JP2012235819A - 簡易ベッド - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の段ボール製の簡易ベッドに内在する耐水性の問題を解決するとともに、保管に要するスペースが少なくて済み、かつ、使用に供する際の組み立ても容易な簡易ベッドを提供する。
【解決手段】中空構造をなすための立体加工が施されたコア材(キャップシート)102の表裏両面に平板状の外装材(バックシート、ライナーシート)101,104を積層してなる合成樹脂製の中空板材(気泡ボード)100からなり、中空板材100から切り出されて矩形状に切り揃えられた複数の横枠構成片21と縦枠構成片25とを、それぞれに形成されたスリット22,26を咬み合わせて格子状に配置することによって組み立てられた基台2の上に、中空板材100を切り出してなる天板3を載置して、簡易ベッド1を組み立てる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、保管に要するスペースが少なくて済み、かつ、使用に供する際の組み立ても容易な簡易ベッドに関する。
大規模な自然災害が発生し、多くの被災者が避難所での生活を余儀なくされてしまった場合、被災者の苦痛が少しでも軽減されるようにすることが望まれる。このため、例えば、特許文献1では、避難所での生活を考慮して、災害発生時に速やかに対応することができる段ボール製の簡易ベッドが提案されている。
特開2010−69276号公報
しかしながら、特許文献1に開示された段ボール製の簡易ベッドは、段ボール紙からなるものであるが故に水や湿気などに弱く、水に濡れると強度が低下して使用に耐えられなくなってしまうことが考えられる。
本発明は、このような段ボール製の簡易ベッドに内在する耐水性の問題を解決するとともに、保管に要するスペースが少なくて済み、かつ、使用に供する際の組み立ても容易な簡易ベッドの提供を目的とする。
本発明に係る簡易ベッドは、中空構造をなすための立体加工が施されたコア材の表裏両面に平板状の外装材を積層してなる合成樹脂製の中空板材からなり、前記中空板材から切り出されて矩形状に切り揃えられた複数の横枠構成片と縦枠構成片とを、それぞれに形成されたスリットを咬み合わせて格子状に配置することによって組み立てられた基台の上に、前記中空板材を切り出してなる天板を載置することによって組み立てられる構成としてある。
本発明の簡易ベッドは、合成樹脂製の中空板材からなり、水に濡れても強度が低下するおそれがなく、汚れても水で洗うことができるので、繰り返し使用することも可能である。しかも、保管に際しては、基台を形成する構成片ごとにまとめて、天板とともに保管することで省スペース化を図ることができ、大規模災害に備えて限られたスペースに多数備蓄しておくことも可能な上に、使用に供する際の組み立ても容易である。
本発明の第一実施形態に係る簡易ベッドの概略を示す斜視図である。 本発明の第一実施形態に係る簡易ベッドが備える基台の一例を示す説明図である。 気泡ボードの一例を示す説明図である。 図1のA−A断面図である。 本発明の第二実施形態に係る簡易ベッドの概略を示す斜視図である。 本発明の第二実施形態に係る簡易ベッドが備える基台の一例を示す説明図である。 本発明の第二実施形態に係る簡易ベッドが備える基台の保持部に天板下板を保持した状態を示す説明図である。 図5のB−B断面図である。 本発明の第三実施形態に係る簡易ベッドの概略を示す斜視図である。 本発明の第三実施形態に係る簡易ベッドが備える天板に形成するヒンジ部の一例を示す説明図である。 本発明の第三実施形態に係る簡易ベッドが備える天板に延設した延設部のコーナー部を固定する一例を示す説明図である。 本発明の第三実施形態に係る簡易ベッドが備える天板に延設した延設部のコーナー部を固定する他の例を示す説明図である。 本発明の第三実施形態に係る簡易ベッドについたてを立設する例を示す説明図である。 本発明の第三実施形態に係る簡易ベッドが備える天板の足下側に延設した延設部を水平に延ばした例を示す説明図である。
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
[第一実施形態]
まず、本発明に係る簡易ベッドの第一実施形態について説明する。
なお、図1は、本実施形態に係る簡易ベッドの概略を示す斜視図である。
本実施形態において、簡易ベッド1は、中空構造をなすための立体加工が施されたコア材の表裏両面に平板状の外装材を積層してなる合成樹脂製の中空板材からなっている。このような中空板材としては、一般に、気泡ボート、プラスチック段ボールなどと称されるものが知られているが、独立した多数の気泡内に空気が封入され、より断熱性に優れていることから、図3に示すような気泡ボード100を用いるのが好ましい。
図3に示す気泡ボード100は、中空状に膨出する多数の突起103が成形されたコア材としてのキャップシート102と、突起103内に空気を封入して気泡を形成する一方の外装材としてのバックシート101と、突起103の頂面側に積層された他方の外装材としてのライナーシート104とを備えている(図3(a)参照)。
このような気泡ボード100は、例えば、図示しない多数の吸引孔が設けられた成形ロールの外周面に、シート状に連続して繰り出される溶融樹脂を接触させて中空状に膨出する多数の突起103を真空成形することによってキャップシート102を形成しつつ、このキャップシート102を、突起103の開口側に供給されたバックシート101と、突起103の頂面側に供給されたライナーシート104とで挟み込み、これらを熱融着により積層一体化し、しかる後に所定の形状に切り出すことによって製造することができる。
なお、上記のようにして気泡ボード100を製造するにあたり、バックシート101、キャップシート102、ライナーシート104のそれぞれの厚みは、気泡ボード100に要求される強度、剛性などを考慮して適宜調整することができるが、通常は、100μm〜1.5mm程度とされる。
所定の形状に切り出された気泡ボード100の端縁には、必要に応じて、図3(b)に示すように、帯状の封止材105を熱融着などによって取り付けるようにしてもよい。このようにすることで、気泡ボード100の内部に異物が侵入してしまうのを防止するとともに、それぞれの気泡103の間にも空気が封入されるようにして、さらなる断熱性の向上を図ることもできる。
また、気泡ボード(中空板材)100の材料樹脂としては、例えば、ポリプロピレン,ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等のポリスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂などを挙げることができるが、これらに限定されない。
このような気泡ボード100からなる本実施形態の簡易ベッド1は、基台2の上に、一般的な体格の成人が横になれる程度の大きさで気泡ボード100を切り出してなる天板3を載置することによって組み立てられる。天板3が載置される基台2は、図2に示すように、気泡ボード100から切り出されて矩形状に切り揃えてられた複数の横枠構成片21と縦枠構成片25とを、それぞれに形成されたスリット22,26を咬み合わせて格子状に配置することによって組み立てられるようになっている。
このようにして基台2を組み立てることで、用いる構成片21,25の数を必要最小限にして軽量化を図りつつも、基台2の耐荷重強度を十分なものとすることができる。したがって、図示する例では、九つの横枠構成片21と、四つの縦枠構成片25とによって基台2を構成しているが、用いる構成片21,25の数は、十分な耐荷重強度が確保できれば、これに限定されない。
また、本実施形態では、横枠構成片21と縦枠構成片25とを格子状に配置してなる基台2の升目の一つに嵌合する大きさで気泡ボード100を切り出して、これを天板3の裏面側の所定の位置(図1に示す例にあっては、天板3の四隅の近傍)に貼り付けて位置決め凸部30を形成してある。これにより、基台2の上に載置された天板3の位置決めがなされるようにするとともに、天板3が基台2からずれ落ちてしまうのを防止している。
なお、図4は、図1のA−A断面図であり、基台2の升目に位置決め凸部30が嵌合した状態を示している。
以上のような本実施形態に係る簡易ベッド1は、合成樹脂製の気泡ボード(中空板材)100からなり、水に濡れても強度が低下するおそれがなく、汚れても水で洗うことができるので、繰り返し使用することも可能である。しかも、保管に際しては、基台2を形成する構成片21,25ごとにまとめて、天板3とともに保管することで省スペース化を図ることができ、大規模災害に備えて限られたスペースに多数備蓄しておくことも可能な上に、使用に供する際の組み立ても容易である。
また、保管する際のスペース効率や、持ち運び易さなどを考慮すると、天板3と、基台2を形成する構成片21,25は、必要に応じて、長手方向に折り曲げられるようにしておくこともできる。
前述したように、天板3は、一般的な体格の成人が横になれる程度の大きさで気泡ボード100を切り出してなるが、そのままの大きさでは持ち運びに支障を来してしまうことも考えられる。このため、例えば、天板3の長手方向ほぼ中央に、長手方向に直交させて加熱鏝を当てるなどして断面V字状に溶融したり(後述する図10(a)参照)、ハーフカット処理を施したりしてヒンジ部を形成することで、天板3を長手方向に二つ折り可能となるようにしておけば、持ち運びも容易になる。
縦枠構成片25も同様にして長手方向に二つ折り可能とすることができる。この場合には、横枠構成片21の長手方向の長さを、縦枠構成片25を二つ折りにした長さ(縦枠構成片25を二つ折りにした状態での長手方向の長さ)と同等か、それよりも短くなるようにするのが好ましい。このようにすることで、横枠構成片21と二つ折りにした縦枠構成片25とをひとまとめにし易くなる。
さらに、簡易ベッド1を形成する気泡ボード100は、緩衝性や断熱性にも優れているため、敷き布団などの寝具類が用意できない場合であっても、避難所での生活を余儀なくされた被災者の負担が軽減されることが期待できる。
[第二実施形態]
次に、本発明に係る簡易ベッドの第二実施形態について説明する。
なお、図5は、本実施形態に係る簡易ベッドの概略を示す斜視図である。
本実施形態に係る簡易ベッド1も第一実施形態と同様に、気泡ボード100などのような合成樹脂製の中空板材からなっている。本実施形態が第一実施形態と異なるのは、天板3を位置決めするための構造であり、この点を中心に以下に説明する。
なお、図5では、天板上板31の一部を切り欠いて示している。また、図8は、図5のB−B断面図である。
本実施形態に係る簡易ベッド1が備える基台2を図6に示すが、基台2を形成する横枠構成片21と縦枠構成片25のそれぞれの上端縁には、その両端側を残して当該上端縁を切り欠いてなる保持部23,27が形成されている。そして、図7に示すように、横枠構成片21と縦枠構成片25のそれぞれの上端縁に形成された保持部23,27に、天板下板32が水平方向に移動しないように保持され、その状態で、天板上板31を重ねるようにして天板下板32と一体化させて天板3をなし、これによって天板3の位置決めがなされるようになっている(図8参照)。
このようにすることで、基台2に設けられた保持部23,27に保持された天板下板32が基台2の上に固定され、これによって、天板3の位置決めがなされるようにするとともに、天板3が基台2からずれ落ちてしまうのを防止できるようになっている。
天板上板31と天板下板32とは、接着剤や両面テープなどを用いて予め一体化しておくこともできるが、面ファスナーによって着脱自在に一体化するのが好ましい。例えば、天板上板31と天板下板32との所定の部位に雌雄一対の面ファスナーを設けておき、基台2を組み立てて、保持部23,27に天板下板32を保持させた後に、天板下板32に設けられた一方の面ファスナーと、天板上板31に設けられた他方の面ファスナーとの位置合わせをしつつ、天板下板32に天板上板31を重ねて両者を一体化して天板3をなすようにすることができる。
なお、本実施形態にあっては、基材2を形成する横枠構成片21には、縦枠構成片25に設けられたスリット26を、横枠構成片21に設けられたスリット22に咬み合わせ易くするためのガイド部24が切り欠かれて設けられているが、このようなガイド部24は、必要に応じて省略することもできる。また、前述した第一実施形態や、後述する第三実施形態にあっても同様のガイド部を設けることができる。
本実施形態に係る簡易ベッド1が、前述した第一実施形態のものと異なるのは、主に以上の点においてであるため、他の共通する構成については説明を省略する。
[第三実施形態]
次に、本発明に係る簡易ベッドの第三実施形態について説明する。
なお、図9は、本実施形態に係る簡易ベッドの概略を示す斜視図である。
本実施形態に係る簡易ベッド1も第一実施形態と同様に、気泡ボード100などのような合成樹脂製の中空板材からなっている。本実施形態が第一実施形態と異なるのは、天板3の周辺に延設部33を設けて、これらを基台2の側面に沿って垂下させることによって、天板3が基台2からずれ落ちてしまうのを防止している点にある。
延設部33を基台2の側面に沿って垂下させるにあたり、図9のC−C断面を図10(a)に示すように、気泡ボード100には、加熱鏝を当てるなどして断面V字状に溶融してなるヒンジ部105を形成しておく。そして、天板3を基台2の上に載置する際に、図10(b)に示すように、このヒンジ部105によって気泡ボード100が折り曲げられるようにしてある。
このとき、ヒンジ部105は、気泡ボード100の一部が線状に押し潰された状態となっており、天板3のヒンジ部105で囲まれた範囲には、空気が封入されるようになっている。このため、気泡ボード100の端縁に封止材105を取り付けなくとも、当該範囲における気泡103の間に空気が封入され、これによって天板3の断熱性が向上する。
基台2の側面に沿って延設部33を垂下させるにあたり、そのコーナー部にあっては、例えば、図11に示すように、留め具34により延設部33を固定することができる。このとき、留め具34は、接着剤、両面テープ、面ファスナーなどを介して延設部33に取り付けられるようにすることができる。
また、図12に示すように、天板3のコーナーに切り欠き部35を設けて、隣接する延設部33の端部が重なり合うようにして、両者の端部を接着剤、両面テープ、面ファスナーなどによって固定するようにしてもよい。
前述したように、天板3は、一般的な体格の成人が横になれる程度の大きさで気泡ボード100を切り出すことによって形成されるが、図14に示すように、足下側の延設部33を水平に延ばして台5で支持することによって、想定した身長よりも高い身長の人にも対応することができる。
また、図13に示すように、天板3の上に人が横になったときに、頭部側の三方を目隠しするついたて4を立設することもできる。ついたて4は、基台2の側面に沿って垂下させた延設部33に、接着剤、両面テープ、面ファスナーなどによって取り付けることができるが、面ファスナーによって着脱自在に取り付けるようにするのが好ましい。
本実施形態に係る簡易ベッド1が、前述した第一実施形態のものと異なるのは、主に以上の点においてであるため、他の共通する構成については説明を省略する。
以上、本発明について、好ましい実施形態を示して説明したが、本発明は、前述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることは言うまでもない。
例えば、基台2を形成する構成片21,25や、天板3の具体的な形状は、必要に応じて適宜変更することができ、特に図示しないが、これらの角に面取り加工を施すなどしてもよい。
また、基台2に天板3を固定するには、両者の任意の位置に穿孔して結束バンドなどで結ぶようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、好ましい態様として、天板3などを長手方向に二つ折り可能とした例を挙げて説明したが、三つ折り可能とするなど、折り曲げる回数を二つ折りよりも多くしてもよい。ただし、折り曲げる回数が増えると耐久性の低下などが懸念されるため、長手方向に二つ折り可能とするのが最も好ましい態様といえる。
また、第一実施形態から第三実施形態のそれぞれの構成を適宜組み合わせることもできる。例えば、第三実施形態で示したようなついたて4を、第一実施形態や第二実施形態に適用することもできる。さらに、第三実施形態において天板3の周辺に延設部33を延設した態様を、第一実施形態や第二実施形態に適用することもできる。
本発明は、保管に要するスペースが少なくて済み、かつ、使用に供する際の組み立ても容易な簡易ベッドを提供する。
1 簡易ベッド
2 基台
21 横枠構成片
22 スリット
23 保持部
25 縦枠構成片
26 スリット
27 保持部
3 天板
30 位置決め凸部
31 天板上板
32 天板下板
33 延設部
4 ついたて

Claims (7)

  1. 中空構造をなすための立体加工が施されたコア材の表裏両面に平板状の外装材を積層してなる合成樹脂製の中空板材からなり、
    前記中空板材から切り出されて矩形状に切り揃えられた複数の横枠構成片と縦枠構成片とを、それぞれに形成されたスリットを咬み合わせて格子状に配置することによって組み立てられた基台の上に、
    前記中空板材を切り出してなる天板を載置することによって組み立てられることを特徴とする簡易ベッド。
  2. 前記横枠構成片と前記縦枠構成片とを格子状に配置してなる前記基台の升目の一つに嵌合する大きさで前記中空板材を切り出して、前記天板の裏面側の所定の位置に貼り付けて位置決め凸部を形成した請求項1に記載の簡易ベッド。
  3. 前記横枠構成片と前記縦枠構成片のそれぞれの上端縁に、その両端側を残して当該上端縁を切り欠いてなる保持部を形成し、前記保持部に天板下板が保持され、その状態で、天板上板を重ねるようにして前記天板下板と一体化させて前記天板をなした請求項1に記載の簡易ベッド。
  4. 前記天板の周辺に延設部を設け、前記延設部を前記基台の側面に沿って垂下させた請求項1〜3のいずれか一項に記載の簡易ベッド。
  5. 前記天板の上に人が横になったときに、頭部側の三方を目隠しするついたてを立設した請求項1〜4のいずれか一項に記載の簡易ベッド。
  6. 前記天板を長手方向に二つ折り可能とした請求項1〜5のいずれか一項に記載の簡易ベッド。
  7. 前記縦枠構成片を長手方向に二つ折り可能とするとともに、前記横枠構成片の長手方向の長さを、前記縦枠構成片を二つ折りにした長さと同等か、それよりも短くなるようにした請求項1〜6のいずれか一項に記載の簡易ベッド。
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