JP2012236909A - 熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は半導体パッケージやプリント配線板用に好適な熱硬化性樹脂組成物に関し、詳しくは低熱膨張性、耐熱性、接着性に優れる熱硬化性樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、積層板及びプリント配線板に関する。
近年の電子機器の小型化・高性能化により、プリント配線板では配線密度の高度化、高集積化が進展し、これに伴って配線用積層板の耐熱性の向上による信頼性向上への要求が強まっている。このような用途においては、優れた耐熱性、低線膨張係数を兼備することが要求される。
プリント配線板用積層板としては、エポキシ樹脂を主剤とした樹脂組成物とガラス織布とを硬化・一体成形したものが一般的である。
エポキシ樹脂は、絶縁性や耐熱性、コスト等のバランスに優れるが、近年のプリント配線板の高密度実装、高多層化構成にともなう耐熱性向上への要請に対応するには、どうしてもその耐熱性の向上には限界がある。
また、エポキシ樹脂は、熱膨張率が大きいため、芳香環を有するエポキシ樹脂の選択やシリカ等の無機充填材を高充填化することで低熱膨張化を図っている(例えば、特許文献1参照)。しかし、無機充填材の充填量を増やすことは、吸湿による絶縁信頼性の低下や樹脂−配線層の密着不足、プレス成形不良を起こすことが知られている。
エポキシ樹脂は、絶縁性や耐熱性、コスト等のバランスに優れるが、近年のプリント配線板の高密度実装、高多層化構成にともなう耐熱性向上への要請に対応するには、どうしてもその耐熱性の向上には限界がある。
また、エポキシ樹脂は、熱膨張率が大きいため、芳香環を有するエポキシ樹脂の選択やシリカ等の無機充填材を高充填化することで低熱膨張化を図っている(例えば、特許文献1参照)。しかし、無機充填材の充填量を増やすことは、吸湿による絶縁信頼性の低下や樹脂−配線層の密着不足、プレス成形不良を起こすことが知られている。
高密度実装、高多層化積層板に広く使用されているポリビスマレイミド樹脂は、その耐熱性や低熱膨張性は非常に優れているものの、耐湿性が高く、接着性に難点がある。さらに、積層時にエポキシ樹脂に比べ高温、長時間を必要とし生産性が悪いという欠点もある。一般的に、エポキシ樹脂の場合180℃以下の温度で硬化可能であるが、ポリビスマレイミド樹脂を積層する場合は220℃以上の高温でかつ長時間の処理が必要である。
ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂及びフェノール樹脂と変性イミド樹脂を主成分とする熱硬化性樹脂組成物が知られている(例えば、特許文献2参照)。この変性イミド樹脂含有組成物は耐湿性や接着性が改良されるものの、メチルエチルケトン等の汎用性溶媒への可溶性確保のため水酸基とエポキシ基を含有する低分子化合物で変性するので、得られる変性イミド樹脂の耐熱性がポリビスマレイミド樹脂と比較すると、大幅に劣るという問題がある。
さらに、特に近年、半導体用パッケージ基板では,小型化,薄型化に伴い,部品実装時やパッケージ組み立て時において,チップと基板との熱膨張係数の差に起因した反りが大きな課題となっている。
また、基板の薄型化により微細な回路形成に適応できる材料が求められており、ドリル加工あるいはレーザ加工後にめっきを行なった際のショート不良やオープン不良が生じているため、樹脂の耐デスミア性向上が強く求められている。
また、基板の薄型化により微細な回路形成に適応できる材料が求められており、ドリル加工あるいはレーザ加工後にめっきを行なった際のショート不良やオープン不良が生じているため、樹脂の耐デスミア性向上が強く求められている。
本発明の目的は、こうした現状に鑑み、低熱膨張性、耐熱性、接着性に優れる樹脂組成物、これを用いたプリプレグ、反り特性と耐デスミア性に優れた積層板及び、プリント配線板を提供することである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、特定の方法により製造されたマレイミド化合物と、特定範囲の分子量からなるビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂からなる樹脂組成物が上記目的に沿うものであることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、以下の熱硬化性樹脂組成物、プリプレグ、積層板及びプリント配線板を提供するものである。
1.1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(b)を反応させて製造される分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物(A)と、平均分子量が500〜10000のビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
1.1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(b)を反応させて製造される分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物(A)と、平均分子量が500〜10000のビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
2.ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が175〜250である上記1の熱硬化性樹脂組成物。
3.分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物(A)が、下記一般式(II)又は(III)で表される化合物である上記1又は2の熱硬化性樹脂組成物。
3.分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物(A)が、下記一般式(II)又は(III)で表される化合物である上記1又は2の熱硬化性樹脂組成物。
(式中、R1、R2及びx、yは一般式(I)と同じものを示し、R4及びR5は、複数個ある場合は各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子、pとqは各々独立に0〜4の整数であり、Aはアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、スルフォニル基または下記の式(IV)で表される残基である)
4.更に、無機充填材(C)を含有する上記1〜3いずれかの熱硬化性樹脂組成物。
5.更に、硬化促進剤(D)として下記の一般式(V)又は一般式(VI)で表される化合物を含有する上記1〜4いずれかの熱硬化性樹脂組成物。
5.更に、硬化促進剤(D)として下記の一般式(V)又は一般式(VI)で表される化合物を含有する上記1〜4いずれかの熱硬化性樹脂組成物。
6.上記1〜5いずれかの樹脂組成物を基材に含侵又は塗工した後、Bステージ化されていることを特徴とするプリプレグ。
7.絶縁樹脂層が上記6のプリプレグを用いて形成されたものであることを特徴とする積層板。
8.上記7の積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものであることを特徴とするプリント配線板。
7.絶縁樹脂層が上記6のプリプレグを用いて形成されたものであることを特徴とする積層板。
8.上記7の積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものであることを特徴とするプリント配線板。
本発明の熱硬化性樹脂組成物を基材に含浸、又は塗工して得たプリプレグ、及び該プリプレグを積層成形することにより製造した積層板、及び該積層板を用いて製造された多層プリント配線板は、ガラス転移温度(Tg)、銅箔接着性、耐熱性、低そり性及び耐デスミア性に優れ、電子機器用プリント配線板として有用である。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、(A)成分の分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物は、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(b)を反応させて製造されるものである。
先ず、(A)成分の分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物は、1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(b)を反応させて製造されるものである。
1分子中に2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)としては、例えば、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ポリフェニルメタンマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)エーテル、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、4−メチル−1,3−フェニレンビスマレイミド、m−フェニレンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン等が挙げられる。
これらの中で、反応率が高く、より高耐熱性化できるビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンが好ましく、溶媒への溶解性の点から、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンがより好ましく、安価である点からビス(4−マレイミドフェニル)メタンが特に好ましい。
これらの中で、反応率が高く、より高耐熱性化できるビス(4−マレイミドフェニル)メタン、ビス(4−マレイミドフェニル)スルホン、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、2,2−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパンが好ましく、溶媒への溶解性の点から、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド、ビス(4−マレイミドフェニル)メタンがより好ましく、安価である点からビス(4−マレイミドフェニル)メタンが特に好ましい。
一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(b)としては、例えば、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、o−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、m−アミノ安息香酸、o−アミノ安息香酸、o−アミノベンゼンスルホン酸、m−アミノベンゼンスルホン酸、p−アミノベンゼンスルホン酸、3,5−ジヒドロキシアニリン、3,5−ジカルボキシアニリン等が挙げられ、これらの中で、溶解性や合成の収率の点からm−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−アミノ安息香酸、3,5−ジヒドロキシアニリンが好ましく、耐熱性の点からo−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノールがより好ましく、誘電特性や低熱膨張性、安価である点からp−アミノフェノールが特に好ましい。
マレイミド化合物(a)とアミン化合物(b)の反応では、それらの使用量が、マレイミド化合物(a)のマレイミド基当量と、−NH2基換算のアミン化合物(b)の当量比で、
2.0≦(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)≦10.0
に示す範囲であることが望ましい。当量比が10.0を超えると溶媒への溶解性が不足したり熱硬化性樹脂の耐熱性が低下する場合があり、2.0未満であるとゲル化を起こしたり、熱硬化性樹脂の耐熱性が低下する場合がある。
2.0≦(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)≦10.0
に示す範囲であることが望ましい。当量比が10.0を超えると溶媒への溶解性が不足したり熱硬化性樹脂の耐熱性が低下する場合があり、2.0未満であるとゲル化を起こしたり、熱硬化性樹脂の耐熱性が低下する場合がある。
このマレイミド化合物(a)とアミン化合物(b)の反応は有機溶媒の存在下で行うことが望ましく、有機溶媒の使用量は、(a)成分と(b)成分の合計量100質量部当たり、10〜1000質量部とすることが好ましく、100〜500質量部とすることがより好ましく、200〜500質量部とすることが特に好ましい。有機溶媒の配合量を10質量部以上とすることにより(a)、(b)成分が溶解し、また1000質量部以下とすることにより反応時間を短縮できる。
この反応で使用される有機溶媒は特に制限されないが、例えばエタノール、プロパノール、ブタノール、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等の窒素原子含有溶媒、ジメチルスルホキシド等の硫黄原子含有溶媒等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。これらの中で、溶解性の点からシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルセロソルブが好ましく、低毒性である点からシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルがより好ましく、揮発性が高くプリプレグの製造時に残溶媒として残りにくいプロピレングリコールモノメチルエーテルが特に好ましい。
この反応には、必要により任意に反応触媒を使用することができ、特に限定されないが、反応触媒の例としては、トリエチルアミン、ピリジン、トリブチルアミン等のアミン類、メチルイミダゾール、フェニルイミダゾール等のイミダゾール類、トリフェニルホスフィン等のリン系触媒等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
この反応により、例えば、下記一般式(II)又は一般式(III)に示す分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物が合成され、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られる。
この反応により、例えば、下記一般式(II)又は一般式(III)に示す分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物が合成され、銅箔接着性、耐熱性、耐湿性に優れる熱硬化性樹脂組成物が得られる。
(式中、R1、R2及びx、yは一般式(I)と同じものを示し、R4及びR5は、複数個ある場合は各々独立に、炭素数1〜5の脂肪族炭化水素基又はハロゲン原子、pとqは各々独立に0〜4の整数であり、Aはアルキレン基、アルキリデン基、エーテル基、スルフォニル基または下記の式(IV)で表される残基である。)
(B)成分のビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂は、下記一般式(VII)で表される樹脂である。ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(B)の軟化点温度は、絶縁樹脂層として用いられる樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)や耐熱性を考慮すると65〜90℃が好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物におけるビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂の平均分子量は500〜10000であり、1000〜7000であることが好ましい。さらに耐デスミア性及び反り特性の観点から平均分子量が1100〜5000であることが特に好ましく、1300〜2500であることが最も好ましい。平均分子量が500以上であれは耐熱性が向上し、5000以下であれば耐デスミア性が向上する。
ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、反り特性向上の観点から、175〜250であることが好ましく、175〜230であることがより好ましく、182〜200であることが特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物におけるビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂の平均分子量は500〜10000であり、1000〜7000であることが好ましい。さらに耐デスミア性及び反り特性の観点から平均分子量が1100〜5000であることが特に好ましく、1300〜2500であることが最も好ましい。平均分子量が500以上であれは耐熱性が向上し、5000以下であれば耐デスミア性が向上する。
ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ当量は、反り特性向上の観点から、175〜250であることが好ましく、175〜230であることがより好ましく、182〜200であることが特に好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)成分の使用量が、固形分換算の(B)成分との合計量100質量部当たり、1〜99質量部とすることが好ましく、20〜90質量部とすることがより好ましく、50〜80質量部とすることが特に好ましい。(A)成分の配合量を難燃性の観点から1質量部以上とすることが好ましく、また耐熱性、接着性の観点から99質量部以下とすることが好ましい。
本発明の熱硬化性樹脂には、任意に無機充填材(C)を用いることができる。無機充填材(C)としては、シリカ、アルミナ、タルク、マイカ、カオリン、水酸化アルミニウム、ベーマイト、水酸化マグネシウム、ホウ酸亜鉛、スズ酸亜鉛、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ホウ素、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、EガラスやTガラス、Dガラス等のガラス粉や中空ガラスビーズ等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して使用できる。
これらの中で、誘電特性、耐熱性、低熱膨張性の観点から無機充填材(C)としてシリカが特に好ましい。シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられ、乾式法シリカとしてはさらに、製造法の違いにより破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融球状シリカが挙げられる。これらの中で、低熱膨張性及び樹脂に充填した際の高流動性から溶融球状シリカが好ましい。
これらの中で、誘電特性、耐熱性、低熱膨張性の観点から無機充填材(C)としてシリカが特に好ましい。シリカとしては、例えば、湿式法で製造され含水率の高い沈降シリカと、乾式法で製造され結合水等をほとんど含まない乾式法シリカが挙げられ、乾式法シリカとしてはさらに、製造法の違いにより破砕シリカ、フュームドシリカ、溶融球状シリカが挙げられる。これらの中で、低熱膨張性及び樹脂に充填した際の高流動性から溶融球状シリカが好ましい。
無機充填材(C)として溶融球状シリカを用いる場合、その平均粒子径は0.1〜10μmであることが好ましく、0.3〜8μmであることがより好ましい。該溶融球状シリカの平均粒子径を0.1μm以上にすることで樹脂に高充填した際の流動性を良好に保つことができ、さらに10μm以下にすることで粗大粒子の混入確率を減らし粗大粒子起因の不良の発生を抑えることができる。ここで、平均粒子径とは、粒子の全体積を100%として粒子径による累積度数分布曲線を求めた時、ちょうど体積50%に相当する点の粒子径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。
無機充填材(C)の含有量は、熱硬化性樹脂組成物中の樹脂成分合計量の10〜60体積%であることが好ましく、20〜50体積%であることがより好ましい。無機充填材の含有量を樹脂成分合計量の10〜60体積%にすることで、熱硬化性樹脂組成物の成形性と低熱膨張性を良好に保つことができる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の向上化のため硬化促進剤(D)を用いることが望ましい。
硬化促進剤(D)の例としては、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。その中でもイミダゾール類及びその誘導体が耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の点から好ましく、更に下記一般式(V)で表されるイミダゾール基がエポキシ樹脂によって置換された化合物や、下記一般式(VI)で表されるイソシアネート樹脂によって置換された化合物が200℃以下での比較的低温での硬化成形性とワニスやプリプレグの経日安定性に優れるためより好ましい。
また、硬化促進剤(D)として、下記の式(VIII)又は式(IX)で表される化合物が少量の配合使用でよく、また商業的にも安価であることから特に好ましい。
硬化促進剤(D)の例としては、イミダゾール類及びその誘導体、第三級アミン類及び第四級アンモニウム塩等が挙げられる。その中でもイミダゾール類及びその誘導体が耐熱性や難燃性、銅箔接着性等の点から好ましく、更に下記一般式(V)で表されるイミダゾール基がエポキシ樹脂によって置換された化合物や、下記一般式(VI)で表されるイソシアネート樹脂によって置換された化合物が200℃以下での比較的低温での硬化成形性とワニスやプリプレグの経日安定性に優れるためより好ましい。
また、硬化促進剤(D)として、下記の式(VIII)又は式(IX)で表される化合物が少量の配合使用でよく、また商業的にも安価であることから特に好ましい。
硬化促進剤(D)の使用量は、固形分換算の(A)成分と(B)成分の合計量100質量部当たり、0.1〜10質量部とすることが好ましく、0.1〜1質量部とすることがより好ましく、0.1〜0.5質量部とすることが特に好ましい。硬化促進剤(D)の使用量を0.1以上とすることにより耐熱性や難燃性、銅箔接着性などが得られ、また10質量部以下とすることにより耐熱性、経日安定性及びプレス成形性が低下することがない。
さらに、本発明の熱硬化性樹脂組成物には、樹脂組成物として熱硬化性の性質を損なわない程度に、任意に公知の熱可塑性樹脂、エラストマー、難燃剤、有機充填材等を含有させることができる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂の例としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
エラストマーの例としては、ポリブタジエン、ポリアクリロニトリル、エポキシ変性ポリブタジエン、無水マレイン酸変性ポリブタジエン、フェノール変性ポリブタジエン、カルボキシ変性ポリアクリロニトリル等が挙げられる。
難燃剤の例としては、臭素や塩素を含有する含ハロゲン系難燃剤、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリスジクロロプロピルホスフェート、ホスファゼン、赤リン等のリン系難燃剤、三酸化アンチモン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム等の無機物の難燃剤等が挙げられる。これらの難燃剤の中で、非ハロゲン難燃剤であるリン系難燃剤、無機物の難燃剤等が環境上から好ましい。また、リン系難燃剤と水酸化アルミニウムなどの無機物の難燃剤を併用して用いることが、安価であり、難燃性、耐熱性等の他特性との両立の点から好ましい。
有機充填材の例としては、シリコーンパウダー、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリフェニレンエーテル等の有機物粉末等が挙げられる。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物において希釈溶媒として有機溶媒を任意に使用することができる。該有機溶媒は特に制限されないが、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メチルセロソルブ等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶媒、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒等が挙げられ、1種又は2種以上を混合して使用できる。
更に、該熱硬化性樹脂組成物に対して任意に紫外線吸収剤、酸化防止剤、光重合開始剤、蛍光増白剤及び密着性向上剤等を含有させることも可能であり、特に制限されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤、ヒンダードフェノール系やスチレン化フェノール等の酸化防止剤、ベンゾフェノン類、ベンジルケタール類、チオキサントン系等の光重合開始剤、スチルベン誘導体等の蛍光増白剤、尿素シラン等の尿素化合物、シランカップリング剤等の密着性向上剤等が挙げられる。
本発明のプリプレグは、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、基材に含浸又は塗工した後、Bステージ化してなるものである。すなわち、本発明の熱硬化性樹脂組成物を、シート状補強基材に含浸又は塗工した後、加熱等により半硬化(Bステージ化)させて本発明のプリプレグを製造する。以下、本発明のプリプレグについて詳述する。
本発明のプリプレグに用いられる基材として各種の電気絶縁材料用積層板に用いられている周知のものが使用できる。その材質の例としては、Eガラス、Dガラス、Sガラス及びQガラス等の無機物の繊維、ポリイミド、ポリエステル及びポリテトラフルオロエチレン等の有機物の繊維並びにそれらの混合物等が挙げられる。これらの基材は、例えば、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット及びサーフェシングマット等の形状を有するが、材質及び形状は、目的とする成形物の用途や性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせることができる。
シート状補強基材の厚さは、特に制限されないが、例えば、約0.03〜0.5mmのものを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。
該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
シート状補強基材の厚さは、特に制限されないが、例えば、約0.03〜0.5mmのものを使用することができ、シランカップリング剤等で表面処理したもの又は機械的に開繊処理を施したものが、耐熱性や耐湿性、加工性の面から好適である。
該基材に対する樹脂組成物の付着量が、乾燥後のプリプレグの樹脂含有率で、20〜90質量%となるように、基材に含浸又は塗工した後、通常、100〜200℃の温度で1〜30分加熱乾燥し、半硬化(Bステージ化)させて、本発明のプリプレグを得ることができる。
本発明の積層板は、絶縁樹脂層が本発明の樹脂組成物又はプリプレグを用いて形成されたものである。プリプレグを用いる場合には、本発明のプリプレグを、例えば、1〜20枚重ね、その片面又は両面に銅及びアルミニウム等の金属箔を配置した構成で積層成形することにより積層板が得られる。成形条件は、例えば、電気絶縁材料用積層板及び多層板手法が適用でき、例えば多段プレス、多段真空プレス、連続成形、オートクレーブ成形機等を使用し、温度100〜250℃、圧力0.2〜10MPa、加熱時間0.1〜5時間の範囲で成形することができる。また、本発明のプリプレグと内層用配線板を組み合わせ、積層成形して、多層板を製造することもできる。
本発明の配線板は、積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものであり、上述の積層板に一般的な回路加工を施して得ることができる。
本発明の配線板は、積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものであり、上述の積層板に一般的な回路加工を施して得ることができる。
次に、下記の実施例により本発明を更に詳しく説明するが、これらの実施例は本発明を制限するものではない。
なお、以下の実施例で得られた銅張積層板は、以下の方法で性能を測定・評価した。
なお、以下の実施例で得られた銅張積層板は、以下の方法で性能を測定・評価した。
(1)銅箔接着性(銅箔ピール強度)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより1cm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張り試験機を用いて銅箔の接着性(ピール強度)を測定した。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより1cm幅の銅箔を形成して評価基板を作製し、引張り試験機を用いて銅箔の接着性(ピール強度)を測定した。
(2)ガラス転移温度(Tg)
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用いて圧縮法で熱機械分析を行った。評価基板を前記装置にZ方向に装着後、荷重5g、昇温速度10℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における熱膨張曲線の異なる接線の交点で示されるTgを求めた。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5mm角の評価基板を作製し、TMA試験装置(デュポン社製、TMA2940)を用いて圧縮法で熱機械分析を行った。評価基板を前記装置にZ方向に装着後、荷重5g、昇温速度10℃/分の測定条件にて連続して2回測定した。2回目の測定における熱膨張曲線の異なる接線の交点で示されるTgを求めた。
(3)はんだ耐熱性
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5cm角の評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、0.2MPaの条件で4時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、温度288℃のはんだ浴に、評価基板を20秒間浸漬した後、外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた5cm角の評価基板を作製し、平山製作所(株)製プレッシャー・クッカー試験装置を用いて、121℃、0.2MPaの条件で4時間までプレッシャー・クッカー処理を行った後、温度288℃のはんだ浴に、評価基板を20秒間浸漬した後、外観を観察することによりはんだ耐熱性を評価した。
(4)耐デスミア性
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、質量を測定したのち、膨潤液としてジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、NaOH:5g/Lの水溶液を作製し、70℃に加温して5分間浸漬処理した。
次に、粗化液として、KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液を作製し、80℃に加温して10分間浸漬処理した。引き続き、中和液(SnCl2:30g/L、HCl:30ml/L)の水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和した。処理した評価基板を乾燥、質量測定し、処理前後の質量を比較することで耐デスミア性を評価した。
銅張積層板を銅エッチング液に浸漬することにより銅箔を取り除いた評価基板を作製し、質量を測定したのち、膨潤液としてジエチレングリコールモノブチルエーテル:200ml/L、NaOH:5g/Lの水溶液を作製し、70℃に加温して5分間浸漬処理した。
次に、粗化液として、KMnO4:60g/L、NaOH:40g/Lの水溶液を作製し、80℃に加温して10分間浸漬処理した。引き続き、中和液(SnCl2:30g/L、HCl:30ml/L)の水溶液に室温で5分間浸漬処理して中和した。処理した評価基板を乾燥、質量測定し、処理前後の質量を比較することで耐デスミア性を評価した。
(5)そり量
AKROMETRIX社製 サーモレイ PS200シャドーモアレ分析を用いて,基板の反り量を評価した。基板のサンプルサイズは,40 mm×40 mmで,測定エリアは36 mm×36 mmとした。室温から260℃まで加熱し,その後50℃まで冷却した時のそり量を測定した。
AKROMETRIX社製 サーモレイ PS200シャドーモアレ分析を用いて,基板の反り量を評価した。基板のサンプルサイズは,40 mm×40 mmで,測定エリアは36 mm×36 mmとした。室温から260℃まで加熱し,その後50℃まで冷却した時のそり量を測定した。
なお、エポキシ樹脂の平均分子量は、試料10mgをテトラヒドロフラン1mLに溶解し、得られた溶液をGPC〔東ソー(株)製、TSK gel Super HZ−L、Super HZ-2000、Super HZ-3000、溶離液:テトラヒドロフラン〕により測定した。
製造例1:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−1)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとp−アミノフェノール:54.5g〔(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0〕、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.50gを仕込み、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−1)の溶液を製造した。
この溶液をGPC(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)により分析した結果を図1に示す。図1によれば、溶出時間が約19分付近に出現するp−アミノフェノールのピークが消失しており、付加反応物に由来するピーク(B)及び(C)が確認された。ここでピーク(A)は合成原料のビス(4−マレイミドフェニル)メタンであり、ピーク(B)は化学式(X)に示す反応生成物であり、ピーク(C)は化学式(XI)に示す副反応生成物である。
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとp−アミノフェノール:54.5g〔(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0〕、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.50gを仕込み、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−1)の溶液を製造した。
この溶液をGPC(ポリスチレン換算、溶離液:テトラヒドロフラン)により分析した結果を図1に示す。図1によれば、溶出時間が約19分付近に出現するp−アミノフェノールのピークが消失しており、付加反応物に由来するピーク(B)及び(C)が確認された。ここでピーク(A)は合成原料のビス(4−マレイミドフェニル)メタンであり、ピーク(B)は化学式(X)に示す反応生成物であり、ピーク(C)は化学式(XI)に示す副反応生成物である。
製造例2:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−2)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとm−アミノフェノール:54.50g〔(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0〕、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.5gを仕込み、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−2)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン:358.0gとm−アミノフェノール:54.50g〔(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0〕、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:412.5gを仕込み、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−2)の溶液を得た。
製造例3:酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−3)の製造
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0gとp−アミノフェノール:54.5g〔(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0〕、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:496.5gを仕込み、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−3)の溶液を得た。
温度計、攪拌装置、還流冷却管付き水分定量器の付いた加熱及び冷却可能な容積2リットルの反応容器に、3,3−ジメチル−5,5−ジエチル−4,4−ジフェニルメタンビスマレイミド:442.0gとp−アミノフェノール:54.5g〔(マレイミド基当量)/(−NH2基換算の当量)=4.0〕、及びプロピレングリコールモノメチルエーテル:496.5gを仕込み、還流させながら5時間反応させて酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−3)の溶液を得た。
実施例1〜18、比較例1〜3
(A)成分として製造例1〜3で得られた酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−1)〜(A−3)、
(B)成分として下記に示すエポキシ樹脂、
(B−1):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376、平均分子量4749、エポキシ当量186)
(B−2):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376L、平均分子量2631、エポキシ当量186)
(B−3):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376LL、平均分子量1483、エポキシ当量183)
(B−4): ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376LLL、平均分子量1169、エポキシ当量180)
(B−5):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7382、平均分子量2311、エポキシ当量195)
(B−6):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート828、エポキシ当量186)
(B−7):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376H、平均分子量13924、エポキシ当量195)
(B−8):ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7316、エポキシ当量371)
(B−9):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EPICLON-830,エポキシ当量168)
(C)成分の無機充填剤として溶融シリカ(アドマテックス製、商品名;SO-C2)、
(D)成分の硬化促進剤として前記の化学式(IX) で示す構造のヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールの付加反応物(第一化学工業製薬(株)製、商品名;G−8009L)
また、難燃剤としてベーマイト型水酸化アルミニウム、希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して第1表〜第4表に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分65質量%の均一なワニスを得た。
次に、上記ワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力2.5MPa、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
このようにして得られた銅張積層板を用いて、前記の方法により銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、耐デスミア性、そり特性を測定・評価した。結果を第1表〜第4表に示す。
(A)成分として製造例1〜3で得られた酸性置換基と不飽和マレイミド基を有する化合物(A−1)〜(A−3)、
(B)成分として下記に示すエポキシ樹脂、
(B−1):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376、平均分子量4749、エポキシ当量186)
(B−2):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376L、平均分子量2631、エポキシ当量186)
(B−3):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376LL、平均分子量1483、エポキシ当量183)
(B−4): ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376LLL、平均分子量1169、エポキシ当量180)
(B−5):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7382、平均分子量2311、エポキシ当量195)
(B−6):ビスフェノールA型エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製、商品名:エピコート828、エポキシ当量186)
(B−7):ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7376H、平均分子量13924、エポキシ当量195)
(B−8):ナフタレン型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EXA-7316、エポキシ当量371)
(B−9):ビスフェノールF型エポキシ樹脂(DIC社製、商品名;EPICLON-830,エポキシ当量168)
(C)成分の無機充填剤として溶融シリカ(アドマテックス製、商品名;SO-C2)、
(D)成分の硬化促進剤として前記の化学式(IX) で示す構造のヘキサメチレンジイソシアネート樹脂と2−エチル−4−メチルイミダゾールの付加反応物(第一化学工業製薬(株)製、商品名;G−8009L)
また、難燃剤としてベーマイト型水酸化アルミニウム、希釈溶剤にメチルエチルケトンを使用して第1表〜第4表に示した配合割合(質量部)で混合して樹脂分65質量%の均一なワニスを得た。
次に、上記ワニスを厚さ0.1mmのEガラスクロスに含浸塗工し、160℃で10分加熱乾燥して樹脂含有量50質量%のプリプレグを得た。
このプリプレグを4枚重ね、18μmの電解銅箔を上下に配置し、圧力2.5MPa、温度185℃で90分間プレスを行って、銅張積層板を得た。
このようにして得られた銅張積層板を用いて、前記の方法により銅箔接着性(銅箔ピール強度)、ガラス転移温度、はんだ耐熱性、耐デスミア性、そり特性を測定・評価した。結果を第1表〜第4表に示す。
第1表〜第3表から明らかなように、本発明の実施例では、銅箔ピール強度、ガラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、耐デスミア性、そり特性の全てに優れている。
一方、第4表から明らかなように、比較例では、銅箔ピール強度、ガラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、耐デスミア性、そり特性の全てを満たすものは無く、いずれかの特性に劣っている。
従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低熱膨張性、耐熱性、接着性に優れており、反り特性と耐デスミア性に優れた積層板が得られることが分かる。
一方、第4表から明らかなように、比較例では、銅箔ピール強度、ガラス転移温度(Tg)、はんだ耐熱性、耐デスミア性、そり特性の全てを満たすものは無く、いずれかの特性に劣っている。
従って、本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低熱膨張性、耐熱性、接着性に優れており、反り特性と耐デスミア性に優れた積層板が得られることが分かる。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、低熱膨張性、耐熱性、接着性に優れており、反り特性と耐デスミア性に優れた積層板が得られることから、高密度化、高多層化されたプリント配線板を製造することができ、大量のデータを高速で処理するコンピュータや情報機器端末等の用いられる電子機器の配線板に好適に用いられる。
Claims (8)
- 1分子中に少なくとも2個のN−置換マレイミド基を有するマレイミド化合物(a)と下記一般式(I)で表される酸性置換基を有するアミン化合物(b)を反応させて製造される分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物(A)と、平均分子量が500〜10000のビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(B)を含有することを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
- ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量が175〜250である請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 分子構造中に酸性置換基とN−置換マレイミド基を有する化合物(A)が、下記一般式(II)又は(III)で表される化合物である請求項1又は2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 更に、無機充填材(C)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の樹脂組成物を基材に含侵又は塗工した後、Bステージ化されていることを特徴とするプリプレグ。
- 絶縁樹脂層が請求項6のプリプレグを用いて形成されたものであることを特徴とする積層板。
- 請求項7の積層板における絶縁樹脂層の片面又は両面に配置された金属箔を回路加工して得られたものであることを特徴とするプリント配線板。
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