JP2012235021A - 光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】 キャリア移動度の高いCu−In−Te薄膜を光吸収層に用いた光電変換素子および太陽電池を提供することを目的とする。
【解決手段】 実施形態の光電変換素子は、組成式CuInTe1−x−yにて表され、x、yは0.33≦(x/y)≦0.6と0<x+y<1を満たすカルコパイライト構造の化合物を含む光吸収層を有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明の実施形態は、光電変換素子および太陽電池に関する。
例えば、太陽電池において、半導体薄膜を光吸収層として用いる化合物薄膜光電変換素子の開発が進んできており、Ib族、IIIb族とVIb族から構成されカルコパイライト構造をもつ化合物半導体の中で、Cu、In、Ga及びSeから成るCu(In,Ga)Se、いわゆるCIGSは薄膜太陽電池等の光電変換素子の光吸収層として広く用いられている。その製造方法には物理蒸着法、特に真空蒸着法或いはスパッタ法を用いることが一般的である。真空蒸着法は、3段階法と呼ばれる高温での成膜プロセスで、始めにIIIb族元素であるIn及びGaとVIb族元素であるSeを真空蒸着し、その後、Ib族元素であるCuと、Seを蒸着し、最後に再びIn及びGaと、Seを蒸着する手法で、膜厚相当の結晶粒径を有する薄膜が形成されている。成膜したCIGSのCu/IIIb族のモル比は0.85から0.95程度に調整され、若干Cu欠損の組成比とすることで、高い変換効率を得ている。CIGSのCu/IIIb族のモル比が0.85以下となると、n型となりpn接合を形成できなくなる。特許文献1では、CIGS薄膜を成膜する過程でNa添加することにより、0.85以下でもp型を維持するCIGS薄膜太陽電池の製造方法が開示されている。
VIb族元素にSeを用いたカルコパイライト構造をもつ化合物半導体は、Cu/IIIb族のモル比が0.85より小さくなるとn型となりpn接合を形成できなくなるのに対して、VIb族にTeを用いたものでは、Cu/IIIbのモル比が小さい組成範囲においても、p型を維持することができる。しかしながら、Cu/IIIb族のモル比が小さくなると、結晶粒径が小さくなると共に、キャリア濃度は急激に低下してしまい、光電変換素子としての性能が劣化する。
また、太陽光の波長に対応するバンドギャップ1.4eVに近づけるために、CIGSでは、Ga/(In+Ga)比を調整している。しかしながら、IIIb族元素を固定したとき、バルクにおいては、Cu/IIIb族のモル比を変えることで、僅かにバンドギャップを調整できる程度で、バンドギャップ1.4eVに近づけることが困難であることも問題である。
特開平10−74967号公報
実施形態は、キャリア移動度の高いCu−In−Te薄膜を光吸収層に用いた光電変換素子および太陽電池を提供することを目的とする。
実施形態の光電変換素子は、組成式CuInTe1−x−yにて表され、x、yは0.33≦(x/y)≦0.6と0<x+y<1を満たすカルコパイライト構造の化合物を含む光吸収層を有することを特徴とする。
また、他の実施形態の太陽電池は、前記実施形態の光電変換素子を用いてなることを特徴とする。
実施形態の光電変換素子の概念図である。 実施形態の光電変換素子の変換効率とCu/In比の関係を示す概念図である。 実施形態のバンドギャップとチャンバー内部の圧力との関係を示す概念図である。 実施形態の薄膜太陽電池の変換効率と成膜中の基板温度との関係を示す概念図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1の概念図に示す光電変換素子10は、基板11と、前記基板上に設けられた裏面電極12と、前記裏面電極12上に設けられた第1の取り出し電極13と、前記裏面電極12上に設けられた光吸収層14と、前記光吸収層14上に設けられたバッファー層15(15a、15b)と、前記バッファー層15上に設けられた透明電極層16と、前記透明電極層16上に設けられた第2の取り出し電極17と、前記透明電極層16上に設けられた反射防止膜18とを少なくとも備えている。
実施形態の光吸収層14は、CuとInとTeからなりカルコパイライト構造を有する、いわゆるCIT化合物半導体であり、CuInTe1−x−yにて表される。CIT化合物半導体にはTeが含まれることから、x、yは0<x+y<1を満たす。CIGS化合物半導体では、Cu/(In+Ga)モル比が0.85以下であると、n型になりやすいが、CIT化合物半導体では、Cu/Inモル比が0.85以下であっても、p型を維持することができ、バッファー層15aのn型半導体とpn接合を形成することが可能となる。
CIT化合物半導体で、Cu/Inモル比が0.33より小さい値となると、結晶粒径を大きくすることが困難であり、キャリア移動度が極端に小さくなる。また、Cu/In比が0.6より大きい値では、結晶粒径は大きく、キャリア移動度も大きくなるが、Cu−Teからなる低抵抗相が存在するために、光電変換素子の直列抵抗成分が大きくなり、整流性を得ることができない。したがって、CIT化合物半導体で、Cu/Inモル比は、0.33以上、0.6以下であることが好ましい。整流性の観点から_Cu/Inモル比は0.5以下であることがより好ましい。よって、0.33以上、0.5以下であることがさらに好ましい。
光吸収層14であるCIT化合物半導体のCu/Inモル比は断面SEM/EDX測定の点分析(SEM:走査型電子顕微鏡(scanning electron microscope)、EDX:エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X−ray Spectroscopy))により行うことができる。
Cu/Inモル比の組成分析は、光電変換素子10の中心部分をへき開し、断面SEM/EDX測定で行う。測定は、光電変換素子10の中心で行う。Cu/Inモル比は、断面膜厚方向の同一深度の5点平均値である。5点の定め方は、2万倍の断面SEM像を観察し、その断面SEM像を膜厚方向と直交する方向に5等分割し、分割された領域の中心点とする。n型化合物半導体層との界面及び裏面電極との界面は、断面SEM/EDX測定でn型化合物半導体層及び裏面電極の構成成分が含まれないp型化合物半導体の測定位置として定義する。
カルコパイライト構造をもつ化合物半導体では、Cu/IIIb族(Al,In,Ga)組成比が小さくなると、バンドギャップが大きくなることが知られている。CIT化合物半導体でも、カルコパイライト構造をもつCuInTeでは、バンドギャップが0.96eVであるのに対して、カルコパイライト構造中のInサイトのCu置換と、Cu空孔で形成された空孔配列型カルコパイライト(OVC)構造をもつCuInTeでは、バンドギャップが1.03eVと大きくなる。
なお、実施形態において、カルコパイライト構造と空孔配列型カルコパイライト構造は、それぞれを別に説明している場合を除き、両者をカルコパイライト構造として記載する。
また、カルコパイライト構造をもつ化合物半導体に酸素が格子間位置に侵入型で取り込まれることにより、格子定数は大きくなり、それに伴って、バンドギャップは大きくなる。格子定数が小さくなれば、酸素は格子位置に置換型で存在していると考えられる。例えば、CuInTeをターゲットとして、500℃で高温スパッタ成膜した薄膜の格子定数は、a軸が0.7%程度、c軸が2.2%程度、バルク値に対して、大きくなっており、バンドギャップは、バルク値の1.03eVに対して、実施形態のものは1.15eVであり、10%以上大きくなった。
バンドギャップの大きさは、光電子分光と逆光電子分光の測定から見積もることができる。光電変換素子10の中心部分とその周辺5カ所にて、イオンミリングにより、光吸収層14上部の積層膜を削り取り、光吸収層14の膜厚方向の中心位置において、光電子分光により、VBMを、逆光電子分光法により、CBMを見積もり、その差からバンドギャップを算出することができる。
基板11としては、青板ガラスを用いることが望ましく、ステンレス、Ti又はCr等の金属板あるいはポリイミド等の樹脂を用いることもできる。
裏面電極12としては、MoやW等の導電性の金属膜を用いることができる。その中でも、Mo膜を用いることが望ましい。
取り出し電極13,17としては、例えば、Al、Ag或いはAu等の導電性の金属膜を用いることができる。さらに、透明電極15との密着性を向上させるために、Ni或いはCrを堆積させた後、Al、Ag或いはAuを堆積させてもよい。
バッファー層15としては、CdS、Zn(O,S,OH)或いはMgを添加したZnOを用いることができる。光吸収層14であるカルコパイライト型化合物半導体はp型半導体として、CdSあるいはZnO:Mgに代表されるバッファー層15aはn型半導体として、ZnOに代表されるバッファー層15bはn型層として機能すると考えられる。pn接合界面で伝導帯不連続量(CBO)ΔEcを誘起するようにバッファー層15aの材料を選定することによりキャリアの再結合を低減できる。また、開放端電位が向上するようにバッファー層15と光吸収層14の伝導体下端(CBM)やフェルミ準位が調整されるようなキャリアを添加したバッファー層15用いるとより好ましい。
透明電極層16は太陽光を透過し、尚且つ導電性を有することが必要であり、例えば、アルミナ(Al)を2wt%含有したZnO:Al或いはジボランからのBをドーパントとしたZnO:Bを用いることができる。
反射防止膜18としては、例えば、MgFを用いることが望ましい。
図1の光電変換素子10の製造方法としては、以下の方法を例として挙げる。
なお、下記の製造方法の一例であり、適宜変更しても構わない。従って、工程の順序を変更してもよいし、複数の工程を併合してもよい。光電変換素子10の製造の全工程又は一部工程は、その製造装置においてシステム化されていてもよい。
[基板に裏面電極を成膜する工程]
基板11上に、裏面電極12を成膜する。成膜方法としては、例えば、導電性金属よりなるスパッタ法の薄膜形成方法が挙げられる。
[裏面電極上に光吸収層を成膜する工程]
裏面電極12を堆積後、光吸収層14となる化合物半導体薄膜を堆積する。実施形態の光吸収層14の成膜工程では、図4の概念図に示すTe源がCuとInの両方を含むターゲットと独立し、Teが蒸着可能な形態となっている成膜装置を用いることが好ましい。なお、裏面電極12には光吸収層14と第1の取り出し電極13を堆積するため、第1の取り出し電極13を堆積する部位を少なくとも除く裏面電極12上の一部に光吸収層14を堆積する。成膜方法として、Ib族元素であるCuと、Inは、両元素を含むターゲットを用いて、スパッタ法で、基板にCuとInを供給する。VIb族元素であるTeは真空蒸着法にて基板に原料供給して、スパッタと真空蒸着を同時に行って、光吸収層14を成膜する。
単元ターゲットをスパッタに用いる場合は、Cu、In、Te比は、目的の組成比となるように、ターゲット仕込み組成を調整しておくことが望ましい。多元ターゲットを用いるスパッタでもよい。CuとIn及びTeを単元或いは多元のスパッタ成膜を用いる。成膜温度(基板温度)は、400℃より低温においては、結晶成長が十分ではなく、光吸収層14の粒子の粒径が小さくなり、キャリア移動度が低下する。600℃より高温においては、基板の変形或いは裏面電極の構成元素の光吸収層内への拡散が起こる可能性があるため、整流性の観点から好ましくない。キャリア移動度と整流性が悪いと変換効率が低下するため、400℃以上600℃以下の高温が好ましい。さらには、同様の理由により500℃以上550以下であることがより好ましい。
スパッタ成膜中にCu−In−Te薄膜に取り込まれる酸素により、バンドギャップをバルク値より大きくすることができる。酸素分圧が2.0×10−4Pa以上、2.0×10−2Pa以下のArガス雰囲気で成膜されることが望ましい。一般的な成膜条件では、異相の原因となる酸化物の生成を抑えるために、一度真空にした後に、Ar等のガスをチャンパー内に導入するが、実施形態では、酸素を一部残存させるか、酸素を微量チャンバー内に導入する。一般的な条件では、Ar導入前の酸素分圧は極めて少なく、例えば、1.0×10−5Paである。このような、低分圧では、格子間に酸素が取り込まれないか、ほとんど取り込まれないため、バンドギャップを大きくすることができない。チャンバー内部を2.0×10−2Paより高くすると、カルコパイライト構造以外の酸化物が生成され、光吸収層14中にこの酸化物の異相が生じる好ましくない。
[光吸収層上にバッファー層を成膜する工程]
得られた光吸収層14の上にバッファー層15a,bを堆積する。
バッファー層15aの成膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)、液相プロセスの化学析出(CBD)法などが挙げられる。
バッファー層15bの成膜方法としては、真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)などが挙げられる。
[バッファー層上に透明電極を成膜する工程]
続いて、バッファー層15b上に、透明電極16を堆積する。
成膜方法としては真空プロセスのスパッタ法、真空蒸着法或いは有機金属気相成長(MOCVD)などが挙げられる。
[裏面電極上と透明電極上に取り出し電極を成膜する工程]
第1の取り出し電極13を裏面電極12上の光吸収層14が成膜された部位を少なくとも除く部位に堆積する。
第2の取り出し電極17を透明電極16上の反射防止膜18が成膜される部位を少なくとも除く部位に堆積する。
成膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
第1と第2の取り出し電極の成膜は、1工程で行ってもよいし、それぞれ、別の工程として、任意の工程の後に行ってもよい。
[透明電極上に反射防止膜を成膜する工程]
最後に透明電極16上の第2の取り出し電極17が成膜された部位を少なくとも除く部位に反射防止膜18を堆積する。
成膜方法としてはスパッタ法、真空蒸着法などが挙げられる。
上記の工程を経て、図1の概念図に示した光電変換素子10を作製する。
光電変換素子10のモジュールを作製する場合、基板11に裏面電極12を成膜する工程の後、レーザーにより裏面電極12を分断する工程、さらには光吸収層14上にバッファー層15を成膜する工程及びバッファー層15上に透明電極16を成膜する工程の後、それぞれメカニカルスクライブにより試料を分割する工程を挟むことにより集積化が可能となる。
(実施例1)
基板11として青板ガラス基板を用い、スパッタ法により裏面電極12となるMo薄膜を700nm程度堆積した。スパッタは、Moをターゲットとし、Arガス雰囲気中でRF200W印加することにより行った。
裏面電極12となるMo薄膜堆積後、光吸収層14となるCu−In−Te薄膜を2μm程度堆積した。成膜中の基板温度は550℃とした。スパッタターゲットには、Cu/In=0.35(CuInTe1−x−y、x=0.12)となるCu−In−Te焼結体を用い、Arガス雰囲気中、RFで200W印加することにより、原料供給した。Arガス導入前のチャンバー内部を1.0×10−2Paとした時、チャンバー内の酸素分圧は、2.0×10−3Paであった。得られた光吸収層の組成を断面SEM/EDXで測定したところ、Cu/In=0.34、x=0.11で酸素置換量は3原子%であった。
得られた光吸収層14の上にバッファー層15aとしてMgを添加したZnO薄膜を50nm程度堆積した。成膜はRF(高周波)スパッタを用いたが、界面でのプラズマダメージを考慮して、50Wの出力で行った。このバッファー層15a上にバッファー層15bとして、ZnO薄膜を堆積し、続いて、透明電極16となるアルミナ(Al)を2wt%含有するZnO:Alを1μm程度堆積した。取り出し電極13、17として、NiCr及びAuを蒸着法にて堆積した。膜厚はそれぞれ100nm及び300nmとした。最後に反射防止膜18としてMgFをスパッタ法により堆積することにより、図1に示した光電変換素子10を作製した。
(実施例2)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、スパッタターゲットにCu/In=0.34となるCu−In−Te焼結体を用いること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。得られた光吸収層の組成を断面SEM/EDXで測定したところ、Cu/In=0.33、x=0.10で酸素置換量は3原子%であった。
(実施例3)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、スパッタターゲットにCu/In=0.62となるCu−In−Te焼結体を用いること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。得られた光吸収層の組成を断面SEM/EDXで測定したところ、Cu/In=0.60、x=0.2で酸素置換量は3原子%であった。
(比較例1)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、スパッタターゲットにCu/In=0.26となるCu−In−Te焼結体を用いること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。得られた光吸収層の組成を断面SEM/EDXで測定したところ、Cu/In=0.25、x=0.08で酸素置換量は3原子%であった。
(比較例2)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、スパッタターゲットにCu/In=0.82となるCu−In−Te焼結体を用いること以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。得られた光吸収層の組成を断面SEM/EDXで測定したところ、Cu/In=0.8、x=0.25で酸素置換量は3原子%であった。
図2に実施例1、2、3及び比較例1、2から得られる変換効率とCu/Inモル比の関係を示す。
Cu/Inモル比が0.33を境にしてそれ以下では、急激に変換効率が低下している。また、Cu/Inモル比が約0.6にて、Cu/Inモル比が0.33の場合と同程度の変換効率にまで低下している。
(実施例4)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Arガス導入前のチャンバー内部を1.0×10−1Paとした以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。チャンバー内部を1.0×10−1Paとすることで、薄膜中に取り込まれる酸素量が10原子%に増大し、バンドギャップが1.4eV程度となる。
(実施例5)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Arガス導入前のチャンバー内部を1.0×10−3Paとした以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。チャンバー内部を1.0×10−3Paとすることで、薄膜中に取り込まれる酸素量は0.1原子%に減少するが、バンドギャップは1.05eV程度となる。
(比較例3)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Arガス導入前のチャンバー内部を1.0×10−4Paとした以外は実施例4と同じ方法で光電変換素子10を製造した。チャンバー内部を1.0×10−4Paとすることで、バンドギャップが1.0eV程度となる。
(比較例4)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、Arガス導入前のチャンバー内部を1.0Paとした以外は実施例4と同じ方法で光電変換素子10を製造した。チャンバー内部を1.0Paとすることで、カルコパイライト構造以外の酸化物の異相が析出してくる。
図3に実施例1、4、5及び比較例3、4から得られるバンドギャップとチャンバー内部の圧力との関係を示す。
チャンバー内の酸素分圧が2.0×10−4より低い場合は、バンドギャップの増加がほとんど見られない。一方、酸素分圧が高くなると、バンドギャップが増加することを確認することができる。
(実施例6)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、成膜中の基板温度を400℃とした以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。
(実施例7)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、成膜中の基板温度を600℃とした以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。
(比較例5)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、成膜中の基板温度を300℃とした以外は実施例1と同じ方法で光電変換素子10を製造した。
(比較例6)
光吸収層14となるCu−In−Te薄膜の成膜で、成膜中の基板温度を650℃とした以外は実施例1と同じ方法で薄膜太陽電池10を製造した。
図4に実施例1、6、7及び比較例5、6から得られる変換効率と成膜中の基板温度との関係を示す。
成膜温度が実施形態の範囲内において、変換効率が上がることが確認できる。成膜温度は、低すぎても、高すぎても、変換効率を下げる要因となる。
本発明の光電変換素子を太陽電池に用いることにより、変換効率の高い太陽電池を得ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態そのままに限定解釈されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、変形例の様に異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせても良い
10…光電変換素子、11…基板、12…裏面電極、13…第1の取り出し電極、14…光吸収層、15a…バッファー層、15b…バッファー層、16…透明電極層、17…第2の取り出し電極、18…反射防止膜

Claims (6)

  1. 組成式CuInTe1−x−yにて表され、x、yは0.33≦(x/y)≦0.6と0<x+y<1を満たすカルコパイライト構造の化合物を含む光吸収層を有することを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記光吸収層のバンドギャップが1.05eV以上、1.4eV以下であることを特徴とする請求項1記載の光電変換素子。
  3. 前記光吸収層は、前記光吸収層が堆積される基板を400℃以上、600℃以下に加熱しながらスパッタ成膜したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記光吸収層は、酸素分圧が2.0×10−4Pa以上、2.0×10−2Pa以下のArガス雰囲気で成膜されたものであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  5. 前記カルコパイライト構造の化合物の格子間には、酸素が含まれていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光電変換素子。
  6. 請求項1乃至請求項5いずれか1項記載の光電変換素子を用いてなることを特徴とする太陽電池。
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