JP2012230992A - マルチ接合構造光電変換素子およびその製造方法 - Google Patents

マルチ接合構造光電変換素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換効率が向上する構成のマルチ接合構造光電変換素子を提供する。
【解決手段】第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子がその番号順に積層された構成を有し、各有機薄膜光電変換素子はそれぞれ、一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備え、第1の有機薄膜光電変換素子の一対の電極のうちの、第2の有機薄膜光電変換素子寄りの電極は、光透過性を示す電極によって構成され、n個の有機薄膜光電変換素子のうちの、第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子は、一対の電極がそれぞれ光透過性を示す電極によって構成されるマルチ接合構造光電変換素子。
【選択図】なし

Description

本発明はマルチ接合構造光電変換素子およびその製造方法に関する。
光エネルギーを電気エネルギーに変換する有機薄膜光電変換素子は、一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備える。この活性層は、有機薄膜半導体によって構成される(たとえば非特許文献1参照)。この有機薄膜光電変換素子は、活性層などを塗布法によって形成することが可能であり、シリコン系の太陽電池や色素増感太陽電池などと比べて、簡易に作製することが可能な素子として期待されている。
Thin Solid Films、2005、491号、p.298−300
上記有機薄膜光電変換素子には光電変換効率の向上が求められている。したがって本発明の目的は、光電変換効率が向上する構成のマルチ接合構造光電変換素子を提供することにある。
本発明は、第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子がその番号順に積層された構成を有し、
各有機薄膜光電変換素子はそれぞれ、一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備え、
第1の有機薄膜光電変換素子の一対の電極のうちの、第2の有機薄膜光電変換素子寄りの電極は、光透過性を示す電極によって構成され、
n個の有機薄膜光電変換素子のうちの、第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子は、一対の電極がそれぞれ光透過性を示す電極によって構成されるマルチ接合構造光電変換素子に関する。
また本発明は、n個の有機薄膜光電変換素子のうちの、第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子は、一対の電極のうちの少なくともいずれか一方の電極が、導電性物質のナノ粒子、または導電性物質のナノファイバーを含む、マルチ接合構造光電変換素子に関する。
また本発明は、前記活性層が、共役高分子化合物とフラーレン誘導体とを含む、マルチ接合構造光電変換素子に関する。
また本発明は、第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子が、その番号順に積層された構成を有するマルチ接合構造光電変換素子の製造方法であって、
それぞれが一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備える前記n個の有機薄膜光電変換素子を、順次形成する工程を有し、
有機薄膜光電変換素子を順次形成する工程では、活性層を塗布法によって形成する、マルチ接合構造光電変換素子の製造方法に関する。
また本発明は、n個の有機薄膜光電変換素子のうちの第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子の各一対の電極のうちの少なくとも一方の電極を塗布法によって形成する、マルチ接合構造光電変換素子の製造方法に関する。
本発明によれば、光電変換効率が向上する構成のマルチ接合構造光電変換素子が実現される。
以下、本発明を詳細に説明する。
<1>マルチ接合構造光電変換素子
本実施の形態のマルチ接合構造光電変換素子は、第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子がその番号順に積層された構成を有し、各有機薄膜光電変換素子はそれぞれ、一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備え、第1の有機薄膜光電変換素子の一対の電極のうちの、第2の有機薄膜光電変換素子寄りの電極は、光透過性を示す電極によって構成され、n個の有機薄膜光電変換素子のうちの、第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子は、一対の電極がそれぞれ光透過性を示す電極によって構成される。
まずn個の有機薄膜光電変換素子のうちの、第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子(以下では第1以外の有機薄膜光電変換素子ということがある。)について説明する。
第1以外の有機薄膜光電変換素子は、一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備える。
一対の電極は陽極と陰極とから構成される。当該一対の電極はそれぞれ光透過性を示す電極によって構成される。なお本明細書において「光透過性を示す」とは、「透明または半透明」を意味する。以下では「光透過性を示す」ことを、透明および半透明を含めて単に「透明」と記載することがある。
有機薄膜光電変換素子は透明基板上に設けられることがある。以下に、本実施の形態の第1以外の有機光電変換素子の素子構造の一例を示す。
(a)透明基板/透明陽極/活性層/透明陰極
(b)透明基板/透明陰極/活性層/透明陽極
なお有機薄膜光電変換素子は、一対の電極および活性層に限らず、所定の層をさらに備えることがある。たとえば所定の層として、陰極と活性層との間に電子輸送層が設けられることがあり、また活性層と陽極との間に、正孔輸送層が設けられることがある。
(a)の素子はいわゆる順構造の素子であり、(b)の素子はいわゆる逆構造の素子である。
このように、第1以外の有機光電変換素子は、一対の電極がそれぞれ光透過性を示す電極によって構成されるため、素子自体が光透過性を示す。また透明基板上に第1以外の有機薄膜光電変換素子を形成する場合には、基板に透明基板を用いることによって、透明基板と有機薄膜光電変換素子とを含めて、透明な構造体を実現することができる。
(透明基板)
本発明の透明基板は、透明であって、かつ有機薄膜光電変換素子を形成する際に化学的に変化しないものであればよい。透明基板の材料としては、例えば、ガラス、プラスチック、および高分子フィルムなどが挙げられる。
以下、第1以外の有機光電変換素子の各構成要素及びそれらの製法について説明する。
(活性層)
活性層は、単層の形態または複数の層が積層された形態をとりうる。単層構成の活性層は、電子受容性化合物及び電子供与性化合物を含有する層から構成される。
また複数の層が積層された構成の活性層は、たとえば電子供与性化合物を含有する第一の活性層と、電子受容性化合物を含有する第二の活性層とを積層した積層体から構成される。なおこの場合、第一の活性層が、第二の活性層に対して陽極寄りに配置される。
活性層は塗布法により形成されることが好ましい。また活性層は、高分子化合物を含むことが好ましく、電子供与性化合物および電子受容性化合物のうちの少なくとも一方は、高分子化合物であることが好ましく、電子供与性化合物又は電子受容性化合物として、一種類の高分子化合物を単独で含んでいても、二種類以上の高分子化合物を含んでいてもよい。
有機光電変換素子に好適に用いられる電子受容性化合物は、そのHOMOエネルギーが電子供与性化合物のHOMOエネルギーよりも高く、かつ、そのLUMOエネルギーが電子供与性化合物のLUMOエネルギーよりも高い化合物からなる。
活性層に含まれる電子供与性化合物は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。低分子化合物としては、フタロシアニン、金属フタロシアニン、ポルフィリン、金属ポルフィリン、オリゴチオフェン、テトラセン、ペンタセン、ルブレン等が挙げられる。高分子化合物としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。
活性層に含まれる電子受容性化合物は、低分子化合物であっても高分子化合物であってもよい。低分子化合物としては、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアントラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体、C60等のフラーレン及びその誘導体、2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリン(バソクプロイン)等のフェナントロリン誘導体等が挙げられる。高分子化合物としては、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミン残基を有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリフェニレンビニレン及びその誘導体、ポリチエニレンビニレン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が挙げられる。これらの中でもフラーレン及びその誘導体が好ましい。
フラーレン及びその誘導体としては、C60、C70、C84及びその誘導体が挙げられる。フラーレン誘導体とは、フラーレンの少なくとも一部が修飾された化合物を表す。
フラーレン誘導体としては、例えば、式(I)で表される化合物、式(II)で表される化合物、式(III)で表される化合物、式(IV)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012230992
(式(I)〜(IV)中、Rは、アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基又はエステル構造を有する基である。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。Rはアルキル基又はアリール基を表す。複数個あるRは、同一であっても相異なってもよい。)
及びRで表されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、ブチル基、iso−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられる。R及びRで表されるアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基等が挙げられる。R及びRで表されるヘテロアリール基としては、チェニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられる。
で表されるエステル構造を有する基は、例えば、式(V)で表される基が挙げられる。
Figure 2012230992
(V)
(式中、u1は、1〜6の整数を表す、u2は、0〜6の整数を表す、Rは、アルキル基、アリール基又はヘテロアリール基を表す。)
で表されるアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の定義、具体例は、R及びRで表されるアルキル基、アリール基及びヘテロアリール基の定義、具体例と同じである。
60の誘導体の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2012230992
Figure 2012230992

Figure 2012230992
70の誘導体の具体例としては、以下のようなものが挙げられる。
Figure 2012230992
活性層が、フラーレン類及び/又はフラーレン類の誘導体からなる電子受容性化合物と、電子供与性化合物とを含有する構成では、フラーレン類及びフラーレン類の誘導体の割合が、電子供与性化合物100重量部に対して、10〜1000重量部であることが好ましく、50〜500重量部であることがより好ましい。また有機光電変換素子としては、前述の単層構成の活性層を備えることが好ましく、ヘテロ接合界面を多く含むという観点からは、フラーレン類及び/又はフラーレン類の誘導体からなる電子受容性化合物と、電子供与性化合物とを含有する単層構成の活性層を備えることがより好ましい。
中でも活性層は、共役高分子化合物と、フラーレン類及び/又はフラーレン類の誘導体とを含むことが好ましい。活性層に用いられる共役高分子化合物としては、例えば、非置換又は置換のフルオレンジイル基、非置換又は置換のベンゾフルオレンジイル基、非置換又は置換のジベンゾフランジイル基、非置換又は置換のジベンゾチオフェンジイル基、非置換又は置換のカルバゾールジイル基、非置換又は置換のチオフェンジイル基、非置換又は置換のフランジイル基、非置換又は置換のピロールジイル基、非置換又は置換のベンゾチアジアゾールジイル基、非置換又は置換のビニレン基、及び非置換又は置換のトリフェニルアミンジイル基からなる群から選ばれる一種以上の基を繰り返し単位として含み、該繰り返し単位同士が直接又は連結基を介して結合した高分子化合物が挙げられる。
前記共役高分子化合物において、前記繰り返し単位同士が連結基を介して結合している場合、該連結基としては、例えば、フェニレン基、ビフェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基が挙げられる。
共役高分子化合物の好ましい例としては、フルオレンジイル基及びチオフェンジイル基からなる群から選ばれる一種以上の基を繰り返し単位として含み、該繰り返し単位同士が直接又は連結基を介して結合した高分子化合物が挙げられる。
活性層の膜厚は、通常、1nm〜100μmであり、好ましくは2nm〜1000nmであり、より好ましくは5nm〜500nmであり、さらに好ましくは20nm〜200nmである。
活性層は、塗布法によって形成されることが好ましく、例えば、溶媒と共役高分子化合物とフラーレン誘導体とを含む組成物からの成膜による方法が挙げられる。溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、メシチレン、テトラリン、デカリン、ビシクロヘキシル、n−ブチルベンゼン、sec−ブチルベゼン、tert−ブチルベンゼン等の不飽和炭化水素溶媒、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化不飽和炭化水素溶媒、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等のエーテル類溶媒が挙げられる。
塗布液の成膜には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法、ノズルコート法、キャピラリーコート法等の塗布法を用いることができる。塗布法の中でも、スピンコート法、フレキソ印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー印刷法を用いることが好ましい。
(透明電極)
透明電極(透明陽極または透明陰極)には、導電性の金属酸化物膜、金属薄膜、および有機物を含む導電膜等が用いられる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅、アルミニウム、ポリアニリン及びその誘導体、並びにポリチオフェン及びその誘導体等の薄膜が用いられる。これらのなかでも透明電極には、ITO、IZO、酸化スズの薄膜が好適に用いられる。なおたとえば上述の透明電極を構成する薄膜の膜厚を、光が透過する程度の厚さにした透明又は半透明な電極が透明電極として用いられる。
透明電極は、単層の形態または複数の層が積層された形態をとりうる。一対の電極のうちの少なくとも一方の透明電極は塗布法により形成されることが好ましい。透明電極を塗布法により形成する際に用いられる塗布液は、透明電極の構成材料と溶媒とを含む。透明電極は導電性を示す高分子化合物を含むことが好ましく、実質的に導電性を示す高分子化合物から成ることが好ましい。透明電極の構成材料としては、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体等の有機材料が挙げられる。
塗布法により形成される透明電極は、ポリチオフェン及び/又はポリチオフェンの誘導体を含んで構成されることが好ましく、実質的にポリチオフェン及び/又はポリチオフェンの誘導体から成ることが好ましい。また透明電極は、ポリアニリン及び/又はポリアニリンの誘導体を含んで構成されることが好ましく、ポリアニリン及び/又はポリアニリンの誘導体から成ることが好ましい。
ポリチオフェン及びその誘導体の具体例としては、以下に示す複数の構造式のうちの1つ以上を繰り返し単位として含む化合物が挙げられる。
Figure 2012230992
(式中、nは、2以上の整数を表す。)
ポリピロール及びその誘導体の具体例としては、以下に示す複数の構造式のうちの1つ以上を繰り返し単位として含む化合物が挙げられる。
Figure 2012230992
(式中、nは、2以上の整数を表す。)
ポリアニリン及びその誘導体の具体例としては、以下に示す複数の構造式のうちの1つ以上を繰り返し単位として含む化合物が挙げられる。
Figure 2012230992
(式中、nは、2以上の整数を表す。)
上記透明電極の構成材料のなかでも、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)とポリ(4−スチレンスルホン酸)(PSS)からなるPEDOT/PSSは、高い光電変換効率を示す点から、透明電極の構成材料として好適に用いられる。
なお透明電極は、上記有機材料を含む塗布液に限らずに、導電性物質のナノ粒子、導電性物質のナノワイヤ、または導電性物質のナノチューブを含む、エマルション(乳濁液)やサスペンション(懸濁液)、金属ペーストなどの分散液、溶融状態の低融点金属等を用いて塗布法により形成してもよい。導電性物質としては、金、銀、等の金属、ITO(インジウムスズ酸化物)等の酸化物、カーボンナノチューブ等が挙げられる。なお透明電極は、導電性物質のナノ粒子または名のファイバーのみから構成されていてもよいが、透明電極は、特表2010−525526号に示されるように、導電性物質のナノ粒子またはナノファイバーが、導電性ポリマーなどの所定の媒体中に分散して配置された構成を有していてもよい。
塗布液の成膜方法には、前記活性層と同様の方法が挙げられる。
(電子輸送層)
有機光電変換素子は、活性層と陰極との間に、電子輸送性材料を含む電子輸送層を有することが好ましい。
電子輸送層は、塗布法により形成することが好ましく、たとえば電子輸送性材料と溶媒とを含む塗布液を、当該電子輸送層が設けられる層の表面上に塗布することにより形成することが好ましい。なお本発明において、塗布液は、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液も含む。
電子輸送性材料としては、例えば、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化スズ、酸化インジウム、ITO(インジウムスズ酸化物)、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、AZO(アルミニウムドープ酸化亜鉛)が挙げられ、これらの中でも、酸化亜鉛が好ましい。なお電子輸送層を形成するさいには、粒子状の酸化亜鉛を含む塗布液を成膜して、当該電子輸送層を形成することが好ましい。このような電子輸送材料としては、いわゆる酸化亜鉛のナノ粒子を用いることが好ましく、酸化亜鉛のナノ粒子のみからなる電子輸送性材料を用いて、電子輸送層を形成することがより好ましい。なお酸化亜鉛の球相当の平均粒子径は、1nm〜1000nmが好ましく、10nm〜100nmが好ましい。平均粒子径はレーザー光散乱法やX線回折法によって測定される。
陰極と活性層との間に、電子輸送性材料を含む電子輸送層を設けることによって、陰極の剥離を防ぐとともに、活性層から陰極への電子注入効率を高めることができる。なお電子輸送層は、活性層に接して設けることが好ましく、さらには陰極にも接して設けられることが好ましい。このように電子輸送性材料を含む電子輸送層を設けることによって、陰極の剥離を防ぐとともに、活性層から陰極への電子注入効率をさらに高めることができる。このような電子輸送層を設けることによって、信頼性が高く、光電変換効率の高い有機光電変換素子を実現することができる。
電子輸送性材料を含む電子輸送層を設けることによって、陰極への電子の注入効率を高めたり、活性層からの正孔の注入を防いだり、電子の輸送能を高めたり、活性層形成のあとに陰極を塗布法で形成する際に用いられる塗布液による侵食から活性層を保護したり、活性層の劣化を抑制したりすることができる。
また電子輸送性材料を含む電子輸送層は、電子輸送層形成後に陰極または活性層を塗布形成する際に用いられる塗布液に対して濡れ性が高い材料によって構成されることが好ましい。具体的には電子輸送性材料を含む電子輸送層は、陰極または活性層を塗布形成する際に用いられる塗布液に対する濡れ性が高い方が好ましい。このような電子輸送層上に陰極または活性層を塗布形成することにより、陰極または活性層を形成する際に、塗布液が電子輸送層の表面上に良好に濡れ広がり、膜厚が均一な陰極または活性層を形成することができる。
塗布液の成膜方法には、前記活性層と同様の方法が挙げられる。
(正孔輸送層)
有機光電変換素子は、活性層と陽極との間に正孔輸送性材料を含む正孔輸送層を有することが好ましい。
正孔輸送層は、塗布法により形成することが好ましく、たとえば正孔輸送性材料と溶媒とを含む塗布液を、当該正孔輸送層が設けられる層の表面上に塗布することにより形成することが好ましい。なお本発明において、塗布液は、エマルション(乳濁液)、サスペンション(懸濁液)等の分散液も含む。
正孔輸送層の機能としては、活性層への正孔の注入効率を高める機能、活性層からの電子の注入を防ぐ機能、正孔の輸送能を高める機能、平坦性を高める機能、活性層形成のあとに陽極を塗布法で作製する場合に、陽極を成膜するための塗布液による侵食から活性層を保護する機能、活性層の劣化を抑制する機能等が挙げられる。
正孔輸送性材料としては、例えば、正孔を輸送する機能を示す高分子化合物が挙げられる。正孔を輸送する機能を示す高分子化合物の例としては、チオフェンジイル基を含む高分子化合物、アニリンジイル基を含む高分子化合物、ピロールジイル基を含む高分子化合物が挙げられる。正孔を輸送する機能を示す高分子化合物の中でも、導電性の高い高分子化合物が好ましい。導電性が高い高分子化合物の導電率は、通常、10-5〜10S/cmであり、好ましくは10-3〜10S/cmである。
正孔を輸送する機能を示す高分子化合物は、スルホン酸基等の酸基を有していてもよい。酸基を有する高分子化合物の例としては、酸基を有するポリ(チオフェン)、酸基を有するポリ(アニリン)が挙げられる。該酸基を有するポリ(チオフェン)及び酸基を有するポリ(アニリン)は、さらに、酸基以外の置換基を有していてもよい。
正孔輸送層には、上記正孔を輸送する機能を示す高分子化合物に加えて、バインダーとして他の高分子化合物を含んでいてもよい。バインダーとしては、例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルフェノール、ノボラック樹脂、ポリビニルアルコールが挙げられる。
塗布液の成膜方法には、前記活性層と同様の方法が挙げられる。
つぎに、第1の有機薄膜光電変換素子について説明する。第1の有機薄膜光電変換素子は、上述した第1以外の有機薄膜光電変換素子と同様の構成を有するか、または第1以外の有機薄膜光電変換素子とは、電極の構成が異なる。
第1の有機薄膜光電変換素子が、上述した第1以外の有機薄膜光電変換素子と同様の構成を有する場合、一対の電極がそれぞれ光透過性の電極によって構成されるため、第1の有機薄膜光電変換素子は透明な素子となる。したがって、第1〜第nの有機薄膜光電変換素子を積層したマルチ接合構造光電変換素子もまた透明な素子となる。
第1の有機薄膜光電変換素子の一対の電極のうち、第1〜第nの有機薄膜光電変換素子を積層した場合に、第2の有機薄膜光電変換素子寄りの電極は、光透過性を示す電極によって構成されるが、第2の有機薄膜光電変換素子から離間して配置される電極は、不透明な電極であってもよい。とくに、この電極を、光を反射する反射電極によって構成した場合には、第2の有機薄膜光電変換素子を通って第1の有機薄膜光電変換素子に入射する光を反射するため、反射光が有機薄膜光電変換素子によって光電変換されることにより、発電効率を高めることができる。さらには、電極自体を反射電極とするのではなく、光を反射する所定の反射層や光を反射する基板などを、第1の有機薄膜光電変換素子の一対の電極のうちの、第2の有機薄膜光電変換素子から離間して配置される電極に対して、さらに第2の有機薄膜光電変換素子から離間する位置に配置してもよい。なおこの外側とは、なお反射電極は、上述の透明電極の材料として例示した材料のなかから、所定の材料を選択し、この材料を、光が反射する程度の膜厚以上に成膜することにより実現される。
<2>マルチ接合構造光電変換素子の製造方法
本発明のマルチ接合構造光電変換素子の製造方法は、第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子が、その番号順に積層された構成を有するマルチ接合構造光電変換素子の製造方法であって、それぞれが一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備える前記n個の有機薄膜光電変換素子を、順次形成する工程を有し、有機薄膜光電変換素子を順次形成する工程では、活性層を塗布法によって形成する、マルチ接合構造光電変換素子の製造方法である。
マルチ接合構造光電変換素子は、たとえば各有機薄膜光電変換素子を順次個別に作製し、作製したn個の有機薄膜光電変換素子を重ね合わせることによって作製される。各有機薄膜光電変換素子は、透明基板上に、各構成要素を順次上述の方法によってそれぞれ成膜することによって作製される。
なお各有機薄膜光電変換素子は、それぞれ透明基板上に形成してもよいが、たとえば1枚の透明基板上において、まず透明基板の一方の表面上に、有機薄膜光電変換素子の各構成要素を順次上述の方法によってそれぞれ成膜することによって1個の有機薄膜光電変換素子を作製し、つぎに透明基板の他方の表面上に、有機薄膜光電変換素子の各構成要素を順次上述の方法によってそれぞれ成膜することによって1個の有機薄膜光電変換素子を作製し、その結果として1枚の透明基板上に、2個の有機薄膜光電変換素子を作製してもよい。
またマルチ接合構造光電変換素子は、各有機薄膜光電変換素子をあらかじめ作製し、これらを積層するのではなく、第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子を、たとえば第1の有機薄膜光電変換素子から順次積層するように、各構成要素を順次上述の方法によってそれぞれ成膜することによって作製してもよい。
またn個の有機薄膜光電変換素子のうちの第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子の各一対の電極のうちの、少なくとも一方の電極を塗布法によって形成することが好ましい。たとえば各有機薄膜光電変換素子は、透明基板上にあらかじめ電極を形成しておき、この電極上に、基板上の電極以外の残り全ての構成要素を塗布法によって形成することが好ましい。このようにすることで、第1以外の有機薄膜光電変換素子の各一対の電極のうちの少なくとも一方の電極が塗布法によって形成される。さらには、電極が形成されていない透明基板上に、有機薄膜光電変換素子の各構成要素を順次全て塗布法によって形成することがさらに好ましい。このように塗布法によって各構成要素を形成することにより、生産性が向上する。これによって簡便にマルチ接合構造光電変換素子が得られる。
なお本発明のマルチ接合構造光電変換素子は、第1〜第nの有機薄膜光電変換素子を重ね合わせ、所定の電極を接続するように配線することで得られる。第1〜第nの有機薄膜光電変換素子は、互いに全く同じ構成の素子であってもよいが、それぞれ吸収スペクトルが異なるほうが、広い範囲の波長をもつ入射光のうちの、広い範囲の波長の光を発電に利用できるので好ましい。なお吸収スペクトルが異なる有機薄膜光電変換素子を実現するには、たとえば活性層の材料を適宜異ならせればよい。
なお記号nが「2」の場合は、マルチ接合構造光電変換素子のうちでもいわゆるタンデム接合構造光電変換素子となり、また記号nが「3」以上の場合には、いわゆるマルチ接合構造光電変換素子となる。
なお第1の光電変換素子も有機光電変換素子であるほうが、生産性の点で好ましい。その場合、第1の有機光電変換素子の活性層も塗布法で作られるほうが生産性の点でより好ましい。
各有機薄膜光電変換素子の陽極同士、陰極同士を繋いだ場合は並列接続となり、各有機薄膜光電変換素子の電流値が加算されることとなる。またたとえば番号が隣り合う有機薄膜光電変換素子の陰極と陽極とを繋いで、第1の有機薄膜光電変換素子の陽極と、第nの有機薄膜光電変換素子の陰極との間で電流を取り出した場合は直列接続となり、各有機薄膜光電変換素子の電圧値が加算されることとなる。その結果、単独の光電変換素子に比べて高い、Jsc(短絡電流密度)またはVoc(開放端電圧)を得ることができ、ひいては高い光電変換効率を得ることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
高分子化合物のポリスチレン換算の重量平均分子量はサイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)により求めた。
カラム: TOSOH TSKgel SuperHM-H(2本)+ TSKgel SuperH2000(4.6mm I.d. × 15cm);検出器:RI (SHIMADZU RID-10A);移動相:テトラヒドロフラン(THF)
参考例1
(化合物1の合成)
Figure 2012230992
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した1000mLの4つ口フラスコに、3−ブロモチオフェンを13.0g(80.0mmol)、ジエチルエーテルを80mL入れて均一な溶液とした。該溶液を−78℃に保ったまま、2.6Mのn−ブチルリチウム(n−BuLi)のヘキサン溶液を31mL(80.6mmol)滴下した。−78℃で2時間反応させた後、8.96gの3−チオフェンアルデヒド(80.0mmol)を20mLのジエチルエーテルに溶解させた溶液を反応液に滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分攪拌し、さらに室温(25℃)で30分攪拌した。反応液を再度−78℃に冷却し、2.6Mのn−BuLiのヘキサン溶液62mL(161mmol)を15分かけて滴下した。滴下後、反応液を−25℃で2時間攪拌し、さらに室温(25℃)で1時間攪拌した。その後、反応液を−25℃に冷却し、60gのヨウ素(236mmol)を1000mLのジエチルエーテルに溶解させた溶液を30分かけて滴下した。滴下後、反応液を室温(25℃)で2時間攪拌し、1規定のチオ硫酸ナトリウム水溶液50mLを加えて反応を停止させた。反応液にジエチルエーテルを加え、反応生成物を含む有機層を抽出した後、硫酸マグネシウムで反応生成物を含む有機層を乾燥し、有機層をろ過後、ろ液を濃縮して35gの粗生成物を得た。クロロホルムを用いて粗生成物を再結晶することにより精製し、化合物1を28g得た。
参考例2
(化合物2の合成)
Figure 2012230992
300mLの4つ口フラスコに、ビスヨードチエニルメタノール(化合物1)を10g(22.3mmol)、塩化メチレンを150mL加えて均一な溶液とした。該溶液にクロロクロム酸ピリジニウムを7.50g(34.8mmol)加え、室温(25℃)で10時間攪拌した。反応液をろ過して不溶物を除去後、ろ液を濃縮し、化合物2を10.0g(22.4mmol)得た。
参考例3
(化合物3の合成)
Figure 2012230992
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した300mLフラスコに、化合物2を10.0g(22.3mmol)、銅粉末を6.0g(94.5mmol)、脱水N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと呼称することもある)を120mL加えて、120℃で4時間攪拌した。反応後、フラスコを室温(25℃)まで冷却し、反応液をシリカゲルカラムに通して不溶成分を除去した。その後、反応液に水500mLを加え、さらにクロロホルムを加え、反応生成物を含む有機層を抽出した。クロロホルム溶液である有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、有機層をろ過し、ろ液を濃縮して粗製物を得た。粗製物を展開液がクロロホルムであるシリカゲルカラムで精製し、化合物3を3.26g得た。
参考例4
(化合物4の合成)
Figure 2012230992
メカニカルスターラーを備え、フラスコ内の気体をアルゴンで置換した300mL4つ口フラスコに、化合物3を3.85g(20.0mmol)、クロロホルムを50mL、トリフルオロ酢酸を50mL入れて均一な溶液とした。該溶液に過ホウ酸ナトリウム1水和物を5.99g(60mmol)加え、室温(25℃)で45分間攪拌した。その後、反応液に水200mLを加え、さらにクロロホルムを加え、反応生成物を含む有機層を抽出した。クロロホルム溶液である有機層をシリカゲルカラムに通し、エバポレーターでろ液の溶媒を留去した。メタノールを用いて残渣を再結晶し、化合物4を534mg得た。
H NMR in CDCl(ppm):7.64(d、1H)、7.43(d、1H)、7.27(d、1H)、7.10(d、1H)
参考例5
(化合物5の合成)
Figure 2012230992
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した100mL四つ口フラスコに、化合物4を1.00g(4.80mmol)と脱水THFを30ml入れて均一な溶液とした。フラスコを−20℃に保ちながら、反応液に1Mの3,7−ジメチルオクチルマグネシウムブロミドのエーテル溶液を12.7mL加えた。その後、30分かけて温度を−5℃まで上げ、そのままの温度で反応液を30分攪拌した。その後、10分かけて温度を0℃に上げ、そのままの温度で反応液を1.5時間攪拌した。その後、反応液に水を加えて反応を停止し、さらに酢酸エチルを加え、反応生成物を含む有機層を抽出した。酢酸エチル溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、酢酸エチル溶液をシリカゲルカラムに通し、ろ液の溶媒を留去し、化合物5を1.50g得た。
H NMR in CDCl(ppm):8.42(b、1H)、7.25(d、1H)、7.20(d、1H)、6.99(d、1H)、6.76(d、1H)、2.73(b、1H)、1.90(m、4H)、1.58‐1.02(b、20H)、0.92(s、6H)、0.88(s、12H)
参考例6
(化合物6の合成)
Figure 2012230992
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、化合物5を1.50g、トルエンを30mL入れて均一な溶液とした。該溶液にp−トルエンスルホン酸ナトリウム1水和物を100mg入れ、100℃で1.5時間攪拌を行った。反応液を室温(25℃)まで冷却後、水50mLを加え、さらにトルエンを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。トルエン溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、溶媒を留去した。得られた粗生成物を、展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで生成し、化合物6を1.33g得た。ここまでの操作を複数回行った。
H NMR in CDCl(ppm):6.98(d、1H)、6.93(d、1H)、6.68(d、1H)、6.59(d、1H)、1.89(m、4H)、1.58‐1.00(b、20H)、0.87(s、6H)、0.86(s、12H)
参考例7
(化合物7の合成)
Figure 2012230992
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、化合物6を2.16g(4.55mmol)、脱水THFを100mL入れて均一な溶液とした。該溶液を−78℃に保ち、該溶液に2.6Mのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液4.37mL(11.4mmol)を10分かけて滴下した。滴下後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で2時間攪拌した。その後、フラスコを−78℃に冷却し、反応液にトリブチルスズクロリドを4.07g(12.5mmol)加えた。添加後、反応液を−78℃で30分攪拌し、次いで、室温(25℃)で3時間攪拌した。その後、反応液に水200mlを加えて反応を停止し、酢酸エチルを加えて反応生成物を含む有機層を抽出した。酢酸エチル溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、有機層をろ過後、ろ液をエバポレーターで濃縮し、溶媒を留去した。得られたオイル状の物質を展開溶媒がヘキサンであるシリカゲルカラムで精製した。シリカゲルカラムのシリカゲルには、あらかじめ5重量(wt)%のトリエチルアミンを含むヘキサンに5分間浸し、その後、ヘキサンで濯いだシリカゲルを用いた。精製後、化合物7を3.52g(3.34mmol)得た。
参考例8
(高分子化合物1の合成)
Figure 2012230992
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した2L四つ口フラスコに、化合物(E)を7.928g(16.72mmol)、化合物(F)を13.00g(17.60mmol)、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド(商品名Aliquat336(登録商標)、アルドリッチ社製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml、25℃)を4.979g、及びトルエンを405ml入れ、撹拌しながら反応系内を30分間アルゴンバブリングした。フラスコ内にジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)を0.02g加え、105℃に昇温し、撹拌しながら2mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液42.2mlを滴下した。滴下終了後5時間反応させ、その後、フェニルボロン酸2.6gとトルエン1.8mlとを加え、105℃で16時間撹拌した。その後、反応液にトルエン700ml及び7.5wt%のジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物水溶液200mlを加え、85℃で3時間撹拌した。反応液の水層を除去後、有機層を60℃のイオン交換水300mlで2回、60℃の3wt%酢酸300mlで1回、さらに60℃のイオン交換水300mlで3回洗浄した。有機層をセライト、アルミナ及びシリカを充填したカラムに通し、ろ液を回収した。その後、熱トルエン800mlでカラムを洗浄し、洗浄後のトルエン溶液をろ液に加えた。得られた溶液を700mlまで濃縮した後、濃縮した溶液を2Lのメタノールに加え、高分子化合物を再沈殿させた。高分子化合物をろ過して回収し、500mlのメタノール、500mlのアセトン、500mlのメタノールで高分子化合物を洗浄した。高分子化合物を50℃で一晩真空乾燥することにより、ペンタチエニル−フルオレンコポリマー(高分子化合物1)12.21gを得た。高分子化合物1のポリスチレン換算の重量平均分子量は1.1×105であった。
参考例9
(高分子化合物2の合成)
Figure 2012230992
200mlのセパラブルフラスコに、メチルトリオクチルアンモニウムクロライド(商品名:aliquat336(登録商標)、Aldrich製、CH3N[(CH2)7CH3]3Cl、density 0.884g/ml、25℃)を0.65g、化合物(G)を1.5779g、化合物(I)を1.1454g入れ、フラスコ内の気体を窒素で置換した。フラスコに、アルゴンバブリングしたトルエンを35ml加え、撹拌溶解後、さらに40分アルゴンバブリングした。フラスコを加熱するバスの温度を85℃まで昇温後、反応液に、酢酸パラジウム1.6mg、トリスo−メトキシフェニルフォスフィンを6.7mg加え、つづいてバスの温度を105℃まで昇温しながら、17.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液9.5mlを6分かけて滴下した。滴下後、バスの温度を105℃に保った状態で1.7時間攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。
次に、当該反応液に、化合物(G)を1.0877g、化合物(H)を0.9399g加え、さらに、アルゴンバブリングしたトルエンを15ml加え、撹拌溶解後、さらに30分アルゴンバブリングした。反応液に、酢酸パラジウムを1.3mg、トリスo−メトキシフェニルフォスフィンを4.7mg加え、つづいてバスの温度を105℃まで昇温しながら、17.5重量%の炭酸ナトリウム水溶液6.8mlを5分かけて滴下した。滴下後、バスの温度を105℃に保った状態で3時間攪拌した。撹拌後、反応液に、アルゴンバブリングしたトルエンを50ml、酢酸パラジウムを2.3mg、トリスo−メトキシフェニルフォスフィンを8.8mg、フェニルホウ酸を0.305g加え、バスの温度を105℃に保った状態で8時間攪拌した。次に、反応液の水層を除去した後、ナトリウムN,N−ジエチルジチオカルバメート3.1gを30mlの水に溶解した水溶液を加え、バスの温度を85℃に保った状態で2時間攪拌した。つづいて、反応液にトルエン250mlを加えて反応液を分液し、有機層を65mlの水で2回、65mlの3重量%酢酸水で2回、65mlの水で2回洗浄した。洗浄後の有機層にトルエン150mlを加えて希釈し、2500mlのメタノールに滴下し、高分子化合物を再沈殿させた。高分子化合物をろ過し、減圧乾燥後、500mlのトルエンに溶解させた。得られたトルエン溶液を、シリカゲル−アルミナカラムに通し、得られたトルエン溶液を3000mlのメタノールに滴下し、高分子化合物を再沈殿させた。高分子化合物をろ過し、減圧乾燥後、3.00gの高分子化合物2を得た。得られた高分子化合物2のポリスチレン換算の重量平均分子量は、257,000であり、数平均分子量は87,000であった。
高分子化合物2は、下記式で表されるブロック共重合体である。
Figure 2012230992
参考例10
(化合物9の合成)
Figure 2012230992
500mlフラスコに、4,5−ジフルオロ−1,2−ジアミノベンゼン(東京化成工業製)を10.2g(70.8mmol)、ピリジンを150mL入れて均一溶液とした。フラスコを0℃に保ったまま、フラスコ内に塩化チオニル16.0g(134mmol)を滴下した。滴下後、フラスコを25℃に温めて、6時間反応を行った。その後、水250mlを加え、クロロホルムで反応生成物を抽出した。クロロホルム溶液である有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過した。ろ液をエバポレーターで濃縮して析出した固体を再結晶で精製した。再結晶の溶媒には、メタノールを用いた。精製後、化合物9を10.5g(61.0mmol)得た。
参考例11
(化合物10の合成)
Figure 2012230992
100mLフラスコに、化合物9を2.00g(11.6mmol)、鉄粉0.20g(3.58mmol)をいれ、フラスコを90℃に加熱した。このフラスコに臭素31g(194mmol)を1時間かけて滴下した。滴下後、90℃で38時間攪拌した。その後、フラスコを室温(25℃)まで冷却し、クロロホルム100mLを入れて希釈した。得られた溶液を、5wt%の亜硫酸ナトリウム水溶液300mLに注ぎ込み、1時間攪拌した。得られた混合液の有機層を分液ロートで分離し、水層をクロロホルムで3回抽出した。得られた抽出液を先ほど分離した有機層と合わせて硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ過後、ろ液をエバポレーターで濃縮し、溶媒を留去した。得られた黄色の固体を、55℃に熱したメタノール90mLに溶解させ、その後、25℃まで冷却した。析出した結晶をろ過回収し、その後、室温(25℃)で減圧乾燥して化合物10を1.50g得た。
19F NMR(CDCl、ppm):−118.9(s、2F)
参考例12
(高分子化合物3の合成)
Figure 2012230992
フラスコ内の気体をアルゴンで置換した200mLフラスコに、化合物7を500mg(0.475mmol)、化合物10を141mg(0.427mmol)、トルエンを32ml入れて均一溶液とした。得られたトルエン溶液を、アルゴンで30分バブリングした。その後、トルエン溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを6.52mg(0.007mmol)、トリス(2−トルイル)ホスフィンを13.0mg加え、100℃で6時間攪拌した。その後、反応液にフェニルブロミドを500mg加え、さらに5時間攪拌した。その後、フラスコを25℃に冷却し、反応液をメタノール300mLに注いだ。析出したポリマーをろ過して回収し、得られたポリマーを、円筒ろ紙に入れ、ソックスレー抽出器を用いて、メタノール、アセトン及びヘキサンでそれぞれ5時間抽出した。円筒ろ紙内に残ったポリマーを、トルエン100mLに溶解させ、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム2gと水40mLを加え、8時間還流下で攪拌を行った。水層を除去後、有機層を水50mlで2回洗浄し、次いで、3wt%の酢酸水溶液50mLで2回洗浄し、次いで、水50mLで2回洗浄し、次いで、5%フッ化カリウム水溶液50mLで2回洗浄し、次いで、水50mLで2回洗浄し、得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させた。ポリマーをろ過後、乾燥し、得られたポリマーをo−ジクロロベンゼン50mLに再度溶解し、アルミナ/シリカゲルカラムを通した。得られた溶液をメタノールに注いでポリマーを析出させ、ポリマーをろ過後、乾燥し、精製された重合体185mgを得た。以下、この重合体を高分子化合物3と呼称する。
(塗布溶液1の製造)
フラーレン誘導体として25重量部の[6,6]−フェニルC71−酪酸メチルエステル(C70PCBM)(アメリカンダイソース社製、ADS71BFA)と、電子供与体化合物として2.5重量部の高分子化合物1及び2.5重量部の高分子化合物2と、溶媒として1000重量部のo−ジクロロベンゼンとを混合した。その後、混合して得られた液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液1を製造した。
(塗布溶液2の製造)
フラーレン誘導体として5重量部の[6,6]−フェニルC71−酪酸メチルエステル(C70PCBM)(アメリカンダイソース社製、ADS71BFA)と、電子供与体化合物として2.5重量部の高分子化合物1と、溶媒として500重量部のo−ジクロロベンゼンとを混合した。その後、混合して得られた液を孔径1.0μmのテフロン(登録商標)フィルターで濾過し、塗布溶液2を製造した。
参考例13
(半透明有機薄膜太陽電池(素子1)の作製、測定)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタ法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。このガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。次に、PEDOT:PSS溶液(H.C.スタルク社製、CleviosP VP AI4083)をスピンコートによりITO膜上に塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚50nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層上に、塗布溶液1をスピンコートにより塗布し、活性層(膜厚約180nm)を形成した。
次に、酸化亜鉛ナノ粒子(粒径20〜30nm)の45重量%イソプロパノール分散液(HTD−711Z、テイカ社製)を、当該分散液の5倍重量部のイソプロパノールで希釈し、塗布液を調製した。この塗布液を、スピンコートにより活性層上に220nmの膜厚で塗布し、電子輸送層を形成した。
次に、水溶媒のワイヤー状導電体分散液(ClearOhm(登録商標)Ink−N AQ:Cambrios Technologies Corporation社製)をスピンコーターによって塗布し、乾燥させることで、膜厚120nmの導電性ワイヤー層の透明陰極を得た。その後、UV硬化性封止剤で封止することで半透明の有機光電変換素子を得た。これを素子1とする。
得られた有機薄膜太陽電池にソーラシミュレーター(分光計器製、商品名OTENTO-SUNII:AM1.5Gフィルター、放射照度100mW/cm2)を用いて一定の光を照射し、発生する電流と電圧を測定した。素子面積は4mm角の16mmであった。得られた太陽電池性能:Jsc(短絡電流密度)、開放端電圧(Voc)、FF(フィルファクター)、光電変換効率を表1に示した。
参考例14
(半透明有機薄膜太陽電池(素子2)の作製、測定)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタ法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。このガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。次に、PEDOT:PSS溶液(H.C.スタルク社製、CleviosP VP AI4083)をスピンコートによりITO膜上に塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚50nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層上に、塗布溶液2をスピンコートにより塗布し、活性層(膜厚約100nm)を形成した。
次に、酸化亜鉛ナノ粒子(粒径20〜30nm)の45重量%イソプロパノール分散液(HTD−711Z、テイカ社製)を、当該分散液の5倍重量部のイソプロパノールで希釈し、塗布液を調製した。この塗布液を、スピンコートにより活性層上に220nmの膜厚で塗布し、電子輸送層を形成した。
次に、水溶媒のワイヤー状導電体分散液(ClearOhm(登録商標)Ink−N AQ:Cambrios Technologies Corporation社製)をスピンコーターによって塗布し、乾燥させることで、膜厚120nmの導電性ワイヤー層の透明陰極を得た。その後、UV硬化性封止剤で封止することで半透明の有機光電変換素子を得た。これを素子2とする。
得られた素子を参考例13と同様にして太陽電池性能を測定し、結果を表1に示した。
参考例15
(不透明有機薄膜太陽電池(素子3)の作製、測定)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタ法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。このガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。次に、PEDOT:PSS溶液(H.C.スタルク社製、CleviosP VP AI4083)をスピンコートによりITO膜上に塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚50nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層上に、塗布溶液1をスピンコートにより塗布し、活性層(膜厚約180nm)を形成した。
その後、真空蒸着機によりカルシウムを膜厚4nmで蒸着し、次いで、アルミニウムを膜厚100nmで蒸着することにより、有機薄膜太陽電池を作製した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10-3Paであった。その後、UV硬化性封止剤で封止することで不透明の有機光電変換素子を得た。これを素子3とする。
得られた素子を参考例13と同様にして太陽電池性能を測定し、結果を表1に示した。
参考例16
(不透明有機薄膜太陽電池(素子4)の作製、測定)
太陽電池の陽極として機能するITO薄膜が形成されたガラス基板を用意した。ITO薄膜はスパッタ法によって形成されたものであり、その厚みは150nmであった。このガラス基板をオゾンUV処理し、ITO薄膜の表面処理を行った。次に、PEDOT:PSS溶液(H.C.スタルク社製、CleviosP VP AI4083)をスピンコートによりITO膜上に塗布し、大気中120℃で10分間加熱することにより、膜厚50nmの正孔注入層を形成した。この正孔注入層上に、塗布溶液2をスピンコートにより塗布し、活性層(膜厚約100nm)を形成した。
その後、真空蒸着機によりカルシウムを膜厚4nmで蒸着し、次いで、アルミニウムを膜厚100nmで蒸着することにより、有機薄膜太陽電池を作製した。蒸着のときの真空度は、すべて1〜9×10-3Paであった。その後、UV硬化性封止剤で封止することで不透明の有機光電変換素子を得た。これを素子4とする。
得られた素子を参考例13と同様にして太陽電池性能を測定し、結果を表1に示した。
実施例1
(並列タンデム型有機薄膜太陽電池(素子5)の作製、測定)
素子1と素子4とを、上記ガラス基板が合わさるように重ね合わせ、各素子の陽極同士、陰極同士を繋いで配線することで、並列タンデム型有機薄膜太陽電池を作成した。これを素子5とする。
得られた素子を参考例13と同様にして太陽電池性能を測定し、結果を表1に示した。
実施例2
(直列タンデム型有機薄膜太陽電池(素子6)の作製、測定)
素子1と素子4とを、上記ガラス基板が合わさるように重ね合わせ、素子1の陰極と素子4の陽極を繋いで配線し、素子1の陽極と素子4の陰極を取り出し電極として、直列タンデム型有機薄膜太陽電池を作成した。これを素子6とする。
得られた素子を参考例13と同様にして太陽電池性能を測定し、結果を表1に示した。
実施例3
(並列タンデム型有機薄膜太陽電池(素子7)の作製、測定)
素子1と素子2とを、上記ガラス基板が合わさるように重ね合わせ、各素子の陽極同士、陰極同士を繋いで配線することで、並列タンデム型有機薄膜太陽電池を作成した。これを素子7とする。
得られた素子を参考例13と同様にして太陽電池性能を測定し、結果を表1に示した。
実施例4
(並列タンデム型有機薄膜太陽電池(素子7)の作製、測定)
素子1と素子3とを、上記ガラス基板が合わさるように重ね合わせ、各素子の陽極同士、陰極同士を繋いで配線することで、並列タンデム型有機薄膜太陽電池を作成した。これを素子8とする。
得られた素子を参考例13と同様にして太陽電池性能を測定し、結果を表1に示した。
Figure 2012230992
表1からわかるように、機薄膜太陽電池を重ね合わせることで得られたタンデム型太陽電池は、各単独の太陽電池よりも高い効率を示した。

Claims (5)

  1. 第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子がその番号順に積層された構成を有し、
    各有機薄膜光電変換素子はそれぞれ、一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備え、
    第1の有機薄膜光電変換素子の一対の電極のうちの、第2の有機薄膜光電変換素子寄りの電極は、光透過性を示す電極によって構成され、
    n個の有機薄膜光電変換素子のうちの、第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子は、一対の電極がそれぞれ光透過性を示す電極によって構成されるマルチ接合構造光電変換素子。
  2. n個の有機薄膜光電変換素子のうちの、第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子は、一対の電極のうちの少なくともいずれか一方の電極が、導電性物質のナノ粒子、または導電性物質のナノファイバーを含む、請求項1記載のマルチ接合構造光電変換素子。
  3. 前記活性層が、共役高分子化合物とフラーレン誘導体とを含む、請求項1または2記載のマルチ接合構造光電変換素子。
  4. 第1〜第n(記号「n」は2以上の整数を表す。)のn個の有機薄膜光電変換素子が、その番号順に積層された構成を有するマルチ接合構造光電変換素子の製造方法であって、
    それぞれが一対の電極と、該電極間に設けられる活性層とを備える前記n個の有機薄膜光電変換素子を、順次形成する工程を有し、
    有機薄膜光電変換素子を順次形成する工程では、活性層を塗布法によって形成する、マルチ接合構造光電変換素子の製造方法。
  5. n個の有機薄膜光電変換素子のうちの第1の有機薄膜光電変換素子を除く残余の有機光電変換素子の各一対の電極のうちの少なくとも一方の電極を塗布法によって形成する、請求項4記載のマルチ接合構造光電変換素子の製造方法。
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