JP2012241423A - 建設機械用アーム - Google Patents

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Abstract

【課題】 必要な強度を確保しつつアーム全体の重量を軽量化する。
【解決手段】 油圧ショベル1のアーム11を、左,右の側板12,13と、上板14と、下板15と、厚後板16とによって囲まれた箱型構造体として形成する。また、上板14を構成する後厚上板14Aの外面14A3に、バケットシリンダブラケット23の前部側と後厚上板14Aとの間に形成されたブラケット側溶接ビード26Aを囲むように補助溶接部材24を設け、この補助溶接部材24の外周縁部と後厚上板14Aとの間に全周に亘って隅肉溶接を施す。これにより、各バケットシリンダブラケット23に作用する負荷によって後厚上板14Aや各バケットシリンダブラケット23が大きく変形するのを抑えることができ、必要な強度を確保しつつ、アーム11全体の軽量化を図ることができる。
【選択図】 図9

Description

本発明は、例えば油圧ショベル等の建設機械に搭載された作業装置に好適に用いられる建設機械用アームに関する。
一般に、建設機械の代表例である油圧ショベルは、自走可能な下部走行体と、該下部走行体上に旋回可能に設けられた上部旋回体とを備え、上部旋回体を構成する旋回フレームの前部側には、土砂等の掘削作業を行う作業装置が俯仰動可能に設けられている。
ここで、油圧ショベルの作業装置は、通常、基端側が旋回フレームに回動可能に取付けられたブームと、該ブームの先端側に回動可能に取付けられたアームと、該アームの先端側に回動可能に取付けられたバケット等の作業具と、これらブーム、アーム、バケットを駆動するブームシリンダ、アームシリンダ、バケットシリンダとにより大略構成されている。
このような作業装置を構成するアームは、通常、全長が数メートルにも及ぶ長尺な溶接構造体として形成されている。即ち、アームは、左,右の側板と、これら左,右の側板の上端側に溶接により接合された上板と、左,右の側板の下端側に溶接により接合された下板と、左,右の側板と上板との後端側に溶接により接合された後板とにより、横断面が四角形の閉断面構造をなす箱型構造体として形成されている。
また、アームの後部下側には、ブームの先端側に連結ピンを用いて連結されるブーム連結ボスが設けられ、アームの後端側には、アームシリンダが連結ピンを用いて連結されるアームシリンダブラケットが設けられ、アームの後部上側には、バケットシリンダが連結ピンを用いて連結されるバケットシリンダブラケットが設けられている(特許文献1)。
特開2003−261956号公報
ところで、アームの後部側にはブーム連結ボス、アームシリンダブラケット、バケットシリンダブラケット等が設けられているため、アームに要求される強度は、後部側では大きく、前部側では小さくなっている。
これに対し、上述した従来技術によるアームは、通常、上板と下板とが、均等な板厚を有する鋼板材等の1枚の板材を用いて形成されている。このため、アームの前部側では、要求される強度に対して上板と下板の板厚が厚過ぎる傾向にあり、アーム全体の重量が必要以上に大きくなってしまうという問題がある。
一方、アームを構成する上板、下板、バケットシリンダブラケット等の板厚を薄くした場合には、アームの軽量化を図ることができる。しかし、バケットシリンダブラケットは、アームの上板に溶接によって接合され、バケットシリンダの伸縮に伴う大きな負荷が作用する。このため、薄肉な板材を用いて形成されたバケットシリンダブラケットと上板とが変形し易くなり、バケットシリンダブラケットと上板との溶接部(溶接ビード)に対し、大きな応力が作用することにより、バケットシリンダブラケットを含むアーム全体の耐久性が低下するという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、必要な強度を確保しつつ全体の重量を軽量化することができるようにした建設機械用アームを提供することを目的としている。
上述した課題を解決するため本発明は、左,右の側板と、該左,右の側板の上端側に溶接により接合された上板と、前記左,右の側板の下端側に溶接により接合された下板と、前記左,右の側板の後端側と前記上板の後端側とに溶接により接合された後板とにより横断面が四角形をなす箱型構造体として形成され、前記左,右の側板の後部下側に位置して、該左,右の側板と前記下板の後端と前記後板の前端とに溶接により接合されたブーム連結ボスを設け、前記左,右の側板、上板および下板の前端に溶接により接合されたバケット連結ボスを設け、前記上板の後端側の外面に溶接により接合された左,右一対のバケットシリンダブラケットとを設けてなる建設機械用アームに適用される。
そして、請求項1の発明の特徴は、前記上板の後部側の外面には、前記左,右一対のバケットシリンダブラケットと前記上板との溶接部を囲むように平板状の補助溶接部材を設け、該補助溶接部材の周囲に隅肉溶接を施す構成としたことにある。
請求項2の発明は、前記ブーム連結ボスと、前記上板の内面側であって前記バケットシリンダブラケットに設けられた連結ピンの位置よりも前側の位置との間に、補強用の内部隔壁を設け、前記補助溶接部材の後端は、前記内部隔壁の上端位置よりも後側まで延在させる構成としたことにある。
請求項3の発明は、前記上板の外面において前記バケットシリンダブラケットと前記補助溶接部材との間に生じる隙間は、前記バケットシリンダブラケットの溶接ビードと、前記補助溶接部材の溶接ビードとにより埋込む構成としたことにある。
請求項4の発明は、前記補助溶接部材は、平面視でM字形に形成し、該M字形補助溶接部材の前部側には、後方に向けて凹形状に切欠いた切欠部を設ける構成としたことにある。
請求項1の発明によれば、補助溶接部材を設けることにより、上板のうち各バケットシリンダブラケットが接合された部位の板厚を部分的に厚くすることができる。これにより、各バケットシリンダブラケットに作用する負荷によって上板や各バケットシリンダブラケットが大きく変形するのを抑え、アーム全体の耐久性を高めることができる。また、各バケットシリンダブラケットと上板との溶接部を囲む補助溶接部材の周囲に隅肉溶接を施すことにより、各バケットシリンダブラケットと上板との溶接部を、補助溶接部材と上板との間に形成される溶接ビードによって補強することができる。このため、各バケットシリンダブラケットと上板との溶接部に生じる応力を低減することができる。この結果、上板や各バケットシリンダブラケットの板厚を厚くすることなく、これら上板や各バケットシリンダブラケットの強度を高めることができ、必要な強度を確保しつつアーム全体の軽量化を図ることができる。
請求項2の発明によれば、ブーム連結ボスと上板の内面との間に内部隔壁を設けることにより、上板が内面側に沈み込むように変形するのを内部隔壁によって抑えることができる。この場合、補助溶接部材の後端は、内部隔壁の上端位置よりも後側まで延在しているので、補助溶接部材によって上板の板厚を大きくする効果と、内部隔壁によって上板を内面側から支える効果とを同時に得ることができ、上板、各バケットシリンダブラケット及び補助溶接部材の強度を一層高めることができる。
請求項3の発明によれば、上板の外面に接合されたバケットシリンダブラケットと補助溶接部材との間の隙間を、バケットシリンダブラケットと上板との間に形成される溶接ビードと、補助溶接部材と上板との間に形成される溶接ビードとによって埋込むことができる。これにより、バケットシリンダブラケットと上板との間に形成された溶接ビードと補助溶接部材と上板との間に形成される溶接ビードとを一体化させることができる。この結果、バケットシリンダブラケットに負荷が作用したときに、当該バケットシリンダブラケットと上板との間の溶接ビードに応力が集中するのを抑えることができ、上板に対するバケットシリンダブラケットの接合強度を高めることができる。
請求項4の発明によれば、M字形をなす補助溶接部材の前部側に凹形状の切欠部を設けたので、補助溶接部材の周囲に隅肉溶接を施すことにより溶接長さを大きく確保することができる。この結果、上板に対する補助溶接部材の接合強度を高めることができ、この補助溶接部材によって補強される上板とバケットシリンダブラケットとの溶接部の強度を一層高めることができる。
本発明に係るアームを備えた建設機械としての油圧ショベルを示す正面図である。 アームを単体で示す正面図である。 アームを図2中の矢示III−III方向からみた平面図である。 アームを図3中の矢示IV−IV方向からみた断面図である。 図4中の後厚上板、前薄上板、後厚下板、前薄下板、厚後板等を示す拡大断面図である。 左,右の側板、後厚上板、後厚下板等を図5中の矢示VI−VI方向からみた断面図である。 右側板を取外した状態でアームの内部を示す斜視図である。 アームを構成する側板、上板、下板、後板、ブーム連結ボス、アームシリンダブラケット、バケットシリンダブラケット等を分解して示す分解斜視図である。 図3中の上板、バケットシリンダブラケット、補助溶接部材等を拡大して示す要部拡大図である。 上板、バケットシリンダブラケット、補助溶接部材の溶接部を図9中の矢示X−X方向からみた断面図である。 上板とバケットシリンダブラケットとの溶接部の近傍に補助溶接部材を配置する状態を示す断面図である。 上板とバケットシリンダブラケットとの間の溶接ビードと補助溶接部材との間を溶接する状態を示す断面図である。 補助溶接部材の変形例を示す図9と同様な要部拡大図である。
以下、本発明に係る建設機械用アームの実施の形態を、油圧ショベルのアームに適用した場合を例に挙げ、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図中、1は建設機械の代表例としての油圧ショベルを示し、該油圧ショベル1は、自走可能なクローラ式の下部走行体2と、該下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3と、該上部旋回体3のベースとなる旋回フレーム3Aの前部側に俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成されている。
作業装置4は、基端部が旋回フレーム3Aの前部側に俯仰動可能にピン結合されたブーム5と、基端部がブーム5の先端部に回動可能にピン結合された後述のアーム11と、該アーム11の先端部に回動可能にピン結合されたバケット6と、アーム11の先端側とバケット6との間に設けられたバケットリンク7と、ブーム5を旋回フレーム3Aに対して俯仰動させるブームシリンダ8と、アーム11をブーム5に対して回動させるアームシリンダ9と、バケット6をアーム11に対して回動させるバケットシリンダ10とにより構成されている。
ここで、バケットリンク7は、一端側がアーム11の先端側に連結された後リンク7Aと、一端側が後リンク7Aの他端側に連結され他端側がバケット6に連結された前リンク7Bとにより構成されている。一方、バケットシリンダ10のボトム側は、後述するアーム11に設けられたバケットシリンダブラケット23に連結ピン10Aを用いて取付けられ、バケットシリンダ10のロッド側は、バケットリンク7の後リンク7Aと前リンク7Bとの連結部分に連結ピン10Bを用いて接続されている。
次に、本実施の形態によるアームについて、図2ないし図8を参照して説明する。
11はブーム5の先端部に回動可能に取付けられたアームを示している。このアーム11は、全体として前,後方向に延びる長尺な箱型構造体として形成され、アームシリンダ9によりブーム5に対して上,下方向に回動するものである。
ここで、アーム11は、後述する左,右の側板12,13と、上板14と、下板15と、厚後板16とにより形成され、該アーム11は、全体として横断面が四角形の閉断面構造をなす箱型構造体をなしている。また、アーム11の後部側(ブーム5側)には後述のブーム連結ボス18、アームシリンダブラケット22、バケットシリンダブラケット23等が設けられ、アーム11の前部側(バケット6側)には後述のバケット連結ボス20、後リンク連結ボス21等が設けられている。
12はアーム11の左側面を構成する左側板を示し、該左側板12は、後述する右側板13と左,右方向で対面しつつ前,後方向に延びている。ここで、図4および図8に示すように、左側板12は、前,後方向の後側に位置し後述のブーム連結ボス18が固定される後厚側板12Aと、前,後方向の前側に位置し後述のバケット連結ボス20、後リンク連結ボス21が固定される前薄側板12Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後厚側板12Aは、板厚が厚い鋼板材等の板材を用いて形成され、上板接合部12A1と、下板接合部12A2と、後板接合部12A3と、前薄側板接合部12A4とによって囲まれた六角形状をなしている。この場合、前薄側板接合部12A4は、上板接合部12A1から下板接合部12A2に向けて斜め前方に延びることにより、後厚側板12Aと前薄側板12Bとの接合部の長さを大きく確保する構成となっている。また、下板接合部12A2と後板接合部12A3とが交わる角隅部には、ブーム連結ボス18のフランジ部18Bを接合するために円弧状に切欠かれたブーム連結ボス接合部12A5が設けられている。
一方、前薄側板12Bは、後厚側板12Aよりも板厚が薄い鋼板材等の板材を用いて形成され、上板接合部12B1と、下板接合部12B2と、バケット連結ボス接合部12B3と、後厚側板接合部12B4とによって囲まれた四角形状をなしている。この場合、後厚側板接合部12B4は、上板接合部12B1から下板接合部12B2に向けて斜め前方に延びている。また、前薄側板12Bの前端側には、後リンク連結ボス21のフランジ部21Bを接合するための円形孔からなる後リンク連結ボス接合部12B5が設けられている。
そして、後厚側板12Aの前薄側板接合部12A4と、前薄側板12Bの後厚側板接合部12B4とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後厚側板12Aと前薄側板12Bとの2部材が接合された左側板12が形成されている。
この場合、図6に示すように、左側板12を構成する後厚側板12Aの板厚を12Atとし、前薄側板12Bの板厚を12Btとすると、板厚12Atと板厚12Btとの関係は、下記数1のように設定されている。
Figure 2012241423
13はアーム11の右側面を構成する右側板を示し、該右側板13は、左側板12と同一形状を有している。即ち、右側板13は、前,後方向の後側に位置し後述のブーム連結ボス18が固定される後厚側板13Aと、前,後方向の前側に位置し後述のバケット連結ボス20、後リンク連結ボス21が固定される前薄側板13Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後厚側板13Aは、板厚が厚い鋼板材等の板材を用いて形成され、上板接合部13A1と、下板接合部13A2と、後板接合部13A3と、前薄側板接合部13A4とによって囲まれた六角形状をなしている。また、下板接合部13A2と後板接合部13A3とが交わる角隅部には、円弧状に切欠かれたブーム連結ボス接合部13A5が設けられている。
一方、前薄側板13Bは、後厚側板13Aよりも板厚が薄い鋼板材等の板材を用いて形成され、上板接合部13B1と、下板接合部13B2と、バケット連結ボス接合部13B3と、後厚側板接合部13B4とによって囲まれた四角形状をなしている。また、前薄側板13Bの前端側には、円形孔からなる後リンク連結ボス接合部13B5が設けられている。
そして、後厚側板13Aの前薄側板接合部13A4と、前薄側板13Bの後厚側板接合部13B4とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後厚側板13Aと前薄側板13Bとの2部材が接合された右側板13が形成されている。
この場合、右側板13を構成する後厚側板13Aの板厚を13Atとし、前薄側板13Bの板厚を13Btとすると、板厚13Atと板厚13Btとの関係は、下記数2のように設定されている。
Figure 2012241423
次に、14はアーム11の上面を構成する上板を示し、この上板14は、左,右の側板12,13の上端側に接合され、前,後方向に延びている。ここで、上板14は、前,後方向の後側に位置し後述のバケットシリンダブラケット23が固定される後厚上板14Aと、前,後方向の前側に位置する前薄上板14Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後厚上板14Aは、板厚が厚い鋼板材等の板材を用いて前,後方向に延びる長方形の板状に形成され、バケットシリンダブラケット23よりも後側の部位が、僅かに斜め下向きに屈曲している。また、後厚上板14Aの後端縁は、後述の厚後板16に接合される後板接合部14A1となり、後厚上板14Aの前端縁は、前薄上板14Bに接合される前薄上板接合部14A2となっている。また、後厚上板14Aの外面14A3には、後述のバケットシリンダブラケット23が接合され、後厚上板14Aの内面14A4には、後述する内部隔壁19の上端部19Aが接合されている。
一方、前薄上板14Bは、後厚上板14Aよりも板厚が薄い鋼板材等の板材を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成されている。また、前薄上板14Bの後端縁は後厚上板接合部14B1となり、前薄上板14Bの前端縁は、後述するバケット連結ボス20に接合されるバケット連結ボス接合部14B2となっている。
そして、後厚上板14Aの前薄上板接合部14A2と、前薄上板14Bの後厚上板接合部14B1とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後厚上板14Aと前薄上板14Bとの2部材が接合された上板14が形成されている。
この場合、図5に示すように、上板14を構成する後厚上板14Aの板厚を14Atとし、前薄上板14Bの板厚を14Btとすると、板厚14Atと板厚14Btとの関係は、下記数3のように設定されている。
Figure 2012241423
次に、15はアーム11の下面を構成する下板を示し、この下板15は、左,右の側板12,13の下端側に接合され、前,後方向に延びている。ここで、下板15は、前,後方向の後側に位置する後厚下板15Aと、前,後方向の前側に位置する前薄下板15Bとの2部材を接合することにより形成されている。
後厚下板15Aは、板厚が厚い鋼板材等の板材を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成されている。また、後厚下板15Aの後端縁は、後述のブーム連結ボス18に接合されるブーム連結ボス接合部15A1となり、後厚下板15Aの前端縁は、前薄下板15Bに接合される前薄下板接合部15A2となっている。
一方、前薄下板15Bは、後厚下板15Aよりも板厚が薄い鋼板材等の板材を用いて前,後方向に延びる長方形の平板状に形成されている。また、前薄下板15Bの後端縁は後厚下板接合部15B1となり、前薄下板15Bの前端縁は、後述するバケット連結ボス20に接合されるバケット連結ボス接合部15B2となっている。
そして、後厚下板15Aの前薄下板接合部15A2と、前薄下板15Bの後厚下板接合部15B1とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施すことにより、後厚下板15Aと前薄下板15Bとの2部材が接合された下板15が形成されている。
この場合、図5に示すように、下板15を構成する後厚下板15Aの板厚を15Atとし、前薄下板15Bの板厚を15Btとすると、板厚15Atと板厚15Btとの関係は、下記数4のように設定されている。
Figure 2012241423
次に、16はアーム11の後面を構成する厚後板を示し、該厚後板16は、鋼板材等の板材を用いて長方形の板状に形成され、長さ方向の中央部がく字型に屈曲している(図5参照)。この厚後板16の板厚16tは、左側板12を構成する後厚側板12Aの板厚12At、右側板13を構成する後厚側板13Aの板厚13At、上板14を構成する後厚上板14Aの板厚14At、下板15を構成する後厚下板15Aの板厚15Atと同じ厚さ、またはこれら以上の厚さを有し、下記数5のように設定されている。
Figure 2012241423
ここで、厚後板16は、左,右の側板12,13と上板14との後端側に溶接によって接合され、中空なアーム11の後端部を閉塞するものである。この場合、厚後板16は、左側板12を構成する後厚側板12Aの後板接合部12A3と、右側板13を構成する後厚側板13Aの後板接合部13A3と、上板14を構成する後厚上板14Aの後板接合部14A1とに溶接によって接合されている。また、厚後板16の前端縁は、後述のブーム連結ボス18に接合されるブーム連結ボス接合部16Aとなり、厚後板16の外面には、後述するアームシリンダブラケット22が固定される構成となっている。
そして、左側板12を構成する後厚側板12Aの上板接合部12A1と上板14との間、前薄側板12Bの上板接合部12B1と上板14との間に隅肉溶接を施すと共に、右側板13を構成する後厚側板13Aの上板接合部13A1と上板14との間、前薄側板13Bの上板接合部13B1と上板14との間に隅肉溶接を施すことにより、左,右の側板12,13の上端部に上板14が強固に接合されている。
また、左側板12を構成する後厚側板12Aの下板接合部12A2と下板15との間、前薄側板12Bの下板接合部12B2と下板15との間に隅肉溶接を施すと共に、右側板13を構成する後厚側板13Aの下板接合部13A2と下板15との間、前薄側板13Bの下板接合部13B2と下板15との間に隅肉溶接を施すことにより、左,右の側板12,13の下端部に下板15が強固に接合されている。
さらに、左側板12を構成する後厚側板12Aの後板接合部12A3と厚後板16との間、右側板13を構成する後厚側板13Aの後板接合部13A3と厚後板16との間、上板14を構成する後厚上板14Aの後板接合部14A1と厚後板16との間に、それぞれ隅肉溶接を施すことにより、左,右の側板12,13と上板14との後端側に厚後板16が強固に接合されている。
ここで、図4および図5に示すように、左側板12を構成する後厚側板12Aと前薄側板12Bとの接合部についてみると、この接合部の上端部12Cは、上板14の後厚上板14Aの中間部の位置で接合され、接合部の下端部12Dは、下板15の後厚下板15Aの前部側の位置で接合されている。一方、図2に示すように、右側板13を構成する後厚側板13Aと前薄側板13Bとの接合部についてみると、この接合部の上端部13Cは、上板14の後厚上板14Aの中間部の位置で接合され、接合部の下端部13Dは、下板15の後厚下板15Aの前部側の位置で接合されている。
17は左,右の側板12,13の後厚側板12A,13Aと厚後板16との間にそれぞれ設けられた左,右の裏当て材を示している。この裏当て材17は、例えば細長い角材を略く字形に折曲げることにより形成され、後厚側板12A,13Aの後板接合部12A3,13A3の内面にスポット溶接等によって固定されている。
そして、左側板12を構成する後厚側板12Aの後板接合部12A3を厚後板16に溶接するときに、当該後板接合部12A3を裏当て材17を利用して完全溶接すると共に、右側板13を構成する後厚側板13Aの後板接合部13A3を厚後板16に溶接するときに、当該後板接合部12A3を裏当て材17を利用して完全溶接する構成となっている。
次に、18は左,右の側板12,13の後部下側に設けられたブーム連結ボスを示し、該ブーム連結ボス18は、図1に示すブーム5とアーム11との間を回動可能に連結する連結ピン(図示せず)が挿通されるものである。ここで、ブーム連結ボス18は、左,右方向に延びる中空な円筒ボス部18Aと、該円筒ボス部18Aの左,右方向の両端側に設けられた円弧状の平板からなる左,右のフランジ部18Bとにより構成されている。
そして、ブーム連結ボス18の円筒ボス部18Aは、下板15を構成する後厚下板15Aのブーム連結ボス接合部15A1と、厚後板16のブーム連結ボス接合部16Aとに溶接によって接合されている。また、ブーム連結ボス18の左,右のフランジ部18Bは、左側板12を構成する後厚側板12Aのブーム連結ボス接合部12A5と、右側板13を構成する後厚側板13Aのブーム連結ボス接合部13A5とに、それぞれ溶接によって接合されている。
次に、19は上板14を構成する後厚上板14Aの内面14A4とブーム連結ボス18との間に設けられた内部隔壁を示し、該内部隔壁19は、アーム11内に2つの閉空間を形成するように配置され、アーム11の剛性を高めるものである。この内部隔壁19は、左,右の側板12,13の間隔とほぼ等しい左,右方向の幅寸法を有する長方形の平板からなっている。
図4および図5に示すように、内部隔壁19の上端部19Aは、後厚上板14Aの内面14A4のうち、前薄上板14Bとの接合部の近傍部位に溶接によって接合され、内部隔壁19の下端部19Bは、ブーム連結ボス18の円筒ボス部18Aに溶接によって接合されている。ここで、内部隔壁19の上端部19Aは、後述するバケットシリンダブラケット23のピン挿通孔23Aよりも前側の位置、即ち、図1に示すバケットシリンダ10が連結される連結ピン10Aよりも前側の位置で、後厚上板14Aの内面14A4に接合されている。
20は左,右の側板12,13、上板14および下板15の前端部に設けられたバケット連結ボスを示し、該バケット連結ボス20は、図1に示すバケット6とアーム11との間を回動可能に連結する連結ピン(図示せず)が挿通されるものである。このバケット連結ボス20は、左,右方向に延びる中空な円筒ボス部20Aと、該円筒ボス部20Aの左,右方向の両端側に設けられた平板状の左,右の鍔部20Bとにより構成されている。
ここで、バケット連結ボス20の円筒ボス部20Aは、上板14を構成する前薄上板14Bのバケット連結ボス接合部14B2と、下板15を構成する前薄下板15Bのバケット連結ボス接合部15B2とに溶接によって接合されている。また、バケット連結ボス20の左,右の鍔部20Bは、左側板12を構成する前薄側板12Bのバケット連結ボス接合部12B3と、右側板13を構成する前薄側板13Bのバケット連結ボス接合部13B3とに、それぞれ溶接によって接合されている。
21はバケット連結ボス20に隣接して左,右の側板12,13の前端側に設けられた後リンク連結ボスを示し、該後リンク連結ボス21は、図1に示すバケットリンク7の後リンク7Aとアーム11との間を回動可能に連結する連結ピン(図示せず)が挿通されるものである。ここで、後リンク連結ボス21は、左,右方向に延びる中空な円筒ボス部21Aと、該円筒ボス部21Aの左,右方向の両端側に設けられた円板状の左,右のフランジ部21Bとにより構成されている。そして、後リンク連結ボス21の左,右のフランジ部21Bは、左側板12を構成する前薄側板12Bの後リンク連結ボス接合部12B5と、右側板13を構成する前薄側板13Bの後リンク連結ボス接合部13B5とに、それぞれ溶接によって接合されている。
次に、22は厚後板16の外面に設けられた左,右一対のアームシリンダブラケットを示している。これら各アームシリンダブラケット22は、図1に示すアームシリンダ9のロッド先端が、連結ピン(図示せず)を介して回動可能に連結されるものである。ここで、各アームシリンダブラケット22は、鋼板材等の板材を用いてほぼ三角形状をなす板体として形成され、その先端側には、上述の連結ピンを挿通するためのピン挿通孔22Aが穿設されている。そして、左,右一対のアームシリンダブラケット22は、左,右方向に一定の間隔を保った状態で、厚後板16の外面に溶接によって接合されている。
23は上板14を構成する後厚上板14Aの外面14A3に設けられた左,右一対のバケットシリンダブラケットを示している。これら各バケットシリンダブラケット23は、図1に示すバケットシリンダ10のボトム側が、連結ピン10Aを介して回動可能に連結されるものである。ここで、各バケットシリンダブラケット23は、鋼板材等の板材を用いてほぼ三角形状をなす板体として形成され、その先端側には、上述の連結ピン10Aを挿通するためのピン挿通孔23Aが穿設されている。そして、左,右一対のバケットシリンダブラケット23は、左,右方向に一定の間隔を保った状態で、上板14を構成する後厚上板14Aの外面14A3に溶接によって接合されている。
次に、24は本実施の形態に用いる補助溶接部材を示している。この補助溶接部材24は、上板14の後厚上板14Aと各バケットシリンダブラケット23との溶接部を囲むように、後厚上板14Aの外面14A3に設けられている。ここで、図8ないし図10に示すように、補助溶接部材24は、上方からみた平面視で略M字形をなす平板として形成されている。即ち、補助溶接部材24は、全体として後厚上板14Aの左,右方向の幅寸法よりも若干小さい幅寸法を有する四角形の平板からなり、左,右方向の中間部に位置し前端部24Aから後方に向けて凹形状に切欠かれた切欠部24Bと、後端部24Cから前方へと延びる左,右一対の溝部24Dとを有している。
そして、補助溶接部材24は、一対の溝部24D内に各バケットシリンダブラケット23の前部側を挿通した状態で、後厚上板14Aの外面14A3上に配置され、この補助溶接部材24の周囲(外周縁部)は、全周に亘って後厚上板14Aの外面14A3に隅肉溶接されている。これにより、図10に示すように、後厚上板14Aの板厚14Atに補助溶接部材24の板厚24tが重畳され、後厚上板14Aのうちバケットシリンダブラケット23が接合された部位の板厚を部分的に厚くすることができる構成となっている。
また、図5に示すように、補助溶接部材24の前端部24Aは、バケットシリンダブラケット23のうち、図1に示すバケットシリンダ10を連結する連結ピン10Aの位置、即ち、ピン挿通孔23Aの位置よりも前側に配置され、補助溶接部材24の後端部24Cは、後厚上板14Aの内面14A4に接合された内部隔壁19の上端部19Aよりも後側に配置されている。このように、補助溶接部材24は、内部隔壁19の上端部19Aを挟んで前,後方向に延びるように配置されている。
一方、図11および図12に示すように、後厚上板14Aの外面14A3とバケットシリンダブラケット23との接合部には、後述の溶接ビード26を構成するブラケット側溶接ビード26Aが形成されているため、補助溶接部材24の溝部24Dをバケットシリンダブラケット23の前部側に挿通した状態では、補助溶接部材24の溝部24Dとバケットシリンダブラケット23との間には隙間25が形成される。
この状態で、補助溶接部材24に設けられた溝部24Dの周縁部に対し、例えば溶接トーチ100を用いて隅肉溶接を施すことにより、バケットシリンダブラケット23と後厚上板14Aとの間に形成されたブラケット側溶接ビード26Aと、補助溶接部材24の溝部24Dと後厚上板14Aとの間に形成される補助溶接部材側溶接ビード26Bとが一体化した溶接ビード26が形成され、この溶接ビード26によって、補助溶接部材24の溝部24Dとバケットシリンダブラケット23との間に形成された隙間25を埋込むことができる。
これにより、図10に示すように、補助溶接部材24の各溝部24Dと各バケットシリンダブラケット23との間を、滑らかに連続する溶接ビード26によって接合することができ、後厚上板14Aに接合された各バケットシリンダブラケット23を、補助溶接部材24によって補強することができる構成となっている。また、補助溶接部材24の前端部24Aに凹形状の切欠部24Bを設け、この切欠部24Bの周囲に隅肉溶接を施すことにより、後厚上板14Aに対する補助溶接部材24の溶接長さを大きく確保することができる構成となっている。
本実施の形態によるアーム11は上述の如き構成を有するもので、このアーム11を製造する手順の一例を図8を参照して説明する。
まず、左側板12を構成する後厚側板12Aの前薄側板接合部12A4と、前薄側板12Bの後厚側板接合部12B4とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施す。これにより、後厚側板12Aと前薄側板12Bとの2部材が接合された左側板12を形成することができる。また、右側板13を構成する後厚側板13Aの前薄側板接合部13A4と、前薄側板13Bの後厚側板接合部13B4とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施す。これにより、後厚側板13Aと前薄側板13Bとの2部材が接合された右側板13を形成することができる。この場合、左側板12を構成する後厚側板12Aの後板接合部12A3の内面と、右側板13を構成する後厚側板13Aの後板接合部13A3の内面には、それぞれ裏当て材17がスポット溶接等によって予め固定されている。
次に、左側板12の後厚側板12Aに設けたブーム連結ボス接合部12A5と、右側板13の後厚側板13Aに設けたブーム連結ボス接合部13A5とに対し、ブーム連結ボス18の左,右のフランジ部18Bをそれぞれ溶接によって接合する。また、左側板12の前薄側板12Bに設けた後リンク連結ボス接合部12B5と、右側板13の前薄側板13Bに設けた後リンク連結ボス接合部13B5とに対し、後リンク連結ボス21の左,右のフランジ部21Bをそれぞれ溶接によって接合する。さらに、左側板12の前薄側板12Bに設けたバケット連結ボス接合部12B3と、右側板13の前薄側板13Bに設けたバケット連結ボス接合部13B3とに対し、バケット連結ボス20の左,右の鍔部20Bをそれぞれ溶接によって接合する。
一方、上板14を構成する後厚上板14Aの前薄上板接合部14A2と、前薄上板14Bの後厚上板接合部14B1とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施す。これにより、後厚上板14Aと前薄上板14Bとの2部材が接合された上板14を形成することができる。
次に、下板15を構成する後厚下板15Aの前薄下板接合部15A2と、前薄下板15Bの後厚下板接合部15B1とを突合せた状態で、両者間に突合せ溶接を施す。これにより、後厚下板15Aと前薄下板15Bとの2部材が接合された下板15を形成することができる。
次に、左側板12と右側板13との上端側に上板14を配置し、左側板12を構成する後厚側板12Aの上板接合部12A1および前薄側板12Bの上板接合部12B1と、上板14との間に全長に亘って隅肉溶接を施す。また、右側板13を構成する後厚側板13Aの上板接合部13A1および前薄側板13Bの上板接合部13B1と上板14との間に全長に亘って隅肉溶接を施す。さらに、上板14を構成する前薄上板14Bのバケット連結ボス接合部14B2を、バケット連結ボス20の円筒ボス部20Aに溶接によって接合する。これにより、左,右の側板12,13の上端側に上板14を接合することができる。
一方、内部隔壁19を用意し、この内部隔壁19の上端部19Aを、上板14を構成する後厚上板14Aのうち前薄上板14Bとの接合部の近傍部位に溶接すると共に、内部隔壁19の下端部19Bを、ブーム連結ボス18の円筒ボス部18Aに溶接する。また、内部隔壁19の左,右の側端部19Cを、左側板12を構成する後厚側板12Aと前薄側板12Bとの内面に溶接すると共に、右側板13を構成する後厚側板13Aと前薄側板13Bとの内面に溶接する。
次に、左側板12と右側板13との下端側に下板15を配置し、左側板12を構成する後厚側板12Aの下板接合部12A2および前薄側板12Bの下板接合部12B2と、下板15との間に全長に亘って隅肉溶接を施す。また、右側板13を構成する後厚側板13Aの下板接合部13A2および前薄側板13Bの下板接合部13B2と下板15との間に全長に亘って隅肉溶接を施す。さらに、下板15を構成する後厚下板15Aのブーム連結ボス接合部15A1を、ブーム連結ボス18の円筒ボス部18Aに溶接によって接合すると共に、下板15を構成する前薄下板15Bのバケット連結ボス接合部15B2を、バケット連結ボス20の円筒ボス部20Aに溶接によって接合する。これにより、左,右の側板12,13の下端側に下板15を接合することができる。
このようにして、左,右の側板12,13の上端側に上板14を接合し、下端側に下板15を接合した後には、厚後板16を用意する。そして、左側板12の後厚側板12Aに固定した裏当て材17と厚後板16とを当接させた状態で、後厚側板12Aの後板接合部12A3と厚後板16との間に隅肉溶接を施こす。また、右側板13の後厚側板13Aに固定した裏当て材17と厚後板16とを当接させた状態で、後厚側板13Aの後板接合部13A3と厚後板16との間に隅肉溶接を施こす。一方、上板14を構成する後厚上板14Aの後板接合部14A1と厚後板16との間に隅肉溶接を施すと共に、厚後板16のブーム連結ボス接合部16Aを、ブーム連結ボス18の円筒ボス部18Aに溶接する。
また、厚後板16の外面に左,右一対のアームシリンダブラケット22を溶接によって接合する。さらに、上板14を構成する後厚上板14Aの外面14A3に、左,右一対のバケットシリンダブラケット23を溶接によって接合する。
次に、各バケットシリンダブラケット23の前部側と後厚上板14Aとの間に形成されたブラケット側溶接ビード26Aを囲むように、後厚上板14Aの外面14A3上に補助溶接部材24を設ける。即ち、補助溶接部材24の各溝部24D内にバケットシリンダブラケット23の前部側を挿通した状態で、後厚上板14Aの外面14A3上に補助溶接部材24を配置し、この補助溶接部材24の外周縁部を、全周に亘って後厚上板14Aの外面14A3に隅肉溶接する。これにより、図10に示すように、後厚上板14Aの板厚14Atに補助溶接部材24の板厚24tを重畳することができ、後厚上板14Aのうちバケットシリンダブラケット23が接合された部位の板厚を部分的に厚くすることができる。
この場合、図11および図12に示すように、後厚上板14Aの外面14A3とバケットシリンダブラケット23との接合部にはブラケット側溶接ビード26Aが形成されているため、補助溶接部材24の溝部24Dをバケットシリンダブラケット23の前部側に挿通した状態では、補助溶接部材24の溝部24Dとバケットシリンダブラケット23との間には隙間25が形成されている。
この状態で、補助溶接部材24に設けられた溝部24Dの周縁部に対し、例えば溶接トーチ100を用いて隅肉溶接を施すことにより、バケットシリンダブラケット23と後厚上板14Aとの間に形成されたブラケット側溶接ビード26Aと、補助溶接部材24の溝部24Dと後厚上板14Aとの間に形成される補助溶接部材側溶接ビード26Bとが溶込んで一体化した溶接ビード26を形成することができる。従って、この溶接ビード26によって、補助溶接部材24の溝部24Dとバケットシリンダブラケット23との間に形成された隙間25を埋込むことができ、図10に示すように、補助溶接部材24の各溝部24Dと各バケットシリンダブラケット23との間を、滑らかに連続する溶接ビード26によって接合することができる。
このようにして、左,右の側板12,13、上板14、下板15、厚後板16等を互いに溶接することにより、横断面が四角形の閉断面構造をなすアーム11を形成することができる。
この場合、本実施の形態によれば、上板14を構成する後厚上板14Aの外面14A3に、バケットシリンダブラケット23の前部側と後厚上板14Aとの間に形成されたブラケット側溶接ビード26A(溶接部)を囲むように補助溶接部材24を設け、この補助溶接部材24の外周縁部と後厚上板14Aとの間に全周に亘って隅肉溶接を施す構成としている。
これにより、図10に示すように、後厚上板14Aの板厚14Atに補助溶接部材24の板厚24tを重畳することができ、後厚上板14Aのうちバケットシリンダブラケット23が接合された部位の板厚を部分的に厚くすることができる。このため、各バケットシリンダブラケット23に作用する負荷によって後厚上板14Aや各バケットシリンダブラケット23が大きく変形するのを抑え、アーム11全体の耐久性を高めることができる。
しかも、補助溶接部材24の溝部24Dをバケットシリンダブラケット23の前部側に挿通した状態で、補助溶接部材24に設けられた溝部24Dの周縁部に隅肉溶接を施すことにより、バケットシリンダブラケット23と後厚上板14Aとの間に形成されたブラケット側溶接ビード26Aと、補助溶接部材24の溝部24Dと後厚上板14Aとの間に形成される補助溶接部材側溶接ビード26Bとが溶込んで一体化した溶接ビード26を形成することができる。これにより、図10に示すように、補助溶接部材24の各溝部24Dと各バケットシリンダブラケット23との間を、滑らかに連続する溶接ビード26によって接合することができる。
この結果、後厚上板14Aに接合された各バケットシリンダブラケット23を、補助溶接部材24によって補強することができ、各バケットシリンダブラケット23の板厚を厚くすることなく、後厚上板14Aに対する各バケットシリンダブラケット23の接合強度を高めることができるので、必要な強度を確保しつつアーム11全体の軽量化を図ることができる。
また、補助溶接部材24には、その前端部24Aから後方に向けて凹形状をなす切欠部24Bを設けたので、この切欠部24Bの周囲に隅肉溶接を施すことにより、後厚上板14Aに対する補助溶接部材24の溶接長さを大きく確保することができ、この補助溶接部材24によって補強される後厚上板14Aとバケットシリンダブラケット23との溶接部の強度を高めることができる。
さらに、ブーム連結ボス18と後厚上板14Aの内面14A4との間に内部隔壁19を設けたので、後厚上板14Aが内面14A4側に沈み込むように変形するのを内部隔壁19によって抑えることができる。この場合、補助溶接部材24の後端部24Cは、内部隔壁19の上端部19Aの位置よりも後側まで延在しているので、補助溶接部材24を接合することにより後厚上板14Aの板厚を大きくする効果と、内部隔壁19によって後厚上板14Aを内面14A4側から支える効果とを同時に得ることができ、後厚上板14A、各バケットシリンダブラケット23及び補助溶接部材24の強度を一層高めることができる。
なお、上述した実施の形態では、切欠部24Bと左,右の溝部24Dとを有する1個のM字形の補助溶接部材24を用いた場合を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図13に示す変形例のように、左,右のバケットシリンダブラケット23に対して1個ずつ、合計2個の補助溶接部材27を設ける構成としてもよい。この補助溶接部材27は、前,後方向に延びる長方形状の平板により形成し、前,後方向に延びる1本の溝部27A内にバケットシリンダブラケット23を挿通した状態で、その外周縁部を全周に亘って後厚上板14Aの外面14A3に隅肉溶接する。
また、上述した実施の形態では、アーム11を組立てる手順の一例として、左,右の側板12,13にブーム連結ボス18、バケット連結ボス20、後リンク連結ボス21を接合した後、各側板12,13に上板14を接合し、上板14とブーム連結ボス18との間に内部隔壁19を接合した後、各側板12,13に下板15と厚後板16とを接合した場合を例示している。しかし、本発明によるアーム11の組立手順は本実施の形態に限るものではなく、アーム11を組立てる手順は適宜に変更することができるものである。
さらに、上述した実施の形態では、建設機械としてクローラ式の油圧ショベル1を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、例えばホイール式油圧ショベルに用いられるアーム等の他の建設機械用のアームにも広く適用することができる。
1 油圧ショベル(建設機械)
10 バケットシリンダ
10A 連結ピン
11 アーム
12 左側板
13 右側板
14 上板
14A 後厚上板
14A3 外面
15 下板
16 厚後板(後板)
18 ブーム連結ボス
19 内部隔壁
19A 上端部
20 バケット連結ボス
23 バケットシリンダブラケット
24,27 補助溶接部材
24A 前端部
24B 切欠部
24C 後端部
25 隙間
26 溶接ビード
26A ブラケット側溶接ビード
26B 補助溶接部材側溶接ビード

Claims (4)

  1. 左,右の側板と、該左,右の側板の上端側に溶接により接合された上板と、前記左,右の側板の下端側に溶接により接合された下板と、前記左,右の側板の後端側と前記上板の後端側とに溶接により接合された後板とにより横断面が四角形をなす箱型構造体として形成され、
    前記左,右の側板の後部下側に位置して、該左,右の側板と前記下板の後端と前記後板の前端とに溶接により接合されたブーム連結ボスを設け、
    前記左,右の側板、上板および下板の前端に溶接により接合されたバケット連結ボスを設け、
    前記上板の後端側の外面に溶接により接合された左,右一対のバケットシリンダブラケットとを設けてなる建設機械用アームにおいて、
    前記上板の後部側の外面には、前記左,右一対のバケットシリンダブラケットと前記上板との溶接部を囲むように平板状の補助溶接部材を設け、
    該補助溶接部材の周囲に隅肉溶接を施す構成としたことを特徴とする建設機械用アーム。
  2. 前記ブーム連結ボスと、前記上板の内面側であって前記バケットシリンダブラケットに設けられた連結ピンの位置よりも前側の位置との間に、補強用の内部隔壁を設け、
    前記補助溶接部材の後端は、前記内部隔壁の上端位置よりも後側まで延在させる構成としてなる請求項1に記載の建設機械用アーム。
  3. 前記上板の外面において前記バケットシリンダブラケットと前記補助溶接部材との間に生じる隙間は、前記バケットシリンダブラケットの溶接ビードと、前記補助溶接部材の溶接ビードとにより埋込む構成としてなる請求項1または2に記載の建設機械用アーム。
  4. 前記補助溶接部材は、平面視でM字形に形成し、
    該M字形補助溶接部材の前部側には、後方に向けて凹形状に切欠いた切欠部を設ける構成としてなる請求項1,2または3に記載の建設機械用アーム。
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