JP2012236832A - 組成物の製造方法、組成物及びその使用 - Google Patents

組成物の製造方法、組成物及びその使用 Download PDF

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Abstract

【課題】非常に高い分極レベルを有する過分極13C−ピルビン酸塩を得ることが可能な、過分極13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物を製造する改良法及び、特に生体内でのMR腫瘍イメージングに好適である組成物の提供。
【解決手段】過分極13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物の製造方法は、a)式(I)のラジカル、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物を形成して該組成物を凍結する工程と、b)DNPにより混合物に含まれるピルビン酸及び/又はピルビン酸塩中の13C核分極を増大させる工程と、c)緩衝液及び塩基を凍結した組成物に加えて溶解し、13C−ピルビン酸を13C−ピルビン酸塩に変換して液体組成物を得るか、或いはa)で13C−ピルビン酸塩のみを用いる場合には緩衝液を凍結した組成物に加えて溶解して液体組成物を得る工程と、d)ラジカル及び/又はその反応生成物を液体組成物から適宜除去する工程とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、過分極13C−ピルビン酸塩を含む組成物の製造方法、その組成物及びMRイメージング用の造影剤としてのその使用に関する。
磁気共鳴(MR)イメージング(MRI)は、X線のような潜在的に有害な放射線に患者及び医療従事者を被曝させることなく、患者の身体又はその一部の画像を非侵襲的な方法で得ることができるため、医師にとって特に魅力的なイメージング技術である。高画質の画像が得られるため、MRIは、軟組織及び器官の好適なイメージング法であり、正常組織と腫瘍や病巣等の患部組織との識別が可能になる。
MR腫瘍イメージングは、MR造影剤の使用の有無を問わず実施できる。MR造影剤を用いずに撮像したMR画像では、大きさが約1〜2cm以上の腫瘍はかなり明瞭に認められる。しかし、コントラスト強調MRIでは、格段に小さな組織病変(例えば各何に小さい腫瘍等)を検出することができ、コントラスト強調MRイメージングは、腫瘍の早期検出や転移の検出のための強力なツールである。
何種類かの造影剤がMR腫瘍イメージングに用いられている。水溶性の常磁性金属キレート、例えばOmniscan(登録商標)(Amersham Health社)のようなガドリニウムキレートは、広く用いられているMR造影剤である。これらは低分子量であるので、血管系に投与されると速やかに細胞外空間(血液及び間質)に到達し、さらに、比較的速やかに体外に排出される。ガドリニウムキレートは、転移及び小さな腫瘍の発見率を増大させ、中心壊死及び周囲の浮腫又は巨視的非病変組織から生腫瘍組織(血流が十分に潅流され、及び/又は、脳‐血液関門が障害を受けている)を区別できるとにより腫瘍の分類を改善する点において特に有用であることが判明している(例えば、C.Claussen et al, Neuroradiology 1985;27:164−171参照)。
一方、血液プールMR造影剤、例えば、超常磁性酸化鉄粒子は、血管系の内部に長時間残留する。肝臓内でのコントラストの強調、さらには、腫瘍内の脈管形成等に起因する「漏出性の」毛細血管壁等といった毛細血管の透過性異常の発見が非常に有用であることが実証されている。
上述の造影剤が優れた性質を有することは明白であるが、使用時に全く危険を伴わないわけではない。常磁性金属のキレート錯体は通常高い安定度定数を有するが、投与後に体内で有害な金属イオンが放出されるおそれがある。さらに、これらの造影剤は特異性が低い。
国際公開第99/35508号には、過分極高濃度のT1造影剤の溶液をMR造影剤として用いる、患者のMR検査法が開示されている。「過分極」という用語は、高濃度のT1造影剤中のNMR活性核、すなわちスピンがゼロではない核、好ましくは13C−又は15N−核の核分極を増大させることを意味する。NMR活性核の核分極を増大させると、核スピンが励起状態にある核と基底状態にある核の分布差が顕著に増大し、MR信号の強度が100倍以上に増強される。13C−及び/又は15N−が濃縮された高濃度のT1造影剤を用いると、13C及び/又は15Nの天然存在比は無視できるほど低いのでバックグラウンド信号の影響がほぼなくなり、画像のコントラストが好都合に高くなる。過分極させる多くの高濃度のT1造影剤及びそのMR造影剤としての使用について開示されており、それらの例としては、非内在性化合物及び内因性化合物に限定されず、酢酸塩、ピルビン酸塩、シュウ酸塩又はグルコン酸塩、グルコース又はフルクトース等の糖、尿素、アミド、グルタミン酸塩、グリシン、システイン又はアルパラギン酸塩等のアミノ酸、ヌクレオチド、アスコルビン酸等のビタミン、ペニシリン誘導体及びスルホンアミド等が挙げられる。さらに、クエン酸回路のような通常の代謝サイクルの中間体であるフマル酸やピルビン酸等は、代謝活性のイメージングにおける好ましい造影剤であることが示されている。
過分極造影剤の信号は、緩和によって、さらに患者の身体への投与後の希釈によっても減衰することが強調されるべきである。従って、体液(血液等)中での造影剤のT1値が十分に長く、薬剤が、高度に過分極した状態で患者の体内の標的部位に到達できるものでなければならない。造影剤が高いT1値を有することとは別に、高い分極レベルに到達できることは非常に有利となる。
いくつかの過分極技術が国際公開第99/35508号に開示されており、その1つが、試料の分極をいわゆる常磁性試薬又はDNP試薬によって得る動的核分極(DNP)である。DNP処理において、エネルギーは通常マイクロ波として供給され、まず常磁性試薬を励起する。基底状態に緩和する際に、常磁性試薬の不対電子から試料のNMR活性核への分極の移動が起こる。通常、DNP処理においては、中程度の又は高い磁場及び非常に低い温度が用いられており、例えば、液体ヘリウム及び約1T(テスラ)の磁場中でDNP処理が実行される。或いは、中程度の磁場及び十分な分極の増大が達成できる任意の温度の下で実行されもよい。DNP技術については、例えば、国際公開第98/58272号及び同第01/96895号に記載されており、これらはいずれも参照として本願明細書に組み込まれる。
常磁性試薬はDNP処理において決定的に重要な役割を果たしており、その選択は、達成できる分極レベルに大きな影響を与える。国際公開第99/35508号において「OMRI造影剤」と称されている、例えば、国際公開第99/35508号、同第88/10419号、同第90/00904号、同第91/12024号、同第93/02711号又は同第96/39367号に記載されている酸素系、硫黄系若しくは炭素系有機フリーラジカル又は磁性粒子等の多くの常磁性試薬が知られている。
国際公開第99/35508号パンフレット 国際公開第98/58272号パンフレット 国際公開第01/96895号パンフレット 国際公開第88/10419号パンフレット 国際公開第90/00904号パンフレット 国際公開第91/12024号パンフレット 国際公開第93/02711号パンフレット 国際公開第96/39367号パンフレット C.Claussen et al, Neuroradiology1985;27:164−171
発明者らは、驚くべきことに、非常に高い分極レベルを有する過分極13C−ピルビン酸塩を得ることが可能な、過分極13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物を製造する改良法を見出した。さらに、そのような組成物が、特に生体内でのMR腫瘍イメージングに好適であることを見出した。
そこで、本発明は、一つの態様では、過分極13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物の製造方法であって、
a)以下の式(I)のラジカル、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物を形成して該組成物を凍結する工程と、
b)混合物に含まれるピルビン酸及び/又はピルビン酸塩中の13C核分極をDNP法で増大させる工程と、
c)凍結した組成物に緩衝液及び塩基を加えて溶解し、13C−ピルビン酸を13C−ピルビン酸塩に変換して液体組成物を得るか、或いは工程a)で13C−ピルビン酸塩のみを用いる場合には、凍結した組成物に緩衝液を加えて溶解して液体組成物を得る工程と、
d)ラジカル及び/又はその反応生成物を液体組成物から適宜除去する工程と
を含む方法を提供する。
式中、
Mは水素又は1当量の陽イオンを表し、
R1は同一又は異なる直鎖又は枝分れヒドロキシル化及び/又はアルコキシル化C1〜C4炭化水素基を表す。
「過分極」及び「分極」という用語は、以後、本願明細書において同義に用いられ、室温及び1Tの磁場の下で観測されるよりも高いレベルの分極を表す。
本発明の方法では、式(I)のラジカルが用いられる。
式中、
Mは水素又は1当量の陽イオンを表し、
R1は同一又は異なる直鎖又は枝分れヒドロキシル化及び/又はアルコキシル化C1〜C4炭化水素基を表す。
以下、本願明細書において、「ラジカル」という用語は、式(I)のラジカルを意味するものとして用いられる。
1頭のラットについて撮像した、(1)プロトンの参照画像で、図中の矢印は腫瘍の位置を示す、(2)13C−ピルビン酸塩の画像、(3)13C−乳酸塩の画像、(4)13C−アラニンの画像、(5)13C−ピルビン酸塩で補正した13C−乳酸塩の画像及び(6)13C−アラニンで補正した13C−乳酸塩の画像からなる典型的な画像の組を示す図。画像(2)〜(6)は、プロトンの参照画像と融合している。 同じ画像の組であるが、解剖学的プロトン画像と融合していない画像(2)〜(6)からなる画像の組を示す図。
好ましい実施形態では、Mは、水素又は生理学的に許容できる1当量の陽イオンを表す。「生理学的に許容できる陽イオン」という用語は、ヒト又は非ヒト動物の生体で許容される陽イオンをいう。好ましくは、Mは、水素又はアルカリ陽イオン、アンモニウムイオン又はメグルミン等の有機アミンイオンを表す。最も好ましくは、Mは、水素又はナトリウムを表す。
さらに好ましい実施形態では、R1は、同一又は異なるヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基を表す。他の好ましい実施形態では、R1は、同一又は異なる直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基、好ましくは、−CH2−O−(C1〜C3−アルキル)、−(CH22−O−CH3又は−(C1〜C3−アルキル)−O−CH3を表す。他の好ましい実施形態では、R1は、末端ヒドロキシル基を有する同一又は異なる直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基、好ましくは−CH2−O−C24OH又は−C24−O−CH2OHを表す。さらに好ましい実施形態では、R1は、同一又は異なる直鎖アルコキシル化C1〜C4炭化水素基、好ましくはメトキシ基、−CH2−OC25又は−CH2−CH2−OCH3で、最も好ましくは−CH2−CH2−OCH3を表す。
最も好ましい実施形態では、Mは、水素又はナトリウムを表し、R1は同一で、−CH2−CH2−OCH3を表す。
ラジカルの合成法は周知であり、国際公開第91/12024号、同第96/39367号、同第97/09633号及び同第98/39277号に開示されている。要約すると、ラジカルは、3当量のメタル化単量体アリール化合物と、1当量の適当な保護基を有するカルボン酸誘導体とを反応させ、3量化中間体を生成させることにより合成することができる。この中間体をメタル化し、次いで、例えば、二酸化炭素と反応させると、トリチルカルビノールトリカルボン酸が得られ、さらに強酸で処理すると、トリアリールメチル陽イオンが生成する。その後、この陽イオンを還元すると、安定なトリチルラジカルが生成する。
本発明の方法で使用する13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩の同位体濃縮率は、好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上であり、同位体濃縮率が90%超であるのが最も好ましい。理想的には、濃縮率は100%である。13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩は、C1位で同位体濃縮されているもの(以下、131−ピルビン酸及び131−ピルビン酸塩という)、C2位で同位体濃縮されているもの(以下、132−ピルビン酸及び132−ピルビン酸塩という)、C3位で同位体濃縮されているもの(以下、133−ピルビン酸及び133−ピルビン酸塩という)、C1位とC2位で同位体濃縮されているもの(以下、131,2−ピルビン酸及び131,2−ピルビン酸塩という)、C1位とC3位で同位体濃縮されているもの(以下、131,3−ピルビン酸及び131,3−ピルビン酸塩という)、C2位とC3位で同位体濃縮されているもの(以下、132,3−ピルビン酸及び132,3−ピルビン酸塩という)又はC1位とC2位とC3位で同位体濃縮されているもの(以下、131,2,3−ピルビン酸及び131,2,3−ピルビン酸塩という)のいずれであってもよいが、C1位で同位体濃縮されているものが好ましい。
131−ピルビン酸の合成法としては数種類のものが周知である。要約すると、Seebach他、JournalofOrganicChemistry40(2),1975,231−237では、例えば、1,3−ジチアン又は2−メチル−1,3−ジチアン等のS,S−アセタール(ジチオアセタール)に変換することにより、カルボニル基を含む出発物質の保護及び活性化を行う合成経路が記載されている。ジチアンはメタル化され、メチル基含有化合物及び/又は13CO2と反応する。上記文献で概説されているように、適当な同位体濃縮13C−成分を用いることにより、131−ピルビン酸塩、132−ピルビン酸塩又は131,2−ピルビン酸塩を得ることができる。その後、文献記載の常法を用いて、カルボニル基を遊離させる。別の合成経路では、酢酸を出発物質とし、まず臭化アセチルに変換し、次いでCu13CNと反応させる。得られたニトリルを、アミドを経てピルビン酸に変換する(例えば、S.H.Anker他,J.Biol.Chem.176(1948),1333又はJ.E.Thirkettle,ChemCommun.(1997),1025参照)。さらに、市販の13C−ピルビン酸ナトリウムを、例えば、米国特許第6,232,497号明細書に記載の方法によりプロトン化することによって13C−ピルビン酸を得ることもできる。
本発明の方法では、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩のいずれを用いるかは、主に使用されるラジカルに依存する。ラジカルが13C−ピルビン酸に可溶である場合には、13C−ピルビン酸が好適に用いられ、ラジカルと13C−ピルビン酸とによって液体混合物、好ましくは液体状の溶液が形成される。ラジカルが13C−ピルビン酸に不溶である場合には、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩、並びに少なくとも1種の共溶媒を用いて、液体混合物、好ましくは液体状の溶液が形成される。工程b)で分極がうまくいくか及びその場合における分極レベルは、分極される化合物とラジカルが互いに緊密に接触できるかに依存することが明らかである。従って、共溶媒は、ラジカル並びに13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩の両者が可溶である共溶媒又は共溶媒の混合物であることが好ましい。13C−ピルビン酸塩に対しては、水が共溶媒として好ましく用いられる。
さらに、工程b)で、混合物を冷却/凍結した際に、結晶化試料ではなくガラスを形成する場合に、より高い分極レベルが達成されることが明らかである。繰り返すと、ガラスが形成されると、ラジカルと分極される化合物とがより緊密に接触することができる。13C−ピルビン酸はガラス形成能が高く、ラジカルが13C−ピルビン酸に可溶であれば本発明の方法で好ましく用いることができる。13C−ピルビン酸塩は固体であり、13C−ピルビン酸塩の水溶液とラジカルの液体混合物を凍結させると結晶化試料が得られる。これを防ぐには、グリセロール、プロパンジオール又はグリコール等のガラス形成能の高い共溶媒をさらに追加することが好ましい。
従って、一実施形態ではは、本発明の方法の工程a)に従い、13C−ピルビン酸塩を水に溶解して水溶液を得て、ラジカル、グリセロール及び適宜別の共溶媒を加え、液体混合物を生成する。好ましい実施形態ではは、本発明の方法の工程a)に従い、13C−ピルビン酸、ラジカル及び共溶媒を混合して液体混合物を生成する。最も好ましい実施形態では、本発明の方法の工程a)に従い、13C・ピルビン酸及びラジカルを混合して液体混合物を生成する。化合物の緊密な混合は、撹拌、ボルテックス又は超音波照射等の数種類の周知の方法により行うことができる。
本発明の方法に従い工程a)で得られる液体混合物は、好ましくは5〜100mMのラジカル、さらに好ましくは10〜20mMのラジカル、特に好ましくは12〜18mMのラジカル、最も好ましくは13〜17mMのラジカルを含む。本発明の方法の工程b)で、より高濃度のラジカルを用いると分極の立ち上げに要する時間は短くなるが、達成される分極レベルは低くなることが判明した。従って、これらの2つの効果を互いにバランスさせなければならない。
本発明の方法の工程a)で得られた液体混合物は、工程b)で分極される前に凍結される。液体混合物の冷却/凍結は、液体混合物を液体窒素で凍結する等の周知の方法により行うこともできるが、単に液体混合物を分極装置に入れておくだけでも、液体ヘリウムにより試料は凍結する。
本発明の方法の工程b)で、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩中の13C核分極は、DNPを介して増大される。すでに述べたように、動的核分極(DNP)は、分極される化合物の分極が、常磁性化合物等のDNP試薬によりもたらされる分極法である。本発明の方法では、分極は使用したラジカルによりもたらされる。DNP処理において、エネルギーは、好ましくはマイクロ波の照射により供給され、まずラジカルが励起される。基底状態に緩和する際に、ラジカルの不対電子から13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩中の13C核への分極の移動が起こる。
DNP技術については、例えば国際公開第98/58272号及び同第01/96895号に記載されており、これらは共に参照として本願明細書に組み込まれる。通常、DNP処理においては、中程度の又は高い磁場及び非常に低い温度が用いられており、例えば、液体ヘリウム及び約1T又はそれ以上の磁場中でDNP処理を実行する。或いは、中程度の磁場及び十分な分極の増大が達成できる任意の温度の下で実行してもよい。本発明の方法の好ましい実施形態では、DNP処理は液体ヘリウム及び約1T又はそれ以上の磁場中で行われる。本発明の方法の工程b)を実施するのに好適な分極装置は、例えば国際公開第02/37132号に記載されている装置である。好ましい実施形態では、分極装置は、低温保持装置(クライオスタット)及び、超電導磁石等の磁場発生手段に取り囲まれた中央のボア内に設置され、導波路によってマイクロ波源に接続されたマイクロ波チャンバー等の分極手段を備えている。ボアは、垂直方向に、少なくとも、磁場強度が13C核への分極を引き起こすのに十分な高さ(例えば1〜25T)を有する超電導磁石付近の領域Pの高さまで延在している。試料用のボアは、好ましくは密封可能であり、例えば1ミリバールオーダー以下の低圧まで減圧可能である。取り外し可能な試料導入管等の試料(本発明の方法の工程a)で得られる凍結した混合物)導入手段をボアの内側に有していてもよく、この試料導入管はボアの頂部から領域Pに位置するマイクロ波チャンバーの内側の位置まで挿入されていてもよい。領域Pは、液体ヘリウムにより分極が起こるのに十分な低温、好ましくは0.1〜100K程度の温度、さらに好ましくは0.5〜10K、最も好ましくは1〜5Kに冷却されている。試料導入手段は、好ましくは、その上端が、ボア内部の部分的減圧状態を保持するのに好適な任意の手段により密封可能である。試料保持カップ等の試料保持容器が、試料導入手段の下端の内側に取り外し可能なように取り付けされていてもよい。試料保持容器は、好ましくは、比熱容量が低く低温特性に優れた、KelF(登録商標:ポリクロロトリフルオロエチレン)又はPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)等の軽量材料により作られている。試料容器は、分極される1又は複数の試料を保持することができる。
試料は、試料保持容器中に挿入され、液体ヘリウム中に浸漬され、好ましくは、周波数約94GHz、出力200mWのマイクロ波の照射に付す。分極レベルは、マイクロ波の照射を行いながら固体13C−NMR信号の取り込みを行うことによりモニターすることができるので、工程b)で、固体13C−NMRスペクトルの取り込みを行う手段を備えた分極装置を用いることが好ましい。通常、13C−NMR信号と時間との関係を示すグラフにおいて飽和曲線が得られる。従って、最適な分極レベルに到達した時点を決定することができる。
本発明の方法の工程c)で、凍結され分極された混合物を緩衝液、好ましくは生理学的に許容できる緩衝液に溶解して、液体組成物を得る。「緩衝液」という用語は、本願明細書中で用いられる場合において、1種類又は複数の種類の緩衝液、すなわち、緩衝液の混合物を表す。
好ましい緩衝液は、生理学的に許容できる緩衝液であり、さらに好ましくは、例えば、リン酸緩衝液(KH2PO4/Na2HPO4)、ACES、PIPES、イミダゾール/塩酸、BES、MOPS、HEPES、TES、TRIS、HEPPS又はTRICIN等のpHが約7〜8の範囲内である緩衝液である。さらに好ましい緩衝液は、リン酸緩衝液及びTRISであり、最も好ましくはTRISである。他の実施形態ではは、2種類以上の上述の好ましい緩衝液、すなわち緩衝液の混合物が用いられる。
分極される化合物として13C−ピルビン酸が用いられる場合には、13C−ピルビン酸の13C−ピルビン酸塩への変換も工程c)に含まれる。このことを達成するために、13C−ピルビン酸を塩基と反応させる。一実施形態では、13C−ピルビン酸を塩基と反応させ、13C−ピルビン酸塩に変換した後に、緩衝液を加える。他の好ましい実施形態ではは、緩衝液と塩基を混合して1つの溶液とし、この溶液を13C−ピルビン酸に加え、溶解し、同時に13C−ピルビン酸に変換する。好ましい実施形態では、塩基は、NaOH、Na2CO3又はNaHCO3の水溶液であり、最も好ましい塩基はNaOHである。特に好ましい実施形態では、NaOHを含むTRIS緩衝液で13C−ピルビン酸を溶解し、13C−ピルビン酸ナトリウムに変換する。
他の好ましい実施形態では、緩衝液又は適用可能である場合には緩衝液/塩基の混合溶液は、錯形成していない常磁性イオンと結合することができる1又は複数種類の化合物、例えば、DTPAやEDTA等のキレートをさらに含んでいる。遊離の常磁性イオンは、過分極化合物のT1の短縮を引き起こすおそれがあることが判明しているが、これは避けることが好ましい。
溶解は、好ましくは、国際公開第02/37132号に開示された方法及び/又は装置を用いて行うことができる。要約すると、分極装置とは物理的に別個の又は分極装置及び溶解装置を備える装置の一部である溶解装置のいずれかが用いられる。好ましい実施形態では、工程c)は、緩和を改善し、過分極の最大値を維持するために高磁場中で実施される。磁場の節点は避けるべきであり、磁場強度が低いと上記のような対策を講じても緩和が増大するおそれがある。
本発明の方法で適宜実施される工程d)では、ラジカル及び/又はラジカルの反応生成物が、工程c)により得られた液体組成物から除去される。ラジカル及び/又は反応生成物は、部分的に、或いはほぼ完全に、理想的には完全に除去されていればよいが、液体組成物がヒトの患者に用いられる場合には、完全に除去されることが好ましい。ラジカルの反応生成物は、ピルビン酸と、ヒドロキシル基を有し式(I)のラジカルとの反応により生成されるエステルである可能性がある。本発明の方法の好ましい実施形態では、工程d)は必須である。ラジカル及び/又はラジカルの反応生成物の除去に用いることができる方法は周知である。通常、方法の適用可能性は、ラジカル及び/又はその反応生成物の性質に依存する。工程c)で凍結した混合物を溶解すると、ラジカルが沈殿する場合があり、その場合には濾過により液体組成物から容易に除去することができる。沈殿が生成しない場合には、ラジカルは、逆相又はイオン交換クロマトグラフィー等の液相クロマトグラフィーのようなクロマトグラフィー分離法又は抽出により分離することができる。
式(I)のラジカルは、紫外/可視部に特徴的な吸収スペクトルを有するため、ラジカルの除去後に、液体組成物中にラジカルが存在するか否か確認する方法として紫外/可視吸光測定を用いることができる。定量的な結果(液体組成物中に存在するラジカルの濃度)を得るために、液体組成物の試料における特定の波長の吸光度から、試料中の対応するラジカルの濃度が得られる様に分光光度計を校正してもよい。ラジカル及び/又はラジカルの反応生成物の除去は、液体組成物が、ヒト又は非ヒト動物の身体内における生体内MRイメージングのための造影剤として用いられる場合に特に好ましい。
別の態様では、本発明は、過分極13C−ピルビン酸塩、好ましくは13C−ピルビン酸ナトリウム、並びにリン酸緩衝液及びTRISからなる群から選択される緩衝液を含む組成物を提供する。
好ましい実施形態では、過分極13C−ピルビン酸塩は、10%以上、さらに好ましくは15%以上、実用的に好ましくは20%以上、最も好ましくは20%を上回る分極レベルを有する。
このような組成物は、生体内MRイメージング、特に生体内におけるMRを用いた代謝過程の研究及び生体内MR腫瘍イメージングのための優れた造影剤であることが判明しており、MR造影剤として使用する過分極13C−ピルビン酸塩と、リン酸緩衝液及びTRISからなる群から選択される緩衝液とを含む組成物は、本発明の他の態様をなす。
本発明の組成物は、好ましくは請求項1に記載の方法で製造され、さらに好ましくは、工程a)で13C−ピルビン酸塩及び、Mが水素又は生理学的に許容できる陽イオンを表し、R1が同一であって、直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基を表し、好ましくは、メトキシ基、−CH2−OC25又は−CH2−CH2−OCH3である、式(I)のラジカルが用いられ、工程d)は必須である、請求項1記載の方法で製造される。特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、工程a)で13C−ピルビン酸塩及び、Mが水素を表し、R1が同一であって、−CH2−CH2−OCH3を表す、式(I)のラジカルが用いられ、工程d)は必須である、請求項1記載の方法で製造される。
本発明の他の態様は、ヒト又は非ヒト動物の体内における生体内の代謝過程を研究するためのMR造影剤の製造における、過分極13C−ピルビン酸塩、好ましくは、過分極13C−ピルビン酸ナトリウムと、リン酸緩衝液及びTRISからなる群から選択される緩衝液とを含む組成物の使用である。
本発明のさらに他の態様は、ヒト又は非ヒト動物の体内における生体内MR腫瘍イメージング、好ましくは生体内での腫瘍の診断及び/又は腫瘍のステージの判定及び/又は腫瘍の治療のモニタリング、さらに好ましくは、生体内での前立腺ガンの診断及び/又は前立腺ガンのステージの判定及び/又は前立腺ガンの治療のモニタリングのためのMR造影剤の製造における、過分極13C−ピルビン酸塩、好ましくは、過分極13C−ピルビン酸ナトリウムと、リン酸緩衝液及びTRISからなる群から選択される緩衝液とを含む組成物の使用である。
本発明の組成物は、「従来の」MR造影剤として、すなわち、体内イメージングにおけるコントラストの強調のために用いることができる。本発明の組成物の追加の利点は、ピルビン酸塩は、高濃度で存在した場合にも人体が高い耐性を有する内在性の化合物であるという点である。クエン酸回路の前駆体として、ピルビン酸塩は人体内において代謝上重要な役割を果たしている。ピルビン酸塩は数種の化合物に変換され、アミノ基転移によってアラニンを生成し、酸化的脱炭酸によりピルビン酸塩はアセチル−CoAに変換され、ピルビン酸塩の還元によって乳酸が生成し、カルボキシル化によりオキサロ酢酸塩が生成する。
過分極13C−ピルビン酸塩の過分極13C−乳酸塩、過分極13C−炭酸水素塩(131−ピルビン酸塩、131,2−ピルビン酸塩及び131,2,3−ピルビン酸塩の場合のみ)及び過分極13C−アラニンへの変換を、生体内MRイメージングによる人体内の代謝過程の研究に用いることができることが判明した。通常、過分極化合物のT1が緩和及び希釈により減少することに照らすと、これは驚くべきことである。ヒトの全血中37℃において、13C−ピルビン酸塩のT1緩和時間は約42秒であるが、過分極13C−ピルビン酸塩が過分極13C−乳酸塩、過分極13C−炭酸水素塩及び過分極13C−アラニンへの変換は速く、原料化合物である13C−ピルビン酸塩及びその代謝産物に由来する信号の検出は十分可能である。アラニン、炭酸水素塩及び乳酸塩の量は、研究対象である組織の代謝状態に依存する。13C−乳酸塩、過分極13C−炭酸水素塩及び過分極13C−アラニンのMR信号強度は、これらの化合物の量及び検出時における分極の残存率に関連しているため、過分極13C−ピルビン酸塩の13C−乳酸塩、過分極13C−炭酸水素塩及び過分極13C−アラニンへの変換を観測することにより、非侵襲的なMRイメージングを用いた、ヒト又は非ヒト動物の体内における生体内での代謝過程の検討を行うことができる。
異なるピルビン酸代謝物に由来するMR信号強度は、組織の型によって異なることが判明した。アラニン、乳酸塩、炭酸水素塩及びピルビン酸塩による特有のピークパターンは、検討対象である組織の代謝状態に対する明確な特徴として用いることができ、従って、健康な組織と腫瘍組織との識別が可能になる。これにより、本発明の組成物は、生体内MR腫瘍イメージングのための優れた薬剤となる。
通常、本発明の組成物を用いてMRイメージングを行うためには、検査対象である、患者又は動物等の被験者をMRマグネットに入れる。13C−MR専用のラジオ波コイルが、観測対象となる部位をカバーするように配置される。
本発明の組成物、すなわち、過分極13C−ピルビン酸塩とリン酸緩衝液及びTRISからなる群から選択される緩衝液とを含む組成物は、非経口投与、好ましくは、血管内投与、関節内投与又は目的の部位或いは器官に直接投与される。本発明の組成物の用量及び濃度は、毒性、臓器への標的能及び投与経路等の因子の程度に依存する。通常、組成物は、ピルビン酸塩濃度が体重1kgあたり1mmol以下、好ましくは0.01〜0.5mmol/kg、さらに好ましくは0.1〜0.3mmol/kgの濃度で投与される。投与速度は、好ましくは10ml/秒未満、さらに好ましくは6ml/秒未満、最も好ましくは5ml/秒〜0.1ml/秒である。投与後400秒以内、好ましくは120秒以内、さらに好ましくは60秒以内、特に好ましくは投与後20〜50秒後、最も好ましくは投与後30〜40秒後に、関心体積を周波数及び空間選択的にエンコーディングするMRイメージングシークエンスが適用される。これにより、13C−乳酸塩、13C−アラニン及び13C−ピルビン酸塩の代謝画像、好ましくは、13C−乳酸塩、13C−アラニン、13C−炭酸水素塩及び13C−ピルビン酸塩の代謝画像が得られる。同時に、プロトンMRI造影剤を用いて、或いは用いずにプロトン画像の取り込みを行い、解剖学的画像及び/又は組織灌流画像を得る。
関心体積のエンコーディングは、例えば、T.R.Brown他,Proc.Natl.Acad.Sci.USA79,3523−3526(1982);A.A.Maudsley他,J.Magn.Res51,147−152(1983)に記載の、いわゆる分光イメージングシークエンスによって達成することができる。スペクトルイメージデータは、多数の体積要素からなり、個々の体積要素は完全な13C−MRスペクトルを含んでいる。13C−ピルビン酸塩及びその13C−代謝産物は、全て13C−MRスペクトルにおいて固有の位置にピークを有しており、それらの同定に用いることができる。その共鳴周波数におけるピークの積分強度は、それぞれ、13C−ピルビン酸塩及びその13C−代謝産物の量に直接関係している。13C−ピルビン酸塩及び個々の13C−代謝産物の量を、例えば、L.Vanhamme他,J.Magn.Reson.129,35−43(1997)に記載の時間領域フィッティング法を用いて評価する場合には、13C−ピルビン酸塩及び個々の13C−代謝産物について、カラー表示又はグレイ表示により、測定された13C−ピルビン酸塩及び個々の13C−代謝産物の量を表す画像を生成することができる。
分光イメージング法は、1H、31P、23Na等の全種類のMR核を用いて代謝画像を生成することができる点で有用であることが実証されたが、スペクトルイメージを完全にエンコードするために多数回の繰返しが必要であるため、この方法は過分極13Cにはあまり適していない。MR信号の取り込みの間中、過分極13Cの信号が確実に受信されるよう注意を払う必要がある。これは、信号対雑音比は低下するが、位相エンコーディングの全ステップにおいて照射されるRFパルス角を小さくすることにより達成される。マトリックスのサイズを大きくすると、必要な位相エンコーディングのステップ数及びスキャン回数は増大する。
P.C.Lauterbur(Nature,242,190−191,(1973)及びP.Mansfield(J.Phys.C.6,L422−L426(1973))の先駆的な研究に基づくイメージング法は、データ取り込みの際に読み出し用の勾配磁場(グラジエント)を印加することを含み、信号対雑音比の高い画像又は同等物、空間分解能の高い画像が得られる。しかし、これらのイメージング方法の基本形を用いても、13C−ピルビン酸塩及びその13C−代謝産物を分離して画像化することはできず、13C−ピルビン酸塩及び全ての13C−代謝産物の信号を含む画像しか得られないため、個々の代謝産物を同定することはできない。
好ましい実施形態では、周波数をコードするために多重エコーを用いたイメージングシークエンスが用いられる。水と脂質が分離した1H画像を生成することができるシークエンスは、例えば、G.Glover,J.Magn.Reson.Imaging1991;1:521−530及びS.B.Reeder他,MRM5135−45(2004)に記載されている。測定する代謝産物及びそのMR周波数は既知であるため、上記参考文献に記載の方法を、ピルビン酸塩、アラニン及び乳酸塩、好ましくはピルビン酸塩、アラニン、乳酸塩及び炭酸水素塩の画像化に直接適用すると、古典的なスペクトル画像化技術よりも高品質な信号、空間分解能がより高い信号及び短い取り込み時間が与えられ、過分極13C−MR信号をより有効に使用することができる。
腫瘍組織は、灌流が増大し代謝活性が向上するという特徴を示すことが多い。代謝の要求が高く、及び/又は毛細血管からより離れた細胞によって誘導される血管床の増加、血管新生という過程によっても、エネルギーの恒常性を維持するために必要とされるエネルギーを供給するに足るだけの物質の確保は不可能である。このような領域内では、細胞が十分なエネルギーを産生する点で問題が生じており、代謝パターンに顕著な変化が生じていることが期待される。問題が生じているがエネルギーの恒常性を維持している組織は、特に乳酸の産生量が増加しているという点においてエネルギー代謝が変化する。驚くべきことに、過分極13C−ピルビン酸塩を用いると、MRイメージングで用いることのできる短い時間窓内で、この代謝の変化を可視化でき、すなわち、腫瘍領域内で強度が高い13C−乳酸塩の信号を用いて腫瘍を健康な組織と識別することが可能である。灌流は、腫瘍組織内では不均一であるため、13C−乳酸塩の信号を、同一領域内に存在するピルビン酸塩の量(13C−ピルビン酸塩の信号)で補正することが好ましい。この補正により、ピルビン酸塩の信号に対して乳酸塩の信号強度が高い組織の領域を強調することができ、腫瘍組織と正常組織の識別が改善される。
ピルビン酸塩の信号による補正を行うためには、個々の画像中で乳酸塩及びピルビン酸塩の画像における最大値へと正規化する。次に、正規化した乳酸塩の画像に反転したピルビン酸塩の画像、例えば、画像内のピルビン酸塩の信号の最大強度とピクセル毎のピルビン酸塩の信号強度との差をかけ合わせる。最終段階として、上記の操作により得られた中間結果に元の乳酸塩の画像をかけ合わせる。
代謝が変化している領域を強調するために、13C−アラニンの信号強度の減少と関連のある強度の高い13C−乳酸塩の信号を、上の段落で述べたような操作に用いることができる。驚くべきことに、腫瘍領域の同定、すなわち、腫瘍組織と正常組織の識別は、この補正によっても改善される。アラニンの信号による補正を行うためには、個々の画像において乳酸塩及びアラニンの画像における最大値へと正規化する。次に、正規化した乳酸塩の画像に反転したアラニンの画像、例えば、画像内のアラニンの信号の最大強度とピクセル毎のアラニンの信号強度との差をかけ合わせる。最終段階として、上記の操作により得られた中間結果に元の乳酸塩の画像をかけ合わせる。同様に、13C−炭酸水素塩の信号も、解析に用いることができる。さらに、プロトンMRI造影剤を用いて、或いは用いずに取り込みを行ったプロトン画像を解析に用いて、解剖学的画像及び/又は組織灌流画像を得ることもできる。
他の好ましい実施形態では、本発明の組成物を繰り返し投与することにより、動的検査を行うことができる。この点は、患者の体内を比較的長時間循環するために動的検査を行うことができない他のMR造影剤と比較した場合の本組成物のさらなる利点である。
本発明の組成物は、生体内でのMRによる腫瘍のステージ判定のための造影剤としてさらに有用である。上の段落で述べたような代謝画像及び/又は代謝比の画像は、腫瘍のサイズや代謝活性によって定義された、適切に区分された分類を用いれば、この目的に用いることができる。
さらに、本発明の組成物は、生体内における腫瘍の治療効果のMRによるモニタリング、例えば、治療用抗ガン剤及び/又は放射線治療による治療又は任意の除去法、すなわち、ラジオ波、マイクロ波若しくは超音波と組み合わせた化学的除去法を用いた、或いは用いない任意の治療を行った場合における代謝パターンの直接的な変化のモニタリングに用いる造影剤として有用である。
患者又は動物に対する前処理によってタンパク質代謝、脂質代謝又はエネルギー代謝全般を乱すことにより、腫瘍のMRイメージングに影響を与え、改善することができる。これらを達成する手段は周知であり、絶食(例えば一晩)、グルコース投与等が例として挙げられる。
好ましい実施形態では、本発明の組成物は、脳腫瘍、乳ガン、大腸/結腸直腸ガン、肺ガン、腎ガン、頭部及び頚部腫瘍、筋腫、胃ガン、食道ガン、卵巣腫瘍、膵臓ガン及び前立腺ガンに対する、生体内におけるMR腫瘍イメージング、腫瘍の治療効果のモニタリング及び腫瘍のステージの判定のための造影剤として有用である。さらに、本発明の組成物は、特に生体内における前立腺ガンのMRイメージング、すなわち、生体内での前立腺ガンの診断及び/又は前立腺ガンのステージの判定及び/又は前立腺ガンの治療効果のモニタリングのためのMR造影剤として特に有用であることが判明した。
男性が、医師に排尿時の苦痛及び不快感を訴える場合、前立腺ガンが疑われる。その男性が50歳以上の場合には、前立腺特異抗原(PSA)検査が行われる。PSA値の上昇及び/又は直腸内触診での異常に基づいて、前立腺ガンの疑いが持たれる。PSA検査の結果が陽性の場合、患者は、超音波による生体検査のために専門家(泌尿器科医)の下に送られる。米国及びヨーロッパでは、1年間に200万件以上の生体検査が行われており、それぞれ、6例中5例及び3例中2例は陰性である。初期の段階で発見されれば、これらの患者の5年後生存率は100%である。前立腺ガンは最も患者数の多いガンであり、男性のガンによる死亡原因の第2位であるため、前立腺ガンを早期の段階で発見することができ、生体検査の件数を低減させるのに有用な前立腺ガンの診断方法に対する医学上の強い要請が存在する。
前立腺の13C−イメージングには、送受信用の13C−RF体積コイルが必要であり、好ましくは送信用の13C−RF体積コイルとMR受信専用の直腸内RFコイルとを組み合わせて用いられ、さらに好ましくは、送受信用のフェイズドアレイ13C−RF体積コイルとMR受信専用の直腸内RFコイルとを組み合わせて用いられる。特に好ましくは、13C−イメージングの後で1H−前立腺画像の取り込みが可能なコイルである。
本発明の他の態様は、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩と式(I)のラジカルとを含む組成物である。
好ましい実施形態では、組成物は、Mが、水素又は生理学的に許容できる1当量の陽イオンを表す、式(I)のラジカルを含んでいる。好ましくは、Mは、水素又はアルカリ陽イオン、アンモニウムイオン又はメグルミン等の有機アミンイオンを表す。最も好ましくは、Mは、水素又はナトリウムを表す。
さらに好ましい実施形態では、組成物は、R1が、同一又は異なるヒドロキシメチル基又はヒドロキシエチル基を表す、式(I)のラジカルを含んでいる。他の好ましい実施形態では、R1は、同一又は異なる直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基、好ましくは、−CH2−O−(C1〜C3−アルキル)、−(CH22−O−CH3又は−(C1〜C3−アルキル)−O−CH3を表す。他の好ましい実施形態では、R1は同一又は異なるもので末端ヒドロキシル基を有する直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基、好ましくは、−CH2−O−C24OH又は−C24−O−CH2OHを表す。さらに好ましい実施形態では、R1は、同一又は異なる直鎖アルコキシル化C1〜C4炭化水素基、好ましくは、メトキシ基、−CH2−OC25又は−CH2−CH2−OCH3で、最も好ましくは、−CH2−CH2−OCH3を表す。
特に好ましい実施形態では、組成物は、Mが水素又はナトリウムを表し、R1が同一で−CH2−CH2−OCH3を表す式(I)のラジカルを含む。
さらに好ましい実施形態では、組成物は、同位体濃縮率が、好ましくは75%以上、さらに好ましくは、80%以上及び特に好ましくは、90%以上であり、最も好ましくは、同位体濃縮率が90%を上回っている13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩を含んでいる。理想的には、濃縮率は100%である。
13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩は、C1位、C2位、C3位、C1位とC2位、C1位とC3位、C2位とC3位又はC1位とC2位とC3位、好ましくはC1位で同位体濃縮されていてもよい。
特に好ましい実施形態では、組成物は、13C−ピルビン酸と、Mが水素又はナトリウムを表し、R1が同一であり、−CH2−CH2−OCH3を表す式(I)のラジカルとを含んでいる。最も好ましくは、組成物は、13C−ピルビン酸と、Mが水素又はナトリウムを表し、R1が同一であり、−CH2−CH2−OCH3を表す式(I)のラジカルとからなる。
13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩と、式(I)のラジカルとを含む本発明の組成物は、過分極13C−ピルビン酸塩の製造、例えば、本発明の方法にしたがう過分極13C−ピルビン酸塩の製造に特に有用である。従って、本発明の他の態様は、過分極13C−ピルビン酸塩の製造における、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩と、式(I)のラジカルとを含む組成物の使用である。
Mが水素又はナトリウムを表し、R1が同一であり、−CH2−CH2−OCH3を表す式(I)のラジカルは、13C−ピルビン酸に可溶であり、溶液中で安定であるという性質を有しているため、特に本発明の方法での使用が適していることが判明した。さらに、それらは、本発明の方法の工程b)で高い分極効率を示し、溶解工程c)で安定であり、この工程で塩基が用いられた場合にも同様である。それらは、本発明の方法の工程d)で、例えば、疎水性の濾過材を用いて濾過することにより容易に除去することができる。
これらのラジカルは新規であるため、本発明の他の態様は、式(I)で表され、Mは、水素又はナトリウムを表し、R1は、−CH2−CH2−OCH3を表すラジカルである。
本発明のラジカルは、実施例1に従って合成することができる。要約すると、ラジカルは、3当量のメタル化単量体アリール化合物と、1当量の適当な保護基を有するカルボン酸誘導体とを反応させ、3量化した中間体を生成させることにより合成することができる。この中間体をメタル化し、次いで、例えば、二酸化炭素と反応させると、トリチルカルビノールトリカルボン酸が得られ、さらに強酸で処理すると、トリアリールメチル陽イオンが生成する。その後、この陽イオンを還元すると、安定なトリチルラジカルが生成する。
本発明の別の態様は、DNP処理における、化合物の過分極のための常磁性試薬としての本発明に係るラジカルの使用である。
実施例1:トリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(メトキシエチル)ベンゾ−[1,2、−4,5’]−ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩の合成
国際公開第98/39277号の実施例7に従って合成したトリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(ヒドロキシエチル)ベンゾ−[1,2、−4,5’]−ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩10g(70mmol)を、アルゴン雰囲気下でジメチルアセタミド280mlに懸濁した。水素化ナトリウム(2.75g)、次いでヨウ化メチル(5.2ml)を加え、わずかに発熱反応である反応を、34℃の水浴中で60分間行わせた。水素化ナトリウム及びヨウ化メチルを、それぞれ同量ずつ2回繰り返して加え、最後の添加後に、混合物を室温で68時間撹拌し、500mlの水中に注いだ。1MNaOH(水溶液)40mlを用いてpHをpH>13に調整し、混合物を室温で15時間撹拌して生成したメチルエステルを加水分解した。その後、2MHCl(水溶液)50mlを用いて、混合物をpHが約2となるように酸性化し、酢酸エチル(500ml及び2×200ml)で抽出した。有機相をまとめてNa2SO4上で乾燥後、蒸発乾固させた。粗生成物(24g)を、アセトニトリル/水を溶離剤として分種HPLCにより精製した。集めたフラクションを蒸発させ、アセトニトリルを除去した。残った水相を酢酸エチルで抽出し、有機相をNa2SO4上で乾燥後蒸発乾固した。水(200ml)を残渣に加え、1MNaOH(水溶液)を用いてpHを注意深く7に調整すると、この過程の間に残渣はゆっくり溶解した。中和後、水溶液を凍結乾燥した。
実施例2: 13 C−ピルビン酸及び実施例1のラジカルを用いた、過分極 13 C−ピルビン酸塩の製造
実施例1のラジカル5.0mgを131−ピルビン酸(164μl)に溶解して、20mM溶液を調製した。試料を均一になるまで混合し、溶液の一部(41mg)を試料カップに入れ、DNP分極装置内に挿入した。
試料を、DNP条件下、1.2Kで、3.35Tの磁場中でマイクロ波(93.950GHz)の照射に付した。2時間後、分極を終了し、国際公開第02/37132号に記載の溶解装置を用いて、試料を水酸化ナトリウム及びトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(TRIS)の水溶液に溶解し、過分極13C−ピルビン酸ナトリウムの中性の溶液を得た。溶解した試料について、速やかに13C−NMRによる分析を行い、分極の評価を行ったところ、13Cの分極率が19.0%という値が得られた。
実施例3: 13 C−ピルビン酸及び実施例1のラジカルを用いた、過分極 13 C−ピルビン酸塩の製造
実施例1のラジカル(209.1mg)を131−ピルビン酸(553mg)及び未標識のピルビン酸(10.505g)に溶解して、15mM溶液を調製した。試料を均一になるまで混合し、溶液の一部(2.015g)を試料カップに入れ、DNP分極装置内に挿入した。
試料を、DNP条件下、1.2Kで、3.35Tの磁場中でマイクロ波(93.950GHz)の照射に付した。4時間後、分極を終了し、国際公開第02/37132号に記載の溶解装置を用いて、試料を水酸化ナトリウム及びトリス(ヒドロキシメチル)−アミノメタン(TRIS)の水溶液に溶解し、100mMTRIS緩衝液中のピルビン酸塩の全濃度が0.5Mである、過分極13C−ピルビン酸ナトリウムの中性の溶液を得た。溶解装置と直列にクロマトグラフィー用カラムを接続した。カラムは、Varian社製で、疎水性充填材(Bondesil−C18、40μm、注文番号12213012)を充填したカートリッジ(直径38mm、高さ10mm)からなる。溶解した試料をカラムに通すと、ラジカルが選択的に吸着された。ろ液について、速やかに13C−NMRによる分析を行い、分極の評価を行ったところ、13Cの分極率が16.5%という値が得られた。その後、ラジカルの残留濃度を、紫外分光計により測定波長469nmで分析したところ、検出限界の0.1μM未満であった。
実施例4: 13 C−ピルビン酸及びトリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(ヒドロキシエトキシ)ベンゾ−[1,2、−4,5−d’]−ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩を用いた、過分極 13 C−ピルビン酸塩の製造
トリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(ヒドロキシエトキシ)ベンゾ−[1,2、−4,5−d’]−ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩は、国際公開第98/39277号の実施例29に記載の方法により合成した。トリス(8−カルボキシ−2,2,6,6−テトラ(ヒドロキシエトキシ)ベンゾ−[1,2、−4,5−d’]−ビス−(1,3)ジチオール−4−イル)メチルナトリウム塩を131−ピルビン酸(83.1mg)に溶解して、20mM溶液を調製した。試料を均一になるまで混合し、溶液の一部(41mg)を試料カップに入れ、DNP分極装置内に挿入した。試料を、DNP条件下、1.2Kで、3.35Tの磁場中でマイクロ波(93.950GHz)の照射に付した。試料からの13C−NMR信号の取り込みを、Varian社製Inova−200NMR分光計を用いて行った。DNPを介した分極の増大を、熱平衡下での13C−NMR信号及び増大したNMR信号の測定結果より計算した。13Cの分極率として16%という値が得られた。
実施例5:造影剤として過分極 13 C−ピルビン酸塩を用いた腫瘍イメージング
5.1.腫瘍動物モデル及び腫瘍の調製
R3230ACは、雌性Fischer344系ラット中で維持が可能なラットの乳腺線ガンである。動物の腫瘍モデルを確立するために、RPMI1640培地、10%ウシ体胎児血清(FBS)及び10%DMSOを含むR32030細胞の凍結したバイアルを37℃で速やかに解凍した。その後、細胞の溶液をFBSに移し、RPMI1640培地を追加した。最後に、細胞の懸濁液を25cm2の培養フラスコに移し、37℃、5%CO2のインキュベータ中に入れた。培地は毎日交換した。ラットに投与する日に、機械的に又はトリプシンを用いて細胞を剥離した。カルシウム及びマグネシウムを含まないリン酸緩衝液で細胞を洗浄した。トリプシン(0.05%トリプシンを0.02%EDTA水溶液に溶解したもの)を2〜5分かけて加えた。その後、FBS5mlを加え、細胞を、FCS及び抗生物質(ペニシリン100IU/ml、ストレプトマイシン100IU/ml及びアンフォテリシンB2.5μg/ml)を含むRPMI1640培地を入れたビーカーに移した。細胞溶液を遠心分離して、細胞ペレットを、FBS及び抗生物質を含むEPMI培地20mlに再懸濁し、遠心分離及び再懸濁を繰り返した。その後、細胞を、4×106個/mlRPMI1640培地となるようにバイアルに分注した。ドナー腫瘍を得るために、雌性フィッシャー344系ラット(Charles River、180〜200g)を麻酔し、0.3mlの細胞懸濁液を、鼠径部両側に皮下注射した。15日後及び22日後に、F.A.Burgener他,InvestRadiol22/6(1987),472−478;S.Saini他,J.Magn.Reson.129/1(1997),35−43に記載の方法により、腫瘍の切片を調製した。レシピエントである雌性フィッシャーラットの腹側縁上を2箇所切開した。腫瘍の切片を開口内に挿入し、縫合した。腫瘍の移植から12〜14日後に、ラットのイメージングを行った。
5.2.ラットの調製及びプロトンMRイメージング
計量したラットをイソフルラン(2〜3%)で麻酔し、体温を37℃以上に保つために加熱テーブル上に保持した。カテーテルを、尾静脈及び左総頚動脈に挿入した。ラットをMR装置に移し、FC−104フルオリナートを循環させることにより約37℃に加熱した自家製のパッド上に配置した。この液体は、1H−及び13C−MRイメージングの際にバックグラウンド信号を生じない。開放型呼吸器に接続された長いチューブから0.4L/分の速度で供給される1〜2%イソフルランにより麻酔を継続した。動脈カテーテルを、T字管を介して圧力計及び生理食塩水供給ポンプ(流速0.15mL/分)に接続して、カテーテルが血栓で詰まるのを防止した。ラットを、ラット用MRコイル(RapidBiomedical社(ドイツ)製)に入れ、標準的なプロトンMRイメージングシークエンスによりイメージングを行い、解剖学的情報を得て腫瘍の位置を決定した。
5.3. 13 C−MRイメージング
MR装置により測定したプロトンの周波数に基づき、13C−アラニンの共鳴周波数を下式により求めた。
131−アラニンの周波数=0.25144×[(装置のプロトン共鳴周波数×1.00021)−0.000397708]
計算により求められた周波数より、131−アラニンに由来するMR信号の位置は、131−乳酸塩の共鳴信号がその左側に、131−ピルビン酸塩の共鳴信号が131−アラニンの右側の位置になる。非局所的なMR分光シークエンスを用いて測定を行い、13C−MRコイル及び装置のMR周波数が正しく設定されていることを確認した。腫瘍をカバーするよう13C−画像の位置(スライス厚10mm、平面ピクセルサイズ5×5mm2)を定めた。再構成段階で画像データにゼロフィリングを行い、2.5×2.5×10mm3の分解能を得た。TRIS緩衝液(90mM)に溶解した131−ピルビン酸塩を、10ml/kgの用量で、12秒間で、最小体積2mlを尾静脈から注入し、注入開始から30秒後(注入完了から18秒後)に、化学シフト13C−MRシークエンスを開始した。
5.4.MRイメージングデータの解析
MRイメージングにより16×16要素のマトリックスが得られ、個々の要素又はピクセル/ボクセルは13C−MRスペクトルを含んでいる。再構成段階で、マトリックスに対し、空間分解能を増大するのに有用な数学的操作であるゼロフィリングを行い、32×32に拡大された。データセットは1024のスペクトルを含んでおり、さらに解析を行うために、Dicomフォーマットでエクスポートされた(DICOMは、医療情報のデジタル通信に関する標準規格書を指定商品とする北米電子機器工業会の登録商標である)。これらのスペクトルのうち約半分は、ボクセルが動物の体外に位置していたので、MR信号を含んでいなかった。動物の体内では、ピルビン酸塩の信号強度が高く、乳酸塩及びアラニンがほとんど存在しないボクセル(血流プール)がある一方、他のボクセルはピルビン酸塩、アラニン及び乳酸塩がほぼ同量ずつ存在していた。
ピルビン酸塩、アラニン及び乳酸塩の強度は、以下の条件を含む時間領域フィッティング法を用いて求めた。
ゼロ次の位相は、全データセットで一定。
1次の位相は1.4ミリ秒。
時間領域の線幅又は減衰は、個々の代謝産物についてそれぞれ別個に、全データセットの平均線幅の0.5〜3倍の変動を許容。
周波数は、最も高いピーク(ユーザが定義する必要あり)について、全データセットで観測された平均周波数に対して両方向に20Hzの変動を許容。
乳酸塩、アラニン及びピルビン酸塩の強度をマトリックス中で再配列し、再サンプリングを行い、プロトン解剖学的MR画像の分解能とのマッチングをとる。13C−MR画像の解剖学的画像上への投影を自動的に行い、オペレータに依存しない結果を得る。結果は、ラットの腫瘍の解剖学的プロトン画像、解剖学的画像上に投影されたピルビン酸塩、乳酸塩及びアラニンに関する代謝13C−画像を含む画像セットとして表示され、画像には、各ピクセルについて以下が表示される。
([乳酸塩]norm×([ピルビン酸塩]max−[ピルビン酸塩])norm)×[乳酸塩]
([乳酸塩]norm×([アラニン]max−[アラニン])norm)×[乳酸塩]が表示されている。
ここで、「[・・・]norm」という用語は、正規化、すなわち、代謝画像における最大値へと調整された強度を表し、「[乳酸塩]」は、計算された強度を表す。
腫瘍領域に最も高い乳酸塩の信号がある状態又は腫瘍領域において乳酸塩のピルビン酸塩に対する比率が高く、かつ同じピクセル領域内で乳酸塩のアラニンに対する存在比率が高い状態が、13C−MR画像における腫瘍組織と正常組織の識別が成功したと定義される。
5.5.生物学的分析
腫瘍部位には、目視による検査で出血の兆候が認められた。腫瘍をラットの身体から切り離し、秤量後半分に切断した。腫瘍の内部を目視により検査したところ、均質性、壊死及び出血が認められた。腫瘍組織を4%ホルマリン中に保存した。
腫瘍に罹ったラットのうち、以下の条件を満たすものが評価に適していると考えられる。
腫瘍の重量は100mgより多い。
腫瘍の内部に目視できる壊死や嚢胞が存在しない。
体温が35℃以上である。
MR検査の際に、動脈圧が60mmHgより高い。
5.6.結果
18頭のラットについて、合計で30の異なる腫瘍のイメージングを行った。1頭のラットについては失敗し、3つの腫瘍については、上の段落5.5に記載の生物学的条件を満たさなかった。残りの17頭における26の腫瘍は、均質であり、その内部は重量感があり壊死を起こしていない。注入時の131−ピルビン酸塩の平均分極は21.2±2.9%(平均±標準偏差)であり、pHは8.08±0.14(平均±標準偏差)であった。
図1は、1頭のラットについて撮像した、(1)プロトンの参照画像で、図中の矢印は腫瘍の位置を示す、(2)13C−ピルビン酸塩の画像、(3)13C−乳酸塩の画像、(4)13C−アラニンの画像、(5)13C−ピルビン酸塩で補正した13C−乳酸塩の画像及び(6)13C−アラニンで補正した13C−乳酸塩の画像からなる典型的な画像の組を示す。画像(2)〜(6)は、プロトンの参照画像と融合している。
図2は、同じ画像の組を示すが、解剖学的プロトン画像と融合していない画像(2)〜(6)からなる。
結果として、腫瘍の位置は、高い代謝活性に起因するピルビン酸塩の高信号(2)により示される。しかし、乳酸塩の信号(3)により、最終的に腫瘍の正確な位置が特定される。アラニンは、骨格筋内では観測されるが、腫瘍組織には存在しない(4)。ピルビン酸塩及びアラニンで補正した乳酸塩の信号(5)及び(6)は、いずれも腫瘍に対して優れたコントラストを有する。
このように、代謝画像において腫瘍の位置は乳酸塩の高信号、ピルビン酸塩で補正した乳酸塩の高信号及びアラニンで補正した乳酸塩の高信号によって示されることが実証された。
代謝13C−MR画像の解析より、以下の症例数において腫瘍領域で代謝のコントラストを示した。
乳酸塩の信号については26の腫瘍中24例。
ピルビン酸塩で補正(5.5,a)した乳酸塩の信号については26の腫瘍中26例。
アラニンで補正(5.5,b)した乳酸塩の信号については26の腫瘍中26例。
本研究における全成功率は、26例中26例、100%であった。
本研究により、過分極131−ピルビン酸塩は、対象となる領域(腫瘍)に、化合物の撮像が可能な時間内に到達し、化合物及びその代謝産物の撮像が可能で、代謝のコントラストが得られることが示された。

Claims (23)

  1. 過分極13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物の製造方法であって、
    a)以下の式(I)のラジカル、13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩を含む液体組成物を形成して該組成物を凍結する工程と、
    b)混合物中のピルビン酸及び/又はピルビン酸塩の13C核分極をDNP法で増大させる工程と、
    c)凍結した組成物に緩衝液及び塩基を加えて溶解し、13C−ピルビン酸を13C−ピルビン酸塩に変換して液体組成物を得るか、或いは工程a)で13C−ピルビン酸塩のみを用いる場合には、凍結した組成物に緩衝液を加えて溶解して液体組成物を得る工程と、
    d)ラジカル及び/又はその反応生成物を液体組成物から適宜除去する工程と
    を含む方法。
    式中、
    Mは水素又は1当量の陽イオンを表し、
    R1は同一又は異なる直鎖又は枝分れヒドロキシル化及び/又はアルコキシル化C1〜C4炭化水素基を表す。
  2. 前記ラジカルが式(I)のラジカルであって、Mが水素又は生理学的に許容できる1当量の陽イオンを表し、R1が同一又は異なるヒドロキシメチル又はヒドロキシエチルを表すか、或いはR1が同一又は異なるもので末端ヒドロキシル基を有する直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基であるか、或いはR1が同一又は異なる直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基を表す、請求項1記載の方法。
  3. R1が同一であり、直鎖又は枝分れアルコキシル化C1〜C4炭化水素基、好ましくは、メトキシ基、−CH2−OC25又は−CH2−CH2−OCH3である、請求項2記載の方法。
  4. 13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩が、C1位、C2位、C3位、C1位とC2位、C1位とC3位、C2位とC3位又はC1位とC2位とC3位、好ましくはC1位で同位体濃縮されている、請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の方法。
  5. 13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩の同位体濃縮率が、75%以上、好ましくは90%以上である、請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の方法。
  6. 前記緩衝液が、リン酸緩衝液、ACES、PIPES、イミダゾール/塩酸、BES、MOPS、HEPES、TES、TRIS、HEPPS及びTRICINからなる群から選択され、好ましくはリン酸緩衝液及びTRISからなる群から選択される緩衝液である、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の方法。
  7. 工程a)で13C−ピルビン酸が用いられ、工程c)で緩衝液と塩基が一溶液中で混合される、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  8. 工程a)で13C−ピルビン酸が用いられ、前記塩基がNaOHである、請求項1乃至請求項6のいずれか1項記載の方法。
  9. 工程d)が必須である、請求項1乃至請求項8のいずれか1項記載の方法。
  10. ヒト又は非ヒト動物の体内における生体内MRイメージング用の造影剤として使用される組成物を製造するための請求項9記載の方法。
  11. 過分極13C−ピルビン酸塩と、リン酸緩衝液及びTRISからなる群から選択される緩衝液とを含む組成物。
  12. 過分極13C−ピルビン酸塩が、10%以上、好ましくは15%以上、さらに好ましくは20%以上の分極レベルを有する、請求項11記載の組成物。
  13. 過分極13C−ピルビン酸塩が過分極13C−ピルビン酸ナトリウムである、請求項11又は12記載の組成物。
  14. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項記載の方法で製造される、請求項11乃至請求項13のいずれか1項記載の組成物。
  15. MR造影剤として使用するための請求項11乃至請求項14のいずれか1項記載の組成物。
  16. ヒト又は非ヒト動物の体内における生体内の代謝過程を研究するためのMR造影剤の製造における、請求項11乃至請求項14のいずれか1項記載の組成物の使用。
  17. ヒト又は非ヒト動物の体内における生体内MR腫瘍イメージング、好ましくは生体内での腫瘍の診断及び/又は腫瘍のステージの判定及び/又は腫瘍の治療のモニタリングのためのMR造影剤の製造における、請求項11乃至請求項14のいずれか1項記載の組成物の使用。
  18. 前記腫瘍が前立腺ガンである、請求項17記載の使用。
  19. 13C−ピルビン酸及び/又は13C−ピルビン酸塩と、式(I)のラジカルとを含む組成物。
  20. 13C−ピルビン酸と式(I)のラジカルとを含んでいて、Mが水素又はナトリウムを表し、R1が同一であって−CH2−CH2−OCH3を表す、請求項19記載の組成物。
  21. 過分極13C−ピルビン酸塩を製造するための請求項19又は請求項20項記載の組成物の使用。
  22. 次の式(I)のラジカル。
    式中、
    Mは水素又はナトリウムを表し、
    R1は−CH2−CH2−OCH3を表す。
  23. DNP処理で化合物を過分極させる常磁性試薬としての請求項22記載のラジカルの使用。
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