JP2012229567A - 改装サッシ - Google Patents

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Abstract

【課題】水密性及び美観に優れた改装サッシを提供する。
【解決手段】既設壁を切除して既設サッシの既設枠を建物躯体から取り外し、前記既設枠を取り外した部位に取り付けられる改装枠と、前記改装枠に取り付けられて、前記既設壁を切除した部位を覆うカバー部材と、を備え、前記改装枠は、前記既設壁を切除することにより、前記既設枠の既設取付部が露出されて当該既設枠が取り外された部位に、当該改装枠の改装取付部が取り付けられており、前記改装取付部と前記カバー部材との間には空間が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、既存のサッシを取り外した壁開口に取り付けられる改装サッシに関する。
既存のサッシを取り外した壁開口に取り付けられる改装サッシとしては、既存の壁の開口に取り付けられる枠体を有し、枠体が有する上枠及び左右の竪枠の外周に取り付けられる係合部材と、係合部材に嵌合する額縁とを備えているサッシが知られている(例えば、特許文献1参照)。このようなサッシは、係合部材の一側面にブチルシールが張られて躯体との水密性が図られている。
特開2000−282757号公報
上記のようなサッシは、係合部材が、ブチルシールを貫通するねじにて躯体に固定されているため、ブチルシールによる係合部材と躯体との水密性が劣る虞があるという課題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、水密性及び美観に優れた改装サッシを提供することにある。
かかる目的を達成するために本発明の改装サッシは、既設壁を切除して既設サッシの既設枠を建物躯体から取り外し、前記既設枠を取り外した部位に取り付けられる改装枠と、前記改装枠に取り付けられて、前記既設壁を切除した部位を覆うカバー部材と、を備え、前記改装枠は、前記既設壁を切除することにより前記既設枠の既設取付部が露出されて当該既設枠が取り外された部位に、当該改装枠の改装取付部が取り付けられており、前記改装取付部と前記カバー部材との間には空間が設けられていることを特徴とする改装サッシである。
このような改装サッシによれば、改装枠が取り付けられる既設壁を切除した部位を覆うカバー部材が改装枠に取り付けられているので、改装枠の外周側を綺麗に納めることが可能である。このとき、例えば、改装サッシを取り付けた後に既設壁を切除した部位を復元する場合より、手間が掛からず、短時間にて施工することが可能である。また、カバー部材は改装枠に取り付けられているので、このカバー部材を取り付けるために既設壁を切除した部位や建物躯体にビスなどの固定具が進入しない。このため、たとえカバー部材内に水等が進入したとしても、既設壁や建物躯体内部への水の浸入を抑えることが可能である。よって、カバー部材に覆われている部位における、より高い水密性を確保することが可能である。
また、改装枠の改装取付部は、既設取付部が取り付けられていた部位、すなわち、既設枠の既設取付部より外側に設けられていた既設壁が切除されて露出された部位に取り付けられて、カバー部材との間に空間が設けられるので、改装取付部とカバー部材との間に、たとえば、モルタルを充填したり、水密材を設けたり、断熱材を設けたりなど、改装取付部とカバー部材との間の構造の自由度を高めることが可能である。
かかる改装サッシであって、前記改装枠は、前記既設壁の壁面より屋外側に張り出しており、前記カバー部材は、前記改装枠の張り出した部位に取り付けられる枠固定部が、前記壁面より前記改装取付部側に突出しないことが望ましい。
このような改装サッシによれば、カバー部材は、改装枠の、壁面より屋外側に張り出している部位に枠固定部が取り付けられ、枠固定部は、壁面より改装取付部側に突出しないので、既設壁に取り付けられた改装枠の改装取付部よりカバー部材側の空間には、壁面より改装取付部側に枠固定部が突出しない。このため、改装枠の改装取付部よりカバー部材側の空間に、壁面より改装取付部側に突出する部材のない空間を確保することが可能である。このため、改装枠の改装取付部よりカバー部材側の空間の壁面より改装取付部側の領域を利用して、たとえば、モルタルを充填したり、水密材を設けたり、断熱材を設けたりなど、の造作を施すことが可能である。
かかる改装サッシであって、前記改装枠は、改装上枠と改装下枠と左右の改装縦枠とを矩形状に枠組みして形成されており、前記改装上枠に取り付けられる前記カバー部材としての上カバー部材と、前記改装枠の見付け方向における両側に配置され、左右の改装縦枠に取り付けられる前記カバー部材としての左右一対の縦カバー部材とがそれぞれ接合され、接合された前記上カバー部材の内部と前記縦カバー部材の内部とは連通されており、前記縦カバー部材は下端に下方に開放された部位を有していることが望ましい。
このような改装サッシによれば、改装枠に取り付けられる上カバー部材と、左右一対の縦カバー部材とが接合され、上カバー部材の内部と左右一対の縦カバー部材の内部とは連通されているので、たとえ上カバー部材内に水等が浸入したとしても、縦カバー部材側に排出することが可能である。また、縦カバー部材は下端に下方に開放された部位を有しているので、縦カバー部材内に進入した水等をカバー部材外に容易に排出させることが可能である。
かかる改装サッシであって、前記改装枠の改装下枠の下方には、前記既設壁を切除した部位に取り付けられる水切り部材を有し、前記縦カバー部材の下方に開放された部位は、前記水切り部材の上方または前記水切り部材より屋外側に配置されていることが望ましい。
このような改装サッシによれば、縦カバー部材内に進入して下方に開放された部位から水切り部材上に至らせ、水切り部材を伝わせたり、または、下方に開放された部位から排出された水を水切り部材より屋外側にて縦カバー部材外に排出して、外壁に至らせることなく排出することが可能である。
本発明によれば、水密性及び美観に優れた改装サッシを提供することが可能である。
本発明の一実施形態に係る改装サッシの縦断面である。 本発明の一実施形態に係る改装サッシの横断面図である。 改装上枠と周りの部材との取り合いを説明するための縦断面図である。 改装下枠と周りの部材との取り合いを説明するための縦断面図である。 改装縦枠と周りの部材との取り合いを説明するための横断面図である。 縦カバー部材と上カバー部材との接合状態を説明するための斜視図である。 既設サッシを撤去するときに切除される外壁の状態を説明するための縦断面図であり、図7(a)は、既設枠が取り付けられている状態を示す縦断面図、図7(b)は、外壁が切除された状態を示す縦断面図、図7(c)は、既設枠が撤去されて改装枠が取り付けられる状態を示す縦断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る改装サッシについて図面を参照して説明する。
本実施形態の改装サッシ10は、例えば、図1、図2に示すように、既設の建物の既設壁としての既設の外壁5に設けられている開口2に取り付けられている既設サッシ(不図示)を取り外して、既設サッシを取り外した部位に取り付けられる改装サッシ10である。
以下の説明においては、建物等に取り付けられた状態の既設サッシ及び改装サッシ10を屋外側から見たときに、上下となる方向を上下方向、左右となる方向を左右方向または見付け方向、屋内外方向である奥行き方向を見込み方向として示す。また、既設枠50(図7)及び改装サッシ10が備える各部材は、単体の状態であっても開口2に取り付けられた状態で上下方向、見付け方向、見込み方向等となる方向にて方向を特定して説明する。また、開口2の上部に取り付けられる枠部材の下側、開口2の下部に取り付けられる枠部材の上側、開口2の左側に取り付けられる枠部材の右側、開口2の右側に取り付けられる部材の左側は、開口2の中央側とし、反対側を開口2の外側または外周側として示す。
本実施形態においては、既存の建物に既に設けられている既存の既設枠50と、既設枠50を取り外した後に外壁5に取り付けられる改装サッシ10とを説明するが、同じ名称を有する部位、部材には、各名称の前に「既設」または「改装」を付して説明する。例えば、既設枠が有する下枠や縦枠等は、既設下枠、既設縦枠等とし、改装サッシ10が有する縦枠や障子等は、改装縦枠、改装障子等として説明する。
改装サッシ10を取り付けるために取り外される既設サッシの既設枠50は、例えば、図7(a)に示すように、引き違い障子用の枠体であり、既設サッシの既設障子(不図示)が案内される既設レール51a、52aを有する既設上枠51及び既設下枠52と、既設上枠51と既設下枠52とを見付け方向における両端側にて連結する既設縦枠(不図示)とが矩形状に枠組みされて開口2に取り付けられている。
既設枠50は、既設上枠51が躯体3をなす窓まぐさ3aに、既設下枠52が躯体3をなす窓台3bに、左右の既設縦枠(不図示)が躯体をなす柱等(不図示)にそれぞれ固定されている。尚、既設上枠51が取り外された際の外壁5の状態と、既設縦枠(不図示)が取り外された際の外壁5の状態、より具体的には改装枠20が取り付けられる外壁5の状態とはほぼ同じなので、既設枠50と外壁5との取り合い部分については、既設上枠51及び既設下枠52を例に挙げて説明する。
既設上枠51は、2枚の既設障子(不図示)を案内するための2本の既設上レール51aと、屋外側に設けられた既設網戸上レール51bと、屋内側に設けられた既設屋内壁部51cとが、見込み方向に互いに間隔を隔てて配置され、見付け方向の全域に渡って鉛直方向に垂設されている。
既設上レール51a、既設網戸上レール51b、既設屋内壁部51cの上部側は連結されており、既設網戸上レール51bと既設屋内壁部51cとの見込み方向における中央付近には鉛直方向に上方に延出された、既設上枠51の既設取付部としての既設枠上取付部51dが設けられている。
既設上枠51は、窓まぐさ3aの屋外側の面に既設枠上取付部51dが当接されてビス止めされるとともに、既設枠上取付部51dより屋内側の部位が窓まぐさ3aの下側に設けられた飼い木6に当接され、既設屋内壁部51cの屋内側の面が、額縁7の屋外側の縁部に当接されて取り付けられている。
ここで、既設縦枠(不図示)について簡単に説明すると、既設縦枠も既設上枠51と同様に、躯体3としての方立の屋外側の面に、既設縦枠の外周側に突出された、既設縦枠の既設取付部としての既設枠縦取付部が当接されてビス止めされるとともに、既設枠縦取付部より屋内側の部位が柱の外周側の面に設けられた飼い木に当接され、最も屋内側に位置する部位が、額縁の屋外側の縁部に当接されて取り付けられている。
既設下枠52は、既設内障子(不図示)を案内するための2本の既設下レール52aと、既設網戸下レール52bと、屋内側の既設下レール52aと対向して屋内側に設けられた既設屋内側下壁部52cと、屋外側の既設下レール52aの下端と既設屋内側下壁部52cの下端とをほぼ水平に連結する連結する既設連結部52dと、既設連結部52dの見込み方向におけるほぼ中央から下方に垂設された、既設下枠52の既設取付部としての既設枠下取付部52eと、を有している。
既設下枠52は、既設枠下取付部52eより屋内側の部位が窓台3bの上部に載置されて、窓台3bの屋外側の面に既設枠下取付部52eが当接されてビス止めされ、既設屋内側下壁部52cの屋内側の面が、額縁7の屋外側の縁部に当接されて取り付けられている。
既設枠50は、既設上枠51、既設下枠52、及び既設縦枠53が矩形状に枠組みされて、既設枠上取付部51d、既設枠下取付部52e、及び、既設枠縦取付部がそれぞれビス止めされている。外壁5は、下地材4が、躯体3の屋外側において、矩形状をなしている既設枠上取付部51d、既設枠下取付部52e、及び、既設枠縦取付部の外周側に間隔を隔てて設けられている。
そして、躯体3に取り付けられた既設枠50は、外壁5の下地材4よりも屋外側に突出しており、下地材4の表面側に設けられて外壁面5aをなすモルタルは、下地材4より外側に適宜厚さに打設されて外壁面5aが既設上枠51,既設下枠52、既設縦枠53まで繋がっている。このため、躯体3にビス止めされている既設枠上取付部51d、既設枠下取付部52e、及び、既設枠縦取付部はいずれも打設されたモルタルの内側に埋設されている。
改装サッシ10は、2枚の改装障子12を有する引き違いタイプのサッシであり、改装障子12が取り付けられる矩形状の改装枠20と、改装枠20に取り付けられるカバー部材30、31と、改装枠20の改装下枠22に取り付けられる水切り部材33と、を有している。
改装枠20は、改装サッシ10の2枚の改装障子12が案内される改装レール21a、21b、22a、22bを有する改装上枠21及び改装下枠22と、左右の改装縦枠23が矩形状に枠組みされている。尚、改装上枠21、改装下枠22、及び、左右の改装縦枠23は押出成形部材であり、左右の改装縦枠23は、改装障子12の戸先框との係合部分等の内周側に突出する部位を除いて互いに左右対称の形状をなしている。
改装上枠21は、図3に示すように、窓まぐさ3aにビス止めされる、改装上枠21の改装取付部としての改装上固定ヒレ部21cと、改装上固定ヒレ部21cの下端に設けられほぼ水平な面をなす上面板部21dと、上面板部21dの屋外側の縁から垂設された網戸上レール21eと、網戸上レール21eと見込み方向に間隔を隔てて設けられた外障子上レール21aと、外障子上レール21aと間隔を隔てるとともに改装上固定ヒレ部21cと断熱材21gを介して垂設された内障子上レール21bと、内障子上レール21bの上端から屋内側に延出されて上の額縁7に当接される上額縁当接部21fと、を有している。
改装上枠21は、屋内側にて上額縁当接部21fが額縁7に当接しているだけなので、改装上枠21だけでは額縁7の屋外側に縁部が露出してしまう。このため、内装材としての額縁7の縁部を覆う上覆い部材26が設けられている。内障子上レール21bの上端から屋内側に延出されている上額縁当接部21fは、上の額縁7の下面7aより上方に位置するため、内障子上レール21b及び上額縁当接部21fと額縁7の屋外側の面7bとで上方に窪む上凹部21hが形成される。上覆い部材26は、この上凹部21hを覆うとともに上凹部21hに嵌合され躯体3にビス止めされる上枠覆い部26aと、額縁7の屋外側にて下面を覆う上額縁覆い部26bとを有している。
改装下枠22は、図4に示すように、窓台3bに取り付けられるアタッチメント35に支持される脚部22cと、脚部22cの上端側にて屋外側に延出されて上方に立ち上がった外障子下レール22aと、外障子下レール22aの屋外側に設けられ、外障子下レール22aと間隔を隔てて対向する網戸下レール22gと、外障子下レール22aの下端から下方に延出された屋外延出部22dと、屋外延出部22dの下端から屋外側に突出された屋外突出部22eと、屋外延出部22dの下端から屋内側に延出されて脚部22c側と連結される連結部22fと、脚部22cの上端側にて断熱材22jを介して屋外側に延出されて上方に立ち上がった内障子下レール22bと、屋内側に延出された屋内延出部22hと、脚部22cより下方に延出されて窓台3bに固定される、改装下枠22の改装取付部としての改装下固定ヒレ部22iと、を有している。
アタッチメント35は、改装枠20が取り付けられた際に、改装枠20の下側に配置されて、当該改装サッシ10の屋外側への倒れを防止するための補強部材である。アタッチメント35は、改装下枠22の改装下固定ヒレ部22iにビス止めされる。そして、窓台3bに固定された水切り部材33を貫通するビスにて窓台3bに固定される固定部35aと、固定部35aの上端から屋外側に突出されて改装枠20が載置される載置部35bとが一体に形成されたL字状をなす部材である。
左右の改装縦枠23は、改装障子12の戸先框との係合部分は相違するが、方立3cへの取り付け方法は同じなので、ここでは、屋外側から見て右側に位置する改装縦枠23を例に挙げて説明する。
右の改装縦枠23は、図5に示すように、方立3cにビス止めされる、改装縦枠23の改装取付部としての改装側固定ヒレ部23aと、改装側固定ヒレ部23aの左端、すなわち開口2の中央側の端に設けられ見込み方向に沿う面を有する中央面板部23bと、中央面板部23bの屋外側の縁から開口2の中央側に突出されて網戸の戸先框と係合する網戸係合部23cと、中央面板部23bの屋外側の縁から網戸係合部23cと反対側に延出されて後述するカバー部材31が当接して位置決めされるカバー位置決め片23dと、中央面板部23bの屋内側の縁に設けられ額縁7に当接される側額縁当接部23eと、を有している。
また、中央面板部23bにおける、開口2の中央側には、改装外障子の戸先框と係合する戸先係合部23fと、開口2の中央側から中央面板部23bに嵌合される内周覆い部材25が係止される係止片23gと、が設けられている。
中央面板部23bに嵌合される内周覆い部材25は、改装縦枠23の屋内側のほぼ半分を覆うとともに、屋内側に、開口2の外周側に窪む凹部25aを有している。また、凹部25aの屋内側には、額縁7の屋外側の縁部を覆う額縁覆い部25bが設けられ、凹部25aには、凹部25aを覆う閉塞ピース材24が開口2の中央側から嵌合されている。
カバー部材30、31は、改装枠20が有する改装上枠21、及び、左右の改装縦枠23にそれぞれ、改装上枠21、及び、左右の改装縦枠23の外周側に位置させてビスにて固定されている。改装上枠21、及び、左右の改装縦枠23に固定される各カバー部材30、31は、断面形状が同じ押出成形部材である。
カバー部材30、31は、改装上枠21、及び、左右の改装縦枠23の外周面にビス止めされる枠固定部30a、31aと、枠固定部30a、31aの屋外側の縁から外周側に延出されて屋外側に臨む面をなすカバー板部30b、31bと、カバー板部30b、31bの外周側の縁から屋内側に延出され枠固定部30a、31aと間隔を隔てて対面する外周壁部30c、31cと、枠固定部30a、31aの屋外側の縁からカバー板部30b、31bと繋がって内周側に延出された延出部30d、31dと、を有している。
カバー板部30b、31bの屋内側の面には、カバー部材30、31の長手方向に沿う2つのビスホール30e、31eが、長手方向と交差する幅方向に間隔を隔てて設けられている。また、外周壁部30c、31cには、見込み方向に間隔を隔てて枠固定部30a、31a側に突出した突出片30f、31fが複数設けられている。突出片30f、31fは、外壁面5aと対向して、外壁面5aとの間にシール材40が設けられる部位である。このため、外壁面5aと適宜間隔を隔てて突出片30fが配置されるように、外壁面5aの位置に合わせて外周壁部30c、31cの屋内側の先端部分30g、31gを適宜切除することができるように形成されている。
このようなカバー部材30、31は、左右の改装縦枠23に取り付けられる左右一対のカバー部材(以下、縦カバー部材という)30が、各々の枠固定部30aが対向するように互いに内側に配置され、縦カバー部材30の上端にて、それらの間に、枠固定部31aが下方に向くように改装枠20の上側に配置されるカバー部材(以下、上カバー部材という)31が固定される。このとき、縦カバー部材30の外周壁部30cに設けられた、ビス38の頭部38aより大きな貫通孔から挿入されたビス38のねじ部38bが、枠固定部30aに設けられた、ビス38の頭部38aより小さな貫通孔に挿入されて、上カバー部材31のビスホール31eに螺合されることにより、左右一対の縦カバー部材30と上カバー部材31とがコ字状に固定される。
縦カバー部材30には、図6に示すように、上カバー部材31と接合された際に、上カバー部材31の内側と縦カバー部材30の内側とが連通するように切り欠き30hが設けられている。また、縦カバー部材30は、上下端部にて、その小口を覆うようにビス止めされる閉塞板36を有している。そして、縦カバー部材30の下端の閉塞板36には、縦カバー部材30の内外を上下方向に連通し、下方に開放された部位としての開孔36aが設けられている。
既設の外壁5に既設サッシが設けられている状態から、改装サッシ10に改装する方法は、まず、既設サッシを取り外すために、図7(a)に示すように、外壁5の、既設障子が取り外された既設枠50の外周側を切除し、既設枠上取付部51d、既設枠下取付部52eを露出させる。図7(b)、図7(c)のように、露出された既設枠上取付部51d、既設枠下取付部52eを既設の躯体3に固定しているビス又は釘を外して、既設枠50を撤去する。ここでは、既設縦枠が図示されていないが、既設縦枠についても、既設上枠51、既設下枠52と同様に既設枠取付部を露出させて、躯体3に固定しているビス又は釘を外す。このとき、改装サッシ10の改装枠20を取り付ける際に、不要となる既設の飼い木6等は、既設枠50とともに撤去する。
次に、改装サッシ10を取り付けるために、外壁5側を加工する。本実施形態の例では、上下の額縁7の屋外側の部位を切除し、額縁7の見込み方向の幅を、改装枠20に合わせて狭くするとともに、飼い木6も額縁7に合わせて、不要部分を切除し、また、不用な飼い木6を撤去する。
次に、取り付ける改装サッシ10の改装上枠21、改装下枠22、及び、左右の改装縦枠23を矩形状に枠組みして改装枠20を形成し、改装下枠22には、連結部22fの下面との間にシール材44を介してアタッチメント35を配置し、改装下固定ヒレ部22iにビス止めする。
また、上下端部にそれぞれ閉塞板36を備えて、改装枠20の左右の改装縦枠23に取り付けられた一対の縦カバー部材30と、改装枠20の改装上枠21に取り付けられる上カバー部材31とをコ字状に接合しておく。そして、新たに取り付けられた改装サッシ10にカバー部材30、31を取り付けたときに、外壁面5aと外周壁部30c、31cの突出片30f、31fとが対向するように、外周壁部30c、31cの屋内側の部位を適宜位置にて切除しておく。以下の説明では、上下端部に閉塞板36を備えた縦カバー部材30の、外周壁部30cが適宜位置にて切除されてコ字状に形成されたカバー部材を、コ字状カバー部材32という。
次に、窓台3bの屋外に望む面に、水切り部材33を固定し、改装サッシ10の改装枠20を取り付けるための飼い木6を新たに備える。
次に、改装枠20を外壁5に屋外側から取り付ける。このとき、改装上枠21の改装上固定ヒレ部21cを窓まぐさ3aの屋外に臨む面に、改装下枠22の改装下固定ヒレ部22iを窓台3bの屋外に臨む面に、左右の改装縦枠23の改装側固定ヒレ部23aを左右の方立3cの屋外に臨む面にそれぞれ当接させてビス止めする。このとき、改装上枠21と、改装縦枠23は、外壁面5aより屋外側に張り出している。
次に、取り付けられた改装枠20にコ字状カバー部材32を屋外側から取り付ける。このとき、上カバー部材31の枠固定部31aを改装上枠21の上面板部21dとの間にシール材44を介して、上面板部21d上に載置するとともに、上カバー部材31の延出部31dを、改装上枠21の網戸上レール21eの屋外臨む面に当接させ、改装上枠21の外障子上レール21aと網戸上レール21eとの間にて、下方から進入し上面板部21dを貫通して枠固定部31aに螺合されるビス38にて固定する。
また、左右の縦カバー部材30の枠固定部30aを改装縦枠23の中央面板部23bとの間にシール材44を介して、中央面板部23bと枠固定部30aとがほぼ平行をなすように配置するとともに、縦カバー部材30の延出部30dを、改装縦枠23のカバー位置決め片23dの屋外臨む面に当接させ、改装縦枠23の内周側から進入し中央面板部23bを貫通して枠固定部30aに螺合されるビス38にて固定する。
コ字状カバー部材32が、改装枠20に取り付けられた状態では、外壁5の外壁面5aと各カバー部材30、31の突出片30f、31fとが間隔を隔てているので、外壁5の外壁面5aと各カバー部材30、31の突出片30f、31fとの間にバックアップ材41材を注入した後に、シール材40を充填して、改装枠20の取り付けが完了する。このように、改装枠20にカバー部材30、31が取り付けられてシール材40が充填された状態では、外壁5のはつられた部位に固定された改装上固定ヒレ部21c、改装下固定ヒレ部22i、及び、改装側固定ヒレ部23aとカバー部材30との間には空間Sが形成されている。
本実施形態の改装サッシ10によれば、改装枠20が取り付けられている外壁5の切除した部位を覆うコ字状カバー部材32が改装枠20に取り付けられているので、改装枠20の外周側を綺麗に納めることが可能である。このとき、コ字状カバー部材32が取り付けられる改装枠20は、既設枠50を取り外した部位に取り付けられるので、たとえ既設枠50に歪みが生じていたとしても、既設枠50に生じていた歪みなどの影響を受けることはない。また、外壁5の切除した部位は、窓まぐさ3aと2本の方立3cのように異なる部材が露出されるので、より不陸が生じ易い。ところが、改装枠20は、外壁5を切除した部位の不陸を飼い木6等にて調整して取り付けるので、取り付けられた改装枠20には歪みが生じにくい。このため、本実施形態のように、枠状に形成されて一体となり、躯体3に取り付けられた改装枠20にコ字状カバー部材32取り付けると、既設枠50の歪みや、躯体3や外壁5の不陸の影響を受けにくいので、歪みなく取り付けることが可能な美観に優れた改装サッシを提供することが可能である。
また、コ字状カバー部材32が改装枠20に取り付けられていることにより、コ字状カバー部材32を取り付けるためのビス38が、外壁5の切除した部位や躯体3に螺合されない。このため、たとえコ字状カバー部材32に水等が進入しても、躯体3側に浸入し難いので、より高い水密性を確保することが可能である。
また、改装枠20の改装上固定ヒレ部21c、及び、改装側固定ヒレ部23aは、既設枠50の既設枠上取付部51d、及び、既設枠縦取付部の外側に設けられていた部位が切除された外壁5の部位に取り付けられて、カバー部材30、31との間に空間Sが設けられているので、切除したことにより生じた空間を、たとえば、モルタルを充填したり、水密材を設けたり、断熱材を設けたりする空間として利用することが可能である。
特に、コ字状カバー部材32は、改装枠20の、外壁面5aより外側に張り出している部位に枠固定部30aが取り付けられ、枠固定部30aは、外壁面5aより改装上固定ヒレ部21c及び改装側固定ヒレ部23a側に突出しないので、外壁5に取り付けられた改装枠20の改装上固定ヒレ部21c及び改装側固定ヒレ部23aよりカバー部材30側の空間Sであって、外壁面5aより屋内側の空間には、枠固定部30aが突出しない。このため、改装枠20の改装上固定ヒレ部21c及び改装側固定ヒレ部23aよりカバー部材30側の空間Sであって、外壁面5aより屋内側の空間を、枠固定部30aが突出しない空間として確保することが可能である。このため、改装枠20の改装上固定ヒレ部21c及び改装側固定ヒレ部23aよりカバー部材30側の空間の外壁面5aより屋内側の領域を利用して、たとえば、モルタルを充填したり、水密材を設けたり、断熱材を設けたりなど、の造作を施すことが可能である。
また、外壁5の切除した端部は、カバー部材30、31に覆われるので、丁寧な処理を施す必要がない。このため、施工性に優れた新設サッシ10を提供することが可能である。上記実施形態においては、外壁5の切除しない部分は、そのまま使用する例について説明したが、外壁5の表面に新たな壁材を設けてもよい。この場合にも、壁材の端部がカバー部材30、31により覆われるので、端部を整えることなくカバー部材30、31にて覆うだけで美観を損なうことなく新設サッシ10を備えることが可能である。
また、カバー部材30、31は、改装枠20に固定されており、改装上固定ヒレ部21c及び改装側固定ヒレ部23aとカバー部材30、31との間の空間には、カバー部材30、31を躯体3側と中継して固定するための部材が設けられていないので、既設枠50を取り外す際に切除した部位を埋め戻すなど、復元することも可能である。このとき、埋め戻した部位は、カバー部材30、31により覆われるので、塗装などの後処理を行う必要がないため、施工が容易である。
また、改装枠20の上側に位置する上カバー部材31と、左右一対の縦カバー部材30とが接合され、上カバー部材31の内部と縦カバー部材30の内部とは連通されているので、万一上カバー部材31内に水等が浸入したとしても、縦カバー部材30側に排出することが可能である。また、縦カバー部材30の下端の閉塞板36には開孔36aが設けられているので、縦カバー部材30内に進入した水等をカバー部材30外に容易に排出させることが可能である。また、縦カバー部材30が、水切り部材33の上方にも位置している場合には、縦カバー部材30内に進入して開孔36aから排出された水を、水切り部材より屋外側に排出したり、または、水切り部材33上に至らせて、水切り部材33を伝わせることにより、水を外壁5に至らせることなく排出することが可能である。
上記実施形態においては、縦カバー部材30の下方に開放された部位として、縦カバー部材30が有する下側の閉塞板36に設けられた開孔36aを例に挙げて説明したが、これに限らず、例えば、閉塞板の一部が切り欠かれていて、縦カバー部材の内外が上下方向に連通されていても良いし、縦カバー部材が下側の閉塞板を有していないことにより、縦カバー部材の内外が上下方向に連通されていても良い。また、縦カバー部材30の下方に開放された部位が設けられる位置としては、水切り部材33の上方または水切り部材33より屋外側の位置を含み、縦カバー部材30の下端であって縦カバー部材30の内側であればいずれの位置であっても構わない。
上記実施形態では、引き違い障子を備える既設枠との内周側に設けられる引き違い障子を備えた改装サッシを例に挙げて説明したが、既設枠も改装サッシも、例えば、開き窓、辷り出し窓及びFIX障子窓など、建具の種類及び組み合わせは、何れの形態であっても構わない。
また、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
2 開口、3 躯体、3a 窓まぐさ、3b 窓台、3c 方立、
5 外壁、5a 外壁面、10 改装サッシ、20 改装枠、
21 改装上枠、21c改装上固定ヒレ部、21d 上面板部、
22 改装下枠、22i 改装下固定ヒレ部、
23 改装縦枠、23a 改装側固定ヒレ部、
30 縦カバー部材、30a 枠固定部、30g 先端部分、
31 上カバー部材、31a 枠固定部、31g 先端部分、
32 コ字状カバー部材、33 水切り部材、
36 閉塞板、36a 開孔、38 ビス、50 既設枠、
51 既設上枠、51d 既設枠上取付部、
52 既設下枠、52e 既設枠下取付部、53 既設縦枠、
S 空間

Claims (4)

  1. 既設壁を切除して既設サッシの既設枠を建物躯体から取り外し、前記既設枠を取り外した部位に取り付けられる改装枠と、
    前記改装枠に取り付けられて、前記既設壁を切除した部位を覆うカバー部材と、
    を備え、
    前記改装枠は、前記既設壁を切除することにより前記既設枠の既設取付部が露出されて当該既設枠が取り外された部位に、当該改装枠の改装取付部が取り付けられており、
    前記改装取付部と前記カバー部材との間には空間が設けられていることを特徴とする改装サッシ。
  2. 請求項1に記載の改装サッシであって、
    前記改装枠は、前記既設壁の壁面より屋外側に張り出しており、
    前記カバー部材は、前記改装枠の張り出した部位に取り付けられる枠固定部が、前記壁面より前記改装取付部側に突出しないことを特徴とする改装サッシ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の改装サッシであって、
    前記改装枠は、改装上枠と改装下枠と左右の改装縦枠とを矩形状に枠組みして形成されており、
    前記改装上枠に取り付けられる前記カバー部材としての上カバー部材と、前記改装枠の見付け方向における両側に配置され、左右の改装縦枠に取り付けられる前記カバー部材としての左右一対の縦カバー部材とがそれぞれ接合され、
    接合された前記上カバー部材の内部と前記縦カバー部材の内部とは連通されており、前記縦カバー部材は下端に下方に開放された部位を有していることを特徴とする改装サッシ。
  4. 請求項3に記載の改装サッシであって、
    前記改装枠の改装下枠の下方には、前記既設壁を切除した部位に取り付けられる水切り部材を有し、
    前記縦カバー部材の下方に開放された部位は、前記水切り部材の上方または前記水切り部材より屋外側に配置されていることを特徴とする改装サッシ。
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