JP2012229406A - 多孔質フィルムおよび蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】多孔性樹脂フィルムに多孔質層を設けることにより、安全性に関わる耐熱性を有し、かつ耐久性と高い電池性能を有する蓄電デバイス用セパレータ用として好適な多孔質フィルムを提供すること。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂を含む多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機粒子を含有する多孔質層が積層された多孔質フィルムであって、多孔質層の積層を行う前後において、有機溶媒の厚み方向浸透時間変化率が10%以下であり、多孔質フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率が、多孔性樹脂フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率のそれぞれの1/4以下であり、かつ0〜3%である多孔質フィルムとする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電気特性、安全性に優れる蓄電デバイス用セパレータに関する。詳しくは、多孔性樹脂フィルムに多孔質層を設けることにより、優れた平面性及び耐熱性といった安全性を有し、かつ耐久性と高い電池性能を有する蓄電デバイス用セパレータ用として好適な多孔質フィルムに関する。
多孔性樹脂フィルムは、電気絶縁性やイオン透過性に加えて、力学特性にも優れることから、特にリチウムイオン二次電池のセパレータ用途に広く用いられており、なおかつ、電池の高出力密度、高エネルギー密度化に伴い、フィルムの大孔径化、薄膜化、高空孔率化などが検討されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、このような方法で作られた多孔性樹脂フィルムだけでは、熱寸法安定性が不足し、安全性に劣るという問題があった。安全性を確保するために耐熱樹脂と球状粒子からなる層やバインダーと球状粒子をフィルムの最表層に設ける提案がなされているが(例えば、特許文献3、4)、多孔層中の粒子間の距離が長く、加熱時に容易にカールしたり、粒子が脱落しやすいといった問題があった。また、バインダーと板状粒子からなる層をフィルムの最表層に設ける提案がなされているが(例えば、特許文献5)、多孔層中の板状粒子の重なり合いにより気密性が増し、セパレータとして用いた際に電気抵抗が上昇するといった問題点や、電解液浸透性が悪く、工程通過性に劣るといった問題点があった。他には、球状粒子と燐片状粒子とが焼結されてなる房状の二次粒子を多孔層に用い、耐熱性を保ちながらも空隙を確保するといった提案もなされている(例えば特許文献6)。しかし、鉱物を人工的に接着したものであり、粒子同士の密着性が充分とはいえず、粒子が脱落しやすく、空隙を長期的に確保できないという問題があった。
特開平11−302434号公報 国際公開第2005/61599号パンフレット 特開2008−319634号公報 特開2008−266593号公報 国際公開第2007/667681号パンフレット 特開2006−147569号公報
本発明の課題は、上記した問題点を解決することにある。すなわち、本発明の目的は、多孔性樹脂フィルムに多孔質層を設けることにより、安全性に関わる優れた耐熱性を有し、かつ耐久性と高い電池性能を有する蓄電デバイス用セパレータ用として好適な多孔質フィルムを提供することにある。
上記目的を達成するための本発明は、ポリオレフィン系樹脂を含む多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機粒子を含有する多孔質層が積層された多孔質フィルムであって、多孔質層の積層を行う前後において、有機溶媒の厚み方向浸透時間変化率が10%以下であり、多孔質フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率が、多孔性樹脂フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率のそれぞれの1/4以下であり、かつ0〜3%である多孔質フィルムである。
本発明の多孔質フィルムは、安全性に関わる優れた耐熱性を有し、かつ耐久性と高い電池性能を有する蓄電デバイス用セパレータとして用いた際に優れた特性を示す多孔質フィルムとして提供することができる。
本発明の基材に用いる多孔性樹脂フィルムは、フィルムの両表面を貫通し、透気性を有する微細な貫通孔を多数有している。多孔性樹脂フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂としては、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリ4−メチルペンテン−1などの単一ポリオレフィン樹脂や、これら樹脂の混合物、さらには、単量体同士をランダム共重合やブロック共重合した樹脂を用いることができる。
多孔性樹脂フィルムは、耐熱性の観点で融点が155〜180℃であることが好ましい。融点が155℃未満であると多孔層を多孔性樹脂フィルム上に積層する際に多孔フィルムが寸法変化してしまう場合がある。一方、多孔性樹脂フィルムの融点が180℃を超える温度にするためには、ポリオレフィン系樹脂以外の耐熱性樹脂を多量に添加する必要があり、その場合、セパレータとしての基本特性であるイオン電導性が著しく低下してしまう場合ある。なお、多孔性樹脂フィルムの融点は、単一の融点を示す場合はもちろんその融点をいうが、例えば多孔性樹脂フィルムがポリオレフィンの混合物から構成されるなど、複数の融点を有している場合は、そのうち最も高温側に現れる融点を多孔性樹脂フィルムの融点とする。多孔性樹脂フィルムの融点は、より好ましくは耐熱性の観点から160〜180℃、さらに好ましくは165〜180℃である。また、上記したように、多孔性樹脂フィルムが複数の融点を示す場合は、それら全てが上記範囲内にあることが好ましい。
フィルムに貫通孔を形成する方法としては、湿式法、乾式法どちらでも構わないが、工程を簡略化できることから乾式法が望ましい。多孔性樹脂フィルムは、優れた耐熱性を実現するためにポリプロピレン樹脂からなることが好ましく、生産性の観点からβ晶法と呼ばれる多孔化法を用いて製造された多孔フィルムであることが好ましい。β晶法を用いてフィルムに貫通孔を形成するためには、ポリプロピレン樹脂中にβ晶を多量に生成させることが重要となるが、そのためにはβ晶核剤と呼ばれる、ポリプロピレン樹脂中に添加することでβ晶を選択的に生成させる結晶化核剤を添加剤として用いることが好ましい。β晶核剤としては種々の顔料系化合物やアミド系化合物などを挙げることができるが、特に特開平5−310665号公報に開示されているアミド系化合物を好ましく用いることができる。β晶核剤の含有量としては、ポリプロピレン樹脂全体を100質量部とした場合、0.05〜0.5質量部であることが好ましく、0.1〜0.3質量部であればより好ましい。
多孔性樹脂フィルムを構成するポリプロピレン樹脂はメルトフローレート(以下、MFRと表記する、測定条件は230℃、2.16kg)が2〜30g/10分の範囲のアイソタクチックポリプロピレン樹脂であることが好ましい。MFRが上記した好ましい範囲を外れると延伸フィルムを得ることが困難となる場合がある。より好ましくは、MFRが3〜20g/10分である。
また、アイソタクチックポリプロピレン樹脂のアイソタクチックインデックスは90〜99.9%であれば好ましい。アイソタクチックインデックスが90%未満であると、樹脂の結晶性が低く、高い透気性を達成するのが困難な場合がある。アイソタクチックポリプロピレン樹脂は市販されている樹脂を用いることができる。
多孔性樹脂フィルムにはホモポリプロピレン樹脂を用いることができるのはもちろんのこと、製膜工程での安定性や造膜性、物性の均一性の観点から、ポリプロピレンにエチレン成分やブテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィン成分を5質量%以下の範囲で共重合してもよい。なお、ポリプロピレンへのコモノマーの導入形態としては、ランダム共重合でもブロック共重合でもいずれでも構わない。
また、上記のポリプロピレン樹脂は0.5〜5質量%の範囲で高溶融張力ポリプロピレンを含有させることが製膜性向上の点で好ましい。高溶融張力ポリプロピレンとは高分子量成分や分岐構造を有する成分をポリプロピレン樹脂中に混合したり、ポリプロピレンに長鎖分岐成分を共重合させたりすることで溶融状態での張力を高めたポリプロピレン樹脂であるが、中でも長鎖分岐成分を共重合させたポリプロピレン樹脂を用いることが好ましい。この高溶融張力ポリプロピレンは市販されており、たとえば、Basell社製ポリプロピレン樹脂PF814、PF633、PF611やBorealis社製ポリプロピレン樹脂WB130HMS、Dow社製ポリプロピレン樹脂D114、D206を用いることができる。
多孔性樹脂フィルムを構成するポリプロピレン樹脂には、延伸時の空隙形成効率を高め、孔径が拡大することで透気性が向上することから、ポリプロピレン樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体を1〜10質量%添加することが好ましい。ここで、エチレン・α−オレフィン共重合体としては直鎖状低密度ポリエチレンや超低密度ポリエチレンを挙げることができ、中でも、オクテン−1を共重合したエチレン・オクテン−1共重合体を好ましく用いることができる。このエチレン・オクテン−1共重合体は市販されている樹脂を用いることができる。
本発明において基材に用いる多孔性樹脂フィルムはβ晶法により多孔化することが好ましいため、フィルムを構成する(含まれる)ポリプロピレン樹脂のβ晶形成能が40〜90%であることが好ましい。
ここで、β晶形成能とは以下の条件で測定される、一定条件下におけるポリプロピレン樹脂中のβ晶の存在比率を示しており、β晶をどれだけ形成する能力があるのかを示す値である。β晶形成能の測定は、ポリプロピレン樹脂あるいはポリプロピレンフィルム5mgを示差走査熱量計を用いて窒素雰囲気下で室温から240℃まで10℃/分で昇温(ファーストラン)し、10分間保持した後、30℃まで10℃/分で冷却する。5分保持後、再度10℃/分で昇温(セカンドラン)した際に観察される融解ピークについて、145〜157℃の温度領域にピークが存在する融解をβ晶の融解ピーク、158℃以上にピークが観察される融解をα晶の融解ピークとして、それぞれ融解熱量を求め、α晶の融解熱量をΔHα、β晶の融解熱量をΔHβとしたとき、以下の式で計算される値をβ晶形成能とする。
β晶形成能(%)=〔ΔHβ/(ΔHα+ΔHββ〕×100
β晶形成能が40%未満ではフィルム製造時にβ晶量が少ないためにα晶への転移を利用してフィルム中に形成される空隙数が少なくなり、その結果透過性の低いフィルムしか得られない場合がある。また、β晶形成能が90%を超える場合は、粗大孔が形成され、蓄電デバイス用セパレータとしての機能を有さなくなる場合がある。β晶形成能を40〜90%の範囲内にするためには、アイソタクチックインデックスの高いポリプロピレン樹脂を使用し、かつ、上述のβ晶核剤を添加することが好ましい。β晶形成能としては45〜80%であればより好ましい。
本発明において基材に用いる多孔性樹脂フィルムは少なくとも一軸方向に延伸されていることが好ましい。未延伸のフィルムを用いた場合、フィルムの空孔率や機械強度が不十分となる場合がある。多孔性樹脂フィルムを少なくとも一軸方向に延伸する方法としては、加熱後、テンター法、ロール法、インフレーション法、又はこれらの組合せにより所定の倍率で延伸するのが好ましい。延伸は一軸延伸でも二軸延伸でもよい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸、逐次延伸及び多段延伸(例えば同時二軸延伸及び逐次延伸の組合せ)のいずれでもよいが、生産性の観点から、逐次二軸延伸が好ましい。
本発明において基材に用いる多孔性樹脂フィルムには、酸化防止剤、熱安定剤、帯電防止剤や無機あるいは有機粒子からなる滑剤、さらにはブロッキング防止剤や充填剤、非相溶性ポリマーなどの各種添加剤を含有させてもよい。特に、ポリオレフィン樹脂の熱履歴による酸化劣化を抑制する目的で、ポリオレフィン樹脂100質量部に対して酸化防止剤を0.01〜0.5質量部含有せしめることは好ましいことである。
本発明において基材に用いる多孔性樹脂フィルムは、JIS K 3832(1990)のバブルポイント法(ハーフドライ法)に準じて測定された貫通孔の平均孔径が40〜400nmであることが好ましい。40nm未満ではセパレータとして用いた際の特性が不十分となり、400nmを超えると粒子の脱落や微短絡が起こりやすくなり電池の寿命に対して悪影響を及ぼすなどの問題が起こるおそれがある。
貫通孔の平均孔径をかかる好ましい範囲に制御する方法としては、ポリプロピレン樹脂にエチレン・α−オレフィン共重合体を前述した特定比率で混合した樹脂を用いることで達成できる。
次に、上記のようにして得た多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に多孔質層を形成するが、その前に多孔性樹脂フィルムと多孔質層との接着性を向上させる目的で、多孔性樹脂フィルム表面にコロナ放電処理などの易接着化のために表面処理を行うことが好ましい。表面処理としては、空気中、酸素雰囲気、窒素雰囲気などでのコロナ放電処理や、プラズマ処理等を挙げることができるが、簡便なコロナ放電処理が好ましい。
本発明の多孔質フィルムは、上記した多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機粒子を含む多孔質層が設けられている。多孔質層を有することにより、多孔性樹脂フィルムのみでは達成できない、高温での耐熱性を発現することができる。高温での耐熱性は、200℃で10秒間圧力をかけて加熱し、溶融による孔の有無によって評価できる。以下に当該多孔質層について、詳しく説明する。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層に用いる無機粒子は、一次粒子が、板状粒子と板状以外の形状の粒子とが結合した形状を有する無機粒子であることが好ましい。なお、ここで「板状以外の形状」とは、例えば次のA〜Dに記載の形状が挙げられる。
A:球状または楕円状
B:立方体または直方体または斜方体または凸な多面体
C:針状または棒状
D:塊状または不定形状
また、ここで「一次粒子」とは、外見上の幾何学的形態から判断して、単位粒子と考えられるものをいう。さらに、「結合」とは、前記一次粒子の生成過程において一体となっていることをいい、人工的に後から焼結等の操作により一体化したものは除かれる。このような「結合」した粒子は、通常は、天然産出粒子に限定される。
一次粒子がこのような形状の無機粒子を使用することにより、無機粒子同士が板状部分で点または線で接触しながら突部による立体障害によって空間を維持することができる。これにより、後述する熱寸法安定性、高い無機粒子同士の密着力、低い有機溶媒の厚み方向浸透時間変化率、低い透気抵抗を同時に達成することができる。二次粒子(すなわち別々の粒子が人工的に焼結されたような粒子)がこのような形状をしていても短期的には当該効果を達成できると考えられるが、一次粒子に比べて密着性が弱く、長期的に当該効果を保てないと考えられる。また、単に異なる形状の粒子を混ぜただけでは、最密充填してしまい、空隙を埋めてしまうため、当該効果を両立できない場合がある。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層に用いる無機粒子としては、例えば板状のカオリナイトと非結晶(アモルファス)の石英の結合物が挙げられる。この無機粒子は、ドイツ国のノイブルグ地方でしか採れないノイブルグ硅土を、特殊な方法で精製したもので、板状のカオリナイトと非結晶の石英とが自然に組み合わされ結合されているという特殊な構造をしている。市販品として具体例を挙げると、板状のカオリナイト粒子と非結晶の石英粒子(球状または楕円状)との結合物として、シリチンV85(平均粒子径4μm)、シリチンV88(平均粒子径3.5μm)、シリチンN82(平均粒子径2.9μm)、シリチンN85(平均粒子径2.9μm)、シリチンZ86(平均粒子径1.9μm)、シリチンZ89(平均粒子径2μm)、シリコロイドP87(平均粒子径1.5μm)(以上、ドイツ国ホフマンミネラル社製)等がある。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層に用いる無機粒子の平均粒子径は、多孔質層の透気性と力学特性の両立の観点から、1〜5μmであることが好ましく、より好ましくは2〜4μmである。平均粒子径が1μm未満では、無機粒子が多孔性樹脂フィルムの開孔表面からフィルム内部に浸透し、多孔性樹脂フィルムの透気抵抗が高くなる場合がある。一方、平均粒子径が5μmを超えると、多孔質層の厚みを制御できなくなる場合がある。ここで、無機粒子の平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法によって測定される、粒子径に対する個数基準積分曲線における、50%個数基準積算値に対応する粒子径をいう。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層に含まれる上記無機粒子の濃度は、多孔質層において40〜95質量%であることが好ましく、50〜90質量%であることがより好ましい。45質量%未満であると、多孔質層の耐熱性が十分に発現せず、多孔質フィルムとした際に収縮が著しくなる場合がある。また、95質量%より大きいと、無機粒子に対して後述するバインダーの量が少なくなり、十分に粒子と粒子を接着できない場合がある。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層は無機粒子同士が接触する構造をバインダーによって固定されることで優れた特性を示す。無機粒子とバインダーの密着性が高いと、無機粒子の脱落を抑制できる。また、無機粒子同士の接触が点のみでなく線であれば、より密着が強固なものとなり、無機粒子の脱落を抑制できる。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層には、無機粒子と共にバインダーを含んでいることが好ましい。用いるバインダーとしては、PVDF、アクリル樹脂、エチレンビニルアルコール(EVA:酢酸ビニル由来の構造単位が20〜35モル%のもの)、エチレン−エチルアクリレート共重合体などのエチレン−アクリル酸共重合体、フッ素系ゴム、スチレンブタジエンゴム、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、架橋アクリル樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、変性ポリオレフィン等の有機物バインダーと、シリコンアルコキシド類、ジルコニウム化合物、及びコロイダルシリカ等の無機バインダーが挙げられる。特に、水に分散可能なバインダーが好ましく用いられる。バインダーは、上記例示のものを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。上記の中でも、無機粒子との密着性の観点から変性ポリオレフィン、PVDF又はアクリル樹脂の水分散体が好ましい。これらをバインダーとして使用した場合、多孔質層の造膜時に無機粒子および基材となる多孔性樹脂フィルムの双方との馴染みがよいことより、無機粒子の脱落抑制と多孔質層と基材である多孔性樹脂フィルムとの良好な密着性を両立することが可能となる。無機粒子とバインダーの密着性が高いと、無機粒子の脱落抑制と多孔質層を積層することで付与できる耐熱性を効果的に発現することができる。また、無機粒子および基材となる多孔性樹脂フィルムの接着性が高いと、多孔質フィルムの良好な平面性と、多孔質層を積層することで付与できる耐熱性を効果的に発現することができる。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層にバインダーとして変性ポリオレフィンの水分散体を用いる場合、その変性ポリオレフィンはオレフィン骨格と不飽和カルボン酸骨格からなることが好ましい。オレフィン骨格としてはプロピレン、エチレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン等の炭素数2〜6のオレフィン類が挙げられ、不飽和カルボン酸骨格としては分子内に少なくとも1個のカルボキシル基または酸無水物基を有する化合物であり、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層にバインダーとして変性ポリオレフィンの水分散体を用いる場合、その変性ポリオレフィンの質量平均分子量は、20,000〜100,000であることが好ましく、21,000〜80,000がより好ましい。質量平均分子量が20,000未満であると、多孔質層の造膜性が低下する傾向にある。一方、100,000を超えた場合には、水性分散化が困難となり、バインダーとしての使用が困難となる。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層にバインダーとして変性ポリオレフィンの水分散体を用いる場合、その変性ポリオレフィンの酸価は、10〜70mgKOH/gであることが好ましく、15〜65mgKOH/gであることがより好ましく、20〜60mgKOH/gがさらに好ましい。酸価が10mgKOH/g未満の場合は、耐熱無機粒子との接着性が悪くなる傾向があり、70mgKOH/gを超えた場合は、基材である多孔性樹脂フィルムとの接着性が悪化する場合がある。
本発明の多孔質フィルムにおいて、多孔性樹脂フィルムと多孔質層との高温時の接着性向上のためにオキシラン環含有化合物が多孔質層に存在することが好ましい。オキシラン環含有化合物としては、各種エポキシ樹脂、グリシジル(メタ)クリレート等のエポキシ基含有(メタ)クリレート、Y−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等のエポキシ基含有有機ケイ素化合物挙げられるが、耐電解液性の観点からエポキシ樹脂が好ましく使用される。エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラメチルビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ポリエチレンオキシド型エポキシ樹脂、ポリプロピレンオキシド型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、1種あるいは2種以上の混合物として使用できる。また、耐電解液性の観点から、2官能以上のエポキシ樹脂を用いるのが好ましく、可撓性の観点からは、エポキシ当量100以上がよく、300以上がさらに好ましい。また、環境、作業性の観点から、水溶性エポキシ樹脂の使用が好ましく、ソルビトールポリグリシドキシエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の2官能以上の脂肪族エポキシ樹脂が挙げられ、1種あるいは2種以上の混合物として使用できる。具体的には、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル等の水溶性エポキシ樹脂が特に好ましい。また、可撓性付与の目的で、フェノールエチレンオキシドグリシジルエーテル(エチレンオキシド鎖の繰り返し単位が、5〜10程度のものが特に好ましい)、ラウリルアルコールエチレンオキシドグリシジルエーテル(エチレンオキシド鎖の繰り返し単位が、10〜18程度のものが特に好ましい)等のモノエポキシ化合物、エポキシ化植物油等を使用してもさしつかえなく、クレゾールノボラック型エポキシ等のエポキシエマルジョンも使用できる。
さらに、これらオキシラン環含有化合物の硬化促進、低温硬化を目的として、各種硬化触媒を併用してもよい。硬化剤としては、ルイス酸等の酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸等の酸無水物、アルウミニウムアセチルアセトネート等の各種金属錯体化合物、金属アルコキシド、アルカリ金属の有機カルボン酸塩および炭酸塩、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン、ジエチルアミノプロピルアミン等の脂肪族アミン、変性脂肪族ポリアミン、変性芳香族ポリアミン、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、トリブチルアミン、トリス(ジメチルアミノ)メチルフェノール等の第三級アミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族アミン、アミノエチルピペラジン等の環状アミン、2−メチル−4−エチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩、三フッ化硼素、三フッ化硼素−モノエチルアミンコンプレックスなどが挙げられ、単独あるいは2種以上の混合物として使用できる。
本発明の多孔質フィルムにおいて、下記式で算出される多孔質層中の無機粒子とバインダーの濃度比は0.4〜0.95であることが好ましく、0.5〜0.9であることがより好ましい。
濃度比=無機粒子濃度/バインダー濃度
濃度比が0.4を下回ると多孔層と基材である多孔性樹脂フィルムの接着性が悪くなる場合や、多孔層から無機粒子の脱落が発生する場合がある。また、濃度比が0.95を上回ると、多孔性樹脂フィルムの表面にある孔を閉塞し、透気抵抗が高くなる場合がある。
本発明の多孔質フィルムの多孔質層にバインダーを用いる場合、その平均粒子径は、0.01〜1.00μmが好ましく、0.5〜0.8μmが好ましい。粒子径が1.00μmを超えると無機粒子同士を接着させる際均一に接着できなかったり、造膜性が悪化したりする場合がある。また、0.01μm未満であると、多孔性樹脂フィルムの細孔に入り込み、フィルムの透気抵抗が悪化する場合がある。バインダー(変性ポリオレフィン等)の平均粒子径は、微粒物質の粒子径を測定するために一般的に使用されている動的光散乱法によって測定される。
無機粒子とバインダーとの密着性は多孔質フィルムを繰り返し走行させた際の動摩擦係数の変化で評価できる。具体的には、JIS K 7125(1999年)に準じ、多孔質フィルム塗工面同士(多孔質層の積層した面同士)をサンプルを取り替えずに20回摩擦させ、1回目の測定値(μd1)と20回目の測定値(μd20)から、下記式を用いて動摩擦係数変化率(μda)を算出する。μdaの値が小さいほど、複数回摩擦によって表面状態が変化しておらず、無機粒子の脱落が少ないといえる。好ましい値としては5%以下であり、3%以下であればより好ましい。μdaの値が5%を超えると、搬送中や使用中に無機粒子脱落が多くなり、生産性や長期信頼性が低下する恐れがある。
μda=|{(μd20−μd1)/μd1}×100|
μdaの値をかかる範囲にするためには、粒子同士もしくは粒子とバインダーの接触面積を大きくすることが重要であり、一次粒子として、板状粒子と板状以外の形状の粒子とが結合した形状を有する無機粒子を使用することにより達成できる。
本発明の多孔質フィルムにおいて、多孔質層を形成する塗液には増粘剤として水溶性樹脂成分を添加することができる。水溶性樹脂成分としては、セルロースおよび/またはセルロース塩が好ましく、特に限定されるものではないが、具体例としてはヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびこれらのナトリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。なかでも、カルボキシメチルセルロースまたはその塩およびヒドロキシエチルセルロースまたはその塩よりなる群から選択される少なくとも1種を含むことが特に好ましい。
本発明の多孔質フィルムにおいて、多孔質層を形成する方法として、無機粒子やバインダーおよびその他の組成物を含有する塗液を塗布する方法が好ましく採用される。塗布する方法としては、一般に行われるどのような方法を用いてもよいが、例えば、オキシラン環含有化合物をイオン交換水などに分散させて作製した塗液をリバースコート法、バーコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、ダイコート法、スプレーコート法などの塗布方法によりフィルム上に塗布し、乾燥して多孔質層とすればよい。均一塗工性の観点から、特にダイコート法が好ましい。また、塗液を調製する際には多孔質層における無機粒子の偏在を防止するために分散剤などを適宜添加してもよい。
本発明の多孔質フィルムにおいて、多孔質層を形成するために用いる塗液の粘度は、JIS K 7117(1999)に準拠して測定した値が1〜500mP・sであることが好ましい。上記の範囲外であると、塗工工程においてのハンドリング性が悪く、生産性に劣る場合がある。
本発明において多孔質フィルムの透気抵抗は50〜500秒/100mlであることが好ましい。透気抵抗が50秒/100ml未満では電極間の絶縁が十分に保てず、安全性に劣る場合がある。また、500秒/100mlを超えると多孔質フィルムをセパレータとして用いた際の電池特性が悪化する傾向にある。多孔質フィルムの透気抵抗は、用途にもよるが、好ましくは80〜350秒/100ml、より好ましくは150〜250秒/100mlである。
本発明の多孔質フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率は、多孔性樹脂フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率のそれぞれの1/4以下であり、かつ0〜3%である。0〜2%であれば、より好ましい。多孔質フィルムの130℃熱収縮率が多孔性樹脂フィルムの測定値の1/4を超えると、多孔質層を設けたことによる耐熱性向上の効果が不十分となる。また、多孔質フィルムの130℃熱収縮率が長手方向、幅方向いずれも3%より大きいと電池のセパレータとして使用した際に、発生した熱によって容易に収縮し短絡を引き起こす場合がある。また、0%より小さいと、電池のセパレータとして使用した際に、電池自体の寸法安定性に影響を及ぼし、電池が変形するなどの不具合が生じる場合がある。
130℃熱収縮率を上記の範囲にするには、粒子同士もしくは粒子とバインダーの接触面積を大きくすることが重要であり、一次粒子として、板状粒子と板状以外の形状の粒子とが結合した形状を有する無機粒子を使用することにより達成できる。
本発明の多孔質フィルムは、有機溶媒の厚み方向浸透時間の変化率が、多孔質層を積層する前後において10%以下である。より好ましくは5%以下である。該変化率が10%を超えると、電池加工性が悪くなり生産性が低下するとともに、セパレータとして用いた際、電解液が局部的に吸液され、部分的に電池の内部抵抗が増大し、初期容量が低下する場合がある。該変化率は低ければ低いほど好ましい。
なお、有機溶媒の厚み方向浸透時間とは、プロピレンカーボネート:ジエチルカーボネート=95:5(体積比)液滴が、多孔質フィルムまたは多孔性樹脂フィルム表面に接触してから裏面に浸透するまでの時間である。
有機溶媒の厚み方向浸透時間の変化率を低く抑えるためには、無機粒子間に存在する空隙を確保する必要がある。
有機溶媒の厚み方向浸透時間の変化率を低く抑えることと、無機粒子の脱落を抑制することまたは熱収縮率を低くすることとは、従来相反する制御が必要であった。しかし、本発明では一次粒子として、板状粒子と板状以外の形状の粒子とが結合した形状を有する無機粒子を使用することにより、粒子同士が板状部分で点または線で接触しながら、突部による立体障害によって空間を維持することができる。
なお、有機溶媒の厚み方向浸透時間の変化率を低く抑えることと、無機粒子の脱落を抑制することまたは熱収縮率を低くすることとの両立は、2次粒子(すなわち別々の粒子が圧着されたような粒子(結合はしていない))が前記で述べた形状をしていても短期的には当該効果を達成できると考えられるが、一次粒子に比べて密着性が弱く、長期的に当該効果を保てないと考えられる。また、単にA〜Eの形状の粒子を混ぜただけでは、密に配列充填してしまい、空隙を埋めやすくなるため、当該効果を達成できない場合がある。
本発明の多孔質フィルムは全体の総厚みが15〜40μmであることが好ましく、18〜35μmであればより好ましい。その中でも、多孔性樹脂フィルムの厚みは、セパレータとしての電気特性の点で12〜35μmであればより好ましく、15〜30μmであればより好ましい。また、多孔質層の厚みは耐熱性、力学特性の観点から、1〜9μmであることが好ましく、3〜7μmであればより好ましい。
以下に本発明の多孔質フィルムを構成する多孔性樹脂フィルムの製造方法、および、多孔質フィルムの製造方法を具体的に説明する。なお、本発明の多孔質フィルムの基材に用いる多孔性樹脂フィルムの製造方法はこれに限定されるものではないが、β晶法によるポリプロピレン多孔フィルムを例として説明する。
ポリプロピレン樹脂として、MFR8g/10分の市販のホモポリプロピレン樹脂94質量部、同じく市販のMFR2.5g/10分高溶融張力ポリプロピレン樹脂1質量部、さらにメルトインデックス18g/10分の超低密度ポリエチレン樹脂5質量部にN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド0.2質量部を混合し、二軸押出機を使用して予め所定の割合で混合した原料を準備する。この際、溶融温度は270〜300℃とすることが好ましい。
次に、上記の混合原料を単軸の溶融押出機に供給し、200〜230℃にて溶融押出を行う。そして、ポリマー管の途中に設置したフィルターにて異物や変性ポリマーなどを除去した後、Tダイよりキャストドラム上に吐出し、未延伸シートを得る。この際、キャストドラムは表面温度が105〜130℃であることが、キャストフィルムのβ晶分率を高く制御する観点から好ましい。また、特にシートの端部の成形が後の延伸性に影響するので、端部にスポットエアーを吹き付けてドラムに密着させることが好ましい。なお、シート全体のドラム上への密着状態から必要に応じて全面にエアナイフを用いて空気を吹き付ける方法や、静電印加法を用いてキャストドラムにポリマーを密着させてもよい。
次に得られた未延伸シートを二軸配向させ、フィルム中に空孔を形成する。二軸配向させる方法としては、フィルム長手方向に延伸後幅方向に延伸、あるいは幅方向に延伸後長手方向に延伸する逐次二軸延伸法、またはフィルムの長手方向と幅方向をほぼ同時に延伸していく同時二軸延伸法などを用いることができるが、高透気性フィルムを得やすいという点で逐次二軸延伸法を採用することが好ましく、特に長手方向に延伸後、幅方向に延伸することが好ましい。
具体的な延伸条件としては、まず未延伸シートを長手方向に延伸する温度に制御する。温度制御の方法は、温度制御された回転ロールを用いる方法、熱風オーブンを使用する方法などを採用することができる。長手方向の延伸温度としては90〜135℃、さらに好ましくは120〜135℃の温度を採用することが好ましい。延伸倍率としては3〜6倍、より好ましくは4.5〜5.8倍である。次に、いったん冷却後、ステンター式延伸機にフィルム端部を把持させて導入する。そして、好ましくは145〜153℃に加熱して幅方向に4〜12倍、より好ましくは6.5〜10倍延伸を行う。なお、このときの横延伸速度としては300〜5,000%/分で行うことが好ましく、1,000〜5,000%/分であればより好ましい。ついで、そのままステンター内で熱固定を行うが、その温度は横延伸温度以上160℃以下が好ましい。さらに、熱固定時にはフィルムの長手方向および/もしくは幅方向に弛緩させながら行ってもよく、特に幅方向の弛緩率を5〜35%とすることが、熱寸法安定性の観点から好ましい。
上記製造方法によって作製した多孔性樹脂フィルムに、無機粒子としてノイブルグ珪土4〜9質量%、変性ポリエチレン水分散体(固形分濃度20質量%)4〜25質量%、オキシラン環含有化合物0〜0.3質量%、カルボキシメチルセルロース0〜0.3質量%、イオン交換水70〜86質量%を混合して作製した塗液を上記多孔フィルムの片面に、乾燥後の厚みが5μmになるように塗液を塗布し、乾燥させて多孔質層を形成する。
従来、ノイブルグ珪土のような天然物は、水に分散させることが困難であった。これは、天然物であるが故にカオリナイト部や石英部に存在する酸素及び水酸基等の極性基が、脱水するなどして不活性化しているためであると考えられた。したがって有機溶媒などに分散させて使用されていたが、有機溶媒であると、コストや溶媒を除去する際の多孔性樹脂フィルムの収縮などが問題となっていた。
そこで、本発明で使用するノイブルグ珪土は、事前に前処理をして極性基を活性化させ、水に分散させやすくすることが好ましい。極性基を活性化させる方法は、アルカリ処理、酸素プラズマ処理、UVオゾン処理等が用いられるが、より簡便に用いられることからUVオゾン処理が好ましい。
塗液を塗布する方法としては、たとえば、バーコート法、グラビアコート法、ダイコート法などの塗布方法によりフィルム上に塗布し、乾燥して多孔質層とすることができる。乾燥条件は、乾燥温度は80〜100℃、乾燥時間は10秒〜10分間が好ましい。乾燥温度が80℃未満では、塗液が未乾燥となる場合がある。また、乾燥温度が、100℃より高くなると、ポリレフィン系多孔質フィルムの収縮が大きくなり、透気性が悪くなる場合がある。乾燥時間が、10秒間未満では、塗液が未乾燥となる場合がある。また、乾燥温度が、10分間より長くなると、生産性が悪くなる場合がある。
本発明の多孔質フィルムは、優れた耐熱性、平面性、透気性を有していることから、蓄電デバイスのセパレータとして好適に使用することができる。
ここで、蓄電デバイスとしては、リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池や、リチウムイオンキャパシタなどの電気二重層キャパシタなどを挙げることができる。このような蓄電デバイスは充放電することで繰り返し使用することができるので、産業装置や生活機器、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの電源装置として使用することができる。本発明の多孔質フィルムをセパレータとして使用した蓄電デバイスは、セパレータの優れた特性から産業機器や自動車の電源装置に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明する。なお、特性は以下の方法により測定、評価を行った。
(1)無機粒子の平均粒子径
レーザー回折・散乱式粒度分布測定器(LMS−300:(株)セイシン企業製)を用いて湿式法により粒子径を測定した。得られた粒子径に対する個数基準積分曲線において、50%個数基準積算値に対応する粒子径を平均粒子径とした。
(2)塗液粘度
B型粘度計(東京計器社製)を用いて、JIS K 7117(1999)に準拠し、スピンドルNo.4を用い、25℃にて回転数60rpmで測定をおこない粘度を求めた。
(3)多孔性樹脂フィルムの厚みおよび多孔質層の積層厚み
多孔質層を塗布する前の多孔性樹脂フィルムの幅方向の中央部について、長手方向には少なくとも5cm間隔で任意の場所の合計10箇所を尾崎製作所(株)製ピーコックアプライトダイヤルゲージR1−Aにて測定し、その平均値を多孔性樹脂フィルムの厚み(1a)とする。
次に多孔質層を形成するための塗液を塗布した後に乾燥した多孔質フィルムを多孔質層側を上面にして、フィルムの幅方向の中央部について、長手方向には任意の場所の合計10箇所をダイヤルゲージ式厚み計にて厚みを測定し、その平均値を多孔質フィルムの厚み(1b)とした。
多孔質層の厚みは、1aと1bとから、以下の式より算出した。
多孔質層の積層厚み=1b−1a
多孔質層の各層の厚みは、各層を積層するごとに上記の方法を用いて測定した。
使用定子:10mmφの平型標準測定子(No101117)
荷重:50g
(4)透気抵抗
多孔性樹脂フィルムまたは多孔質フィルムから1辺の長さ100mmの正方形を切取り試料とし、JIS P 8117(2009)のB形のガーレー試験機を用いて、23℃、相対湿度65%にて、100mlの空気の透過時間の測定を3回行った。透過時間の平均値を透気抵抗とした。
(5)有機溶媒の厚み方向浸透時間変化率
25℃、65%RHにて行った。厚み(T:μm)既知のサンプルを長手方向50mm、幅方向50mmに切り出し、250Wのメタルハライド光源の15mm上に設置したガラス板の上に乗せる。このガラス板の250mm上には、ニコン社製カメラレンズAiMicro−Nikkor55mmF2.8Sを装着した検出器(エレクトロセンサリデバイス(株)社製CCDラインセンサカメラE7450D)が設置してある。この状態で、メタルハライド光源から照射された光の、フィルム部分の透過光量を検出器で検出した。マイクロピペットを用いてプロピレンカーボネート(ナカライテスク(株)製、Extra Pure Regent)とジエチルカーボネート(ナカライテスク(株)製、Extra Pure Regent)の95:5(体積比)混合溶液を0.5ml採取し、サンプルの2cm上から滴下した。滴下と同時に時間計測を開始し、透過光量が、滴下前の3倍となった時間(S:秒)を、プロピレンカーボネート:ジエチルカーボネート=95:5の厚み方向浸透時間とした。
多孔性樹脂フィルムにおける測定値をSa、多孔質フィルムにおける測定値をSbとし、下記に定義する有機溶媒の厚み方向浸透時間変化率(Sd)を算出し、以下の基準で判定した。
Sd={(Sb−Sa)/Sa}×100
◎:0<Sd≦5
○:5<Sd≦10
×:10<Sd
(6)動摩擦係数変化率(絶対値)
東洋精機(株)製スリップテスターを用いて、JIS K 7125(1999年)に準じ、多孔質フィルム塗工面同士を摩擦させ、5秒間以上動かした際に収束する抵抗値を動摩擦係数(μd)として算出した(単位:−)。サンプルを取り替えずに20回測定し、動摩擦係数の1回目の測定値(μd1)と20回目の測定値(μd20)から、下記に定義する動摩擦係数変化率(μda)を算出し、以下の基準で判定した。
μda=|{(μd20−μd1)/μd1}×100|
◎:0≦μda≦3
○:3<μda≦5
×:5<μda
(7)130℃熱収縮率
多孔性樹脂フィルムまたは多孔質フィルムを長手方向および幅方向に長さ150mm×幅10mmの矩形に切り出しサンプルとした。サンプルに100mmの間隔で標線を描き、3gの錘を吊して130℃に加熱した熱風オーブン内に1時間設置し加熱処理を行った。熱処理後、空冷し、標線間距離を測定し、加熱前後の標線間距離の変化から熱収縮率を算出し、寸法安定性の指標とした。測定は各フィルムとも長手方向および幅方向に3サンプル実施して平均値で評価を行った。
(8)耐熱性試験
多孔性樹脂フィルムまたは多孔質フィルムを3×3cmの正方形に切り取り、テスター産業(株)製ヒートシールテスターを用いて、加熱温度200℃、加熱時間10秒間、荷重0.1MPaの条件で1×3cmの面積を加熱した。上記処理を行ったフィルムを以下の基準で評価した。
○:フィルムの形状を保っている。目視にて孔の形成なし。
×:フィルムの平面性が悪い。溶融による孔の形成あり。
(実施例1)
多孔性樹脂フィルムの原料樹脂として、住友化学(株)製ホモポリプロピレンFLX80E4を94.5質量%、エチレン−オクテン−1共重合体であるダウ・ケミカル製 Engage8411(メルトインデックス:18g/10分)を5質量%に加えて、β晶核剤であるN,N’−ジシクロヘキシル−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド(新日本理化(株)製、Nu−100)を0.3質量%、さらに酸化防止剤であるチバ・スペシャリティ・ケミカルズ製IRGANOX1010、IRGAFOS168を各々0.1、0.1質量%をこの比率で混合されるように計量ホッパーから二軸押出機に原料供給し、300℃で溶融混練を行い、ストランド状にダイから吐出して、25℃の水槽にて冷却固化し、チップ状にカットしてチップ原料とした。
このチップを単軸押出機に供給して220℃で溶融押出を行い、25μmカットの焼結フィルターで異物を除去後、Tダイから120℃に表面温度を制御したキャストドラムに吐出し、ドラムに15秒間接するようにキャストして未延伸シートを得た。ついで、120℃に加熱したセラミックロールを用いて予熱を行いフィルムの長手方向に4.5倍延伸を行った。一旦冷却後、次にテンター式延伸機に端部をクリップで把持させて導入し、145℃で6.5倍に延伸した。そのまま、幅方向に10%のリラックスを掛けながら155℃で6秒間の熱処理を行い、厚み20μmの多孔フィルムを得た。得られた多孔フィルムの透気度は220s/100mlであり、長手方向の130℃熱収縮率は4%、幅方向の130℃熱収縮率は16%であった。
次に、塗液を作製した。無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンN85(ドイツ国ホフマンミネラル社製)7.0質量%、その他塗液組成物として変性ポリオレフィン水分散体(三井化学(株)製、“ケミパールS100”、固形分濃度20質量%)12.0質量%、オキシラン環含有化合物(ナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−930”)0.3質量%、カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)0.3質量%、イオン交換水80.4質量%を混合し、これを上記多孔フィルムの片面(溶融押出時にドラムに接触した面、以下D面と表記)に、No.14のメタバーを用いてバーコーター方式で乾燥後の積層厚みが5μmになるように塗液を塗布し、100℃で1分間乾燥させて多孔層を形成し、多孔質フィルムを作製した。
(実施例2)
塗液を作製する際、UVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンN85(ドイツ国ホフマンミネラル社製)を4.5質量%、変性ポリエチレン水分散体を24.5質量%、イオン交換水を70.4質量%とした以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例3)
塗液を作製する際、UVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンN85(ドイツ国ホフマンミネラル社製)を8.5質量%、変性ポリエチレン水分散体を4.5質量%、イオン交換水を86.4質量%とした以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例4)
無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンV88(ドイツ国ホフマンミネラル社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例5)
無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンZ86(ドイツ国ホフマンミネラル社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例6)
無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリコロイドP87(ドイツ国ホフマンミネラル社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例7)
塗液として、無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンN85(ドイツ国ホフマンミネラル社製)7.0質量%、その他塗液組成物としてPVDF/アクリル分散体(アルケマ社“カイナーアクアテック”、固形分濃度40質量%)6.0質量%、オキシラン環含有化合物(ナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−930”)0.3質量%、カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)0.3質量%、イオン交換水86.4質量%を混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例8)
変性ポリエチレン水分散体の代わりに、EVA水分散体(住友ケムテックス(株)製“スミカフレックス900HL”、固形分濃度20質量%)12.0質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例9)
塗液として、無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンN85(ドイツ国ホフマンミネラル社製)7.3質量%、その他塗液組成物として変性ポリオレフィン水分散体(三井化学(株)製、“ケミパールS100”、固形分濃度20質量%)12.0質量%、カルボキシメチルセルロース(ダイセル化学工業(株)製“CMCダイセル2200”)0.3質量%、イオン交換水80.4質量%を混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例10)
塗液として、無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンN85(ドイツ国ホフマンミネラル社製)7.3質量%、その他塗液組成物として変性ポリオレフィン水分散体(三井化学(株)製、“ケミパールS100”、固形分濃度20質量%)12.0質量%、オキシラン環含有化合物(ナガセ化成工業(株)製デナコール“EX−930”)0.3質量%、イオン交換水80.4質量%を混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(実施例11)
塗液として、無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリチンN85(ドイツ国ホフマンミネラル社製)7.3質量%、その他塗液組成物として変性ポリオレフィン水分散体(三井化学(株)製、“ケミパールS100”、固形分濃度20質量%)13.5質量%、イオン交換水80.4質量%を混合したものを使用した以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
Figure 2012229406
(比較例1)
無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したウォラストナイト(原田産業(株)製)7.0質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして、多孔質フィルムを作製した。
(比較例2)
無機粒子としてUVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理した球状シリカ(富士シリシア(株)製、“サイリシア350”)7.0質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔質フィルムを作製した。
(比較例3)
無機粒子として、UVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理した板状アルミナ(キンセイマテック製、“セラフ02050”)7.0質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔質フィルムを作製した。
(比較例4)
無機粒子として、UVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理したシリカ(富士シリシア(株)製、サイリシア350”)3.5質量%と板状アルミナ(キンセイマテック製、“セラフ02050”)3.5質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔質フィルムを作製した。
(比較例5)
無機粒子として、シリカ(富士シリシア(株)製、サイリシア350”)3.5質量%と板状アルミナ(キンセイマテック製、“セラフ02050”)を1:1(質量比)で900℃にて焼結させ、UVオゾンクリーナー(フィルジェン株式会社製、UV253)を用いて1時間事前処理した粒子7.0質量%を用いた以外は、実施例1と同様にして多孔質フィルムを作製した。
(比較例6)
実施例1で作製した多孔性樹脂フィルムについて、耐熱性試験を実施した。
Figure 2012229406
本発明の多孔質フィルムは耐熱寸法安定性に優れ、多孔性樹脂フィルムに多孔質層を設けることによる多孔質層からの無機粒子脱落、有機溶媒の厚み方向の浸透時間の増加を抑制し、優れた電池性能と安全性を高いレベルで両立していることから、蓄電デバイス、特に非水電解質二次電池であるリチウムイオン電池のセパレータとして好適に用いることができる。

Claims (6)

  1. ポリオレフィン系樹脂を含む多孔性樹脂フィルムの少なくとも片面に、無機粒子を含有する多孔質層が積層された多孔質フィルムであって、多孔質層の積層を行う前後において、有機溶媒の厚み方向浸透時間変化率が10%以下であり、多孔質フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率が、多孔性樹脂フィルムの長手方向および幅方向の130℃熱収縮率のそれぞれの1/4以下であり、かつ0〜3%である多孔質フィルム
  2. 無機粒子の一次粒子が、板状粒子と板状以外の形状の粒子とが結合した形状を有する、請求項1に記載の多孔質フィルム。
  3. 無機粒子の平均粒子径が1〜5μmである請求項1または2に記載の多孔質フィルム。
  4. ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレン樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の多孔質フィルム。
  5. 蓄電デバイス用セパレータとして使用される請求項1〜4のいずれかに記載の多孔質フィルム。
  6. 請求項5に記載の多孔質フィルムを用いた蓄電デバイス。
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JP2019079827A (ja) * 2013-08-22 2019-05-23 ユニチカ株式会社 多孔質フィルム

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