JP2012231053A - 多層基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性樹脂組成物の変形を抑制し、電気的接続の高い信頼性を有する多層基板を提供することを目的とする。
【解決手段】少なくとも1層の絶縁層と、前記絶縁層の主平面に形成された複数層の配線パターンと、前記絶縁層を貫通するように設けられ前記配線パターン層間を電気的に接続するための導電性樹脂組成物と、を有する多層基板であって、前記導電性樹脂組成物は前記導電性樹脂組成物中に体積比で40〜70%含む導電性フィラと第2の樹脂を有し、前記絶縁層は絶縁性フィラと第1の樹脂を有し前記絶縁性フィラの前記絶縁層中での体積比が前記導電性フィラの前記導電性樹脂組成物中の体積比に対して±20vol%以内である多層基板。
【選択図】図2

Description

本発明は、1層以上の絶縁層と、その主平面に形成された2層以上の配線パターンと、その配線パターン間を電気的に接続するビアを備えた、多層基板に関する。
絶縁層に形成された配線パターン間を電気的に接続して得られる多層基板における層間接続の方法としては、絶縁層に形成した孔にめっき導体や導電性樹脂組成物を形成する方法がある。導電性樹脂組成物としては、導電性樹脂組成物を充填し硬化させる方法が知られており、銅や銀、はんだ化合物等の導電性フィラを樹脂に分散させている。
このような多層基板の製造方法としては、例えば、絶縁性フィラと樹脂を含む未硬化の絶縁性基材(プリプレグ)にレーザー等により孔を形成し、この孔に導電性樹脂組成物を充填し、銅箔等の導体箔をプリプレグの両面に積層する。そして、この積層体を加圧しつつ加熱することによって、導電ペーストが硬化し導電性樹脂組成物として導体箔と電気的接続をとるとともに、プリプレグが硬化することで、導体箔と接着し絶縁層を形成する。エッチング等により配線パターンを形成することで多層基板を作製する。また、同様の多層化工程を行うことで、必要な配線パターン層数の多層基板を作製する。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2002−359470号公報
特許文献1においては、多層基板の表面に形成された配線パターンに導電性樹脂組成物が接している。導電性樹脂組成物は導電性フィラと樹脂を含む混合物が硬化することで形成されているが、絶縁層も同様に絶縁性のフィラと樹脂で構成されており、ガラスクロスや不織布を構造材として含んでいる場合も多い。絶縁層は加熱により、導電性樹脂組成物とともに一旦粘度が下がる。しかしながら、加熱により粘度が下がった際に、プレスにより加圧も行うため、導電性樹脂組成物及び孔の変形が発生する場合が多い。上記従来の技術では、絶縁層と導電性樹脂組成物の溶融粘度のバランスが悪く、フィラの量が少なく樹脂を多く含むプリプレグの一部が導電性樹脂組成物側に押しだされるため、硬化後の導電性樹脂組成物の形状が変形することとなり、配線パターンと導電性樹脂組成物の接続及び/または導電性樹脂組成物自体の特性が低下し、接続不良を引き起こす場合がある。特に、熱衝撃等の履歴により信頼性が低下するという問題がある。多層基板を使用する機器は小型化・高密度化しており、多層基板も小型化に対応できるようにファインな配線パターンや接続方法が必要となっており、導電性樹脂組成物を用いて、より小径で電気的に接続するためには導電性樹脂組成物の変形を抑制する必要がある。
本発明は上記点に鑑みてなされたもので、複数の配線パターンの層間接続の信頼性を向上させる多層基板を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の本発明では、少なくとも1層の絶縁層と、前記絶縁層の主平面に形成された複数層の配線パターンと、前記絶縁層を貫通するように設けられ前記配線パターン層間を電気的に接続するための導電性樹脂組成物と、を有する多層基板であって、前記導電性樹脂組成物は前記導電性樹脂組成物中に体積比で40〜70%含む導電性フィラと第2の樹脂を有し、前記絶縁層は絶縁性フィラと第1の樹脂を有し前記絶縁性フィラの前記絶縁層中での体積比が前記導電性フィラの前記導電性樹脂組成物中の体積比に対して±20vol%以内であることを特徴とする多層基板である。
本発明によれば、多層基板の導電性樹脂組成物は前記導電性樹脂組成物中に体積比で40〜70%含む導電性フィラを有することで、導電性フィラの接触確率を確保し、絶縁性フィラの前記絶縁層中での体積比を導電性フィラの導電性樹脂組成物中の体積比に対して±20vol%以内にすることにより、導電性樹脂組成物の形状を安定させることができ、導電性樹脂組成物と配線パターン間の接続及び/または導電性樹脂組成物内での接続を安定させることができる。これにより、電気的接続の信頼性が高めることができる。
第一実施形態における多層基板の模式断面図 図1における導電性樹脂組成物付近の拡大模式断面図 第一実施形態における多層基板の製造方法工程断面図 第一実施形態における導電性樹脂組成物の変形模式断面図 第一実施形態における導電性樹脂組成物の変形模式断面図 第一実施形態における多層基板の製造方法工程断面図 第二実施形態における従来の絶縁層に形成した導電性樹脂組成物付近の拡大模式断面図 第二実施形態における導電性樹脂組成物付近の拡大模式断面図 第一の実施例で得られた多層基板の導電性樹脂組成物の断面の500倍の電子顕微鏡(SEM)写真 図9のトレース図 第一の実施例で得られた多層基板の変形した導電性樹脂組成物の断面の500倍の電子顕微鏡(SEM)写真 図11のトレース図 第一の実施例で得られた多層基板の変形した導電性樹脂組成物の断面の500倍の電子顕微鏡(SEM)写真 図13のトレース図
[第一実施形態]
図1は、本実施形態の多層基板101の模式断面図である。また、図2は、図1の多層基板101における導電性樹脂組成物103付近の拡大模式断面図である。
図1に示すように、多層基板101は、絶縁層102の主平面に形成された、複数の配線パターン104が、絶縁層102を貫通する導電性樹脂組成物103により電気的に層間接続されている。
絶縁層102は第1の樹脂106と絶縁性フィラ105、導電性樹脂組成物103は、導電性フィラ107と第2の樹脂108を含んでいる。また、ガラスクロスやガラス不織布等の補強材を含んでいてもよい。第1の樹脂106としては、特に限定されるものではないが、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等を用いることができ、エポキシ樹脂系、ポリイミド樹脂系、トリアジン樹脂系、フェノール樹脂系、イソシアネート樹脂系、メラミン樹脂系及びこれら樹脂の変性系樹脂が挙げられる。また、前記各種樹脂を2種類以上の混合の他、必要に応じて各種硬化剤、硬化促進剤を使用しても良い。エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、フェノール樹脂、イソシアネート樹脂等を用いれば、絶縁層102の耐熱性を高めることができる。また、エポキシ樹脂には強度、接着性等の特性も多層基板に適している。好ましい第2の樹脂であるエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、主剤としてグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、またはその他変性エポキシ樹脂などを用いることができる。また、ポリイミド樹脂を用いた場合は耐熱性や屈曲性をプリント配線板に付加することができる。また、誘電正接の低いポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリフェニレンエーテル(PPE)、液晶ポリマーを含むもの、またはそれらの樹脂を変性させた樹脂を用いれば、絶縁層102の高周波特性が向上する。樹脂に、硬化剤を使用する場合には、例えばエポキシ樹脂に用いる場合には、とくに限定されないが、アミン系やフェノール系の硬化剤を用いることができ、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、及び、フェノールノボラックやクレゾールノボラック等の多官能性フェノール等が挙げられる。前記硬化剤は、単独で使用しても、複数種を併用することも可能であり、その種類及び量は、限定されるものではなく、適宜決められる。樹脂に、促進剤を使用する場合には、前述した硬化剤と同様に、種々使用することができ、具体的には、イミダゾール系化合物、有機リン系化合物、アミン及びアンモニウム塩等が用いられ、2種以上を併用しても良い。また、ゴムや熱可塑樹脂を添加してもよい。
また、第2の樹脂108は溶剤に可溶することが望ましい。溶剤に溶ける場合、ガラスクロス、不織布といった構造への含浸やフィルム等への塗工が容易になる。
絶縁性フィラ105および第1の樹脂106の種類を適宜選択すれば、絶縁層102の線膨張係数、熱伝導度、誘電率等を容易に制御できる。絶縁性フィラ105には、例えば、Al23、MgO、SiO2、BN、AlN、Si34、ポリテトラフルオロエチレン(例えば「テフロン(登録商標)」)、MgCO3、Al(OH)3、Mg(OH)2、AlO(OH)等を用いることができる。Al23、BN、AlN、MgOを用いた場合は、熱伝導度の高い絶縁層102を作製でき、絶縁層102の放熱性を高めることができる。Al23、MgOはコストが安いという利点もある。SiO2、Si34、BN、ポリテトラフルオロエチレン(あるいは4フッ化のフッ化炭素樹脂、あるいは4フッ化エチレン、例えば「テフロン(登録商標)」等)を用いた場合は、誘電率が低い絶縁層102を作製できる。特に、比重が小さいSiO2は携帯電話等の用途に適している。またSiO2、BNを用いると、線膨張係数を低くできる。
絶縁性フィラ105の平均粒径は0.1〜20μm、さらには、1〜10μmの範囲であることが好ましい。平均粒径が小さすぎる場合には、絶縁層102の粘度が高くなってしまい絶縁層102を積層する際の配線パターン104の埋め込み性が悪化する。一方、絶縁性フィラ105の平均粒径が大きすぎる場合には、絶縁層102の厚みが限定されてしまう。また、絶縁性フィラ105の粒子形状は、特に限定されない。具体的には、例えば、球状、扁平状、多角状、鱗片状、フレーク状、あるいは表面に突起を有するような形状等が挙げられる。また、一次粒子でもよいし、二次粒子を形成していてもよい。
また、これらの無機フィラは表面処理を施していてもよい。表面処理により耐湿性や接着強度、分散性の向上が図れる。表面処理としては、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤、リン酸エステル、スルホン酸エステル、カルボン酸エステルの他、アルミナやシリカコート、シリコーン系の材料で被覆されていてもよい。なお無機フィラの充填率を増加するために、異なる粒度分布を有する複数種の無機フィラを選び、これらを混合して使用しても良い。
絶縁層102は、さらに湿潤分散剤、着色剤、カップリング剤または離型剤等を含んでいてもよい。湿潤分散剤を含むと、第1の樹脂106中の絶縁性フィラ105の分散を均一化できる。着色剤により絶縁層102を着色すれば、自動認識装置の利用が容易となる。カップリング剤を含むと、第1の樹脂106と絶縁性フィラ105との接着強度が向上し、絶縁層102の絶縁性を高めることができる。離型剤を含むと、金型との離型性が向上するため、生産性を向上できる。
導電性樹脂組成物103は、導電性フィラ107と第2の樹脂108を含む。導電性フィラ107は、例えば、金、銀、銅、パラジウムまたはニッケル等の金属粒子を用いることができる。金、銀、銅またはニッケル等は、導電性が高いため好ましく、銅は導電性が高くマイグレーションも少ないため特に好ましい。銅を銀で被覆した導電性フィラを用いた場合、マイグレーションの少なさと導電性の高さの両方の特性を満たすことができる。また、Sn、Bi金属化合物特にはんだ等の低融点金属を含んでいてもよい。低融点金属により、導電性フィラ107間や導電性フィラ107−配線パターン104間の電気接続性を向上させることができる。導電性フィラ107の平均粒径は0.1〜20μm、さらには、1〜10μmの範囲であることが好ましい。平均粒径が小さすぎる場合には、導電性樹脂組成物103の粘度が高くなってしまい導電性フィラ107の第2の樹脂に対する充填率が低下する。一方、導電性フィラ107の平均粒径が大きすぎる場合には、導電性樹脂組成物103の大きさが限定され微細な構造に対応しにくくなる。また、導電性フィラ107の粒子形状は、特に限定されない。具体的には、例えば、球状、扁平状、多角状、鱗片状、フレーク状、あるいは表面に突起を有するような形状等が挙げられる。また、一次粒子でもよいし、二次粒子を形成していてもよい。多数の導電性フィラ107が互いに接触することで、配線パターン104間に低抵抗の導通路を形成する。導電性フィラ107の導電性樹脂組成物103に対する体積比を40%以上とすることで、電気的に高い接触性を確保することができる。また70vol%以下とすることで、印刷性を確保することができ、絶縁層の孔への充填性を確保できる。
第2の樹脂に関しては、基本的に第1の樹脂と同様の樹脂を使用することができ、同様の効果が期待できる。また、常温で液状の樹脂を用いた場合、無溶剤で導電性樹脂組成物103を作製することができる。
配線パターン104は、電気伝導性を有する物質、例えば、導体箔や導電性樹脂組成物からなる。銅箔を用いる場合、例えば、電解メッキにより作製された厚み9μm〜140μm程度の銅箔が使用できる。銅箔は絶縁層102との接着性を向上させるために、絶縁層102と接触する面を粗面化することが望ましい。また、銅箔には、接着性および耐酸化性向上のために、銅箔表面をカップリング処理したものや、銅箔表面に、錫、亜鉛またはニッケルをメッキしたものを使用してもよい。また、剥離フィルム上に形成された配線パターン104を絶縁層102に転写して形成してもよい。
絶縁性フィラ105の絶縁層102中での体積比を導電性フィラ107の導電性樹脂組成物103中の体積比に対して±20vol%以内にすることで絶縁層102と導電性樹脂組成物103の溶融粘度を近づけることができる。これにより、溶融時に導電性樹脂組成物103の変形を抑制することができ、配線パターン104と導電性樹脂組成物103間の電気的接続及び/または、導電性樹脂組成物103の電気的接続が安定し、多層基板101の信頼性が向上する。
次に、上述したような多層基板101の製造方法の一例を説明するために、各製造工程について、図面を参照しながら詳しく説明する。
本実施形態の製造方法においては、図3(A)に示すように、未硬化の絶縁層102に孔109を形成する。孔109は、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー等の非接触による加工方法の他、ドリルを用いた穴あけ等各種方法が用いられる。孔109の直径としては10〜500μm、さらには50〜300μm程度が挙げられる。孔加工前に絶縁層102の両主平面にフィルムを積層していてもよい。フィルムを積層しておくことで、図3(B)の工程時に導電性樹脂組成物103の充填が容易となる。また図3(C)の工程時に導電性樹脂組成物103の密度を高めることができ、電気的接続性が向上する。
次に、図3(B)に示すように、孔109の中に未硬化の導電性樹脂組成物103を充填する。充填方法はとくに限定されない。例えば、スクリーン印刷などの方法が用いられる。
次に、図3(C)に示すように、未硬化の絶縁層102の両主平面に導体箔110を配置し、加圧・加熱することで絶縁層102及び導電性樹脂組成物103を硬化させ、導体箔110と一体化させる。加圧・加熱条件はとくに限定されないが、絶縁層102の第1の樹脂106及び導電性樹脂組成物103の第2の樹脂108が硬化するための熱量が加えられる必要がある。
この絶縁層102及び導電性樹脂組成物103の硬化工程において、加熱することで第1の樹脂106及び第2の樹脂108が軟化する。絶縁層102の流動(変形)は絶縁層多層時の配線パターン104を埋設するために必要ではあるが、導電性樹脂組成物103の変形は電気的接続性特に信頼性に悪影響を与えることが多い。軟化時に絶縁層102と導電性樹脂組成物103の粘度の差が大きいと、加圧による流動で変形が生じる。粘度の低い材質の方に粘度の高い材質が流れ込む形に変形する可能性が高く、溶融粘度が絶縁層102<導電性樹脂組成物103の場合、図4に示すように導電性樹脂組成物103の中央部が凹んだ形状となる場合がある。中央部が変形する理由は絶縁層102の中央部の流動が最も高くなるためである。また、融粘度が絶縁層102>導電性樹脂組成物103の場合、図5に示すように導電性樹脂組成物103の中央部がふくらんだ形状となる場合がある。中央部が変形する理由は導電性樹脂組成物103の中央部の流動が最も高くなるためである。図4、図5の両方とも導電性樹脂組成物103にかかっている圧縮性が低下しており、電気的接続が悪化する。とくに熱サイクル等による悪化がみられる。絶縁層102、導電性樹脂組成物103ともに溶融粘度は、第1の樹脂106及び第2樹脂108の粘度、絶縁性フィラ105と導電性フィラ107の種類と量、添加剤等によって調整されるが、フィラの量によって多く依存される。すなわちフィラの量を多くすると粘度も上昇する傾向にある。絶縁層102及び導電性樹脂組成物103のそれぞれのフィラと樹脂の充填率を体積比で±20%と近い値にすることで、絶縁層102及び導電性樹脂組成物103の粘度に大きな差が生じないようにすることができ、導電性樹脂組成物103の形状が安定し、電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
次に、図3(D)に示すように、配線パターン104を形成する。配線パターン104は、導体箔110の表面にフォトレジスト膜を形成した後、フォトマスクを介してフォトレジスト膜を感光し、現像を行うことでフォトレジストをパターニングする。その後、配線パターン以外の箔をエッチングし、フォトレジスト膜を除去することで形成できる。フォトレジスト膜の形成には、液状のレジストやフィルムを用いることができる。
このような工程により、導電性樹脂組成物103により、配線パターン104間を層間接続した配線基板が得られる。
このような配線基板をさらに、多層化することで複数層の配線パターン104が層間接続された配線基板が得られる。多層化の方法について図6を参照して説明する。
はじめに、図6(A)に示すように、上述のようにして得られた配線基板の両表面に、図3(B)と同様に絶縁層102に形成した孔109の中に未硬化の導電性樹脂組成物103を充填した絶縁層102を配置する。さらに、絶縁層102の外表面それぞれに導体箔110を配置しプレス及び加熱することにより、絶縁層102及び導電性樹脂組成物103を硬化させる。そして、図4(D)と同様のプロセスを用いることにより新たな配線パターン104を形成する。このような多層化プロセスをさらに繰り返すことにより絶縁層102を多層化した新たな配線基板が得られる。
[第二実施形態]
第二実施形態では、第一実施形態の多層基板101の製造において、絶縁層102が、ガラス織布に樹脂ワニスを含浸させた後、乾燥させることにより得られる、いわゆる、未硬化状態または半硬化状態(B−ステージ)のプリプレグを用いた例について説明する。なお、本実施形態においては、絶縁層102の形態がプリプレグとなっている以外は、第一実施形態と同様であるために、共通する部分については同じ符号を示している。また、第一実施形態と同様の事項については、詳細な説明を省略する。
図7は、従来の一般的な絶縁層202で作製した多層基板201の模式断面図である。図8に本実施形態の多層基板101の模式断面図を示す。
図7、図8中、104,204は配線パターン、105,205は絶縁性フィラ、106,206は第1の樹脂、107,207は導電性フィラ、108,208は第2の樹脂、111,211はガラスクロスである。
図8において絶縁層102は絶縁性フィラ105、第1の樹脂106、ガラスクロス111で形成されることになる。ガラスクロス111はプリプレグにおける構造体として、プリプレグの強度を上げる効果が得られ、硬化後の熱膨張率の制御、寸法安定性、機械強度を高める効果が得られる。ガラスクロス111は10〜300μm程度のものが望ましい。ガラスクロスの厚みが10μm未満の場合、絶縁層102を硬化してなる多層基板101の機械強度(例えば曲げ強度等)に影響を与える。ガラスクロス111の厚みが300μmを超えた場合、プリプレグの作製時における乾燥工程への影響が大きくなってしまう。
ガラスクロス111の他に繊維基材として不織布であってもよい。その具体例としては、例えば、ガラスペーパー、ガラスマット等のガラス繊維布のほか、例えば、クラフト紙、リンター紙、天然繊維布、アラミド繊維からなる有機繊維布等が挙げられる。また、フィルム等の基材を用いてもよい。
図7の様なガラスクロス211を用いた絶縁層においても第1の実施の形態と同様に、加圧・加熱による硬化工程において、第1の樹脂206及び第2の樹脂208が軟化する際に、絶縁層と導電性樹脂組成物の粘度差が大きく異なると、導電性樹脂組成物が変形しやすくなり、電気的接続性、特に信頼性に悪影響を与えることが多い。ガラスクロス211が、絶縁層の厚み方向、ほぼ中央に存在するため、中央部分は比較的形状が保たれ、ガラスクロス211を挟んだ厚み方向の上下での変形がおこりやすい。粘度の低い材質の方に粘度の高い材質が流れ込む形に変形する可能性が高いのは同様である。図8に示すように絶縁層102及び導電性樹脂組成物103のそれぞれのフィラと樹脂の充填率を体積比で±20%と近い値にすることで、絶縁層102及び導電性樹脂組成物103の粘度に大きな差が生じないようにすることができ、導電性樹脂組成物103の形状が安定し、電気的な接続の信頼性を向上させることができる。
次に実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明の範囲は本実施例の内容により何ら限定して解釈されるものではない。
はじめに、本実施例で用いた原材料を以下にまとめて説明する。
・絶縁性フィラ:アルミナ粉(昭和電工(株)製 AL-47 平均粒径2.1μm)
・導電性フィラ:Cu粉(三井金属(株)製1100Y 平均粒子径5μm)
・第1の樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製jeR828)+硬化剤(DICY)
・第2の樹脂:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製jeR871)+硬化剤(味の素ファインテクノ(株)製 アミンアダクト系硬化剤)
・銅箔(古川電工(株)製 厚み25μm)
(絶縁層作製)
(表1)に記載した体積比で配合したアルミナとエポキシ樹脂を有する絶縁層を作製した。絶縁性フィラを第1の樹脂を溶かした溶剤中にディスパーミルで分散し、ワニスを作製した。ワニスをガラスクロスに含浸し、80μmの厚みでプリプレグ状の絶縁層を作製した。
なお(表1)における体積%(vol%)は、ガラスクロスを除いた部分の絶縁層の体積%をしている。
(導電性樹脂組成物作製)
(表2)に記載した体積比で配合したCu粉とエポキシ樹脂を有する導電性樹脂組成物を作製した。混練にはプラネタリーミキサを使用している。
(多層基板の製造)
絶縁層の両表面にフィルムを貼り合わせ、レーザーで上孔φ120μm、下孔φ100μmの孔を形成した。
次に、導電性樹脂組成物を孔に印刷充填した。両表面のフィルムを剥離後、絶縁層の両表面に銅箔を積層配置した。
積層後、加熱プレス機で、20℃から最高温度200℃までを45分で昇温して200℃を90分間キープしたのち、60分間かけて常温まで冷却した。なお、プレス圧は3MPaとした。
プレス後、レジストフィルムを貼り付け、露光・現像し、エッチングにより配線パターンを形成した。このようにして配線基板を得た。
(評価)
〈抵抗値試験〉
配線パターンとビアで形成した100連のチェーンパターンの抵抗値を4端子法により測定した。そして、100個の平均抵抗値と最大抵抗値を求めた。
初期抵抗値としては1Ω以下のものを○、1Ω以下のものと1Ωを超えるものが混在していたものを△、全て1Ωを超えていたものを×と判断した。
結果を(表3)に示す。
(表3)の結果から導電性樹脂組成物のフィラ/導電性樹脂組成物の割合が35vol%以下の時は低い抵抗値が得られていないことがわかる。これはフィラの割合が少なすぎることで、適切な電気的接触が得られていないことに起因していると考えられる。
また、フィラ/導電性樹脂組成物の割合が75vol%の時も低い抵抗値が得られなかった。これは導電性樹脂組成物の粘度が高すぎたために絶縁層に形成した孔に十分に充填されていなかったことが原因と思われる。
抵抗値が△、○になっている部分の断面写真を図9、11、13に示す。またそのトレース図を図10、12、14に示す。図9、10が絶縁層G−導電性樹脂組成物gの組み合わせ、図11、12が絶縁層B−導電性樹脂組成物iの組み合わせ、図13、14が絶縁層J−導電性樹脂組成物eの組み合わせである。倍率は500倍である。
図9をみると導電性樹脂組成物と絶縁層の溶融粘度のバランスがとれており、ビアの変形はほとんど見られていない。電気抵抗も100連チェーンで0.4〜0.6Ωの範囲に収まっており良好であった。
図11では絶縁層の溶融粘度が導電性樹脂組成物の粘度より低く、最も流動の高い部分(ガラスクロス部はほぼ固定)で導電性樹脂組成物が凹む形で変形している。電気抵抗は1Ωを超える値がでており、断面観察の結果と対応している。
図13では図11と逆に絶縁層の溶融粘度が導電性樹脂組成物の粘度より高く、導電性樹脂組成物がふくらんだ形で変形している。ここも同じく電気抵抗は1Ωを超える値がでており、断面観察の結果と対応している。
以上のように、本願発明は、多層基板101等において、その熱伝導性を高めるために、絶縁性フィラ105等の添加量を増加させた時に発生するビアの変形等の課題に対して、導電性樹脂組成物と絶縁層の溶融粘度のバランスを最適化することで解決することができる。
本発明によれば、携帯電話等に使われる多層基板の更なる低コスト化、小型化、高機能化、高信頼性化が実現できる。
101、201 多層基板
102 絶縁層
103 導電性樹脂組成物
104、204 配線パターン
105、205 絶縁性フィラ
106、206 第1の樹脂
107、207 導電性フィラ
108、208 第2の樹脂
109 孔
110 導体箔
111、211 ガラスクロス

Claims (8)

  1. 少なくとも1層の絶縁層と、
    前記絶縁層の主平面に形成された複数層の配線パターンと、
    前記絶縁層を貫通するように設けられ前記配線パターン層間を電気的に接続するための導電性樹脂組成物と、
    を有する多層基板であって、
    前記導電性樹脂組成物は前記導電性樹脂組成物中に体積比で40〜70%含む導電性フィラと、第2の樹脂を有し、
    前記絶縁層は絶縁性フィラと第1の樹脂を有し前記絶縁性フィラの前記絶縁層中での体積比が前記導電性フィラの前記導電性樹脂組成物中の体積比に対して±20vol%以内である多層基板。
  2. 前記導電性フィラの平均粒径が前記絶縁性フィラの平均粒径の0.2〜5倍である請求項1記載の多層基板。
  3. 前記絶縁層がガラスクロス及び/またはガラス不織布を含む請求項1記載の多層基板。
  4. 前記第2の樹脂及び第1の樹脂がエポキシ樹脂を含む請求項1記載の多層基板。
  5. 前記導電性フィラが銅、銀、銀コート銅粉、Sn化合物、Bi化合物の少なくとも一つを含む請求項1記載の多層基板。
  6. 前記絶縁性フィラがAl23、MgO、SiO2、BN、AlN、Si34、ポリテトラフルオロエチレン、MgCO3、Al(OH)3、Mg(OH)2、AlO(OH)の少なくとも一つを含む請求項1記載の多層基板。
  7. 前記絶縁層が樹脂クロス及び/または樹脂不織布及び/または樹脂フィルムを含む請求項1記載の多層基板。
  8. 絶縁性フィラと第1の樹脂を有する絶縁層に孔を形成する工程と、
    前記孔に、体積比で40〜70%含む導電性フィラと、第2の樹脂を有する前記導電性樹脂組成物を充填する工程と、
    導体箔と絶縁層を配置し加圧加熱により絶縁層及び導電性樹脂組成物を硬化する工程と、
    前記導体箔に配線パターンを形成する工程と、
    を備えたことを特徴とする多層配線基板の製造方法であって、
    前記絶縁性フィラの前記絶縁層中での体積比が前記導電性フィラの前記導電性樹脂組成物中の体積比に対して±20vol%以内である多層基板の製造方法。
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