JP2012240801A - エレベータ据え替え方法、エレベータのガイドレール仮保持治具 - Google Patents

エレベータ据え替え方法、エレベータのガイドレール仮保持治具 Download PDF

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Abstract

【課題】エレベータ据え替え時に、客先でのエレベータを使用できない期間の短縮、機器の一時保管場所に関する客先の負担の軽減を実現したエレベータ据え替え方法を提供する。
【解決手段】昇降路内に既存のエレベータがある状態において、前記昇降路内の既存のエレベータのエレベータ機器のないスペースに新規エレベータのためのガイドレール5a,5bの仮設置を前以て行う事前工事工程と、前記昇降路内から既存のエレベータの不要なエレベータ機器の撤去を行う撤去工事工程と、前記昇降路内に仮設置された新規エレベータのためのガイドレールを含めて新規エレベータのためのエレベータ機器の前記昇降路内への設置を行う新設工事工程と、を備えた。
【選択図】図1

Description

この発明は、エレベータ据え替え方法、およびこの方法で使用されるエレベータのガイドレール仮保持治具に関する。
従来、エレベータの据え替えの際には、限られた昇降路内スペースに、既存のエレベータ機器(例えば油圧式エレベータの場合は油圧ジャッキ、機械室レスエレベータ等の場合は薄型電動巻上機や釣合錘)があるため広いスペースがなく、客先の既存のエレベータの使用期間中は新規機器取り付けを行っていなかった。このため、新規機器の塔内(昇降路内)搬入、組立、芯出し固定(機器の取付位置を正確に決めて固定する作業)等の作業は全て、客先の使用を中断し、既存機器を解体した後で行なっていた。
特開2009−196786号公報
上記のように従来のエレベータの据え替においては、既存機器を解体した後に、新規機器の昇降路内への搬入、組立、芯出し固定等の全ての作業を行なっていたため、客先がエレベータを使用できない期間(連続停止期間)が長くなっていた。また、昇降路内に搬入できない機器は昇降路外の客先の使用スペースに一時保管していたため、機器の一時保管場所に関して客先に負担を掛けてしまっていた。
なお、例えば上記特許文献1には、油圧エレベータから薄型電動巻上機を用いた方式にモダニ工事を行う際に、既存のカゴをそのまま活用することで工期期間を短縮するといった方法が開示されている。
この発明はかかる問題を解消するためになされたもので、エレベータ据え替え時において、客先でのエレベータを使用できない期間の短縮、機器の一時保管場所に関する客先の負担の軽減を実現したエレベータ据え替え方法、およびその際に使用されるエレベータのガイドレール仮保持治具を提供することを目的とする。
この発明は、エレベータ据え替え時において、昇降路内に既存のエレベータがある状態において、前記昇降路内の既存のエレベータのエレベータ機器のないスペースに新規エレベータのためのガイドレールの仮設置を前以て行う事前工事工程と、前記昇降路内から既存のエレベータの不要なエレベータ機器の撤去を行う撤去工事工程と、前記昇降路内に仮設置された新規エレベータのためのガイドレールを含めて新規エレベータのためのエレベータ機器の前記昇降路内への設置を行う新設工事工程と、を備えたことを特徴とするエレベータ据え替え方法等にある。
この発明では、エレベータ据え替え時に、昇降路内に既存のエレベータ機器がまだある状態から、昇降路内に新規エレベータのためのガイドレールの設置を前以て始めることで、エレベータ据え替え時において、客先でのエレベータを使用できない期間の短縮、機器の一時保管場所に関する客先の負担の軽減を実現できる。
図1はこの発明によるエレベータ据え替え方法における事前工事を説明するための昇降路内の構成を示す図である。 図1の昇降路内の構成を上から見た場合の昇降路壁を含む概略的な上面図である。 図1,2の一点鎖線部Aの詳細図である。 図3のG−G線に沿ったレール仮保持冶具を示すための断面図である。 この発明によるエレベータ据え替え方法における据え替え(モダニ工事)後の薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータの昇降路内の構成を示す図である。 図5の昇降路内の構成を上から見た場合の昇降路壁を含む概略的な上面図である。 この発明によるエレベータ据え替え方法の作業手順のフローを示した図である。 この発明によるレール仮保持冶具の開放状態のより詳細な図である。
以下、この発明によるエレベータ据え替え方法、エレベータのガイドレール仮保持治具を実施の形態に従って図面を用いて説明する。また以下の実施の形態では、油圧式エレベータを機械室レスエレベータ等の薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータに据え替える場合(モダニ工事)を例に挙げて説明する。各図においては、この発明に特に関係しない部分の図示は省略し、また同一もしくは相当部分は同一符号で示し、重複する説明は省略する。
実施の形態1.
図1はこの発明によるエレベータ据え替え方法における事前工事を説明するための昇降路内の構成を示す図、図2は図1の昇降路内の構成を上から見た場合の昇降路壁を含む概略的な上面図である。図1、2に示されたエレベータは油圧式エレベータであり、エレベータかご3は、昇降路1内の両側において昇降方向にそれぞれ延びる一対のガイドレール6a,6bでガイドされながら、油圧ジャッキ2により昇降させられる。なお、図1では昇降路壁の図示が省略され、図2では後述するレールブラケット8の図示が省略されている。
図1および2の一点鎖線部Aは、昇降路1内の油圧式エレベータの昇降路内機器のないスペースに新規エレベータである薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータのための事前工事(ここでは釣合錘のための一対のガイドレールに関する工事)を行った部分を示す。緩衝器台9上に載った状態で、芯出し固定を行った一方のガイドレール5aに対し他方のガイドレール5bが複数のレール仮保持冶具7(ここでは例えば2箇所の場合を示す)により仮保持されている。
図3は図1,2の一点鎖線部Aの詳細図、図4は図3のG−G線に沿ったレール仮保持冶具7を示すための断面図である。一方のガイドレール5aは、図5,6で後述するように、釣合錘11が昇降する位置の両側の一端の位置に据えられるように芯出しを完了して、昇降方向の異なる複数箇所でそれぞれレールブラケット8により昇降路1(昇降路壁)に固定されている。他方のガイドレール5bは、ガイドレール5aに対し、昇降方向の異なる複数個所にそれぞれ取り付けられたレール仮保持冶具7により仮保持されている。
図5は据え替え(モダニ工事)後の薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータの昇降路内の構成を示す図、図6は図5の昇降路内の構成を上から見た場合の昇降路壁を含む概略的な上面図である。なお、図5では昇降路壁の図示が省略され、図6ではレールブラケット8の図示が省略されている。図示のように、ガイドレール5bはレール仮保持冶具7が取り外されてガイドレール5aから分離され、釣合錘11が昇降する位置の両側の他端の位置に据えられるように芯出ししてレールブラケット8により昇降路1に固定されている。そしてエレベータかご3を昇降させる薄型電動巻上機12が昇降路内に設けられる。
図7はこの発明によるエレベータ据え替え方法の作業手順のフローを示した図である。事前工事工程では、油圧式エレベータにおいて、例えば図1,2に示す昇降路1頂部にH鋼を2本取付ける(作業準備ステップM1)。次に、昇降路1頂部のH鋼に型板を取付け、昇降路1下部にも型板を設置し、上下の型板間に、据え替え後に釣合錘11が昇降する位置の昇降方向に直行する面内での両側の一端の位置にガイドレール(固定レール)5aを芯出し固定するためのピアノ線を張設する(上下部型板取付ステップM2)。次に、分割レールを全てジョイントしてガイドレール(固定レール)5aを形成し、ピアノ線を基準に芯出ししてジョイントしたガイドレール5aを昇降路壁にレールブラケット8により立設、固定する(固定レール芯出し固定ステップM3)。次に、ガイドレール(仮立レール)5bを構成する複数の分割レールを全てジョイントし、昇降路1内に仮立てする(仮立レール仮立ステップM4)。次に、ステップM3で固定したガイドレール5aにレール仮保持冶具7を使用してステップM4で仮立てしたガイドレール5bを仮保持する(仮立レール仮保持ステップM5)。
次に撤去工事工程では、据え替えを行うエレベータ前に仮囲いを設置し、第3者が近づけないようにする(仮囲い設置ステップM6)。次に、エレベータの油圧ジャッキ2を含む油圧部(一般には駆動部)を撤去するために仮モータを仮設置し、既設のエレベータかご3を仮モータで運転する(仮運転ステップM7)。次に、薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータでは不必要な昇降路内の機器、部品を撤去する(昇降路内機器撤去ステップM8)。
次に新設工事工程では、ステップM5で仮保持したガイドレール(仮立レール)5bをレール仮保持冶具7を外してガイドレール(固定レール)5aから分離し、例えばガイドレール(固定レール)5aと同様にピアノ線を張設して、釣合錘11が昇降する位置の昇降方向に直行する面内での両側の他端の位置に芯出しして固定する(仮立レール芯出し固定ステップM9)。次に、薄型電動巻上機12等の薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータで必要な昇降路内の機器、部品を取付ける(昇降路内機器取付ステップM10)。そして薄型電動巻上機12による試験運転調整を行う(試験運転調整ステップM11)。
以上のようなエレベータ据え替え方法により、従来は、新規エレベータの昇降路内機器となるガイドレールの取付け等は、既存機器を解体した後に、例えば釣合錘等のための両側のガイドレールを同時期に昇降路内に搬入、組立、芯出し固定を行なっていたが、この発明では、エレベータの運転が可能な状態下の事前工事中に予め、芯出し固定された一方のガイドレールに、レールジョイント作業を行って一本化した他方のガイドレールを、レール仮保持冶具で仮保持しておくことで、その後の既存エレベータの撤去の際に、客先のエレベータの使用連続停止期間を短くでき、また客先での昇降路内機器の保管スペースの削減(保管のための仮設梱包材の削減も含む)を行うことができる。
特にガイドレールは全長が長いことから幾つかに分割されており、施工時には塔内(昇降路内)搬入、組立、芯出し固定等の多くの作業ステップがあり、かつ昇降路の略全長に亘って昇降方向に正確に延びるように設置させなければならず、作業に長い時間を要する。そこで、例えば既存のエレベータ機器がまだある段階から(既存のエレベータの夜間や休日等の運転しない時間帯等も利用可能)、昇降路内に新規エレベータのためのガイドレールの施工を前以て行うことで、より効果的に、客先での、エレベータを使用できない期間の短縮、機器の一時保管場所に関する客先の負担の軽減が行える。
なお上記実施の形態では、油圧式エレベータを機械室レスエレベータ等の薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータに据え替える場合を例に挙げて説明したが、この発明はこれに限定されるものではない。
次に、図3,4等に示したこの発明によるレール仮保持冶具7について説明する。図8にはレール仮保持冶具7の開放状態のより詳細な図を示す。(a)は図4と同じ方向から見た一部を透視および断面で示した図、(b)は(a)の下側から見た下面図であり、側板部材72が第2の締付け固定部74を軸に180度回転させた、側板部材71と対向しない位置にある状態を示す。なお、図3,4に示すようにガイドレール5a,5bはそれぞれ、1つのガイド部51とこのガイド部51から両側に向かって延びるフランジ部52からなるT字型のガイドレールからなり、互いにガイド部51が向き合うように対向して締め付け固定される。
レール仮保持冶具7は、一対のガイドレール5a.5b間を結ぶ方向に沿って一対のガイドレールの両側に延びる一対の側板部材71,72と、一対のガイドレールを間を結ぶ方向の一対のガイドレールのそれぞれ外側で一対の側板部材71,72を互いに一対のガイドレールを側面側から挟むように締め付けるそれぞれボルト73a,74aとナット73b,74bからなる第1および第2の締付け固定部73,74を備える。第1の締付け固定部73のボルト73aは、ヘッドから先端までの全長に亘ってネジ部731の全ネジであり、第2の締付け固定部74のボルト74aは、ヘッドから先端までの間にヘッド側の第1ネジ部741と先端側の第2ネジ部742の間に、ネジ山が形成されていない径の小さい小径部743を有し、小径部743がナット74bに回転自在に貫通した状態で一対の側板部材71,72が互いに回転自在に連結される。
また一対の側板部材71,72は、互いに締め付けられた時に一対のガイドレール5a,5bの間の位置でそれぞれのガイド部51とフランジ部52を両側から押さえ付ける押え付け部71a,72aをそれぞれ有すると共に、一対の側板部材71,72の一方、ここでは側板部材71が、一対のガイドレール5a,5bの外側のそれぞれに一対の側板部材71,72間にスペースを確保するためのスペーサ部71b,71cを有する。そして上述の第1の締付け固定部73はスペーサ部71bと相手側の側板部材72の間、第2の締付け固定部74はスペーサ部71cと相手側の側板部材72の間に設けられている。側板部材72には、ボルト73a,74aのための貫通穴(または雌ネジ穴)が側板部材72を貫通するようにそれぞれに形成されている。また側板部材71のスペーサ部71b,71cでは、ナット73b,74bのための貫通穴(または雌ネジ穴)がスペーサ部71b,71cの部材をそれぞれ貫通するように形成されている。そしてここでは第2の締付け固定部74のボルト74aが第1の締付け固定部73のボルト73aより長くされている(長さはこれに限定されず、例えばボルト73a,74aが同じ長さであってもよい)。
以上のような構成のレール仮保持冶具を使用することにより、レール仮保持冶具の取り付け、取り外しが簡易になり、ひいてはガイドレール(仮立レール)5bのガイドレール(固定レール)5aへの仮保持、分離も容易になる。
1 昇降路、2 油圧ジャッキ、3 エレベータかご、5a ガイドレール(固定レール)、5b ガイドレール(仮立レール)、7 レール仮保持冶具、8 レールブラケット、9 緩衝器台、11 釣合錘、12 薄型電動巻上機、51 ガイド部、52 フランジ部、71,72 側板部材、71a,72a 押え付け部、71b,71c スペーサ部、73,74 締付け固定部、73a,74a ボルト、73b,74b ナット、731,742,741 ネジ部、743 小径部。

Claims (7)

  1. エレベータ据え替え時において、
    昇降路内に既存のエレベータがある状態において、前記昇降路内の既存のエレベータのエレベータ機器のないスペースに新規エレベータのためのガイドレールの仮設置を前以て行う事前工事工程と、
    前記昇降路内から既存のエレベータの不要なエレベータ機器の撤去を行う撤去工事工程と、
    前記昇降路内に仮設置された新規エレベータのためのガイドレールを含めて新規エレベータのためのエレベータ機器の前記昇降路内への設置を行う新設工事工程と、
    を備えたことを特徴とするエレベータ据え替え方法。
  2. 前記事前工事工程において、新規エレベータのための一対のガイドレールの一方を芯出して固定すると共に他方を一方にレール仮保持冶具により仮保持することを特徴とする請求項1に記載のエレベータ据え替え方法。
  3. 前記撤去工事工程において、既存のエレベータの駆動部の代わりに仮モータを仮設置して既存のエレベータのエレベータかごを運転することを特徴とする請求項1または2に記載のエレベータ据え替え方法。
  4. 前記既存のエレベータが油圧式エレベータであり、前記新規エレベータが薄型電動巻上機を用いた方式のエレベータであり、
    前記事前工事工程において、前記昇降路内の前記油圧式エレベータの油圧ジャッキのないスペースに新規エレベータの釣合錘のためのガイドレールの仮設置を前以て行う、
    ことを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のエレベータ据え替え方法。
  5. 一対のガイドレール間を結ぶ方向に沿って前記一対のガイドレールの両側に延びる一対の側板部材と、
    前記一対のガイドレール間を結ぶ方向の前記一対のガイドレールのそれぞれ外側で前記一対の側板部材を互いに前記一対のガイドレールを側面側から挟むように締め付けるそれぞれボルトとナットからなる第1および第2の締付け固定部と、
    を備え、
    前記第1の締付け固定部のボルトは全ネジであり、前記第2の締付け固定部のボルトがヘッドから先端までの間にネジ山が形成されていない径の小さい小径部を有し、前記ボルトの小径部がナットに回転自在に貫通した状態で前記一対の側板部材が互いに回転自在に連結される、
    ことを特徴とするエレベータのガイドレール仮保持治具。
  6. 前記一対のガイドレールが、それぞれ1つのガイド部と前記ガイド部から両側に向かって延びるフランジ部からなるT字型のガイドレールからなり、互いに前記ガイド部が向き合うように対向して締め付けられ、
    前記一対の側板部材が、互いに締め付けられた時に前記一対のガイドレールの間の位置でそれぞれのガイド部とフランジ部を両側から押さえ付ける押え付け部をそれぞれ有すると共に、前記一対の側板部材の一方が、前記一対のガイドレールの外側のそれぞれに前記一対の側板部材間にスペースを確保するためのスペーサ部を有し、
    前記スペーサ部と相手側の側板部材の間に前記第1および第2の締付け固定部が設けられている、
    ことを特徴とする請求項5に記載のエレベータのガイドレール仮保持治具。
  7. 前記第2の締付け固定部のボルトが第1の締付け固定部のボルトより長いことを特徴とする請求項5または6に記載のエレベータのガイドレール仮保持治具。
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