JP2012233655A - アンモニア漏洩抑制装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】アンモニア流路を有する機器に適用されるアンモニア漏洩抑制装置において、アンモニア流路を区画する区画部材の破損時に、機器の運転を継続しつつ、アンモニアの外部への漏洩を抑制する。
【解決手段】少なくとも内部にアンモニアが流通するアンモニア流路10を区画する区画部材1を有するとともに、アンモニアを燃料とするエンジンEGにおける燃焼室に燃料を供給するインジェクタ33の上流側に適用されるアンモニア漏洩抑制装置において、区画部材1のうちアンモニアと接する面の反対面の少なくとも一部を覆うように配置されて区画部材1との間に空間20を形成するケース部材2を備え、空間20に二酸化炭素が流入可能に構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、アンモニアを燃料とする内燃機関およびアンモニアを冷媒とする冷凍サイクル等に適用され、アンモニアの外部への漏洩を抑制するアンモニア漏洩抑制装置に関するものである。
近年、フロンガス冷媒によるオゾン破壊の問題から、冷媒としてアンモニアを採用した冷凍サイクルが導入されている。しかしながら、アンモニアは毒性が強いため、冷凍サイクルの冷媒管等が破損してアンモニアが漏洩した場合に、漏洩したアンモニアを無毒化するための除害装置を設ける必要がある。
この種のアンモニア除害装置としては、冷媒配管等が破損して冷凍サイクルからアンモニアが漏洩した際に、当該冷凍サイクルが配置されたケース内に散水を行うことで、アンモニアを水に吸収させるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−317127号公報
ところで、上記特許文献1に記載のアンモニア除害装置では、冷凍サイクル構成機器のうちアンモニア流路を区画する区画部材(例えば、冷媒配管等)が破損してアンモニアが漏洩した際に、ケース外へのアンモニアの漏洩を抑制することはできる。しかしながら、破損した部位はそのままであるため、破損部位を修理しない限り、一切運転することができないという問題がある。また、散水後、ケース内にはアンモニアを吸収したアンモニア水が残存するので、再度冷凍サイクルを運転するためには当該アンモニア水を取り除く必要がある。すなわち、アンモニア水を取り除くために、冷凍サイクルの運転を停止する必要がある。
本発明は上記点に鑑みて、アンモニア流路を有する機器に適用されるアンモニア漏洩抑制装置において、アンモニア流路を区画する区画部材の破損時に、機器の運転を継続しつつ、アンモニアの外部への漏洩を抑制することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、少なくとも内部にアンモニアが流通するアンモニア流路(10)を区画する区画部材(1)を有するとともに、アンモニアを燃料とする内燃機関(EG)における燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁(33)の上流側に適用されるアンモニア漏洩抑制装置において、区画部材(1)のうちアンモニアと接する面の反対面の少なくとも一部を覆うように配置されて区画部材(1)との間に空間(20)を形成するケース部材(2)を備え、空間(20)には二酸化炭素が流入可能に構成されていることを特徴としている。
これによれば、区画部材(1)の反対面がケース部材(2)より覆われている部位において、区画部材(1)が破損してアンモニア流路(10)からアンモニアが漏洩した場合であっても、当該漏洩したアンモニアが空間(20)内の二酸化炭素と反応し、無毒性のアンモニウムカーバメイトが生成される。このため、毒性の高いアンモニアが外部に漏洩することを抑制できる。
また、アンモニウムカーバメイトは固体のため、区画部材(1)の破損部位にアンモニウムカーバイトが固着することで、破損部位が修復される。このため、区画部材(1)の破損部位にアンモニウムカーバイトが固着した後は、アンモニア流路(10)からのアンモニアの漏洩が停止する。したがって、区画部材(1)の破損部位を修復するために内燃機関(EG)の運転を停止する必要がなくなる。また、上述したようにアンモニウムカーバイトは無毒性なので、別途回収する必要もない。
したがって、アンモニア流路(10)を区画する区画部材(1)の破損時に、内燃機関(EG)の運転を継続しつつ、アンモニアの外部への漏洩を抑制することが可能となる。
また、請求項2に記載の発明では、アンモニアを冷媒とするとともに、内部にアンモニアが流通するアンモニア流路(10)を区画する区画部材(1)を有する冷凍サイクル(5)に適用されるアンモニア漏洩抑制装置において、区画部材(1)のうちアンモニアと接する面の反対面の少なくとも一部を覆うように配置されて区画部材(1)との間に空間(20)を形成するケース部材(2)を備え、空間(20)には二酸化炭素が流入可能に構成されていることを特徴としている。
これによれば、区画部材(1)の反対面がケース部材(2)より覆われている部位において、区画部材(1)が破損してアンモニア流路(10)からアンモニアが漏洩した場合であっても、当該漏洩したアンモニアが空間(20)内の二酸化炭素と反応し、無毒性のアンモニウムカーバメイトが生成される。このため、毒性の高いアンモニアが外部に漏洩することを抑制できる。
また、アンモニウムカーバメイトは固体のため、区画部材(1)の破損部位にアンモニウムカーバイトが固着することで、破損部位が修復される。このため、区画部材(1)の破損部位にアンモニウムカーバイトが固着した後は、アンモニア流路(10)からのアンモニアの漏洩が停止する。したがって、区画部材(1)の破損部位を修復するために冷凍サイクル(5)の運転を停止する必要がなくなる。また、上述したようにアンモニウムカーバイトは無毒性なので、別途回収する必要もない。
したがって、アンモニア流路(10)を区画する区画部材(1)の破損時に、冷凍サイクル(5)の運転を継続しつつ、アンモニアの外部への漏洩を抑制することが可能となる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載のアンモニア漏洩抑制装置において、さらに、空間(20)内へのアンモニアの漏洩を検出するアンモニア漏洩検出手段(7)と、空間(20)内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段(81、82)とを備え、二酸化炭素供給手段(81、82)は、アンモニア漏洩検出手段(7)によりアンモニアの漏洩が検出された場合に、空間(20)へ二酸化炭素を供給することを特徴としている。
これによれば、空間(20)へアンモニアが漏洩した場合に、空間(20)へ二酸化炭素を供給することができるので、確実にアンモニアと二酸化炭素を反応させてアンモニウムカーバメイトを生成させることができる。したがって、アンモニアの外部への漏洩をより確実に抑制することが可能となる。
ここで、アンモニア漏洩検出手段としては、例えば、空間(20)内の圧力を検出する圧力センサや、空間(20)内の温度を検出する温度センサを用いることができる。空間(20)内にアンモニアが漏洩した際に空間(20)内の圧力や温度が所定の変化をするので、当該変化を圧力センサまたは温度センサにより検出することで、空間(20)へのアンモニアの漏洩を検出することができる。なお、アンモニア漏洩検出手段としては、空間(20)内のアンモニア濃度を検出するアンモニア濃度センサを用いてもよい。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のアンモニア漏洩抑制装置において、ケース部材(2)は、区画部材(1)の反対面のうち、通常時の平均温度変化量よりも大きい温度変化量となる部位を覆うように配置されていることを特徴としている。
区画部材(1)の反対面のうち、通常時の平均温度変化量よりも大きい温度変化量となる部位は、他の部位と比較して破損しやすくなっている。したがって、区画部材(1)の反対面のうち、他の部位より破損しやすい当該部位を覆うようにケース部材(2)を配置することで、アンモニアの外部への漏洩を効果的に抑制することが可能となる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれか1つに記載のアンモニア漏洩抑制装置において、ケース部材(2)は、区画部材(1)反対面のうち、通常時の平均応力よりも大きい応力が発生する部位を覆うように配置されていることを特徴としている。
区画部材(1)の反対面のうち、通常時の平均応力よりも大きい応力が発生する部位は、他の部位と比較して破損しやすくなっている。したがって、区画部材(1)の反対面のうち、他の部位より破損しやすい当該部位を覆うようにケース部材(2)を配置することで、アンモニアの外部への漏洩を効果的に抑制することが可能となる。
また、請求項6に記載の発明では、請求項1ないし5のいずれか1つに記載のアンモニア漏洩抑制装置において、さらに、空間(20)内の温度が予め定めた基準温度以下となるように冷却する冷却手段(9)を備えることを特徴とする。
これによれば、空間(20)内の温度を基準温度以下に維持することができるので、例えば、空間(20)内の温度をアンモニアおよび二酸化炭素からアンモニウムカーバメイトを生成する反応が進行するために必要な温度に維持することができる。このため、区画部材(1)が破損してアンモニア流路(10)からアンモニアが漏洩した場合に、当該漏洩したアンモニアと空間(20)内の二酸化炭素とから確実にアンモニウムカーバメイトが生成されるようにできる。したがって、アンモニアが外部に漏洩することをより確実に抑制することが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(a)は第1実施形態に係るアンモニア漏洩抑制装置を示す概念図、(b)は(a)のA部拡大図である。 第1実施形態に係るアンモニア漏洩抑制装置が適用された内燃機関の燃料供給システムを示す全体構成図である。 第2実施形態における車両用空調装置の構成を示す図である。 第3実施形態における車両用空調装置の構成を示す図である。 第4実施形態における気化器32近傍を示す模式図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1および図2に基づいて説明する。本第1実施形態は、本発明のアンモニア漏洩抑制装置を、アンモニアを燃料として車両走行用駆動力を出力するエンジン(内燃機関)EGの気化器に適用したものである。
図1(a)は本第1実施形態に係るアンモニア漏洩抑制装置を示す概念図、図1(b)は図1(a)のA部拡大図である。図1(a)に示すように、アンモニア漏洩抑制装置は、内部に気体状態のアンモニアが流れるアンモニア流路10を区画する区画部材1の外側、すなわち区画部材1におけるアンモニアと接触する面(以下、内面という)の反対面(以下、外面という)を覆うように配置されたケース部材2を備えている。ケース部材2により、区画部材1の外面との間に空間20が形成されている。この空間20には、二酸化炭素が流入可能となっている。すなわち、空間20には、常時二酸化炭素が流れていてもよいし、区画部材1が破損してアンモニアが漏洩した際に二酸化炭素が注入されるようになっていてもよい。
このような構成のアンモニア漏洩抑制装置において、図1(b)に示すように、区画部材1の一部が破損してアンモニアが空間20に漏洩した場合、漏洩したアンモニアが空間20を流れる二酸化炭素と反応し、無毒性のアンモニウムカーバメイトが生成される。アンモニウムカーバメイトは固体であり、区画部材1の破損部分に固着する。これにより、区画部材1の破損部分が閉塞され、アンモニア流路10からのアンモニアの漏洩が停止する。
図2は本第1実施形態に係るアンモニア漏洩抑制装置が適用された内燃機関の燃料供給システムを示す全体構成図である。図2に示すように、燃料供給システムは、高圧液体燃料であるアンモニアを貯蔵するアンモニアタンク31を備えている。アンモニアは、可燃性を有しているため、エンジンEGにて燃料として燃焼させることができる。
アンモニアタンク31から流出した液体アンモニアは、気化器32へ流入する。気化器32は、液体アンモニアを減圧させて気化させる気化手段を構成するものである。具体的には、気化器32は、液体アンモニアを気化させる気化空間32a、気化空間32aに液体アンモニアを流入させるアンモニア流入流路32b、気化空間32aで気化したアンモニアを流出させるアンモニア流出流路32c等を有して構成されている。アンモニアタンク31から流出したアンモニアは、アンモニア流入流路32b、気化空間32a、アンモニア流出流路32cの順に流れる。
換言すると、気化器32は、内部にアンモニアが流れるアンモニア流路10を有して構成されている。そして、アンモニア流入流路32b、気化空間32aおよびアンモニア流出流路32cにより、アンモニア流路10が構成されている。また、気化器32は、アンモニア流路10、すなわちアンモニア流入流路32b、気化空間32aおよびアンモニア流出流路32cを区画する区画部材1を有している。
気化器32の気化空間32aの内部には、後述する冷却水循環回路40を循環するエンジン冷却水を流通させる冷却水通路41が配置されている。冷却水循環回路40および冷却水通路41については後述する。
本実施形態の気化器32には、アンモニア漏洩抑制装置が設けられている。具体的には、気化器32の区画部材1の外面、すなわち区画部材1におけるアンモニアと接触する内面と反対側の面には、外面を覆うようにケース部材2が配置されている。これにより、区画部材1の外面とケース部材2との間に空間20が形成されている。本実施形態では、空間20を形成するケース部材2の内側にアンモニア流路10を形成する区画部材1を配置する二重管構造になっている。
空間20には、エンジンEGの二酸化炭素を含んだ排気の一部が流入するように構成されている。本実施形態では、区画部材1を介してアンモニアと二酸化炭素(排気)の流れ方向が反対となる対向流となっている。具体的には、空間20における、アンモニア流出流路32cと対応する部位に、エンジンEGから排出された排気の一部を流させる排気流入口21が設けられている。また、空間20における、アンモニア流入流路32bと対応する部位に、空間20から外部へ排気を流出させる排気流出口22が設けられている。
気化器32のアンモニア流出流路32cの出口には、気体アンモニアをエンジンEGの燃焼室内へ噴射供給する燃料噴射弁(インジェクタ)33が接続されている。
本実施形態のエンジンEGは、いわゆるレシプロ型エンジンで構成されており、気化器32から供給される気体アンモニアを燃焼させることによって、車両走行用の駆動力となる機械的エネルギを出力するエネルギ出力手段を構成している。
インジェクタ33は、エンジンEGのシリンダヘッドに固定されて、エンジンEGの吸気ポートに向けて気体アンモニアを噴射するものである。これにより、気体燃料と燃焼用空気(吸気)が混合された混合気が燃焼室内へ供給される。より具体的には、インジェクタ33は、吸気経路内に燃料を供給する燃料供給通路を開閉する電磁弁によって構成されている。
また、エンジンEGには、補助燃料としての可燃性の炭化水素ガス(例えばメタン等)を燃焼室内に供給する補助燃料噴射弁(補助インジェクタ)34が設けられている。補助インジェクタ34も、インジェクタ33同様、燃焼室内に燃料を供給する燃料供給通路を開閉する電磁弁によって構成されている。本実施形態では、補助インジェクタ34は、エンジンEGのシリンダヘッドに固定されて、エンジンEGの吸気ポートに向けて炭化水素ガスを噴射するように構成されているが、燃焼室内に直接炭化水素ガスを噴射するように構成されていてもよい。
インジェクタ33を構成する電磁弁および補助インジェクタ34を構成する電磁弁は、エンジン制御装置から出力される制御電圧によってその作動が制御される。したがって、インジェクタ33および補助インジェクタ34は、電磁弁を開く時間を調整することによって、燃焼室内へ供給される燃料の供給流量を調整することができる。
なお、図2では、図示の明確化のため、エンジンEGの1つの気筒のみを図示しているが、このエンジンEGは、多気筒型(例えば、4気筒)のエンジンであり、インジェクタ33および補助インジェクタ34は、各気筒に対してそれぞれ1個ずつ設けられている。
次に、冷却水循環回路40について説明する。冷却水循環回路40は、エンジンEGを冷却する冷却水(例えば、エチレングリコール水溶液)を循環させる回路で、前述した気化器32の気化空間32aに配置された冷却水通路41、エンジンEG内に形成されたエンジンEGの冷却用通路42、冷却水ポンプ43を環状に接続したものである。
冷却水ポンプ43は、冷却用通路42へ冷却水を圧送する電動式のポンプであり、システム制御装置から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。そして、システム制御装置が、冷却水ポンプ43を作動させると、冷却水は、冷却水ポンプ43→エンジンEG内の冷却用通路42→気化器32内の冷却水通路41→冷却水ポンプ43の順に循環する。
冷却水通路41は、蛇行状の冷却水配管によって構成されている。アンモニア流入流路32bから気化空間32aに流入した液体アンモニアが気化する際に、冷却水通路41を流通する冷却水から気化潜熱分の熱量が吸熱され、冷却水が冷却される。換言すると、冷却水の有する熱量を吸熱することによって液体アンモニアが加熱されて、燃料の気化が促進される。
そして、冷却された冷却水がエンジンEG内の冷却用通路42を通過することで、エンジンEGが冷却される。なお、エンジンEGの廃熱が多く、気化器32にて冷却水を充分に冷却することができない場合は、冷却水循環回路40に、外気と冷却水とを熱交換させるラジエータを追加してもよい。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。エンジン制御装置は、制御処理や演算処理を行うCPUおよびプログラムやデータ等を記憶するROMおよびRAM等の記憶回路を含む周知のマイクロコンピュータ、各種制御対象機器への制御信号あるいは制御電圧を出力する出力回路、各種センサの検出信号が入力される入力回路、並びに、電源回路等から構成されている。
エンジン制御装置の出力側には、前述した各種制御対象機器33、34、43等が接続され、エンジン制御装置はこれらの制御対象機器の作動を制御する。エンジン制御装置の入力側には、エンジンEGの作動を制御するために用いられる物理量を検出するエンジン制御用のセンサ群等が接続されている。
具体的には、エンジン制御用のセンサ群としては、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、エンジンEGの回転数を検出する回転数センサ、インジェクタ33へ流入するアンモニアの圧力を検出するアンモニア圧力センサ、補助インジェクタ34へ流入する炭化水素ガスの圧力を検出する炭化水素ガス圧力センサ、エンジンEGの吸気経路に配置されて吸気流量を調整するスロットルバルブの弁開度を検出するスロットルポジションセンサ(いずれも図示せず)等が設けられている。
さらに、エンジン制御装置の入力側には、車両を起動あるいは停止させるスタートスイッチ、エンジンEGを始動させるイグニションスイッチ等のエンジン操作用のスイッチ群の操作信号が入力される。
また、エンジン制御装置は、上述した各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、エンジン制御装置のうち各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御手段を構成している。例えば、インジェクタ33の作動を制御する構成がインジェクタ制御手段を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の燃料供給システムの作動について説明する。まず、イグニションスイッチが投入されてエンジンEGが始動すると、エンジン制御装置が、その記憶回路に記憶されたエンジン制御プログラムを実行する。このエンジン制御プログラムでは、エンジンの運転状態に応じて、インジェクタ33からエンジンEGへ供給されるアンモニアの供給流量、および補助インジェクタ34からエンジンEGへ供給される炭化水素ガスの供給流量等を決定して、インジェクタ33、補助インジェクタ34等の作動を制御する。
具体的には、エンジン制御プログラムが実行されると、エンジン制御装置が、予め定めた基準回転数(基準冷却水圧送能力)となるように、冷却水ポンプ43を作動させる。さらに、システム制御装置は、所定の制御周期毎にエンジン制御用のセンサ群の各種検出値を読み込み、読み込まれたエンジン回転数、アクセル開度信号、スロットルバルブの弁開度等に基づいて、予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、エンジンEGに要求されている駆動トルクを発生させるために必要な目標供給流量を決定する。
そして、決定した目標供給流量、エンジン回転数、インジェクタ33入口側のアンモニア圧力、補助インジェクタ34入口側の炭化水素ガス圧力等に基づいて、予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、インジェクタ33から燃焼室へ供給されるアンモニアの供給流量が目標供給流量となるインジェクタ33の開弁時間、および補助インジェクタ34から燃焼室へ供給される炭化水素ガスの供給流量が目標供給流量となる補助インジェクタ34の開弁時間を決定する。
したがって、エンジンEGは、気化器32にて気化された気体アンモニアを消費して機械的エネルギを出力することになる。そして、システム制御装置は、出力回路あるいは駆動回路(EDU)を介して、決定された開弁時間の間だけ燃料を供給するように、インジェクタ33および補助インジェクタ34に対して制御電圧を出力する。
その後、スタートスイッチによって車両の停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→インジェクタ33および補助インジェクタ34の開弁時間等の決定→決定された開弁時間となる制御電圧の出力といった制御ルーチンを繰り返す。これにより、要求されている駆動トルクを発生させながらエンジンEGを作動させることができる。
以上説明したように、気化器32の区画部材1の外面を覆うようにケース部材2を配置するとともに、区画部材1の外面とケース部材2との間の空間20に二酸化炭素を含む排気を流通させることで、気化器32の区画部材1が破損して気化器32の内部からアンモニアが漏洩した場合であっても、当該漏洩したアンモニアが空間20に流通する二酸化炭素と反応し、無毒性のアンモニウムカーバメイトが生成される。このため、毒性の高いアンモニアが外部に漏洩することを抑制できる。
また、アンモニウムカーバメイトは固体のため、区画部材1の破損部位にアンモニウムカーバイトが固着することで(図1(b)参照)、当該破損部位が塞がれる。このため、区画部材1の破損部位にアンモニウムカーバイトが固着した後は、気化器32内部(アンモニア流路10)からのアンモニアの漏洩が停止する。したがって、区画部材1の破損部位を修復するためにエンジンEGの運転を停止する必要がなくなる。また、上述したようにアンモニウムカーバイトは無毒性なので、別途回収する必要もない。
また、区画部材1の破損部位に固着したアンモニウムカーバメイトは、内燃機関を停止した後に約60℃以上の温風により加熱することで容易に除去することができる。このため、区画部材1の破損部位に固化付着したアンモニウムカーバメイト除去した後に、当該破損部位を修理することで、破損した区画部材1を容易に復帰することが可能となる。
したがって、区画部材1の破損時に、エンジンEGの運転を継続しつつ、アンモニアの外部への漏洩を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、ケース部材2を気化器32の外側に配置しているので、通常時、気化器32内のアンモニア流路10を流通するアンモニアと、空間20を流通する排気との間で熱交換が行われる。このため、排気の有する熱が気化器32内を流通するアンモニアに伝達されて、アンモニアの気化を促進することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について図3に基づいて説明する。本第2実施形態は、本発明のアンモニア漏洩抑制装置を、車両用空調装置の冷凍サイクルに適用したものである。図3は、本第2実施形態における車両用空調装置の構成を示す図である。
図3に示すように、車両用空調装置は、冷凍サイクル5、内部に車室内に向けて送風される送風空気の空気通路を形成するケーシング6等を有して構成されている。
ケーシング6は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されるもので、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング6の送風空気流れ最上流側には、車室内空気(内気)と外気とを切替導入する図示しない内外気切替装置が配置されている。
内外気切替装置の空気流れ下流側には、内外気切替装置を介して吸入された空気を車室内へ向けて送風する送風機61が配置されている。この送風機61は、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される電動送風機である。送風機61の空気流れ下流側には、後述する冷却用熱交換器62が配置されている。
ここで、冷凍サイクル5について説明する。冷凍サイクル5は、圧縮機51、放熱器52、膨張弁53および蒸発器54を環状に接続したものである。圧縮機51は、冷媒としてのアンモニアを圧縮して吐出する冷媒圧送手段であり、本実施形態では、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構51aを電動モータ51bにて駆動する電動圧縮機を採用している。
固定容量型圧縮機構51aとしては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ローリングピストン型圧縮機構、プランジャ型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用できる。電動モータ51bは、後述する空調制御装置から出力される制御信号によって、その回転数が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機51の吐出能力が変更される。
放熱器52は、圧縮機51から吐出された高温高圧冷媒の有する熱を、第1熱媒体を介して外気(車室外空気)に放熱させる放熱用熱交換器である。具体的には、放熱器52は、冷媒と第1熱媒体との間で熱交換を行う熱交換器である。放熱器52の第1熱媒体出口には、室外熱交換器55の第1熱媒体入口が接続されている。
室外熱交換器55は、車室外に配置されており、放熱器52にて高温高圧冷媒の有する熱により加熱された第1熱媒体と外気とを熱交換させて、第1熱媒体の熱を外気に放熱させる放熱手段である。室外熱交換器55の第1熱媒体出口には、放熱器52の第1熱媒体入口が接続されている。
本実施形態では、冷却用送風機56によって室外熱交換器55に外気を送風できるようになっている。この冷却用送風機56は、空調制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される電動送風機である。
膨張弁53は、放熱器52から流出した冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。膨張弁53としては、蒸発器54流出冷媒の過熱度が予め定めた所定範囲となるように弁開度が機械的機構によって調整される温度式膨張弁を採用することができる。
蒸発器54は、膨張弁53から流出した低圧冷媒を蒸発させて吸熱作用を発揮させることで、第2熱媒体を介して室内送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。蒸発器54から流出した冷媒は、圧縮機51に吸入される。具体的には、蒸発器54は、冷媒と第2熱媒体とを熱交換させる熱交換器である。蒸発器54の第2熱媒体出口には、冷却用熱交換器62の第2熱媒体入口が接続されている。
冷却用熱交換器62は、蒸発器54にて冷却された第2熱媒体と送風機61によって送風された送風空気とを熱交換させて、送風空気を冷却する冷却手段である。つまり、本実施形態では、第2熱媒体を介して、冷媒であるアンモニアの気化潜熱によって送風空気を間接的に冷却することができる。冷却用熱交換器62の第2熱媒体出口には、蒸発器54の第2熱媒体入口が接続されている。
冷却用熱交換器62の送風空気流れ下流側には、加熱用熱交換器63が配置されている。加熱用熱交換器63は、高温流体と送風空気とを熱交換させて送風空気を加熱する加熱手段である。このような高温流体としては、具体的に、冷却水循環回路(図示せず)を循環するエンジン冷却水のうち、エンジンEGから流出した高温の冷却水等を採用することができる。
ケーシング6の空気流れ最下流部には、加熱用熱交換器63にて加熱された空調風を、空調対象空間である車室内へ吹き出す吹出口が配置されている。具体的には、この吹出口としては、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口、および、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)が設けられている。
さらに、フェイス吹出口、フット吹出口、およびデフロスタ吹出口の空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス吹出口の開口面積を調整するフェイスドア、フット吹出口の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ吹出口の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、リンク機構等を介して、空調制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しないサーボモータによって駆動される。
次に、空調制御装置について説明する。空調制御装置は、CPU、ROMおよびRAM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成される。そして、このROM内に記憶された制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行って、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
具体的には、空調制御装置の出力側には、冷凍サイクル5を構成する各種構成機器等が接続されている。一方、空調制御装置の入力側には、車室内の内気温Trを検出する内気センサ、外気温Tamを検出する外気温センサ、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ、冷却用熱交換器62からの吹出空気温度Teを検出する冷却用熱交換器温度センサ等の空調制御用のセンサ群が接続されている。
さらに、空調制御装置の入力側には、車室内に配置された図示しない操作パネルが接続されている。この操作パネルには、車両用空調装置の作動スイッチ、車室内の温度設定スイッチ、乗員(ユーザ)が車室内の暖房を行うか否かを選択する暖房スイッチ(暖房要求入力手段)等が設けられている。
なお、空調制御装置は、その出力側に接続された各種の制御機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、空調制御装置のうち、各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御手段を構成している。例えば、本実施形態では、エンジン制御装置のうち、圧縮機51の冷媒吐出能力を制御するために電動モータ51bの作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が冷媒吐出能力制御手段を構成している。
次に、上記構成における車両用空調装置の基本的作動について説明する。車両スタートスイッチが投入された状態で、車両用空調装置の作動スイッチが投入(ON)されると、空調制御装置が上述の空調制御用のセンサ群の検出信号および操作パネルの操作信号を読み込む。そして、検出信号および操作信号の値に基づいて車室内へ吹き出す空気の目標温度である目標吹出温度TAOを算出する。
さらに、空調制御装置は、算出された目標吹出温度TAOおよびセンサ群の検出信号に基づいて、空調制御装置の出力側に接続された各種空調制御機器の作動状態を決定する。
例えば、送風機61の目標送風量、すなわち送風機61の電動モータに出力する制御信号については、目標吹出温度TAOに基づいて予め空調制御装置に記憶された制御マップを参照して、目標吹出温度TAOが高温時および低温時に中間温度時よりも高くなるように決定される。
そして、上記の如く決定された制御信号を各種空調制御機器へ出力する。その後、操作パネルによって車両用空調装置の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→目標吹出温度TAOの算出→各種空調制御機器の作動状態決定→制御電圧および制御信号の出力といった制御ルーチンを繰り返す。
これにより、車両用空調装置では、送風機61から送風された送風空気を冷却用熱交換器62にて冷却し、冷却された送風空気を加熱用熱交換器63にて再加熱することにより、乗員の所望の温度となった送風空気(空調風)を車室内へ送風して車室内の空調を行う。
ところで、本実施形態の冷凍サイクル5はアンモニアを冷媒としているので、冷凍サイクル5を構成する各種構成機器および冷媒配管は、内部にアンモニアが流れるアンモニア流路10を構成している。冷凍サイクル5構成機器のおよび冷媒配管のうち、アンモニア流路10を区画する部材が本発明の区画部材に相当している。例えば、放熱器52および蒸発器54においては、内部に冷媒が流通するチューブ等が区画部材に相当する。
本実施形態の冷凍サイクル5は、ケース部材2の内部に収容されている。すなわち、冷凍サイクル5の構成機器である圧縮機51、放熱器52、膨張弁53、蒸発器54、およびこれらの構成機器を接続する冷媒配管が、ケース部材2の内部に収容されている。ケース部材2の内部に形成される空間20には、予め二酸化炭素が封入されている。
以上説明したように、冷媒配管を含む冷凍サイクル5構成機器をケース部材2の内部に配置するとともに、空間20に二酸化炭素を封入することで、冷凍サイクル5構成機器が破損して当該構成機器の内部からアンモニアが漏洩した場合であっても、当該漏洩したアンモニアが空間20に封入された二酸化炭素と反応し、無毒性のアンモニウムカーバメイトが生成される。このため、毒性の高いアンモニアがケース部材2の外部に漏洩することを抑制できる。
また、アンモニウムカーバメイトは固体のため、冷凍サイクル5構成機器の破損部位にアンモニウムカーバイトが固着することで、当該破損部位が塞がれる。このため、当該破損部位にアンモニウムカーバイトが固着した後は、冷凍サイクル5構成機器からのアンモニアの漏洩が停止する。したがって、冷凍サイクル5構成機器の破損部位を修復するために冷凍サイクル5の運転を停止する必要がなくなる。また、上述したようにアンモニウムカーバイトは無毒性なので、別途回収する必要もない。
したがって、区画部材1の破損時に、冷凍サイクル5の運転を継続しつつ、アンモニアの外部への漏洩を抑制することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図4に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態と比較して、冷凍サイクル5の構成機器または冷媒配管からアンモニアが空間20内に漏洩した際に、空間20に二酸化炭素を供給する点が異なるものである。
図4は、本第3実施形態における車両用空調装置の構成を示す図である。図4に示すように、空間20には、空間20内の圧力を検出する圧力センサ7が設けられている。空間20内にアンモニアが漏洩した際には、空間20内の圧力が所定の変化をするので、当該変化を圧力センサにより検出することで、空間20へのアンモニアの漏洩を検出することができる。したがって、空間20内の圧力は、空間20内へのアンモニア漏洩と相関を有する物理量である。また、圧力センサ7は、本発明のアンモニア漏洩検出手段に相当している。圧力センサ7の検出信号は、空調制御装置に入力される。
空間20には、当該空間20内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給流路8が接続されている。二酸化炭素供給流路8の最上流側には、内部に二酸化炭素を貯蔵する二酸化炭素貯蔵手段としての二酸化炭素タンク81が設けられている。
二酸化炭素タンク81と空間20との間には、二酸化炭素供給流路8を開閉する開閉手段としての開閉弁82が設けられている。この開閉弁82が開弁すると、二酸化炭素タンク81から空間20内へ二酸化炭素が供給される。したがって、二酸化炭素タンク81および開閉弁82が、本発明の二酸化炭素供給手段に相当している。本実施形態の開閉弁82は、空調制御装置から出力される制御信号によって、その作動が制御される電磁弁で構成されている。
空調制御装置は、圧力センサ7により検出された空間20内の圧力が所定の変化をした場合に、空間20内へアンモニアが漏洩したと判定する。そして、空間20内へアンモニアが漏洩したと判定した場合には、開閉弁82に対して、二酸化炭素供給流路8を開ける開弁信号を出力する。これにより、二酸化炭素タンク81から二酸化炭素供給流路8を介して空間20内へ二酸化炭素が供給される。
ここで、空調制御装置のうち、圧力センサ7により検出された空間20内の圧力に基づいて、空間20内にアンモニアが漏洩したか否かを判定する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)がアンモニア漏洩判定手段を構成している。また、空調制御装置のうち、空間20への二酸化炭素の供給を制御するために開閉弁82の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が開閉弁制御手段を構成している。
以上説明したように、アンモニア漏洩検出手段である圧力センサ7によりアンモニアの漏洩が検出された場合に、二酸化炭素供給手段である二酸化炭素タンク81および開閉弁82により空間20へ二酸化炭素を供給するように構成することで、アンモニアが漏洩した場合にのみ、空間20へ二酸化炭素を供給することができる。すなわち、空間20へアンモニアが漏洩した場合に、確実に空間20内に二酸化炭素を存在させることができる。このため、確実にアンモニアと二酸化炭素を反応させてアンモニウムカーバメイトを生成させることができる。したがって、アンモニアの外部への漏洩をより確実に抑制することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図5に基づいて説明する。本第4実施形態は、上記第1実施形態と比較して、気化器32の外側に冷却手段を設けた点が異なるものである。
図5は、本第4実施形態における気化器32近傍を示す模式図である。図5に示すように、気化器32を覆うケース部材2の外側、すなわち空間20と面しない側には、空間20内の温度が予め定めた基準温度以下となるように冷却する冷却手段としての冷却装置9が設けられている。本実施形態では、基準温度は、アンモニアと二酸化炭素からアンモニウムカーバメイトが生成する反応(以下、カーバメイト生成反応ともいう)が進行するために必要な温度の上限値よりも低い温度に設定されている。
冷却装置9は、内部を冷却媒体が流通する冷却媒体配管91を螺旋状に形成して、ケース部材2における気化器32の気化空間32aを覆う部位の外側に巻き付けることにより構成されている。これにより、冷却媒体配管91を流通する冷却媒体により、空間20を冷却することができる。
以上説明したように、空間20内の温度が基準温度以下となるように冷却する冷却装置9を設けることで、空間20内の温度を基準温度以下に維持することができる。
ここで、本実施形態のように、基準温度をカーバメイト生成反応が進行するために必要な温度の上限値よりも低い温度に設定することで、空間20内の温度を、カーバメイト生成反応が進行するために必要な温度に維持することができる。このため、区画部材1が破損してアンモニア流路10からアンモニアが漏洩した場合に、当該漏洩したアンモニアと空間20内の二酸化炭素とから確実にアンモニウムカーバメイトが生成されるようにできる。したがって、アンモニアが外部に漏洩することをより確実に抑制することが可能となる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の第1実施形態では、気化器32の区画部材1の外側にケース部材2を配置した例について説明したが、ケース部材2は、エンジンEGにおけるインジェクタ33の上流側の任意の場所に配置することができる。
特に、ケース部材2を、区画部材1の外面のうち、通常時の平均温度変化量よりも大きい温度変化量となる部位、または通常時の平均応力よりも大きい応力が発生する部位を覆うように配置することが望ましい。当該部位は、区画部材1の外面における他の部位と比較して破損しやすくなっている。したがって、区画部材1の外面のうち、他の部位より破損しやすい当該部位を覆うようにケース部材2を配置することで、アンモニアの外部への漏洩を効果的に抑制することが可能となる。
区画部材1の外面のうち、通常時の平均温度変化量よりも大きい温度変化量となる部位、または通常時の平均応力よりも大きい応力が発生する部位としては、例えば、気化器32とアンモニアが流通するアンモニア配管との接続部等がある。
(2)上述の第3実施形態では、二酸化炭素貯蔵手段として、二酸化炭素タンクを採用した例について説明したが、二酸化炭素貯蔵手段は、これに限定されない。例えば、二酸化炭素を吸着する吸着材や、化学反応により二酸化炭素を発生させる化学反応器を採用してもよい。
(3)上述の第4実施形態では、冷却手段として、冷却媒体配管91を螺旋状に形成してケース部材2における気化器32を覆う部位の外側に巻き付けることにより構成された冷却装置9を採用したが、冷却手段は、これに限定されない。
例えば、冷却手段として、気化器32の区画部材1の外面に配置したフィンを採用してもよい。これによれば、液体アンモニアを気化させる際の気化潜熱によって空間20を冷却することができる。このため、空間20内のアンモニアが漏洩した場合であっても、空間20内を基準温度以下に維持することができるので、漏洩したアンモニアと空間20内の二酸化炭素とから確実にアンモニウムカーバメイトが生成されるようにできる。したがって、アンモニアが外部に漏洩することをより確実に抑制することが可能となる。
また、上記実施形態3のような空間20内へのアンモニアの漏洩を検出するアンモニア漏洩検出手段を設け、アンモニア漏洩検出手段により空間20内へのアンモニアの漏洩が検出された際に、冷却水通路41に予め定めた基準冷却水温度より低い温度の冷却水を流通させるにしてもよい。これにより、空間20内へアンモニアが漏洩した場合にのみ、空間20を冷却することができる。
(4)上述の第1実施形態では、エンジンEGへ補助燃料としての炭化水素ガスを供給する補助インジェクタ34を採用した例を説明したが、この補助インジェクタ34は、エンジンEGの運転を継続しつつ、アンモニアの外部への漏洩を抑制するという効果を得るための必須の構成ではないので、廃止してもよい。
(5)上述の各実施形態は、可能な範囲で適宜組み合わせることができる。
1 区画部材
2 ケース部材
5 冷凍サイクル
7 圧力センサ(アンモニア漏洩検出手段)
9 冷却装置(冷却手段)
10 アンモニア流路
20 空間
33 インジェクタ(燃料噴射弁)
81 二酸化炭素タンク(二酸化炭素供給手段)
82 開閉弁(二酸化炭素供給手段)

Claims (6)

  1. 少なくとも内部にアンモニアが流通するアンモニア流路(10)を区画する区画部材(1)を有するとともに、前記アンモニアを燃料とする内燃機関(EG)における燃焼室に燃料を供給する燃料噴射弁(33)の上流側に適用されるアンモニア漏洩抑制装置であって、
    前記区画部材(1)のうち前記アンモニアと接する面の反対面の少なくとも一部を覆うように配置されて前記区画部材(1)との間に空間(20)を形成するケース部材(2)を備え、
    前記空間(20)には二酸化炭素が流入可能に構成されていることを特徴とするアンモニア漏洩抑制装置。
  2. アンモニアを冷媒とするとともに、内部に前記アンモニアが流通するアンモニア流路(10)を区画する区画部材(1)を有する冷凍サイクル(5)に適用されるアンモニア漏洩抑制装置であって、
    前記区画部材(1)のうち前記アンモニアと接する面の反対面の少なくとも一部を覆うように配置されて前記区画部材(1)との間に空間(20)を形成するケース部材(2)を備え、
    前記空間(20)には二酸化炭素が流入可能に構成されていることを特徴とするアンモニア漏洩抑制装置。
  3. さらに、前記空間(20)内へのアンモニアの漏洩を検出するアンモニア漏洩検出手段(7)と、
    前記空間(20)内に二酸化炭素を供給する二酸化炭素供給手段(81、82)とを備え、
    前記二酸化炭素供給手段(81、82)は、前記アンモニア漏洩検出手段(7)によりアンモニアの漏洩が検出された場合に、前記空間(20)へ二酸化炭素を供給することを特徴とする請求項1または2に記載のアンモニア漏洩抑制装置。
  4. 前記ケース部材(2)は、前記区画部材(1)の前記反対面のうち、通常時の平均温度変化量よりも大きい温度変化量となる部位を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のアンモニア漏洩抑制装置。
  5. 前記ケース部材(2)は、前記区画部材(1)前記反対面のうち、通常時の平均応力よりも大きい応力が発生する部位を覆うように配置されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のアンモニア漏洩抑制装置。
  6. さらに、前記空間(20)内の温度が予め定めた基準温度以下となるように冷却する冷却手段(9)を備えることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のアンモニア漏洩抑制装置。
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