JP5768338B2 - 燃料供給システム - Google Patents

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Description

本発明は、高圧液体燃料を気化させて、気化された燃料をエネルギ出力手段へ供給する燃料供給システムに関する。
従来、特許文献1に、高圧液体燃料である液化天然ガスを気化手段にて気化させて、気化させた天然ガスを内燃機関、すなわち機械的エネルギを出力するエネルギ出力手段へ供給する燃料供給システムが開示されている。
より具体的には、この特許文献1の燃料供給システムは、気化手段にて気化する天然ガスと蒸気圧縮式の冷凍サイクルの高温高圧冷媒(熱交換対象物)とを熱交換させる熱交換手段を備えており、気化手段にて気化する天然ガスの温度が高温高圧冷媒の温度よりも低い時に、高温高圧冷媒を熱交換手段へ流入させて、気化手段にて気化する天然ガスと高温高圧冷媒とを熱交換させるようにしている。
これにより、特許文献1の燃料供給システムでは、気化手段にて気化する天然ガスの気化潜熱によって冷凍サイクルの高温高圧冷媒を冷却するとともに、高温高圧冷媒が放熱する熱量を利用して天然ガスの気化を促進させている。
特開2006−264568号公報
しかしながら、特許文献1の燃料供給システムでは、内燃機関に要求される要求出力に応じて、内燃機関に供給される天然ガスの供給流量、すなわち気化手段にて気化させる天然ガスの気化流量が決定されるので、熱交換手段にて、高温高圧冷媒を充分に冷却できなくなってしまうことがある。
例えば、内燃機関のアイドリング時や低負荷時には、気化手段にて気化させる天然ガスの気化流量が通常運転時よりも少なくなってしまうので、気化手段にて気化する天然ガスの総気化潜熱量も少なくなる。その結果、高温高圧冷媒を充分に冷却することができなくなり、冷凍サイクルが充分な冷却能力を発揮できなくなってしまう。
上記点に鑑み、本発明では、高圧液体燃料を気化させる際の気化潜熱によって熱交換対象物を冷却可能に構成された燃料供給システムにおいて、エネルギ出力手段へ供給される燃料の供給流量変動によらず、熱交換対象物を充分に冷却することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、高圧液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵手段(11)と、液体燃料貯蔵手段(11)から流出した高圧液体燃料を気化させる第1燃料気化手段(12)および第2燃料気化手段(13)と、第1燃料気化手段(12)にて気化する燃料の気化潜熱によって熱交換対象物を冷却する冷却手段(21b)と、第1燃料気化手段(12)にて気化された気体燃料を圧縮して液化し、液体燃料貯蔵手段(11)側へ流出させる液化手段(14)と、第2燃料気化手段(13)から供給される気体燃料を消費してエネルギを出力するエネルギ出力手段(EG)とを備え、
第1燃料気化手段(12)の内部には、燃料の気化潜熱によって熱媒体を冷却する第1熱媒体通路(21a)が配置されており、
冷却手段(21b)は第1燃料気化手段(12)の外部に配置されるものであり、
さらに、第1熱媒体通路(21a)と冷却手段(21b)とを接続する第1熱媒体循環回路(21)と、第1熱媒体循環回路(21)に設けられ熱媒体を循環させるポンプ(21c)とを備え、
第1燃料気化手段(12)においては、高圧液体燃料が第1燃料気化手段(12)の内部に噴射されて第1熱媒体通路(21a)の外表面に吹き付けられることで、噴射後の噴霧状液体燃料が第1熱媒体通路(21a)の外表面にて気化して熱媒体を冷却するようになっており、
ポンプ(21c)が作動することにより第1熱媒体通路(21a)にて冷却された熱媒体が冷却手段(21b)に循環し、熱交換対象物が冷却手段(21b)において熱媒体により冷却される燃料供給システムを特徴とする。
これによれば、第1、第2燃料気化手段(12、13)の2つの燃料気化手段を備えているので、双方の燃料気化手段(12、13)にて気化させる高圧液体燃料の気化流量を異なる流量とすることができる。
従って、第1燃料気化手段(12)では、熱交換対象物を充分に冷却可能な流量の燃料を気化させることができ、第2燃料気化手段(13)では、エネルギ出力手段(EG)が要求される出力を発揮するために充分な流量の燃料を気化させることができる。その結果、エネルギ出力手段(EG)へ供給される燃料の供給流量の変動によらず、熱交換対象物を充分に冷却することができる。
さらに、液化手段(14)を備えているので、第1燃料気化手段(12)にて気化した燃料を再び液化して液体燃料貯蔵手段(11)へ戻すことができる。従って、熱交換対象物を充分に冷却するために気化された燃料の再利用が可能となり、燃料の不必要な消費を抑制することができる。
しかも、請求項1に記載の発明では、液体燃料の気化潜熱によって熱交換対象物を直接冷却するのではなく、熱媒体を介在して熱交換対象物を液体燃料の気化潜熱によって間接的に冷却することができる。
したがって、何らかの理由で燃料供給システムからの燃料漏れが発生しても、第1燃料気化手段(12)の外部に配置される冷却手段(21b)側では燃料漏れの影響を回避できる。
なお、本請求項における「熱交換対象物」は、固体のみを意味するものではなく、液体、気体等、熱媒体を介在して燃料の気化潜熱によって間接的に冷却可能なものの全てが含まれる意味である。また、本請求項における「エネルギ」には、機械的エネルギ、電気エネルギ、熱エネルギ等が含まれる。
例えば、請求項2に記載の発明のように、請求項1に記載の燃料供給システムにおいて、熱交換対象物は、空調対象空間に送風される送風空気であってもよい。
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の燃料供給システムにおいて、液化手段(14)にて生じる熱量を熱源として熱交換対象物を加熱する加熱手段(22d)を備えることを特徴とする。これにより、熱交換対象物を冷却するのみならず、加熱することも可能になる。
請求項4に記載の発明のように、車両に適用される請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料供給システムであって、エネルギ出力手段(EG)から出力されるエネルギは、車両の走行に用いられるエネルギであってもよい。
ここで、車両に適用される燃料供給システムでは、車両の走行状態によってエネルギ出力手段(EG)に要求される出力が変動するので、エネルギ出力手段(EG)へ供給する燃料の供給流量も変動しやすい。従って、エネルギ出力手段(EG)へ供給される燃料の流量変動によらず、熱交換対象物を充分に冷却できることは極めて有効である。
なお、走行に用いられるエネルギを出力するエネルギ出力手段としては、燃料を燃焼させて機械的エネルギを出力する内燃機関や、燃料を電気化学反応させて電気的エネルギを出力する燃料電池等が含まれる。
請求項5に記載の発明では、具体的に、請求項4に記載の燃料供給システムにおいて、熱交換対象物は、車室内に送風される送風空気であり、さらに、乗員が車室内の目標温度を設定する目標温度設定手段を備え、第1燃料気化手段(12)にて気化する気化流量は、目標温度に応じて決定され、第2燃料気化手段(13)にて気化する気化流量は、エネルギ出力手段(EG)に要求される出力に応じて決定されるようになっていてもよい。
このように、第1燃料気化手段(12)にて気化する気化流量と第2燃料気化手段(13)にて気化する気化流量とを独立して決定することによって、車両の走行状態によってエネルギ出力手段(EG)へ供給する燃料の供給流量が変動したとしても、安定した車室内空調を実現することができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
第1実施形態の燃料供給システムの全体構成図である。 第2実施形態の燃料供給システムの全体構成図である。
(第1実施形態)
以下、図面を用いて本発明の第1実施形態を説明する。図1は、本実施形態の燃料供給システム1の全体構成図である。この燃料供給システム1は、車両に適用されており、車両走行用の駆動力を出力するエンジン(内燃機関)EGへ燃料を供給する機能を有するとともに、後述する車両用空調装置2において、車室内へ送風される送風空気を冷却あるいは加熱する機能を有している。
まず、燃料供給システム1は、高圧液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵手段としての高圧タンク11を備えている。本実施形態では、この高圧タンク11に貯蔵される燃料として、可燃性を有し、比較的気化潜熱が高く、さらに、高圧化においては常温(15℃〜25℃程度)でも液化する燃料を採用している。
つまり、本実施形態の燃料は、エンジンEGにて燃料として燃焼させるために可燃性が必要となる。また、後述するように、その気化潜熱によって送風空気を冷却するために比較的気化潜熱が高い燃料であることが望ましい。さらに、その製造コストを低減するとともに減圧することで容易に気化させることができるように常温でも液化しやすい燃料であることが望ましい。
具体的には、本実施形態では、可燃性を有し、気化潜熱が水の気化潜熱の20%以上であり、常温で1.5MPa以下で液化する燃料として、ジメチルエーテルを採用している。さらに、ジメチルエーテルは水素を含有する燃料(水素化合物)であるので、改質することによって可燃性を有する水素ガスを生成することもできる。
この他にも、例えば、水素を含有する燃料であって、同燃料の分子中に、S(硫黄)、O(酸素)、N(窒素)、及びハロゲンのうち少なくとも1種の原子が含まれるものであり、且つ、分子間にて水素結合が発現するものを同等の性質を有する燃料として採用してもよい。
高圧タンク11から流出した液体燃料の流れは2つの流れに分岐され、分岐された一方の液体燃料は、第1気化器12の第1噴射弁12aへ流入し、分岐された他方の液体燃料は、第2気化器13の第2噴射弁13aへ流入する。第1、第2気化器12、13は、それぞれ高圧液化燃料を減圧させて気化させる第1、第2燃料気化手段を構成するものである。
具体的には、第1気化器12は、燃料を気化させる第1気化空間12cを形成する第1気化容器12b、第1気化空間12c内に高圧液化燃料を霧状に噴射する第1噴射弁12a等を有して構成されている。この第1噴射弁12aは、分岐部から流入する高圧液化燃料の通路面積を小さく絞って燃料を減圧させて噴射するノズル、および、ノズルへ流入する燃料の通路を開閉する電磁弁等からなる。
そして、この電磁弁を開く時間を調整することによって、ノズルから噴射される燃料の噴射流量が調整される。なお、電磁弁は、後述するシステム制御装置から出力される制御電圧によって、その作動が制御される。さらに、第1気化器12の第1気化空間12cの内部には、後述する車両用空調装置2の第1熱媒体循環回路21を循環する熱媒体を流通させる第1熱媒体通路21aが配置されている。なお、第1熱媒体循環回路21および第1熱媒体通路21aについては後述する。
第1気化器12の気体燃料出口には、圧縮機14の燃料吸入口が接続されている。圧縮機14は、第1気化器12にて気化した気体燃料を圧縮して、再び液化する液化手段であり、本実施形態では、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構14aを電動モータ14bにて駆動する電動圧縮機を採用している。
固定容量型圧縮機構14aとしては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ローリングピストン型圧縮機構、プランジャ型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用できる。電動モータ14bは、システム制御装置から出力される制御信号によって、その回転数が制御されるもので、交流モータ、直流モータのいずれの形式を採用してもよい。そして、この回転数制御によって、圧縮機14の吐出能力が変更される。
圧縮機14の燃料吐出口には、後述する車両用空調装置2の第2熱媒体循環回路22に配置される燃料−熱媒体熱交換器22aの燃料通路22bの入口側が接続されている。この第2熱媒体循環回路22および燃料−熱媒体熱交換器22aについては後述する。さらに、燃料通路22bの出口側には、図示しない逆止弁を介して、高圧タンク11に接続されている。
第2気化器13の基本的構成は、第1気化器12と同様である。従って、第2気化器13も、燃料を気化させる第2気化空間13cを形成する第2気化容器13b、第2気化空間13c内に高圧液化燃料を噴射する第2噴射弁13a等を有して構成されている。さらに、第2噴射弁13aの電磁弁を開く時間を調整することによって、第2噴射弁13aのノズルから噴射される燃料の噴射流量を調整することができる。
なお、本実施形態の第2気化器13の第2気化空間13cの内部には、第1熱媒体通路21aに対応する構成は配置されていない。
第2気化器13の気体燃料出口から流出した気体燃料の流れは2つの流れに分岐され、分岐された一方の気体燃料は、気体燃料をエンジンEGの燃焼室内へ噴射供給する燃料噴射弁(インジェクタ)15へ流入し、分岐された他方の気体燃料は、気体燃料を改質して水素ガスを発生させる改質器(リフォーマ)16へ流入する。
本実施形態のエンジンEGは、いわゆるレシプロ型エンジンで構成されており、第2気化器13から供給される気体燃料を燃焼させることによって、車両走行用の駆動力となる機械的エネルギを出力するエネルギ出力手段を構成している。
インジェクタ15は、エンジンEGのシリンダヘッドに固定されて、エンジンEGの吸気ポートに向けて気体燃料を噴射するものである。これにより、気体燃料と燃焼用空気(吸気)が混合された混合気が燃焼室内へ供給される。より具体的には、インジェクタ15は、吸気経路内に燃料を供給する燃料供給通路を開閉する電磁弁によって構成されている。
さらに、この電磁弁は、システム制御装置から出力される制御電圧によってその作動が制御される。従って、インジェクタ15は、第1、第2気化器12、13の第1、第2噴射弁12a、13aと同様に、電磁弁を開く時間を調整することによって、燃焼室内へ供給される燃料の供給流量を調整することができる。
なお、図1では、図示の明確化のため、エンジンEGの1つの気筒のみを図示しているが、エンジンEGは、多気筒型(例えば、4気筒)のエンジンであり、インジェクタ15は、各気筒に対して1個ずつ設けられている。
リフォーマ16は、気体燃料を触媒下で改質可能温度まで加熱して改質反応させることによって、水素ガスを発生させるものである。具体的には、本実施形態では、燃料として炭化水素系燃料であるジメチルエーテルを採用しているので、燃料を250℃以上となるまで加熱して、触媒下にて水蒸気改質反応をさせて水素ガスを発生させている。リフォーマ16にて発生した水素ガスは、補助燃料として吸気に混合されてエンジンEGの吸気ポートより燃焼室へ供給される。
次に、車両用空調装置2について説明する。本実施形態の車両用空調装置2は、前述した第1熱媒体循環回路21に配置された冷却用熱交換器21b、第2熱媒体循環回路22に配置された加熱用熱交換器22d、および、これらの熱交換器21b、22dを収容するケーシング23等を有して構成されている。
ケーシング23は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、内部に車室内に向けて送風される送風空気の空気通路を形成するもので、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。ケーシング23の送風空気流れ最上流側には、車室内空気(内気)と外気とを切替導入する図示しない内外気切替装置が配置されている。
内外気切替装置の空気流れ下流側には、内外気切替装置を介して吸入された空気を車室内へ向けて送風する送風機24が配置されている。この送風機24は、システム制御装置から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される電動送風機である。送風機24の空気流れ下流側には、第1熱媒体循環回路21の冷却用熱交換器21bが配置されている。
ここで、第1熱媒体循環回路21について説明する。第1熱媒体循環回路21は、熱媒体(例えば、エチレングリコール水溶液)を循環させる回路で、前述した第1気化器12の第1気化空間12c内に配置された第1熱媒体通路21a、冷却用熱交換器21b、熱媒体循環用の第1水ポンプ21cを環状に接続したものである。
第1水ポンプ21cは、第1熱媒体通路21aへ熱媒体を圧送する電動式のポンプであり、システム制御装置から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。そして、システム制御装置が、第1水ポンプ21cを作動させると、熱媒体は、第1水ポンプ21c→第1熱媒体通路21a→冷却用熱交換器21b→第1水ポンプ21cの順に循環する。
第1熱媒体通路21aは、蛇行状の熱媒体配管によって構成されており、第1噴射弁12aから噴射された燃料が吹き付けられるように、第1気化空間12c内に配置されている。このため、吹き付けられた燃料が気化する際に、第1熱媒体通路21aを流通する熱媒体から気化潜熱分の熱量が吸熱され、熱媒体が冷却される。換言すると、熱媒体の有する熱量を吸熱することによって燃料が加熱されて、燃料の気化が促進される。
冷却用熱交換器21bは、第1熱媒体通路21aにて冷却された熱媒体と送風機24によって送風された送風空気とを熱交換させて、送風空気を冷却する冷却手段である。つまり、本実施形態では、熱媒体を介して、燃料の気化潜熱によって送風空気を間接的に冷却することができる。従って本実施形態では、送風空気が特許請求の範囲に記載された熱交換対象物となる。
冷却用熱交換器21bの送風空気流れ下流側には、第2熱媒体循環回路22の加熱用熱交換器22dが配置されている。この第2熱媒体循環回路22の基本的構成は、第1熱媒体循環回路21と同様である。つまり、第2熱媒体循環回路22は、燃料−熱媒体熱交換器22aの熱媒体通路22c、加熱用熱交換器22d、熱媒体循環用の第2水ポンプ22eを環状に接続したものである。
第2水ポンプ22eは、燃料−熱媒体熱交換器22aの熱媒体通路22cへ熱媒体を圧送する電動式のポンプであり、システム制御装置から出力される制御信号によって回転数(流量)が制御される。そして、システム制御装置が、第2水ポンプ22eを作動させると、熱媒体は、第2水ポンプ22e→燃料−熱媒体熱交換器22aの熱媒体通路22c→加熱用熱交換器22d→第2水ポンプ22eの順に循環する。
燃料−熱媒体熱交換器22aは、燃料通路22bを流れる圧縮機14吐出燃料と熱媒体通路22cを流れる熱媒体とを熱交換させて、圧縮機14吐出燃料の有する熱量によって熱媒体を加熱する熱交換器である。なお、燃料−熱媒体熱交換器22aの具体的構成としては、燃料通路22bを形成する外側管の内側に熱媒体通路22cを形成する内側管を配置する二重管方式の熱交換器構成等を採用できる。
加熱用熱交換器22dは、燃料−熱媒体熱交換器22aにて加熱された熱媒体と送風機24から送風されて冷却用熱交換器21bを通過して冷却された送風空気(冷風)とを熱交換させて、送風空気を再加熱する加熱手段である。
さらに、本実施形態のケーシング23の内部のうち、冷却用熱交換器21bの空気流れ下流側であって、かつ、加熱用熱交換器22dの空気流れ上流側には、冷却用熱交換器21b通過後の送風空気(冷風)のうち加熱用熱交換器22dを通過させる風量割合を調整するエアミックスドア25が配置されている。
また、加熱用熱交換器22dの空気流れ下流側には、加熱用熱交換器22dにて熱媒体と熱交換して加熱された送風空気と加熱用熱交換器22dを迂回して加熱されていない送風空気とを混合させる混合空間26が設けられている。
ケーシング23の空気流れ最下流部には、混合空間26にて混合された空調風を、空調対象空間である車室内へ吹き出す吹出口が配置されている。具体的には、この吹出口としては、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口、および、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口(いずれも図示せず)が設けられている。
従って、エアミックスドア25が加熱用熱交換器22dを通過させる風量の割合を調整することによって、混合空間26にて混合された空調風の温度が調整され、各吹出口から吹き出される空調風の温度が調整される。つまり、エアミックスドア25は、車室内へ送風される空調風の温度を調整する温度調整手段を構成している。なお、エアミックスドア25は、システム制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しないサーボモータによって駆動される。
さらに、フェイス吹出口、フット吹出口、およびデフロスタ吹出口の空気流れ上流側には、それぞれ、フェイス吹出口の開口面積を調整するフェイスドア、フット吹出口の開口面積を調整するフットドア、デフロスタ吹出口の開口面積を調整するデフロスタドア(いずれも図示せず)が配置されている。
これらのフェイスドア、フットドア、デフロスタドアは、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、リンク機構等を介して、システム制御装置から出力される制御信号によって作動が制御される図示しないサーボモータによって駆動される。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。システム制御装置は、制御処理や演算処理を行うCPUおよびプログラムやデータ等を記憶するROMおよびRAM等の記憶回路を含む周知のマイクロコンピュータ、各種制御対象機器への制御信号あるいは制御電圧を出力する出力回路、各種センサの検出信号が入力される入力回路、並びに、電源回路等から構成されている。
システム制御装置の出力側には、前述した各種制御対象機器12a、13a、14b、15、21c、22e、24等が接続され、システム制御装置はこれらの制御対象機器の作動を制御する。システム制御装置の入力側には、エンジンEGの作動を制御するために用いられる物理量を検出するエンジン制御用のセンサ群、車両用空調装置2の作動を制御するために用いられる物理量を検出する空調制御用のセンサ群等が接続されている。
具体的には、エンジン制御用のセンサ群としては、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ、エンジンEGの回転数を検出する回転数センサ、インジェクタ15へ流入する燃料圧力を検出する燃圧センサ、エンジンEGの吸気経路に配置されて吸気流量を調整するスロットルバルブの弁開度を検出するスロットルポジションセンサ(いずれも図示せず)等が設けられている。
また、空調制御用のセンサ群としては、車室内温度を検出する内気温センサ、車室外気温を検出する外気温センサ、車室内の日射量を検出する日射センサ、冷却用熱交換器21bから吹き出される送風空気(冷風)の温度を検出する冷風温度センサ、加熱用熱交換器22dへ流入する熱媒体の温度を検出する熱媒体温度検出センサ(いずれも図示せず)等が設けられている。
さらに、システム制御装置の入力側には、車両を起動あるいは停止させるスタートスイッチ、エンジンEGを始動させるイグニションスイッチ等のエンジン操作用のスイッチ群の操作信号が入力されるとともに、車両用空調装置2の作動スイッチ、車両用空調装置2の自動制御を設定あるいは解除するオートスイッチ、車室内の目標温度を設定する目標温度設定手段としての車室内温度設定スイッチ等の空調操作用のスイッチ群の操作信号が入力される。
なお、上述の如く、本実施形態のシステム制御装置は、エンジン制御および空調制御の双方を司る制御装置として構成されているが、もちろん、主にエンジン制御を行うエンジン制御用の制御装置と、主に空調制御を行う空調制御用の制御装置とを別体の制御装置として構成してもよい。
また、システム制御装置は、上述した各種制御対象機器を制御する制御手段が一体に構成されたものであるが、システム制御装置のうち各制御対象機器の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)が各制御対象機器の制御手段を構成している。例えば、第1、第2気化器12、13の第1、第2噴射弁12a、13aの作動を制御する構成が第1、第2噴射弁制御手段を構成している。
次に、上記構成における本実施形態の燃料供給システム1の作動について説明する。まず、イグニションスイッチが投入されてエンジンEGが始動すると、システム制御装置が、その記憶回路に記憶されたエンジン制御プログラムを実行する。このエンジン制御プログラムでは、エンジンの運転状態に応じて、インジェクタ15からエンジンEGへ供給される燃料の供給流量等を決定して、インジェクタ15等の作動を制御する。
具体的には、システム制御装置は、所定の制御周期毎にエンジン制御用のセンサ群の各種検出値を読み込み、読み込まれたエンジン回転数、アクセル開度信号、スロットルバルブの弁開度等に基づいて、予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、エンジンEGに要求されている駆動トルクを発生させるために必要な目標供給流量を決定する。
さらに、システム制御装置は、決定した目標供給流量、エンジン回転数、インジェクタ15入口側の燃料圧力等に基づいて、予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、インジェクタ15から燃焼室へ供給される供給流量が目標供給流量となるインジェクタ15の開弁時間を決定する。
ここで、エンジンEGに供給される燃料は、第2気化器13にて気化された燃料である。さらに、本実施形態では、第2気化器13にて気化された燃料が、エンジンEGのみならず改質器16にも供給される。従って、第2気化器13にて気化される燃料の気化流量(質量流量)は、インジェクタ15から燃焼室へ供給される燃料の供給流量(質量流量)より多くなっている必要がある。
そこで、システム制御装置では、上述したインジェクタ15の開弁時間と同様に、第2噴射弁13a入口側の燃料圧力等に基づいて、予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、第2気化器13にて気化させる燃料の気化流量、すなわち第2噴射弁13aから噴射される燃料の噴射流量が、目標供給流量より所定量多くなるように第2噴射弁13aの開弁時間を決定する。
従って、第2気化器13にて気化される燃料の気化流量は、エンジンEGに要求される出力に応じて決定されることになる。そして、システム制御装置は、出力回路あるいは駆動回路(EDU)を介して、決定された開弁時間の間だけ燃料を供給するように、インジェクタ15および第2噴射弁13aに対して制御電圧を出力する。
その後、スタートスイッチによって車両の停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→インジェクタ15および第2噴射弁13aの開弁時間等の決定→決定された開弁時間となる制御電圧の出力といった制御ルーチンを繰り返す。これにより、要求されている駆動トルクを発生させながらエンジンEGを作動させることができる。
さらに、本実施形態のシステム制御装置は、エンジンEGの始動に伴って、改質器16に設けられた改質用加熱手段としての電気ヒータ(図示せず)に通電し、改質可能な温度以上となるまで燃料を加熱する。これにより、エンジンEGの燃焼室に水素ガスを補助燃料として供給することができる。
次に、エンジンEGの始動中に、車両用空調装置2の作動スイッチが投入された状態で、オートスイッチが投入されると、システム制御装置が、その記憶回路に記憶された空調制御プログラムを実行する。この空調制御プログラムでは、空調負荷に応じて、システム制御装置の出力側に接続された空調用の制御対象機器の作動状態を決定し、決定された作動状態となるように、制御対象機器の作動を制御する。
具体的には、空調制御プログラムが実行されると、システム制御装置が、予め定めた基準回転数(基準熱媒体圧送能力)となるように、第1、第2水ポンプ21c、22cを作動させる。さらに、システム制御装置は、車室内温度、車室外気温、日射量等に基づいて、各吹出口から車室内に吹き出される送風空気の目標吹出温度TAOを決定する。
そして、この目標吹出温度TAOおよび空調制御用のセンサ群の検出信号に基づいて、制御対象機器の作動を制御する。例えば、送風機24の目標送風量、すなわち送風機24の電動モータに出力する制御電圧については、目標吹出温度TAOに基づいて予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、目標吹出温度TAOが高温時および低温時に中間温度時よりも高くなるように決定される。
また、エアミックスドア25のサーボモータへ出力される制御信号については、目標吹出温度TAO、加熱用熱交換器22dへ流入する熱媒体の温度から、車室内へ吹き出される空気の温度が車室内温度設定スイッチによって設定された乗員の所望の目標温度となるように決定される。
また、第1気化器12の第1噴射弁12aの開弁時間については、目標吹出温度TAOに基づいて予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、目標吹出温度TAOの低下に伴って増加するように決定される。なお、目標吹出温度TAOは、車室内温度設定スイッチによって設定された目標温度に基づいて決定される値であるから、第1気化器12にて気化する気化流量は、目標温度に応じて決定されることになる。
また、圧縮機14の燃料吐出能力、すなわち圧縮機14の電動モータ14bの回転数については、まず、システム制御装置が、目標吹出温度TAOに基づいて予め記憶回路に記憶されている制御マップを参照して、冷却用熱交換器21bから吹き出される送風空気(冷風)の目標冷風温度TEOを決定する。
さらに、この目標冷風温度TEOと冷却用熱交換器21bから吹き出される送風空気の温度との偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて冷却用熱交換器21bから吹き出される送風空気の温度が目標冷風温度TEOに近づくように、電動モータ14bに出力される制御信号を決定する。
そして、システム制御装置は、出力回路あるいは駆動回路を介して、制御対象機器に対して上記の如く決定された制御信号あるいは制御電圧を出力する。その後、車両用空調装置2の作動停止が要求されるまで、所定の制御周期毎に、上述の検出信号および操作信号の読み込み→制御対象機器の制御状態の決定→決定された制御状態が得られる制御信号あるいは制御電圧の出力といった制御ルーチンを繰り返す。
これにより、送風機24から送風された送風空気は、冷却用熱交換器21bにて冷却される。さらに、冷却用熱交換器21bにて冷却された冷風は、エアミックスドア25の開度に応じて乗員の所望の温度に温度調整されて、各吹出口を介して車室内へ吹き出される。そして、車室内に吹き出される空調風によって、車室内温度が車室外気温より低く冷やされる場合には車室内の冷房が実現され、車室内温度が車室外気温より高く加熱される場合には、車室内の暖房が実現される。
本実施形態の燃料供給システム1は、上記の如く作動するので、以下のような優れた効果を得ることができる。
本実施形態の燃料供給システム1では、第1、第2気化器12、13の2つの燃料気化手段を備えているので、双方の気化器12、13にて気化させる高圧液体燃料の気化流量を異なる流量とすることができる。
つまり、第1気化器12では、車室内へ送風される送風空気を充分に冷却可能な流量の燃料を気化させることができ、第2気化器13では、エンジンEGが要求される出力を発揮できる流量の燃料を気化させることができる。その結果、エンジンEGへ供給される燃料の供給流量の変動によらず、送風空気を充分に冷却することができる。
本実施形態のように、車両に適用される燃料供給システム1においては、エンジンEGへ供給する燃料の供給流量が変動しやすいため、エンジンEGへ供給される燃料の供給流量の変動によらず、送風空気(熱交換対象物)を充分に冷却できることは極めて有効である。
さらに、本実施形態の燃料供給システム1では、圧縮機14を備えているので、第1気化器12にて気化した燃料を再び液化して高圧タンク11へ戻すことができる。従って、送風空気を充分に冷却するために気化された燃料の再利用が可能となり、燃料の不必要な消費を抑制することができる。
さらに、本実施形態の燃料供給システム1では、加熱手段としての加熱用熱交換器22dを備えているので、送風空気を冷却するのみならず加熱することもできる。この際、送風空気を加熱する熱源として、圧縮機14吐出燃料を採用しているので、燃料を圧縮して液化する際に生じる熱量を有効に利用することができる。
さらに、本実施形態の第1気化器12では、第1熱媒体循環回路21を循環する熱媒体を介して、間接的に熱交換対象物である送風空気を冷却しているので、第1気化器12を車両用空調装置2のケーシング23外(すなわち、送風空気の空気通路外)に配置することができる。
従って、何らかの理由で、燃料供給システム1から燃料が漏れたとしての、可燃性を有する燃料が車室内に送風されてしまうことを防止できる。また、仮に毒性を有する燃料を採用したとしても、燃料が車室内に送風されてしまうことを防止して乗員の安全性を確保することができる。
なお、上述の説明から明らかなように、本実施形態は、燃料供給システム1にて気化する燃料の気化潜熱によって熱交換対象物を冷却する熱管理システム、あるいは冷却システムについて説明したものと表現することができる。
すなわち、本実施形態は、
高圧液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵手段(高圧タンク11)と、
前記液体燃料貯蔵手段から流出した前記高圧液体燃料を減圧させて気化する第1燃料気化手段(第1気化器12)および第2燃料気化手段(第2気化器13)と、
前記第2燃料気化手段にて気化した気体燃料を消費してエネルギを出力するエネルギ出力手段(エンジンEG)と、
前記第1燃料気化手段にて気化する燃料の気化潜熱によって熱交換対象物を冷却する冷却手段(冷却用熱交換器21b)と、
前記第1燃料気化手段にて気化された気体燃料を圧縮して液化し、前記液体燃料貯蔵手段側へ流出させる液化手段(圧縮機14)とを備えることを特徴とする熱管理システム、あるいは冷却システムについて説明したものでもある。
(第2実施形態)
本実施形態では、第1実施形態に対して、図2の全体構成図に示すように、第1熱媒体循環回路21を廃止するとともに、冷凍サイクル30および第3熱媒体循環回路40等を追加した例を説明する。なお、図2では、第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。
冷凍サイクル30は、冷媒を圧縮して吐出する冷媒圧縮機31、冷媒圧縮機31吐出冷媒を車室外空気と熱交換させて放熱させる室外熱交換器32、第1気化器12の第1気化空間12c内に配置された冷媒通路33、冷媒通路33から流出した冷媒を減圧膨張させる膨張弁34、膨張弁34にて減圧された冷媒を送風機24から送風された送風空気と熱交換させて蒸発させる蒸発器35を環状に接続して構成された蒸気圧縮式の冷凍サイクルである。
この冷媒圧縮機31としては、第1実施形態の圧縮機14と同様の構成の電動圧縮機を採用できる。また、冷媒通路33としては、第1実施形態の第1熱媒体通路21aと同様の構成の冷媒配管を採用できる。さらに、膨張弁34としては、蒸発器35流出冷媒の過熱度が予め定めた所定範囲となるように弁開度が機械的機構によって調整される温度式膨張弁を採用することができる。
さらに、本実施形態の第2気化器13の第2気化空間13cの内部には、第1実施形態の第1熱媒体通路21aに対応する構成としての第2熱媒体通路41が配置されている。この第2熱媒体通路41は、第3熱媒体循環回路40に配置されている。
第3熱媒体循環回路40は、第2熱媒体通路41、エンジンEG内に形成されたエンジンEG冷却用の熱媒体通路42、第3水ポンプ43を環状に接続したものである。従って、システム制御装置が、第3水ポンプ43を作動させると、熱媒体は、第3水ポンプ43→第2熱媒体通路41→エンジンEG冷却用の熱媒体通路42→第3水ポンプ43の順に循環する。
また、本実施形態では、エンジン制御プログラムが実行されると、システム制御装置が、予め定めた基準回転数(基準熱媒体圧送能力)となるように、第3水ポンプ43を作動させる。
これにより、第2噴射弁13aから第2気化空間13c内に噴射された燃料が気化する際に、第2熱媒体通路41を流通する熱媒体から気化潜熱分の熱量が吸熱され、熱媒体が冷却される。換言すると、熱媒体の有する熱量を吸熱することによって燃料が加熱されて、燃料の気化が促進される。
そして、第2熱媒体通路41を通過する際に冷却された熱媒体が、エンジンEG冷却用の熱媒体通路42通過する際にエンジンの廃熱を吸熱して、エンジンEGを冷却する。さらに、本実施形態では、空調制御プログラムが実行されると、システム制御装置が、予め定めた基準回転数(基準燃料吐出能力)となるように、圧縮機14を作動させる。
また、冷媒圧縮機31の冷媒吐出能力については、目標冷風温度TEOと冷却用熱交換器21bから吹き出される送風空気の温度との偏差に基づいて、フィードバック制御手法を用いて蒸発器35吹き出される送風空気の温度が目標冷風温度TEOに近づくように制御される。その他の構成および作動について第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の燃料供給システムを作動させても、第1実施形態と同様に、エンジンEGへ供給される燃料の供給流量の変動によらず、送風空気を充分に冷却することができる。さらに、本実施形態では、第1気化器12にて気化する燃料の気化潜熱によって冷凍サイクル30の冷媒を冷却するので、高い成績係数(COP)を発揮させながら冷凍サイクル30を作動させることができる。
また、本実施形態も、第1実施形態と同様に、燃料供給システム1にて気化する燃料の気化潜熱によって熱交換対象物を冷却する熱管理システム、あるいは冷却システムについて説明したものと表現することができる。
(他の実施形態)
本発明は上述の実施形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の実施形態では、第1、第2燃料気化手段として、第1、第2気化空間12c、13cに液体燃料を霧状に噴射する第1、第2気化器12、13を採用しているが、第1、第2燃料気化手段は、これに限定されない。例えば、高圧液化燃料と熱媒体とを熱交換させる熱交換器を採用してもよい。この場合は、高圧液化燃料を霧状に噴射する必要はなく、熱交換器へ流入させる高圧液化燃料の流量を調整すればよい。
(2)上述の実施形態では、エネルギ出力手段として、エンジン(内燃機関)EGを採用した例を説明したが、エネルギ出力手段は、これに限定されない。例えば、燃料ガス(水素ガス)と酸化剤ガス(空気)とを電気化学反応させて、電気エネルギを出力する燃料電池を採用してもよい。
(3)上述の実施形態では、熱交換対象物として車室内に送風される送風空気を冷却する構成について説明したが、熱交換対象物は、これに限定されない。つまり、熱交換対象物としては、燃料の気化潜熱によって冷却可能なものの全てが採用できる。
例えば、内燃機関や燃料電池のようなエネルギ出力手段、電動モータやこれに電力を供給するインバータ回路等の電気回路等、作動時に発熱を伴う発熱機器等を採用してもよいし、飲料水や熱媒体のような流体を採用してもよい。
また、上述の実施形態では、熱交換対象物である送風空気を、熱媒体を介して間接的に冷却する例を説明したが、もちろん、直接的に冷却してもよい。さらに、上述の第2実施形態では、第2気化器13にて気化する燃料によって、エンジンEGを間接的に冷却する例を説明したが、第2気化器13にて気化する燃料によって、他のものを冷却してもよい。
例えば、改質器16を冷却してもよいし、エネルギ出力手段として、燃料電池を採用する場合には、燃料電池を冷却してもよい。
(4)上述の第2実施形態の冷凍サイクル30では、室外熱交換器32を採用した例を説明したが、第1気化器12の第1気化空間12c内に配置された冷媒通路33にて充分に冷媒を冷却することができる場合には、室外熱交換器32を廃止してもよい。また、第3熱媒体循環回路40に、外気と熱媒体とを熱交換させる放熱器(ラジエータ)を配置してもよい。
(5)上述の実施形態では、本発明の燃料供給システムを車両に適用した例を説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。例えば、エンジン駆動式の定置型空調装置あるいは冷凍装置に適用してもよいし、燃料を燃焼させて熱エネルギを出力するボイラ装置に適用して温水と冷水とを同時に作り出すシステムなどに適用してもよい。
(6)上述の実施形態では、エンジンEGへ補助燃料としての水素ガスを供給するために、改質器16を採用した例を説明したが、この改質器16は、エンジンEGへ供給される燃料の供給流量の変動によらず、送風空気を充分に冷却するという効果を得るための必須の構成ではないので、廃止してもよい。
11 高圧タンク
12、13 第1、第2気化器
14 圧縮機
21b 冷却用熱交換器
35 蒸発器

Claims (5)

  1. 高圧液体燃料を貯蔵する液体燃料貯蔵手段(11)と、
    前記液体燃料貯蔵手段(11)から流出した前記高圧液体燃料を気化させる第1燃料気化手段(12)および第2燃料気化手段(13)と、
    前記第1燃料気化手段(12)にて気化する燃料の気化潜熱によって熱交換対象物を冷却する冷却手段(21b)と、
    前記第1燃料気化手段(12)にて気化された気体燃料を圧縮して液化し、前記液体燃料貯蔵手段(11)側へ流出させる液化手段(14)と、
    前記第2燃料気化手段(13)から供給される気体燃料を消費してエネルギを出力するエネルギ出力手段(EG)とを備え、
    前記第1燃料気化手段(12)の内部には、前記燃料の気化潜熱によって熱媒体を冷却する第1熱媒体通路(21a)が配置されており、
    前記冷却手段(21b)は前記第1燃料気化手段(12)の外部に配置されるものであり、
    さらに、前記第1熱媒体通路(21a)と前記冷却手段(21b)とを接続する第1熱媒体循環回路(21)と、
    前記第1熱媒体循環回路(21)に設けられ前記熱媒体を循環させるポンプ(21c)とを備え、
    前記第1燃料気化手段(12)においては、前記高圧液体燃料が前記第1燃料気化手段(12)の内部に噴射されて前記第1熱媒体通路(21a)の外表面に吹き付けられることで、前記噴射後の噴霧状液体燃料が前記第1熱媒体通路(21a)の外表面にて気化して前記熱媒体を冷却するようになっており、
    前記ポンプ(21c)が作動することにより前記第1熱媒体通路(21a)にて冷却された前記熱媒体が前記冷却手段(21b)に循環し、前記熱交換対象物が前記冷却手段(21b)において前記熱媒体により冷却されることを特徴とする燃料供給システム。
  2. 前記熱交換対象物は、空調対象空間に送風される送風空気であることを特徴とする請求項1に記載の燃料供給システム。
  3. 前記液化手段(14)にて生じる熱量を熱源として前記熱交換対象物を加熱する加熱手段(22d)を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の燃料供給システム。
  4. 車両に適用される燃料供給システムであって、
    前記エネルギ出力手段(EG)から出力される前記エネルギは、前記車両の走行に用いられるエネルギであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の燃料供給システム。
  5. 前記熱交換対象物は、車室内に送風される送風空気であり、
    さらに、乗員が前記車室内の目標温度を設定する目標温度設定手段を備え、
    前記第1燃料気化手段(12)にて気化する気化流量は、前記目標温度に応じて決定され、
    前記第2燃料気化手段(13)にて気化する気化流量は、前記エネルギ出力手段(EG)に要求される出力に応じて決定されることを特徴とする請求項4に記載の燃料供給システム。
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