JP2012238396A - 負極ペースト、負極電極及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 - Google Patents

負極ペースト、負極電極及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥させたときにおける、負極電極全体のカーリングが抑止できる負極ペーストであり、その上、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストを提供する。
【解決手段】 非水電解質二次電池の負極電極の製造に用いる負極ペーストであって、
(A)シリコン系負極活物質、
(B)ポリイミド樹脂、又はポリアミドイミド樹脂を含む結着剤、及び
(C)エステル化合物を含む可塑剤を含有するものであることを特徴とする負極ペースト。
【選択図】 なし

Description

本発明は、負極ペースト、該負極ペーストを用いた負極電極及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池に関する。
近年モバイル機器の急速な発達や電気自動車の台頭などに伴い、蓄電デバイスに対する容量の増大、小型軽量化、安全性向上といった要求が非常に強くなっている。特にリチウムイオン二次電池は軽量でかつ高電圧、大容量であるため、蓄電デバイスとして広く用いられている。
現在、リチウムイオン二次電池の負極材には黒鉛系材料が主として用いられている。しかし黒鉛系負極材は重量あたりの電池容量が小さく、先に述べたような電池容量の増加要求に対応し切れなくなってきていることから、黒鉛とは異なる負極材への置き換えが電池メーカー等により検討されている。中でもシリコン系負極活物質は、重量あたりの容量が黒鉛に比べて格段に大きいことから黒鉛に替わる負極材料として注目されている。
負極にシリコン系負極活物質である酸化珪素を用いる方法としては、例えば特許文献1が知られている。また、酸化珪素粒子表面に化学蒸着法により炭素層を被覆する方法としては、例えば、特許文献2が知られている。
特許第2997741号公報 特開2002−42806号公報 特開2006−310120号公報 特許3501113号公報 特許3534057号公報
通常、負極活物質と結着剤を含む負極ペーストを集電体に塗布、乾燥等することで負極電極は作製される。しかし、シリコン系負極活物質は黒鉛系に比べて充放電による体積膨張が大きいため、ポリフッ化ビニリデン樹脂(PVDF)やスチレンブタジエンゴム(SBR)、特許文献3に記載されているPVDFとヘキサフルオロプロピレン(HFP)の共重合体など、従来の黒鉛系で実績のある結着剤ではシリコン系負極活物質の体積膨張を押さえ込めず、充放電を繰り返すごとに集電体から負極活物質が離散して、二次電池として機能しなくなるというサイクル特性上の問題点があった。
そこで負極集電体として一般的に用いられている電解銅箔と負極活物質の結着性を上げるとともに、体積膨張を押さえ込むことができる高強度結着剤として、ポリイミド樹脂及びポリアミドイミド樹脂を用いる手法が開発されている。この手法によれば、ポリイミド樹脂ならびにポリアミドイミド樹脂を結着剤に用いることでサイクル特性の向上が見られる。
しかしながら、従来から利用されているPVDFのような熱収縮性の小さい結着剤を用いて連続塗工機で負極電極を作製する場合と、熱収縮性の大きなポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂を結着剤として用いて連続塗工機で負極電極を作製する場合のどちらの場合でも、塗布した負極ペーストの熱収縮により負極電極が変形し、負極電極に大きなシワが入ることになる(所謂カーリング)。カーリングがあると、負極電極の巻き取りや、負極ペーストの両面塗布が困難となる。そのため、連続塗工機のロールに負極ペーストの塗布された負極電極を巻き取る際には、集電体の表側に塗布された負極ペーストが巻き取られた集電体の裏側に付着しない程度に連続乾燥機の温度を下げる、塗工速度を下げる、乾燥ゾーンを長くする等、連続塗工機側の工夫が必要であった。また、量産化の際には乾燥条件を装置毎に微調整せねばならず、多大な設備コスト、作業負担が生じていた。そのため、生産性を向上させるためにカーリングの抑制が望まれていた。
さらに、二次電池の一層の高容量化のためには電池容量に寄与しない結着剤、可塑剤の負極ペースト中の配合割合が少ないことが求められる。しかしながら、特許文献4や特許文献5のように従来は電池容量に寄与しない結着剤、可塑剤が多量に用いられるため、二次電池の重量あたりの電池容量の向上といった要求に答えられていなかった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、非水電解質二次電池の負極電極の製造に用いる負極ペーストであって、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥させたときにおける負極電極のカーリングを抑止でき、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストを提供することを目的とする。
また、負極電極のカーリングが抑制され、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極及びその製造方法、並びに該負極電極を有する非水電解質二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明では、非水電解質二次電池の負極電極の製造に用いる負極ペーストであって、
(A)シリコン系負極活物質、
(B)下記一般式(1):
Figure 2012238396
(式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、Rは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、lは2≦l≦500を満たす正数を示す。)
で示されるポリイミド樹脂、及び下記一般式(2):
Figure 2012238396
(式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、R及びRは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、mは2≦m≦500を満たす正数を示し、nは2≦n≦500を満たす正数を示す。)
で示されるポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方を含む結着剤、及び
(C)エステル化合物を含む可塑剤を含有するものであることを特徴とする負極ペーストを提供する。
このように、シリコン系負極活物質と、ポリイミド樹脂及び/又はポリアミドイミド樹脂を含む結着剤と、エステル化合物を含む可塑剤とを含有することで、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥させたときにおける、結着剤の溶媒乾燥・硬化による負極ペーストの収縮を抑えることができ、これにより集電体を含む負極電極全体のカーリングが抑止できる負極ペーストとなる。それに伴い、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥して負極電極を製造する際にも連続塗工機側の改良などを行うことなく、負極ペースト側の工夫のみで負極電極の生産性を高めることができる負極ペーストとなる。その上、ポリイミド樹脂及び/又はポリアミドイミド樹脂を含む結着剤と、エステル化合物を含む可塑剤が少量であっても、シリコン系負極活物質の集電体に対する結着性を損なうことなく、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極を製造することのできる負極ペーストとなる。
また、前記(C)可塑剤は、有機酸又は無機酸と、水酸基含有化合物とが脱水縮合したエステル化合物を含む可塑剤であることが好ましい。
このような可塑剤であれば、カーリング抑制効果がより高い負極ペーストとなる。
さらに、前記(C)可塑剤は、前記(B)結着剤を100質量%として0.1〜50質量%含まれるものであることが好ましい。
このように可塑剤の含有量が結着剤を100質量%として0.1質量%以上であれば、充分なカーリング抑制効果を発揮でき、その上可塑剤の配合割合が少ないほど、重量あたりの電池容量の大きい負極電極を製造することのできる負極ペーストとなる。また、可塑剤の含有量が結着剤を100質量%として50質量%以下であれば、カーリング抑制効果を一層強く発揮でき、また十分に大きな電池容量を有する負極電極を製造することのできる負極ペーストとなる。
また、本発明では、前記負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥させた負極電極を提供する。
このような負極電極はカーリングが抑制されたものとなり、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極となる。
さらに、本発明では、前記負極電極を負極とする非水電解質二次電池も提供する。
このような非水電解質二次電池は、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有するものとなる。
また、本発明では、負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥させて、非水電解質二次電池の負極として用いる負極電極を製造する方法であって、
前記本発明の負極ペーストを前記集電体に塗布し、前記集電体に塗布された負極ペーストを乾燥させることを特徴とする負極電極の製造方法を提供する。
このような本発明の負極ペーストを用いた負極電極の製造方法であれば、塗布、乾燥時において発生する負極電極のカーリングを抑制でき、連続塗工機の改良等が必要ないため負極電極を生産性よく製造することができる。また、ポリアミドイミド樹脂やポリイミド樹脂を結着剤に用いた負極ペーストは、300℃〜400℃の条件での乾燥を行うことができるため、乾燥に伴い配合した可塑剤はある程度蒸発する。また、少量を併用する場合はサイクル特性に影響を及ぼさないため、電池容量やサイクル特性等の電池特性に可塑剤の影響を及ぼすことなく、容易に負極電極の製造を行うことができる。
以上説明したように、本発明の負極ペーストであれば、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥したときにおける、負極電極のカーリングを抑制でき、その上、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極を与えることのできる負極ペーストとなる。
さらに、本発明の負極ペーストを用いて製造された負極電極は、カーリングが抑制され、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極となり、該負極電極を有する非水電解質二次電池であれば良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有するものとなる。また、本発明の負極ペーストを用いることで、塗布、乾燥時において発生する負極電極のカーリングを抑制でき、連続塗工機の改良等が必要ないため、生産性よく負極電極を製造することができる。
異なる配合割合の可塑剤を有する本発明の負極ペーストを、集電体に塗布、乾燥させて製造した負極電極のカーリングの程度の違いを示す写真である。 可塑剤を配合しない負極ペーストを集電体に塗布、乾燥させて製造した負極電極のカーリングを示す写真である。 図2の負極電極においてカーリングしている端部を示す拡大写真である。 カーリング評価を説明するための概略図である。
以下、本発明の負極ペースト、負極電極及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前述のように、カーリングを抑制でき、その上、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストの開発が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を達成するため鋭意検討を重ねた結果、ポリイミド樹脂及び/又はポリアミドイミド樹脂を含む結着剤とエステル化合物を含む可塑剤を含有することで、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥させたときにおける、負極ペーストの収縮を抑え、負極電極のカーリングを抑制できる負極ペーストとなることを見出し、更に、これら結着剤と可塑剤の配合割合が少量であっても、シリコン系負極活物質の集電体に対する結着性を損なうことがなく、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストとなることを見出して、本発明を完成させた。以下、本発明について詳細に説明する。
すなわち、本発明では、非水電解質二次電池の負極電極の製造に用いる負極ペーストであって、
(A)シリコン系負極活物質、
(B)下記一般式(1):
Figure 2012238396
(式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、Rは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、lは2≦l≦500を満たす正数を示す。)
で示されるポリイミド樹脂、及び下記一般式(2):
Figure 2012238396
(式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、R及びRは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、mは2≦m≦500を満たす正数を示し、nは2≦n≦500を満たす正数を示す。)
で示されるポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方を含む結着剤、及び
(C)エステル化合物を含む可塑剤を含有するものであることを特徴とする負極ペーストを提供する。以下詳細に説明する。
〔(A)シリコン系負極活物質〕
本発明においては、負極活物質としてシリコン系負極活物質を用いる。シリコン系負極活物質とは、充放電でリチウムイオンと反応するシリコンおよびシリコン化合物を活物質として利用する負極材の総称である。
そのようなシリコン系負極活物質としては、例えば、二酸化珪素を炭素で還元して作製される所謂冶金グレードシリコンや、冶金グレードシリコンを酸処理や一方向凝固などで不純物を低減した工業グレードシリコン、そしてシリコンを反応させて得られたシランから作製される高純度の単結晶、多結晶、アモルファスなど結晶状態の異なる高純度シリコンや、工業グレードシリコンをスパッタ法やEB蒸着法などで高純度にすると同時に、結晶状態や析出状態を調整したシリコンなどが挙げられる。
また、シリコンと酸素の化合物である酸化珪素や、シリコンと各種合金およびそれらの結晶状態を急冷法などで調整したシリコン化合物も挙げられる。中でも、外側がカーボン皮膜で被覆された、珪素ナノ粒子が酸化珪素中に分散した構造を有するシリコン系負極活物質は、充放電に伴う膨張収縮が抑えられ、かつサイクル特性も優れていることから特に好ましい。
また、本発明の負極ペーストはシリコン系負極活物質を含有するものであれば、シリコン系負極活物質の単独使用のみには限定されない。特に、黒鉛等の炭素系負極活物質に対してシリコン系負極活物質を配合することにより、ハイブリッド型の負極活物質を含有した負極ペーストとすることも可能である。
〔(B)結着剤〕
本発明における(B)結着剤は下記一般式(1)で示されるポリイミド樹脂又は下記一般式(2)で示されるポリアミドイミド樹脂を含み、ポリイミド樹脂とポリアミドイミド樹脂の両方を含むこともできる。本発明の負極ペーストにおいて(B)結着剤は、負極活物質と集電体を結着させるよう働くものである。
(ポリイミド樹脂)
本発明におけるポリイミド樹脂は下記一般式(1)で示される。特に、このようなポリイミド樹脂としては、芳香族ポリイミド樹脂が好適に用いられる。
Figure 2012238396
(式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、Rは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、lは2≦l≦500を満たす正数を示す。)
上記一般式(1)中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示す。Rは特に制限されないが、4価のフェニル基や、4価のビフェニル基が好ましい。
また、上記一般式(1)中、Rは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示す。Rは特に制限されないが、2価のフェニル基や、2価のビフェニル基、2価のフェニルエーテル基が好ましい。
さらに、上記一般式(1)中、lは2≦l≦500を満たす正数を示す。lは10≦l≦200が好ましく、25≦l≦150がより好ましい。
上記ポリイミド樹脂は、特に制限されず公知の方法で製造することができ、重量平均分子量は1,000〜500,000が好ましく、10,000〜100,000がより好ましい。
(ポリアミドイミド樹脂)
本発明におけるポリアミドイミド樹脂は下記一般式(2)で示される。特に、このようなポリアミドイミド樹脂としては、芳香族ポリアミドイミド樹脂が好適に用いられる。
Figure 2012238396
(式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、R及びRは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、mは2≦m≦500を満たす正数を示し、nは2≦n≦500を満たす正数を示す。)
上記一般式(2)中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示す。Rは特に制限されないが、4価のフェニル基や、4価のビフェニル基が好ましい。
また、上記一般式(2)中、R及びRは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示す。R及びRは特に制限されないが、2価のフェニル基や、2価のビフェニル基、2価のフェニルエーテル基が好ましい。
さらに、上記一般式(2)中、mは2≦m≦500を満たす正数を示し、nは2≦n≦500を満たす正数を示す。mは10≦m≦200が好ましく、25≦m≦150がより好ましい。また、nは10≦n≦200が好ましく、25≦n≦150がより好ましい。さらに、ポリアミドイミド樹脂中のアミド基/イミド基の数の比率は、特に制限されないが10/90〜90/10であることが好ましく、30/70〜70/30であることが好ましい。
上記ポリアミドイミド樹脂は、特に制限されず公知の方法で製造することができ、重量平均分子量は1,000〜500,000が好ましく、10,000〜100,000がより好ましい。
これらの(B)結着剤と(A)シリコン系負極活物質との混合割合は、(A)シリコン系負極活物質100質量部に対して(B)結着剤が1〜30質量部であることが好ましく、5〜30質量部であることがより好ましく、5〜20質量部であることが更に好ましい。結着剤が5質量部以上であれば(A)シリコン系負極活物質と集電体の結着性が十分発揮され、サイクル性も維持されるため好ましい。また、30質量部以下であれば充分なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストとなるため好ましい。
上記ポリアミドイミド樹脂やポリイミド樹脂を(B)結着剤に用いた負極ペーストは、300℃〜400℃の条件での乾燥を行うことができるため、乾燥に伴って後述する(C)可塑剤は沸点を適宜選択することによって蒸発させることができるが、バインダと少量を併用してもサイクル特性を妨げない材料を適宜選択することができる。そのため、ポリアミドイミド樹脂やポリイミド樹脂を有する(B)結着剤を用いることで、電池容量やサイクル特性等の電池特性に可塑剤の影響を及ぼすことなく、容易に負極電極の製造を行うことができる負極ペーストとなる。
〔(C)可塑剤〕
本発明における(C)可塑剤はエステル化合物を含む。本発明の負極ペーストにおいて(C)可塑剤は、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥させたときにおける、結着剤の溶媒乾燥・硬化による負極ペーストの収縮を抑えることができ、これにより集電体を含む負極電極全体のカーリングを抑制する効果を果たす。
本発明における(C)可塑剤は、有機酸又は無機酸と、水酸基含有化合物とが脱水縮合したエステル化合物を含む可塑剤であることが好ましい。このような可塑剤であれば、カーリング抑制効果がより高い負極ペーストとなる。
さらに、前記(C)可塑剤は、前記(B)結着剤を100質量%として0.1〜50質量%含まれることが好ましく、1.0〜20質量%含まれることがより好ましい。このように、(C)可塑剤の含有量が(B)結着剤を100質量%として0.1質量%以上であれば、充分なカーリング抑制効果を発揮でき、その上可塑剤の配合割合が少ないほど、大容量の電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストとなるため好ましい。また、(C)可塑剤の含有量が(B)結着剤を100質量%として50質量%以下であれば、カーリング抑制効果を一層強く発揮でき、また十分な電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストとなるため好ましい。
(C)可塑剤の配合割合とカーリングの抑制効果の関係についてより詳しく説明するために、異なる配合割合の可塑剤を有する本発明の負極ペーストを、集電体に塗布、乾燥させて製造した負極電極のカーリングの程度の違いを示す写真を図1に示す。
ここでは、シリコン系負極活物質として、平均粒子径5.2μm、BET比表面積が6.5m/gのSiO中にSiが分散した粒子をカーボン被覆した黒色粒子90.0質量部、結着剤としてトリメリット酸無水物と4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートを反応させて得たポリアミドイミド樹脂10.0質量部を混合し、これに可塑剤としてフタル酸ジエチルをそれぞれ0.2質量部、1.0質量部、3.0質量部混合して負極ペーストを調整した。調整された負極ペーストは、それぞれ(B)結着剤を100質量%として(C)可塑剤を2質量%、10質量%、30質量%含むものとなる。
各負極ペーストにN−メチル−2−ピロリドンを加えた。この負極ペーストを幅200mm、厚さ11μmの電解銅箔の片面に対して、塗布幅100mm、塗布厚75μmで塗布し、錘を乗せるなどの反り矯正操作は一切行わず、85度で30分真空乾燥を行った(図1)。図1には(B)結着剤を100質量%として(C)可塑剤を2質量%含む負極ペーストから作製された負極電極(I)、(C)可塑剤を10質量%含む負極ペーストから作製された負極電極(II)、及び(C)可塑剤を30質量%含む負極ペーストから作製された負極電極(III)の写真が示されている。
図1中、1で示されるのは銅箔部で、2で示されるのは負極ペーストが塗工された塗工部である。図1に示されるように、(C)可塑剤の配合量が増加するに従って銅箔部と塗工部の境付近に生じるカーリングが抑制されることが分かる。次に、比較のために、可塑剤を配合しない以外は上記と同様に負極ペーストを調整した。この負極ペーストを上記同様に電解銅箔の片面に塗布、乾燥させて製造した負極電極のカーリングを図2に示す。図3には図2の負極電極においてカーリングしている端部を拡大した写真を示す。図2及び図3の銅箔部1と塗工部2の形状と、図1の銅箔部1と塗工部2の形状とを比べると明らかなように、可塑剤を含まない負極電極はカーリングが大きい。このようにカーリングが大きいと、作製された負極電極の巻き取りや、負極ペーストの両面塗布が困難となる。
以上から、本発明の負極ペーストには少量の(C)可塑剤を配合するだけで充分なカーリング抑制効果が付与され、また(C)可塑剤の配合割合を増大することでカーリング抑制効果が増大することが分かる。
[エステル化合物]
本発明における(C)可塑剤に含まれるエステル化合物は特に制限されないが、有機酸又は無機酸と水酸基含有化合物の脱水縮合によって得ることができる。このような、脱水縮合の酸成分としては、カルボン酸やスルホン酸などの有機酸や、リン酸などの無機酸が挙げられる。また、水酸基含有化合物成分としては、炭化水素の水素原子が1つ以上水酸基に置き換えられているアルコールや、芳香環に水酸基が1つ以上結合したフェノール系化合物が挙げられる。以下にエステル化合物の一例を以下に示す。しかし、本発明における(C)可塑剤に含まれるエステル化合物は下記のエステル化合物には限定されず、合成樹脂可塑剤として一般的に用いられるエステル化合物を利用することが可能である。
(フタル酸エステル類)
フタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジノルマルブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジノルマルヘキシル、フタル酸ジ−(2−エチルヘキシル)、フタル酸ジノルマルオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジシクロヘキシル、フタル酸オクチルデシル、フタル酸ブチルベンジル等。
(アジピン酸エステル類)
アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジノルマルヘキシル、アジピン酸ジ−(2−エチルヘキシル)、アジピン酸イソノニル、アジピン酸イソデシル等。
(トリメリット酸エステル類)
トリメリット酸トリス−(2−エチルヘキシル)、トリメリット酸トリノルマルオクチル等。
(マレイン酸エステル類)
マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジ−(2−エチルヘキシル)等。
(セバシン酸エステル類)
セバシン酸ジブチル、セバシン酸ジ−(2−エチルヘキシル)等。
(リン酸エステル類)
リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリノルマルブチル、リン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル等。
(その他エステル化合物類)
多価カルボン酸とポリオールが縮合した低分子ポリエステル等。
〔その他の添加剤〕
本発明の負極ペーストには(A)〜(C)成分に限らず、本発明の目的を妨げない範囲でその他の添加剤を配合することができる。たとえば、導電助剤としてカーボンブラックやアセチレンブラック、炭素繊維などを用いることができる。
(増粘剤)
また、メチルセルロースやカルボキシメチルセルロースなどの増粘剤は所望の粘度を得るために本発明の目的を妨げない範囲で適宜添加することもできる。
(溶剤)
その他、本発明の負極ペーストには本発明の目的を妨げない範囲で溶剤を添加することもできる。溶剤としては、結着剤が溶解できる溶媒が適切であり、N−メチル−2−ピロリドン(以下、NMPと略す)、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホキシド、ヘキサメチルスルホルアミド、およびメチルエチルケトン等の有機溶媒を単独またはこれらを混合して用いることができる。
また、可塑剤と溶剤を予め混合して負極ペースト作製時に使用することも可能である。溶剤と可塑剤が分離する場合は、界面活性剤等を本発明の目的を妨げない範囲で適宜添加することも可能である。
また、本発明の目的を妨げない範囲で負極ペーストを混錬したり、分散したりする時に、各種分散剤、界面活性剤、および安定剤等を必要に応じて添加することも可能である。
〔負極ペーストの調整〕
負極ペーストの調整は特に制限されず公知の方法で行うことができる。例えば、(A)シリコン系負極活物質、(B)結着剤、(C)可塑剤、及びその他の添加剤を混合した後、真空状態で脱泡したり、活物質の凝集を防ぐために超音波を付加しながら撹拌したりすることもできる。
〔負極電極〕
また、本発明では、前記負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥させた負極電極を提供する。このような負極電極はカーリングが抑制され、シリコン系負極活物質の配合割合が多く、結着剤、可塑剤の配合割合が小さいため良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極となる。
集電体としては、銅箔、ニッケル箔など、通常、負極電極の集電体として使用されている材料であれば特に制限なく使用することができる。また、負極ペーストの塗布厚、負極電極の形状、大きさなどは適宜選択することができる。負極ペーストは集電体の片面に塗布されたものでも、両面に塗布されたものであっても良い。
〔負極電極の製造方法〕
また、本発明では、負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥させて、非水電解質二次電池の負極として用いる負極電極を製造する方法であって、
前記本発明の可塑剤を含有する負極ペーストを前記集電体に塗布し、前記集電体に塗布された負極ペーストを乾燥させることを特徴とする負極電極の製造方法を提供する。
このような本発明の負極ペーストを用いた負極電極の製造方法であれば、塗布、乾燥時において発生するカーリングを抑制でき、そのため負極電極を生産性よく製造することができる。また、ポリアミドイミド樹脂やポリイミド樹脂を結着剤に用いた負極ペーストは、300℃〜400℃の条件での乾燥を行うことができるため、乾燥に伴い添加した可塑剤はある程度が蒸発する。また、少量を併用する場合はサイクル特性に悪影響を及ぼさない。そのため、電池容量やサイクル特性等の電池特性に可塑剤の影響を及ぼすことなく、容易に負極電極の製造を行うことができる。
負極ペーストは集電体の片面に塗布しても両面に塗布してもよい。また、塗布厚、乾燥時間等は特に制限されず所望の負極電極の特性に応じて適宜決定することができる。
〔非水電解質二次電池〕
さらに、本発明では、前記負極電極を負極とする非水電解質二次電池も提供する。このような非水電解質二次電池は良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有するものとなる。正極電極、非水電解液、セパレータ等は特に制限されず公知のものを用いることができる。
以下、本発明の負極ペースト、負極電極及びその製造方法、並びに非水電解質二次電池の実施例及び比較例を示し、本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔実施例1〕
<シリコン系負極活物質の調製>
平均粒子径が5μm、BET比表面積が3.5m/gの珪素酸化物SiO(x=1.01)100gをバッチ式加熱炉内に仕込んだ。油回転式真空ポンプで炉内を減圧しつつ炉内を1,100℃に昇温し、1,100℃に達した後にCHガスを0.3NL/minで流入し、5時間のカーボン被覆処理を行った。なお、この時の減圧度は800Paであった。処理後は降温し、97.5gのSiO中にSiが分散した粒子をカーボン被覆した黒色粒子を得た。得られた黒色粒子は、平均粒子径5.2μm、BET比表面積が6.5m/gで、黒色粒子に対するカーボン被覆量5.1質量%の導電性粒子(シリコン系負極活物質)であった。
<ポリアミドイミド樹脂溶液の作製>
2Lの4つ口フラスコ内に窒素ガスを流しながら、多価カルボン酸無水物としてトリメリット酸無水物192.0g(1.0mol)、多価イソシアネートとして4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート250.0g(1.0mol)、及びNMP708gを仕込み100℃まで昇温した。3時間後に温度を120℃まで昇温しそのまま6時間反応を行った後、NMP118gにて希釈を行い、ポリアミドイミド樹脂溶液を得た。
<非水電解液調製>
非水電解液として、LiPFをエチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=1:1(体積比)の混合溶液に1.0mol/Lとなるよう溶解させた溶液を調製した。尚、電解液を調製する作業は、大気中の水分が電解液内に拡散するのを防ぐためアルゴンガスを充填したグローブボックス内で行なった。
<負極電極の作製>
作製したシリコン系負極活物質90.0質量部と前記ポリアミドイミド樹脂10.0質量部(固形分換算)を混合し、さらに可塑剤としてフタル酸ジエチルを0.5質量部加えた。これに対してNMPを加え本発明の負極ペーストとした。この負極ペーストを幅200mm、厚さ11μmの電解銅箔の片面に対して、塗布幅100mm、塗布厚75μmで塗布し、85度で30分真空乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、この電極を350℃で2時間真空乾燥した後、直径15.858mmの円形に打ち抜き、本発明の負極電極とした。
<正極電極の作製>
さらに、コバルト酸リチウム94.0質量部とアセチレンブラック3.0質量部、ポリフッ化ビニリデン3.0質量部を混合し、さらにNMPを加えて正極ペーストとし、この正極ペーストを厚さ16μmのアルミ箔に塗布し、85℃で1時間乾燥後、ローラープレスにより電極を加圧成形し、この電極を130℃で5時間真空乾燥した後、直径15.858mmの円形に打ち抜き、正極電極とした。
<リチウムイオン二次電池の作製>
作製した負極電極及び正極電極と、調製した非水電解液、厚さ20μmのポリプロピレン製微多孔質フィルムのセパレータを用いて評価用コイン型リチウムイオン二次電池(非水電解質二次電池)を作製した。
<カーリング評価>
図4にカーリング評価を説明するための概略図を示す。図4には集電体に負極ペーストを塗布、乾燥して作製された負極電極が表わされている。負極電極は負極ペーストが塗布されていない銅箔部1と塗布されている塗工部2からなる。ここでカーリング評価は負極電極を水平な場所に置き、水平面4からの銅箔部1の高さ3で評価する。水平面4からの銅箔部1の高さ3が低いほどカーリングが抑制されており、高いほどカーリングの程度が大きいと評価する。
電解銅箔に対し上記の手法で負極ペーストを塗布した後、錘を乗せる等の反り矯正操作は一切行わず、85℃30分間の真空乾燥を行った。その後、水平な場所に負極電極を置き、銅箔部が水平面からどれだけ浮いているかを実測し、10枚の平均値を算出することでカーリングの評価を行った。その結果を表1に示す。
<充放電試験>
作製したコイン型リチウムイオン二次電池を、一晩室温で放置した後、二次電池充放電試験装置(アスカ電子(株)製)を用いて充放電を行なった。コインセルの電圧が4.2Vに達するまで0.5CmA相当の定電流で充電を行い、セル電圧が4.2Vに達したら電圧を保ちながら電流を減少させて充電を行い、電流値が0.1CmA相当を下回った時点で充電を終了した。放電は0.5CmA相当の定電流で行い、セル電圧が2.5Vに達した時点で放電を終了した。
以上の充放電試験を繰り返し、評価用リチウムイオン二次電池に対し100サイクルの充放電試験を行った。初回の放電容量を100%として、100サイクル目の容量保持率(100サイクル目の放電容量/初回の放電容量×100)を表1に示す。
〔実施例2〕
可塑剤として、フタル酸ジエチルを0.01質量部(結着剤に対して0.1質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例3〕
可塑剤として、フタル酸ジエチルを0.1質量部(結着剤に対して1質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例4〕
可塑剤として、フタル酸ジエチルを2.0質量部(結着剤に対して20質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例5〕
可塑剤として、フタル酸ジエチルを5.0質量部(結着剤に対して50質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例6〕
可塑剤として、トリメリット酸トリス−(2−エチルヘキシル)を0.5質量部(結着剤に対して5質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例7〕
可塑剤として、フタル酸ジエチルを0.25質量部、およびトリメリット酸トリス−(2−エチルヘキシル)を0.25質量部(結着剤に対して5質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例8〕
結着剤としてポリイミド樹脂(U−ワニスA:宇部興産株式会社製)を10.0質量部(固形分換算)、可塑剤としてフタル酸ジエチルを0.5質量部(結着剤に対して5質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整し、かつ集電体に塗布された負極ペーストの真空乾燥を400℃2時間で行う以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例9〕
結着剤として実施例1で合成したポリアミドイミド樹脂を5.0質量部(固形分換算)およびポリイミド樹脂(U−ワニスA:宇部興産株式会社製)を5.0質量部(固形分換算)、可塑剤としてフタル酸ジエチルを0.5質量部(結着剤に対して5質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔実施例10〕
可塑剤として、フタル酸ジエチルを10.0質量部(結着剤に対して100質量%)用いて本発明の負極ペーストを調整した以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔比較例1〕
可塑剤を加えない以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
〔比較例2〕
結着剤としてポリフッ化ビニリデン樹脂(KFポリマー#9210:株式会社クレハ製)を10.0質量部(固形分換算)用いかつ、集電体に塗布された負極ペーストの乾燥温度を130℃5時間で行う以外は実施例1と同じ条件で負極電極および非水電解質二次電池を作製し、各評価を行った。
Figure 2012238396
以上より、可塑剤を含まない比較例1はカーリングが大きく、またPVDF樹脂を結着剤として添加した比較例2は100サイクル充放電を繰り返したときの容量保持率が著しく悪いことが示された。これに対し、本発明の負極ペーストを用いて作製された負極電極はカーリングが抑制され、かつ100サイクル充放電を繰り返したときの容量保持率、すなわちサイクル特性が良好であることが示された。
以上説明したように、本発明の負極ペーストであれば、負極ペーストを集電体に塗布、乾燥させたときにおける、負極電極全体のカーリングが抑止できる負極ペーストとなり、また、良好なサイクル特性を有し、更に結着剤と可塑剤の量が少ないため大容量の電池容量を有する負極電極を製造するための負極ペーストとなることが示された。
さらに、本発明の負極ペーストを用いて製造された負極電極は、カーリングが抑制され、良好なサイクル特性と大容量の電池容量を有する負極電極となり、該負極電極を有する非水電解質二次電池であれば二次電池の重量あたりの電池容量、サイクル特性が良好なものとなることが示された。また、本発明の負極ペーストを用いることで、塗布、乾燥時において発生する負極電極のカーリングを抑制でき、連続塗工機の改良等が必要ないため、生産性よく負極電極を製造することができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
1…銅箔部、 2…塗工部、 3…銅箔部の高さ、 4…水平面。

Claims (6)

  1. 非水電解質二次電池の負極電極の製造に用いる負極ペーストであって、
    (A)シリコン系負極活物質、
    (B)下記一般式(1):
    Figure 2012238396
    (式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、Rは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、lは2≦l≦500を満たす正数を示す。)
    で示されるポリイミド樹脂、及び下記一般式(2):
    Figure 2012238396
    (式中、Rは4価のアルキル基又は4価の芳香族炭化水素基を示し、R及びRは2価のアルキル基又は2価の芳香族炭化水素基を示し、mは2≦m≦500を満たす正数を示し、nは2≦n≦500を満たす正数を示す。)
    で示されるポリアミドイミド樹脂の少なくとも一方を含む結着剤、及び
    (C)エステル化合物を含む可塑剤を含有するものであることを特徴とする負極ペースト。
  2. 前記(C)可塑剤は、有機酸又は無機酸と、水酸基含有化合物とが脱水縮合したエステル化合物を含む可塑剤であることを特徴とする請求項1に記載の負極ペースト。
  3. 前記(C)可塑剤は、前記(B)結着剤を100質量%として0.1〜50質量%含まれるものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の負極ペースト。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥させたものであることを特徴とする負極電極。
  5. 請求項4に記載の負極電極を負極とするものであることを特徴とする非水電解質二次電池。
  6. 負極ペーストを集電体に塗布し、乾燥させて、非水電解質二次電池の負極として用いる負極電極を製造する方法であって、
    請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の負極ペーストを前記集電体に塗布し、前記集電体に塗布された負極ペーストを乾燥させることを特徴とする負極電極の製造方法。
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