JP2012238509A - 低圧引込絶縁電線 - Google Patents

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Abstract

【課題】 施工時に電線を引きずっても絶縁体が容易に白化することがなく、施工時に電線を引きずったときの外傷性を向上することのできる低圧引込絶縁電線を提供すること。
【解決手段】 導体5の上に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層6を形成し、内層6の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して外層7を被覆する絶縁電線2と、導体8,12の上に各種の識別色に彩色すると共に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆する内層9,14と、内層9,14の一部を外部に露出させる部分を残しカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを内層9,14の上に被覆する外層11,14からなる絶縁層を備えた2本の絶縁電線3,4とを撚り合わせて低圧引込用電線1を構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、低圧引込絶縁電線に係り、特に施工時に電線を引きずっても絶縁体が容易に白化することのなく外傷性を向上することのできる低圧引込絶縁電線に関する。
低圧引込絶縁電線は、架空低圧配線から需要家への引き込み用に用いられるもので、一般的には、絶縁体にPVC(ポリ塩化ビニル)が用いられている。そして、この低圧引込絶縁電線には、2線以上の電線を撚り合わせる撚り線と、各線並行に配置してなる平型のDV電線がある。
この低圧引き込み電線については、特許文献1に示されている。低圧引き込み電線は、この特許文献1の図4に示すようなDVR電線が主に用いられている。このDVR電線50は、三心撚り線の場合、電線51、電線52及び電線53の3心が撚り合わされて構成されている。このDVR電線50は、DVR電線50を構成する3心の電線それぞれを識別できるように、電線51は、導体54に黒色の彩色がされた絶縁体55を被覆して構成され、電線52は、導体56に例えば青色の彩色がされた絶縁体57を被覆して構成され、電線53は、導体58に例えば緑色の彩色がされた絶縁体59を被覆して構成されている。
低圧引込絶縁電線の絶縁体にPVC(ポリ塩化ビニル)が用いられるのは、耐候性が優れており、絶縁体の色別が容易で、2心〜3心を一括した構造となっているため、工事がやりやすいのと、絶縁体が自己消炎性であり、かつ絶縁体の厚さが600VPVC電線と同一であるため安全に使用できることに基づいている。
このように低圧引込用電線の撚り合わせられた各絶縁電線は、それぞれを識別できるように導体を被覆する絶縁体がそれぞれ異なった色彩の樹脂となっている。
黒色の彩色がされた絶縁体55はカーボンを含有し黒色に彩色が施されている。また、この黒色の彩色が施された絶縁体55以外の樹脂、すなわち、青色の絶縁体57及び緑色の絶縁体59は、樹脂にカーボンが含有されていない。このため、青色の絶縁体57及び緑色の絶縁体59は、黒色の絶縁体55に比べると樹脂にカーボンが含有されていないため太陽光に含まれる紫外線の遮断効果が少なく、酸化劣化を起こし易い。したがって、電線52,53の絶縁体57,59は屋外で太陽光に晒されると劣化による亀裂が生じ易くなっている。この絶縁体57,59に亀裂が発生すると、電線の絶縁特性が低下し、亀裂部に汚れが付着し、雨水の滞留が生じ、導電部が形成され、絶縁体表面に沿って漏れ電流が流れ、絶縁材料の一部が分解されて炭化物が生成するトラッキング現象が生じることがある。
そこで、特許文献2において、トラッキング現象の発生を抑制するトラッキング性を向上させて各絶縁電線間での放電現象による発火や断線事故を防止でき、目視による色等の認識によって各絶縁電線を識別できる低圧引込用電線が提案されている。
特許文献2の低圧引込用電線は、特許文献2の図1に示す如く、所定の同じ外径となる円断面形状の3本の絶縁電線11、12、13を撚り合わせて構成されている。そして、この3本の絶縁電線11、12、13の内の1本の絶縁電線11は、導体14周囲に絶縁体15を一層のみ備えて構成されている。さらに、3本の絶縁電線11、12、13の内の他の絶縁電線12、13は、導体14の周囲に内外二層の絶縁体を配設し、外層絶縁体16、17の一部及び内層絶縁体18、19を線心識別可能な所定色によって構成されている。
特許文献2の低圧引込用電線1の絶縁電線11は、導体14の周囲に、カーボンブラック等を配合した黒色又は灰色で耐候性及び耐トラッキング性に優れた材質製の絶縁体15を一層備え、一般的な耐トラッキング性を有する絶縁電線と同様に構成されている。
また、特許文献2の低圧引込用電線1の絶縁電線12は、導体14の周囲に耐トラッキング性に優れた材質製の内層絶縁体18を被覆し、この内層絶縁体18の上に同様に耐トラッキング性に優れた材質製の外層絶縁体16を覆って構成されている。
そして、特許文献2の低圧引込用電線1の絶縁電線13は、導体14の周囲に耐トラッキング性に優れ且つ内層絶縁体18とは色の異なる材質からなる内層絶縁体19を被覆し、その外側に外層絶縁体17を被覆して構成されている。
さらに、特許文献2の低圧引込用電線1の絶縁電線12、13の内層絶縁体18、19は、外側絶縁体16、17の耐候性材質部16b、17bと異なり、カーボンブラックが配合されておらず、青、緑、茶、白、赤、黄、紫、桃、オレンジ、ベージュなどの彩色がなされている。そして、この内層絶縁体18、19は、高密度ポリエチレンを含んだオレフィン系ベース樹脂によって構成されている。
また、特許文献2の低圧引込用電線1の絶縁電線12、13の外側絶縁体16、17には、各絶縁電線12、13ごとに異なった色で彩色された内層絶縁体18、19の色と同じ色に彩色された線心識別用の色帯部16a、17aが、表面の一部に外層全体の厚さより薄い所定厚さで一又は複数本長手方向に設けられている。そして、色帯部16a、17aと、それ以外の耐候性材質部16b、17bとによって、外側絶縁体16、17が構成されている。
この色帯部16a、17aは、内層絶縁体18、19と同一色の同一材料で形成されている。
特開2002−324443号公報 特開2007−194023号公報
このように構成される特許文献2に記載された低圧引込用電線においては、外側絶縁体16、17に高密度ポリエチレンを含んだオレフィン系ベース樹脂を使用している。このため、低圧引込用電線を施工する際あるいは布設する際に引きずることで絶縁電線12、13の絶縁体が白化するという問題を有している。
また、特許文献2に記載された低圧引込用電線においては、高密度ポリエチレンを含んだオレフィン系ベース樹脂に難燃剤として金属水酸化物を添加しているため、耐摩耗性難燃剤を添加していないポリエチレンと比べると、耐摩耗性が劣るという問題があり、過度の外傷や衝撃に耐えられないという問題点を有している。
さらに、特許文献2に記載された低圧引込用電線にあっては、低圧引込用電線を製造する際に、内層絶縁体18、19を被覆する押出機と、外側絶縁体16、17を被覆する押出機と、外側絶縁体16、17の表面の一部に絶縁電線12、13の長手方向に色帯部16a、17aを形成する押出機と、3台の押出機を必要とし、製造が困難であるという問題点を有している。
加えて、特許文献2に記載された低圧引込用電線にあっては、長期に渡って使用した際の識別が、ストライプ状の色帯部16a、17aの退色により判別が困難となり、外側絶縁体16、17の表面を削り(退色した外側の部分を削り)、内層絶縁体18、19をの色(着色層)を認識する必要があるため、事故時の識別作業や夜間における識別作業が困難であるという問題点を有している。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、施工時に電線を引きずっても絶縁体が容易に白化することがなく、識別性を損なうことなく施工時に電線を引きずったときの外傷性を向上することのできる低圧引込絶縁電線を提供することを目的とする。
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明に係る低圧引込用絶縁電線は、絶縁電線2,3,4を複数本撚り合わせてなる低圧引込用電線1において,
前記絶縁電線2,3,4の内の一本の絶縁電線2は、
導体5の上に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層6を形成し、前記内層6の上に黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して外層7を形成して絶縁層を構成してなり,
前記絶縁電線2,3,4の内の他の絶縁電線3,4は、
導体8,12の上に、各種の識別色に彩色すると共に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層9,14を形成し、前記内層9,14の上に、該内層9,14の一部の外部に露出させる部分を残し、黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して外層11,14を形成して絶縁層を構成してなることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項2に記載の発明に係る低圧引込用絶縁電線は、絶縁電線21,22,23を複数本撚り合わせてなる低圧引込用電線20において,
前記絶縁電線21,22,23の内の一本の絶縁電線21は、
導体24の上に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層25を形成し、前記内層25の上に、カーボンブラックを配合して黒色に着色する高密度ポリエチレンを被覆して外層26を形成して被覆して絶縁層を構成し、
前記絶縁電線21,22,23の内の他の絶縁電線22,23は、
導体27,31の上に、カーボンブラックを配合して黒色に着色すると共に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層28,32を形成し、前記内層28,32の上に、各種の識別色に彩色する高密度ポリエチレンを被覆して外層30,34を形成して絶縁層を構成してなることを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項3に記載の発明に係る低圧引込用絶縁電線は、請求項2に記載の低圧引込用絶縁電線20において,
前記絶縁電線21,22,23の内の他の絶縁電線22,23の絶縁層を構成する内層28,32は、前記絶縁電線21,22,23の内の他の絶縁電線22,23の絶縁層を構成する外層30,34から該内層28,32の一部を外部に露出させて形成したことを特徴とする。
上記課題を解決するためになされた請求項4に記載の発明に係る低圧引込用絶縁電線は、請求項2又は3に記載の低圧引込用絶縁電線20において,
前記絶縁電線21,22,23の内の他の絶縁電線22,23の絶縁層を構成する外層30,34は、
高密度ポリエチレンに耐候性を向上させる着色剤を配合して識別色を施し、耐候性および長期使用時の識別性を向上させることを特徴とする。
本発明によれば、低圧引込用絶縁電線を構成する識別色を彩色されている絶縁電線において、内層の絶縁体に低密度ポリエチレンに金属水酸化物を配合してなる耐燃ポリエチレンを使用し、内層の絶縁体を外層から一部露出させる部分を除くそれ以外の部分に、耐摩耗性に優れた高密度ポリエチレンを使用する外層で覆うことで、耐摩耗性の向上、外傷性の向上、さらに白化を抑えることができ、外層から内層の絶縁体を一部を外部に露出させることにより、難燃性を持たせることができる。
また、本発明によれば、低圧引込用絶縁電線を構成する識別色を彩色されている絶縁電線を内層と外層の二層によって構成することができるため、内層用の押出機と外層用の押出機の2台の押出機で1つのラインで製造することができるので、容易に製造することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる低圧引込用絶縁電線の断面図である。 図2は、本発明の第2の実施の形態にかかる低圧引込用絶縁電線の断面図である。
以下、図面を参照して、本発明にかかる低圧引込用絶縁電線の実施の形態について説明する。
図1には、本発明の実施の形態にかかる低圧引込用絶縁電線の第1の実施例が示されている。
図において、低圧引込用絶縁電線1は、所定の同じ外径となる断面円形状の3本の絶縁電線2、3、4が撚り合わされて構成されている。
この3本の絶縁電線の内の1本の絶縁電線2は、導体5の上に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層6が形成されている。この内層6の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して外層7が形成されている。そして、この内層6と外層7とによって絶縁層が構成されている。
導体5は、特に限定されるものではないが本実施例においては軟銅線によって構成されている。
外層7は、カーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンによって構成され、内層6の外周に押出被覆されている。このように外層7には、カーボンブラックが配合されているので、紫外線遮断効果に優れており、高い耐候性を有している。さらに、外層7は、高密度ポリエチレンによって構成されているため、外部からの衝撃に強いものとなっている。
高密度ポリエチレン(HDPE)は、高圧重合法によって製造する低密度ポリエチレンとは異なり、中圧法または低圧法により重合されるため、「中低圧法ポリエチレン」とも称され、繰り返し単位のエチレンが分岐をほとんど持たず直鎖状に結合した、結晶性の熱可塑性樹脂に属する合成樹脂のことで、密度が0.942g/cm以上のポリエチレンである。
そして、高密度ポリエチレン(HDPE)は、低密度ポリエチレン(密度が0.910g/cm以上0.930g/cm未満のポリエチレン)と比較すると物性が異なり、軟化温度は120℃、融点は150℃で、低密度ポリエチレンと比較すると、高温に耐える特性があり、また、引っ張り強さ、フィルムの腰の強さを有している。
また、内層6を構成する低密度ポリエチレンには、難燃性を向上するため、金属水酸化物が配合されている。
金属水酸化物は、自己消化作用と絶縁体の機械的特性とに配慮してポリエチレンに対する配合量が設定されている。本形態においては、特に限定するものでないが、高密度ポリエチレン100重量部に対して金属水酸化物10〜300重量部を配合するようになっている。金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか一種類、または二種類以上の混合物によって構成されている。
この金属水酸化物の配合によって、内層6は、難燃性を向上することができ、耐トラッキング性を向上することができる。
3本の絶縁電線の内の他の1本の絶縁電線3は、導体8の上に内層9が押出被覆されている。
導体8は、特に限定されるものではないが本実施例においては軟銅線によって構成されている。
内層9は、他の絶縁電線2,4と区別して接続される絶縁電線であることを明確に特定するため、識別ができるように各種着色(例えば、青色、緑色等)を施した低密度ポリエチレン(LDPE)が押出被覆されている。したがって、この内層9には、カーボンブラックが配合されていない。このため、内層9は、紫外線遮断効果が小さく、耐候性を有していない。
内層9を構成する低密度ポリエチレン(LDPE)には、難燃性を向上するため、金属水酸化物が配合されている。
金属水酸化物は、自己消化作用と絶縁体の機械的特性とに配慮してポリエチレンに対する配合量が設定されている。本形態においては、特に限定するものでないが、低密度ポリエチレン100重量部に対して金属水酸化物10〜300重量部を配合するようになっている。金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか一種類、または二種類以上の混合物によって構成されている。
この金属水酸化物の配合によって、内層9は、難燃性を向上することができ、耐トラッキング性を向上することができる。
この内層9には、外周の複数箇所に外側に露出する露出部10(10a,10b,10c)が設けられている。この露出部10a,10b,10cは、それぞれ絶縁電線3の長手方向に帯状に設けられている。
なお、本実施例においては、3つの露出部10a,10b,10cを有した内層9が示されているが、内層9の露出部は、3つに限られるものではない。
内層9の上には、露出部10(10a,10b,10c)が外部に露出するようにして外層11が押出被覆されている。この内層9と外層11とによって絶縁電線3の絶縁層が構成されている。
外層11は、カーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンによって構成され、内層9の外周に押出被覆されている。この外層11からは、内層9の露出部10(10a,10b,10c)が露出している。
したがって、絶縁電線3を外部から観察すると、外層11は、内層9を形成する樹脂によって構成される露出部10(10a,10b,10c)と外層11とが、長さ方向にストライプ状に形成された状態になっている。
外層11は、カーボンブラックを配合する高密度ポリエチレンによって形成され、黒色に着色されれている。このように外層11は、カーボンブラックが配合されているため、紫外線遮断効果に優れており、高い耐候性を有している。
一方、外層11には、内層8のように金属水酸化物が配合されていない。したがって、外層11は、内層9ほどの難燃性はない。
この絶縁電線3の難燃性については、ストライプ状に外層11から露出した内層9によって所望の特性を満足することができる。
また、絶縁電線3としては、外層11に高密度ポリエチレンを用いることで、施工時に電線を引きずっても絶縁体が容易に白化することのなく、施工時の傷も軽減できる。このように耐外傷性が向上するため、長期間の使用に耐えることができる。
さらに、外層11は、高密度ポリエチレンにカーボンブラックを配合して黒色に着色してあるため、紫外線遮断効果に優れており、高い耐候性を有し、耐トラッキング性に優れている。
3本の絶縁電線の内のさらに他の1本の絶縁電線4は、導体12の上に内層13が押出被覆されている。
導体12は、特に限定されるものではないが本実施例においては軟銅線によって構成されている。
内層13は、他の絶縁電線2,3と区別して接続される絶縁電線であることを明確に特定するため、識別ができるように各種(例えば、青色、緑色等)の着色を施した低密度ポリエチレン(LDPE)が押出被覆されている。したがって、この内層13には、カーボンブラックが配合されていない。このため、内層13は、紫外線遮断効果が小さく、耐候性を有していない。
また、内層13を構成する低密度ポリエチレンには、難燃性を向上するため、金属水酸化物が配合されている。
金属水酸化物は、自己消化作用と絶縁体の機械的特性とに配慮してポリエチレンに対する配合量が設定されている。本形態においては、特に限定するものでないが、低密度ポリエチレン100重量部に対して金属水酸化物50〜200重量部を配合するようになっている。金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか一種類、または二種類以上の混合物によって構成されている。
この金属水酸化物の配合によって、内層12は、難燃性を向上することができ、耐トラッキング性を向上することができる。
この内層13には、外周の複数箇所に外側に露出する露出部14(14a,14b,14c)が設けられている。この露出部14a,14b,14cは、それぞれ絶縁電線4の長手方向に帯状に設けられている。
なお、本実施例においては、3つの露出部14a,14b,14cを有した内層13が示されているが、内層12の露出部は、3つに限られるものではない。
内層13の上には、露出部14(14a,14b,14c)が外部に露出するようにして外層15が押出被覆されている。この内層13と外層15とによって絶縁電線4の絶縁層が構成されている。
外層15は、カーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンによって構成され、内層13の外周に押出被覆されている。この外層15からは、内層13の露出部14(14a,14b,14c)が露出している。
したがって、絶縁電線3を外部から観察すると、外層15は、内層13を形成する樹脂によって構成される露出部14(14a,14b,14c)と外層15とが、長さ方向にストライプ状に形成された状態になっている。
外層15は、カーボンブラックを配合する高密度ポリエチレンによって形成され、黒色に着色されている。このように外層15は、カーボンブラックが配合されているため、紫外線遮断効果に優れており、高い耐候性を有している。
一方、外層15には、内層13のように金属水酸化物が配合されていない。したがって、外層15は、内層13ほどの難燃性はない。
この絶縁電線4の難燃性については、ストライプ状に外層15から露出した内層13によって所望の特性を満足することができる。
また、絶縁電線4としては、外層15に高密度ポリエチレンを用いることで、施工時に電線を引きずっても絶縁体が容易に白化することのなく、施工時の傷も軽減できる。このように耐外傷性が向上するため、長期間の使用に耐えることができる。
さらに、外層15は、高密度ポリエチレンにカーボンブラックを配合して黒色に着色してあるため、紫外線遮断効果に優れており、高い耐候性を有し、耐トラッキング性に優れている。
このように図1に図示の絶縁電線3,4は、内層9,13の識別層となる露出部9,13を外層11,15から外部に露出し、内層9,13のそれ以外の部分を高密度ポリエチレンによって形成される外層11,15によって保護する。そして、絶縁電線3,4と、導体5の低密度ポリエチレンによって形成される内層6の上に黒色に着色された高密度ポリエチレンによって構成される外層7を押出被覆して構成される絶縁電線2との3本を撚り合わせて低圧引込用絶縁電線1が形成される。
絶縁電線3,4の各電線の識別性は、内層9,13によって構成される識別層の一部の露出部9,13が外層11,15から外部に露出してあるため、外部から容易に識別できるようになっており、確保されている。
このように構成することによって低圧引込用絶縁電線1の絶縁電線2の耐候性は、外層7に黒色に着色された高密度ポリエチレンを使用することで、従来の低圧引込用絶縁電線と同様の特性を有することができ、絶縁電線3,4の耐候性は、外層11,15に黒色の高密度ポリエチレンを使用することで、従来の低圧引込用絶縁電線と同様の特性を有することができる。
このように構成することによって低圧引込用絶縁電線1は、識別部分である内層9,13の露出部10(10a,10b,10c)、14(14a,14b,14c)が、内層9,13を形成する絶縁体と一体化しているため、長期間の使用にあたって、退色しても従来例より識別を容易に行うことができる。
図2には、本発明の実施の形態にかかる低圧引込用絶縁電線の第2の実施例が示されている。
図において、低圧引込用絶縁電線20は、所定の同じ外径となる断面円形状の3本の絶縁電線21、22、23が撚り合わされて構成されている。
この3本の絶縁電線の内の1本の絶縁電線21は、導体24の上に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層25が形成されている。この内層25の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して外層26が形成されている。そして、この内層25と外層26とによって絶縁層が構成されている。
この絶縁電線21は、図1に図示の第1の実施例の絶縁電線2と同じ構成を有している。
すなわち、導体24は、特に限定されるものではないが本実施例においては軟銅線によって構成されており、内層25は、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンによって構成され、外層26は、カーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンによって構成され、紫外線遮断効果を持たせて導体24の外周に押出被覆されている。
また、内層25を構成する低密度ポリエチレンには、難燃性を向上するため、金属水酸化物が配合されている。
金属水酸化物は、自己消化作用と絶縁体の機械的特性とに配慮してポリエチレンに対する配合量が設定されている。本形態においては、特に限定するものでないが、低密度ポリエチレン100重量部に対して金属水酸化物10〜300重量部を配合するようになっている。金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか一種類、または二種類以上の混合物によって構成されている。
この金属水酸化物の配合によって、内層25は、難燃性を向上することができ、耐トラッキング性を向上することができる。
3本の絶縁電線の内の他の1本の絶縁電線22は、導体27の上に内層28が押出被覆されている。
導体27は、特に限定されるものではないが本実施例においては軟銅線によって構成されている。
内層28は、カーボンブラックを配合して黒色に着色すると共に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレン(LDPE)が押出被覆されて形成されている。この内層28には、カーボンブラックを配合して黒色に着色されているため、紫外線遮断効果に優れており、高い耐候性を有している。
さらに、内層28には、金属水酸化物が配合されているので、難燃性を向上することができ、耐トラッキング性を向上することができる。
金属水酸化物は、自己消化作用と絶縁体の機械的特性とに配慮してポリエチレンに対する配合量が設定されている。本形態においては、特に限定するものでないが、低密度ポリエチレン100重量部に対して金属水酸化物10〜300重量部を配合するようになっている。金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか一種類、または二種類以上の混合物によって構成されている。
この内層28の上には、外周の複数箇所に外側に露出する露出部29(29a,29b,29c)が設けられている。この露出部29a,29b,29cは、それぞれ絶縁電線22の長手方向に帯状に設けられている。
なお、本実施例においては、3つの露出部29a,29b,29cを有した内層28が示されているが、内層28の露出部は、3つに限られるものではない。
内層28の上には、露出部29(29a,29b,29c)が外部に露出するようにして外層30が押出被覆されている。この内層28と外層30とによって絶縁電線22の絶縁層が構成されている。
外層30は、他の絶縁電線21,23と区別して接続される絶縁電線を明確に特定するため、識別ができるように各種着色(例えば、青色、緑色等)を施した高密度ポリエチレン(HDPE)によって押出被覆されている。このように外層30に高密度ポリエチレンを使用することで、耐摩耗性を向上することができ、白化を抑えることができる。
また、外層30からは、内層28の露出部29(29a,29b,29c)が露出している。
したがって、絶縁電線22を外部から観察すると、外層30は、内層28を形成する樹脂によって構成される露出部29(29a,29b,29c)と外層30とが、長手方向のストライプ状に形成された状態になっている。
外層30は、他の絶縁電線21,23と区別できるように高密度ポリエチレン(HDPE)に各種着色(例えば、青色、緑色等)を施してあるが、絶縁電線21の外層26のように、カーボンブラックが配合されていない。このため、絶縁電線22の外層30は、紫外線遮断効果が小さく、耐候性を有していない。
また、外層30を構成する高密度ポリエチレン(HDPE)には、難燃剤である金属水酸化物が配合されていない。このため、外層30そのものによっては、難燃性が内層28ほどなく、耐難燃性の特性を満足することができない。
絶縁電線22としての特性である耐摩耗性(白化の抑制)については、外層30に高密度ポリエチレン(HDPE)を使用することで、所望の特性を満足するようになっている。
また、絶縁電線22としての特性である耐候性については、内層28を構成する低密度ポリエチレン(LDPE)にカーボンブラックを配合することで、満足するようになっている。
また、絶縁電線22としての特性である耐難燃性(耐トラッキング性)については、外層30によって特性を満足することができないが、内層28の外周の複数箇所に露出部29(29a,29b,29c)を設け、この露出部29を外層30から外側に露出させることで所望の特性を満足するようになっている。
外層30を構成する高密度ポリエチレンに、他の絶縁電線21,23と区別できるように配合する各種着色(例えば、青色、緑色等)には、耐候性を向上させる着色剤を使用してもよい。このように耐候性を向上させる着色剤を使用することによって耐候性および長期間の使用時における絶縁電線としての識別性を向上させることができる。
3本の絶縁電線の内の他の1本の絶縁電線23は、導体31の上に内層32が押出被覆されている。
この絶縁電線23は、絶縁電線22と同様の構成となっている。すなわち、導体31は、軟銅線によって構成され、内層32は、カーボンブラックを配合して黒色に着色した低密度ポリエチレンによって、紫外線遮断効果を持たせて導体31の外周に押出被覆されている。このように内層32は、カーボンブラックが配合されているため、紫外線遮断効果に優れており、高い耐候性を有している。
また、内層32を構成するカーボンブラックを配合した低密度ポリエチレンには、難燃性を向上するため、金属水酸化物が配合されている。
金属水酸化物は、自己消化作用と絶縁体の機械的特性とに配慮してポリエチレンに対する配合量が設定されている。本形態においては、特に限定するものでないが、低密度ポリエチレン100重量部に対して金属水酸化物10〜300重量部を配合するようになっている。金属水酸化物は、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化ジルコニウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウムのいずれか一種類、または二種類以上の混合物によって構成されている。
この金属水酸化物の配合によって、内層32は、難燃性を向上することができ、耐トラッキング性を向上することができる。
この内層32の上には、外周の複数箇所に外側に露出する露出部33(33a,33b,33c)が設けられている。この露出部33a,33b,33cは、それぞれ絶縁電線23の長手方向に帯状に設けられている。
なお、本実施例においては、3つの露出部33a,33b,33cを有した内層32が示されているが、内層32の露出部は、3つに限られるものではない。
内層32の上には、露出部33(33a,33b,33c)が外部に露出するようにして外層34が押出被覆されている。この内層32と外層34とによって絶縁電線23の絶縁層が構成されている。
外層34は、他の絶縁電線21,22と区別して接続される絶縁電線を明確に特定するため、識別ができるように各種着色(例えば、青色、緑色等)を施した高密度ポリエチレン(HDPE)によって押出被覆されている。このように外層34に高密度ポリエチレンを使用することで、耐摩耗性を向上することができ、白化を抑えることができる。
また、外層34からは、内層32の露出部33(33a,33b,33c)が露出している。
したがって、絶縁電線23を外部から観察すると、外層34は、内層32を形成する樹脂によって構成される露出部33(33a,33b,33c)と外層34とが、長手方向のストライプ状に形成された状態になっている。
外層34は、他の絶縁電線21,22と区別できるように高密度ポリエチレン(HDPE)に各種着色(例えば、青色、緑色等)を施してあり、絶縁電線21の外層26のように、カーボンブラックが配合されていない。このため、絶縁電線23の外層34は、紫外線遮断効果が小さく、耐候性を有していない。
また、外層34を構成する高密度ポリエチレン(HDPE)には、難燃剤である金属水酸化物が配合されていない。このため、外層34そのものによっては、難燃性が内層32ほどなく、耐難燃性の特性を満足することができない。
絶縁電線23としての特性である耐摩耗性(白化の抑制)については、外層34に高密度ポリエチレン(HDPE)を使用することで、所望の特性を満足するようになっている。
また、絶縁電線23としての特性である耐候性については、内層32を構成する低密度ポリエチレン(LDPE)にカーボンブラックを配合することで、満足するようになっている。
また、絶縁電線23としての特性である耐難燃性(耐トラッキング性)については、外層34によって特性を満足することができないが、内層32の外周の複数箇所に露出部33(33a,33b,33c)を設け、この露出部33を外層34から外側に露出させることで所望の特性を満足するようになっている。
外層34を構成する高密度ポリエチレンに、他の絶縁電線21,22と区別できるように配合する各種着色(例えば、青色、緑色等)には、耐候性を向上させる着色剤を使用してもよい。このように耐候性を向上させる着色剤を使用することによって耐候性および長期間の使用時における絶縁電線としての識別性を向上させることができる。
このように図2に図示の絶縁電線22,23は、内層28,32の識別層となる露出部29,33を外層30,34から外部に露出し、内層28,32のそれ以外の部分を高密度ポリエチレンによって形成される外層30,34によって保護する。そして、絶縁電線22,23と、導体24の上に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンからなる内層25を被覆し、この内層25の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンからなる外層26を押出被覆して構成される絶縁電線20との3本を撚り合わせて低圧引込用絶縁電線20が形成される。
本願発明に係る低圧引込用絶縁電線(実施例1、実施例2)と、従来の特許文献2に基づく低圧引込用絶縁電線(従来例)との特性を比較し、その結果が、表1に示されている。
表1においては、本願発明と従来例について、「摩耗性」、「白化」、「耐難燃性」、「耐候性」、「識別性」、「生産性」のそれぞれの特性について比較状態が示されている。
Figure 2012238509
表1において、実施例1は、3本の絶縁電線の内の一本の絶縁電線を導体の上に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆し、この内層の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して構成し、
他の2本の絶縁電線を導体の上に識別色に彩色すると共に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆し、この内層の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを内層の一部が外部に露出するように被覆して低圧引込用絶縁電線を構成したものである。
また、実施例2は、3本の絶縁電線の内の一本の絶縁電線を導体の上に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆し、この内層の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して構成し、他の2本の絶縁電線を導体の上に識別色に彩色すると共に金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆し、この内層の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを内層の一部が外部に露出するように被覆して低圧引込用絶縁電線を構成したものである。
従来例は、特許文献2に記載される低圧引込用絶縁電線に基づくもので、3本の絶縁電線の内の1本の絶縁電線を導体の上に高密度ポリエチレンを含んだオレフィン系ベース樹脂を被覆して構成し、他の2本の絶縁電線を導体の周囲に高密度ポリエチレンを含んだオレフィン系ベース樹脂を被覆して内層絶縁体を構成し、内層絶縁体の上にカーボンブラックが配合されていない線心識別用の色帯部を表面の一部に外層全体の厚さより薄い所定厚さで一又は複数本長手方向に連続させて配設させ、カーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを含んだオレフィン系ベース樹脂を被覆し外層絶縁体を形成して低圧引込用絶縁電線を構成したものである。
表1における「摩耗性」の試験は、日本工業規格JIS C 3005に規定されている試験方法によったもので、摩耗円盤装置を使用し、粒度36番の円盤を150回で回転させたときに、絶縁体が削れて導体が露出するか、しないかを判定するものである。
『◎』は、従来例よりも優れているもので、『○』は、現行のビニル引込線(DV)以上の特性を示す場合で、『×』は、現行のビニル引込線(DV)と同等の特性を示すものである。
表1における「白化」の試験は、日本工業規格JIS C 3005に規定されている試験方法によって、摩耗円盤装置を使用し、粒度36番の円盤を150回で回転させたときに、外観に「白化」が生じたか否かで判定した。
『○』は、外観に「白化」状態が生じたことを、『×』は、外観に「白化」状態が生じないことを示すものである。この外観の異常(白化)は、人間の視覚によって行った。
表1における「難燃性」の試験は、日本工業規格JIS C 3005に規定されている試験方法によって、約300mmの試験片を水平面に対して60度に傾けて固定し、下部分よりバーナーで電線に着火させる。着火後に炎を取り除いたときに、60秒以内に消えることを確認する方法で行った。
『○』は、規格を満足した場合を、『×』は、規格を満足しない場合を示している。
表1における「耐候性」の試験は、日本工業規格JIS A 1415に規定されている試験方法によって、カーボンアークにより紫外線を発生させかつ水を吹き付けるウエザーメータの試験中に2000時間暴露させて、引張強さ、引張伸びを測定して行った。
『○』は、引張強さが80%以上、引張伸びが80%以上を満足した場合を、『×』は、規格を満足しない場合(引張強さが80%未満、引張伸びが80%未満)を示している。
表1における「識別性」は、低圧引込用絶縁電線としての視認性を判断したもので、低圧引込用絶縁電線の各絶縁線心の識別性を人間の視覚によって行った。
『◎』は、従来例より視認性が良いもので、『○』は、視認ができるもので、『×』は、視認が困難なものをそれぞれ示している。
表1における「生産性」は、低圧引込用絶縁電線を生産するに当たり、設備費が高額になるか低額ですむか、生産準備・生産に時間が掛かるか否かによって判断したものである。
『○』は、設備費が低額で、生産準備・生産に時間が掛からない場合を、『×』は、設備費が高額で、生産準備・生産に時間が掛かる場合をそれぞれ示している。
表1において、実施例1、実施例2は、共に同じ特性を示しており、従来例と比較すると、「難燃性」、「耐候性」については、従来例と同等の特性を示すものの、「摩耗性」、「白化」、「識別性」、「生産性」については、従来例の特性よりも優れていることが分かる。
このように構成することによって低圧引込用絶縁電線20の絶縁電線21の耐候性は、絶縁層25にカーボンブラックを配合して黒色に着色された高密度ポリエチレンに金属水酸化物を配合した樹脂を使用することで、従来の低圧引込用絶縁電線と同様の特性を有することができる。
また、絶縁電線22,23の耐候性、耐トラッキング性は、内層27,31にカーボンブラックを配合して黒色に着色された高密度ポリエチレンに金属水酸化物を配合した樹脂を使用することで、従来の低圧引込用絶縁電線と同様の特性を有することができる。
そして、絶縁電線22,23の耐摩耗性(白化の抑制)は、外層29,33に高密度ポリエチレンを使用することで、従来の低圧引込用絶縁電線よりも高い特性を有することができる。
このように構成することによって低圧引込用絶縁電線21は、識別部分である内層27,31の露出部28(28a,28b,28c)、32(32a,32b,32c)が、内層27,31を形成する絶縁体と一体化しているため、長期間の使用にあたって、退色しても従来例より識別を容易に行うことができる。
以上、本発明者によってなされた発明を、上述した発明の実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
1…………低圧引込用絶縁電線, 2,3,4…………絶縁電線, 5,7,11…………導体, 6…………絶縁層, 8,13…………内層, 9(9a,9b,9c),13(13a,13b,13c)…………露出部, 10,14…………外層,
20…………低圧引込用絶縁電線, 21,22,23…………絶縁電線, 24,26,30…………導体, 25…………絶縁層, 27,31…………内層, 28(28a,28b,28c),32(32a,32b,32c)…………露出部, 29,33…………外層,

Claims (4)

  1. 絶縁電線を複数本撚り合わせてなる低圧引込用電線において,
    前記絶縁電線の内の一本の絶縁電線は、
    導体の上に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層を形成し、前記内層の上にカーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して外層を形成して絶縁層を構成してなり,
    前記絶縁電線の内の他の絶縁電線は、
    導体の上に、各種の識別色に彩色すると共に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層を形成し、前記内層の上に、該内層の一部の外部に露出させる部分を残し、カーボンブラックを配合して黒色に着色した高密度ポリエチレンを被覆して外層を形成して絶縁層を構成して
    なることを特徴とする低圧引込用絶縁電線。
  2. 絶縁電線を複数本撚り合わせてなる低圧引込用電線において,
    前記絶縁電線の内の一本の絶縁電線は、
    導体の上に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層を形成し、前記内層の上に、カーボンブラックを配合して黒色に着色する高密度ポリエチレンを被覆して外層を形成して被覆して絶縁層を構成し、
    前記絶縁電線の内の他の絶縁電線は、
    導体の上に、カーボンブラックを配合して黒色に着色すると共に、金属水酸化物を配合する低密度ポリエチレンを被覆して内層を形成し、前記内層の上に、各種の識別色に彩色する高密度ポリエチレンを被覆して外層を形成して絶縁層を構成して
    なることを特徴とする低圧引込用絶縁電線。
  3. 請求項2に記載の低圧引込用絶縁電線において,
    前記絶縁電線の内の他の絶縁電線の絶縁層を構成する内層は、前記絶縁電線の内の他の絶縁電線の絶縁層を構成する外層から該内層の一部を外部に露出させて形成したものである
    ことを特徴とする低圧引込用絶縁電線。
  4. 請求項2又は3に記載の低圧引込用絶縁電線において,
    前記絶縁電線の内の他の絶縁電線の絶縁層を構成する外層は、
    高密度ポリエチレンに耐候性を向上させる着色剤を配合して識別色を施し、耐候性および長期使用時の識別性を向上させるものである
    ことを特徴とする低圧引込用絶縁電線。
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