JP2012232632A - ドアフレーム構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】 部品点数が低減され、且つドアフレームとドアガーニッシュとの組み付け工数を短縮し得るドアフレーム構造体を提供すること。
【解決手段】 スタッドピン44は、頭部441および頭部441に連結され頭部441の径よりも小径の軸部442を有し、軸部442側がドアフレーム41に連結されることにより頭部441がドアフレーム41から突出するようにドアフレーム41に設けられている。また、ドアガーニッシュ42には、スタッドピン44の頭部441の径よりも大きい径を有する大径孔部423aおよび大径孔部423aに連通して形成されスタッドピン44の頭部441の径よりも小さく軸部442の径よりも大きい径を有する小径孔部423bとを有する係合孔部423が形成されている。スタッドピン44の軸部442が係合孔部423の小径孔部423bを挿通した状態でドアガーニッシュ42がスタッドピン44と係合する。
【選択図】 図2
【解決手段】 スタッドピン44は、頭部441および頭部441に連結され頭部441の径よりも小径の軸部442を有し、軸部442側がドアフレーム41に連結されることにより頭部441がドアフレーム41から突出するようにドアフレーム41に設けられている。また、ドアガーニッシュ42には、スタッドピン44の頭部441の径よりも大きい径を有する大径孔部423aおよび大径孔部423aに連通して形成されスタッドピン44の頭部441の径よりも小さく軸部442の径よりも大きい径を有する小径孔部423bとを有する係合孔部423が形成されている。スタッドピン44の軸部442が係合孔部423の小径孔部423bを挿通した状態でドアガーニッシュ42がスタッドピン44と係合する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両のドアフレームと、このドアフレームに取り付けられるドアガーニッシュとを備えるドアフレーム構造体に関する。
車両のドアパネルから延設されたドアフレームは、車両ドアの窓枠を構成する。このドアフレームとドアフレームに取り付けられるドアガーニッシュとを備えるドアフレーム構造体が知られている。
特許文献1は、車両のドアサッシュとこのドアサッシュに取り付けられるドアガーニッシュとを備える構造体を開示する。この構造体によれば、ドアサッシュにドアガーニッシュを取り付けるためのブラケットが装着される。このブラケットに二箇所の取付部が形成されており、一方の取付部にドアアウタガーニッシュが、他方の取付部にドアインナガーニッシュが、それぞれビスやクリップ等の締結手段を介して取り付けられる。
(発明が解決しようとする課題)
特許文献1に記載の構造体によれば、ドアガーニッシュをドアサッシュに取り付けるためのブラケットが必要であるため、組み付け時に必要な部品点数が多いという問題点を有する。また、締結手段によるドアサッシュとドアガーニッシュとの組み付けに時間を要する。特に締結箇所が複数である場合、部品点数がさらに増大するとともに組み付け工数が増大し、生産性の低下を招くという問題が生じる。
特許文献1に記載の構造体によれば、ドアガーニッシュをドアサッシュに取り付けるためのブラケットが必要であるため、組み付け時に必要な部品点数が多いという問題点を有する。また、締結手段によるドアサッシュとドアガーニッシュとの組み付けに時間を要する。特に締結箇所が複数である場合、部品点数がさらに増大するとともに組み付け工数が増大し、生産性の低下を招くという問題が生じる。
本発明は、部品点数が低減され、且つドアフレームとドアガーニッシュとの組み付け工数を短縮し得るドアフレーム構造体を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段)
本発明は、車両のドアパネルから延設されたドアフレームと、頭部および前記頭部に連結され前記頭部の径よりも小径の軸部を有し、前記軸部側が前記ドアフレームに連結されることにより前記頭部が前記ドアフレームから突出するように前記ドアフレームに設けられたスタッドピンと、前記頭部の径よりも大きい径を有する大径孔部および前記大径孔部に連通して形成され前記頭部の径よりも小さく前記軸部の径よりも大きい径を有する小径孔部とを有する係合孔部が形成され、前記スタッドピンの前記軸部が前記係合孔部の前記小径孔部を挿通した状態で前記スタッドピンと係合することにより、前記ドアフレームに取り付けられるドアガーニッシュと、を備えるドアフレーム構造体を提供する。
本発明は、車両のドアパネルから延設されたドアフレームと、頭部および前記頭部に連結され前記頭部の径よりも小径の軸部を有し、前記軸部側が前記ドアフレームに連結されることにより前記頭部が前記ドアフレームから突出するように前記ドアフレームに設けられたスタッドピンと、前記頭部の径よりも大きい径を有する大径孔部および前記大径孔部に連通して形成され前記頭部の径よりも小さく前記軸部の径よりも大きい径を有する小径孔部とを有する係合孔部が形成され、前記スタッドピンの前記軸部が前記係合孔部の前記小径孔部を挿通した状態で前記スタッドピンと係合することにより、前記ドアフレームに取り付けられるドアガーニッシュと、を備えるドアフレーム構造体を提供する。
本発明のドアフレーム構造体によれば、ドアフレームにスタッドピンが設けられている。また、ドアガーニッシュには係合孔部が形成されている。係合孔部は大径孔部およびこの大径孔部に連通して形成された小径孔部とを有する。大径孔部はスタッドピンの頭部の径よりも大きい径を有する。小径孔部はスタッドピンの頭部の径よりも小さく軸部の径よりも大きい径を有する。ドアガーニッシュをドアフレームに取り付ける際には、まず、ドアフレームに設けられたスタッドピンがドアガーニッシュの係合孔部の大径孔部を挿通するようにドアガーニッシュをドアフレームに近接させる。その後、スタッドピンの軸部が係合孔部の小径孔部を挿通する状態となるようにドアガーニッシュをドアフレームに対してスライドさせる。このスライド動作によってスタッドピンの軸部が小径孔部を挿通した状態とされた場合、スタッドピンの軸部に沿った方向であってドアフレームから離間する方向へのドアガーニッシュの移動に対して上記小径孔部よりも大きい径を有するスタッドピンの頭部がドアガーニッシュに干渉することにより、ドアガーニッシュの上記方向への移動が規制される。このような移動規制によってドアガーニッシュがスタッドピンに係合される。ドアガーニッシュがスタッドピンに係合されることにより、ドアガーニッシュがドアフレームに取り付けられる。
このように、ドアフレームにドアガーニッシュを近接させ、その後ドアフレームに対してドアガーニッシュをスライドさせるという一連の動作により、簡単にドアフレームにドアガーニッシュを取り付けることができる。したがって、ビスやクリップ等を用いてドアフレームとドアガーニッシュとを連結するといった従来の組み付け方法と比較して組み付け工数が低減され、その結果、生産性が向上する。また、ドアフレームにスタッドピンが設けられているので、別途締結手段やブラケットを準備する必要がない。その結果、ドアフレーム構造体を組み付ける際に必要な部品点数を低減することができる。
前記ドアフレームは、その延設方向に垂直な断面が閉断面となるように形成された袋部と、前記延設方向に沿って前記袋部に連結し前記袋部から車両外方に突出して形成されたフランジ部とを有するのがよい。そして、前記スタッドピンが前記袋部に形成されているのがよい。これによれば、袋部とフランジ部とを有するドアフレームの袋部に設けられたスタッドピンにドアガーニッシュが係合することにより、ドアガーニッシュがドアフレームの袋部に取り付けられる。一般にドアフレームのフランジ部にはモール等の他の装飾部品が取り付けられる場合が多い。したがって、ドアフレームの袋部にスタッドピンを設け、この部分にドアガーニッシュを取り付けることにより、ドアフレーム周りのスペースの有効利用を図ることができるとともに、ドアフレームのフランジ部にモール等の他の装飾部品を取り付けることができる。
この場合、複数の前記スタッドピンが前記袋部に設けられ、複数の前記係合孔部が複数の前記スタッドピンの前記袋部上での形成位置に対応するように、前記ガーニッシュに形成されているとよい。これによれば、ドアフレームの袋部の複数箇所に設けられたスタッドピンがドアガーニッシュに係合するので、ドアガーニッシュがドアフレームに対して回転することが防止される。
前記ドアガーニッシュは、車両の外装部品としてのドアアウタガーニッシュと車両の内装部品としてのドアインナガーニッシュとを備えるのがよい。さらに、ドアアウタガーニッシュとドアインナガーニッシュは、前記ドアフレームに取り付けられる前に予め連結されているのがよい。この場合、係合孔部はドアインナガーニッシュに形成されていてもよいしドアアウタガーニッシュに形成されていてもよい。尚、スタッドピンがドアフレームの袋部に設けられている場合は、スペースの有効利用との観点からすれば係合孔部はドアアウタガーニッシュよりも車両内方に配置されるドアインナガーニッシュに形成されているとよい。
この場合、本発明のドアフレーム構造体は、前記フランジ部に取り付けられるドアサッシュモールと、前記ドアサッシュモールに取り付けられ、前記ドアサッシュモールと前記ドアアウタガーニッシュとの間の隙間をシールするシールリップモールと、をさらに備えるとよい。これによれば、フランジ部にサッシュモールを取り付けることにより、車両の意匠性を向上させることができる。また、シールリップモールにより、サッシュモールとドアアウタガーニッシュとの間の隙間からの雨滴等の異物の進入が防止される。
また、前記ドアガーニッシュは、前記スタッドピンが前記係合孔部の前記大径孔部を挿通するように前記ドアフレームに近接された後に、前記スタッドピンの前記軸部が前記係合孔部の前記小径孔部を挿通するように前記ドアフレームに対してスライドされることにより、前記スタッドピンに係合されるものであるとよい。
また、前記ドアガーニッシュは前記ドアパネルに固定されているのがよい。特に、前記ドアガーニッシュは、上記スライド動作によって前記スタッドピンと係合された後に前記ドアパネルに固定されるのがよい。上記のようにドアフレームにドアガーニッシュを近接させ、その後ドアフレームに対してドアガーニッシュをスライドさせることによってスタッドピンをドアガーニッシュに係合させた場合、上記スライド方向と反対の方向にドアガーニッシュがドアフレームに対して動くことにより上記係合が解消されるおそれがある。この点に関し、ドアガーニッシュをスタッドピンに係合させた後にドアガーニッシュをドアパネルに固定することで、ドアガーニッシュがスライド方向と反対の方向に移動して上記係合が解消されることが防止される。なお、この場合、ドアガーニッシュをドアパネルに固定するための締結部品が必要であるが、この固定は1箇所で足りるので、従来のように複数箇所でドアガーニッシュをドアフレーム等に締結する場合と比較して、部品点数が低減されるとともに、組み付け工数も低減される。
また、前記小径孔部の径は、前記スタッドピンの前記軸部の径と等しいか、僅かに大きい程度であると良い。これによれば、スタッドピンの軸部が小径孔部を挿通する状態となるようにドアガーニッシュがドアフレームに対してスライドされたときに、スタッドピンの軸部が小径孔部に嵌合することによって、ドアフレームに対するドアガーニッシュのガタつきが防止される。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係るドアフレーム構造体を備える車両ドアVDを部分的に示す図である。この車両ドアVDは車体の側方部に開閉可能に取り付けられる。図に示す車両ドアVDは、車両の後部座席の乗降のために開閉する後部車両ドアである。車両ドアVDは、ドアパネル1と、前部ドアフレーム構造体2と、上部ドアフレーム構造体3と、後部ドアフレーム構造体4とを備える。
ドアパネル1は、車両ドアVDの外板部材であるドアアウタパネル11と後部車両ドアVDの内板部材であるドアインナパネルとを備える。ドアアウタパネル11とドアインナパネルは対面配置される。前部ドアフレーム構造体2は、その図示下端部がドアパネル1の車両前方部位に連結され、連結部から図において上方に延設するように長尺状に形成される。一方、後部ドアフレーム構造体4は、その図示下端部がドアパネル1の車両後方部位に連結され、連結部から上方に延設されている。上部ドアフレーム構造体3は車両前後方向に延設するように長尺状に形成され、その車両前方端部にて前部ドアフレーム構造体2の上端部に連結され、その車両後方端部にて後部ドアフレーム構造体4の上端部に連結される。後部ドアフレーム構造体4が、本発明のドアフレーム構造体に相当する。
また、ドアパネル1内にドアウインドガラスが格納可能に設置される。このドアウインドガラスは、ドアパネル1の図示上端からドアパネル1、前部ドアフレーム構造体2、上部ドアフレーム構造体3、後部ドアフレーム構造体4で囲まれた部分(窓部)に進退可能に構成される。ドアウインドガラスが完全に窓部に進入したときに、窓部がドアウインドガラスにより塞がれる。
図2は、図1のII−II断面図、図3は図1のIII−III断面図、図4は図1のIV−IV断面図である。これらの図は後部ドアフレーム構造体4の断面形状を示す。図1〜図4に示すように、後部ドアフレーム構造体4は、ドアフレーム41と、ドアガーニッシュ42と、ドアサッシュモール43とを備える。
ドアフレーム41は後部ドアフレーム構造体4の骨格をなし、図1に示すようにドアパネル1の車両後方端から上方に延設するように長尺状に形成される。ドアフレーム41の一端(図1において下端)がドアパネル1のドアインナパネルに固定される。
ドアフレーム41は、一枚の金属鋼板を折り曲げることにより形成される。図2に示すように、ドアフレーム41は、袋部411およびフランジ部412を有する。袋部411はドアフレーム41の延設方向に沿って柱状に形成され、その延設方向に垂直な断面(図2に示す断面)が閉断面をなす。フランジ部412は、上記一枚の金属鋼板のうち柱状に折り曲げて形成された袋部411に続く部分により形成される。フランジ部412は、ドアフレーム41の延設方向に沿って袋部411に連結し、袋部411から車両外方側に突出するように形成される。
袋部411は、図2に示すように、車両外方側に配置され図2の断面において車両前後方向に延びる外方部411aと、車両前方側に配置され外方部411aの車両前方端から車両内方側に延びる前方部411bと、車両内方側に配置され前方部411bの車両内方端から車両後方側に延びる内方部411cと、車両後方側に配置され内方部411cの車両後方端から車両外方に延びる後方部411dとを有する。
また、フランジ部412は、一枚の金属鋼板のうち袋部411の後方部411dから車両外方に延びた部分と、その部分の車両外方端から車両内方に折り返された部分と、袋部411の外方部411aから車両外方に延びた部分(端部)とからなる。袋部411の外方部411aから車両外方に延びた端部は、袋部411の後方部411dから車両外方に延びた部分とその部分の車両外方端から車両内方に折り返された部分との間に挟まれる。したがって、フランジ部412は、3枚の金属板を積層した構造を有する。
このような構造のドアフレーム41は、図1に示すように、その下端部がドアパネル1の車両後方端部に連結され、その連結部から上方に延設している。また、ドアフレーム41は、その上端が下端に対して車両前方に位置するように傾斜している。このように傾斜配置したドアフレーム41の上下方向中央部分から下方の部分に隣接してドアガーニッシュ42が配設される。
ドアガーニッシュ42は、図2に示すようにドアアウタガーニッシュ421とドアインナガーニッシュ422を備える。ドアアウタガーニッシュ421は車両を外部から見たときの意匠性を高める外装部品であり、車体の外方に配設される。ドアインナガーニッシュ422は車両を内部から見たときの意匠性を高める内装部品であり、ドアアウタガーニッシュ421に対面した状態で車体の内方に配設される。図5はドアガーニッシュ42を示す図である。図1および図5に示すように、ドアガーニッシュ42(ドアアウタガーニッシュ421およびドアインナガーニッシュ422)は三角形状に形成される。
また、図2〜図4に示すように、ドアアウタガーニッシュ421およびドアインナガーニッシュ422の車両後方側の縁辺部421a,422aが互いに付き合わされており、この付き合わされた部分のうちの複数箇所(例えば図5において符号Aにより示された箇所)にて、熱カシメ等によってドアアウタガーニッシュ421とドアインナガーニッシュ422が接合される。なお、図4は、ドアアウタガーニッシュ421の縁辺部421aとドアインナガーニッシュ422の縁辺部422aが接合されている部分が示された断面図である。
ドアインナガーニッシュ422の図1において下方端部はドアパネル1にまで延びていて、その延在位置にてドアパネル1に固定される。図6は図1のVI−VI断面図である。図6に示すように、ドアパネル1は対向配置されたドアアウタパネル11とドアインナパネル12とを備える。また、ドアインナガーニッシュ422の図1における下方端部には、車両内方に向かって立設されたボス422bが形成されている。一方、ドアインナパネル12のうちボス422bの開口面に対面する部分に貫通孔12aが形成されている。そして、ビスBが貫通孔12aを通過してボス422bに螺合される。このようにしてビスBを介してドアガーニッシュ42がドアインナパネル12に締結固定される。なお、ドアガーニッシュ42は、ドアアウタパネル11とドアインナパネル12との間に配設されるドアアウタリンホースR等の部材に連結されていても良い。
また、図2に示すように、ドアアウタガーニッシュ421の車両前方端部とドアインナガーニッシュ422の車両後方端部との間にガラスラン支持部(C−チャンネル)5が配設される。このガラスラン支持部5はドアアウタガーニッシュ421およびドアインナガーニッシュ422の車両前方側の縁辺に沿って長尺状に形成され、長手方向に垂直な断面が図に示すように車両前方に開口したC型形状を呈している。このガラスラン支持部5はドアアウタガーニッシュ421に取り付けられる。図3にはドアアウタガーニッシュ421へのガラスラン支持部5の取付状態が示される。この図3に示すように、ドアアウタガーニッシュ421には、ガラスラン支持部5の底面に向かって立設したボス421bが形成されており、タッピングスクリュー等の締結部材Tがガラスラン支持部5の底面を貫通してボス421bに螺合されることにより、ガラスラン支持部5がドアアウタガーニッシュ421に取り付けられる。ガラスラン支持部5に囲まれた空間内には図示しないガラスランが配設され、このガラスランによりドアウインドガラスDW(図2参照)の端部が支持される。ガラスラン支持部5に配設されたガラスランがドアウインドガラスDWの端部を支持することで、ドアウインドガラスDWの進退動作がガイドされる。
また、ドアフレーム41のフランジ部412にドアサッシュモール43が取り付けられる。ドアサッシュモール43は車両の外装部品であり、第1側壁部431と、第2側壁部432と、第3側壁部433とを有する。第1側壁部431は、図2に示すようにフランジ部412の車両後方側に対面配置され、ドアフレーム41の延設方向に沿って長尺状に形成される。第2側壁部432は第1側壁部431の長手方向に沿って第1側壁部431の車両外方端に連結され、その連結部分から図2の断面において車両前方側に延びている。第2側壁部432は車両外方を向く装飾面(意匠面)を有する。また、第2側壁部432の車両前方側の部分がドアアウタガーニッシュ421の車両後方側の縁辺部421aに車両外方側から対面する。第3側壁部433は第2側壁部432の長手方向に沿って第2側壁部432の車両前後方向中央部分に連結され、その連結部分からフランジ部412の車両前方側に対面配置するように図2の断面において車両内方に延びている。このように構成されたドアサッシュモール43は硬質樹脂で成形される。
ドアサッシュモール43の第1側壁部431の車両内方端部431aは車両前方側に折り曲げられている。この車両内方端部431aが、袋部411とフランジ部412との間に形成され車両内方側に突き出たドアフレーム41の突起部413に係合する。この係合によって、ドアサッシュモール43がフランジ部412を覆うようにフランジ部412に取り付けられる。
ドアサッシュモール43の第1側壁部431に第1シールリップ6が設けられる。第1シールリップ6は第1側壁部431の車両後方を向いた面から車両後方側に延びるように第1側壁部431の長手方向に沿って形成され、第1側壁部431により構成される車両ドアVDの車両後方端と車体(ボディ)との間の隙間をシールする。また、ドアサッシュモール43の第3側壁部433には第2シールリップ7が設けられる。第2シールリップ7は第3側壁部433のフランジ部412を向いた面から車両後方側に延びるように第3側壁部433の長手方向に沿って形成され、第3側壁部433とフランジ部412との間の隙間をシールする。第2シールリップ7がフランジ部412に当接することにより生じる弾性力により、ドアフレーム41へのドアサッシュモール43の取付力が高められる。さらに、ドアサッシュモール43の第2側壁部432には第3シールリップ8が設けられる。第3シールリップ8は第2側壁部432の長手方向に沿って形成される。第3シールリップ8は、第2側壁部432の車両前方側の部分に固定される固定部81と、固定部81から車両内方に延びたリップ部82とを有する。この第3シールリップ8により、ドアサッシュモール43の第2側壁部432とドアアウタガーニッシュ421の車両後方側の縁辺部421aとの間の隙間がシールされる。
各シールリップ6,7,8は軟質樹脂により成形される。これらのシールリップ6,7,8は、ドアサッシュモール43とは別体に成形され、その後に接着等の手段によりドアサッシュモール43に取り付けられても良い。また、2層押し出し成形等により、硬質樹脂製のドアサッシュモール43と軟質樹脂製のシールリップ6,7,8が一体的に成形されてもよい。
図2に示すように、ドアフレーム41の袋部411の前方部411bにスタッドピン44が立設される。スタッドピン44は頭部441および頭部441の径よりも小さい径の軸部442を備える。軸部442の先端が前方部411bに溶接等の接合手段により接合されている。したがって、スタッドピン44は、その軸部442にて前方部411bに連結し、その頭部441が車両前方に突き出されるように、前方部411bから立設している。
また、ドアインナガーニッシュ422は、図2に示すように、車両後端側の縁辺部422aと、この縁辺部422aの車両前方側から車両内方側に延在する中間壁部422cと、中間壁部422cの車両内方端に連結し、その連結部分から車両前方側に延びた内方壁部422dと、内方壁部422dの車両前方端から車両外方に延びた前方壁部422eとを有する。図からわかるように中間壁部422cは、ドアフレーム41の袋部411の前方部411bに車両前方側から対面配置する。
ドアインナガーニッシュ422の中間壁部422cには、係合孔部423が形成されている。図7は係合孔部423の形状を示す図である。図7に示すように、係合孔部423は、略楕円状に形成された大径孔部423aと、半円状に形成された小径孔部423bと、大径孔部423aと小径孔部423bとを接続する連結孔部423cとを備える。したがって、小径孔部423bは、連結孔部423cを介して大径孔部423aに連通するように形成されている。図において大径孔部423aの短径はD1により表わされ、小径孔部423bの径はD2により表わされる。連結孔部423cの幅は小径孔部423bの径D2に等しい。また、大径孔部423aの中心と小径孔部423bの中心とを通る直線の向きは、大径孔部423aの長軸の向きに一致する。
係合孔部423の大径孔部423aの短径D1は、スタッドピン44の頭部441の径よりも大きい。また、係合孔部423の小径孔部423bの径D2は、スタッドピン44の頭部441の径よりも小さく、軸部442の径とほぼ同じか僅かに大きい。このような形状の係合孔部423の小径部423bに、図2に示すようにスタッドピン44の軸部442が挿通されてドアインナガーニッシュ422がスタッドピン44に係合される。この係合によりドアガーニッシュ42がドアフレーム41に取り付けられる。
本実施形態においては、複数のスタッドピン44が、ドアフレーム41の延設方向に沿って袋部411の前方部411bに設けられている。同様に、複数の係合孔部423がドアインナガーニッシュ422の中間壁部422cに形成されている。なお、それぞれのスタッドピン44の軸部442が同時にそれぞれの係合孔部423の小径孔部423bに挿通し得るように、中間壁部422c上での複数の係合孔部423の形成位置が前方部411b上での複数のスタッドピン44の配設位置に対応している。
上記構成の後部ドアフレーム構造体4においては、上述したように、ドアフレーム41の袋部411の前方部411bに設けられたスタッドピン44の軸部442を、ドアインナガーニッシュ422の中間壁部422cに形成された係合孔部423の小径孔部423bに挿通させることによって、ドアインナガーニッシュ422をスタッドピン44に係合させている。この係合によりドアガーニッシュ42がドアフレーム41に取り付けられる。この場合、以下に示す手順でドアガーニッシュ42がドアフレーム41に取り付けられる。
図8は、ドアフレーム41にドアガーニッシュ42を取り付ける前の状態を示す図であり、図9は取り付けた後の状態を示す図である。図8に示すように、ドアフレーム41にドアガーニッシュ42を取り付ける際には、まず、ドアフレーム41の袋部411の前方部411bがドアインナガーニッシュ422の中間壁部422cに対面するように、両者を配置させる。なお、ドアフレーム41の袋部411の前方部411b上の所定位置に複数のスタッドピン44が設けられている。
次いで、各スタッドピン44がドアインナガーニッシュ422に形成された係合孔部423の大径孔部423aを挿通するように、ドアガーニッシュ42をドアフレーム41に近接させる。この場合において、係合孔部423の大径孔部423aの短径D1がスタッドピン44の頭部441の径よりも大きいため、スタッドピン44は大径孔部423aを挿通することができる。
スタッドピン44を大径孔部423aに挿通させた後に、ドアガーニッシュ42をドアフレーム41に対してスライドさせる。本実施形態では図8の点線矢印で示したように、ドアフレーム41の長手方向であって、スタッドピン44の軸部442が大径孔部423aを挿通している状態から小径孔部423bを挿通する状態に変化する方向に、ドアガーニッシュ42をスライドさせる。このスライド動作によって、図2および図9に示すように、各スタッドピン44の軸部442が各係合孔部423の小径孔部423bを挿通し、各スタッドピン44の頭部441により小径孔部423bが塞がれるような状態とされる。この状態でドアガーニッシュ42が、スタッドピン44の軸部442の軸方向であってドアフレーム41から離間する方向に移動しようとしても、その移動は、小径孔部423bの径よりも大きい径を有するスタッドピン44の頭部441が小径孔部423bの周縁部分に干渉することにより規制される。このようにしてドアインナガーニッシュ422が移動規制されるように、ドアインナガーニッシュ422がスタッドピン44に係合する。斯かる係合によりドアインナガーニッシュ422およびこのドアインナガーニッシュ422に連結されているドアアウタガーニッシュ421とを有するドアガーニッシュ42がドアフレーム41に取り付けられる。また、複数のスタッドピン44が複数の係合孔部423にて同時にドアインナガーニッシュ422に係合しているので、ドアフレーム41に対するドアガーニッシュ42の回転が防止される。
スタッドピン44とドアインナガーニッシュ422との係合によりドアガーニッシュ42をドアフレーム41に取り付けた場合、ドアガーニッシュ42がスタッドピン44の軸部442の軸方向であってドアフレーム41に対して離間する方向への移動は規制されるものの、上記スライド方向と反対の方向へのスライド移動は規制されない。上記スライド方向と反対の方向にドアガーニッシュ42が移動した場合、スタッドピン44とドアインナガーニッシュ422との係合が解消されて、ドアガーニッシュ42がドアフレーム41から取り外される。係合の解消を防止するため、本実施形態においては、スタッドピン44とドアインナガーニッシュ422との係合によりドアガーニッシュ42をドアフレーム41に取り付けた後に、ドアインナガーニッシュ422の下端部がドアインナパネル12に接合される。この場合、図6に示すようにドアインナガーニッシュ422の下端部に形成されたボス422bにドアインナパネル12を貫通したビスBが螺合されることにより、ドアガーニッシュ42がドアインナパネル12に接合される。このようにしてドアガーニッシュ42をドアインナパネル12に固定すれば、上記スライド方向とは反対の方向へのドアガーニッシュ42の移動も規制される。このためドアガーニッシュ42がドアフレーム41から取り外されることが防止される。
以上のように、本実施形態の後部ドアフレーム構造体4は、ドアパネル1から延設されたドアフレーム41と、スタッドピン44と、ドアガーニッシュ42とを備える。スタッドピン44は、頭部441および頭部441に連結され頭部441の径よりも小径の軸部442を有し、軸部442側がドアフレーム41に連結されることにより頭部441がドアフレーム41から突出するようにドアフレーム41に設けられている。また、ドアガーニッシュ42には、スタッドピン44の頭部441の径よりも大きい径を有する大径孔部423aおよび大径孔部423aに連通して形成されスタッドピン44の頭部441の径よりも小さくスタッドピン44の軸部442の径よりも大きい径を有する小径孔部423bとを有する係合孔部423が形成されている。そして、スタッドピン44の軸部442が係合孔部423の小径孔部423bを挿通した状態でドアガーニッシュ42がスタッドピン44と係合することにより、ドアガーニッシュ42がドアフレーム41に取り付けられる。
本実施形態の後部ドアフレーム構造体4によれば、ドアフレーム41にドアガーニッシュ42を近接させてスタッドピン44を係合孔部423の大径孔部423aに挿通させ、その後、ドアフレーム41に対してドアガーニッシュ42をスライドさせてスタッドピン44の軸部442を係合孔部423の小径孔部423bに挿通させるという一連の動作により、簡単にドアフレーム41にドアガーニッシュ42を取り付けることができる。したがって、ドアフレーム41とドアガーニッシュ42との組み付け工数が低減され、その結果、生産性が向上する。また、ドアフレーム41にスタッドピン44が設けられているので、別途締結手段やブラケットを準備する必要がない。その結果、ドアフレーム構造体を組み付ける際に必要な部品点数を低減することができる。
また、スタッドピン44がドアフレーム41の袋部411に形成されている。このためドアフレーム41周りのスペースの有効利用を図ることができるとともに、ドアフレーム41のフランジ部412にサッシュモール43等の他の装飾部品を取り付けることができる。
また、複数のスタッドピン44がドアフレーム41の袋部411に設けられ、複数の係合孔部423が複数のスタッドピン44の袋部411上での形成位置に対応するように、ドアインナガーニッシュ422に形成されている。ドアフレーム41の袋部411の複数箇所に設けられたスタッドピン44がドアインナガーニッシュ422に係合するので、ドアガーニッシュ42がドアフレーム41に対して回転することが防止される。
また、後部ドアフレーム構造体4は、フランジ部412に取り付けられるドアサッシュモール43と、ドアサッシュモール43に取り付けられ、ドアサッシュモール43とドアアウタガーニッシュ421との間の隙間をシールする第3シールリップ8とを備える。フランジ部412にドアサッシュモール43を取り付けることにより、車両の意匠性を向上させることができる。また、第3シールリップ8により、ドアサッシュモール43とドアアウタガーニッシュ421との間からの雨滴等の異物の進入を防止することができる。
1…ドアパネル、11…ドアアウタパネル、12…ドアインナパネル、12a…貫通孔、4…後部ドアフレーム構造体、41…ドアフレーム、411…袋部、412…フランジ部、42…ドアガーニッシュ、421…ドアアウタガーニッシュ、421a…縁辺部、421b…ボス、422…ドアインナガーニッシュ、422a…縁辺部、422b…ボス、422c…中間壁部、422d…内方壁部、422e…前方壁部、423…係合孔部、423a…大径孔部、423b…小径孔部、423c…連結孔部、43…ドアサッシュモール、431…第1側壁部、432…第2側壁部、433…第3側壁部、44…スタッドピン、441…頭部、442…軸部、5…ガラスラン支持部、6…第1シールリップ、7…第2シールリップ、8…第3シールリップ、81…固定部、82…リップ部
Claims (6)
- 車両のドアパネルから延設されたドアフレームと、
頭部および前記頭部に連結され前記頭部の径よりも小径の軸部を有し、前記軸部側が前記ドアフレームに連結されることにより前記頭部が前記ドアフレームから突出するように前記ドアフレームに設けられたスタッドピンと、
前記頭部の径よりも大きい径を有する大径孔部および前記大径孔部に連通して形成され前記頭部の径よりも小さく前記軸部の径よりも大きい径を有する小径孔部とを有する係合孔部が形成され、前記スタッドピンの前記軸部が前記係合孔部の前記小径孔部を挿通した状態で前記スタッドピンと係合することにより、前記ドアフレームに取り付けられるドアガーニッシュと、
を備えるドアフレーム構造体。 - 請求項1に記載のドアフレーム構造体において、
前記ドアフレームは、その延設方向に垂直な断面が閉断面となるように形成された袋部と、前記延設方向に沿って前記袋部に連結し前記袋部から車両外方に突出して形成されたフランジ部とを有し、
前記スタッドピンが前記袋部に形成されている、ドアフレーム構造体。 - 請求項2に記載のドアフレーム構造体において、
複数の前記スタッドピンが前記袋部に設けられ、
複数の前記係合孔部が複数の前記スタッドピンの前記袋部上での形成位置に対応するように、前記ドアガーニッシュに形成されている、ドアフレーム構造体。 - 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のドアフレーム構造体において、
前記ドアガーニッシュは、車両の外装部品としてのドアアウタガーニッシュと車両の内装部品としてのドアインナガーニッシュとを備え、前記ドアアウタガーニッシュと前記ドアインナガーニッシュが予め連結されている、ドアフレーム構造体。 - 請求項4に記載のドアフレーム構造体において、
前記フランジ部に取り付けられるドアサッシュモールと、
前記ドアサッシュモールに取り付けられ、前記ドアサッシュモールと前記ドアアウタガーニッシュとの間の隙間をシールするシールリップモールと、
をさらに備える、ドアフレーム構造体。 - 請求項1乃至5に記載のドアフレーム構造体において、
前記ドアガーニッシュは、前記スタッドピンが前記係合孔部の前記大径孔部を挿通するように前記ドアフレームに近接された後に、前記スタッドピンの前記軸部が前記係合孔部の前記小径孔部を挿通するように前記ドアフレームに対してスライドされることにより、前記スタッドピンに係合される、ドアフレーム構造体。
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JP2017065497A (ja) * | 2015-09-30 | 2017-04-06 | マツダ株式会社 | 車両の内装構造 |
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-
2011
- 2011-04-28 JP JP2011101173A patent/JP2012232632A/ja active Pending
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