JP2012236475A - 冷却装置および船舶 - Google Patents
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Abstract
【課題】動力伝達装置を効率よく冷却できる冷却装置およびこの冷却装置を備えた船舶を提供する。
【解決手段】エンジンの駆動力を推進用のプロペラに伝達するために船体の外部に設けられた動力伝達装置を冷却するための冷却装置であって、船体の推進力によって生ずる水流を利用することにより周囲の水を導入可能な導入口と、一端が導入口に連結されるとともに、他端が動力伝達装置を収容するハウジングケース70まで延びるホース22とを備え、ホース22は、他端側の一部がハウジングケース70の側面と対向するように配置されているとともに、ハウジングケース70の側面に向けて水を噴射可能な噴射孔23が複数形成されている。
【選択図】図3
【解決手段】エンジンの駆動力を推進用のプロペラに伝達するために船体の外部に設けられた動力伝達装置を冷却するための冷却装置であって、船体の推進力によって生ずる水流を利用することにより周囲の水を導入可能な導入口と、一端が導入口に連結されるとともに、他端が動力伝達装置を収容するハウジングケース70まで延びるホース22とを備え、ホース22は、他端側の一部がハウジングケース70の側面と対向するように配置されているとともに、ハウジングケース70の側面に向けて水を噴射可能な噴射孔23が複数形成されている。
【選択図】図3
Description
本発明は、船舶において、エンジンの駆動力を推進用のプロペラに伝達する動力伝達装置を冷却するための冷却装置、および、この冷却装置を備える船舶に関する。
船内外機の一種であるスターンドライブは、船体の内側に装備されるエンジンと、船体の外側に装備されるアウトドライブ装置とで構成される主機である。アウトドライブ装置は、エンジンから伝達される駆動力によりプロペラを高速で回転駆動させて船体を前後に推進させる推進装置である。アウトドライブ装置は、エンジンからの駆動力をプロペラに伝達するためのクラッチ、ギアなどが組み込まれた動力伝達装置を備えており、これらは一体的にハウジングケース内に収容されている。この動力伝達装置に対しては、クラッチ、ギアなどの焼き付きを防止するために、潤滑油が供給されるとともに、この潤滑油の温度が、動力伝達装置の作動温度により上昇すると、潤滑油の劣化、あるいは、動力伝達装置の耐久性を劣化させるおそれがあることから、動力伝達装置(具体的には、潤滑油)を冷却するための冷却装置が設けられている。
この冷却装置としては、海中から冷却用の海水を取り入れ、この海水により動力伝達装置を収容するハウジングケースを冷却することによって、動力伝達装置を冷却するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)
特許文献1では、図12に示すように、アウトドライブ装置下部を構成するロアーハウジング100の喫水線下の位置に水の導入口101が形成されている。導入口101には、アウトドライブ装置上部を構成するアッパーハウジング102へ向けて延びるホース103の一端が連結されており、ホース103の他端はアッパーハウジング102の動力伝達装置を収容するハウジングケース105とこれを覆うカバー106との間の隙間を通って、ハウジングケース105の側面のフランジ部104に取り付けられている。特許文献1によると、プロペラの回転駆動によって船体が推進すると、導入口101付近では、プロペラの回転駆動によって生じる、プロペラの遠心方向に向かう水の流れにより圧力変化が発生する。この圧力変化により、導入口101の周囲の海水が導入口101に吸引される結果、海水がホース103に自動的に取り入れられ、この海水がホース103内を通ってホース他端の排水口107から排出されることで、ハウジングケース105の側面に噴射されるようになっている。
上記した特許文献1では、海水を取り入れるためのポンプなどを船体に設けることなく、海水を自動的に取り入れることが可能であり、これをハウジングケース105の側面に噴射して内部の動力伝達装置を冷却しているため、冷却装置全体が複雑にならず、また、部品点数の削減によるコスト低減を実現できるなどの利点がある。ただし、ホース103の排水口107が、ハウジングケース105の側面と水平になる向きで取り付けられているため、ホース103から排出された海水をハウジングケース105の側面の全体に万遍なく噴射させることが難しく、冷却効率の向上という点で課題を有している。
本発明は、上記した問題に着目してなされたもので、クラッチなどの動力伝達装置を収容するハウジングケース全体に満遍なく水を噴射して、動力伝達装置を効率よく冷却することができる冷却装置およびこの冷却装置を備えた船舶を提供することを目的とする。
本発明の前記目的は、エンジンの駆動力を推進用のプロペラに伝達する動力伝達装置を冷却するための冷却装置であって、船体の推進力によって生ずる水流を利用することにより周囲の水を導入可能な導入口と、一端が前記導入口に連結されるとともに、他端が前記動力伝達装置を収容するハウジングケースまで延びるホースとを備え、前記ホースは、他端側の一部が前記ハウジングケースの側面と対向するように配置されているとともに、前記ハウジングケースの側面に向けて水を噴射可能な噴射孔が複数形成されている冷却装置により達成される。
本発明の好ましい実施態様においては、前記ホースは、前記ハウジングケースの側面の前記ホースと対向する領域の面積が増加するよう、折り曲げられた状態で配置されていることを特徴としている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ホースの前記ハウジングケースの側面と対向する部分は、円弧状または渦巻状に折り曲げられていることを特徴としている。
本発明のさらに好ましい他の実施態様においては、前記ホースの前記ハウジングケースの側面と対向する部分は、ジグザグ状に折り曲げられていることを特徴としている。
本発明のさらに好ましい実施態様においては、前記ホースは少なくとも2つのホース部材で構成され、各ホース部材が接続部材により接続されており、前記接続部材には、前記ホースを流れる水の一部を分岐させる分岐ホースが設けられており、前記分岐ホースの水の導出口が、前記ハウジングケースを覆うカバーに形成された検水口に連結されていることを特徴としている。
本発明の前記目的は、上記した構成の冷却装置を備えた船舶によっても達成される。
本発明によれば、動力伝達装置を収容するハウジングケース全体に満遍なく水を噴射することができるため、動力伝達装置を効率よく冷却することができる。
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る冷却装置を備える船舶1の概略構成図である。また、図2は、船舶1のアウトドライブ装置3の外観を示す斜視図であり、図3は、図2のアウトドライブ装置3上部のアッパーハウジング7において、カバー71を取り外したときのハウジングケース70の外観を示す斜視図である。なお、本明細書では、船体の船首側を「前」と称し、船尾側を「後」と称することとする。また、「左右方向」とは、右舷から左舷に向かう方向またはその反対方向を意味する。
図1に示すように、船舶1に設けられる船内外機は、エンジン2とアウトドライブ装置3とを備えている。エンジン2は船体10の内部に設けられる一方、アウトドライブ装置3は船体10の外部に設けられている。アウトドライブ装置3は、プロペラ4、クラッチなどを含む推進装置であり、エンジン2の駆動力がアウトドライブ装置3に伝達されることにより、プロペラ4が高速で回転駆動して船体10が前後に推進する。アウトドライブ装置3は、船尾に設けられたトランサム部11に取り付けられており、エンジン2からの駆動力は、船外へ延びる入力軸12を介してアウトドライブ装置3へ伝達される。
アウトドライブ装置3は、トランサム部11に取り付けられる本体部5と、この本体部5の後端に連結されるハウジング6とで構成されている。ハウジング6は、上下方向に配置されたアッパーハウジング7とロアーハウジング8とで構成されている。
アッパーハウジング7は、前進用歯車、後進用歯車、クラッチなど、エンジン2からの駆動力をプロペラ4に伝達するための動力伝達装置9を収容しているハウジングケース70と、ハウジングケース70の側面および上面を覆うカバー71とを有している。エンジン2からの入力軸12は、アッパーハウジング7内でクラッチに取り付けられたクラッチ軸に連結されている。クラッチ軸には、クラッチを挟んで、前側および後側のそれぞれに前進用歯車および後進用歯車が回転自在に嵌め込まれており、クラッチの作動により、これらの歯車のいずれかがクラッチ軸に連結されるようになっている。
前進用歯車および後進用歯車は、上下方向に延びる駆動軸13(図1に示す)の上端に固定されたベベルギア(図示せず)と噛み合っているとともに、駆動軸13の下端にもベベルギア14が固定されており、このベベルギア14を介して、ロアーハウジング8内を前後方向に延びるプロペラ軸15を回転させるようになっている。プロペラ4は、プロペラ軸15の外周面に複数枚取り付けられている。
ハウジングケース70の後端部には、図示は省略するが、油圧ポンプ、クラッチなどに供給する作動油や潤滑油を制御する油圧回路などを内蔵する油圧制御ユニットを、内部に収容するケーシングが取り付けられている。このケーシングの後端部には、前進用・後進用電磁弁などが装着されており、これらは、カバー71の内側に配置された防水カバーに72よってさらに覆われている。ハウジングケース70の防水カバー72との境界には、フランジ部73が形成されており、このフランジ部73にボルト74を介して防水カバー72が固定されている。
ロアーハウジング8の喫水線よりも下方であり、かつ、プロペラ4よりも上方に位置する底面80には、図4および図5に示すように、水の導入口20が形成されている。導入口20は、ロアーハウジング8内に形成された空洞部81と連通している。空洞部81は、ロアーハウジング8を上下方向に延びており、ロアーハウジング8の前記底面80の反対側の上面82に設けられた中空のジョイント21と連通している。ジョイント21には、動力伝達装置9を冷却する冷却装置を構成するホース22の一端が連結される。ホース22は、例えばゴムなどの可撓性を有する材料により形成された筒状のものであり、その適所において自在に折り曲げが可能になっている。
例えば、船体10がプロペラ4の回転駆動により前方に推進されると、プロペラ4上方のロアーハウジング8の底面80では、このプロペラ4の回転駆動によって生ずる、プロペラ4の遠心方向に向かう水の流れにより、圧力変化が発生する。この圧力変化により、ロアーハウジング8下方の導入口20周囲の海水が導入口20に吸引される結果、海水が導入口20から空洞部81に自動的に取り込まれるとともに、ジョイント21を経て、ホース22内を上方に向かって勢いよく流れるようになっている。
ホース22は、図3および図4に示すように、アッパーハウジング7内を上方に向かって延びており、他端側の適箇所において、ハウジングケース70に形成されたフランジ部73を貫通してフランジ部73に固定されている。さらに、フランジ部73を貫通するホース22の他端側の一部分が、ハウジングケース70とカバー71との間で、ハウジングケース70の側面と対向するように配備されている。このハウジングケース70の側面と対向するホース22の他端側の一部分は、所望の形状に折り曲げられた状態で配備されており、これにより、ハウジングケース70の側面のホース22と対向する領域の面積が増大するように構成されている。本実施形態では、ホース22は、上方から下方に向けて略円弧状に折り曲げられており、ホース22の他端がハウジングケース70のフランジ部73に固定具(図示せず)を介して固定されている。
ホース22のハウジングケース70の側面と対向する部分には、ハウジングケース70の側面と対向する側の面に、噴射孔23が複数形成されている。図示例では、各噴射孔23が所定の間隔をあけて一列に並べられており、各噴射穴23を介して、ホース22内を流れる水が外部に導出されるようになっている。本実施形態の冷却装置では、ホース22の各噴射孔23が、ハウジングケース70の側面の正面に相対しているので、噴射孔23から導出される水は、正面からハウジングケース70の側面にダイレクトに噴射される。これにより、ハウジングケース70の側面に冷却水を効率よく噴射することができる。また、ホース22を折り曲げて、ハウジングケース70の側面の至る箇所にホース22を対向させることにより、ハウジングケース70の側面の全体に満遍なく冷却水を噴射することができるので、ハウジングケース70の側面の冷却水との接触面積が増大する。このように、本実施形態の冷却装置では、ハウジングケース70の側面に冷却水を効率よく噴射できるとともに、ハウジングケース70の側面のほぼ全域を冷却水により冷却することができるので、効率よくハウジングケース70内の動力伝達装置9を冷却することができる。
なお、ハウジングケース70の側面に噴射された水は、下方に流れ落ち、アッパーハウジング7の下部において、ハウジングケース70とカバー71との間に設けられた隙間(図示せず)からアッパーハウジング7の外部に排出されるようになっている。
また、本実施形態では、ホース22は、図6に示すように、その途中位置に中空の接続部材30を備えており、接続部材30により2つのホース部材22a,22bが互いに接続された構成になっている。接続部材30には、ホース22を流れる水の一部を分岐させる継手部31が形成されており、継手部31に中空の分岐ホース32の一端が連結されている。分岐ホース32の他端は、カバー71に形成された検水口33にコネクタ34を介して連結されており、ホース22を流れる水の一部が、接続部材30の継手部31および分岐ホース32を経て、カバー71の検水口33から外部に導出されるようになっている。
ホース22内がゴミなどで詰まって、ホース22を流れる水の量が減少すると、ハウジングケース70の側面に十分な量の水を噴射することが阻害される結果、潤滑油の温度が上昇して、潤滑油の劣化、あるいは、動力伝達装置9の耐久性の劣化などの問題が生じる。この検水口33は、ホース22のゴミなどによる目詰まりを検知するためのものであり、船舶1の航走時に検水口33からホース22から分岐して外部に導出される水量を目視でチェックすることにより、ホース22の目詰まりを容易に検出することが可能になっている。検水口33は、船舶1の航走時、船舶1の後部において、乗船者が容易にチェック可能な位置に設けられることが好ましい。
なお、上記した説明においては、ハウジングケース70の左舷側の側面に配備した冷却用のホース22を例にとって説明しているが、ハウジングケース70の右舷側の側面にも、ハウジングケース70の左舷側の側面と同様に、同様の構成の冷却用のホース22を配備することができるのは言うまでもない。
以上、本発明に係る冷却装置の一実施形態について説明したが、本実施形態の冷却装置は上記説明のものに限定されない。例えば、上記説明では、ホース22のハウジングケース70の側面と対向する部分を、円弧状に折り曲げているが、必ずしもこれに限られるものではなく、図7に示すように、ホース22を、上方から下方に向けて、ハウジングケース70の側面の前後方向に沿って、交互に前下がりまたは後下がりに傾斜するジグザグ状に折り曲げてもよい。その他にも、ハウジングケース70の側面のホース22と対向する領域の面積が増加するのであれば、ホース22をどのように折り曲げてもよい。
また、ロアーハウジング8の底面80の水の導入口20に、海水の吸引に伴って、吸い上げた海水中に含まれるゴミなどを除去してホース22内に導入されることを防止するためのフィルターのような濾過部材を装着してもよい。これにより、ホース22にゴミなどが混入してホース22が目詰まりするのを前もって防止することができる。
また、水の導入源が上記したホース22とは異なる別のホースを、上記ホース22に追加して設けてもよい。具体的には、ロアーハウジング8の底面80の導入口20よりも前方の位置に、新たな水の導入口(以下、「前方導入口」という。)を別個に形成し、この前方導入口に、上記ホース22と同様、冷却用のホース(以下、「前方ホース」という。)の一端を連結して、前方ホースの他端の排水口がハウジングケース70の前方からハウジングケース70の側面まで延びるように配備する。これにより、ハウジングケース70の後方からハウジングケース70まで延びて、ハウジングケース70の側面を冷却する上記ホース22とは水の導入源が独立した前方ホースによっても、ハウジングケース70の側面に水を噴射することができるので、冷却効率をさらに向上できるとともに、例えば後方のホース22がゴミなどの目詰まりにより、ハウジングケース70の側面に噴射する水量が減少したとしても、前方ホースにより、ハウジングケース70の側面に噴射される水量がバックアップされるので、冷却効率の低下を防止することもできる。
次に、図8および図9は、他の実施形態に係る冷却装置の概略構成を示している。なお、本実施形態の冷却装置において、上記した実施形態の構成と対応する構成には、同一の符号を付することで説明を省略する。図8および図9の実施形態の冷却装置においても、ハウジングケース70の側面に海水(冷却水)を供給する冷却用のホース24は、その一端がロアーハウジング8の底面80の導入口20にジョイント21および空洞部81を介して水の流通が可能に連結されている。一方、ホース24の他端は、アッパーハウジング7内を上方に向かって延び、ハウジングケース70に形成されたフランジ部73に固定具(図示せず)を介して固定されている。
ハウジングケース70の側面には、傾斜壁25A〜25Dにより、上下方向に複数(図示例では4つ)の階層に区分けされており、ホース24の他端の水の排出口28は最上段の階層に水を排出するように配置されている。各傾斜壁25A〜25Dはハウジングケース70の側面より垂直に突き出ており、カバー71の側面まで達するようにその突出長さが設定されている。
傾斜壁25Aは、前方(図中の左側)より後方(図中の右側)が低くなるように所定の勾配が設けられており、最上段の階層に導入された水は、まず、傾斜壁25Aの前方に勢いよく噴射された後、傾斜壁25Aに形成された立壁26Aにより跳ね返って、傾斜壁25A上を後方から前方に向かって流れ落ちていく。
傾斜板25Aの後端部(図中の右端部)には、1つ下の下層に水を誘導するための誘導口27Aが設けられており、傾斜壁25A上の水は誘導口27Aを通って1つ下の傾斜壁25B上に誘導される。傾斜壁25Bは、後方(図中の右側)より前方(図中の左側)が低くなるように所定の勾配が設けられており、傾斜壁25B上に導かれた水は傾斜壁25B上を後方から前方に向かって流れ落ちていく。
傾斜板25Bの前端部(図中の左端部)には、1つ下の下層に水を誘導するための誘導口27Bが設けられており、傾斜壁25B上の水は誘導口27Bを通って1つ下の傾斜壁25C上に誘導される。傾斜壁25Cは、前方(図中の左側)より後方(図中の右側)が低くなるように所定の勾配が設けられており、傾斜壁25C上に導かれた水は傾斜壁25C上を前方から後方に向かって流れ落ちていく。
傾斜板25Cの後端部(図中の右端部)には、1つ下の下層に水を誘導するための誘導口27Cが設けられており、傾斜壁25C上の水は誘導口27Cを通って1つ下の傾斜壁25D上に誘導される。傾斜壁25Dは、後方(図中の右側)より前方(図中の左側)が低くなるように所定の勾配が設けられており、傾斜壁25D上に導かれた水は傾斜壁25D上を後方から前方に向かって流れ落ちていく。
傾斜板25Dの前端部(図中の左端部)には、1つ下の下層に水を誘導するための誘導口27Dが設けられており、傾斜壁25D上の水は誘導口27Dを通って、アッパーハウジング7の下部に誘導され、ハウジングケース70とカバー71との間に形成された隙間29Aからアッパーハウジング7の外部に排出される。
この実施形態の冷却装置では、ホース24から排出される水が、ハウジングケース70の側面と接触した状態で、ハウジングケース70の側面に沿って前後方向に移動しながら、上方から下方に向かって流れ落ちるように構成されている。これにより、ハウジングケース70の側面のほぼ全域に冷却水を接触させること(ハウジングケース70の側面の冷却水との接触面積を増大すること)ができるので、ハウジングケース70の側面の全体を満遍なく冷却水で冷却することができ、その結果、効率よくハウジングケース70内の動力伝達装置9を冷却することが可能となっている。
なお、上記した図8および図9の実施形態では、ハウジングケース70の側面に複数の傾斜壁25A〜25Dを形成することで、ハウジングケース70の側面のほぼ全域に冷却水を接触させ、この冷却水をアッパーハウジング7下部のハウジングケース70とカバー71との間に形成した隙間29Aからアッパーハウジング7の外部に排出しているが、例えば、カバー71をハウジングケース70に被せる際に、カバー71とハウジングケース70との間の空間が水が漏れない密閉状態となるように、ゴムなどのシール部材をハウジングケース70とカバー71との間隙に介在させてカバー71をハウジングケース70に装着するように構成してもよい。この実施形態では、ホース24から排出される冷却水は、カバー71とハウジングケース70との間の前記空間に貯留されるようになり、貯留される水の量が増えていくに従って、ハウジングケース70の側面のほぼ全域に冷却水を接触させること(ハウジングケース70の側面の冷却水との接触面積を増大すること)ができる。よってこの実施形態によっても、ハウジングケース70の側面の全体を満遍なく冷却水で冷却することができ、その結果、効率よくハウジングケース70内の動力伝達装置9を冷却することが可能となっている。なお、この実施形態においては、図10に示すように、カバー71の側面などに水の排水孔29Bを形成することで、冷却水を適宜、アッパーハウジング7の外部に排出することが可能である。この排水孔29Bはハウジングケース70の所望の位置に形成することができる。
また、このカバー71とハウジングケース70とをシール部材により密閉した実施形態においては、図10および図11に示すように、カバー71に検水パイプ40を取り付けるように構成してもよい。検水パイプ40は、例えばカバー71と同じ素材で形成され、接着などによりカバー71に形成された貫通孔75に取り付けられており、その内部がカバー71とハウジングケース70との間の前記空間と連通していて、前記空間に貯留された水をカバー71の外部に導出することが可能になっている。この検水パイプ40は、上記した図6の検水口33と同様、ホース24のゴミなどによる目詰まりを検知するためのものであり、検水パイプ40を介して船舶1の航走時に、検水パイプ40の先端から外部に導出される水量を目視でチェックすることにより、ホース22の目詰まりを容易に検出することが可能になっている。検水パイプ40は、船舶1の航走時、船舶1の後部において、乗船者が容易にチェック可能な位置に設けられるとともに、乗船者が容易にチェックできるよう、斜め上向きの角度で取り付けられることが好ましい。
1 船舶
2 エンジン
4 プロペラ
9 動力伝達装置
10 船体
20 導入口
22 ホース
22a,22b ホース部材
30 接続部材
32 分岐ホース
23 噴射孔
2 エンジン
4 プロペラ
9 動力伝達装置
10 船体
20 導入口
22 ホース
22a,22b ホース部材
30 接続部材
32 分岐ホース
23 噴射孔
Claims (6)
- エンジンの駆動力を推進用のプロペラに伝達する動力伝達装置を冷却するための冷却装置であって、
船体の推進力によって生ずる水流を利用することにより周囲の水を導入可能な導入口と、
一端が前記導入口に連結されるとともに、他端が前記動力伝達装置を収容するハウジングケースまで延びるホースとを備え、
前記ホースは、他端側の一部が前記ハウジングケースの側面と対向するように配置されているとともに、前記ハウジングケースの側面に向けて水を噴射可能な噴射孔が複数形成されている冷却装置。 - 前記ホースは、前記ハウジングケースの側面の前記ホースと対向する領域の面積が増加するよう、折り曲げられた状態で配置されていることを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
- 前記ホースの前記ハウジングケースの側面と対向する部分は、円弧状または渦巻状に折り曲げられていることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
- 前記ホースの前記ハウジングケースの側面と対向する部分は、ジグザグ状に折り曲げられていることを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
- 前記ホースは少なくとも2つのホース部材で構成され、各ホース部材が接続部材により接続されており、前記接続部材には、前記ホースを流れる水の一部を分岐させる分岐ホースが設けられており、前記分岐ホースの水の導出口が、前記ハウジングケースを覆うカバーに形成された検水口に連結されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の冷却装置。
- 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の冷却装置を備えた船舶。
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Cited By (1)
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CN110539873A (zh) * | 2019-09-25 | 2019-12-06 | 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 | 一种船舶自适应调节的自流进水装置 |
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- 2011-05-11 JP JP2011105922A patent/JP2012236475A/ja not_active Withdrawn
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110539873A (zh) * | 2019-09-25 | 2019-12-06 | 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 | 一种船舶自适应调节的自流进水装置 |
CN110539873B (zh) * | 2019-09-25 | 2024-05-24 | 中国船舶重工集团公司第七一九研究所 | 一种船舶自适应调节的自流进水装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140805 |