JP2012231930A - 歯ブラシ - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッド部の強度を確保しつつ、歯茎に優しい当たり心地を与えられる歯ブラシを提供する。
【解決手段】ヘッド部2の植毛面20に複数本の用毛を束ねた毛束30〜40が複数植毛され、複数の前記毛束30〜40の先端部同士を寄せ合わせてなる毛束群10が形成され、前記毛束群10を構成する一部又は全部の毛束30〜40が前記植毛面20に対し傾斜して植毛された歯ブラシ1において、前記毛束群10の先端部の輪郭は、前記ヘッド部2の幅方向における最大長さが5mm以上、かつ前記ヘッド部2の長さ方向における最大長さが5mm以上であり、前記毛束群10を構成する毛束30〜40の毛束径は、2mm以上であることよりなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、歯ブラシに関する。
口腔内清掃器具である歯ブラシにおいては、最も必要な機能である歯垢除去効果を高めるために、用毛を束ねた毛束の配列に工夫がなされてきた。基本的な歯ブラシにおける毛束の配列としては、均一な直径の毛束が碁盤目状又は千鳥状に植毛されたものが知られている。
近年、衛生志向の高まりにより、歯ブラシには、より一層の歯垢除去効果の向上が求められており、このような要望に対し、異なる径の毛束を組み合わせた歯ブラシや、異なる毛丈の毛束を組み合わせた歯ブラシが提案されている。
例えば、毛丈の高いブリッスルからなる束径の小さなフロスタフトと、該フロスタフトよりも毛丈の低いブリッスルからなる束径の大きな本体タフトとを含み、前記フロスタフトは、角部に前記本体タフトを配置した三角形以上の各多角形領域の中央部分に植毛された歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献1)。
また、ヘッド部の植毛面に対し、毛束を傾斜させて植毛した歯ブラシが提案されている。
例えば、ヘッド部の植毛面に対して傾斜されて、各毛束の毛先同士を寄り合わせて山形に形成した束毛部をヘッド部に複数設けた歯ブラシにおいて、前記束毛部を、毛束の互いに隣り合う3つの各毛束の中心部に向かって毛先を寄り合わせて三角錐山形に形成した三角錐状束毛部として備えた歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献2)。
あるいは、少なくとも一部の毛束が、植毛面から起立した中心毛束と、該中心毛束を囲むように植設され離反した位置から中心毛束上部に接触する位置まで傾斜して伸びる周囲毛束とにより、複合毛束群を構成しており、前記中心毛束の先端が、前記周囲毛束の先端より突出している歯ブラシが提案されている(例えば、特許文献3)。
特開2007−295979号公報 特開平8−164025号公報 特開2008−142371号公報
ところで、歯周病罹患者は、清掃時の痛みや出血等を回避するために、できるだけ歯茎に刺激を与えないような当たり心地の歯ブラシを好む傾向にある。歯茎に刺激を与えないようにするには、細く柔らかい用毛を太い毛束とし、かつ植毛面に毛束を密に植毛し、刷掃圧を分散するのが一般的である。
しかしながら、太い毛束径の毛束を密に植毛すると、ヘッド部の強度が低下するという問題があった。特に、毛束を2つ折りにし、これを平線で植毛する平線式植毛においては、太い毛束同士を密に植毛するとヘッド部の強度が著しく損なわれるおそれがある。
そこで、本発明は、ヘッド部の強度を確保しつつ、歯茎に優しい当たり心地を与えられる歯ブラシを目的とする。
本発明の歯ブラシは、ヘッド部の植毛面に複数本の用毛を束ねた毛束が複数植毛され、複数の前記毛束の先端部同士を寄せ合わせてなる毛束群が形成され、前記毛束群を構成する一部又は全部の毛束が前記植毛面に対し傾斜して植毛された歯ブラシにおいて、前記毛束群の先端部の輪郭は、前記ヘッド部の幅方向における最大長さが5mm以上、かつ前記ヘッド部の長さ方向における最大長さが5mm以上であり、前記毛束群を構成する毛束の毛束径は、2mm以上であることを特徴とする。
前記毛束は、平線式植毛で植毛されていてもよく、前記毛束群の先端部は、先端に向かい漸次その径が小さくなることが好ましく、前記毛束群は、[先端部の輪郭の面積]/[基端部の輪郭の面積]で表される面積比が、0.6〜0.9であることが好ましく、前記毛束群は、毛先に向かい漸次その径が小さくなり、先端が先鋭化された用毛を備えることが好ましい。
本発明の歯ブラシによれば、複数の前記毛束の先端部同士を寄せ合わせてなる毛束群が形成され、前記毛束群を構成する一部又は全部の毛束が植毛面に対し傾斜して植毛され、前記毛束群の先端部の輪郭は、ヘッド部の幅方向における最大長さが5mm以上、かつヘッド部の長さ方向における最大長さが5mm以上であり、前記毛束群を構成する毛束の毛束径は、2mm以上であるため、ヘッド部に過度の負荷をかけずに先端部で高密度の植毛状態(即ち、密毛仕様)を形成でき、ヘッド部の強度を確保しつつ、歯茎に優しい当たり心地を与えられる。
本発明の歯ブラシによれば、前記毛束は、平線式植毛で植毛されていても、ヘッド部の強度を確保しつつ、密毛仕様により歯茎に優しい当たり心地を与えられる。
本発明の歯ブラシによれば、前記毛束群の先端部は、先端に向かい漸次その径が小さくなるため、歯間部や歯頸部をより良好に清掃できる。
本発明の歯ブラシによれば、前記毛束群は、[先端部の輪郭の面積]/[基端部の輪郭の面積]で表される面積比が、0.6〜0.9であるため、密毛の程度がさらに高くなり、より優しい当たり心地を歯茎に与えられる。
本発明の歯ブラシによれば、前記毛束群は、毛先に向かい漸次その径が小さくなり、先端が先鋭化された用毛を備えるため、歯間部や歯頸部をより良好に清掃できる。
本発明の第一の実施形態にかかる歯ブラシの平面図である。 本発明の第一の実施形態にかかる歯ブラシの断面図である。 本発明の第一の実施形態にかかる歯ブラシの断面図である。 本発明の第一の実施形態にかかる歯ブラシの平面図である。 本発明の一実施形態を示す歯ブラシの断面図である。 本発明の一実施形態を示す歯ブラシの断面図である。 本発明の第二の実施形態にかかる歯ブラシの平面図である。 本発明の第二の実施形態にかかる歯ブラシの拡大斜視図である。 本発明の第二の実施形態にかかる歯ブラシの平面図である。 比較例に用いた歯ブラシの平面図である。 比較例に用いた歯ブラシの平面図である。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態の歯ブラシ1を模式的に表わした平面図、図2は、図1のII−II断面図、図3は、図1のIII−III断面図である。
図1〜3に示すように、歯ブラシ1は、ヘッド部2と、ヘッド部2に延設された長尺状のハンドル部3(以下、ヘッド部とハンドル部とを合わせてハンドル体ということがある)とを備え、ヘッド部2の植毛面20に略円筒状の毛束30〜40が植毛されたものである。
図中、符号A1は、植毛面20に略直交し、かつ植毛面20の略中心を通る中心線を示す。また、符号O1は、ヘッド部2の先端(ヘッド部先端)21と、ヘッド部基端とを結び、かつ中心線A1と交差する、ハンドル体の軸線である。なお、ヘッド部基端は、ヘッド部2とハンドル部3との境界を意味する。
ヘッド部2は、軸線O1方向を長さとする平面視略矩形状とされたものであり、ハンドル部3と一体に成形されたものである。
ヘッド部2とハンドル部3とは、全体として長尺状に一体成形されたものであり、例えば、樹脂を材料とし射出成形により得られるものである。
ハンドル体を構成する樹脂は、歯ブラシ1に求める剛性や機械特性等を勘案して決定でき、例えば、曲げ弾性率(JIS K7203)が500〜3000MPaの範囲にある高硬度樹脂が挙げられる。このような高硬度樹脂としては、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリシクロへキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン樹脂(ABS)、セルロースプロピオネート(CP)、ポリアリレート、ポリカーボネート、アクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS)等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
また、ハンドル部3は、例えばエラストマー等の柔軟な樹脂が部分的又は全体に被覆されていてもよい。
ヘッド部2の大きさは、口腔内での操作性等を勘案して決定でき、例えば、幅が10〜15mmとされ、厚さが4〜8mmとされる。
図2〜3に示すように、ヘッド部2には、植毛面20に開口する植毛穴22が複数形成され、各々の植毛穴22には、毛束30〜40のいずれかが植毛されている。
毛束30〜40は、各々、図1に示す矢印の方向に、基端から先端に向かい漸次中心軸A1に近づくように、植毛面20に対し傾斜して植毛され、先端同士を寄せ合わせてなる毛束群10を形成している。本実施形態において、ヘッド部2に植毛された全ての毛束が、一群の毛束群10を形成している。この毛束群10は、全体として、植毛面20から毛束群10の先端部に向かい漸次縮径する略四角錐台状とされている。
なお、毛束群10の先端部は、毛束群10を構成する用毛の内、最も低い毛丈(即ち、植毛面20から用毛先端までの距離が最も短い)の用毛の先端から上方を意味する。
図4(a)は、植毛面20における毛束30〜40の基端部の位置、即ち毛束30〜40が植毛された植毛穴22の位置を模式的に示す平面図であり、図4(b)は、毛束30〜40の先端部の位置を模式的に示す平面図である。
図4(a)に示すように、任意の植毛穴22は、ヘッド部2幅方向で隣接する他の任意の植毛穴22と、互いにヘッド部2の長さ方向にずれて形成され、毛束30〜40は、全体として千鳥状の植毛パターンを形成している。
「毛束群の基端部の輪郭」は、毛束30〜40の基端部の外周縁を直線で結んだ領域(基端部領域)12(図4(a))の輪郭である。
「毛束群の先端部の輪郭」は、毛束群を構成する用毛の内、最も低い毛丈の用毛の先端位置で、植毛面20と平行な面で切断した断面の輪郭である。本実施形態においては、毛束30〜40の先端部の外周縁、即ち最もヘッド部2の周縁寄りに位置する用毛の毛先を直線で結んだ領域(先端部領域)14の輪郭が「毛束群の先端部の輪郭」である。
毛束群10における[先端部の輪郭の面積]/[基端部の輪郭の面積]で表される面積比(以下、毛束群集束比ということがある)は、特に限定されないが、小さくするほど、毛束群10の先端部における用毛が密となり、歯茎への当たり心地が優しくなる。毛束群集束比を小さくしすぎると、各毛束の先端部の重なりが大きくなりすぎて、毛束の動きが制限され、清掃力が低下するおそれがある。
従って、毛束群集束比は、毛束径や用毛の種類、毛束の配置形態等を勘案して決定でき、例えば、0.6〜0.9が好ましい。上記上限値超であると、各毛束の先端部を寄せ合わせた効果が得られにくい。上記下限値未満であると各毛束の先端部の重なりが多くなりすぎて、各毛束の動きが制限され、清掃力が低下するおそれがある。
ヘッド部2の幅方向における先端部領域14の最大幅W1は、5mm以上であれば特に限定されず、上限はヘッド部2の大きさを勘案して決定できる。最大幅W1が5mm以上であれば、歯茎への当たり心地が優しいものとなる。
ヘッド部2の長さ方向における先端部領域14の最大長さL1は、5mm以上であれば特に限定されず、上限はヘッド部2の大きさを勘案して決定できる。最大長さL1が5mm以上であれば、密毛仕様による歯茎への当たり心地が優しいものとなる。
植毛穴22の同士の距離は、ヘッド部2の材質や、ヘッド部2の幅や長さを勘案して決定できる。
任意の植毛穴22と、これとヘッド部2の長さ方向で隣接する植毛穴22との距離D1(図4(a)参照)は、0.5〜1.5mmが好ましく、0.7〜1.2mmがより好ましい。上記下限値未満であると、ヘッド部2の強度が低下するおそれがある。特に、毛束を平線式植毛で植毛する場合、ヘッド部2が白化したり割れたりするおそれがある。上記上限値超であると、毛束群10の先端部において、用毛の密度が不十分になりやすい。
また、任意の植毛穴22と、これとヘッド部2の幅方向で隣接する植毛穴22との距離D2(図4(a)参照)は、例えば、0.2〜1.2mmが好ましく、0.4〜0.8mmがより好ましい。上記下限値未満であると、ヘッド部2の強度が低下するおそれがある。特に、毛束を平線式植毛で植毛する場合、ヘッド部2が白化したり割れたりするおそれがある。上記上限値超であると、毛束群10の先端部において、用毛の密度が不十分になりやすい。
毛束30の傾斜角度θ1、即ち、植毛面20と毛束軸線P1とで形成される中心軸A1側の角度は、植毛群10を構成する毛束の数、毛束丈、植毛穴22同士の距離等を勘案して決定でき、例えば、75°以上90°未満が好ましく、80〜89°がより好ましく、85〜89°がさらに好ましい。
毛束30の太さ(毛束径)R1は、2mm以上であり、2〜3mmが好ましい。上記下限値未満であると、密毛仕様による歯茎へのやさしい当たり心地が実感されにくい。上記上限値超であると、ヘッド部2の強度が低下するおそれがある。特に、後述する平線式植毛で毛束30を植毛する場合、毛束径R1が太すぎると、ヘッド部2の白化や割れが生じやすくなる。
なお、毛束径R1は、毛束30を植毛面20で切断した断面の直径である。
毛束30の高さ(毛束丈)H1、即ち植毛面20から毛束30の先端までの距離は、毛束径や用毛の種類等を勘案して決定でき、例えば、6mm〜13mmの範囲で決定できる。
毛束30を構成する用毛としては、毛先に向かって漸次その径が小さくなる用毛(テーパー毛)、毛先の丸め部を除いて外径がほぼ同一である用毛(ストレート毛)が挙げられる。
用毛の材質は、例えば、6−12ナイロン、6−10ナイロン等のポリアミド、PET、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル、PP等のポリオレフィン、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等のエラストマー等の合成樹脂材料を用いることができる。
これらの樹脂材料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、用毛は、芯部と該芯部の外側に設けられた少なくとも1層以上の鞘部とを有する多重芯構造であってもよい。
用毛の横断面形状は円形が好ましいが、円形に必ずしも限定されるものではなく、歯ブラシ1の目的用途に応じて任意の形状とすることができる。例えば、楕円形、多角形(例えば、三角形、四角形、五角形、六角形等。)、異形(例えば、星形、三つ葉のクローバー形、四つ葉のクローバー形等。)等とすることができる。
用毛の太さは、特に限定されず、例えば、横断面が円形の場合、4〜8mil(1mil=1/1000inch=0.025mm)が好ましい。上記下限値未満であると、植毛面20に対し傾斜させて消耗した場合、自立できず清掃性を損なうおそれがある。上記上限値超であると、毛束30の毛腰が強くなりすぎて、優しい当たり心地が得られないおそれがある。なお、毛束30を構成する用毛は、全てが同じ太さであってもよいし、2種以上の異なる太さの用毛を組み合わせてもよい。
毛束31〜40の傾斜角度は、毛束30の傾斜角度θ1と同様である。ただし、本実施形態においては、中心軸A1に近い毛束ほど、傾斜角度が大きいものされている。具体的な傾斜角度の大小は、[毛束30、31、39、40]<[毛束32、38]<[毛束33、37]<[毛束35]<[毛束34、36]とされている。
毛束31〜40の毛束丈は、毛束30の毛束丈H1と同様である。毛束30〜40は、相互に異なる高さであってもよいし、同じ高さであってもよい。例えば、毛束30、32、34、36、38、40の毛束丈を、毛束31、33、35、37、39の毛束丈よりも高いものとしてもよい。即ち、図5に示す歯ブラシ1aの毛束群10aのように、軸線O1上に植毛されている毛束34を、これとヘッド部2の幅方向で隣接する毛束35よりも高い毛丈としてもよい。図5は、図3と同様の断面図である。図5において、毛束34の毛束丈H2は、毛束35の毛束丈H3よりも0.5〜2mm高いことが好ましい。
このように、植毛面20の中央部の毛束を他の毛束よりも高いものとすることで、毛束丈の高い毛束が歯間部や歯頸部に進入しやすくなり、歯間部や歯頸部をより良好に清掃できる。
あるいは、図6に示す歯ブラシ1bの毛束群10bのように、毛束群10bの先端部(毛束群先端部)11が、毛束群10bの先端に向かい漸次縮径するドーム状とされていてもよい。図6は、図3と同様の断面図である。
このように、毛束群先端部11をドーム状とすることで、毛束間の細かな段差がなくなり、歯茎への当たり心地をより優しくし、歯茎へのフィット感がより良好になる。
毛束31〜40の毛束径は、毛束30の毛束径R1と同様である。毛束30〜40は、相互に異なる毛束径であってもよいし、同じ毛束径であってもよい。例えば、毛束丈の高い毛束(例えば、図5の毛束34)を、他の毛束よりも細い毛束径としてもよい。毛束丈の高い毛束の毛束径を細くすることで、歯間部や歯頸部をより良好に清掃できる。
毛束31〜40を構成する用毛は、毛束30を構成する用毛と同様である。毛束30〜40に用いられる用毛は、全てが同じであってもよいし、毛束毎に異なる種類の用毛が用いられていてもよい。例えば、毛束丈の高い毛束(例えば、図5の毛束34)をテーパー毛で構成し、これ以外の毛束(例えば、図5の毛束35)をストレート毛で構成してもよい。毛束丈の高い毛束をテーパー毛で構成することで、毛束丈の高い毛束が歯間部や歯頸部により進入しやすくなり、歯間部や歯頸部をさらに良好に清掃できる。加えて、ストレート毛で構成された毛束が、歯面や奥歯の咬合面を高い圧力で擦掃できるため、歯面や咬合面をより良好に清掃できる。
本実施形態の歯ブラシ1の製造方法としては、従来公知の方法を用いることができる。例えば、毛束を二つ折りにし、その間に挟み込まれた平線を植毛穴に打ち込むことにより毛束を植設する平線式植毛や、毛束の下端を植毛部となる溶融樹脂中へ圧入して固定する熱融着法、毛束の下端を加熱して溶融塊を形成した後に、金型中に溶融樹脂を注入して植毛部を成形するインモールド法等が挙げられる。中でも、平線式植毛においては、ヘッド部の強度を確保しやすい点で、本発明の効果が顕著である。
本実施形態の歯ブラシによれば、複数の毛束の先端部同士を寄せ合わせてなる毛束群が形成され、毛束群を構成する毛束は植毛面に対し傾斜して植毛されているため、隣接する植毛穴同士の距離を過度に近づけることなく、毛束群の先端部における用毛の密度を高められる。このため、本実施形態の歯ブラシは、ヘッド部の強度を維持しつつ、歯茎に優しい当たり心地を与えられる。
加えて、毛束群の先端部の輪郭は、最大幅が5mm以上、最大長さが5mm以上とされている。このため、本実施形態の歯ブラシは、歯茎に優しい当たり心地を与えられる。
さらに、本実施形態によれば、毛束群を構成する毛束の毛束径が2mm以上とされているため、個々の毛束から歯茎に与えられる刺激が緩和されると共に、歯牙又は歯茎へのフィット感が良好となる。
(第二の実施形態)
本発明の第二の実施形態にかかる歯ブラシについて、以下に図面を参照して説明する。
なお、第一の実施形態と同じ構成には同一の符号を付してその説明を省略し、主に第一の実施形態と異なる点について説明する。
図7は、本実施形態の歯ブラシ100を模式的に表わした平面図である。
図7に示すように、歯ブラシ100は、ヘッド部先端21側に形成された第一の毛束群110と、ヘッド部基端側に形成された第二の毛束群120とを備えるものである。即ち、歯ブラシ100は、2つの毛束群が形成されたものである。
図8は、第一の毛束群110の拡大斜視図である。図7、8に示すように、第一の毛束群110は、植毛面20に対し略垂直に植毛された毛束132(垂直毛束132ということがある)と、垂直毛束132の中心軸A2回りに略等間隔で環状配置された毛束130、131、133、134とで形成されたものである。中心軸A2は、垂直毛束132の中心を通り植毛面20に略垂直な仮想線である。この毛束130、131、133、134は、各々、図7の矢印方向に傾斜し、垂直毛束132を中心として各々の先端部同士を寄せ合わせている。即ち、第一の毛束群110は、垂直毛束132を中心とし、中心軸A2を中心とする円周上に、毛束130、131、133、134が植毛されたもので、全体として、植毛面20から第一の毛束群110の先端部に向かい漸次縮径する略六角錘台状とされている。第一の毛束群110の先端部の形状は、特に限定されないが、垂直毛束132の先端に向かい漸次縮径するドーム状であることが好ましい。
第二の毛束群120は、垂直毛束132と、垂直毛束132の中心軸A3回りに略等間隔で環状配置された毛束130、131、133、134とで形成されたものである。毛束130、131、133、134は、各々、図7の矢印方向に傾斜し、垂直毛束132を中心として各々の先端部同士を寄せ合わせている。即ち、第二の毛束群120は、垂直毛束132を中心とし、中心軸A3を中心とする円周上に、毛束130、131、133、134が植毛されたもので、全体として、植毛面20から第二の毛束群120の先端部に向かい漸次縮径する略六角錘台状とされている。第二の毛束群120の先端部の形状は、特に限定されないが、垂直毛束132の先端に向かい漸次縮径するドーム状であることが好ましい。
ヘッド部2の幅方向における中心軸A1の両側には、毛束135が植毛面20に対し略垂直に植毛されている。
図9(a)は、植毛面20における毛束130〜135の基端部の位置、即ち毛束130〜135が植毛された植毛穴22の位置を模式的に示す平面図であり、図9(b)は、毛束130〜135の先端部の位置を模式的に示す平面図である。
本実施形態においては、図8、図9(a)に示すように、第一の毛束群110を構成する毛束130〜134の基端部の外周縁を直線で結んだ領域(基端部領域)112の輪郭が第一の毛束群110の「基端部の輪郭」である。また、本実施形態においては、図8、図9(b)に示すように、第一の毛束群110を構成する毛束130〜134の先端部の外周縁を直線で結んだ領域(先端部領域)114の輪郭が第一の毛束群110の「先端部の輪郭」である。
第一の毛束群110における毛束群集束比は、毛束径や用毛の種類等を勘案して決定でき、例えば、0.6〜0.9が好ましい。上記上限値超であると、各毛束の先端部を寄せ合わせた効果が得られにくい。上記下限値未満であると各毛束の先端部の重なりが多くなりすぎて、各毛束の動きが制限され、清掃力が低下するおそれがある。
ヘッド部2の幅方向における先端部領域114の最大幅W2は、5mm以上であれば特に限定されず、上限はヘッド部2の大きさを勘案して決定できる。
ヘッド部2の長さ方向における先端部領域114の最大長さL2は、5mm以上であれば特に限定されず、上限はヘッド部2の大きさを勘案して決定できる。
本実施形態においては、図9(a)に示すように、第二の毛束群120の基端部を構成する毛束130〜134の基端部の外周縁を直線で結んだ領域(基端部領域)122の輪郭が第二の毛束群120の「基端部の輪郭」である。また、本実施形態においては、図9(b)に示すように、第二の毛束群120を構成する毛束130〜134の先端部の外周縁を直線で結んだ領域(先端部領域)124の輪郭が第二の毛束群120の「先端部の輪郭」である。
第二の毛束群120における毛束群集束比は、第一の毛束群110の毛束群集束比と同様である。
ヘッド部2の幅方向における先端部領域124の最大幅W3は、先端部領域114の最大幅W2と同じである。
ヘッド部2の長さ方向における先端部領域124の最大長さL3は、先端部領域114の最大長さL2と同じである。
毛束130、131、133、134の傾斜角度は、第一の実施形態における毛束30の傾斜角度θ1と同様である。ただし、本実施形態においては、毛束132に対しヘッド部2の長さ方向で隣接する毛束130、134の傾斜角度が、毛束132に対しヘッド部幅方向で隣接する毛束131、133の傾斜角度よりも小さいものとされている。即ち、傾斜角度の大小は、[毛束130、134]<[毛束131、133]とされている。
毛束130〜135の毛束丈は、毛束30の高さH1と同様である。
毛束130〜135の毛束径は、毛束30の毛束径R1と同様である。
毛束130〜135を構成する用毛は、毛束30を構成する用毛と同様である。
本実施形態によれば、1つの毛束群を構成する毛束の数が、第一の実施形態に比べて少ないため、毛束同士の干渉作用を小さくできる。このため、毛束がよりしなやかに撓むこととなり、歯茎への優しい当たり心地がさらに向上する。加えて、2つの毛束群を備えるため、用毛の毛先を連ねた面には、2つの凸形状が形成される。このため、口腔内の様々な凹凸に毛先がフィットし、歯間部や歯頸部をより良好に清掃できる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
第一及び第二の実施形態では、毛束が略円柱状とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、毛束が三角柱状、四角柱状、五角柱状等の多角柱状とされていてもよい。毛束が多角柱状である場合、毛束径は、毛束の断面に外接する円の直径である。
第一の実施形態では、1つの毛束群が形成され、第二の実施形態では、2つの毛束群が形成されているが、本発明はこれに限定されず、毛束群の数が3つ以上であってもよい。なお、毛束群の数は、ヘッド部の大きさを勘案して決定される。
第一及び第二の実施形態では、植毛パターンが千鳥状とされているが、本発明はこれに限定されず、植毛パターンが碁盤目状等であってもよい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(実施例1)
以下の仕様にて、図1の歯ブラシ1と同様の歯ブラシを得た。この歯ブラシにおいては、図4(a)における距離D1を0.8mm、距離D2を0.4mmとした。図1における毛束30、32、34、36、38、40を、太さ7.5milのテーパー毛(PBT製)で、毛束径2mm、毛束丈11mmのものとした。また、図1における毛束31、33、35、37、39を、太さ4milのストレート毛(ナイロン製)で、毛束径2mm、毛束丈10mmのものとした。また、毛束30、31、39、40の傾斜角度を85°、毛束32、38の傾斜角度を86°、毛束33、37の傾斜角度を87°、毛束35の傾斜角度を88°、毛束34、36の傾斜角度を89°とした。この歯ブラシの毛束群は、先端部領域の最大長さL1が15mm、先端部領域の最大幅W1が5mmで、毛束群集束比が0.8であった。
得られた歯ブラシについて、歯茎へのフィット感、歯茎への当たり心地、歯茎の清掃実感、ヘッド部強度を評価し、その結果を表1に示す。
なお、表中、全ての毛束を総じて、「傾斜毛束」として記載した。また、表中の用毛種類は、テーパー毛を「T」と記載し、ストレート毛を「S」と記載した(以降において同じ)。
(実施例2)
以下の仕様にて、図7の歯ブラシ100と同様の歯ブラシを得た。この歯ブラシにおいては、図9(a)における距離D1を0.8mm、距離D2を0.4mmとした。図7における垂直毛束132を、太さ6.5milのテーパー毛で、毛束径3mm、毛束丈11mmのものとした。また、図7における毛束130、131、133、134、135を、太さ5milのストレート毛で、毛束径3mm、毛束丈10mmのものとした。また、毛束130、134の傾斜角度を87°、毛束131、133の傾斜角度を88°とした。この歯ブラシの第一の毛束群は、先端部領域の最大長さL2が10mm、先端部領域の最大幅W2が8mmで、毛束群集束比が0.85であった。また、第二の毛束群は、先端部領域の最大長さL3が10mm、先端部領域の最大幅W3が8mmで、毛束群集束比が0.85であった。
得られた歯ブラシについて、歯茎へのフィット感、歯茎への当たり心地、歯茎の清掃実感、ヘッド部強度を評価し、その結果を表1に示す。
なお、表中、毛束130、131、133、134を総じて「傾斜毛束」として記載した。
(実施例3)
垂直毛束132以外の毛束を、毛丈11mmとした以外は、実施例2と同様にして歯ブラシを得た。この歯ブラシにおける第一の毛束群及び第二の毛束群の毛束群集束比は、いずれも0.84であった。
得られた歯ブラシについて、歯茎へのフィット感、歯茎への当たり心地、歯茎の清掃実感、ヘッド部強度を評価し、その結果を表1に示す。
(比較例1)
図10に示す歯ブラシ900と同様の歯ブラシを下記仕様にて作製した。歯ブラシ900は、ヘッド部2に8つの毛束群910が形成されたものである。毛束群910は、植毛面20に略垂直に植毛された毛束940(垂直毛束940)と、垂直毛束940の軸線回りに略等間隔で環状配置された4つの毛束930とで形成されている。毛束930は、各々、図10の矢印方向に傾斜し、垂直毛束940を中心として各々の先端部同士を寄せ合わせている。即ち、第一の毛束群910は、垂直毛束940を中心とし、全体として、植毛面20から毛束群910の先端部に向かい漸次縮径する略四角錘台状とされている。
本比較例において、毛束930が植毛された植毛穴の間隔は、ヘッド部2の幅方向に隣接する植毛穴同士の距離が0.4mm、ヘッド部2の長さ方向に隣接する植毛穴同士の距離が0.8mmとされている。本比較例においては、垂直毛束940を、太さ7.5milのテーパー毛で、毛束径0.8、毛束丈11mmとし、毛束930を、太さ6.5milのストレート毛で、毛束径1.6mm、毛丈10mmとした。また、毛束930の傾斜角度を88°とした。この歯ブラシの毛束群910は、先端部領域の最大長さが3.5mm、先端部領域の最大幅が3mmで、毛束群集束比が0.76であった。
得られた歯ブラシについて、歯茎へのフィット感、歯茎への当たり心地、歯茎の清掃実感、ヘッド部強度を評価し、その結果を表1に示す。
なお、表中、毛束930を「傾斜毛束」として記載した。
(比較例2)
毛束930が植毛された植毛穴同士の間隔を、ヘッド部の幅方向の距離0.8mm、ヘッド部の長さ方向の距離1.6mmとし、垂直毛束940及び毛束930を下記仕様とした以外は、比較例1と同様にして歯ブラシを作製した。この歯ブラシの毛束群は、先端部領域の最大長さが4.8mm、最大幅が4.5mmで、毛束群集束比が0.75であった。得られた歯ブラシについて、歯茎へのフィット感、歯茎への当たり心地、歯茎の清掃実感、ヘッド部強度を評価し、その結果を表1に示す。
なお、表中、毛束930を「傾斜毛束」として記載した。
≪毛束仕様≫
・垂直毛束940:毛束径2mm、毛丈11mm、用毛太さ7.5mil、テーパー毛
・毛束930:毛束径2mm、毛丈10mm、用毛太さ4mil、テーパー毛、傾斜角度87°
(比較例3)
図11に示す歯ブラシ950と同様の歯ブラシを下記仕様にて作製した。歯ブラシ950は、ヘッド部2に3つの毛束群960が形成されたものである。毛束群960は、ヘッド部2の幅方向に5つ、ヘッド部の長さ方向に3つ(計15個)の毛束が植毛され形成されたものである。毛束群960は、植毛面20に略垂直に植毛された毛束970(垂直毛束970)と、垂直毛束970を囲むように植毛された毛束971〜975とで構成されている。毛束971〜975は、各々、図11の矢印方向に傾斜し、垂直毛束970を中心として各々の先端部同士を寄せ合わせている。即ち、毛束群970は、垂直毛束970を中心とし、全体として、植毛面20から毛束群970の先端部に向かい漸次縮径する略四角錘台状とされている。
本比較例において、毛束群960における植毛穴の間隔は、ヘッド部2の幅方向に隣接する植毛穴同士の距離が0.4mm、ヘッド部2の長さ方向に隣接する植毛穴同士の距離が0.8mmとされている。本比較例においては、垂直毛束970を、太さ7.5milのテーパー毛で毛束径1.3、毛束丈11mmとし、毛束971〜975を、それぞれ太さ4milのストレート毛で、毛束径1.3mm、毛丈10mmとした。また、毛束971の傾斜角度を87°、毛束972の傾斜角度を86°、毛束973の傾斜角度を85°、毛束974の傾斜角度を88°、毛束975の傾斜角度を86°とした。この歯ブラシの毛束群960は、先端部領域の最大長さが4.7mm、先端部領域の最大幅が6.6mmで、毛束群集束比が0.67であった。
得られた歯ブラシについて、歯茎へのフィット感、歯茎への当たり心地、歯茎の清掃実感、ヘッド部強度を評価し、その結果を表1に示す。
なお、表中、毛束971〜975を総じて「傾斜毛束」として記載した。
(比較例4)
距離D1を0.3mm、距離D2を0.1mmとし、全ての毛束の傾斜角度を90°とした以外は、実施例1と同様にして歯ブラシを得た。得られた歯ブラシについて、歯茎へのフィット感、歯茎への当たり心地、歯茎の清掃実感、ヘッド部強度を評価し、その結果を表1に示す。
なお、表中、全ての毛束を「垂直毛束」として記載した。
(評価方法)
<歯茎へのフィット感>
10人のモニターが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯茎へのフィット感を下記評価基準で評価した。モニター10人の平均点が4.0点以上を「◎」、平均点3.0点以上4.0点未満を「○」、平均点2.0点以上3.0点未満を「△」、平均点2.0点未満を「×」とした。
≪評価基準≫
5点:毛束が歯茎に対しフィットする感触を非常に感じる。
4点:毛束が歯茎に対しフィットする感触を強く感じる。
3点:毛束が歯茎に対しフィットする感触を感じる。
2点:毛束が歯茎に対しフィットする感触をあまり感じない。
1点:毛束が歯茎に対しフィットする感触を感じない。
<当たり心地>
10人のモニターが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯茎への当たり心地を下記評価基準で評価した。モニター10人の平均点が4.0点以上を「◎」、平均点3.0点以上4.0点未満を「○」、平均点2.0点以上3.0点未満を「△」、平均点2.0点未満を「×」とした。
≪評価基準≫
5点:歯茎の痛みがなく、当たり心地が非常によい。
4点:歯茎の痛みがなく、当たり心地がとてもよい。
3点:歯茎の痛みがなく、当たり心地がよい。
2点:歯茎に弱い痛みを感じる。
1点:歯茎に強い痛みを感じる。
<歯茎の清掃実感>
10人のモニターが、各例の歯ブラシで口腔内を清掃し、その際の歯茎の清掃効果を下記評価基準で評価した。モニター10人の平均点が4.0点以上を「◎」、平均点3.0点以上4.0点未満を「○」、平均点2.0点以上3.0点未満を「△」、平均点2.0点未満を「×」とした。
≪評価基準≫
5点:歯茎の汚れが落ちた感触を非常に感じる。
4点:歯茎の汚れが落ちた感触を強く感じる。
3点:歯茎の汚れが落ちた感触を感じる。
2点:歯茎の汚れが落ちた感触をあまり感じない。
1点:歯茎の汚れが落ちた感触を感じない。
<ヘッド部強度>
各例の歯ブラシのヘッド部について、白化及び割れの発生の有無を目視で確認し、下記評価基準にてヘッド部強度を評価した。
≪評価基準≫
○:割れ及び白化が認められない。
×:割れ又は白化が認められる。
Figure 2012231930
表1に示すように、本発明を適用した実施例1〜3は、歯茎へのフィット感、当たり心地、歯茎の清掃実感及びヘッド部強度のいずれもが、「○」又は「◎」であった。
一方、毛束径が2mm以上であり、毛束群の先端部領域の最大長さ及び最大幅が5mm未満の比較例2は、歯茎へのフィット感、当たり心地及び歯茎の清掃実感のいずれもが、「△」であった。毛束群の先端部領域の最大幅が5mm以上で、毛束径が2mm未満の比較例3は、歯茎へのフィット感、当たり心地及び歯茎の清掃実感のいずれもが、「△」であった。また、植毛穴間の距離を近づけて密毛仕様にした比較例4は、ヘッド部強度が「×」であった。
これらの結果から、本発明を適用した歯ブラシは、ヘッド部の強度を確保しつつ、歯茎に優しい当たり心地を与えられることが判った。
1、1a、1b、100 歯ブラシ
2 ヘッド部
3 ハンドル部
10、10a、10b 毛束群
11 毛束群先端部
12、112、122 基端部領域
14、114、124 先端部領域
20 植毛面
21 ブラシ部先端
22 植毛穴
30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、130、131、132、133、134、135 毛束
110 第一の毛束群
120 第二の毛束群

Claims (5)

  1. ヘッド部の植毛面に複数本の用毛を束ねた毛束が複数植毛され、複数の前記毛束の先端部同士を寄せ合わせてなる毛束群が形成され、前記毛束群を構成する一部又は全部の毛束が前記植毛面に対し傾斜して植毛された歯ブラシにおいて、
    前記毛束群の先端部の輪郭は、前記ヘッド部の幅方向における最大長さが5mm以上、かつ前記ヘッド部の長さ方向における最大長さが5mm以上であり、
    前記毛束群を構成する毛束の毛束径は、2mm以上であることを特徴とする歯ブラシ。
  2. 前記毛束は、平線式植毛で植毛されたことを特徴とする請求項1に記載の歯ブラシ。
  3. 前記毛束群の先端部は、先端に向かい漸次その径が小さくなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の歯ブラシ。
  4. 前記毛束群は、[先端部の輪郭の面積]/[基端部の輪郭の面積]で表される面積比が、0.6〜0.9であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の歯ブラシ。
  5. 前記毛束群は、毛先に向かい漸次その径が小さくなり、先端が先鋭化された用毛を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の歯ブラシ。


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