JP2012230201A - レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具 - Google Patents

レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具 Download PDF

Info

Publication number
JP2012230201A
JP2012230201A JP2011097596A JP2011097596A JP2012230201A JP 2012230201 A JP2012230201 A JP 2012230201A JP 2011097596 A JP2011097596 A JP 2011097596A JP 2011097596 A JP2011097596 A JP 2011097596A JP 2012230201 A JP2012230201 A JP 2012230201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
arm
pressing plate
optical fiber
groove
vacuum suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011097596A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5627003B2 (ja
Inventor
Shinji Koike
真司 小池
Junya Kobayashi
潤也 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP2011097596A priority Critical patent/JP5627003B2/ja
Publication of JP2012230201A publication Critical patent/JP2012230201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5627003B2 publication Critical patent/JP5627003B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Mechanical Coupling Of Light Guides (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、光ファイバ間のアライメント誤差を低減することができ、良好な光ファイバの融着接続損失分布を安定的に得ることができるレーザ融着接続治具に関する。
【解決手段】ヒンジ機構回転軸によりアームを閉じることよって、V溝に収容されたガイドピンと押さえ板とが接触し、V溝に収容された光ファイバが押さえ板の底面と光ファイバ上面との間の間隙内に保持されるレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具であって、アームは、真空吸引を実施するための真空吸引部を備え、押さえ板は、前記真空吸引部を介して真空吸引を実施することによりアームに取り付けられ、当該取り付けられた押さえ板は、真空吸引を実施した状態から真空吸引を取りやめることにより、アームから取り外されることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具に関する。
図1を用いて、従来技術に係るCO2レーザ照射によるレーザ融着治具の構成を説明する。図1(a)は、ヒンジ機構が閉じられた状態の従来技術に係るレーザ融着治具の斜視図であり、図1(b)は、図1(a)で示されるa−a’断面を示す斜視図であり、図1(c)は、ヒンジ機構が開かれた状態の従来技術に係るレーザ融着治具の斜視図である。以下で示される各図において、図中のx軸方向は光ファイバのアレイ方向を示し、y軸方向は光ファイバの長尺方向を示し、z軸方向は高さ方向を示す。
図1(a)−(c)に示されるように、従来技術に係るレーザ融着治具は、ステージ1と、ステージ1に埋設された磁石2と、ネジ面を扁平にした扁平部7が端部に取り付けられた磁力調整ネジ3と、ステージ1上に設置されたV溝基板4と、光ファイバ5−a及び5−bをそれぞれ位置決めするための押さえ板6−a及び6−bと、ガイドピン8−L及び8−Rと、押さえ板6−a及び6−bをそれぞれ保持するアーム10−a及び10−bと、ステージ1に対してアーム10−a及び10−bを開閉するためのヒンジ機構回転軸11とで構成される。ここで、図1においては、簡略化のため、光ファイバ5−a及び5−bを1対だけV溝9に配置する構成を示しているが、複数対の光ファイバ5−a及び5−bをV溝9に配置する構成とすることができる。以下で示される各図においても、簡略化のため、1対の光ファイバ5−a及び5−bのみを示すこととする。
磁力調整ネジ3は、アーム10−a及び10−bにそれぞれ内蔵されており、扁平部7を介して磁石2との間で磁力を発生するように設置されている。磁力調整ネジ3の押し込み量を調整することにより、アーム10−a及び10−bを閉じた場合に、扁平部7と磁石2との間で発生する磁力を調整することができる。扁平部7は、磁石2に対する磁力を高めるために設けられている。V溝基板4は、光ファイバ5−a及び5−bとガイドピン8−L及び8−Rとを整列・収容するための複数のV溝9を有する。押さえ板6−aは、アーム10−aを閉じた場合に光ファイバ5−aをV溝基板4に押さえつけて固定するために用いられ、押さえ板6−bは、アーム10−bを閉じた場合に光ファイバ5−bをV溝基板4に押さえつけて固定するために用いられる。ガイドピン8−R及び8−Lは、アーム10−a及び10−bを閉じた場合にV溝基板4と押さえ板6−a及び6−bとの間の間隔を一定に保つために、V溝基板4のV溝9に配置される。アーム10−a及び10−bは、ヒンジ機構回転軸11を中心として回転可能に構成されており、これによりアーム10−a及び10−bの開閉動作が可能となる。図1(a)では、光ファイバ5−a及び5−bがV溝9に収容され、ヒンジ機構回転軸11によりアーム10−a及び10−bを閉じることよって光ファイバ5−a及び5−bがx軸方向及びz軸方向に関して位置決めされる。
また、押さえ板6−a及び6−bは、アーム10−a及び10−bを閉じた場合にV溝9に収容されたガイドピン8−R及び/又は8−Lと接触する構成となっており、ガイドピン8−R及び8−Lの径は、光ファイバ5−a及び5−bの径に比べて僅かに大きく設定されている。この構成をとることによって、光ファイバ同士を僅かに移動させながら光ファイバ同士の位置関係を調節することができるため、互いに対向してV溝9に収容された光ファイバ5−a及び5−b同士をサブミクロン精度で位置決め可能となる。
従来のレーザ融着治具を用いた光ファイバのレーザ融着方法においては、図1(a)で示されるように光ファイバ5−a及び5−bをV溝9に配置して、アーム10−a及び10−bを閉じて光ファイバ5−a及び5−b同士のx軸方向及びz軸方向の位置合わせを行った後に光ファイバ5−a及び5−b同士を突き合わせ、一方の光ファイバを他方の光ファイバに向けてy軸方向に突き進める結果、一方の光ファイバに座屈が発生する。この座屈による光ファイバ間押圧力下で、アーム10−a及び10−bの間を通して光ファイバ5−a及び5−bの接続部に向けて上部からCO2レーザを照射することによって、融着が完了する。レーザ照射完了後に、図1(c)で示されるようにヒンジ機構回転軸11によりアーム10を開くことで、融着された光ファイバを取り出して融着工程は終了となる。
このような従来のレーザ融着治具を用いて光ファイバ5−a及び5−bの融着を行ったとしても、融着した光ファイバに関して十分な接続損失分布は得られていなかった。その原因を調べるために、V溝基板4に設置したガイドピン8−R及び8−Lの設置高さを調べた。その結果、一方のガイドピンの設置高さと他方のガイドピンの設置高さとで差異が生じているという結果が得られた。両端のガイドピンの設置高さの差異の原因として、ガイドピンの外径のばらつきに加えて、V溝基板4のV溝9の深さ精度や反り変形などが考えられる。
図2を用いて従来技術の問題点を説明する。図2は、レーザ融着治具の断面の模式図を示す。以下、簡略化のため、光ファイバ5−a及び5−bを光ファイバ5、押さえ板6−a及び6−bを押さえ板6、アーム10−a及び10−bをアーム10と総称して説明する場合がある。図2(a)は、両端のガイドピン8−L及び8−Rが同一の外径を有する場合のレーザ融着治具の模式図である。図2(b)は、両端のガイドピン8−L及び8−Rが互いに異なる外径を有する場合のレーザ融着治具の模式図である。なお、図2においては、ガイドピンの設置高さの差異の原因をガイドピンの外径差に集約して説明するが、実際にはガイドピンの外径差に限らず、基板偏差、V溝9内のごみなどの様々な原因によりガイドピンの設置高さに差異が生じる場合があることに留意されたい。また、現実的には、ガイドピンの外径約125μmに対して1μm程度の偏差が生じるものの、図2(b)では理解しやすいように偏差を大きくするように記載した。
図2には、V溝基板4と、光ファイバ5と、押さえ板6と、ヒンジ機構回転軸11から離れた側に設置されたガイドピン8−Lと、ヒンジ機構回転軸11側に設置したガイドピン8−Rと、回転中心12を有するヒンジ機構回転軸11とが示されている。以下、V溝基板4の底面からのガイドピン上面までのガイドピンの設定高さをHとし、V溝基板4の底面からガイドピン8−L上面までの設置高さをH1とし、V溝基板4の底面からガイドピン8−R上面までの設置高さをH2とし、V溝基板4の底面から光ファイバ5上面までの設置高さをHfとし、V溝基板4の底面から光ファイバ5の上面位置の直上に対応する押さえ板6の底面位置までの高さをHfplateとし、ヒンジ機構回転軸11の回転中心12からガイドピン8−Rまでのx軸方向の距離をLとし、特に、光ファイバ5が収容されるV溝の位置からガイドピン8−L又はガイドピン8−Rが収容されるV溝の位置までのそれぞれのx軸方向の距離は同一になるように構成されているものとし、それぞれの距離をPとした。ここで、上面とは、ガイドピン又は光ファイバの面上において、水平面と接する押さえ板側の部位を示す。なお、実際には、設定高さHは、光ファイバ5の設置高さHfよりわずかに高く設定するが、簡略化のため、以下、Hf=Hとする。
図2(a)では、ガイドピン8−L及びガイドピン8−Rの外径がともに同一であり、ガイドピン8−Lの設置高さH1とガイドピン8−Rの設置高さH2とで差異が生じていないことが示されている。さらに、光ファイバ5の外径もガイドピン8−L及び8−Rの外径と同一であり、理想的な設定高さHを設定、すなわち、H1=H2=Hf=Hと設定することができることが理解されよう。
図2(b)では、ガイドピン8−Rの外径がガイドピン8−Lの外径よりも大きい場合のレーザ融着治具の状態が示されている。図2(b)に示されるように、ガイドピン8−Rの外径がガイドピン8−Lの外径よりも大きい場合には、ガイドピン8−Rとガイドピン8−Lとの外径差により、光ファイバ5上面と押さえ板6とのクリアランス(Hfplate−Hf)が押し広げられる。
図2(b)に示されるような、ガイドピン8−Rの外径がガイドピン8−Lの外径よりも大きい場合における、光ファイバ5上面と押さえ板6とのクリアランスHfplate−Hは、押さえ板6の傾斜角度すなわち水平面と押さえ板6の底面とのなす角度をθとすると、以下の(式1)で表される。
Hfplate−H=(P+L)tanθ
=(P+L)(H2−H)/L (式1)
上記の(式1)で示されるクリアランスのため、光ファイバ5−a及び5−b間の位置決め精度が大きくなることにより、光ファイバ5−a及び5−b同士の位置関係を調節することが困難になり、光ファイバ5−a及び5−b同士の位置ずれが生じる。その結果、光ファイバ5−a及び5−b同士が適切な位置関係でないままレーザ融着をすることになり、融着接続損失の劣化を招くことが理解されよう。
特願2010−020631号
従って、CO2レーザ照射による光ファイバのレーザ融着接続治具において、ガイドピンの設置高さの偏差を吸収することができ、それにより良好な光ファイバの融着接続損失分布を安定的に得ることができるレーザ融着接続治具を実現することが課題である。
本発明の請求項1に係るレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具は、光ファイバ及びガイドピンを整列・収容するための複数のV溝を有するV溝基板と、前記V溝基板を保持するステージと、前記光ファイバを押さえつけて前記V溝に固定するための押さえ板と、前記押さえ板を保持するアームと、前記アームを前記ステージに対して開閉させるためのヒンジ機構回転軸とを備え、前記ヒンジ機構回転軸により前記アームを閉じることよって、前記V溝に収容された前記ガイドピンと前記押さえ板とが接触し、前記V溝に収容された前記光ファイバが前記押さえ板の底面と前記光ファイバ上面との間の間隙内に保持されるレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具であって、前記アームは、真空吸引を実施するための真空吸引部を備え、前記押さえ板は、前記真空吸引部を介して真空吸引を実施することにより前記アームに取り付けられ、当該取り付けられた押さえ板は、真空吸引を実施した状態から真空吸引を取りやめることにより、前記アームから取り外されることを特徴とする。
本発明の請求項2に係るレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具は、請求項1に係るレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具において、前記押さえ板はドーナツ形状で構成され、前記押さえ板及び前記ガイドピンは、磁性材料からなることを特徴とする。
本発明の請求項3に係るレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具は、光ファイバ及びガイドピンを整列・収容するための複数のV溝を有するV溝基板と、前記V溝基板を保持するステージと、前記光ファイバを押さえつけて前記V溝に固定するための押さえ板と、前記押さえ板を保持するアームと、前記アームを前記ステージに対して開閉させるためのヒンジ機構回転軸とを備え、前記ヒンジ機構回転軸により前記アームを閉じることよって、前記V溝に収容された前記ガイドピンと前記押さえ板とが接触し、前記V溝に収容された前記光ファイバが前記押さえ板の底面と前記光ファイバ上面との間の間隙内に保持されるレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具であって、前記アームは、前記アームが閉じられるときに前記アームを前記ステージに保持するための支軸と、第1の安定部を有する第1のガイド溝とを有し、前記第1のガイド溝は、前記ヒンジ機構回転軸を前記第1の安定部に誘導するように構成され、前記ステージは、前記アームが閉じられるときに前記支軸を仮設置するための仮設置用溝を有し、前記仮設置用溝は、第2の安定部を有する第2のガイド溝を有し、前記第2のガイド溝は、前記支軸を前記第2の安定部に誘導するように構成され、前記ヒンジ機構回転軸が前記第1の安定部に到達し、前記支軸が前記第2の安定部に到達したとき、前記ヒンジ機構回転軸が前記アームに接触せず且つ前記支軸が前記ステージに接触せず、前記アームの自重で前記押さえ板と前記ガイドピンとが接触するように、第1の安定部及び前記第2の安定部が構成されることを特徴とする。
本発明に係るレーザ融着治具によれば、ガイドピンの外径差などに起因するガイドピンの設置高さの偏差を吸収することができるため、光ファイバ同士のアライメント誤差を低減させることが可能となり、良好な融着接続損失分布を得ることができる。
本発明に係るレーザ融着治具によれば、従来技術に係るレーザ融着治具に比べ、光ファイバ間のアライメント精度の向上を図ることができるため、良好な融着接続損失を有する光ファイバを安定して得ることが期待でき、高品質な融着光ファイバを実現することが可能となる。
従来技術に係るレーザ融着治具の構成を示す図である。 従来技術の問題点を説明するためのレーザ融着治具の断面の模式図である。 本発明の原理を説明するための図である。 本発明の第1の実施例に係るレーザ融着治具を示す図である。 従来技術と本発明の構成の効果を示す図である。 本発明による第2の実施例に係るレーザ融着治具を示す図である。 本発明による第3の実施例に係るレーザ融着治具を示す図である。
本発明は、押さえ板を自由に傾斜可能な構成とすることにより、2本のガイドピン間の設置高さの偏差を解消することを実現する。図3は、レーザ融着治具の断面の模式図を示す。図3には、V溝基板4と、ガイドピン8−L及びガイドピン8−Rと、光ファイバ5と、押さえ板6とが示されている。図3においては、H2>H1=Hf=Hとし、水平面と押さえ板6の底面とのなす角度をαとした。図3に示されるような、ガイドピン8−Rの設置高さがガイドピン8−Lの設置高さよりも高い場合には、光ファイバの上面と押さえ板とのクリアランスHfplate−Hは、以下の(式2)で表される。
Hfplate−H=Ptanα
=(H2−H)/2 (式2)
図3で示される場合とは逆に、ガイドピン8−Lの設置高さがガイドピン8−Rの設置高さよりも高い場合にも、光ファイバの上面と押さえ板とのクリアランスHfplate−Hは、上記の(式2)を用いて算出される。以下、押さえ板を自由に傾斜可能にするための構成を説明する。
図4を用いて、本発明の実施例1に係るレーザ融着治具を説明する。図4には、ステージ1と、複数のV溝9を有するV溝基板4と、光ファイバ5と、ガイドピン8−R及び8−Lと、ヒンジ機構回転軸11と、アーム操作用ハンドル支軸13と、真空吸引空洞部14及び真空吸引部15を有するアーム16と、アーム16を閉じたときにアーム操作用ハンドル支軸13を保持するためのハンドル設置用溝17と、真空吸引用ノズル18と、真空吸引チューブ19と、アーム16から取り外し可能な押さえ板20とが示されている。図4(a)は、実施例1に係るレーザ融着治具のz軸方向を視点とした概略図を示し、図4(b)は、図4(a)に示されるレーザ融着治具のb−b’断面図を示す。
図4(b)に示されるように、実施例1に係るレーザ融着治具では、アーム16内に真空吸引空洞部14及び真空吸引部15が設けられている。真空吸引空洞部14は、真空吸引用ノズル18に接続されており、真空吸引用ノズル18に真空吸引チューブ19を接続することにより、真空吸引空洞部14を介して真空吸引部15から真空吸引を実施することができる。実施例1に係るレーザ融着治具は、真空吸引部15を介して真空吸引を実施することにより、その吸引力で押さえ板20をアーム16に取り付けることができ、真空吸引を実施した状態から真空吸引を取りやめた場合、アーム16に取り付けられた押さえ板20を取り外すことができる。
実施例1に係るレーザ融着治具によれば、ヒンジ機構回転軸11によりアーム16を開いた状態で、アーム16において真空吸引部15が設けられた所定の位置に押さえ板20を配置し、真空吸引を開始する。真空吸引を開始すると、押さえ板20は真空吸引部15からの吸引力によりアーム16に取り付けられた状態になる。真空吸引を実施しながら、アーム操作用ハンドル支軸13を引き下げることによりアーム16を閉じて、光ファイバ5同士を突き合わせて真空吸引を取りやめる。その後、ハンドル設置用溝17に配置されたアーム操作用ハンドル支軸13を引き上げることによりアーム16を開くと、押さえ板20はアーム16によって拘束されていないため、押さえ板20がアーム16の真空吸引部15から取り外されて、押さえ板20のみが光ファイバ5及びガイドピン上に残った状態になる。何らかの原因でガイドピン8−R及び8−Lの設置高さに偏差がある場合、押さえ板20の自重により、設置高さの高いガイドピン上面を回転軸とした回転モーメントが生じて、設置高さの高いガイドピンから設置高さの低いガイドピンへと自律的に押さえ板20が傾斜する。この自律的な傾斜により、ガイドピン8−L及び8−R間の設置高さの偏差を低減することができ、精度よく光ファイバのコア同士を位置決めすることが可能となる。このようなガイドピン8−L及び8−R間の設置高さの偏差が低減された状態で、光ファイバ同士を突き合わせてx軸方向及びz軸方向の位置合わせを行い、光ファイバ5の位置決めが完了後に、一方の光ファイバに座屈を発生させて融着前の位置合わせが完了する。
図5は、本発明の実施例1に係るレーザ融着治具及び図2で示される従来のレーザ融着治具に関する、光ファイバ直上のクリアランスと片側ガイドピンの設定高さからの偏差との関係を示す図である。図5において、横軸は設定高さHから寸法ずれが生じたガイドピン8−Rの設置高さの偏差H2−Hを示し、縦軸は光ファイバ上面と押さえ板底面とのクリアランスHfplate−Hを示す。P=3mm、L=13mm、H=3.01mmとして上記の(式1)及び(式2)を基に計算を行った。
図5に示すように、本発明の実施例1に係るレーザ融着治具では、図2で示される従来のレーザ融着治具に比べて、クリアランスを約半分に低減することができる。そのため、融着する光ファイバ間のアライメント誤差を低減することができ、精度よく光ファイバ間の位置あわせを実現できることが期待できるため、光ファイバ挿入損失分布における損失の均一化が可能となる。
図6を用いて、本発明の実施例2に係るレーザ融着治具を説明する。図6には、複数のV溝9を有するV溝基板4と、光ファイバ5と、磁性材料からなるガイドピン8−R及び8−Lと、ヒンジ機構回転軸11と、アーム操作用ハンドル支軸13と、真空吸引空洞部14及び真空吸引部15を有するアーム16と、アーム16を閉じたときにアーム操作用ハンドル支軸13を保持するためのハンドル設置用溝17と、真空吸引用ノズル18と、真空吸引チューブ19と、アーム16から取り外し可能であって、ドーナツ形状の磁石からなる押さえ板21と、磁石保持突起部22とが示されている。図6(a)は、実施例2に係るレーザ融着治具のz軸方向を視点とした概略図を示し、図6(b)は、図6(a)に示されるレーザ融着治具のc−c’断面図を示す。本実施例2に係るレーザ融着治具において、実施例1に係るレーザ融着治具と同一の構成に関しては、説明を省略する。また、本実施例2に係るレーザ融着治具における光ファイバの位置合わせまでの手順は、上述の実施例1の場合と同様であるため説明を省略する。
本実施例2に係るレーザ融着治具においては、押さえ板21をドーナツ形状の磁石で構成し、アーム16をオーステナイト系ステンレス鋼などの非磁性材料で構成することによって、真空吸引の取りやめ後に、磁石からなる押さえ板21の取り外しを簡易に行うことができる。磁石保持突起部22は、ドーナツ形状の押さえ板21を収容可能なようにドーナツ形状に構成された突起部である。磁石保持突起部22を設けることで、ドーナツ形状の押さえ板21を保持できるため、ガイドピン8−L及び8−R以外への押さえ板21の微小移動を最小限に抑えることができる。また、ガイドピン8−L及び8−Rが磁力線で構成され、さらにステージ1を非磁性材料で構成することにより、押さえ板21がガイドピン8−L及び8−R以外に移動することを防止することができる。なお、従来技術による押さえ板を磁石で構成し、アームの各々に押さえ板を取り付ける構成とすると、互いの磁力で反発しあうことにより位置合わせが困難になるが、本実施例2の構成のように押さえ板をドーナツ型の形状として2つのアームに対して1つの押さえ板を用いることで、磁力による反発を回避することができる。押さえ板の形状は、2つのアームに対して1つの押さえ板を使用可能な形状であればよく、ドーナツ型の形状に限定されない。
特に、本実施例2に係るレーザ融着治具においては、ガイドピン8−L及び8−Rと押さえ板21とが磁性材料で構成されていることにより、ガイドピン8−L及び8−Rと押さえ板との間の磁力によって、融着時のレーザ照射による衝撃発生時においても、光ファイバの安定した位置保持が可能となる。
図7を用いて、本発明の実施例3に係るレーザ融着治具を説明する。図7には、ステージ1と、複数のV溝9を有するV溝基板4と、光ファイバ5と、押さえ板6と、ガイドピン8−R及び8−Lと、ヒンジ機構回転軸11と、ハンドル仮設置用溝23と、アーム操作用ハンドル支軸13が取り付けられたアーム24と、アーム24に取り付けられ且つ押さえ板6の直上に設けられたウエイト付与突き出し部24−aと、アーム操作用ハンドル支軸13用のガイド溝25と、ヒンジ機構回転軸11用のガイド溝26とが示されている。図7(a)は、実施例3に係るレーザ融着治具のz軸方向を視点とした概略図を示し、図7(b)及び図7(c)は、図7(a)に示されるレーザ融着治具のd−d’断面図を示す。
実施例3に係るレーザ融着治具の構成を説明する。アーム24を閉じると、アーム操作用ハンドル支軸13はハンドル仮設置用溝23によって保持されて仮設置される。ガイド溝25は、ハンドル仮設置用溝23に設けられ、−z軸方向の溝からなる安定部25−aを有しており、アーム操作用ハンドル支軸13を安定部25−aに誘導するように構成されている。ガイド溝26は、アーム24に設けられ、+z軸方向の溝からなる安定部26−aを有しており、ヒンジ機構回転軸11を安定部26−aに誘導するように構成されている。ハンドル仮設置用溝23に仮設置されたアーム操作用ハンドル支軸13を+x軸方向に移動させて安定部25−aに到達させると、ヒンジ機構回転軸11も安定部26−aに到達するようにガイド溝25及び26が構成されている。アーム操作用ハンドル支軸13が安定部25−aに到達した場合は、アーム操作用ハンドル支軸13がステージ1に接触しないように安定部25−aが構成されており、ヒンジ機構回転軸11が安定部26−aに到達した場合は、ヒンジ機構回転軸11がアーム24に接触しないように安定部26−aが構成されている。実施例3に係るレーザ融着治具では、このような構成をとることにより、アーム操作用ハンドル支軸13が取り付けられたアーム24を、ステージ1及びヒンジ機構回転軸11の拘束からはずすことができ、それにより押さえ板6がガイドピン8−L及び8−Rの両方と接触するように、押さえ板6をガイドピン8−L及び8−Rの設置高さ偏差に応じて自由に傾斜させることが可能となる。
図7(b)は、位置決め設定前のレーザ融着治具の状態を示し、図7(c)は、位置決め設定後のレーザ融着治具の状態を示す。図7(b)に示す位置決め設定前の状態から、ハンドル仮設置用溝23に仮設置されたアーム操作用ハンドル支軸13を+x軸方向に移動させることにより、ガイド溝25に従ってアーム24は全体的に+x軸方向に移動すると同時に、ヒンジ機構回転軸11によりアーム24がガイド溝26に従って移動する。アーム操作用ハンドル支軸13がガイド溝25の安定部25−aに到達し、ヒンジ機構回転軸11がガイド溝26の安定部26−aに到達すると、図7(c)で示される状態となる。その後、アーム24がステージ1及びヒンジ機構回転軸11の拘束からはずれて、押さえ板6がアーム24の自重によりガイドピン8−R及び8−Lと接触するように傾斜して、ガイドピン8−R及び8−Lに荷重がかけられる。以上により、ヒンジ機構回転軸11の拘束を伴わない押さえ板6の位置決めが完了し、ガイドピン8−L及び8−R間の設置高さの偏差が低減された状態での光ファイバ5同士の位置決めが可能となる。その後、このようなガイドピン8−L及び8−R間の設置高さの偏差が低減された状態で、光ファイバ同士のx軸方向及びz軸方向の位置合わせを行うことにより、光ファイバ5の位置決めが完了する。
特に、ガイドピン8−R及び8−Lの脱脂を図るなどの処理を施してガイドピン8−R及び8−Lを非潤滑状態として摩擦係数を上げることにより、微小なガイドピン偏差に伴う傾きに起因するアーム24の±x軸方向への移動を抑制することができる。さらに、アーム24を、アーム24のx軸方向の中心に関して(図7中の一点鎖線を中心に左右)ヒンジ機構回転軸11側とアーム操作用ハンドル支軸13側との双方の重量がつりあうようなバランスウエイト構成とすることにより、傾斜にともなう±x軸方向の移動を抑えることができる。また、ステージ1には、押さえ板6を±x軸方向に移動させないように、押さえ板6を収容可能なように構成された突起部を設けてもよい。突起部を設けることで、押さえ板6を保持できるため、ガイドピン8−L及び8−R以外への押さえ板6の微小移動を最小限に抑えることができる。実施例3に係るレーザ融着治具は、ガイドピン8−R及び8−Lの設定高さの偏差によってのみ、押さえ板6の傾斜が自律的に生じ、アーム24の自重と摩擦係数増分とによって安定静置される構成となっている。
以上の構成によって、ヒンジ機構側のガイドピンとヒンジ機構から離れた側のガイドピンとの設置高さの偏差を解消することができ、光ファイバのアライメント精度及び融着接続損失の向上を図ることが可能となる。
1 ステージ
2 磁石
3 磁力調整ネジ
4 V溝基板
5、5−a、5−b 光ファイバ
6、20、21 押さえ板
7 扁平部
8−L、8−R ガイドピン
9 V溝
10、10−a、10−b、16、24 アーム
11 ヒンジ機構回転軸
12 回転中心
13 アーム操作用ハンドル支軸
14 真空吸引空洞部
15 真空吸引部
17 ハンドル設置用溝
18 真空吸引用ノズル
19 真空吸引チューブ
22 磁石保持突起部
23 ハンドル仮設置用溝
24−a ウエイト付与突き出し部
25、26 ガイド溝
25−a、26−a 安定部

Claims (3)

  1. 光ファイバ及びガイドピンを整列・収容するための複数のV溝を有するV溝基板と、前記V溝基板を保持するステージと、前記光ファイバを押さえつけて前記V溝に固定するための押さえ板と、前記押さえ板を保持するアームと、前記アームを前記ステージに対して開閉させるためのヒンジ機構回転軸とを備え、前記ヒンジ機構回転軸により前記アームを閉じることよって、前記V溝に収容された前記ガイドピンと前記押さえ板とが接触し、前記V溝に収容された前記光ファイバが前記押さえ板の底面と前記光ファイバ上面との間の間隙内に保持されるレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具であって、
    前記アームは、真空吸引を実施するための真空吸引部を備え、前記押さえ板は、前記真空吸引部を介して真空吸引を実施することにより前記アームに取り付けられ、当該取り付けられた押さえ板は、真空吸引を実施した状態から真空吸引を取りやめることにより、前記アームから取り外されることを特徴とするレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具。
  2. 前記押さえ板はドーナツ形状で構成され、前記押さえ板及び前記ガイドピンは、磁性材料からなることを特徴とする請求項1に記載のレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具。
  3. 光ファイバ及びガイドピンを整列・収容するための複数のV溝を有するV溝基板と、前記V溝基板を保持するステージと、前記光ファイバを押さえつけて前記V溝に固定するための押さえ板と、前記押さえ板を保持するアームと、前記アームを前記ステージに対して開閉させるためのヒンジ機構回転軸とを備え、前記ヒンジ機構回転軸により前記アームを閉じることよって、前記V溝に収容された前記ガイドピンと前記押さえ板とが接触し、前記V溝に収容された前記光ファイバが前記押さえ板の底面と前記光ファイバ上面との間の間隙内に保持されるレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具であって、
    前記アームは、前記アームが閉じられるときに前記アームを前記ステージに保持するための支軸と、第1の安定部を有する第1のガイド溝とを有し、前記第1のガイド溝は、前記ヒンジ機構回転軸を前記第1の安定部に誘導するように構成され、前記ステージは、前記アームが閉じられるときに前記支軸を仮設置するための仮設置用溝を有し、前記仮設置用溝は、第2の安定部を有する第2のガイド溝を有し、前記第2のガイド溝は、前記支軸を前記第2の安定部に誘導するように構成され、
    前記ヒンジ機構回転軸が前記第1の安定部に到達し、前記支軸が前記第2の安定部に到達したとき、前記ヒンジ機構回転軸が前記アームに接触せず且つ前記支軸が前記ステージに接触せず、前記アームの自重で前記押さえ板と前記ガイドピンとが接触するように、第1の安定部及び前記第2の安定部が構成されることを特徴とするレーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具。
JP2011097596A 2011-04-25 2011-04-25 レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具 Active JP5627003B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011097596A JP5627003B2 (ja) 2011-04-25 2011-04-25 レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011097596A JP5627003B2 (ja) 2011-04-25 2011-04-25 レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012230201A true JP2012230201A (ja) 2012-11-22
JP5627003B2 JP5627003B2 (ja) 2014-11-19

Family

ID=47431809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011097596A Active JP5627003B2 (ja) 2011-04-25 2011-04-25 レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5627003B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023120480A1 (ja) * 2021-12-21 2023-06-29 住友電工オプティフロンティア株式会社 融着接続機

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010271544A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ融着接続方法及び装置

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010271544A (ja) * 2009-05-21 2010-12-02 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ融着接続方法及び装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2023120480A1 (ja) * 2021-12-21 2023-06-29 住友電工オプティフロンティア株式会社 融着接続機

Also Published As

Publication number Publication date
JP5627003B2 (ja) 2014-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10527806B2 (en) Glass-based ferrules and optical interconnection devices and methods of forming same
US8523459B2 (en) Optical ferrule assemblies and methods of making the same
WO2018101302A1 (ja) フェルール構造体、ファイバ付きフェルール構造体及びファイバ付きフェルール構造体の製造方法
JP7027781B2 (ja) 光コネクタおよび光接続構造
JP2017161934A (ja) 光ファイバーアセンブリ
WO2019131098A1 (ja) 光コネクタおよび光接続構造
JP5627003B2 (ja) レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具
JP5199180B2 (ja) 光ファイバ融着接続方法及び装置
JP5798998B2 (ja) 試験光入射装置及び試験光入射方法
JPWO2020149262A1 (ja) 光コネクタおよび光接続構造
JP5627011B2 (ja) レーザ融着接続用光ファイバ整列収容治具
JP2004110042A (ja) 光ファイバブロック整列装置及び整列方法
CN104777561A (zh) 校准系统和方法、光纤插芯组件及制造方法、光纤连接器
US9268090B2 (en) Fusion splicing apparatus and method thereof
JP2013033157A (ja) Coレーザによる光ファイバの融着接続方法および装置
WO2020121618A1 (ja) フェルール、ファイバ付きフェルール及びファイバ付きフェルールの製造方法
WO2011040276A1 (ja) 光ファイバ接続方法
JPH08248265A (ja) 光コネクタの製造方法
US11237330B2 (en) Optical fiber alignment jig, optical fiber fusion splicer equipped with optical fiber alignment jig, and method for aligning optical fiber
WO2023120480A1 (ja) 融着接続機
JP7123857B2 (ja) フェルール、ファイバ付きフェルール及びファイバ付きフェルールの製造方法
US20210271031A1 (en) Apparatus for processing a ferrule and associated method
JP2018165804A (ja) 光接続部品の製造方法
JP2000180658A (ja) 光部品の調心装置
JPH0724717A (ja) 光ファイバ多心一括コネクタの研磨方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130710

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140715

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140902

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140924

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140926

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5627003

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150