JP2012232924A - 新規なナフチルボロン酸化合物及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物及びその製造法の提供。
【解決手段】下式に示すように、式3で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物と有機リチウム化合物を反応させた後、トリアルキルボレートと反応させ、さらに酸と反応させることによって、式1で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物を効率よく、且つ高選択的に製造することができる。
Figure 2012232924

【選択図】なし

Description

本発明はナフチルボロン酸化合物及びその製造法に関する。さらに詳しくは、医農薬及び電子材料分野で利用される化合物の中間体として利用価値の高い新規ナフチルボロン酸化合物及びその製造法に関する。
芳香族ボロン酸化合物は化学的に安定で取り扱いが容易なため、カップリング反応の試薬として幅広い分野で利用されている。従来公知の芳香族ボロン酸化合物としては、例えば、フェニルボロン酸、o−トリルボロン酸、2−アセチルフェニルボロン酸等、数多くの化合物を挙げることができる。このうち、2−アセチルフェニルボロン酸のようにアシル基を有する芳香族ボロン酸化合物は、カルボニル炭素の反応性を利用することで、他の化合物へ容易に誘導化できるという特長がある。
芳香族ボロン酸化合物は、通常、従来公知の方法(例えば、非特許文献1)で製造されている。具体的には、ハロゲン化芳香族化合物とn−ブチルリチウム等の有機リチウム化合物との反応、続いてトリアルキルボレートとの反応、さらに続いて酸との反応を行うことによって、芳香族ボロン酸化合物が製造されている。
J.Organomet.Chem. 2000年 第611巻 第392貢
アシル基を有するナフチルボロン酸化合物を製造するには、アシルナフタレン化合物のハロゲン化反応(例えば、臭素、N−ハロスクシンイミド等を反応させる)で得られるハロゲン化アシルナフタレン化合物を原料として、前述の反応を行えばよい。しかし、アシルナフタレン化合物のハロゲン化反応では、位置置換異性体や多置換異性体が、多数同時に副生し、目的化合物を単離する為の煩雑な精製工程及び副生成物の処理工程が必要になる。このため、上記した製造方法は、アシル基を有するナフチルボロン酸化合物を製造する方法として、必ずしも合理的とは言えない。そのため、アシル基を有するナフチルボロン酸化合物としては、報告例が少ない。
上記した理由から、アシル基を有するナフチルボロン酸化合物を選択的に効率良く製造する方法、具体的には、1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物及びその製造方法は知られていない。
従って、本発明は1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物を用いることで、一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物を、高選択的に、且つ効率良く製造できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
Figure 2012232924
(式中、R、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基であり、且つRとRの炭素数の合計は0〜17の整数である。また、R及びRは各々独立してナフタレン環に結合して環を形成してもよいし、RとRが直接結合して環を形成してもよい。Rは互いに結合して環を形成しても良い。Rは各々独立して炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリール基、又は炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリールオキシ基を表し、nは0〜3の整数を表す。Rは各々独立して炭素数1〜6の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基を表す。RはLi、MgX又はZnXを表し、Xはハロゲン原子を表す。)
すなわち、本発明は一般式(1)
Figure 2012232924
(式中、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基であり、且つRとRの炭素数の合計は0〜17の整数である。また、R及びRは各々独立してナフタレン環に結合して環を形成してもよいし、RとRが直接結合して環を形成してもよい。Rは各々独立して炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリール基、又は炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリールオキシ基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物及びその製造法に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。
一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物において、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基を表し、且つRとRの炭素数の合計は0〜17の整数である。炭素数1〜17の直鎖アルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘプチル基、n−ウンデシル基、n−ヘプタデシル基等が挙げられる。R及びRは各々独立してArに結合して環を形成することができるが、結合の数に制限は無い。また、結合の位置は、特に制限されない。また、RとRが直接結合して環構造を形成することができる。
一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物において、Rは各々独立して炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリール基、又は炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリールオキシ基を表す。
炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。このうち、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、トリフルオロメチル基が好ましく用いられる。
炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基としては、特に限定されないが、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ステアリルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。このうち、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基が好ましく用いられる。
炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリール基、又は炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリールオキシ基のうち、炭素数1〜6の置換基としては、特に限定されないが、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基等が挙げられ、炭素数4〜14のアリール基としては、特に限定されないが、例えば、フェニル基、ビフェニリル基、ターフェニル基、ナフチル基、フルオレニル基、フェナントリル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、3−キノリル基、4−キノリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−オキサゾリル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾオキサゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2−ベンゾチオフェニル基、3−ベンゾチオフェニル基、2−ベンゾイミダゾリル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基等が挙げられ、炭素数4〜14のアリールオキシ基としては、特に限定されないが、例えば、フェノキシ基、フェニルフェノキシ基、ビフェニルフェノキシ基、ナフトキシ基、フルオレニルオキシ基、フェナントリルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、3−キノリニルオキシ基、4−キノリニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−フリルオキシ基、2−チエニルオキシ基、3−チエニルオキシ基、2−オキサゾリルオキシ基、2−チアゾリルオキシ基、2−ベンゾオキサゾリルオキシ基、2−ベンゾチアゾリルオキシ基、2−ベンゾチオフェニルオキシ基、3−ベンゾチオフェニルオキシ基、2−ベンゾイミダゾリルオキシ基、2−ジベンゾチオフェニルオキシ基、3−ジベンゾチオフェニルオキシ基、2−ジベンゾフラニルオキシ基、3−ジベンゾフラニルオキシ基等が挙げられる。このうち、炭素数1〜6の置換基としては、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基が好ましく用いられ、炭素数4〜14のアリール基としては、フェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基、フルオレニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル基、3−フリル基が好ましく用いられ、炭素数4〜14のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、フェニルフェノキシ基、ナフトキシ基、フルオレニルオキシ基、2−ピリジルオキシ基、3−ピリジルオキシ基、4−ピリジルオキシ基、2−フリルオキシ基、3−フリルオキシ基が好ましく用いられる。ここで、炭素数1〜6の置換基について、置換基の数及び位置は、特に制限されない。
一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物において、nは0〜3の整数を表すが、置換基の位置については、特に制限は無い。
一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物のうち、n=0であるものが好ましい。
一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物は、一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物を出発原料とし、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物を中間体として、全4段階の反応によって合成される。
Figure 2012232924
(式中、R〜Rは一般式(1)と同じ基を表す。nは0〜3の整数を表す。Rは各々独立して炭素数1〜6の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基を表す。RはLi、MgX又はZnXを表し、Xはハロゲン原子を表す。Rは互いに独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基を表す。)
一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物、一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物、及び一般式(5)で表されるナフタレンボロン酸エステル化合物において、Rで表される置換基の数(n)及び位置については、一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物と同じになる。
一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物、及び一般式(5)で表されるナフタレンボロン酸エステル化合物において、Rは各々独立して炭素数1〜6の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基を表す。炭素数1〜6の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物において、RはLi、MgX又はZnXを表し、Xはハロゲン原子を表す。ハロゲン原子としては、特に限定されないが、例えば、塩素、臭素、ヨウ素が好ましい。
一般式(5)で表されるナフチルボロン酸エステル化合物において、Rは各々独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基を表す。炭素数1〜17の直鎖アルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘプチル基、n−ウンデシル基、n−ヘプタデシル基等が挙げられる。Rは、互いに結合して環を形成することもできる。
一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物は、市販の試薬をそのまま用いるか、塩化アルミニウム等のルイス酸存在下、ナフタレン化合物と、カルボン酸ハロゲン化物(例えば、塩化アセチル、臭化アセチル等)を反応させることにより合成したものを用いることもできる(フリーデル・クラフツ アルカノイル化反応、例えば、非特許文献2参照)。
The Journal of Organic Chemistry, 2004年 第69巻 第6953〜6956貢 一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物としては、特に限定されないが、例えば、1−アセチルナフタレン、1−プロパノイルナフタレン、1−ブタノイルナフタレン、1−バレリルナフタレン、1−ヘキサノイルナフタレン、1−アセチル−4−メトキシナフタレン、1−アセチル−4−エトキシナフタレン、1−アセチル−4−メチルナフタレン、1−アセチル−8−メトキシナフタレン、1−アセチル−8−エトキシナフタレン、アセナフテン−1−オン、2,3−ジヒドロ−1H−フェナレン−1−オン、2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H−フェナレン−1−オン、5,8−ジ−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−1H−フェナレン−1−オン、8−(ジヒドロキシボリル)アセナフテン−1−オン、9−(ジヒドロキシボリル)−2,3−ジヒドロ−1H−フェナレン−1−オン、9−(ジヒドロキシボリル)−2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H−フェナレン−1−オン、9−(ジヒドロキシボリル)−5,8−ジ−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−1H−フェナレン−1−オン等が挙げられる。
一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物は、公知のエノールシリルエーテル化法(例えば、非特許文献3)を用いて合成することができる。具体的には、塩基存在下、一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物とシリル化剤とを反応させる(第1段階)ことによって合成することができる(例えば、非特許文献3参照)。
The Journal of Organic Chemistry,1976年,第41巻,第20号,第3307貢 エノールシリルエーテル化反応に用いる塩基としては、特に限定されないが、例えば、水素化ナトリウム、水素化カリウム等のアルカリ金属水素化物、リチウムジエチルアミド、リチウム(イソプロピル)シクロヘキシルアミド、リチウム−ビス(ジメチルシリル)アミド、リチウムジイソプロピルアミド、トリフェニルメタンリチウム、リチウム(2,2,6,6−テトラメチル)ピペリジンアミド等の有機金属塩基類が挙げられる。これらの塩基は市販の試薬をそのまま使用することができる。塩基の使用量としては、特に限定されないが、例えば、一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物1モルに対し0.9〜5倍モルの範囲から選ばれ、0.9〜2倍モルの範囲が好ましい。0.9〜5倍モルの範囲であれば反応が十分進行し、0.9〜2倍モルの範囲であれば経済的にも好ましい。
エノールシリルエーテル化反応に用いるシリル化剤としては、特に限定されないが、例えば、クロロトリメチルシラン、クロロトリエチルシラン、クロロ−tert−ブチルジメチルシラン、クロロトリイソプロピルシラン等が挙げられる。これらのシリル化剤は市販の試薬をそのまま用いることができる。シリル化剤の使用量としては、特に限定されないが、例えば、一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物1モルに対し0.9〜5倍モルの範囲から選ばれ、0.9〜2倍モルの範囲が好ましい。0.9〜5倍モルの範囲であれば反応が十分進行し、0.9〜2倍モルの範囲であれば経済的にも好ましい。
エノールシリルエーテル化反応に用いるシリル化剤は溶媒に溶解して使用することもできるし、そのまま使用することもできる。溶解して使用する場合は、一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物を溶解した溶媒と同じ溶媒を用いることが好ましい。
エノールシリルエーテル化反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に制限は無いが、ヘキサン、シクロヘキサン等の炭化水素溶媒又は、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、シクロペンチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒が好ましく用いられる。反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物に対し、通常、1〜40重量比である。
エノールシリルエーテル化反応の反応温度は、−78〜100℃の範囲が好ましく、操作性及び経済性の点で−10〜50℃がより好ましい。
エノールシリルエーテル化反応の反応時間は、一般式(2)で表される1−アシルナフタレン化合物、塩基及びシリル化剤の濃度、並びに反応温度等によって変化するが、通常、数分〜24時間の範囲から選ばれる。
以上の反応で合成される一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物は、分液操作によって、反応液中の他の成分から分離することができる。さらに、蒸留等の操作により高純度に精製することができる。
一般式(1)で表される芳香族ボロン酸化合物は、一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物を原料として、有機リチウム試薬との反応(第2段階)、トリアルキルボレートとの反応(第3段階)、酸との反応(第4段階)、の3段階の反応によって合成される。この一連の反応は、通常、各反応段階での生成物の単離精製を伴わずに行われる(ワンポット合成)。
有機リチウム試薬との反応(第2段階)では、一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物と一般公知の有機リチウム試薬を反応させることによって、Rがリチウムである一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物が合成される。この反応においては、驚くべきことに、ナフタレン環の2位の水素を選択的にリチウムに交換することができる。
有機リチウム試薬としては、特に限定されないが、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム等が挙げられる。これらは市販の試薬を利用することもできるし、任意の有機ハロゲン化合物と金属リチウムから調製したものを用いることもできる。
有機リチウム試薬の使用量としては、特に限定されないが、例えば、一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物1モルに対して0.9〜10倍モルの範囲から選ばれ、0.9〜5倍モルの範囲が好ましい。0.9〜10倍モルの範囲であれば反応が十分進行し、0.9〜5倍モルの範囲であれば経済的にも好ましい。
有機リチウム化合物との反応には、テトラメチルエチレンジアミン、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の3級アミン類を添加することもできる。3級アミンは有機リチウム化合物の反応活性を上げる働きがある。3級アミンの添加量は、特に限定されないが、例えば、上記有機リチウム化合物に対して0.5〜5倍モル、好ましくは0.9倍モル〜2倍モルの範囲から選ばれる。
有機リチウム試薬との反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に制限は無いが、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒又はヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒が好ましく用いられる。有機溶媒は予め脱水されたものを用いることが好ましい。反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物に対し、通常、1〜40重量比である。
有機リチウム試薬との反応における反応温度は、−78〜100℃の範囲が好ましく、操作性及び経済性の点で−40〜80℃がより好ましい。
有機リチウム試薬との反応における反応時間は、一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物、3級アミン及び有機リチウム試薬の濃度、並びに反応温度等によって変化するが、通常、数分〜24時間の範囲から選ばれる。
以上の操作によって、Rがリチウムである一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物が合成される。
さらに、Rがリチウムである一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物と、塩化マグネシウム、臭化マグネシウムなどのマグネシウム塩類又は塩化亜鉛、臭化亜鉛などの亜鉛塩類とを反応させることで、対応するナフタレンマグネシウム化合物又はナフタレン亜鉛化合物を合成することができる。すなわち、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物を合成することができる。
がリチウムである一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物と、マグネシウム塩類又は亜鉛塩類との反応は、通常、Rがリチウムである一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物が生成した反応液に、マグネシウム塩類又は亜鉛塩類を添加することによって行われる。
がリチウムである一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物と、マグネシウム塩類又は亜鉛塩類との反応における反応温度は、−78〜100℃の範囲が好ましく、操作性及び経済性の点で−40〜80℃がより好ましい。
がリチウムである一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物と、マグネシウム塩類又は亜鉛塩類との反応における反応時間は、通常、数分〜24時間の範囲である。
一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物は、単離するのは困難であるが、ナフタレン金属化合物と反応を起こさない有機溶媒中、不活性ガス雰囲気下、冷暗所で長期間保存することができる。すなわち、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物は、合成された溶媒中、溶液として、不活性ガス雰囲気下、冷暗所で長期間保存することが可能である。また、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物が得られた反応液と別の溶媒とを混合して混合溶媒中で長期保存することもできる。
従って、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物は、当該ナフタレン金属化合物と反応するものでなければ特に制限は無いが、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒又はヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒等の有機溶媒中、あるいは当該有機溶媒からなる群より選ばれる複数の有機溶媒からなる混合溶媒中、溶液として得ることができる。
一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物は、他の化合物に誘導化することで同定することができる。例えば、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物と水又はアルコール類を反応させると、Rが水素に置換された誘導体物が得られる、ジメチルホルムアミドを反応させると、Rがホルミル基に置換された誘導体が得られる、トリアルキルボレートを反応させると、Rがボロン酸エステル基に置換された誘導体が得られる。
引き続き行われるトリアルキルボレートとの反応(第3段階)は、トリアルキルボレートと一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物が生成した反応液とを接触させることにより行われる。
トリアルキルボレートとしては、特に限定されないが、例えば、トリメチルボレート、トリエチルボレート、トリイソプロピルボレート、トリ−n−アミルボレート、トリブチルボレート、2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン等が挙げられる。トリアルキルボレートの使用量は、特に限定されないが、例えば、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物1モルに対して0.9〜10倍モルの範囲から選ばれ、0.9〜3倍モルの範囲が好ましい。0.9〜10倍モルの範囲であれば反応が十分に進行し、0.9〜3倍モルの範囲であれば経済性にも好ましい。
トリアルキルボレートとの反応において、トリアルキルボレートは有機溶媒に溶解して用いることもできる。有機溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に制限は無いが、ジエチルエーテル、THF、ジオキサン等のエーテル系溶媒又はヘキサン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒が好ましく用いられる。当該有機溶媒は予め脱水されたものを用いることが好ましい。これらのうち、有機リチウム試薬との反応(第2段階)で用いられた有機溶媒をそのまま用いることが特に好ましい。反応溶媒の使用量は、特に限定されないが、トリアルキルボレートに対し、通常、1〜10重量比の範囲である。
トリアルキルボレートとの反応は、通常、有機溶媒中で行われる。有機溶媒としては、反応を阻害するものでなければ特に制限は無いが、通常、有機リチウム試薬との反応(第2段階)で用いた溶媒がそのまま用いられる。
トリアルキルボレートとの反応における反応温度は、−78〜100℃の範囲が好ましく、実験操作や経済性の点で−20〜50℃がより好ましい。
トリアルキルボレートとの反応における反応時間は、一般式(4)で表されるナフタレン金属化合物及びトリアルキルボレートの濃度、並びに反応温度等によって変化するが、通常、数分〜24時間の範囲である。
以上の反応によって、一般式(5)で表されるナフチルボロン酸エステル化合物が合成される。
さらに上記で得られた一般式(5)で表されるナフチルボロン酸エステル化合物を有する反応液と酸を接触させる(第4段階)ことで、ナフチルボロン酸エステル化合物のボロン酸エステル基及びシリルエーテル基が加水分解され、一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物が得られる。
一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物としては、特に限定されないが、例えば、1−アセチルナフタレン−2−イルボロン酸、1−プロピオニルナフタレン−2−イルボロン酸、1−ブチリルナフタレン−2−イルボロン酸、1−バレリルナフタレン−2−イルボロン酸、1−ヘキサノイルナフタレン−2−イルボロン酸、1−アセチル−4−メトキシナフタレン−2−イルボロン酸、1−アセチル−4−エトキシナフタレン−2−イルボロン酸、1−アセチル−4−メチルナフタレン−2−イルボロン酸、1−アセチル−8−メトキシナフタレン−2−イルボロン酸、1−アセチル−8−エトキシナフタレン−2−イルボロン酸、8−(ジヒドロキシボリル)アセナフテン−1−オン、9−(ジヒドロキシボリル)−2,3−ジヒドロ−1H−フェナレン−1−オン、9−(ジヒドロキシボリル)−2,3−ジヒドロ−4−メチル−1H−フェナレン−1−オン、9−(ジヒドロキシボリル)−5,8−ジ−tert−ブチル−2,3−ジヒドロ−1H−フェナレン−1−オン等が挙げられる。
酸としては、特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等の無機酸を挙げることができる。
酸は、通常、水溶液として用いることができる。その酸濃度は、特に限定するものではないが、0.01〜5mol/Lの範囲が好ましい。
酸の使用量は、反応に使用した化合物の量により変化するため、特に限定するものではないが、一般式(5)で表されるナフチルボロン酸エステル化合物が得られた反応液が酸性になるまで添加することが好ましい。
酸との反応における反応温度としては、特に限定されないが、0〜50℃が好ましい。
酸との反応における反応時間としては、特に限定されないが、数分〜24時間が好ましい。
以上の反応により合成される一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物は、抽出、再結晶、シリカゲルクロマトグラフィー等の操作により単離精製することができる。
本発明の一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物は、鈴木−宮浦反応に供することが出来るため、医農薬及び電子材料分野において有用な化合物の原料として用いられる。また、本発明の一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物を利用することによって、従来知られていない構造的特徴を有する新規な医農薬及び電子材料の合成が可能になる。従って、本発明の芳香族ボロン酸化合物は工業的に重要な化合物である。
一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物は新規化合物であり、医農薬及び電子材料の中間体として非常に有用である。具体的には、一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物上のカルボニル基の反応性を利用することによって、従来知られていない医農薬及び電子材料を製造することが可能になる。
また、本発明の製造方法を用いれば、一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物を高選択的に、且つ効率よく製造することができる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定して解釈されるものではない。
H,13C−NMR測定]
測定装置:バリアン社製 Gemini200
[ガスクロマトグラフィー測定]
装置:島津製作所製 GC−17A
カラム:キャピラリーカラム(GL Science社製 NB−5)
キャリアガス:ヘリウム
カラム温度:150℃→10℃/min → 300℃
インジェクション:280℃
検出器:FID
合成例1 (α−トリメチルシリルオキシ−1−ビニルナフタレンの合成)
リチウムジイソプロピルアミド 65mL(1.1Mヘキサン−THF混合溶液、72mmol)が入った200mLナス型フラスコに、氷浴下、1−アセチルナフタレン 10g(58.8mmol)を含むTHF溶液 28gを滴下し、同温度で1時間攪拌した。次に、氷浴下、クロロトリメチルシラン 9.2mLを加え、同温度で0.5時間、さらに室温で1.5時間攪拌したのち、5%炭酸水素ナトリウム水溶液 70mLを添加し反応を終了した。得られた反応液は、分液ロートに移し、トルエンで有機層を抽出した。有機層は、飽和食塩水で洗浄したのち硫酸マグネシウムで乾燥した。
溶媒を留去した濃縮液を減圧蒸留(90℃/0.5torr)で精製することにより、14.4gの無色油状物を得た。
H,13C−NMRによりα−トリメチルシリルオキシ−1−ビニルナフタレンの合成(目的化合物A)であることを確認した。
H−NMR(CDCl)δ:8.30−8.35(m,1H),7.80−7.87(m,2H),7.39−7.56(m,4H),4.77(d,J=1Hz,1H),4.63(d,J=1Hz,1H),0.16(s,9H)
13H−NMR(CDCl)δ:156.84,137.17,133.57,130.89,128.55,128.05,126.17,126.09,125.86,125.62,124.96,96.59,0.24
Figure 2012232924
実施例1 (2−(1−アセチル)ナフチルボロン酸の合成)
200mLナス型フラスコにテトラメチルエチレンジアミン 5.22g(44.9mmol)を加え、氷浴下、n−ブチルリチウム−ヘキサン溶液 28mL(1.6M,44.8mmol)を加えた。同温度で、合成例1で得られたα−トリメチルシリルオキシ−1−ビニルナフタレン 5.45g(22.5mmol)とヘキサン 30mLからなる混合溶液を滴下したのち、室温で17時間攪拌した。次に、トリメチルボレート 4.35g(41.9mmol)とテトラハイドロフラン 30mLからなる混合溶液を滴下し、室温で2時間攪拌した。
3.5%塩酸水溶液 70mLを加え、pH=6として反応を終了した。
反応液を分液ロートに移し、有機相を抽出した。有機相は、飽和食塩水、硫酸マグネシウムで処理したのち、濃縮及び真空乾燥することで4.65gの褐色粘性油状物を得た。得られた褐色粘性油状物に、ヘキサン 70mLを加えることにより2.38gの淡褐色粉末が得られた。
ここで得られた淡褐色粉末の元素分析を行ったところ、得られた化合物はホウ素元素を含有することが確認された。従って、目的化合物である2−(1−アセチル)ナフチルボロン酸が合成されたと考えられる。
さらに、得られた淡褐色粉末を後述の方法で2’−(4−クロロフェニル)−1’−アセトナフトンに誘導し、そのH−,及び13C−NMRを比較した結果、淡褐色粉末は、目的とする2−(1−アセチル)ナフチルボロン酸であると同定した。
<2’−(4−クロロフェニル)−1’−アセトナフトンへの誘導方法>
100mLナス型フラスコに、実施例1で得られた2−(1−アセチル)ナフチルボロン酸 2.05g(9.34mmol)、p−ブロモクロロベンゼン 1.87g(1.05倍当量)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム 0.10g、テトラハイドロフラン 20mL及び20wt%炭酸ナトリウム水溶液 12.4gを加え、還流下、15時間攪拌した。反応液を室温まで冷却後、有機層をトルエンで抽出した。有機相を、水、飽和食塩水で洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥した。有機相を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(展開液:ヘキサン/トルエン=2/1体積比)にて精製することにより、淡黄色の結晶を得た。
この結晶のH−び13C−NMRは、WO2007119800号公報で報告されている2’−(4−クロロフェニル)−1’−アセトナフトンものと一致した。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物。
    Figure 2012232924
    (式中、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基であり、且つRとRの炭素数の合計は0〜17の整数である。また、R及びRは各々独立してナフタレン環に結合して環を形成してもよいし、RとRが直接結合して環を形成してもよい。Rは各々独立して炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリール基、又は炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリールオキシ基を表し、nは0〜3の整数を表す。)
  2. 請求項1において、n=0であることを特徴とする、1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物。
  3. 一般式(5)で表されるナフチルボロン酸エステル化合物と酸を反応させること特徴とする、一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物の製造方法。
    Figure 2012232924
    (式中、R、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基であり、且つRとRの炭素数の合計は0〜17の整数である。また、R及びRは各々独立してナフタレン環に結合して環を形成してもよいし、RとRが直接結合して環を形成してもよい。Rは互いに結合して環を形成しても良い。Rは各々独立して炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリール基、又は炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリールオキシ基を表し、nは0〜3の整数を表す。Rは各々独立して炭素数1〜6の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基を表す。RはLi、MgX又はZnXを表し、Xはハロゲン原子を表す。)
  4. 一般式(3)で表されるナフタレンエノールシリルエーテル化合物と有機リチウム化合物を反応させた後、トリアルキルボレートと反応させ、さらに酸と反応させること特徴とする、一般式(1)で表される1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物の製造方法。
    Figure 2012232924
    (式中、R、R及びRは各々独立して水素原子又は炭素数1〜17の直鎖アルキル基であり、且つRとRの炭素数の合計は0〜17の整数である。また、R及びRは各々独立してナフタレン環に結合して環を形成してもよいし、RとRが直接結合して環を形成してもよい。Rは互いに結合して環を形成しても良い。Rは各々独立して炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基、炭素数1〜18の直鎖、分岐若しくは環状のアルコキシ基、炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリール基、又は炭素数1〜6の置換基を有してもよい炭素数4〜14のアリールオキシ基を表し、nは0〜3の整数を表す。Rは各々独立して炭素数1〜6の直鎖、分岐若しくは環状のアルキル基を表す。RはLi、MgX又はZnXを表し、Xはハロゲン原子を表す。)
  5. 請求項3又は4において、n=0であることを特徴とする、1−アシルナフタレン−2−イルボロン酸化合物の製造方法。
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