JP2012230975A - 太陽電池セル接続体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱履歴による接続部のクラック発生を抑制しうる接続体およびそれを含む太陽電池セルの接続方法を提供する。
【解決手段】太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とが、接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、前記接着剤が、銅成分と銀成分とを含む導電性合金粒子を含むことを特徴とする接続体の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とが、接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、前記接着剤が、銅成分と銀成分とを含む導電性合金粒子を含むことを特徴とする接続体の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線が接着剤にて接続された接続体の製造方法および該接続体を含む太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池セルがその表面電極に電気的に接続された配線部材を介して直列及び/又は並列に接続された構造を有している。一般的に、太陽電池セルの表面電極には銀を含有したペーストが用いられ、配線部材には銅成分を主体とした材料が用いられている。
この太陽電池モジュールを作製する際に、太陽電池セルの表面電極と配線部材との接続には、従来、はんだが用いられてきた。はんだは、導通性、固着強度等の接続信頼性に優れ、安価で汎用性があることから広く用いられている。
この太陽電池モジュールを作製する際に、太陽電池セルの表面電極と配線部材との接続には、従来、はんだが用いられてきた。はんだは、導通性、固着強度等の接続信頼性に優れ、安価で汎用性があることから広く用いられている。
一方、特許文献1には、太陽電池における半導体構造等の部材が加熱されること、及び/又は、はんだの体積収縮による影響が半導体構造等に及ぶことを防ぐ観点で、はんだの代わりに導電性接着フィルムを用いる配線の接続方法が開示されている。
特開2007−158302号公報
特許文献1に示したような、導電性接着フィルムを用いた接続方法では、はんだを用いた場合に生じる太陽電池セルへの悪影響を抑制することができる。しかし、過酷な環境で用いられる太陽電池モジュールの場合、熱履歴による膨張収縮のため接続部にクラックが発生し、接続信頼性が低下するという課題があった。
本発明は、特定の導電粒子を含んだ導電性接着フィルムを用いることで、前記課題を解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は下記のとおりである。
(1)太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とが、接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、前記接着剤が、銅成分と銀成分とを含む導電性合金粒子を含むことを特徴とする接続体の製造方法。
(2)前記導電性合金粒子の酸素含有量が10ppm以上10000ppm以下、銀成分量と銅成分の質量比が0.1/100〜90/100であることを特徴とする(1)記載の接続体の製造方法。
(3)前記銀電極導電配線が、シリコン、ガラス、窒化アルミ、窒化ガリウム、サファイア、窒化ホウ素基板上に0.01μm以上150μm以下の厚みに形成されたことを特徴とする(1)または(2)記載の接続体の製造方法。
(4)前記導電性合金粒子が結晶性粒子であり、粒子内部に存在する結晶粒の大きさが50〜5000オングストロームであることを特徴とする(1)〜(3)に記載の接続体の製造方法。
(5)(1)〜(4)の製造方法によって製造された接続体を含む太陽電池モジュール。
(1)太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とが、接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、前記接着剤が、銅成分と銀成分とを含む導電性合金粒子を含むことを特徴とする接続体の製造方法。
(2)前記導電性合金粒子の酸素含有量が10ppm以上10000ppm以下、銀成分量と銅成分の質量比が0.1/100〜90/100であることを特徴とする(1)記載の接続体の製造方法。
(3)前記銀電極導電配線が、シリコン、ガラス、窒化アルミ、窒化ガリウム、サファイア、窒化ホウ素基板上に0.01μm以上150μm以下の厚みに形成されたことを特徴とする(1)または(2)記載の接続体の製造方法。
(4)前記導電性合金粒子が結晶性粒子であり、粒子内部に存在する結晶粒の大きさが50〜5000オングストロームであることを特徴とする(1)〜(3)に記載の接続体の製造方法。
(5)(1)〜(4)の製造方法によって製造された接続体を含む太陽電池モジュール。
本発明によれば、熱履歴による接続部のクラック発生を抑制しうる接続体およびそれを含む太陽電池モジュールを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、「実施の形態」と略記する。)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本実施の形態の太陽電池モジュールは、太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とが、銅成分と銀成分とを含む導電性合金粒子を含む接着剤により接続された接続体を有し、好ましくは前記接続体により太陽電池セルが直列及び/又は並列に接続された構造となっているものである。
本実施の形態の太陽電池モジュールは、太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とが、銅成分と銀成分とを含む導電性合金粒子を含む接着剤により接続された接続体を有し、好ましくは前記接続体により太陽電池セルが直列及び/又は並列に接続された構造となっているものである。
上記導電性合金粒子には、平均粒子径0.1μm〜100μmの粒子を用いることができる。また、粒子形状は、球や擬球、非球でもとくに制限されない。また、粒子径が混合していてもよい。
上記導電性合金粒子は、銅成分と銀成分とを含んでいる。このことにより、銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とを導電性合金粒子を介して接続した太陽電池モジュールにおいて、熱履歴が加わった際に各配線と導電粒子の間にクラックが発生しないことで良好な接続性が維持され、また各配線の成分が濃度勾配により接続時に導電粒子側に拡散してしまう(食われる)ことを防止できる。
上記導電性合金粒子の成分比は、良好な接続性の維持と食われ防止を両立する観点から、銀成分と銅成分の質量比が0.1/100〜90/100であることが好ましい。
上記導電性合金粒子は、銅成分と銀成分とを含んでいる。このことにより、銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とを導電性合金粒子を介して接続した太陽電池モジュールにおいて、熱履歴が加わった際に各配線と導電粒子の間にクラックが発生しないことで良好な接続性が維持され、また各配線の成分が濃度勾配により接続時に導電粒子側に拡散してしまう(食われる)ことを防止できる。
上記導電性合金粒子の成分比は、良好な接続性の維持と食われ防止を両立する観点から、銀成分と銅成分の質量比が0.1/100〜90/100であることが好ましい。
また、上記導電性合金粒子には銅、銀成分以外にも、性能を害さない範囲ですず、ビスマス、インジウム、ニッケル、金、アルミ、イリジウム、白金、鉛、鉄、ネオジウム、コバルト、ホウ素、燐、パラジウム、モリブデン、シリコン、炭素などを混合させてもよい。
この場合、性能を維持する観点から、銅、銀成分の比率が全体の70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である範囲で他成分を混合することが好ましい。
この場合、性能を維持する観点から、銅、銀成分の比率が全体の70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは90質量%以上である範囲で他成分を混合することが好ましい。
また、上記導電性合金粒子には10ppm以上10000ppm以下の酸素を含有していることが好ましく、5000ppm以上9000ppm以下の酸素を含有していることがより好ましい。
10ppm以上の酸素が含有されていることで、導電性合金粒子への銀や銅成分の拡散を抑え、銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線の食われをさらに防止できる効果が得られる。また、導電性合金粒子中の酸素濃度が10000ppm以下であることで、電気的な接続性を良好な状態に維持することができる。
10ppm以上の酸素が含有されていることで、導電性合金粒子への銀や銅成分の拡散を抑え、銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線の食われをさらに防止できる効果が得られる。また、導電性合金粒子中の酸素濃度が10000ppm以下であることで、電気的な接続性を良好な状態に維持することができる。
上記導電性合金粒子に含まれる銅と銀の成分の結晶サイズは、50オングストローム以上5000オングストローム以下であることが、銀電極導電配線および銅成分を主体とする導電配線と安定した導電接続ができるため好ましい。50オングストローム以上であることで安定した接続が可能な結晶粒界サイズとなる。5000オングストローム以下の結晶サイズであることで、導電性合金粒子中の銅、銀のそれぞれの接続点がどちらかの成分に偏ることを防止できる。
上記導電性合金粒子の調製方法としては、例えば、所定量の銅、銀、および必要に応じて第3成分を不活性雰囲気中において高温度(融点より100℃以上高い温度)で溶融させ、十分攪拌した後、溶融金属をヘリウム、窒素、水素、アルゴンガスを吹き付けて微粉末化しながら急冷凝固する方法が挙げられる。
導電性合金粒子に凝固させる際に、ヘリウム、窒素、アルゴン雰囲気中に酸素を少量含有させることで、導電性合金粒子に均一に酸素濃度を含有させることができる。導電性合金粒子に適切な量の酸素を含有させるため、不活性雰囲気中に0.1%程度の酸素を含有させておくことが好ましい。
また、急冷凝固する際に溶融金属と冷却ガスとの供給速度量を調整することで、急冷速度が調整でき、導電性合金粒子の結晶サイズをコントロールすることができる。
また、急冷凝固する際に溶融金属と冷却ガスとの供給速度量を調整することで、急冷速度が調整でき、導電性合金粒子の結晶サイズをコントロールすることができる。
本実施の形態の接着剤は、有機バインダー中に導電性合金粒子を含有する接着剤であるため、接続時の応力に対して緩和できる特長がある。とくに、太陽電池に用いられる銀電極が形成されたシリコン基板などは、数百μm以下に薄くなってきており、本発明の接着剤を用いることで応力緩和によりシリコン基材の割れを防止できる利点がある。
上記接着剤中の導電性合金粒子の含有量は0.1体積%以上90体積%以下が好ましく、0.1体積%以上70体積%以下がより好ましく、0.1体積%以上30体積%以下がさらに好ましい。十分な導通を確保する観点から0.1体積%以上が好ましく、応力緩和の効果を十分に発揮させる観点から90体積%以下であることが好ましい。
上記接着剤の有機バインダーとしては、単独または混合して用いることができる。例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂や変性樹脂などから選ばれた1種類以上を含有する有機バインダーが好ましい。
上記有機バインダーは硬化して用いるのが好ましく、硬化後の有機バインダーは20℃〜40℃における弾性率が0.1GPa〜4GPa程度であることが好ましい。
上記接着剤の有機バインダーとしては、単独または混合して用いることができる。例えばエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、シリコーン樹脂や変性樹脂などから選ばれた1種類以上を含有する有機バインダーが好ましい。
上記有機バインダーは硬化して用いるのが好ましく、硬化後の有機バインダーは20℃〜40℃における弾性率が0.1GPa〜4GPa程度であることが好ましい。
また、硬化後の有機バインダーの熱膨張係数は6ppm〜200ppm、吸水率は0.01%〜5%が好ましく、基板によって使い分けることができる。
また、有機バインダーの硬化方法としては、必要に応じて、公知の熱、電子線、光、カチオン、ラジカルでの硬化反応または重合開始反応を利用して硬化する方法を用いることができる。エポキシ樹脂を硬化させて用いる場合には、潜在性硬化剤を用いるのが好ましい。また、アニオン、カチオン、ラジカル重合を利用する場合には、重合開始剤、カチオン発生剤、アニオン発生剤など公知の材料を用いても良い。
また、有機バインダーの硬化方法としては、必要に応じて、公知の熱、電子線、光、カチオン、ラジカルでの硬化反応または重合開始反応を利用して硬化する方法を用いることができる。エポキシ樹脂を硬化させて用いる場合には、潜在性硬化剤を用いるのが好ましい。また、アニオン、カチオン、ラジカル重合を利用する場合には、重合開始剤、カチオン発生剤、アニオン発生剤など公知の材料を用いても良い。
中でも、熱硬化させること好ましく、加熱温度は50〜230℃、加熱時間は1秒〜1時間などが生産性の点から好ましく、有機バインダーに熱風、超音波、加熱ヘッドにより熱供給して硬化する方法が好ましい。このとき、接着剤の接続を良くするため、0.1MPa〜50MPaで加圧をしてもよい。
上記接着剤には密着性の点から、必要に応じてシランカップリング剤、アルミカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーン粘着剤などを加えても良い。
上記接着剤の製造方法としては、例えば、導電性合金粒子を溶剤に溶解させた有機バインダー中に分散させ、そこに必要に応じて、カップリング剤、増粘剤、消泡剤、密着助剤など混ぜる。十分に混合し、導電性合金粒子を分散させた後、必要に応じてペースト状のまま、あるいは分散液を塗膜、乾燥して、フィルム状にする。
上記接着剤の製造方法としては、例えば、導電性合金粒子を溶剤に溶解させた有機バインダー中に分散させ、そこに必要に応じて、カップリング剤、増粘剤、消泡剤、密着助剤など混ぜる。十分に混合し、導電性合金粒子を分散させた後、必要に応じてペースト状のまま、あるいは分散液を塗膜、乾燥して、フィルム状にする。
ペースト状の場合には、適当な溶剤を必要に応じて加えて、銀電極上や銅配線上に印刷やデイスペンサにより塗布して銅配線と銀電極配線を加熱、加圧などで接続することが好ましい。
フィルム状にする場合には、接着剤のフィルムとして1μm〜100μm程度の厚みにして用いるのが好ましい。また、フィルムとして扱いやすくするためにポリエステルフィルムなどの多少の剛性を有するフレキシブルフィルム上に塗工乾燥しておくことが好ましい。このとき、カバーフィルムで接着剤を挟んでもよい。フィルム状の接着剤は、必要に応じて長さ数mから1000mの単位で作成することができる。
上記接着剤を用いて、一方に銀電極導電配線を配置し、反対側に銅成分を主体とする導電配線を電気的に接続する際に、銀電極導電配線は、事前に基板の上に作成されているのが好ましく、基板としては、結晶シリコン、単結晶シリコン、アモルファスシリコン、サファイア、ガラス、ITO、IZO、ガリウム、窒化アルミ、窒化ホウ素、ガラスエポキシ、ポリイミドなどの透明、非透明の基板がある。
銀電極導体配線の厚みは、0.01μm以上150μm以下が好ましい。銀電極の食われを防止する観点から0.01μm以上であることが好ましく、導体配線表面の凹凸を小さくする観点から、150μm以下であることが好ましい。
銀電極導体配線の幅には特に指定はなく、0.1μm幅から10mm幅など幅広い配線幅で用いることができる。
銀電極導体配線の幅には特に指定はなく、0.1μm幅から10mm幅など幅広い配線幅で用いることができる。
また、本実施の形態において、銅成分を主体とする導電配線が、導電配線上にスズ、銀、銅、パラジウム、インジウム、ビスマスから選ばれた1種以上からなる成分を被覆されていることが、銅成分を主体とする導電配線が酸化されることを防止するために好ましい。導体配線は例えば、太陽電池のタブ線として用いる銅成分主体配線などが好ましく、厚さは1μm〜2000μmのものが用いられる。
次に、実施例及び比較例を挙げて本実施の形態をより具体的に説明するが、本実施の形態はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
作成した導電性合金粒子の物性は、下記に示す方法で測定した。
(1)酸素濃度
導電性合金粒子中の酸素濃度は、2000度程度に加熱させてEMGA650(堀場製作所製)により測定した。
(2)平均粒径
レーザー回折型測定器HEROS&RODOS SR型により体積積算平均値を測定し、平均粒径値とした。
(3)結晶サイズ
導電性合金粒子をX線回折装置で測定し、それぞれの銀、銅成分の一番強度の強いピークの半値幅とピーク高さから算出した。
導電性合金粒子は、表1に記載された組成に配合した金属を黒鉛るつぼに入れ、1500℃以上の温度に高周波誘導加熱を用いて溶解し、不活性雰囲気中、るつぼ先端より噴出した導電性合金の融液に向かって高圧の不活性ガスを噴出し、導電性合金粒子を作製した。必要に応じ、凝固させる不活性雰囲気中に少量の酸素を混入させ、この酸素を含有する不活性雰囲気下で熱処理することで、導電性合金粒子に酸素を含有させた。また、急冷凝固する際に溶融金属と冷却ガスとの供給速度量を調整し、導電性合金粒子の結晶サイズを調整した。
作成された導電性合金粒子の金属組成と、酸素濃度、平均粒径、結晶サイズを表1に示す。
(1)酸素濃度
導電性合金粒子中の酸素濃度は、2000度程度に加熱させてEMGA650(堀場製作所製)により測定した。
(2)平均粒径
レーザー回折型測定器HEROS&RODOS SR型により体積積算平均値を測定し、平均粒径値とした。
(3)結晶サイズ
導電性合金粒子をX線回折装置で測定し、それぞれの銀、銅成分の一番強度の強いピークの半値幅とピーク高さから算出した。
導電性合金粒子は、表1に記載された組成に配合した金属を黒鉛るつぼに入れ、1500℃以上の温度に高周波誘導加熱を用いて溶解し、不活性雰囲気中、るつぼ先端より噴出した導電性合金の融液に向かって高圧の不活性ガスを噴出し、導電性合金粒子を作製した。必要に応じ、凝固させる不活性雰囲気中に少量の酸素を混入させ、この酸素を含有する不活性雰囲気下で熱処理することで、導電性合金粒子に酸素を含有させた。また、急冷凝固する際に溶融金属と冷却ガスとの供給速度量を調整し、導電性合金粒子の結晶サイズを調整した。
作成された導電性合金粒子の金属組成と、酸素濃度、平均粒径、結晶サイズを表1に示す。
<実施例1〜7、比較例1〜2>
表2の組成1、2、3、4、7、8、9に示す割合の接着剤組成物を50質量%の濃度で酢酸エチル溶剤に溶解し、厚み50μmのPET上に塗布し、空気中で60℃10分間乾燥して酢酸エチルの溶剤をとばし、35μm厚みのフィルム状接着剤を作成した。また、組成5、6に示す割合の接着剤組成物を50質量%の濃度で酢酸エチル溶剤に溶解し、ペースト状接着剤を作成した。
表2の組成1、2、3、4、7、8、9に示す割合の接着剤組成物を50質量%の濃度で酢酸エチル溶剤に溶解し、厚み50μmのPET上に塗布し、空気中で60℃10分間乾燥して酢酸エチルの溶剤をとばし、35μm厚みのフィルム状接着剤を作成した。また、組成5、6に示す割合の接着剤組成物を50質量%の濃度で酢酸エチル溶剤に溶解し、ペースト状接着剤を作成した。
接着剤の原料成分には下記のものを用いた。
a.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製AER2600)
b.ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製RE−303S)
c.ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製HP−4032D)
d.ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製HP7200)
e.ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(インケム(株)製PKHC)
f.ポリオール変性フェノキシ樹脂(インケム(株)製PKHM301)
g.潜在性硬化剤(旭化成エポキシ(株)製HX3932HPマイクロカプセル型イミダゾール(潜在性硬化剤))
h.シランカップリング剤(信越化学(株)製KBM903)
i.シリコーン粘着剤(東レダウコーニング製SD4560)
a.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(旭化成ケミカルズ(株)製AER2600)
b.ビスフェノールF型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製RE−303S)
c.ナフタレン型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製HP−4032D)
d.ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ(株)製HP7200)
e.ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(インケム(株)製PKHC)
f.ポリオール変性フェノキシ樹脂(インケム(株)製PKHM301)
g.潜在性硬化剤(旭化成エポキシ(株)製HX3932HPマイクロカプセル型イミダゾール(潜在性硬化剤))
h.シランカップリング剤(信越化学(株)製KBM903)
i.シリコーン粘着剤(東レダウコーニング製SD4560)
<接続試験>
各組成のフィルム状接着剤を用いて、以下の通り接続体を作成した。下記に示す銀電極配線を有する基材の銀電極配線上に、接着剤を軽く貼り付けた後、接着剤につけたPETフィルムもはがし接着剤だけにした。下記に示す銅成分を主体とする導電配線を接着剤のついた銀電極配線に向かい合わせ、1.5mmの加熱ヘッドを用いて180℃15秒2.5MPaの条件で銅成分を主体とする導電配線を加熱加圧することによって硬化した。
各組成のフィルム状接着剤を用いて、以下の通り接続体を作成した。下記に示す銀電極配線を有する基材の銀電極配線上に、接着剤を軽く貼り付けた後、接着剤につけたPETフィルムもはがし接着剤だけにした。下記に示す銅成分を主体とする導電配線を接着剤のついた銀電極配線に向かい合わせ、1.5mmの加熱ヘッドを用いて180℃15秒2.5MPaの条件で銅成分を主体とする導電配線を加熱加圧することによって硬化した。
各組成のペースト状接着剤を用いて、以下の通り接続体を作成した。ペーストをデイペンサー、印刷などで、銀電極配線上に塗布し、下記に示す銅成分を主体とする導電配線を接着剤のついた銀電極配線に向かい合わせ、1.5mmの加熱ヘッドを用いて180℃15秒2.5MPaの条件で銅成分を主体とする導電配線を加熱加圧することによって硬化した。
このようにして得た接続体について、下記方法により性能試験を行った。その結果を表3に示す。
このようにして得た接続体について、下記方法により性能試験を行った。その結果を表3に示す。
(銀電極配線を有する基材)
基材1:結晶シリコン基板に銀電極(10μm厚み、100μm幅)を印刷したもの
基材2:アモルファスシリコン基板に銀電極(2μm厚み、200μm幅)を印刷したもの
基材3:単結晶シリコン基板に銀電極(50μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材4:ポリイミド基板に銀電極(140μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材5:サファイア基板に銀電極(150μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材6:窒化アルミ基板に銀電極(5μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材7:窒化ガリウム基板に銀電極(0.5μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材1:結晶シリコン基板に銀電極(10μm厚み、100μm幅)を印刷したもの
基材2:アモルファスシリコン基板に銀電極(2μm厚み、200μm幅)を印刷したもの
基材3:単結晶シリコン基板に銀電極(50μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材4:ポリイミド基板に銀電極(140μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材5:サファイア基板に銀電極(150μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材6:窒化アルミ基板に銀電極(5μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
基材7:窒化ガリウム基板に銀電極(0.5μm厚み、300μm幅)を印刷したもの
(銅成分を主体とする導電配線)
銅配線1:銅線(200μm厚み)にCu−Sn−Agコートしたもの
銅配線2:銅線(100μm厚み)にSn−Pbコートしたもの
銅配線3:銅線(300μm厚み)にSn−Agコートしたもの
銅配線4:銅線(300μm厚み)にSn−Ag―Bi―Inコートしたもの
銅配線1:銅線(200μm厚み)にCu−Sn−Agコートしたもの
銅配線2:銅線(100μm厚み)にSn−Pbコートしたもの
銅配線3:銅線(300μm厚み)にSn−Agコートしたもの
銅配線4:銅線(300μm厚み)にSn−Ag―Bi―Inコートしたもの
<性能試験法>
1.接続抵抗値
日置9455型マルチメータを用いて、接続体の接続初期および信頼性テスト(85℃85%RHで1000時間放置)後における、銅導電配線と銀電極導電配線間の抵抗を4端子法で測定した。
判定基準
初期接続抵抗値R
◎:R<20mΩ、○:20mΩ≦R<50mΩ、×:50mΩ≦R
信頼性試験後の接続抵抗値R1
◎:R1<20mΩ、○:20mΩ≦R1<50mΩ、×:50mΩ≦R1
1.接続抵抗値
日置9455型マルチメータを用いて、接続体の接続初期および信頼性テスト(85℃85%RHで1000時間放置)後における、銅導電配線と銀電極導電配線間の抵抗を4端子法で測定した。
判定基準
初期接続抵抗値R
◎:R<20mΩ、○:20mΩ≦R<50mΩ、×:50mΩ≦R
信頼性試験後の接続抵抗値R1
◎:R1<20mΩ、○:20mΩ≦R1<50mΩ、×:50mΩ≦R1
2.熱サイクル試験による接続部のクラック有無
接続体に対し、125℃×30分/−55℃×30分のヒートサイクルを1000サイクル実施した後、60℃90%RHで100時間放置し、接続部の断面SEM観察により、クラック発生の有無を確認した。
判定基準
○:クラック発生なし、×:クラック発生あり
接続体に対し、125℃×30分/−55℃×30分のヒートサイクルを1000サイクル実施した後、60℃90%RHで100時間放置し、接続部の断面SEM観察により、クラック発生の有無を確認した。
判定基準
○:クラック発生なし、×:クラック発生あり
3.食われによる接続部の厚さ減少
接続体を150℃1000時間熱処理し、接着剤中の導電粒子と銅成分を主体とする導電配線または銀電極配線との接続部の断面SEM観察により、熱処理前後の接合部の位置変化量を測定した。銅成分を主体とする導電配線と銀電極配線のうち、位置変化量が大きい方を測定値とした。
判定基準
◎:位置変化量<0.01μm、○:0.01≦位置変化量<0.05μm、
×:0.05μm≦位置変化量
接続体を150℃1000時間熱処理し、接着剤中の導電粒子と銅成分を主体とする導電配線または銀電極配線との接続部の断面SEM観察により、熱処理前後の接合部の位置変化量を測定した。銅成分を主体とする導電配線と銀電極配線のうち、位置変化量が大きい方を測定値とした。
判定基準
◎:位置変化量<0.01μm、○:0.01≦位置変化量<0.05μm、
×:0.05μm≦位置変化量
表3に示されるように、各実施例の製造方法により製造された接続体は、初期および信頼性試験後の接続抵抗、接続部のクラック防止性、電極食われ防止性に優れることが確認された。一方、各比較例の製造方法により製造された接続体は、接続部のクラック防止性に劣り、初期および信頼性試験後の接続抵抗、電極食われ防止性の少なくともいずれかにも劣っていることが確認された。
本発明の製造方法を用いることで、熱履歴による接続部のクラック発生を抑制しうる接続体、およびそれを含む太陽電池モジュールを提供することができる。
Claims (5)
- 太陽電池セルの銀電極導電配線と銅成分を主体とする導電配線とが、接着剤により電気的に接続された接続体の製造方法であって、前記接着剤が、銅成分と銀成分とを含む導電性合金粒子を含むことを特徴とする接続体の製造方法。
- 前記導電性合金粒子の酸素含有量が10ppm以上10000ppm以下、銀成分と銅成分の質量比が0.1/100〜90/100であることを特徴とする請求項1記載の接続体の製造方法。
- 前記銀電極導電配線が、シリコン、ガラス、窒化アルミ、窒化ガリウム、サファイア、窒化ホウ素基板上に0.01μm以上150μm以下の厚みに形成されたことを特徴とする請求項1または2記載の接続体の製造方法。
- 前記導電性合金粒子が結晶性粒子であり、粒子内部に存在する結晶粒の大きさが50〜5000オングストロームであることを特徴とする請求項1〜3に記載の接続体の製造方法。
- 請求項1〜4の製造方法によって製造された接続体を含む太陽電池モジュール。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2011097510A JP2012230975A (ja) | 2011-04-25 | 2011-04-25 | 太陽電池セル接続体の製造方法 |
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