャップエネルギーよりも大きい。
そのことにより、レーザ構造単位101、103間の境界において、トンネル接合層7以外の領域での電流の流れを、より効果的に抑制し、電流の広がりを抑制することができる。
(2)p型層21、及びn型層22は、Alを含むので、バンドギャップエネルギーが大きい。そのため、上記(1)の効果を一層顕著にすることができる。
(3)p型層21は、n型InP基板1に対し、伸長歪みを有するので、バンドギャップエネルギーが大きい。そのため、上記(1)の効果を一層顕著にすることができる。また、n型層22は、n型InP基板1に対し、伸長歪みを有するので、バンドギャップエネルギーが大きい。そのため、上記(1)の効果を一層顕著にすることができる。
(4)半導体レーザの各層に直交する方向D(図3参照)から見たとき、トンネル接合層7が形成された領域は、SiO2層31の開口部31aの範囲内にある。そのことにより、発光層における電流の広がりを一層効果的に抑制することができる。
(5)半導体レーザ素子では、電流注入ストライプ領域32aの幅を50μm以上としている。この場合、従来技術のような、埋め込み構造の作製は困難であるが、本実施形態によれば、電流狭窄を効果的に行うことができる。
(6)非伝導性の埋め込み構造を設ける必要が無いので、半導体レーザ構造の製作工程が複雑になってしまうことがない。
尚、本発明は前記実施例になんら限定されるものではなく、本発明を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記実施例1は、InP基板上に、InP、AlGaInAs、InGaAs、AlInAsを成長層として形成する構成であるが、これらに限るものではなく、基板にGaAsなどを用いたり、また成長層をGaAs、AlGaAs、InGaP、InGaAsP、AlGaInPなど他の材料から成るものとしてもよい。また、レーザ構造単位の数は2には限定されず、3以上であってもよい。その場合は、各レーザ構造単位の間にそれぞれ、第1のレーザ構造単位101と第2のレーザ構造単位103の間と同様の構成を形成できる。
また、前記実施例1において、p型層21は、トンネル接合層7が形成されていない領域のみに設けてもよい。例えば、一旦、p型層21を全領域にわたって形成してから、一部を除去し、その除去した領域にトンネル接合層7を形成することができる。
また、前記実施例2及び実施例3において、n型層22は、トンネル接合層7が形成されていない領域のみに設けてもよい。例えば、一旦、n型層22を全領域にわたって形成してから、トンネル接合層7と重なる領域のn型層22を除去することができる。あるいは、当初から、トンネル接合層7が形成されていない領域のみに、n型層22を形成してもよい。
また、前記実施例2は、GaAs基板上に、GaAs、AlGaAs、AlGaInPを成長層として形成する構成であるが、これらに限るものではなく、基板にInPなどを用いたり、また成長層をInP、InGaAs、InGaP、InGaAsP、AlGaInAs、AlGaInAsなど他の材料から成るものとしてもよい。また、レーザ構造単位の数は2には限定されず、3以上であってもよい。その場合は、各レーザ構造単位の間にそれぞれ、第1のレーザ構造単位101と第2のレーザ構造単位103の間と同様の構成を形成できる。
また、前記実施例3は、InP基板上に、InP、AlGaInAs、InGaAs、AlInAsを成長層として形成する構成であるが、これらに限るものではなく、基板にGaAsなどを用いたり、また成長層をGaAs、AlGaAs、InGaP、InGaAsP、AlGaInPなど他の材料から成るものとしてもよい。また、レーザ構造単位の数は2には限定されず、3以上であってもよい。その場合は、各レーザ構造単位の間にそれぞれ、第1のレーザ構造単位101と第2のレーザ構造単位103の間と同様の構成を形成できる。
1・・・基板、2・・・第1のn型クラッド層、3・・・第1のn型光ガイド層、
4・・・第1の多重量子井戸活性層、5・・・第1のp型光ガイド層、
6・・・第1のp型クラッド層、7・・・トンネル接合層、7a・・・p型導電型層、
7b・・・n型導電型層、8・・・第2のn型クラッド層、
9・・・第2のn型光ガイド層、10・・・第2の多重量子井戸活性層、
11・・・第2のp型光ガイド層、12・・・第2のp型クラッド層、
13・・・p型コンタクト層、21・・・p型層、22・・・n型層、
31・・・SiO2層、31a・・・開口部、32・・・p側電極、
32a・・・電流注入ストライプ領域、33・・・n側電極、
101・・・第1のレーザ構造単位、103・・・第2のレーザ構造単位、
201・・・レーザ構造単位、203・・・n型クラッド層、205・・・発光層、
207・・・p型クラッド層、209・・・基板、211・・・トンネル接合層、
213・・・p側電極、215・・・絶縁層、217・・・n側電極

Claims (8)

  1. (a)n型クラッド層、(b)発光層、及び(c)p型クラッド層を積層して成るレーザ構造単位を複数備えるとともに、
    前記レーザ構造単位間の境界における一部の領域に、p型導電型層及びn型導電型層から成るトンネル接合層を備え、
    前記境界に、以下の(イ)、(ロ)のうちの一方又は両方を備えることを特徴とする半導体レーザ構造。
    (イ)前記一部以外の領域において、前記n型クラッド層に接し、そのn型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいn型の層
    (ロ)前記一部以外の領域において、前記p型クラッド層に接し、そのp型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいp型の層
  2. 前記(イ)の層、又は前記(ロ)の層は、Al及び/又はPを含むことを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ構造。
  3. 基板を備え、
    前記(イ)の層、又は前記(ロ)の層は、前記基板に対し、伸長歪みを有することを特徴とする請求項1又は2記載の半導体レーザ構造。
  4. 絶縁層により開口部を狭窄された電極を備え、
    前記半導体レーザ構造の各層に直交する方向から見たとき、前記一部は、前記開口部の範囲内にあることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ構造。
  5. 前記開口部の幅が50μm以上であることを特徴とする請求項4記載の半導体レーザ構造。
  6. 前記p型導電型層及び前記(ロ)の層におけるドーパントがZnであり、前記n型導電型層及び前記(イ)の層におけるドーパントがSeであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体レーザ構造。
  7. 前記(イ)の層は、前記境界に面する前記p型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体レーザ構造。
  8. 前記(ロ)の層は、前記境界に面する前記n型クラッド層よりもバンドギャップエネルギーが大きいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体レーザ構造。
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