JP2012227108A - 燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のガス拡散層と、膜電極接合体及び一対のガス拡散層を挟持し、ガス拡散層との対峙面にガス流路であるチャネルを形成するリブを有するセパレータとを備えた燃料電池であって、ガス拡散層との対峙面におけるチャネルの占有面積比SC(−)と、ガス拡散層の厚みt(μm)とが下記式(1)で表される関係を満足する。
0.9>SC≧55(t−103)2/1000000+0.3…(1)
【選択図】図1
Description
具体的には、ガス拡散領域と下地領域との間に、ガス拡散領域及び下地領域とは異なる材料により形成された導電領域を設けた燃料電池用拡散層が提案されている(特許文献1参照。)。
そして、その結果、燃料電池のガス拡散層に対峙する面におけるガス流路であるチャネルの占有面積比SC(−)と、ガス拡散層の厚みt(μm)とを所定の関係となるようにすることなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
そして、このようなガス拡散層との対峙面におけるチャネルの占有面積比SC(−)と、ガス拡散層の厚みt(μm)とが下記式(1)で表される関係を満足する。
0.9>SC≧55(t−103)2/1000000+0.3…(1)
そのため、酸素輸送抵抗及び電子抵抗の両者を低減し、高い性能を発現し得る燃料電池を提供することができる。
本実施形態の燃料電池は、膜電極接合体と、膜電極接合体を挟持する一対のガス拡散層と、膜電極接合体及び該一対のガス拡散層を挟持し、ガス拡散層との対峙面にガス流路であるチャネルを形成するリブを有するセパレータとを備えたものである。
そして、ガス拡散層との対峙面におけるチャネルの占有面積比SC(−)と、ガス拡散層の厚みt(μm)とが下記式(1)で表される関係を満足する。
0.9>SC≧55(t−103)2/1000000+0.3…(1)
このような構成とすることにより、酸素輸送抵抗及び電子抵抗を低減し、高い性能を発現し得る燃料電池となる。
このような構成とすることにより、ガス拡散層の電気伝導度に異方性がある場合であっても、酸素輸送抵抗及び電子抵抗をより低減し、より高い性能を発現し得る燃料電池となる。
なお、ガス拡散層の電気伝導度に異方性がない、すなわち電気伝導度が等方性を有する場合は、いずれの方向の電気伝導度を適用してもよい。
このような構成とすることにより、セパレータにおけるガス流れ方向に対してほぼ垂直な断面におけるチャネル形状が矩形形状でない場合であっても、酸素輸送抵抗及び電子抵抗をより低減し、より高い性能を発現し得る燃料電池となる。
なお、セパレータにおけるガス流れ方向に対してほぼ垂直な断面におけるチャネル形状が矩形形状である場合は、後述する図1で示すようなリブ幅やチャネル幅を適用すればよい。
ガス拡散層が1層からなるものは、例えば、構造を簡素化することができ、低コスト化を図ることができるという観点から好ましい。
このような構成とすることにより、ガス拡散層が厚み方向の面圧に対して感度を有する場合であっても、酸素輸送抵抗及び電子抵抗をより低減し、より高い性能を発現し得る燃料電池となる。
なお、ここで、「面圧に対して感度を有する」とは、ガス拡散層にかかる面圧を変化させた場合に、ガス拡散層の電気伝導度が変化することを意味する。
例えば、ガス拡散層にかかる面圧を高くした場合にガス拡散層の電気伝導度が高くなる場合を一例として挙げることができる。
また、本発明の燃料電池が、ガス拡散層が厚み方向の面圧に対して感度を有しないものを適用することができることは言うまでもない。
そして、上記式(2)のリブ幅(WR)及びチャネル幅(WC)として、上記主流方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ幅(WRmain)及びチャネル幅(WRmain)を適用することができるものであることが好ましい。
このような構成とすることにより、セパレータにおけるガス流れ方向が一方向でない、例えばサーペンタイン形流路が形成されている場合であっても、酸素輸送抵抗及び電子抵抗をより低減し、より高い性能を発現し得る燃料電池となる。
ここで、「点状配置形状」とは、複数のリブが当該リブの外形線がチャネルを形成するように分散配置されており、当該リブ形状が点状であるとみなすことができるものをいう。
また、「点状であるとみなすことができるもの」とは、当該リブ形状が円形、楕円形、扇形、三角形、四角形以上の多角形、更にはこれらを適宜組み合わせて形成される複合的な形であっても、当該リブをこれに外接する円形のリブに置き換えたときにガス流れに殆ど影響を与えない配置形状をいう。
なお、ガス流れに殆ど影響を与えない配置形状としては、例えばリブ幅に対するチャネル幅の比が5倍以上のものを挙げることができる。
一方、「島状配置形状」とは、複数のリブが当該リブの外形線がチャネルを形成するように分散配置されており、当該リブ形状が点状であるとみなすことができないものをいう。
また、「点状であるとみなすことができないもの」とは、当該リブ形状が円形、楕円形、扇形、三角形、四角形以上の多角形、更にはこれらを適宜組み合わせて形成される複合的な形であっても、当該リブをこれに外接する円形のリブに置き換えたときにガス流れに影響を与える配置形状をいう。
なお、ガス流れに影響を与える配置形状としては、例えばリブ幅に対するチャネル幅の比が5倍未満のものを挙げることができる。
ここで、リブ幅(WRcg)は、リブの重心位置を算出し、重心位置を結ぶことにより重なりのない三角形を形成し、三角形の重心位置を算出し、リブの重心位置及び三角形の重心位置を結ぶ線分とリブの外形線との交点と、リブの重心位置との距離を2倍にしたものである。
また、チャネル幅(WCcg)は、上記交点と上記三角形の重心位置との距離を2倍にしたものである。
このような構成とすることにより、リブの厚さ方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ配置形状が点状又は島状配置形状である場合であっても、酸素輸送抵抗及び電子抵抗をより低減し、より高い性能を発現し得る燃料電池となる。
例えば、本実施形態の燃料電池においては、上記式(2)におけるリブ幅(WR)及びチャネル幅(WC)として、下記リブ幅(WRcg)及びチャネル幅(WCcg)のうち、(WCcg/(WCcg+WRcg))が最も小さくなるものを適用することができるものであることが好ましい。
ここで、リブ幅(WRcg)は、リブの重心位置を算出し、重心位置を結ぶことにより重なりのない三角形を形成し、三角形の重心位置を算出し、リブの重心位置及び三角形の重心位置を結ぶ線分とリブの外形線との交点と、リブの重心位置との距離を2倍にしたものである。
また、チャネル幅(WCcg)は、上記交点と上記三角形の重心位置との距離を2倍にしたものである。
このような構成とすることにより、リブの厚さ方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ配置形状が点状又は島状配置形状である場合であって、それが不均一に分散された場合であっても、酸素輸送抵抗及び電子抵抗をより低減し、より高い性能を発現し得る燃料電池となる。
このような構成とすることにより、更に電子抵抗を低減し得る燃料電池となる。
また、ガス拡散層下地層は、カーボン及び撥水材以外の材料を含有していてもよく、ガス拡散層に用いられる従来公知の材料を適用することができる。更に、ガス拡散層基材層は、金属多孔体以外の材料を含有していてもよく、ガス拡散層に用いられる従来公知の材料を適用することができる。
なお、本発明においてカーボンと撥水材とを含有するガス拡散層下地層には、カーボンと撥水材のみからなるガス拡散層下地層を含む意味に解釈しなければならない。また、本発明において金属多孔体を含有するガス拡散層基材層には、金属多孔体のみからなるガス拡散層基材層を含む意味に解釈しなければならない。
このような構成とすることにより、空孔内の表面性状等のコントロールが可能となり、フラッディング耐性を更に向上させることができるという利点がある。
このような構成とすることにより、界面における接触抵抗を低減することが可能となり、酸素輸送抵抗及び電子抵抗をより低減し、より高い性能を発現し得る燃料電池となる。
図1に示すように、第1の実施形態の燃料電池1は、膜電極接合体10と、膜電極接合体10を挟持する一対のガス拡散層(20a、20c)と、該膜電極接合体10及び該一対のガス拡散層(20a、20c)を挟持し、該ガス拡散層(20a、20c)との対峙面にガス流路であるチャネル(Ca、Cc)を形成するリブ31を有するセパレータ30とを備える。
そして、該ガス拡散層(20a、20c)との対峙面におけるチャネルの占有面積比SC(−)と、該ガス拡散層の厚みt(μm)とが下記式(1)で表される関係を満足する。
なお、本例においては、チャネルが平行な直線状であることから、チャネルの占有面積比(SC)=チャネル幅(WC)/(リブ幅(WR)+チャネル幅(WC))と定義して算出することができる。また、チャネルが平行な直線状でない場合には、それぞれの場合に応じて、具体的に計測することにより、算出することができる。
0.9>SC≧55(t−103)2/1000000+0.3…(1)
膜電極接合体10は、電解質膜11を一対の触媒層(13a、13c)で挟持した構成を有している。電解質膜や触媒層については、燃料電池に用いられている従来公知の材料を適用することができる。以下、具体的に説明する。
電解質膜11は、例えば、固体高分子電解質膜から構成される。この固体高分子電解質膜は、固体高分子形燃料電池の運転時にアノード側の触媒層で生成したプロトンを膜厚方向に沿ってカソード側の触媒層へと選択的に透過させる機能を有する。また、固体高分子電解質膜は、アノード側に供給される燃料ガスとカソード側に供給される酸化剤ガスとを混合させないための隔壁としての機能をも有する。
触媒層(13a、13c)は、例えば、触媒成分、触媒成分を担持する導電性の触媒担体及び電解質を含む。以下、触媒担体に触媒成分が担持されてなる複合体を「電極触媒」とも称する。この触媒層(アノード側の触媒層、カソード側の触媒層)は、実際に電池反応が進行する層である。具体的には、アノード触媒層では水素の酸化反応が進行し、カソード触媒層では酸素の還元反応が進行する。
ガス拡散層(アノード側のガス拡散層20a、カソード側のガス拡散層20c)は、それぞれガス拡散層下地層(21a、21c)とガス拡散層基材層(23a、23c)とを積層した構成を有している。このガス拡散層は、セパレータのガス流路であるチャネルを介して供給されたガス(燃料ガス又は酸化剤ガス)の触媒層への拡散を促進する機能、及び電子伝導パスとしての機能を有する。
ガス拡散層下地層(21a、21c)は、例えば、撥水性をより向上させるために、カーボンと撥水材とを含むカーボン粒子の集合体からなる構成を有している。このようなガス拡散層下地層は、マイクロポーラス層(MPL)と呼ばれる。
ガス拡散層基材層(23a、23c)は、構成する材料について特に限定されるものではなく、従来公知の材料を用いることができる。例えば、炭素製の織物、紙状抄紙体、フェルト、不織布といった導電性及び多孔質性を有する炭素製のものや、発泡金属、エキスパンドメタル、パンチングメタル、エッチングプレート、精密プレス加工プレート、金網、金属メッシュ、金属細線焼結体といった導電性及び多孔質性を有する金属製のものを挙げることができる。ガス拡散層基材層の厚みについては、後述する。
同図において実線で示すように、ガス拡散層が厚み方向の面圧に対して感度を有する場合、上述した式(2)のガス拡散層の電気伝導度(σ)として燃料電池を形成した状態(セル組み付け時)での電気伝導度(σpressure)を適用することができるものであることが好ましい。
なお、同図において、一点差線は、面圧に対して感度を有しないガス拡散層の一例を示す。
セパレータ30は、電極接合体10及び一対のガス拡散層(20a、20c)を挟持し、ガス拡散層(20a、20c)との対峙面にガス流路であるチャネル(Ca、Cc)を形成するリブ31を有する構成を有している。
なお、セパレータは、構成する材料について特に限定されるものではなく、従来公知の材料を用いることができる。供給されるガスが透過し難い材料であることが望ましく、電池反応で取り出された電流が流れやすい材料であることが望ましい。具体的には、鉄、チタン、アルミニウム、これらの合金などの金属材料、各種金属材料や炭素材料などで電導性を付与した高分子材料(導電性プラスチック)などが挙げられる。なお、鉄合金にはステンレスが含まれる。
第2の実施形態の燃料電池1’は、一対のガス拡散層(20a、20c)が1層からなるものを適用したこと以外は、上記第1の実施形態の燃料電池と同様の構成を有する。このようにすると、構造を簡素化することができ、低コスト化を図ることができるという利点がある。なお、ガス拡散層はガス拡散層下地層やガス拡散層基材層をそのまま適用してもよいが、ガス拡散層下地層の構成材料とガス拡散層基材層の構成材料を適宜組み合わせてもよい。
また、ガス拡散層の電気伝導度に異方性がある場合には、図4の矢印Xで示すリブの幅方向における電気伝導度(σinplane)を適用すればよい。
第3の実施形態の燃料電池1’’は、一対のガス拡散層(20a、20c)が1層からなるものを適用し、一対のセパレータにおけるガス流れ方向に対してほぼ垂直な断面におけるチャネル形状を台形形状としたこと以外は、上記第1の実施形態の燃料電池と同様の構成を有する。このときは、上述した式(2)において、図示したリブとセパレータが接する部分の幅(WRcontact)及びチャネルとガス拡散層が対峙する部分の幅(WCcontact)を適用すればよい。
第4の実施形態の燃料電池1’’’は、一対のガス拡散層(20a、20c)がn層からなるものを適用したこと以外は、上記第1の実施形態の燃料電池と同様の構成を有する。このときは、上述した式(2)において、上述した式(3)で示した(σlayered)を適用すればよい。
第5の実施形態の燃料電池1’’’’は、一対のガス拡散層(20a、20c)が1層からなるものを適用し、一つのセパレータにおけるガス流れ方向が一方向でないもの、としたこと以外は、上記第1の実施形態の燃料電池と同様の構成を有する。
本例においては、図8に示すようないわゆるサーペンタイン型流路を形成することによって、ガス流れ方向が一方向でないものとする。
このときは、図8の矢印Yで示す主流方向を規定し、上記式(2)において、図示したリブ幅(WRmain)及びチャネル幅(WCmain)を適用すればよい。
なお、第1の実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
第6の実施形態の燃料電池1’’’’’は、一対のガス拡散層(20a、20c)が1層からなるものを適用し、リブの厚さ方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ配置形状を同一の円形のリブ31を均一に分散配置させたこと以外は、上記第1の実施形態の燃料電池と同様の構成を有する。これはリブ配置形状が点状配置形状の場合に相当する。
このような場合であっても、図11に示したように作図することにより、上述したようなリブ幅(WRcg)及びチャネル幅(WCcg)を規定できる。
次に、(2)においては、重心位置aを結ぶことにより重なりのない三角形を形成する。
更に、(3)においては、三角形の重心位置bを算出する。
しかる後、(4)においては、リブ31の重心位置a及び三角形の重心位置bを結ぶ線分をリブ31の外形線で分けて、それぞれ、(0.5WCcg)及び(0.5WRcg)とする。
これは、(4)におけるリブ31の重心位置a及び三角形の重心位置bを結ぶ線分とリブ31の外形線の交点cと、リブの重心位置aとの距離を2倍にしたものをリブ幅(WRcg)とし、交点cと三角形の重心位置bとの距離を2倍にしたものをチャネル幅(WCcg)とすることと同義である。
なお、第1の実施形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
本例の実施形態の燃料電池1’’’’’’は、一対のガス拡散層(20a、20c)が1層からなるものを適用し、リブの厚さ方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ配置形状を異なる円形のリブ31を不均一に分散配置させたこと以外は、上記第1の実施形態の燃料電池と同様の構成を有する。これはリブ配置形状が点状配置形状の場合に相当する。
このような場合であっても、図12に示したように作図することにより、上述したようなリブ幅(WRcg)及びチャネル幅(WCcg)を規定できる。
次に、(2)においては、重心位置aを結ぶことにより重なりのない三角形を形成する。
更に、(3)においては、三角形の重心位置bを算出する。
しかる後、(4)においては、一部の三角形について検討する。リブの重心位置a及び三角形の重心位置bを結ぶ線分をリブの外形線で分けて、それぞれ、(0.5WCcg)及び(0.5WRcg)とする。ここで、(0.5WCcg)及び(0.5WRcg)は、全てについて算出する。
これは、(4)におけるリブ31の重心位置a及び三角形の重心位置bを結ぶ線分とリブ31の外形線の交点cと、リブの重心位置aとの距離を2倍にしたものをリブ幅(WRcg)とし、交点cと三角形の重心位置bとの距離を2倍にしたものをチャネル幅(WCcg)とすることと同義である。
このようにして全部の(0.5WCcg)及び(0.5WRcg)について検討した後、本例の場合は、そのうち、(WCcg/(WCcg+WRcg))が最も小さくなるものを適用すればよい。
0.9>SC≧55(t−103)2 /1000000+0.3…(1)
まず、図1に示すような構造の燃料電池においては、ガス拡散層の厚みt(μm)とガス流路であるチャネルの占有面積比SC(−)とを変化させた場合の等酸素輸送抵抗曲線は、図13に示すようにガス流路であるチャネルの占有面積比SC(−)をガス拡散層の厚みt(μm)の2次曲線として表すことができることを実験的に明らかにした。
すなわち横軸にガス拡散層の厚みt(μm)、縦軸にガス流路であるチャネルの占有面積比SC(−)を取って、得られた酸素輸送抵抗値をプロットする。
このとき、得られた酸素輸送抵抗値が同じものどうしを結ぶ等酸素輸送抵抗曲線は最小二乗法によりガス流路であるチャネルの占有面積比SC(−)に対するガス拡散層の厚みt(μm)の二次関数で近似できる。
なお、酸素輸送抵抗は、限界電流密度法にて計測することができる。酸素輸送抵抗の定量は、限界電流を計測することにより算出することが可能であり、基本となる原理は、例えばECS Transaction.Vol11(1)、p529(2007)に記載の方法を用いることができる。ここでは、限界電流の大小を酸素輸送抵抗の大小と置き換えて表現している。
また、図1に示すような構造の燃料電池においては、SCはWC/(WR+WC)から算出できる。
そこで、図1に示すような構造の燃料電池を後述する実施例1、比較例1、比較例2の仕様で作製、各仕様で実測した酸素輸送抵抗値と電圧計測値を横軸、縦軸に取ってプロットする。
具体的には各仕様で、限界電流密度法にて測定した酸素輸送抵抗値と、車両定格電圧で規格化した車両定格電流における電圧計測値を、それぞれ横軸、縦軸に取ってプロットすると、図14のようになる。
なお、車両定格電流における電圧を車両定格電圧で規格化した値は、例えば電子負荷装置を用いて計測することができる。
ここで車両が実走行するための1つの因子として燃料電池が車両定格点での条件を満たす必要がある。ここで、「車両定格点の条件を満たす」とは、定格電流値での燃料電池の実電圧が定格電圧を超えることで、すなわち車両定格電圧で規格化した車両定格電流における電圧計測値が1以上となることである。
すると図14から、車両定格点の条件を満たすためには、車両定格電圧で規格化した値が1以上となるには酸素輸送抵抗値を0.375(sec/m/kPa)以下にする必要があることが分かる。
そして、酸素輸送抵抗値が0.375(sec/m/kPa)以下となるには、図14において酸素輸送抵抗値0.375(sec/m/kPa)での等酸素輸送抵抗曲線から算出されるガス流路であるチャネルの占有面積比SC以上となる必要がある。
ここで、酸素輸送抵抗値0.375(sec/m/kPa)の等酸素輸送抵抗曲線はガス拡散層の厚さtを用いてSC=55(t−103)2/1000000+0.3と表される。
よって、本実施形態の燃料電池においては、酸素輸送抵抗値が0.375(sec/m/kPa)以下となるように上記(1)の右側の関係(SC≧55(t−103)2/1000000+0.3)を満足するものである。
更に、図1に示すような構造の燃料電池を後述する比較例2、比較例3、比較例4の仕様で作製、各仕様で実測したガス流路の占有面積比SC(−)を横軸、例えばミリオームハイテスタを用いて交流4端子法で計測したセル抵抗値を、SCが0となる理想状態での電気抵抗値で規格化した値を縦軸に取ってプロットすると図15のように表すことができる。
なお、SCが0となる理想状態とは電子伝導にとっての理想状態であってセパレータが全て電子の流路となっている状態を言い、具体的にはセパレータにガス流路であるチャネルがない状態を言う。
すると図15から分かるように、SCが0.9以上となると抵抗値が急激に上昇して出力低下につながる。
なお、理論的にはSC=1.0では無限大となる。
従って、図15から、上記(1)の左側の関係(0.9>SC)が決定できる。
通常、燃料電池(スタック)は、モータや補機等のシステムを稼働させるため、最低限必要な電圧が規定されている。
酸素輸送抵抗は燃料電池の性能(電圧−電流特性)には相関関係があり、この電圧を確保するために必要な酸素輸送抵抗の目標値が定められる。
具体的には、燃料電池(スタック)において、電圧を所定の電圧以上に保つためには、図16中の0値の水平ラインよりも酸素輸送抵抗を小さくする必要がある。酸素輸送抵抗のチャネルの占有比に対する傾向は、図16に示すようにリブ幅によって変化する。
ここで、「チャネルの占有比」は、「チャネル幅/(チャネル幅+リブ幅)(=WC/(WC+WR))」と定義する。なお、詳細については後述する。
つまり、WC/(WR+WC)<−0.1605×WR+0.9611…(4)であることを要する。
図17に示す線分は、WC/(WR+WC)=−0.1605×WR+0.9611である。
更にまた、図21に示すように、これらを電気伝導度の倍数と傾きとの関係として示す。
このようにして得られた傾きの関係式を上記式(4)に反映させることによって、上記式(2)の関係式のうちの一方である下記式(5)を決定することができる。
まず、電解質膜として、パーフルオロスルホン酸系電解質膜を用意し、カソード側及びアノード側の触媒層形成用スラリとして、白金担持カーボン含有分散液を用意した。
電解質膜に、スラリをスプレーコータ装置を用いて塗布し、焼成炉を用いて、空気雰囲気中、350℃で30分間焼成し、膜電極接合体を作製した。
次に、カソード側及びアノード側のガス拡散層基材層として、空隙率が0.44であるエッチングプレートを用意し、ガス拡散層下地層として、カーボン粉末と撥水材(例えばポリテトラフルオロエチレン)とからなる層を用意し、これらを所定の面圧にて圧着することでガス拡散層を作製した。
なお、ガス拡散層の厚みは50μmであった。
更に、セパレータとして、SC=0.67としたステンレス(SUS)製セパレータを作製した。
これらを用いて、図1に示すような燃料電池を作製し、本例の燃料電池を得た。
ガス拡散層基材層として、一般的なカーボンペーパを用意して、実施例1と同様の操作を繰り返して、ガス拡散層を作製した。
なお、ガス拡散層の厚みは210μmであった。
更に、セパレータとして、SC=0.5としたステンレス(SUS)製セパレータを作製した。
上記作製したガス拡散層及びセパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、図1に示すような燃料電池を作製し、本例の燃料電池を得た。
ガス拡散層基材層として、一般的なカーボンペーパを用意して、実施例1と同様の操作を繰り返して、ガス拡散層を作製した。
なお、ガス拡散層の厚みは210μmであった。
更に、セパレータとして、SC=0.67としたステンレス(SUS)製セパレータを作製した。
上記作製したガス拡散層及びセパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、図1に示すような燃料電池を作製し、本例の燃料電池を得た。
ガス拡散層基材層として、一般的なカーボンペーパを用意して、実施例1と同様の操作を繰り返して、ガス拡散層を作製した。
なお、ガス拡散層の厚みは210μmであった。
更に、セパレータとして、SC=0.78としたステンレス(SUS)製セパレータを作製した。
上記作製したガス拡散層及びセパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、図1に示すような燃料電池を作製し、本例の燃料電池を得た。
ガス拡散層基材層として、一般的なカーボンペーパを用意して、実施例1と同様の操作を繰り返して、ガス拡散層を作製した。
なお、ガス拡散層の厚みは210μmであった。
更に、セパレータとして、SC=0.83としたステンレス(SUS)製セパレータを作製した。
上記作製したガス拡散層及びセパレータを用いたこと以外は、実施例1と同様の操作を繰り返して、図1に示すような燃料電池を作製し、本例の燃料電池を得た。
まず、電解質膜として、パーフルオロスルホン酸系電解質膜を用意し、カソード側及びアノード側の触媒層形成用スラリとして、白金担持カーボン含有分散液を用意した。
電解質膜に、スラリをスプレーコータ装置を用いて塗布し、焼成炉を用いて、空気雰囲気中、350℃で30分間焼成し、膜電極接合体を作製した。
次に、カソード側及びアノード側のガス拡散層として、カーボン粉末と撥水材(例えばポリテトラフルオロエチレン)とからなる層(厚み80μm)を用意し、これらを所定の面圧にて圧着することでガス拡散層を作製した。なお、ガス拡散層の電気伝導度を、セル組み付け時面圧下において直流2端子法により測定したところ、100(S/m)であった。
更に、セパレータとして、リブ幅WR0.7mm、チャネル幅WC0.7mm、SC=0.5としたステンレス(SUS)製セパレータを作製した。
これらを用いて、図4に示すような燃料電池を作製し、本例の燃料電池を得た。
セパレータとして、リブ幅WR0.7mm、チャネル幅WC1.8mm、SC=0.72としたステンレス(SUS)製セパレータを作製し、これらを用いて、図4に示すような燃料電池を作製したこと以外は実施例2と同様の操作を繰り返し、本例の燃料電池を得た。
セパレータとして、リブ幅WR0.5mm、チャネル幅WC3.8mm、SC<0.9としたステンレス(SUS)製セパレータを作製し、これらを用いて、図4に示すような燃料電池を作製したこと以外は実施例2と同様の操作を繰り返し、本例の燃料電池を得た。
セパレータとして、リブ幅WR0.2mm、チャネル幅WC1.7mm、SC<0.9としたステンレス(SUS)製セパレータを作製し、これらを用いて、図4に示すような燃料電池を作製したこと以外は実施例2と同様の操作を繰り返し、本例の燃料電池を得た。
上記各例の燃料電池を用いて、下記条件において、その性能を評価した。具体的には、電子負荷装置を用いて、車両定格電流における電圧を計測し、車両定格電圧にて規格化した。得られた結果を図14に示す。また、ミリオームハイテスタを用いて抵抗を計測し、比較例1の抵抗で規格化した。得られた結果を図22に示す。
<評価条件>
・ガス成分 :水素(アノード側)/空気(カソード側)
・セル温度 :80℃
・R.H.(相対湿度) :100%RH
更にまた、ガス拡散層と膜電極接合体及びセパレータとを所定の圧力でホットプレスによって、圧着したため、電子抵抗が低減され、性能が向上したとも考えられる。
例えば、上述した各実施形態に記載した構成は、各実施形態毎に限定されるものではなく、例えば、セパレータやガス拡散層の構成の細部を変更したり、各実施形態の構成を上述した各実施形態以外の組み合わせにしたりすることができる。
また、例えば、実施例においては、セパレータとして、ガス流路が平行な直線状のものを例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、サーペンタイン型のガス流路の場合であっても、SCを算出する式を上述したように適宜適用させることにより、本発明は適用可能である。
10 膜電極接合体
11 電解質膜
13a アノード側の触媒層
13c カソード側の触媒層
20a アノード側のガス拡散層
20c カソード側のガス拡散層
21a アノード側のガス拡散層下地層
21c カソード側のガス拡散層下地層
23a アノード側のガス拡散層基材層
23c カソード側のガス拡散層基材層
30 セパレータ
31 リブ
Ca アノード側のガス流路(チャネル)
Cc カソード側のガス流路(チャネル)
Claims (15)
- 膜電極接合体と、
上記膜電極接合体を挟持する一対のガス拡散層と、
上記膜電極接合体及び上記一対のガス拡散層を挟持し、該ガス拡散層に対峙する面にガス流路であるチャネルを形成するリブを有するセパレータとを備えた燃料電池であって、
上記ガス拡散層に対峙するチャネルの占有面積比SC(−)と、上記ガス拡散層の厚みt(μm)とが下記式(1)で表される関係を満足する、ことを特徴とする燃料電池。
0.9>SC≧55(t−103)2/1000000+0.3…(1) - 上記ガス拡散層の電気伝導度に異方性がある場合、
上記式(2)のガス拡散層の電気伝導度(σ)としてチャネルを形成するリブの幅方向の電気伝導度(σinplane)を適用する、ことを特徴とする請求項2に記載の燃料電池。 - 上記セパレータにおけるガス流れ方向に対してほぼ垂直な断面におけるチャネル形状が矩形形状でない場合、
上記式(2)のリブ幅(WR)としてリブとガス拡散層とが接する部分のリブ幅(WRcontact)を適用し、チャネル幅(WC)としてチャネルとガス拡散層が対峙する部分のチャネル幅(WCchannel)を適用する、ことを特徴とする請求項2又は3に記載の燃料電池。 - 上記ガス拡散層が厚み方向の面圧に対して感度を有する場合、
上記式(2)のガス拡散層の電気伝導度(σ)として燃料電池を形成した状態での電気伝導度(σpressure)を適用する、ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つの項に記載の燃料電池。 - 上記セパレータにおけるガス流れ方向が一方向でない場合、
上記セパレータにおけるガス流れ方向のうち最も割合が大きい方向を主流方向と規定し、
上記式(2)のリブ幅(WR)及びチャネル幅(WC)として、上記主流方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ幅(WRmain)及びチャネル幅(WRmain)を適用する、ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つの項に記載の燃料電池。 - 上記リブの厚さ方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ配置形状が点状又は島状配置形状である場合、
上記式(2)におけるリブ幅(WR)として、リブの重心位置を算出し、該重心位置を結ぶことにより重なりのない三角形を形成し、該三角形の重心位置を算出し、
上記リブの重心位置及び上記三角形の重心位置を結ぶ線分と該リブの外形線との交点と、該リブの重心位置との距離を2倍にしたものであるリブ幅(WRcg)を適用し、
上記式(2)におけるチャネル幅(WC)として、上記交点と上記三角形の重心位置との距離を2倍にしたものであるチャネル幅(WCcg)を適用する、ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つの項に記載の燃料電池。 - 上記リブの厚さ方向に対してほぼ垂直な断面におけるリブ配置形状が点状又は島状配置形状である場合、
上記式(2)におけるリブ幅(WR)及びチャネル幅(WC)として、リブの重心位置を算出し、該重心位置を結ぶことにより重なりのない三角形を形成し、該三角形の重心位置を算出し、
上記リブの重心位置及び上記三角形の重心位置を結ぶ線分と該リブの外形線との交点と、該リブの重心位置との距離を2倍にしたものであるリブ幅(WRcg)及び上記交点と上記三角形の重心位置との距離を2倍にしたものであるチャネル幅(WCcg)のうち、(WCcg/(WCcg+WRcg))が最も小さくなるものを適用する、ことを特徴とする請求項2〜6のいずれか1つの項に記載の燃料電池。 - 上記ガス拡散層が、上記膜電極接合体側に位置するガス拡散層下地層と、上記セパレータ側に位置するガス拡散層基材層とから構成され、
上記ガス拡散層下地層が、カーボンと撥水材とを含有し、
上記ガス拡散層基材層が、金属多孔体を含有する、ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の燃料電池。 - 上記金属多孔体が、発泡金属、エキスパンドメタル、パンチングメタル、エッチングプレート、精密プレス加工プレート、金網、金属メッシュ、金属細線焼結体からなる群より選ばれた少なくとも1種からなる、ことを特徴とする請求項10に記載の燃料電池。
- 上記ガス拡散層基材層の空孔の全部又は一部に上記ガス拡散層下地層に含まれるカーボン及び/又は撥水材を含有する、ことを特徴とする請求項10又は11に記載の燃料電池。
- 上記ガス拡散層が、1層からなることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つの項に記載の燃料電池。
- 上記ガス拡散層が、膜電極接合体及び/又はセパレータに接合及び/又は圧着されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つの項に記載の燃料電池。
- 上記接合及び/又は圧着が、冷間プレス、ホットプレス、溶着、溶接及び拡散接合からなる群より選ばれる少なくとも1種の方法により実施されることを特徴とする請求項14に記載の燃料電池。
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