JP2012239333A - 昇圧型チョッパ回路および昇圧型チョッパ回路の設計方法 - Google Patents

昇圧型チョッパ回路および昇圧型チョッパ回路の設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電気負荷の状況に影響されることなくコモンモード電流の抑制を向上できるようにする。
【解決手段】直流電源10と電気負荷20の間に直列接続された第1インダクタ31(昇圧用インダクタ)と、電気負荷20に並列接続されるスイッチ素子33とを備える昇圧型チョッパ回路30であって、スイッチ素子33のn側と直流電源10の間に直列接続される第2インダクタ32(逆流用インダクタ)を備え、スイッチ素子33のスイッチング作動に伴い生じるp側の対地電圧とn側の対地電圧との変化が、第1インダクタ31および第2インダクタ32により相補的に変化するよう構成する。さらに、スイッチ素子33のn側と電気負荷20の間に直流化用ダイオード37(直流化用制限手段)を直列接続させて、電気負荷20の両端と対地間の浮遊容量には直流成分の電圧が印加されることとする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、スイッチ素子のスイッチング作動により直流電源を昇圧して電気負荷へ供給する昇圧型チョッパ回路およびその設計方法に関する。
図9中の一点鎖線は、特許文献1等に開示されている従来の昇圧型のチョッパ回路30A(従来回路)を示す。なお、チョッパ回路30Aの入力端子Tinには直流電源10が接続され、チョッパ回路30Aの出力端子Toutには電気負荷20が接続されている。
チョッパ回路30Aは、直流電源10と電気負荷20の間に直列接続されるインダクタ31と、電気負荷20に並列接続されるスイッチ素子33とを備えており、スイッチ素子33をスイッチング作動させることにより、電気負荷20へ供給される電力の平均電圧を制御する。具体的には、スイッチ素子33をオン作動させると、直流電源10→インダクタ31→スイッチ素子33→直流電源10といった経路で電流が流れる(符号Ionp,Ionn参照)。この時、インダクタ31に磁気エネルギが蓄積される。
一方、スイッチ素子33をオフ作動させると、直流電源10→インダクタ31→第1ダイオード35→電気負荷20→直流電源10といった経路で電流が流れる(符号Ioffp,Ioffn参照)。この時、直流電源10からの出力に先述した磁気エネルギが加えられるので、直流電源10よりも高い電圧が電気負荷20へ印加されることとなる。これにより、出力端子Toutの平均電圧(出力電圧Vout)は入力端子Tinの電圧(入力電圧Vin)よりも高くなるよう昇圧される。
なお、この昇圧の度合いは、スイッチ素子33による流通率α(α=Ton/(Ton+Toff))を制御することで調整される。Tonはオン作動時間、Toffはオフ作動時間である。ちなみに、平滑コンデンサ34は、スイッチ素子33のオフ作動時に充電され、オン作動時に電気負荷20へ放電する。これにより、出力電圧Voutの脈動が低減される。
特開2010−213494号公報
ところで、チョッパ回路30Aは接地された筐体40に収容されており、チョッパ回路上の所定部位(フレームグランド)と筐体40とを電気的に接続させることで、チョッパ回路30Aを接地させている。しかしながら、スイッチ素子33をスイッチング作動させることに伴い、フレームグランドを介した正規の接地経路(つまり図9中のIonp,Ionn,Ioffp,Ioffnに示す経路)ではなく、以下に説明する寄生コンデンサFn、Fpを経路としたコモンモード電流(符号Icomp,Icomn,Icom参照)が流れてしまうことが、従来より課題となっていた。
寄生コンデンサFn、Fpの具体例を以下に説明すると、スイッチ素子33や第1ダイオード35等の発熱素子には、絶縁体を介してヒートシンク30hが取り付けられており、このヒートシンク30hと発熱素子33,35との間で寄生コンデンサが形成されてしまう。また、チョッパ回路30Aの回路基板上に存在する配線パターンと筐体40との間でも、寄生コンデンサ(浮遊コンデンサ)が形成されてしまう。なお、図9では、各部位で形成される寄生コンデンサを合成したものを、スイッチ素子33のうちインダクタ31が接続される側(p側)における寄生コンデンサFpと、その反対側(n側)における寄生コンデンサFnとに分けて記載している。
上記コモンモード電流の対策として、本発明者らは図10に示すチョッパ回路(検討回路30B)を検討した。この検討回路30Bでは、スイッチ素子33のp側に設けられているインダクタ31(昇圧用インダクタ)とは別に、スイッチ素子33のn側と直流電源10との間に逆流用インダクタ32を追加している。これによれば、p側を流れるコモンモード電流Icompの対地電圧Vpと、n側を流れるコモンモード電流Icomnの対地電圧Vnとが相補的に変化するようにできる。つまり、Vpが高くなる時にはVnが低くなり、Vpが低くなる時にはVnが高くなるようにできる。
したがって、この検討回路30Bによれば、従来回路30Aでは寄生コンデンサFpを通じて筐体40へ流れ込んでいたコモンモード電流Icompは、寄生コンデンサFnへ流れ込むこととなる。同様にして、寄生コンデンサFnを通じて筐体40へ流れ込んでいたコモンモード電流Icomnは寄生コンデンサFpに流れ込むこととなる。これにより、筐体40から外部へ漏れ出るコモンモード電流Icomを抑制することができる。
さらに本発明者らは、寄生コンデンサFpに流れる電流Icompと寄生コンデンサFnに流れる電流Icomnの絶対値を同じにすることで、コモンモード電流Icomの抑制を促進させることを検討した。すなわち、昇圧用および逆流用インダクタ31,32のインダクタンスをL1,L2、寄生コンデンサFn,Fpの容量をCn,Cpとした場合において、L1・Cn=L2・Cpとの等式が成立するようにインダクタ31,32を選定すれば、理論的にはコモンモード電流Icomをゼロにできる。
しかしながら、寄生コンデンサFn,Fpの容量Cn,Cpは、検討回路30Bのみによって決まるものではなく、検討回路30Bに接続される電気負荷20の仕様や配置等の影響を受けて異なる値となる。そのため、電気負荷20の状況に応じて上記等式を満たすインダクタンスL1,L2の値も異なってくるので、電気負荷20の状況に影響されずに共通したインダクタ31,32を選定することはできず、回路30Bの共通化を図ることができない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、電気負荷の状況に影響されることなくコモンモード電流の抑制を向上できるようにした、昇圧型チョッパ回路およびその設計方法を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明では、直流電源と電気負荷の間に直列接続された昇圧用インダクタと、前記電気負荷に並列接続されるスイッチ素子と、前記電気負荷の側から前記昇圧用インダクタの側へ電流が流れることを制限する昇圧用制限手段と、を備え、前記スイッチ素子をスイッチング作動させることにより、前記電気負荷へ供給される電力の平均電圧を制御する昇圧型チョッパ回路であることを前提とする。
そして、前記スイッチ素子のうち前記昇圧用インダクタが接続される側の端子をp側端子、前記p側端子の反対側をn側端子とした場合において、前記スイッチ素子のスイッチング作動時に、前記p側端子と対地間の浮遊容量に流れるコモンモード電流とは逆向きの電流を、前記n側端子と対地間の浮遊容量に流させる逆電流発生手段と、前記n側端子と前記電気負荷の間に直列接続され、前記n側端子の側から前記電気負荷の側へ電流が流れることを制限することで、前記電気負荷の両端と対地間の浮遊容量には直流成分の電圧が印加されることとなるように機能する直流化用制限手段と、を備えることを特徴とする。
先ず、本発明にかかる各用語について説明する。「昇圧用インダクタを流れるコモンモード電流とは逆向きの電流」とは、例えば昇圧用インダクタを流れるコモンモード電流が接地側へ流れる向きである場合には、n側端子へ接地側から流れる向きが前記「逆向き」に相当し、昇圧用インダクタを流れるコモンモード電流が接地側から流れる向きである場合には、n側端子から接地側へ流れる向きが前記「逆向き」に相当する。
上記「逆電流発生手段」の具体例としては、前記n側端子と前記直流電源の間に直列接続される逆流用インダクタが挙げられる。この場合、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタにより、前記スイッチング作動に伴い生じる前記p側端子の対地電圧と前記n側端子の対地電圧との変化が、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタにより相補的に変化するよう構成すればよい。
上記「昇圧用制限手段」の具体例としては、前記p側端子と前記電気負荷の間に直列接続され、前記電気負荷の側から前記p側端子の側へ電流が流れることを制限するダイオード(第1ダイオード)が挙げられる。なお、このようなダイオードの他に、昇圧用スイッチ素子を昇圧用制限手段として採用してもよい。この場合、前記スイッチ素子のオン期間には昇圧用スイッチ素子をオフ作動させ、前記スイッチ素子のオフ期間には昇圧用スイッチ素子をオン作動させればよい。
上記「直流化用制限手段」の具体例としては、前記n側端子と前記電気負荷の間に直列接続され、前記n側端子の側から前記電気負荷の側へ電流が流れることを制限するダイオード(第2ダイオード)が挙げられる。なお、このようなダイオードの他に、直流化用スイッチ素子を直流化用制限手段として採用してもよい。この場合、前記スイッチ素子のオン期間には前記直流化用スイッチ素子をオフ作動させ、前記スイッチ素子のオフ期間には直流化用スイッチ素子をオン作動させればよい。
次に、上記発明にかかるチョッパ回路のノーマルモード時における作動の一例を説明する。スイッチ素子をオン作動させると、直流電源→昇圧用インダクタ→スイッチ素子→逆流用インダクタ(逆電流発生手段)→直流電源といった経路で電流が流れる。この時、昇圧用インダクタ及び逆流用インダクタに磁気エネルギが蓄積される。一方、スイッチ素子をオフ作動させると、直流電源→昇圧用インダクタ31→昇圧用制限手段→電気負荷→直流化用制限手段→逆流用インダクタ→直流電源といった経路で電流が流れる。この時、直流電源からの出力に先述した磁気エネルギが加えられるので、直流電源よりも高い電圧が電気負荷へ印加されることとなる。つまり、チョッパ回路により直流電源が昇圧される。
そして、上記発明では、逆流用インダクタを設けてp側端子の対地電圧とn側端子の対地電圧が相補的に変化するよう構成する。そのため、p側端子と接続されているように寄生する寄生コンデンサFp(図1参照)の電圧と、n側端子と接続されているように寄生する寄生コンデンサFn(図1参照)の電圧とが相補的に変化する。具体的には、スイッチ素子のスイッチング作動に伴い両コンデンサFp,Fnの電圧が変化するにあたり、一方の寄生コンデンサFpの電圧が高くなる時には他方の寄生コンデンサFnの電圧が低くなり、一方が低くなる時には他方が高くなる。
したがって、従来回路30Aでは、寄生コンデンサFpおよび寄生コンデンサFnから接地側へコモンモード電流Icomが流れるのに対し、上記発明では、寄生コンデンサFpと寄生コンデンサFnの間で電流が流れる。そのため、寄生コンデンサFn,Fpから接地側へコモンモード電流Icomが流れ出てしまうことが抑制され、コモンモード電流が昇圧型チョッパ回路内部に閉じ込められるよう促される。要するに、逆電流発生手段を備えることにより、寄生コンデンサFpを流れるコモンモード電流Icomp(昇圧用インダクタを流れるコモンモード電流)が、接地側へ流れ出ることなく寄生コンデンサFnへ回収されると言える。
さらに上記発明では、電気負荷からp側端子へ電流が流れることを制限する昇圧用制限手段と、n側端子から電気負荷へ電流が流れることを制限する直流化用制限手段とを備える。これにより、例えば両制限手段にダイオードを採用した場合において、昇圧用ダイオードのスイッチ素子側が電気負荷側より高電位の時をプラスとした場合における昇圧用ダイオードの両端の電位差VDPと、直流化用ダイオードのスイッチ素子側が電気負荷側より高電位の時をプラスとした場合における直流化用ダイオードの両端の電位差VDNとは、スイッチ素子のスイッチング作動に伴い相補的に変化することとなる。
具体的には、スイッチ素子のオン作動時に、昇圧用ダイオードにより電気負荷からp側端子へ電流が流れることが制限される。そのため、例えば昇圧用ダイオードと電気負荷の間に平滑コンデンサが並列接続されている場合において、平滑コンデンサの昇圧用ダイオード側の対地電圧がp側端子の対地電圧よりも高くなる。よって、昇圧用ダイオードの電位差VDPはマイナスになる。
また、スイッチ素子のオン作動時に、直流化用ダイオードによりn側端子から電気負荷へ電流が流れることが制限される。そのため、平滑コンデンサの直流化用ダイオード側の対地電圧がn側端子の対地電圧よりも低くなる。よって、直流化用ダイオードの電位差VDNはプラスになる(図8(c)参照)。
したがって、スイッチ素子のp側に寄生する寄生コンデンサのうち昇圧用ダイオードよりも電気負荷の側に存在する寄生コンデンサをFpd、n側に存在する寄生コンデンサのうち直流化用ダイオードよりも電気負荷の側に存在する寄生コンデンサをFndとした場合において、スイッチング作動を実施しても、先述した通り電位差VDPと電位差VDNとは相補的に変化し、寄生コンデンサFpdの電位差VPRおよび寄生コンデンサFndの電位差VNRは、それぞれ一定の値となる(図8(d)参照)。そのため、寄生コンデンサFpd,Fndの充放電が無くなる。
したがって、寄生コンデンサFp,Fnの容量Cp,Cnに応じて両インダクタのインダクタンスL1,L2を設定してコモンモード電流の抑制促進を図るにあたり、上記発明によれば寄生コンデンサFpd,Fndを通じてコモンモード電流が流れることが無くなる。そのため、昇圧用ダイオードおよび直流化用ダイオードの電気負荷側の影響、つまりチョッパ回路に接続される電気負荷の仕様や配置等に応じて変化する浮遊容量の影響とは無関係に前記容量Cp,Cnを想定してインダクタンスL1,L2を設定できるようになる。よって、電気負荷の状況に影響されずに共通した昇圧用インダクタおよび逆流用インダクタを選定することができ、チョッパ回路の共通化を図ることができる。
ちなみに、スイッチ素子のオフ作動時には、両ダイオードに電流が流れるため、両電位差VDP,VDNは順電圧のままである。また、上記発明に反して直流化用ダイオードが存在していなければ、スイッチ素子のオン作動時およびオフ作動時のいずれにおいても電位差VDNは常時ゼロとなるので、両電位差VDP,VDNが相補的に変化することが無くなる。よって、寄生コンデンサFpdの電位差VPRはスイッチング作動に伴い変化してしまい、寄生コンデンサFpdの充放電が生じるようになる。したがって、電気負荷の仕様や配置等に応じて変化する寄生コンデンサFpdの浮遊容量の影響を加味してインダクタンスL1,L2を設定することが必要となり、チョッパ回路の共通化を図ることができなくなる。
請求項2記載の発明では、前記昇圧用インダクタ、前記逆電流発生手段、前記スイッチ素子、前記昇圧用制限手段および前記直流化用制限手段を有して構成される回路ユニットと、前記回路ユニットを収容する筐体との間に、前記昇圧用インダクタに流れるコモンモード電流を抑制させる制動抵抗素子を直列接続させたことを特徴とする。
ここで、逆電流発生手段によりn側端子に流させる電流の大きさを、昇圧用インダクタを流れるコモンモード電流と同じにすれば、コモンモード電流Icomをゼロにできる筈である。例えば、先述した逆流用インダクタを逆電流発生手段として採用し、昇圧用インダクタおよび逆流用インダクタのインダクタンスをL1,L2、寄生コンデンサFp,Fnの容量をCp,Cnとした場合において、L1・Fn=L2・Fpとの等式が成立するようにインダクタ31,32を選定すれば、理論的にはコモンモード電流Icomをゼロにできる筈である。しかしながら、昇圧用インダクタおよび逆流用インダクタの機差バラツキや、シミュレーションや試験により取得した容量Cp,Cnの精度バラツキ等に起因して、コモンモード電流Icomがゼロにはなっていないのが実情である。
この点を鑑みた上記発明は、コモンモード電流を抑制させる制動抵抗素子を回路ユニットと筐体の間に直列接続させているので、実際にはゼロになっていないコモンモード電流Icomを低減させることができる。
請求項3記載の発明では、前記逆電流発生手段は、前記n側端子と前記直流電源の間に直列接続され、前記p側端子の対地電圧と前記n側端子の対地電圧の変化が前記スイッチング作動に伴い相補的に変化するように機能する逆流用インダクタであり、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタにコモンモード電流が流れるコモンモードにおいて、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタの合成インダクタと、前記回路ユニットに存在する浮遊容量とから構成されることとなるLC回路を、コモンモードLC回路とした場合において、前記コモンモードLC回路の臨界制動抵抗値に、前記制動抵抗素子の抵抗値を設定したことを特徴とする。
ここで、コモンモードLC回路のインピーダンスの大きさが最小になる周波数(直列共振周波数)で、コモンモード電流は最大となる。なお、このような共振周波数での振動を最短で減衰させる抵抗値が臨界制動抵抗値である。
この点を鑑みた上記発明では、制動抵抗素子の抵抗値を臨界制動抵抗値に設定するので、コモンモード電流Icomの直列共振周波数成分を無くすことができるので、コモンモード電流Icomを効果的に低減させることができる。
請求項4記載の発明では、前記スイッチ素子、前記昇圧用制限手段および前記直流化用制限手段の少なくとも1つにはヒートシンクが取り付けられており、前記制動抵抗素子は、前記ヒートシンクと前記筐体との間に直列接続されていることを特徴とする。
これによれば、ヒートシンクと筐体との間に制動抵抗素子を接続させるので、その接続作業を簡単にできる。
請求項5記載の発明は、直流電源と電気負荷の間に直列接続された昇圧用インダクタと、前記電気負荷に並列接続されるスイッチ素子と、前記電気負荷の側から前記昇圧用インダクタの側へ電流が流れることを制限する昇圧用制限手段と、を備え、前記スイッチ素子をスイッチング作動させることにより、前記電気負荷へ供給される電力の平均電圧を制御する昇圧型チョッパ回路に適用されることを前提とする。そして、前記スイッチ素子のうち前記昇圧用インダクタが接続される側のp側端子とは反対側のn側端子と前記直流電源の間に直列接続され、前記p側端子の対地電圧と前記n側端子の対地電圧の変化が前記スイッチング作動に伴い相補的に変化するように機能する逆流用インダクタと、前記n側端子と前記電気負荷の間に直列接続され、前記n側端子から前記電気負荷へ電流が流れることを制限することで、前記電気負荷の両端と対地間の浮遊容量には直流成分の電圧が印加されることとなるように機能する直流化用制限手段と、を備えた昇圧型チョッパ回路の設計方法である。
そして、前記昇圧用インダクタのインダクタンスをL1、前記逆流用インダクタのインダクタンスをL2、一方の電極が前記p側端子と同電位となっている寄生コンデンサの浮遊容量をCp、一方の電極が前記n側端子と同電位となっている寄生コンデンサの浮遊容量をCnとした場合において、前記浮遊容量Cp、Cnを試験計測または数値解析により取得する第1手順と、前記第1手順により取得した浮遊容量Cp、Cnの値に基づき、L1・Cp=L2・Cnとの関係を満たすように前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタを選定する第2手順と、を備えることを特徴とする。
上記発明は要するに、請求項1記載の昇圧型チョッパ回路の設計方法であり、浮遊容量Cp、Cnを試験計測または数値解析により取得し、その取得した浮遊容量Cp、Cnの値に基づき、L1・Cp=L2・Cnとの関係(等式)を満たすように昇圧用インダクタおよび逆流用インダクタを選定する。そのため、先述した各種バラツキに起因して、前記等式が実際には満たされていなかったとしても、前記等式に近くなるよう、昇圧用インダクタおよび逆流用インダクタが選定されるので、コモンモード電流Icomの抑制を図ることができる。
請求項6記載の発明では、前記昇圧用インダクタ、前記逆流用インダクタおよび前記スイッチ素子を有して構成される回路ユニットと、前記回路ユニットを収容する筐体との間には、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタに流れるコモンモード電流を抑制させる制動抵抗素子が直列接続されており、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタにコモンモード電流が流れるコモンモードにおいて、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタの合成インダクタと、前記回路ユニットに存在する浮遊容量とから構成されることとなるLC回路を、コモンモードLC回路とした場合において、前記LC回路の臨界制動抵抗値を試験計測または数値解析により取得する第3手順と、前記第3手順により取得した臨界制動抵抗値となる前記制動抵抗素子を選定する第4手順と、を備えることを特徴とする。
上記発明は要するに、請求項3記載の昇圧型チョッパ回路の設計方法であり、LC回路の臨界制動抵抗値を試験計測または数値解析により取得し、その取得した臨界制動抵抗値となる制動抵抗素子を選定する。そのため、制動抵抗素子により低減されるコモンモード電流Icomが共振周波数のコモンモード電流Icomとなるようにすることを、高精度で実現できる。
本発明の一実施形態に係る昇圧型チョッパ回路を示す回路図。 図1のチョッパ回路を設計するにあたり、インダクタの選定手順を示すフローチャート。 図1のチョッパ回路を設計するにあたり、制動抵抗素子の選定手順を示すフローチャート。 コモンモード電流の強度と周波数との関係を表した強度分布グラフ。 従来回路をスイッチング作動させた時の、各部位の電位差の変化を説明する図。 図1のチョッパ回路をスイッチング作動させた時の、各部位の電位差の変化を説明する図。 図1のチョッパ回路をスイッチング作動させた時の、コモンモード電圧とノーマルモード電圧の計算式を説明する図。 図1のチョッパ回路をスイッチング作動させた時の、寄生コンデンサFpd,Fndの電位差VPR,VNRの変化を説明する図。 従来の昇圧型チョッパ回路を示す回路図。 本発明者らが検討した昇圧型チョッパ回路を示す回路図。
以下、本発明を具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、本実施形態にかかる昇圧型チョッパ回路は、車両に搭載されたインバータに適用されたものであり、前記車両には、走行用モータおよび内燃機関を走行駆動源としたハイブリッド車両を想定している。
図1は、車両に搭載された直流電源10、車両に搭載された各種の電気負荷20、および前記インバータを構成する昇圧型のチョッパ回路30を示す。チョッパ回路30の入力端子Tinには直流電源10が接続されており、チョッパ回路30の出力端子Toutには電気負荷20が接続されている。
チョッパ回路30は、直流電源10と電気負荷20の間に直列接続される第1インダクタ31(昇圧用インダクタ)と、電気負荷20に並列接続されるスイッチ素子33とを備えている。スイッチ素子33のスイッチング作動は、図示しないマイクロコンピュータにより制御される。なお、スイッチ素子33は、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)やMOS−FET等の半導体スイッチであり、図1の例ではIGBTを採用している。なお、図1中の符号36はIGBTの寄生ダイオードを示す。
そして、スイッチ素子33のコレクタ側(pチャネル側)が第1インダクタ31に接続されている。一方、スイッチ素子33のエミッタ側(nチャネル側)と直流電源10との間には、第2インダクタ32(逆流用インダクタ(逆電流発生手段))が直列接続されている。なお、以下の説明ではスイッチ素子33のコレクタ側をp側、エミッタ側をn側と記載する。なお、スイッチ素子33のコレクタ端子がp側端子、エミッタ端子がn側端子に相当する。
電気負荷20の高電位側と第1インダクタ31との間には、アノード側が第1インダクタ31に接続される向きに第1ダイオード35(昇圧用制限手段)が直列接続されている。これにより、電気負荷20の高電位側からスイッチ素子33の側へは電流が流れなくなる。電気負荷20の低電位側と第2インダクタ32との間には、アノード側が電気負荷20に接続される向きに第2ダイオード37(直流化用制限手段)が直列接続されている。これにより、スイッチ素子33の側から電気負荷20の低電位側へは電流が流れなくなる。第1ダイオード35のカソード側と、第2ダイオード37のアノード側とに接続された平滑コンデンサ34が、電気負荷20に並列接続されている。この平滑コンデンサ34の静電容量は、後述する各種浮遊容量Cp、Cnに比べて十分に大きい。
スイッチ素子33をスイッチング作動させることにより、以下に説明するノーマルモードでチョッパ回路30が動作して、電気負荷20へ供給される電力の平均電圧が制御される。すなわち、スイッチ素子33をオン作動させると、直流電源10→第1インダクタ31→スイッチ素子33→第2インダクタ32→直流電源10といった経路で電流が流れる(図9中の符号Ionp,Ionn参照)。この時、第1インダクタ31に磁気エネルギが蓄積される。
一方、スイッチ素子33をオフ作動させると、直流電源10→第1インダクタ31→第1ダイオード35→電気負荷20→第2ダイオード37→第2インダクタ32→直流電源10といった経路で電流が流れる(図9中の符号Ioffp,Ioffn参照)。この時、直流電源10からの出力に先述した磁気エネルギが加えられるので、直流電源10よりも高い電圧が電気負荷20へ印加されることとなる。これにより、出力端子Toutの平均電圧(出力電圧Vout)は入力端子Tinの電圧(入力電圧Vin)よりも高くなるよう昇圧される。
なお、この昇圧の度合いは、スイッチ素子33による流通率α(α=Ton/(Ton+Toff))を制御することで調整される。Tonはオン作動時間、Toffはオフ作動時間である。ちなみに、平滑コンデンサ34は、スイッチ素子33のオフ作動時に充電され、スイッチ素子33のオン作動時には電気負荷20へ放電する。これにより、出力電圧Voutの脈動が低減される。
次に、チョッパ回路30にコモンモード電流Icomが流れる経路等について説明する。
チョッパ回路上の所定部位(図示しないフレームグランド)と筐体40とを電気的に接続させることで、チョッパ回路30は接地されている。しかしながら、スイッチ素子33をスイッチング作動させることに伴い、以下に説明する寄生コンデンサFn、Fpの電圧が上昇と下降を繰り返すことになるので、寄生コンデンサFn、Fpの充放電が繰り返しなされてしまいコモンモード電流(符号Icomp,Icomn,Icom参照)が流れてしまう。
寄生コンデンサFn、Fpの具体例を以下に説明すると、スイッチ素子33や第1ダイオード35、第2ダイオード37等の発熱素子には、絶縁体を介してヒートシンク30hが取り付けられており、このヒートシンク30hと発熱素子33,35,37との間で寄生コンデンサが形成されてしまう。また、チョッパ回路30の回路基板上に存在する配線パターンと筐体40との間でも、寄生コンデンサ(浮遊コンデンサ)が形成されてしまう。なお、図1では、各部位で形成される寄生コンデンサを合成したものを、スイッチ素子33のp側における寄生コンデンサFpとn側における寄生コンデンサFnとに分けて記載している。
そして、ヒートシンク30hと筐体40との間には、制動抵抗素子38が直列接続されている。なお、筐体40内部に収容されている各種電子部品31〜37およびヒートシンク30hを含めたユニットが「回路ユニット」に相当する。図1の例では、これらの電子部品31〜37が共通の基板に実装されていることを想定している。以下、制動抵抗素子38、第1インダクタ31および第2インダクタ32を選定する手順(チョッパ回路30の設計方法)について、図2および図3を用いて説明する。
図2および図3は、チョッパ回路30の設計作業者による設計の手順を示すフローチャートであり、車種毎に異なる仕様に設計されたチョッパ回路30毎に、図2の作業が実施される。なお、同一仕様のチョッパ回路30については、代表となるチョッパ回路についてのみ図2の作業を実施する。
先ず、図2のステップS10(第1手順)の作業において、スイッチ素子33、第1ダイオード35、第2ダイオード37(発熱素子)のそれぞれに取り付けられているヒートシンク30hと、発熱素子33,35,37との間で形成される寄生容量であって、スイッチ素子33のp側に形成される寄生容量Chpおよびn側に形成される寄生容量Chnを、試験により計測する。
続くステップS11(第1手順)の作業では、チョッパ回路30の回路基板上に存在する配線パターンと筐体40との間で形成される浮遊容量であって、スイッチ素子33のp側に形成される浮遊容量Cfpおよびn側に形成される浮遊容量Cfnを、シミュレーションにより数値解析する。
続くステップS12(第1手順)の作業では、ステップS10,S11にて計測および解析した各種容量Chp,Chn,Cfp,Cfnに基づき、p側全体の寄生容量Cpおよびn側全体の寄生容量Cnを算出する。図1に示す構成のチョッパ回路30であれば、Cp=Chp+Cfp、Cn=Chn+Cfnとの式により算出される。
続くステップS13(第2手順)の作業では、第1インダクタ31のインダクタンスをL1、第2インダクタ32のインダクタンスをL2とした場合において、ステップS12で算出した寄生容量CpにL1を乗算した値が、寄生容量CnにL2を乗算した値と一致するよう(式Aを満たすよう)、第1インダクタ31および第2インダクタ32を選定する。
〔式A〕・・・L1×Cp=L2×Cn
以上により、図2の手順にしたがって、第1インダクタ31および第2インダクタ32が選定される。
次に、図3のステップS20(第3手順)の作業において、図2の作業により選定された第1インダクタ31および第2インダクタ32の、巻線容量CL1,CL2を、試験により計測する。なお、これらの巻線容量CL1,CL2は、第1インダクタ31および第2インダクタ32の設計仕様として提供されている値を用いてもよい。
続くステップS21(第3手順)の作業では、図2のステップS12で算出した寄生容量Cpと、ステップS13により決定したインダクタンスL1,L2と、ステップS20で取得した巻線容量CL1,CL2に基づき、臨界制動抵抗値Rcを算出する。
この臨界制動抵抗値Rcは、ここで、コモンモード電流が流れている時には、第1インダクタ31および第2インダクタ32の合成インダクタと、巻線容量CL1,CL2および寄生容量Cpの合成容量とからLC回路(コモンモードLC回路)が構成されているみなすことができる。続くステップS22(第4手順)の作業では、ステップS21で算出した臨界制動抵抗値Rcの抵抗素子を、制動抵抗素子38として選定する。
図4は、コモンモード電流Icomの強度と周波数との関係を数値解析して得られた強度分布グラフであり、(a)は、図9に示す従来回路30Aにおける強度分布、(b)は、第2インダクタ32を備えた図1のチョッパ回路30における強度分布であって、式Aの左辺の値と右辺の値が完全に一致してバランスしている時の強度分布である。なお、図中の一点鎖線は、(a)に示す強度分布のピーク値の変化を示す。そして、(a)(b)の比較から、第2インダクタ32を設けることによりコモンモード電流の強度が全ての周波数において減少することが分かる。
しかし、第1および第2インダクタ31,32の機差バラツキにより実際のインダクタンスL1,L2は設計値からずれている。また、図2のステップS10,S11で取得した容量は、精度バラツキにより実際の容量からずれていることが実情である。つまり、式Aの左辺と右辺の値は完全にバランスすることはない。
図4(c)は、第2インダクタ32を備えた図1のチョッパ回路30(但し制動抵抗素子38は取り除かれている)において、式Aの左辺と右辺の値を10%だけ異なるようにアンバランスにした場合における強度分布を示す。(b)(c)の比較から、(c)に示すアンバランス時には(b)に示す完全バランス時に比べてコモンモード電流の強度が高くなることが分かる。さらに、(c)のアンバランス時には、共振周波数fpにおけるコモンモード電流の強度(図中の符号P参照)が最も高くなることが分かる。この共振周波数fpは、先述したコモンモードLC回路の共振周波数である。
図4(d)は、第2インダクタ32および制動抵抗素子38を備えた図1のチョッパ回路30において、式Aの左辺と右辺の値を10%だけ異なるようにアンバランスにした場合における強度分布を示す。(c)(d)の比較から、コモンモードLC回路の臨界制動抵抗値に設定された制動抵抗素子38を備えることにより、共振周波数fpにおけるコモンモード電流が低減されることが分かる。
図5は、図9に示す従来回路30Aをスイッチング作動させた時の、各部位の電位差の変化を説明する図であり、図中の矢印は電位差の向きを表している。例えば、図5(a)中の符号Vceは、スイッチ素子33の両端の電位差を表しており、p側の電位がn側の電位より高い場合の電位差Vlpを正の値として、(b)にその変化を示している。同様にして、インダクタ31の両端の電位差Vlpの変化を(c)に示し、寄生コンデンサFp,Fnの両端の電位差VPG,VNGの変化を(d)に示す。また、コモンモード時における回路30全体の対地電圧Vcom、およびノーマルモード時における出力端子Toutの電圧Vnor(出力電圧Voutに相当)の変化を(e)に示す。
図5(b)(c)に示すように、スイッチ素子33をオン作動させると、Vceはゼロになり、Vlpは直流電源10の電圧(150V)の分だけプラスの値となる。一方、スイッチ素子33をオフ作動させると、直流電源10の電圧(150V)から昇圧された電圧(300V)の分だけVceはプラスの値となり、Vlpは第1インダクタ31のリアクタンスの分だけマイナスの値となる。
図5(d)に示すように、VPGの変化はVceと同じになる。また、VNGは、オン作動時およびオフ作動時のいずれにおいても常時ゼロである。そして、コモンモード電圧Vcomは、VPGとVNGの平均であるとみなすことができるので、Vcomは、スイッチ素子33のオン作動時にはゼロ、オフ作動時には150Vとなる(図5(e)参照)。なお、VnorはVceと同じ値となるように変化する。
以上により、第2インダクタ32を備えていない従来回路30Aでは、VNGが常時一定(ゼロ)であり、VPGがスイッチング作動に伴い変化するので、Vcomはスイッチング作動に伴い変化することとなる。よって、寄生コンデンサFpの充放電が繰り返されることとなるため、寄生コンデンサFpを通じてコモンモード電流Icomが筐体40から漏れ出ることが、図5に示す電位差の変化から明らかである。
図6は、図1に示す回路30をスイッチング作動させた時の、各部位の電位差の変化を説明する図であり、図中の矢印は電位差の向きを表している。例えば、図6(a)中の符号Vlpは、第1インダクタ31の両端の電位差を表しており、直流電源10側の電位がスイッチ素子33側の電位より高い場合の電位差Vlpを正の値とする。また、符号Vlnは、第2インダクタ32の両端の電位差を表しており、スイッチ素子33側の電位が直流電源10側の電位より高い場合の電位差Vlnを正の値とする。
図6(b)に示すVceの変化は図5(b)と同じである。そして、図6(c)に示すように、Vlpの変化とVlnの変化は同じになる。具体的には、スイッチ素子33をオン作動させると、Vlp,Vlnはともにプラスの値になる。なお、この時のVlp+Vlnは直流電源10の電圧(150V)と一致する(但し、スイッチ素子33のオン電圧は無視する)。一方、スイッチ素子33をオフ作動させると、Vlp,Vlnはともにマイナスの値になる。なお、この時のVlp+Vlnの絶対値は直流電源10の電圧(150V)と一致する。
図6(d)に示すように、VNGの変化はVlnと同じになる。また、VPGの変化はVce+Vlpと同じになる。そのため、VPGとVNGは相補的に変化することとなる。つまり、VPGが高くなる時にはVNGが低くなり、VPGが低くなる時にはVNGが高くなる。また、第1インダクタ31と第2インダクタ32のインダクタンスが同じである場合、VPGの絶対値とVPGの絶対値は同じになる。そして、コモンモード電圧Vcomは、VPGとVNGの平均であるとみなすことができるので、Vcomは、スイッチ素子33のオン作動時、オフ作動時のいずれであっても、一定の値(直流電源10の電圧の半分の値)となる(図5(e)参照)。なお、VnorはVceと同じ値となるように変化する。
以上により、第2インダクタ32を備えるチョッパ回路30では、VPGとVNGが相補的に変化するようにできるので、スイッチング作動させてもVcomは一定の値(75V)となり変化しない。よって、スイッチング作動に伴う寄生コンデンサFpの充放電は生じないので、寄生コンデンサFpを通じてコモンモード電流Icomが筐体40から漏出しないことが、図6に示す電位差の変化から明らかである。
図7は、Vcomが一定の値(図6の例では75V)になることを計算式で説明する図である。なお、図7(a)中の矢印は、図6(a)と同様にして電位差の向きを表している。但し、符号iに示す矢印は電流の向きを示す。
VPG,VNGは、図7(b)に示すように表すことができる。一方、Vcomは、先述したように(VPG+VNG)/2と表すことができるので、この式に図7(b)に示すVPG,VNGの式を代入すれば、図7(c)のように展開できる。そして、L1=L2に設定すれば、Vcom=(2VDG+Vd)/2と表すことができ、このことは、Vcomが一定となることを意味する。つまり、コモンモード電流Icomは流れない。なお、図6(e)の例では、VDG=0となっていたため、Vcom=Vd/2となっている。
図7(d)は、ノーマルモード時の出力電圧Vnorを表した式であり、スイッチ素子33のオン作動時にはゼロであり、オフ作動時にはVceとなることを表す。なお、図6(e)の例では、Vce=300Vとなっている。
このように図6および図7は、先述した式Aを満たす第2インダクタ32を備えることにより、コモンモード電流Icomが流れなくなることを示しているが、先述したように、実際には式Aを完全に満たすようにすることは困難であり、コモンモード電流Icomは僅かに流れることとなる(図4(c)(d)参照)。
図8は、このようにコモンモード電流Icomが流れていることを前提とした、第2ダイオード37を備えることによる効果を説明する図である。図8(a)中の符号Fp,Fnは、スイッチ素子33のp側およびn側に寄生する寄生コンデンサであって、第1ダイオード35および第2ダイオード37に対してスイッチ素子33の側に存在する寄生コンデンサを示す。また、図8(a)中の符号Fpd,Fndは、スイッチ素子33のp側およびn側に寄生する寄生コンデンサであって、第1ダイオード35および第2ダイオード37に対して電気負荷20の側に存在する寄生コンデンサを示す。なお、図8(a)中の矢印は、図6(a)と同様にして電位差の向きを表している。
図8(b)に示すVceの変化は図5(b)および図6(b)と同じである。そして、図8(c)に示すように、第1ダイオード35の電位差VDPと第2ダイオード37の電位差VDNとは、スイッチ素子33のスイッチング作動に伴い相補的に変化することとなる。
具体的には、オン作動時において、電気負荷20からスイッチ素子33のp側へは第1ダイオード35により電流が流れない。そのため、第1ダイオード35の平滑コンデンサ34側の電位がスイッチ素子33側の電位よりも高くなる。よって、第1ダイオード35の電位差VDPはマイナスになる。また、オン作動時において、電気負荷20からスイッチ素子33のn側へは第2ダイオード37により流れない。そのため、第2ダイオード37の平滑コンデンサ34側の電位がスイッチ素子33側の電位よりも低くなる。よって、第2ダイオード37の電位差VDNはプラスになる。
つまり、オン作動に伴いVDNがプラスの値になった時にはVDPがマイナスの値になる。しかも、VDNの絶対値とVDPの絶対値は同じになる。なお、オフ作動時には、第1ダイオード35および第2ダイオード37に電流が流れるため、図8(c)に示すように、VDP,VDNの値はゼロになる。これに対し、第2ダイオード37が設けられていなければ、オン作動時およびオフ作動時のいずれにおいてもVDNは常時ゼロとなり、VDPは、図8(c)中の一点鎖線に示すように変化する。
このように、第2ダイオード37を設けることで、オン作動時のVDNがプラス側に持ち上げられ、さらに、オン作動時のVDNとVDPの絶対値は一致する。そのため、寄生コンデンサFpdの電位差VPRおよび寄生コンデンサFndの電位差VNRは、それぞれ一定の値となる(図8(d)参照)。換言すれば、寄生コンデンサFpdおよびFndには直流電圧が印加されるだけであり、交流電圧は印加されない。ちなみに、第2ダイオード37が設けられていなければ、オン作動時およびオフ作動時のいずれにおいてもVNRは常時ゼロとなり、VPRは、図8(d)中の一点鎖線に示すように変化する。
以上により、第2ダイオード37を備えるチョッパ回路30では、VDPとVDNが相補的に変化するので、スイッチング作動させてもVPRとVNRは一定の値となり変化しない。よって、スイッチング作動に伴う寄生コンデンサFpd,Fndの充放電は生じないので、寄生コンデンサFpd,Fndを通じてコモンモード電流Icomが筐体40から漏出しないことが、図8に示す電位差の変化から明らかである。このことは、チョッパ回路30内部においては、寄生コンデンサFpを通じて筐体40からコモンモード電流Icomが漏出するものの、出力端子Toutに接続されている電気負荷20に起因した寄生コンデンサFpdを通じては、筐体40からコモンモード電流Icomが漏出しないことを意味する。
次に、以上に詳述した本実施形態による効果を要約して説明する。
すなわち、本実施形態では、L1×Cp=L2×Cnを満たすように選定された第2インダクタ32を備えるので、図6(e)に示す如くVcomが変化することを抑制できる。よって、図4(a)に示すコモンモード電流を、図4(c)に示す状態にまで低減できる。
また、第2ダイオード37を備えるので、図8(d)に示すように、電気負荷20に起因した寄生コンデンサFpdの電位差VPRを一定にできるので、電気負荷20に起因した寄生コンデンサFpdを通じては筐体40からコモンモード電流Icomが漏出しないようにできる。よって、電気負荷20の仕様や配置等に応じて変化する寄生コンデンサFpdの浮遊容量とは無関係に、チョッパ回路30内部の寄生コンデンサFpの浮遊容量Cp,Cnに基づき、L1×Cp=L2×Cnを満たすように第1インダクタ31および第2インダクタ32を選定できるようになる。よって、出力端子Toutに接続される電気負荷20の状況に影響されずに共通した第1および第2インダクタ31,32を選定することはでき、チョッパ回路30の共通化を図ることができる。
また、臨界制動抵抗値Rcの抵抗素子を制動抵抗素子38として選定するので、最も電流強度が高くなる周波数(共振周波数fp)のコモンモード電流を、制動抵抗素子38により低減できるので、コモンモード電流を効果的に低減できる。なお、コモン電流経路のインピーダンスの大きさが最大となるように第1及び第2インダクタ31,32を選定(例えばL1=L2となるように選定)して、コモンモード電流の低減促進を図ることが望ましい。
(他の実施形態)
本発明は上記実施形態の記載内容に限定されず、以下のように変更して実施してもよい。また、各実施形態の特徴的構成をそれぞれ任意に組み合わせるようにしてもよい。
・図1の例では、直流電源10に直流電池を採用しているが、交流電源と整流素子とを備えた装置であって、整流された直流電気を出力する装置を直流電源10として採用するようにしてもよい。
・図1の例では、ヒートシンク30hと筐体40の間に制動抵抗素子38を接続しているが、回路パターンの所定部位と筐体40の間に制動抵抗素子38を接続するようにしてもよい。
・図2のステップS10では、ヒートシンク容量を試験計測により取得しているが、数値解析により取得するようにしてもよい。また、図2のステップS11では、数値解析により浮遊容量を取得しているが、試験計測により取得するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、昇圧用制限手段および直流化用制限手段としてダイオード35,37を採用しているが、これらのダイオード35,37に替えて、IGBTやMOS−FET等の半導体スイッチを採用してもよい。この場合、上記各実施形態においてダイオード35,37が電流の流れを制限しているタイミングで半導体スイッチをオフ作動させ、ダイオード35,37に順方向の電流が流れているタイミングで半導体スイッチをオン作動させればよい。
・上記各実施形態では、逆電流発生手段として第2インダクタ32を採用しているが、このようなインダクタに替えて、次のように電圧を印加する回路を採用してもよい。すなわち、スイッチ素子33のp側端子の電位を検知し、検知した電位とは正負逆向きの電位をスイッチ素子33のn側端子に印加する回路である。換言すれば、p側電位の変化をカレントとして相補的に変化する電位をn側端子に印加する回路である。
10…直流電源、20…電気負荷、30…昇圧型チョッパ回路、30h…ヒートシンク、31…第1インダクタ(昇圧用インダクタ)、33…スイッチ素子、32…第2インダクタ(逆流用インダクタ(逆電流発生手段))、35…第1ダイオード(昇圧用制限手段)、37…第2ダイオード(直流化用制限手段)、38…制動抵抗素子、40…筐体、S10,S11,S12…第1手順、S13…第2手順、S20,S21…第3手順、S22…第4手順。

Claims (6)

  1. 直流電源と電気負荷の間に直列接続された昇圧用インダクタと、前記電気負荷に並列接続されるスイッチ素子と、前記電気負荷の側から前記昇圧用インダクタの側へ電流が流れることを制限する昇圧用制限手段と、を備え、
    前記スイッチ素子をスイッチング作動させることにより、前記電気負荷へ供給される電力の平均電圧を制御する昇圧型チョッパ回路であって、
    前記スイッチ素子のうち前記昇圧用インダクタが接続される側の端子をp側端子、前記p側端子の反対側をn側端子とした場合において、
    前記スイッチ素子のスイッチング作動時に、前記p側端子と対地間の浮遊容量に流れるコモンモード電流とは逆向きの電流を、前記n側端子と対地間の浮遊容量に流させる逆電流発生手段と、
    前記n側端子と前記電気負荷の間に直列接続され、前記n側端子の側から前記電気負荷の側へ電流が流れることを制限することで、前記電気負荷の両端と対地間の浮遊容量には直流成分の電圧が印加されることとなるように機能する直流化用制限手段と、
    を備えることを特徴とする昇圧型チョッパ回路。
  2. 前記昇圧用インダクタ、前記逆電流発生手段、前記スイッチ素子、前記昇圧用制限手段および前記直流化用制限手段を有して構成される回路ユニットと、前記回路ユニットを収容する筐体との間に、前記昇圧用インダクタに流れるコモンモード電流を抑制させる制動抵抗素子を直列接続させたことを特徴とする請求項1に記載の昇圧型チョッパ回路。
  3. 前記逆電流発生手段は、前記n側端子と前記直流電源の間に直列接続され、前記p側端子の対地電圧と前記n側端子の対地電圧の変化が前記スイッチング作動に伴い相補的に変化するように機能する逆流用インダクタであり、
    前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタにコモンモード電流が流れるコモンモードにおいて、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタの合成インダクタと、前記回路ユニットに存在する浮遊容量とから構成されることとなるLC回路を、コモンモードLC回路とした場合において、
    前記コモンモードLC回路の臨界制動抵抗値に、前記制動抵抗素子の抵抗値を設定したことを特徴とする請求項2に記載の昇圧型チョッパ回路。
  4. 前記スイッチ素子、前記昇圧用制限手段および前記直流化用制限手段の少なくとも1つにはヒートシンクが取り付けられており、
    前記制動抵抗素子は、前記ヒートシンクと前記筐体との間に直列接続されていることを特徴とする請求項2または3に記載の昇圧型チョッパ回路。
  5. 直流電源と電気負荷の間に直列接続された昇圧用インダクタと、前記電気負荷に並列接続されるスイッチ素子と、前記電気負荷の側から前記昇圧用インダクタの側へ電流が流れることを制限する昇圧用制限手段と、を備え、前記スイッチ素子をスイッチング作動させることにより、前記電気負荷へ供給される電力の平均電圧を制御する昇圧型チョッパ回路に適用され、
    前記スイッチ素子のうち前記昇圧用インダクタが接続される側のp側端子とは反対側のn側端子と前記直流電源の間に直列接続され、前記p側端子の対地電圧と前記n側端子の対地電圧の変化が前記スイッチング作動に伴い相補的に変化するように機能する逆流用インダクタと、
    前記n側端子と前記電気負荷の間に直列接続され、前記n側端子から前記電気負荷へ電流が流れることを制限することで、前記電気負荷の両端と対地間の浮遊容量には直流成分の電圧が印加されることとなるように機能する直流化用制限手段と、
    を備えた昇圧型チョッパ回路の設計方法であって、
    前記昇圧用インダクタのインダクタンスをL1、前記逆流用インダクタのインダクタンスをL2、一方の電極が前記p側端子と同電位となっている寄生コンデンサの浮遊容量をCp、一方の電極が前記n側端子と同電位となっている寄生コンデンサの浮遊容量をCnとした場合において、
    前記浮遊容量Cp、Cnを試験計測または数値解析により取得する第1手順と、
    前記第1手順により取得した浮遊容量Cp、Cnの値に基づき、L1・Cp=L2・Cnとの関係を満たすように前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタを選定する第2手順と、
    を備えることを特徴とする昇圧型チョッパ回路の設計方法。
  6. 前記昇圧用インダクタ、前記逆流用インダクタおよび前記スイッチ素子を有して構成される回路ユニットと、前記回路ユニットを収容する筐体との間には、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタに流れるコモンモード電流を抑制させる制動抵抗素子が直列接続されており、
    前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタにコモンモード電流が流れるコモンモードにおいて、前記昇圧用インダクタおよび前記逆流用インダクタの合成インダクタと、前記回路ユニットに存在する浮遊容量とから構成されることとなるLC回路を、コモンモードLC回路とした場合において、
    前記LC回路の臨界制動抵抗値を試験計測または数値解析により取得する第3手順と、
    前記第3手順により取得した臨界制動抵抗値となる前記制動抵抗素子を選定する第4手順と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の昇圧型チョッパ回路の設計方法。
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