以下に添付図面を参照して、本発明に係る景品管理システムの好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
まず、本実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成を示す図である。なお、本実施例1では、パチンコ玉を1玉4円で貸し出す4円コーナーとパチンコ玉を1玉1円で貸し出す1円コーナーが遊技店内に併設される場合について説明することとする。
同図に示すように、店内システムには、遊技店にて予め登録処理された遊技客の会員情報を管理する会員管理用ターミナルコントローラ(以下、「会員管理T/C」と言う)10と、島コントローラ20と、カード処理ユニット(以下、「CRユニット」と言う)30a及び30bと、パチンコ機40a及び40bと、計数機50a及び50bと、会員カード処理機60a及び60bと、景品管理装置70と、景品払出機80とが設けられている。
そして、会員管理T/C10には、島コントローラ20、会員カード処理機60a及び60bならびに景品管理装置70が接続されており、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40a及び40bにそれぞれに併設されたCRユニット30a及び30bが接続されており、会員カード処理機60a及び60bには、パチンコ玉を計数する計数機50a及び50bがそれぞれ接続されている。なお、各店内機器に付した符号のうち英文字a及びbは、その店内機器に割り当てられた貸出レート(玉1:4円/玉、玉2:1円/玉)を指しているが、貸出レートに係る差異がない説明を行う場合には、かかる英文字を省略して説明を行う。
ここで、本実施例1では、CRユニット30a及びパチンコ機40aからなる4円コーナーと、CRユニット30b及びパチンコ機40bからなる1円コーナーとが設けられている。この4円コーナーは、遊技客に対して4円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島であり、1円コーナーは、遊技客に対して1円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島である。4円/玉の汎用貸出レートよりも低い1円/玉の1円コーナーを設けた理由は、主として、遊技客による試し打ちを可能にするとともに、遊技機に対する遊技客の客付きや評価に関する情報を得るためである。なお、本実施例1では、貸出レート「4円/玉」を玉1と呼称し、貸出レート「1円/玉」を玉2と呼称することとする。
CRユニット30aは、現金またはプリペイドカードによる4円/玉の玉貸しを行うユニットであり、例えばこのCRユニット30aに1000円札が挿入されると、このCRユニット30aからパチンコ機40aに対して250玉の玉投出指示がなされる。一方、CRユニット30bは、1円/玉の玉貸しを行うユニットであり、例えばこのCRユニット30bに1000円札が挿入されると、500円分(=500玉)をパチンコ機40bに払い出させるとともに残額(500円)を記憶しておき、次の貸出指令を受ければ、その残額分をパチンコ機40bに投出させる。
パチンコ機40a及び40bは、パチンコ玉を用いたパチンコ遊技を遊技客に提供する遊技機であり、両者には4円コーナー及び1円コーナーに係る差異はない。ただし、1円コーナーに配設されるパチンコ機40bは、遊技店の売上を担う遊技機ではなく、これから遊技店に新たに導入される新台が配設されることが多い。遊技客が大きな投資をすることなく新台の試し打ちを可能にするとともに、低料金で比較的長い時間楽しんでもらえる遊技を提供するためである。
遊技客は、これらのCRユニット30a及び30bを用いて貯玉の再プレイを行うことができ、遊技客がCRユニット30a又は30bのカード挿入口に会員カードを挿入した状態でテンキーから暗証番号を入力して所定の再プレイボタンを押下操作すると、会員カードID、暗証番号、貸出レートの種別(玉1又は玉2の種別)及びCRユニットを一意に特定するユニット識別情報を含む再プレイ要求信号が会員管理T/C10に対して送信され、貯玉残高の範囲内で貯玉を引き落とすことができる。なお、ここでは一度の再プレイ操作で貯玉口座から引き出される玉数は固定であるものとする。
計数機50は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を会員カード処理機60に出力する。具体的には、計数機50aには4円コーナーのパチンコ機40aで獲得されたパチンコ玉が投入され、また、計数機50bには1円コーナーのパチンコ機40bで獲得されたパチンコ玉が投入されるので、計数機50a及び50bでは投入されたパチンコ玉を計数し、会員カード処理機60a又は60bに出力する。なお、本実施例1では、計数機50a及び50bはパチンコ玉の計数機能のみを有することとし、計数結果がバーコード印字された計数レシートを発行する印字機能、並びに、会員管理T/C10にて記憶管理される貯玉残高に計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能は、後述する会員カード処理機60a及び60bが有することとする。
会員カード処理機60aは、登録済み会員による計数貯玉を行う際に利用される会員用端末装置であり、会員カードに記録した会員IDを読み取るカードリーダを備えている。例えば、計数機50aに接続される会員カード処理機60aでは、従業員から貸出レート種別の指定を受け付け、計数機50aから計数結果が入力され、さらに遊技店の従業員が遊技客から受け取った会員カードをカード挿入口に挿入すると、会員ID、計数値、貸出レート(玉1)を含む貯玉依頼信号が会員管理T/C10に対して送信される。また、会員カード処理機60bでは、会員管理T/C10に送信する貸出レートとして、1円コーナーに割り当てられている旨を表す情報(玉2)を送信する点が相違する。
また、会員カード処理機60は、計数機50で計数されたパチンコ玉数をバーコード印刷した計数レシートを発行することもでき、計数機50の計数終了後に従業員がレシート発行ボタンを押下操作すると、パチンコ玉数、発行日時及び計数機号機を含む計数情報がバーコード印刷された計数レシートが発行される。
なお、本実施例1では、4円コーナー専用の計数機と1円コーナー専用の計数機とを別個に配設することとしたが、一台の計数機50を用いて4円コーナーで遊技客が獲得したパチンコ玉と1円コーナーで遊技客が獲得したパチンコ玉の両方を計数することもできる。
会員管理T/C10は、会員管理テーブルを用いて遊技店に登録された会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員ID、4円コーナー及び1円コーナーの貯玉残高及び個人情報を対応付けて記憶している。そして、会員カード処理機60又は景品管理装置70から貯玉加算依頼を受け付けたならばこの貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び貸出レートに該当する貯玉口座内の貯玉残高を加算処理し、CRユニット30または景品管理装置70から貯玉減算依頼を受け付けたならばこの貯玉減算依頼に含まれる会員ID及び貸出レートに該当する貯玉口座内の貯玉残高を減算処理する。
カードT/C15は、プリペイド残額管理テーブルを用いてプリペイドカードの残額を統括管理する管理装置である。このプリペイド残額管理テーブルは、プリペイドカードIDにプリペイド残額を対応付けて記憶している。そして、CRユニット30からプリペイドカードIDを含む残額更新依頼を受け付けた場合には、プリペイド残額管理テーブル内において当該プリペイドカードIDに対応するプリペイド残額を更新する。
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置であり、後述する交換玉数管理テーブル76bを用いて獲得玉と景品との交換制御を行う。この交換玉数管理テーブル76bは、景品ごとに各貸出レートの交換玉数を対応付けて記憶している。そして、景品交換カウンタ内の従業員が、計数機50により発行された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートから獲得玉数及び計数機号機を含む計数情報をバーコードリーダ82で読み取るとともに、後述する貸出レート割当て管理テーブル76aを用いて計数機号機から獲得玉の貸出レートを特定し、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に関して計数レシートの計数機号機から特定した貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉数から減算する交換処理を実行させ、その後に従業員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、従業員はこの景品管理装置70に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブル76bを参照して、計数機号機から特定した貸出レートの獲得玉数に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機80に指示する。なお、計数レシートを用いた景品交換だけではなく、会員カードを通じて貯玉を用いた景品交換を行うこともできる。
また、景品管理装置70は、計数レシートに印刷されたバーコードからパチンコ玉数及び貸出レートを読み取って景品交換時に利用するだけではなく、計数レシートを用いた貯玉、いわゆるレシート貯玉を行うこともできる。具体的には、この景品管理装置70に設けられたバーコードリーダ82で計数レシートから計数情報を読み取るとともに、カードリーダに会員カードを挿入して貯玉ボタンを押下すると、会員ID、パチンコ玉数、貸出レート(玉1又は玉2の種別)が含まれる貯玉依頼信号が会員管理T/C10に対して送信される。
ここで、本実施例1では、計数機50によって計数された遊技媒体の数量及び貸出レートが関連付けられた計数レシートに基づいて、パチンコ玉と所望の景品との交換制御を行うことを概要とし、計数レシートからパチンコ玉の数量及び貸出レートを取得し、景品管理装置70の新規処理開始時に、最初の計数レシートから取得した貸出レートを今回の交換制御の対象とする交換貸出レートとして決定し、最初の計数レシートに引き続き、最初の計数レシートとは異なる当順番の計数レシートから取得した貸出レートが交換貸出レートと同一であるか否かを判定し、交換貸出レートと同一の貸出レートであると判定した場合に、最初の計数レシートのパチンコ玉の数量に当順番の計数レシートのパチンコ玉の数量を累積加算して総玉数を更新する点にその特徴がある。
すなわち、本実施例1に係る景品管理装置70では、計数レシートから読み取った獲得玉数を貸出レートごとに特定することができるように構成する。
しかしながら、実際に交換制御が行われる際には、遊技客が必ずしも1枚しか計数レシートを持参しないとは限らず、複数枚の計数レシートの獲得玉数を足し合わせて景品交換を行う状況は頻発する。
そして、かかる状況においては、異なる貸出レートの獲得玉数を足し合わせることは不可能であるため、それぞれの獲得玉が独立して存在する状況下で景品交換を行わねばならないが、その場合、従業員は遊技客が交換を希望する景品の交換玉数を獲得玉から減算するに際してどの貸出レートの獲得玉から希望景品の交換玉数を徴収するのかを逐次選択せねばならず、景品交換時の交換受付操作が煩雑となり、景品カウンタの混雑の原因となる。さらには、従業員が獲得玉とその貸出レートとの対応関係を間違えるおそれもあり、その場合には、景品交換業務が停滞してしまい、遊技店と遊技客の間でトラブルが生じてしまうおそれもある。
そこで、本実施例1では、複数枚の計数レシートを足し合わせて景品交換を行わせる場合に、最初に読取操作がなされた計数レシートと同一の貸出レートの計数レシートだけを足し合わせて景品交換させ、2番目以降に受け付けた計数レシートで1番目と異なる貸出レートの計数レシートについては次回の交換取引で景品交換させることで、異なる貸出レートの計数レシートを足し合わせる状況を招くことなく、さらに、従業員に獲得玉とその貸出レートとの対応関係に混乱を生じさせることを防止することができるようにしている。
例えば、図2に示すように、1番目の計数レシート「玉1:1000個」、2番目の計数レシート「玉2:1500個」、3番目の計数レシート「玉2:1000個」、4番目の計数レシート「玉1:800個」の順に読み取られる場合には、まず1番目に読み取った計数レシートの貸出レート「玉1」を交換制御の対象とする貸出レート(以下、「交換貸出レート」と言う)として決定するとともに、その獲得玉1000個を総獲得玉数の一部として計上する。続いて、2番目及び3番目に読み取った計数レシートの貸出レートが交換貸出レートである玉1とは異なるため、総獲得玉数には足し合わされずに交換制御の対象からは除外される。最後に、4番目に読み取った計数レシートの貸出レートは交換貸出レートである玉1と同一であるので、1番目に読み取った獲得玉1000個に4番目の獲得玉800個を累積加算して総獲得玉数を1800個に更新する。
このようにして、今回の交換取引では1番目と4番目の計数レシートの総獲得玉数である1800個を指定景品の玉1の交換玉数で減算する交換制御を行い、一旦処理を終了する。次回の交換取引では2番目と3番目の計数レシートの総獲得玉数である2500個を指定景品の玉2の交換玉数で減算する交換制御を行う。
このように、複数枚の計数レシートを足し合わせて景品交換を行わせる場合に、同一の貸出レートの計数レシートを足し合わせつつも、1つの貸出レートに対応した景品交換を行わせるので、異なる貸出レートの計数レシートを足し合わせる状況を招くことなく、さらに、従業員に獲得玉とその貸出レートとの対応関係に混乱を生じさせることを防止することができる。
したがって、本実施例1では、景品交換業務を遅延並びに停滞させることなく、異なる複数の貸出レートの計数レシートを1台の景品管理装置で景品交換させることができ、遊技店の設備投資費用を低減させることが可能になる。
さらに、本実施例1では、異なる複数の貸出レートの計数レシートを1台の景品管理装置で景品交換させることにより、配設する景品管理装置の絶対数を減らすことができ、店内スペースを節約することができるとともに、締め上げ処理(景品の入出庫管理)を効率的に行うことができる。
次に、図1に示した景品管理装置70の構成について説明する。図3は、図1に示した景品管理装置70の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この景品管理装置70は、従業員用タッチパネル71と、従業員用操作キー72と、遊技客用タッチパネル73と、通信I/F部74と、レシート発行部75と、記憶部76と、制御部77とを有する。なお、景品管理装置70には、会員カード等の各種カードから記録情報を読み取るカードリーダ81、及び、計数レシートからバーコード情報を読み取るバーコードリーダ82に加え、特殊景品を払出す景品払出機80が接続されている。
従業員用タッチパネル71は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスであり、例えば、交換画面に表示される交換制御に密接に関係する項目(例えば、交換貸出レート、計数レシートの読込枚数、総獲得玉数、残数)を交換貸出レートの対応色(玉1:赤、玉2:白)で表示するとともに、その交換貸出レートを明示する表示を行ったり(図7参照)、さらに、その交換画面中で交換貸出レートと同一でない計数レシートについて交換制御の対象から除外する旨及びその計数レシートの貸出レートを表示する(図8参照)。
また、従業員用操作キー72は、従業員が操作する一般景品や特殊景品等の各種景品の交換ボタン、テンキー等の総称である。なお、本実施例1では、景品管理装置70に対する交換景品の指定を従業員に行わせることとしたが、必ずしも従業員に指定させる必要はなく、遊技客に指定させるようにしてもかまわない。
遊技客用タッチパネル73は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な遊技客用デバイスであり、従業員用タッチパネル71と同様の表示を行うことを基本とするが、両者の表示内容は必ずしも内容が同一である必要はなく、従業員にだけ景品交換業務に関してより詳細な情報を表示させるようにしてもよい。
通信I/F部74は、当該景品管理装置70と他の装置(例えば、会員管理T/C10、計数機50、会員カード処理機60又は景品払出機80などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
レシート発行部75は、各種情報を紙媒体に印字する処理部であり、例えば、景品管理装置70にて交換制御が行われた内容(例えば、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目)を印字して交換レシートとして発行したり、また、遊技店の営業終了後には、景品の入出庫管理(例えば、景品出庫による粗益管理)に係る情報を締上げ票として発行したりする。
記憶部76は、制御部77による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、交換レシート等に印字するフォーマット及びその印字内容等の情報の他、計数機50に割り当てられた貸出レートを管理する貸出レート割当て管理テーブル76aと、景品との交換に要する交換玉数を管理する交換玉数管理テーブル76aとを記憶する。
貸出レート割当て管理テーブル76aは、図4に示すように、計数機号機ごとにその計数機50が割り当てられた貸出レートを記憶したテーブルである。ここで、計数機50ごとに貸出レートを割り当てて記憶する理由は、計数レシートに関連付けられた貸出レートを特定するためであり、このように計数レシート自体に貸出レートを関連付けずに計数機号機に関連付ければ、従来から計数レシートに記録されるバーコード情報に計数機号機が含まれているため、計数レシートに貸出レートを埋め込むソフトウェア処理を新たに計数機50に行わせることなく、景品管理装置70側で計数レシートの貸出レートを特定することができる。
交換玉数管理テーブル76bは、図5に示すように、景品マスタ、すなわち景品名ごとに各貸出レートの交換玉数を記憶したテーブルである。図5に示す例では、玉1が4円/玉、玉2が1円/玉であり、玉2の玉単価は玉1の4分の1であるため、玉2の各景品の交換玉数は玉1の各景品の交換玉数の4倍の玉数が設定されており、玉1においては、菓子Aを25玉で交換し、ジュースBを30玉で交換し、タバコCを75玉で交換するように定められており、一方、玉2においては、菓子Aを100玉で交換し、ジュースBを120玉で交換し、タバコCを300玉で交換するように定められている。
制御部77は、景品管理装置70を全体制御する制御部であり、初回可否判定部77aと、貸出レート特定部77bと、交換貸出レート決定部77cと、同一可否判定部77dと、累積加算部77eと、表示制御部77fと、景品交換処理部77gとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、初回可否判定部77a、貸出レート特定部77b、交換貸出レート決定部77c、同一可否判定部77d、累積加算部77e、表示制御部77f及び景品交換処理部77gにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
初回可否判定部77aは、バーコードリーダ82によって計数情報が読み取られた計数レシートが、前回の交換制御が終了してから最初に読み取られたか、もしくは前回に交換制御が1度も行われていない最初の計数レシートであるのか否かを判定する処理部である。このように、最初の計数レシート(1番目の計数レシート)であるのか否かを判定することとしたのは、今回の交換制御の対象とする交換貸出レートを決定させ、2度目以降に読み取った計数レシートについて交換貸出レートと同一の貸出レートである計数レシートの獲得玉数だけ足し合わせさせた交換制御を実現するためである。
貸出レート特定部77bは、計数レシートに関連付けられた貸出レートを特定する処理部である。具体的には、従業員によるバーコードリーダ82の読取操作を通じて計数レシートから計数情報が読み取られると、貸出レート割当て管理テーブル76aから計数情報に含まれる計数機号機を検索し、このようにして検索した計数機号機に対応付けられた貸出レートを当該計数レシートの貸出レートとして特定する。
交換貸出レート決定部77cは、初回可否判定部77aによって最初の計数レシートであると判定された場合に、貸出レート特定部77aによって最初の計数レシートから特定された貸出レートを今回の交換制御の対象とする交換貸出レートとして決定する処理部である。
同一可否判定部77dは、初回可否判定部77aによって最初の計数レシートではないと判定された場合に、当該最初ではないN番目の計数レシートの貸出レートが交換貸出レート決定部77cによって決定された交換貸出レートと同一であるか否かを判定する処理部である。すなわち、バーコードリーダ82によって2番目以降に計数情報が読み取られた計数レシートであって、貸出レート特定部77bによって特定された2番目以降の計数レシートの貸出レートが交換貸出レートと同一であるか否かを判定する。
累積加算部77eは、同一可否判定部77dによって交換貸出レートと同一の貸出レートであると判定された場合に、最初の計数レシートの獲得玉数にN番目(N≧2)の計数用レシートの獲得数を累積加算して総獲得玉数を更新する処理部である。具体的には、まずバーコードリーダ82によって最初の計数レシートから読み取られた計数情報に含まれる獲得玉数を総獲得玉数に計上しておき、同一可否判定部77dによって交換貸出レートと同一の貸出レートであると判定されたN番目(N≧2)の計数レシートから読み取られた獲得玉数を累積加算して総獲得玉数を更新していく。
表示制御部77fは、従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73の表示制御を行う処理部である。例えば、交換画面に表示される交換制御に密接に関係する項目(例えば、交換貸出レート、計数レシートの読込枚数、総獲得玉数、残数)を交換貸出レートの対応色(玉1:赤、玉2:白)で表示させるとともに、その交換貸出レートをさらに表示させたり(図7参照)、ひいては、その交換画面中で交換貸出レートと同一でない計数レシートについて交換制御の対象から除外する旨及びその計数レシートの貸出レートを従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73に表示させる(図8参照)。
景品交換処理部77gは、交換玉数管理テーブル76aを用いて獲得玉と景品との交換を管理する処理部である。具体的には、累積加算部77eによって累積加算して更新された総獲得玉数に残数が存在する場合に、遊技店の従業員により遊技客指定の景品に対応する交換ボタンが押下されると、当該景品に関して交換貸出レートに合致する交換玉数を総獲得玉の残数から減算し、当該残数がゼロになった場合には、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目が印字された景品レシートを発行するようにレシート発行部75に指示する。
次に、本実施例1に係る景品管理装置70による景品交換処理について詳細に説明する。図6は、実施例1に係る景品管理装置70が実行する景品交換処理を示すフローチャートである。このフローチャートでは、景品交換処理は、従業員によって遊技客が持ち込んだ計数レシートの読取操作が行われると、バーコードリーダ82によって計数レシートに印字されたバーコードから計数情報が読み取られるので、その計数情報をバーコードリーダ82から受信したことを契機に開始される。
図6に示すように、前回の交換制御が終了してから最初にバーコードリーダ82によって読み取られた計数情報を受信すると(ステップS601肯定)、初回可否判定部77aによって当該計数情報を読み取られた計数レシートが最初の計数レシートであると判定され、貸出レート特定部77bは、貸出レート割当て管理テーブル76aから当該計数情報に含まれる計数機号機を検索し、このようにして検索した計数機号機に対応付けられた貸出レートを当該計数レシートの貸出レートとして特定する(ステップS602)。
そして、交換貸出レート決定部77cは、貸出レート特定部77bによって最初の計数レシートから特定された貸出レートを今回の交換制御の対象とする交換貸出レートとして決定し、交換玉数管理テーブル76b内の交換玉数の参照先を当該交換貸出レートに設定する(ステップS603)。
その後、累積加算部77eによって最初の計数レシートから読み取られた計数情報に含まれる獲得玉数が総獲得玉数に計上され(ステップS604)、表示制御部77fは、交換画面に表示される交換制御に密接に関係する項目を交換貸出レートの対応色で表示させるとともに、その交換貸出レートを従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73に表示させる(ステップS605)。
例えば、玉1(4円/玉)の対応色として赤色、玉2(1円/玉)の対応色として白色を交換貸出レート、計数レシートの読込枚数、総獲得玉数及び残数の項目の表示色としておき、交換貸出レートが「玉1」と決定された場合には、図7に示すように、従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73で表示される交換画面の上記項目欄を赤色で表示させる。このようにして、今回の交換制御では、2番目以降に計数レシートを受け付けたとしても玉1の計数レシートだけを交換制御の対象とする旨を明示することができるようにしている。
続いて、バーコードリーダ82によって2番目以降に読み取られた新たな計数情報を受信すると(ステップS606肯定)、初回可否判定部77aによって当該計数情報を読み取られた計数レシートが最初の計数レシートではないと判定され、貸出レート特定部77bは、貸出レート割当て管理テーブル76aから当該計数情報に含まれる計数機号機を検索し、このようにして検索した計数機号機に対応付けられた貸出レートを当該計数レシートの貸出レートとして特定する(ステップS607)。
その後、同一可否判定部77dは、初回可否判定部77aによって最初の計数レシートではないと判定された当該N番目(N≧2)の計数レシートの貸出レートが交換貸出レート決定部77cによって決定された交換貸出レートと同一であるか否かを判定する(ステップS608)。
このとき、同一可否判定部77dによって交換貸出レートと同一の貸出レートであると判定された場合(ステップS608肯定)に、累積加算部77eは、当該N番目(N≧2)の計数レシートから読み取られた獲得玉数を累積加算して総獲得玉数を更新する(ステップS609)。
一方、同一可否判定部77dによって交換貸出レートと同一の貸出レートでないと判定された場合(ステップS608否定)に、表示制御部77fは、交換画面中で当該N番目(N≧2)の計数レシートについて交換制御の対象から除外する旨及びその計数レシートの貸出レートを従業員用タッチパネル71及び遊技客用タッチパネル73に表示させる(ステップS610)。
例えば、図2に示した例のように、1番目の計数レシート「玉1:1000個」、2番目の計数レシート「玉2:1500個」、3番目の計数レシート「玉2:1000個」の順に読み取られた時点では、2番目及び3番目に読み取った計数レシートの貸出レートが交換貸出レートである玉1とは異なるため、総獲得玉数には足し合わされずに交換制御の対象からは除外されるため、図8に示すように、2番目及び3番目の計数レシートが交換制御の対象からは除外される旨及びその計数レシートの貸出レートである玉2を図7に示した交換画面に追加表示させる。このようにして、今回の交換制御では、2番目及び3番目の計数レシートの景品交換を行うことができない旨、その理由が交換貸出レートと異なる点にあることを明示することができるようにしている。
その後、バーコードリーダ82によって2番目以降に読み取られた新たな計数情報を受信せずに(ステップS606否定)、従業員用タッチパネル71、従業員用操作キー72又は遊技客用タッチパネル73などの入力デバイスを通じて、遊技客が交換を希望する景品の指定を受け付けると(ステップS611肯定)、景品交換処理部77gは、交換玉数管理テーブル76b内の指定景品に対応する交換玉数であって、かつ交換貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉の残数から減算する交換制御を行う(ステップS612)。
そして、獲得玉の残数がゼロになるまで(ステップS613肯定)、上記したステップS611〜S612の処理を繰り返し行い、獲得玉の残数がゼロになると(ステップS613否定)、景品交換処理部77gは、交換日時、従業員名、総獲得玉数、交換景品及び交換玉数などの項目が印字された景品レシートを発行するようにレシート発行部75に指示し(ステップS614)、処理を終了する。
上述してきたように、本実施例1では、計数レシートからパチンコ玉の数量及び貸出レートを取得し、この情報取得が行われた計数レシートが、前回の交換制御が終了してから最初に情報取得が行われたか、もしくは前回に交換制御が1度も行われていない最初の計数レシートであるのか否かを判定し、最初の計数レシートであると判定した場合に、当該最初の計数レシートから取得した貸出レートを今回の交換制御の対象とする交換貸出レートとして決定し、最初の計数レシートではないと判定した場合に、当該N番目(N≧2)の計数レシートの貸出レートが交換貸出レートと同一であるか否かを判定し、交換貸出レートと同一の貸出レートであると判定した場合に、最初の計数レシートのパチンコ玉の数量に当順番の計数レシートのパチンコ玉の数量を累積加算して総獲得玉数を更新するように構成したので、景品交換業務を遅延並びに停滞させることなく、異なる複数の貸出レートの計数レシートを1台の景品管理装置で景品交換させることができる結果、遊技店の設備投資費用を低減させることが可能になる。
また、本実施例1では、計数機50の計数機号機ごとに当該計数機50に割り当てられた貸出レートを対応付けて貸出レート割当てテーブル76aに記憶しておき、計数レシートに記録された計数機号機を読み取り、貸出レート割当てテーブル76aに記憶しておいた貸出レートのうち、計数レシートから読み取った計数機号機に対応付けられた貸出レートを当該計数レシートの貸出レートとして特定するように構成したので、計数レシートに計数情報として関連付けられている計数機号機を用いて計数レシートの貸出レートを特定することができ、計数時における貸出レートの指定操作を省略させるとともに、計数機のソフトウェア構成(例えば、計数レシートへの貸出レート情報の埋め込み処理)及びハードウェア構成(例えば、貸出レートの指定ボタンなど)を改変することなく、景品管理装置70側で計数レシートの貸出レートを特定することが可能になる。
さらに、本実施例1では、従業員用タッチパネル71及び/又は遊技客用タッチパネル73に交換貸出レートを表示させるように構成したので、2番目以降に計数レシートを受け付けたとしても交換貸出レートの計数レシートだけを交換制御の対象とする旨を従業員及び遊技客の双方に明示することができ、景品交換業務を円滑に行わせることが可能になる。
また、本実施例1では、交換貸出レートと同一の貸出レートではないと判定した場合に、当該N番目の計数レシートを今回の交換制御の対象から除外する旨及びその計数レシートの貸出レートをさらに表示させるように構成したので、交換貸出レート以外の貸出レートの計数レシートの処遇を明示するとともに、交換制御を除外する理由が交換貸出レートと異なる点にあることを従業員及び遊技客の双方に明示することができ、景品交換業務をより円滑に実行させることが可能になる。