JP2012228775A - ロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】アーム3,4と、アーム3,4の骨格をなすフレーム部材と、フレーム部材に動力伝達可能に連結され、フレーム部材を旋回駆動させるアクチュエータと、フレーム部材とアクチュエータとの連結部においてのフレーム部材の長手方向と重力方向とのなす角度αが90度よりも小さくなるようにフレーム部材の旋回を制限する旋回制限手段とをそなえて構成する。
【選択図】図1
Description
特許文献1には、このような事態を改善して製造工程の自動化をより促進させるために、胴体に取り付けられた2本のアームを協働させることにより、より人間に近い作業を行なえるようにした手作業用のロボットが提案されている。
本発明はこのような課題に鑑みて創案されたものであり、必要な機能を維持しながらも、よりコンパクトに形成されたロボットを提供することを目的とする。
即ち、フレーム部材の長手方向が水平であるとき、フレーム部材を旋回させるアクチュエータとフレームとの重心の水平方向距離が最大となるので、重力に抗してフレーム部材の姿勢を保つのに必要なアクチュエータの出力トルクが最大となる。
そこで、フレーム部材の長手方向と重力方向とのなす角度αを90度よりも小さい範囲に制限することで、その分、アクチュエータに求められる出力が低減される。
これにより、フレーム部材を旋回させるアクチュエータに求められる出力トルクが低減されるので、ロボットの搬送可能な重量(可搬重量)にかかる性能を維持しながらも、より小型で低出力なアクチュエータを採用することができる。
また、よりシンプルには、角度αが90度であるときのアームの重力による負荷トルクよりもアクチュエータの出力性能を小さく設定することで、角度αが90度に達しないように構成してもよい。
即ち、アームの基端のフレーム部材と次のフレーム部材との間に介在するアクチュエータは胴体の外側に位置するため、ロボットのサイズに与える影響が大きい。また、アームの基端側のフレーム部材及びこれを旋回させるアクチュエータには、アームの先端側のものと比較してアームの自重に起因する負荷トルクが大きく、アクチュエータのサイズも大きくなる。
このため、アームの基端に最も近いフレーム部材に連結されるフレーム部材と重力方向とのなす角度αを90度以下に制限することによって、より効果的にロボットを小型化することができる。
即ち、アームの自重に起因する負荷トルクが最も大きいフレーム部材の角度αが90度に達しないように制限することにより、より効果的にアクチュエータの小型化を図ることができる。
即ち、アームがよりコンパクトに構成されるので、複数のアームが協働して作業する際にアーム同士が互いに干渉する領域をより低減することができ、ロボットによる作業の自由度や作業効率を向上することができる。
そして、小型で低出力のアクチュエータを使用することでアクチュエータに連結されるアーム(フレーム部材)のサイズも小型化することができるので、能力を低下させることなくロボットをよりコンパクトに構成することができる。
これにより、ロボットが使われる作業現場における省スペース化やサイクルタイムの向上を図ることができる。また、アクチュエータを小型化することができるので、ロボットの電力消費を抑制して省エネを図ることができる。
図1〜図5はいずれも本発明の一実施形態にかかるロボットを説明するものであり、図1は、本発明の実施例を示す双腕ロボットの全体構成を模式的に示す正面図、図2はアームを水平に伸ばした状態における右側面を一部透視して示す模式図、図3は双腕ロボットの上面図、図4はアームの動作範囲を示す模式的な正面図、図5は図2の状態においてアームの動作範囲を示す模式的な上面図である。
双腕ロボット(ロボット)1は胴体2,アーム(右腕)3,アーム(左腕)4,基台5により構成されている。また、ロボット1はコントローラ(旋回制限手段)6とはケーブル8によって接続されている。
基台5は胴体2を回転可能に支持しており、胴体2は、胴体2に内蔵される図示しないアクチュエータによって基台5に対して図中の軸θを回転軸として回転(旋回)するように構成されている。
胴体2の上部には2本のアーム3,4が設けられている。各アームは後述のように多関節のロボットで構成されている。アクチュエータによって旋回駆動して様々な姿勢をとるようになっている。
また、本実施形態では、アーム3及びアーム4の2つのアームをコントローラ6で協調して制御するようになっており、2つのアームを協働させて精度が高く多様な作業を行えるようになっている。
図1に示すように、アーム3は、その骨格をなすフレームR1F,フレームR2F,フレームR3F,フレームR4F,フレームR5F及びフレームR6Fの6個のフレーム部材を備えている。
また、図2,図3に示すように、アーム3は、アクチュエータR1A,アクチュエータR2A,アクチュエータR3A,アクチュエータR4A,アクチュエータR5A,アクチュエータR6A及びアクチュエータR7Aの7個のアクチュエータを備えている。そして、胴体2及び各フレーム部材はそれぞれ各アクチュエータを介して直列に連結されている。
なお、サーボモータは内部にエンコーダを有しており、コントローラ6によって動作を制御されるとともにサーボモータの回転角度をコントローラ6に送信するようになっている。
各アクチュエータR1A〜R7Aは、アクチュエータの位置よりもアーム3の先端側にあるフレーム、アクチュエータ、エンドエフェクタ及びエンドエフェクタで支持するワークや工具などの重量(可搬重量)を重力に抗して支持できるように出力性能が設定されている。
したがって、各アクチュエータR1A〜R7Aの出力性能はアームの先端側(エンドエフェクタ側)のアクチュエータほど小さくなっているか、または胴体2側の直前のアクチュエータと同等となっている。
また、アクチュエータR1A〜R7Aは出力性能が高いもの程サイズが大きくなるため、各アクチュエータR1A〜R7Aのサイズはアームの先端側(エンドエフェクタ側)のアクチュエータほど小さくなっているか、または胴体2側の直前のアクチュエータと同等となっている。
各アクチュエータR1A〜R7Aの中空穴7は、それぞれ、各アクチュエータR1A〜R7A用の動力ケーブル及び信号ケーブルが挿通され、胴体2の内部へと配線されている。
また、後述するエンドエフェクタの種類によってはエンドエフェクタが用いる流体用の管や、エンドエフェクタ自身の動力ケーブル、信号ケーブルも中空穴7を通じて配線されるようになっている。
エンドエフェクタは、ワークを掴み離しして持ち運びするハンドリング用のハンド、Tig溶接やアーク溶接用の溶接トーチ、スポット溶接用のガン、及び、流体塗料を噴射する塗装ガンなどであり、エンドエフェクタ取付部R7Eには用途に応じた種々のエンドエフェクタが取り付け可能となっている。
アクチュエータR2AはフレームR1Fの先端部に取り付けられており、フレームR1Fに支持されている。また、アクチュエータR2Aの出力軸R2Jは出力軸R1Jに対して直交するように配向されており、フレームR2Fの基端部に動力伝達可能に接続されている。即ち、アクチュエータR2Aが回転駆動することによりフレームR2Fが出力軸R2Jを回転軸として旋回するように支持されている。
アクチュエータR4AはフレームR3Fの先端部に取り付けられており、フレームR3Fに支持されている。また、アクチュエータR4Aの出力軸R4Jは出力軸R3Jに対して直交するように配向されており、フレームR4Fの基端部に動力伝達可能に接続されている。即ち、アクチュエータR4Aが回転駆動することによりフレームR4Fが出力軸R4Jを回転軸として旋回するように支持されている。
アクチュエータR6AはフレームR5Fの先端部に取り付けられており、フレームR5Fに支持されている。また、アクチュエータR6Aの出力軸R6Jは出力軸R5Jに対して直交するように配向されており、フレームR6Fの基端部に動力伝達可能に接続されている。即ち、アクチュエータR6Aが回転駆動することによりフレームR6Fが出力軸R4Jを回転軸として旋回するように支持されている。
また、上述したようにアクチュエータR7Aの先端側の側部にはエンドエフェクタ取付部R7Eが設けられており、アクチュエータR6Aが回転駆動することによりエンドエフェクタ取付部R7Eが出力軸R7Jを回転軸として回転するようになっている。
そして、この角度αが予め設定された最大角度α0(degree)(0<α0<90°)に達しないようにアクチュエータR2A,L2Aの駆動をそれぞれ制限するようになっている。
即ち、これらの点RP,LPが到達する範囲内であれば、各アーム3,4は少なくとも先端側の2つのアクチュエータR6A,R7A,L6A,L7Aを用いて精度のよい作業を行なうことができるようになっている。
そして、これら2つの動作範囲が重なる領域(斜線部)Cが、各アーム3,4が協調しながら作業を行いやすい作業領域を示している。
この領域Cは、各フレームR1F〜R6F,L1F〜L6Fの各長さやアクチュエータの数量等によって決定される。
この負荷Tmaxは以下の式(1)で表される。
したがって、最大角度α0は、各アーム3,4が協調しながら作業を行いやすい作業領域である領域Cをすべて確保した上でより小さい値に設定されることが好ましい。
なお、アーム3のアクチュエータR2Aについてした説明はアーム4のアクチュエータL2Aについても同様である。
即ち、従来のロボットは、各アクチュエータが全て360度回転することを前提としており、その分広い動作範囲を満足するために要求されるアクチュエータの出力性能大きかった。しかし、本実施形態では、角度αが予め設定された最大角度α0(degree)(0<α0<90°)に達しないようにアクチュエータR2A,L2Aの駆動をそれぞれ制限するので、アクチュエータR2A,L2Aに要求される出力性能を低く設定することができる。
アクチュエータR2A,L2Aは、胴体2から左右に突出する各フレームR1F,L1Fにより胴体2外側に支持される上、より胴体2側であるため、要求される出力性能が大きくロボット1のサイズに与える影響が大きく、アクチュエータR2A,L2Aのサイズを小型化することで、より効果的にロボット1を小型化することができる。
また、コントローラ6によりフレームR2F,L2Fの長手方向と重力方向Gとのなす角度αが最大角度α0を超えないようにアクチュエータR2A,L2Aの動作が制御されるので、アクチュエータR2A,L2Aの出力性能を超える位置(即ち、角度α0以上の範囲)を目標としてアクチュエータR2A,L2Aが駆動されることがなく、アクチュエータR2A,L2Aが過度に昇温するなどの不都合を回避することができる。
フレーム部材R2A,L2Aの動作が制限された場合でも、図5に示すように、最も胴体2側のフレームR1F,L1Fを水平にした状態で胴体2を軸θを回転軸として旋回させることにより、アーム3,4の可能動作範囲、及び、各アーム3,4が協調しながら作業を行いやすい作業領域である領域Cを水平方向に広く確保することができる。
本変形例では、コントローラ6は、最も胴体2側のフレームR1F,L1Fの長手方向と重力方向Gとのなす角度αsを算出する機能を有している。
そして、この角度αsが予め設定された最大角度αs0(degree)(0<αs0<90°)に達しないようにアクチュエータR1A,L1Aの駆動をそれぞれ制限するように設定されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
例えば、上述の実施形態及びその変形例では、2本のアームを有する双腕ロボットを例に説明したが、ロボットに設けられるアームは2本に限らず1本でも3本以上でもよい。
また、アームを構成するフレーム部材及びアクチュエータの数についても上述の実施形態に限定されることなく、適宜設定可能である。
また、よりシンプルな旋回制限手段として、アクチュエータの出力性能を上述の式(1)におけるTmaxよりも小さく設定することで、フレーム部材の長手方向と重力方向とのなす角度αが90度に達しないように構成してもよい。
さらに、旋回制限手段により、旋回が制限されるフレーム部材の位置についても適宜適用可能であり、アームを構成するフレーム部材のうちの単数及び複数のいずれのフレーム部材にも適用することができる。
2 胴体
3 アーム(右腕)
4 アーム(左腕)
5 基台
6 コントローラ
7 中空穴
8 ケーブル
R1J,R2J,R3J,R4J,R5J,R6J,R7J 出力軸(回転軸)
R1F,R2F,R3F,R4F,R5F,R6F フレーム(フレーム部材)
R1A,R2A,R3A,R4A,R5A,R6A,R7A アクチュエータ
L1J,L2J,L3J,L4J,L5J,L6J,L7J 出力軸(回転軸)
L1F,L2F,L3F,L4F,L5F,L6F フレーム(フレーム部材)
L1A,L2A,L3A,L4A,L5A,L6A,L7A アクチュエータ
R7E,L7E エンドエフェクタ取付部
Claims (5)
- アームと、
前記アームの骨格をなすフレーム部材と、
前記フレーム部材に動力伝達可能に連結され、前記フレーム部材を旋回駆動させるアクチュエータと、
前記フレーム部材と前記アクチュエータとの連結部においての前記フレーム部材の長手方向と重力方向とのなす角度αが90度よりも小さくなるように前記フレーム部材の旋回を制限する旋回制限手段と
を備えることを特徴とするロボット。 - 前記旋回制限手段は、
前記角度αが90度に達しないように前記アクチュエータを制御すること
を特徴とする請求項1に記載のロボット。 - 前記アームは、
前記アクチュエータを介して直列に連結される複数の前記フレーム部材を有して構成され、
前記旋回制限手段は、
前記複数のフレーム部材のうち、前記アームの基端に最も近いフレーム部材に連結されるフレーム部材の旋回を制限すること
を特徴とする請求項1または2に記載のロボット。 - 前記アームは、
前記アクチュエータを介して直列に連結される複数の前記フレーム部材を有して構成され、
前記旋回制限手段は、
前記複数のフレーム部材のうち、前記アームの基端に最も近いフレーム部材の旋回を制限すること
を特徴とする請求項1、2または3に記載のロボット。 - 前記アームを複数有すること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のロボット。
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