JP2012227076A - Led点灯装置およびled照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】点灯する個数が少ない場合でも効率が高いLED点灯装置を提供すること。
【解決手段】LED23を点灯するLED点灯装置1において、入力電圧を第1電圧まで降圧する第1バックコンバータ(スイッチング素子14、ダイオード素子15、コイル素子16、コンデンサ素子17)と、第1バックコンバータに直列接続され、第1バックコンバータから出力される第1電圧を、それよりも低い第2電圧まで降圧してLED23に供給する第2バックコンバータ(スイッチング素子18、ダイオード素子19、コイル素子20、コンデンサ素子22)と、第2バックコンバータからLEDに供給される電圧または電流を検出し、検出結果に基づいて第1バックコンバータおよび第2バックコンバータの双方のスイッチング動作を制御する制御手段(制御部30)と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、LED点灯装置およびLED照明装置に関するものである。
特許文献1には、商用交流電力を整流して得られた直流電力をDC−DCコンバータ回路によって降圧し、LEDを点灯するLED点灯装置が開示されている。
特開2008−130438号公報
ところで、特許文献1に開示された技術では、DC−DCコンバータがトランスを用いて降圧することから、トランスにおける変換損失によって効率が低下してしまう。特に、点灯させるLEDの個数が少ない場合、LEDによって消費される電力に比較して、トランスにおける変換損失が無視できなくなる。
一方、トランスの代わりにチョークコイルを使用するバックコンバータを用いることにより、効率を高くすることが考えられる。しかしながら、バックコンバータでは、効率良く動作するためにはスイッチング素子のデューティ比が10%以上であることが望ましい。このため、例えば、商用交流電力(100Vまたは200V)を整流して得られる直流電力によって、少ない個数のLED(例えば、単一のLEDでは3V程度)を点灯する場合、バックコンバータのスイッチング素子のデューティ比が10%未満となってしまい点灯効率が低下するという問題点がある。
そこで、本発明は、点灯する個数が少ない場合でも効率が高いLED点灯装置およびLED照明装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、LEDを点灯するLED点灯装置において、
入力電圧を第1電圧まで降圧する第1バックコンバータと、前記第1バックコンバータに直列接続され、前記第1バックコンバータから出力される前記第1電圧を、それよりも低い第2電圧まで降圧して前記LEDに供給する第2バックコンバータと、前記第2バックコンバータから前記LEDに供給される電圧または電流を検出し、検出結果に基づいて前記第1バックコンバータおよび前記第2バックコンバータの双方のスイッチング動作を制御する制御手段と、を有することを特徴とする。
このような構成によれば、点灯する個数が少ない場合でも効率が高いLED点灯装置を提供することができる。
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記制御手段は、前記第1バックコンバータと前記第2バックコンバータに対して、デューティ比が同じ制御信号をそれぞれ供給してこれらのスイッチング動作を制御することを特徴とする。
このような構成によれば、LEDに供給される電力を簡単に制御することができる。
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記制御手段から前記第1バックコンバータおよび前記第2バックコンバータにそれぞれ供給される前記制御信号はデューティ比および位相が等しくなるように設定されていることを特徴とする。
このような構成によれば、同じ制御信号を第1および第2バックコンバータに供給することができるので、制御手段の構成を簡略化することができる。
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記第1バックコンバータは、ハイサイドスイッチがスイッチング素子によって構成されるとともにローサイドスイッチがダイオード素子によって構成され、前記第2バックコンバータは、ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの双方がスイッチング素子によって構成される、ことを特徴とする。
このような構成によれば、出力電流が大きい第2バックコンバータのハイサイドスイッチとローサイドスイッチの双方をスイッチング素子にすることにより、電力損失を効果的に抑制することができる。
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記第2バックコンバータのチョークコイルには2次巻線が設けられており、前記第1バックコンバータは前記第1コンバータの2次巻線に励起される電圧によってスイッチングされることを特徴とする。
1次巻線から絶縁された2次巻線に励起される電圧を利用することにより、回路設計を容易にすることができる。
また、他の発明は、上記発明に加えて、前記第1バックコンバータはスイッチング素子としての電界効果トランジスタを有するとともに、前記電界効果トランジスタがオフの状態になると、オンの状態となってゲート端子の入力容量に蓄積された電荷を放電する放電用スイッチング素子を有することを特徴とする。
このような構成によれば、電界効果トランジスタの入力容量に蓄積された電荷を急速に放電することにより、スイッチング周波数を高く設定することが可能になる。
また、本発明は、前述したLED点灯装置を有するLED照明装置である。
このような構成によれば、点灯する個数が少ない場合でも効率が高いLED照明装置を提供することができる。
本発明によれば、点灯する個数が少ない場合でも効率が高いLED点灯装置およびLED照明装置を提供することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るLED点灯装置の構成例を示す回路図である。 図1に示す実施形態の動作を説明するための図である。 本発明の第2実施形態に係るLED点灯装置の構成例を示す回路図である。 図3に示す制御部の構成例を示す図である。 図3に示す第2実施形態の1段目と2段目のバックコンバータの入力波形を示す図である。 図3に示す第2実施形態の1段目のバックコンバータの入力電圧と入力電流の関係を示す図である。 図3に示す第2実施形態の1段目のバックコンバータの入力電流の高調波歪特性を示す図である。 本発明の第3実施形態に係るLED点灯装置の構成例を示す回路図である。 図8に示す装置からバイポーラトランジスタを除外した構成例である。 図8,9に示す電界効果トランジスタのゲート電圧の変化を示す図である。 本発明の第4実施形態に係るLED点灯装置の構成例を示す回路図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。
(A)第1実施形態の構成の説明
図1は、本発明の第1実施形態に係るLED点灯装置の構成例を示す図である。この図1に示すように、LED点灯装置1は、入力端子10,11、ダイオードブリッジ12、コンデンサ素子13,17,22、スイッチング素子14,18、ダイオード素子15,19、コイル素子16,20、抵抗素子21、LED(Light Emitting Diode(発光ダイオード))23、および、制御部30を有している。なお、スイッチング素子14、ダイオード素子15、コイル素子16、および、コンデンサ素子17は第1バックコンバータを構成し、スイッチング素子18、ダイオード素子19、コイル素子20、および、コンデンサ素子22は第2バックコンバータを構成する。また、第1バックコンバータにおいてスイッチング素子14がハイサイドスイッチに該当し、ダイオード素子15がローサイドスイッチに該当する。また、第2バックコンバータにおいてスイッチング素子18がハイサイドスイッチに該当し、ダイオード素子19がローサイドスイッチに該当する。
ここで、入力端子10,11には、商用交流電力(例えば、100Vの交流電力)が入力される。ダイオードブリッジ12は、4つのダイオード素子によって構成され、入力端子10,11から入力された交流電力を全波整流して出力する。コンデンサ素子13は、例えば、容量が百分の数μFから十分の数μF程度のフィルムコンデンサまたはセラミックコンデンサ等によって構成されている。コンデンサ素子13は、スイッチング素子14のスイッチング動作によって発生する高調波を減衰させるためのバイパスコンデンサとして機能する。
スイッチング素子14は、例えば、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタ等によって構成され、制御部30から供給される制御信号に応じてオンまたはオフの状態になり、入力される電流を導通または遮断する。ダイオード素子15は、フリーホイールダイオードであり、スイッチング素子14がオンの場合には逆方向バイアス状態となって遮断状態となり、スイッチング素子14がオフの場合には順方向バイアス状態となって導通状態となる。
コイル素子16は、チョークコイルであり、スイッチング素子14がオンの場合には流入する電流を磁気エネルギとして蓄積し、スイッチング素子14がオフの場合には蓄積された磁気エネルギを電気エネルギとして放出する。コンデンサ素子17は、例えば、数十〜数百μFの容量を有する電解コンデンサ等によって構成され、コイル素子16から出力される電流を平滑化して出力する。
スイッチング素子18は、スイッチング素子14と同様に、例えば、バイポーラトランジスタまたは電界効果トランジスタ等によって構成され、制御部30から供給される制御信号に応じてオンまたはオフの状態になり、入力される電流を導通または遮断する。ダイオード素子19は、フリーホイールダイオードであり、スイッチング素子18がオンの場合には逆方向バイアス状態となって遮断状態となり、スイッチング素子18がオフの場合には順方向バイアス状態となって導通状態となる。
コイル素子20は、チョークコイルであり、スイッチング素子18がオンの場合には流入する電流を磁気エネルギとして蓄積し、スイッチング素子18がオフの場合には蓄積された磁気エネルギを電気エネルギとして放出する。抵抗素子21は、LED23に流れる電流を検出するための抵抗素子であり、例えば、数〜数十mΩの抵抗値を有している。コンデンサ素子22は、例えば、数〜数十μFの容量を有する電解コンデンサ等によって構成され、抵抗素子21を介してコイル素子20から出力される電流を平滑化して出力する。
LED23は、例えば、白色光を発する順方向電圧が3〜5V程度の発光ダイオードである。
制御部30(請求項中の「制御手段」に対応する)は、抵抗素子21の両端に生じる電圧に基づいてスイッチング素子14とスイッチング素子18に同じ制御信号を供給してこれらを制御する。より詳細には、制御部30は、LED23に一定の電流が流れるように、スイッチング素子14とスイッチング素子18のデューティ比を調整し、抵抗素子21に生じる電圧が所定の電圧となるように制御する。
(B)第1実施形態の動作の説明
入力端子10,11から入力された交流電力(例えば、100V)は、ダイオードブリッジ12によって全波整流され、波高が約140Vの脈流電圧として出力される。
スイッチング素子14は、制御部30から供給される制御信号に応じてオンまたはオフの状態になる。図2(A)は、制御部30からスイッチング素子14に供給される制御信号の一例を示す図である。この図に示すように、制御信号は、例えば、一定の周期でハイまたはローの状態となる信号である。なお、制御信号がハイの状態になるとスイッチング素子14がオンの状態となり、制御信号がローの状態になるとスイッチング素子14がオフの状態になるものとする。図2(A)の例では、制御信号がハイとなる期間と、制御信号の周期との比は、約1:6.6(デューティ比は約15%)である。また、制御信号の繰り返し周期τは、約1〜数十μsec程度とされている。
スイッチング素子14がオンの状態となると、コイル素子16に流れる電流が徐々に増加する。図2(B)は、コイル素子16に流れる電流を示す図である。図2(A)に示すように、制御信号がハイの状態になると、スイッチング素子14がオンの状態となり、図2(B)に示すようにコイル素子16に流れる電流が徐々に増加する。このとき、ダイオード素子15は逆方向バイアスとなっているのでダイオード素子15は遮断状態となる。そして、図2(A)に示すように、制御信号がハイからローの状態になると、スイッチング素子14がオフの状態となる。この結果、コイル素子16には起電力が生じるので、ダイオード素子15が順方向バイアスとなって導通状態となり、コイル素子16からコンデンサ素子17に電流が通じる。このような電流は、コイル素子16に蓄積されている磁気エネルギに応じて減少するので、図2(B)に示すように電流は徐々に減少する。コイル素子16から出力される電流は、コンデンサ素子17に電荷として蓄積される。コンデンサ素子17は、数十〜数百μFの容量を有する電解コンデンサ等によって構成されているので、コンデンサ素子17の両端には、電圧変動が少ない直流電圧が現れる。
スイッチング素子18には、スイッチング素子14と同じ制御信号(図2(A)参照)が供給されている。制御信号がハイの状態になると、スイッチング素子18がオンの状態になり、図2(B)に示すように、コンデンサ素子17からコイル素子20流れる電流が徐々に増加する。このとき、ダイオード素子19は逆方向バイアスとなるので、遮断状態となる。制御信号がハイからローの状態となり、スイッチング素子18がオフの状態になると、コイル素子20には起電力が生じるので、ダイオード素子19が順方向バイアスとなって導通状態になり、コイル素子20から抵抗素子21を介してコンデンサ素子22に電流が通じる。このような電流は、コイル素子20に蓄積されている磁気エネルギに応じて減少するので、図2(B)に示すように電流は徐々に減少する。
コンデンサ素子22は、抵抗素子21を介してコイル素子20から出力される電流を電荷として蓄積し、平滑化して直流電圧として出力する。LED23は、コンデンサ素子22から出力される直流電圧によって点灯する。
ここで、制御部30は、抵抗素子21の端子電圧を検出しており、端子電圧が減少した場合(抵抗素子21に流れる電流が減少した場合)には制御信号のデューティ比を増加させる。この結果、スイッチング素子14,18の双方のオン時間が増加するので、コンデンサ素子17とコンデンサ素子22の双方の端子電圧が上昇し、LED23に流れる電流が増加する。一方、端子電圧が増加した場合(抵抗素子21に流れる電流が増加した場合)には制御信号のデューティ比を減少させる。この結果、スイッチング素子14,18の双方のオン時間が減少するので、コンデンサ素子17とコンデンサ素子22の双方の端子電圧が下降し、LED23に流れる電流が減少する。以上の制御により、LED23に通じる電流が一定になるように制御される。
前述したように、コンデンサ素子17としては数十〜数百μFの容量を有する電解コンデンサが用いられているので、このコンデンサ素子17の端子電圧は略一定となる。制御部30は、第2バックコンバータの出力電流が一定になるように制御するため、入力電圧であるコンデンサ素子17の電圧が一定であると、制御部30からスイッチング素子18に供給される制御信号は、デューティ比が略一定となる。このような制御信号は、スイッチング素子14にも供給されており、スイッチング素子14がデューティ比略一定でオン/オフされると、入力端子10,11からは入力電圧に比例した電流が流れるので、電流は略正弦波状となる。これにより、高い力率を得ることができる。
なお、スイッチング素子14,18のデューティ比はともに15%程度であるので、ダイオードブリッジ12の出力電圧が約140Vとすると、第1バックコンバータの出力電圧は22V程度(≒140×0.15)となり、第2バックコンバータの出力電圧は約3.2V程度(≒140×0.15×0.15)となる。
以上に説明したように、第1実施形態では、2つのバックコンバータを直列接続するとともに、第2バックコンバータの出力側に電流を検出する抵抗素子21を設け、この検出値に基づいて制御部30が2つのバックコンバータのスイッチング素子14,18を制御するようにした。このように2つのバックコンバータを直列接続することで、接続するLEDの個数が少ない場合であっても、各バックコンバータのデューティ比をある程度高く設定することを可能とし、その結果、効率を高くすることが可能になる。より具体的には、100Vの商用交流電源で3.2VのLED23を点灯する場合、各バックコンバータのデューティ比を15%程度にすることができる。また、200Vの商用交流電源で3.2VのLED32を点灯する場合、各バックコンバータのデューティ比を11%程度にすることができる。このため、デューティ比を10%以上にすることができるため、効率が低下することを防止できる。
また、第1実施形態では、2つのバックコンバータを1つの制御部30により、同じ制御信号によって制御するようにしたので、制御部30の回路構成を簡略化することができる。
(C)第2実施形態の構成の説明
図3は第2実施形態の構成例を示す図である。なお、この図において、図1と対応する部分には、同一の符号を付してあるのでその説明は省略する。図3に示すLED点灯装置1Aでは、図1と比較すると、スイッチング素子14が電界効果トランジスタ14a、抵抗素子14b〜14d、および、電界効果トランジスタ14eによって構成されている。また、スイッチング素子18およびダイオード素子19が電界効果トランジスタ18a,18bによって構成されている。また、制御部30が制御部40に置換されている。
ここで、電界効果トランジスタ14aは、例えば、Pチャネル型MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)によって構成され、そのドレイン端子は抵抗素子14bの一端に接続され、ゲート端子は抵抗素子14cの一端に接続され、ソース端子はダイオード素子15のカソード端子に接続されている。また、電界効果トランジスタ14eは、例えば、Nチャネル型MOS−FETによって構成され、そのドレイン端子は抵抗素子14dの一端に接続され、ゲート端子は電界効果トランジスタ18aのソース端子と電界効果トランジスタ18bのドレイン端子に接続され、ソース端子はダイオード素子15のアノード端子に接続されている。
電界効果トランジスタ18aは、例えば、Nチャネル型MOS−FETによって構成され、そのドレイン端子はコイル素子16の一端に接続され、ゲート端子は制御部40に接続され、ソース端子は電界効果トランジスタ18bのドレイン端子に接続されている。また、電界効果トランジスタ18bも同様に、Nチャネル型MOS−FETによって構成され、そのドレイン端子は電界効果トランジスタ18aのソース端子に接続され、ゲート端子は制御部40に接続され、ソース端子はダイオード素子15のアノード端子に接続されている。
制御部40は、抵抗素子21に現れる電圧に応じて、電界効果トランジスタ18a,18bを制御する。図4は、制御部40の詳細な構成例を示す図である。この図4に破線で囲んで示すように、制御部40は、差動アンプ41、PWM(Pulse Width Modulation)制御部42、および、FETドライバ43を有している。ここで、差動アンプ41は、抵抗素子21に現れる電圧を増幅して出力する。PWM制御部42は、差動アンプ41の出力に基づいてPWM制御を行う。より詳細には、PWM制御部42は、差動アンプ41の出力電圧に応じたデューティ比を有するパルス信号を出力する。例えば、差動アンプ41の出力が大きい場合にはデューティ比が小さいパルス信号を出力し、差動アンプ41の出力が小さい場合にはデューティ比が大きいパルス信号を出力する。
FETドライバ43は、PWM制御部42から出力されるパルス信号に基づいて電界効果トランジスタ18a,18bを制御する。具体的には、FETドライバ43は、PWM制御部42から出力される制御信号がハイの場合には、電界効果トランジスタ18aをオンの状態にするとともに電界効果トランジスタ18bをオフの状態にする。また、PWM制御部42から出力される制御信号がローの場合には、電界効果トランジスタ18aをオフの状態にするとともに電界効果トランジスタ18bをオンの状態にする。すなわち、電界効果トランジスタ18aは、図1に示すスイッチング素子18と同様にオンおよびオフの制御を行う。また、電界効果トランジスタ18bは、電界効果トランジスタ18aがオンの場合にはオフとなるように制御するとともに電界効果トランジスタ18aがオフの場合にはオンとなるように制御する。なお、電界効果トランジスタ18a,18bが同時にオンの状態となって過大な電流がこれらの電界効果トランジスタに流れることを防止するために、デッドタイムを挿入する回路を設けるようにしてもよい。
(D)第2実施形態の動作の説明
つぎに、第2実施形態の動作について説明する。まず、電界効果トランジスタ18a,18bの動作について説明する。制御部40は、抵抗素子21の両端に現れる電圧に応じて電界効果トランジスタ18aのデューティ比を調整する。具体的には、抵抗素子21の両端に現れる電圧が低い場合(LED23に流れる電流が少ない場合)にはFETドライバ43から出力される制御信号のデューティ比が大きくなり、一方、電圧が低い場合(LED23に流れる電流が多い場合)にはデューティ比が小さくなる。なお、入力端子10,11に入力される商用交流電圧が100Vであり、LED23の端子電圧が3.2Vである場合には、図2(A)に示すように、平均のデューティ比は15%程度となる。一方、電界効果トランジスタ18bに対しては、電界効果トランジスタ18aとは逆相の制御信号が供給される。この結果、電界効果トランジスタ18bは、電界効果トランジスタ18aがオンになった場合にはオフの状態とされ、オフの状態になった場合にはオンの状態に制御される。電界効果トランジスタ18aがオン状態になると、電界効果トランジスタ18bがオフ状態になるので、コンデンサ素子17から供給される電流は、電界効果トランジスタ18aを介してコイル素子20に供給される。そして、電界効果トランジスタ18aがオフ状態にされ、電界効果トランジスタ18bがオン状態にされると、コイル素子20に蓄積されている磁気エネルギが抵抗素子21および電界効果トランジスタ18bを介してコンデンサ素子22に電荷として蓄積される。
また、電界効果トランジスタ18aがオン状態にされ、電界効果トランジスタ18bがオフ状態にされると、電界効果トランジスタ18aのドレイン端子がハイの状態になるので、電界効果トランジスタ14eのゲートがハイの状態になり、電界効果トランジスタ14eはオンの状態になる。その結果、抵抗素子14b〜14dを介して電流が流れ、電界効果トランジスタ14aのゲート端子がハイの状態になることから、電界効果トランジスタ14aがオンの状態になる。電界効果トランジスタ14aがオンの状態になると、コンデンサ素子13側からコイル素子16に対して電流が通じる。続いて、電界効果トランジスタ18aがオフ状態にされ、電界効果トランジスタ18bがオン状態にされると、電界効果トランジスタ18bのドレイン端子がローの状態になるので、電界効果トランジスタ14eのゲートがローの状態になり、電界効果トランジスタ14eがオフの状態になる。その結果、電界効果トランジスタ14aのゲート端子がローの状態になることから、電界効果トランジスタ14aがオフの状態になる。電界効果トランジスタ14aがオフの状態になると、コイル素子16に蓄えられている磁気エネルギがダイオード素子15を介してコンデンサ素子13に電荷として蓄積される。
したがって、電界効果トランジスタ18aと電界効果トランジスタ14aは、制御部40の制御に応じて同じタイミングでオンまたはオフの状態を繰り返す。これにより、LED23に一定の電流が流れる。
図5は図3に示すコンデンサ素子13,17の端子電圧を示す図であり、横軸は時間(mS)を示し、縦軸は電圧(V)を示している。図5の太線はコンデンサ素子13の端子電圧を示しており、細線はコンデンサ素子17の端子電圧を示している。コンデンサ素子13の端子電圧は、商用電源の電圧波形と同様の略正弦波形状を有している。また、コンデンサ素子17の端子電圧は、多少のリップル成分はあるものの、一定の電圧となっている。
図6は、入力端子10,11に印加される電圧と、これらの入力端子10,11に流れる電流を示す図であり、細線は電圧を示し、太線は電流を示している。この図6から、入力端子10,11から流入する電流は、略正弦波形状を有しており、また、電圧と略同じ位相を有している。この図6から明らかなように、第2実施形態では、高い力率を得ることができる。なお、このような力率特性は、前述した図1に示す第1実施形態でも同様である。
図7は、入力端子10,11から流入する電流の歪成分を示す図である。図7の横軸は周波数を示し、縦軸は電流を示している。この図に示すように、第2実施形態に流れる電流は、基本成分である50Hzが主で、それ以外の高調波成分は少なくなっている。この歪成分の割合は、JIS C 61000−3−2のクラスCの25W以上に十分対応していることが判明している。
以上に説明したように、第2実施形態では、第1実施形態の場合と同様に、各バックコンバータのデューティ比をある程度高く設定することを可能とし、効率が低下することを防止できる。具体的には、100Vの商用交流電源で3.2VのLEDを点灯する場合、各バックコンバータのデューティ比を15%程度にすることができ、また、200Vの商用交流電源で3.2VのLEDを点灯する場合、各バックコンバータのデューティ比を11%程度にすることができる。このため、デューティ比を10%以上にすることができるため、少ない個数のLEDを点灯する場合であっても高い変換効率を得ることができる。
また、第2実施形態では、2つのバックコンバータを1つの制御部40で同じ制御信号によって制御するようにしたので、回路構成を簡略化することができる。また、第2実施形態では、ダイオード素子19に代えて、電界効果トランジスタ18bを用いるようにした。電界効果トランジスタ18bは、オンの状態における電圧降下がダイオード素子19に比較して小さいので、電力の損失を更に低減することができる。特に、第2バックコンバータは、第1バックコンバータに比較して流れる電流が大きい(例えば、数A程度である)ので、ダイオード素子19による電力損失を効果的に減少させることができる。
また、第2実施形態では、力率を改善するとともに、高調波を減らすことが可能となる。
(E)第3実施形態の構成の説明
図8は、本発明の第3実施形態の構成例を示す図である。なお、図8において図3と対応する部分には同一の符号を付しているのでその説明は省略する。図8に示すLED点灯装置1Bでは図3と比較すると、コイル素子20が2次巻線を有するコイル素子60に置換され、電界効果トランジスタ14aが電界効果トランジスタ50に置換されるとともに抵抗素子51,53,55、バイポーラトランジスタ52(請求項中の「放電用スイッチング素子」に対応する)、および、ダイオード素子54が付加されている。なお、それ以外の構成は図3の場合と同様である。
ここで、コイル素子60は、コイル素子20と同様にチョークコイルとして機能するとともに、1次巻線に生じる電圧を降圧した電圧を2次巻線から出力する。なお、1次巻線と2次巻線の巻数比は、例えば、2:1程度とすることができる。1次巻線に電圧が印加されると、2次巻線に電圧が現れ、抵抗素子55の両端に印加される。2次巻線から電圧が印加されると、ダイオード素子54は順方向バイアスとなってオンの状態となるので、電界効果トランジスタ50のゲート端子がプラス、ソース端子がマイナスとなってオンの状態となる。なお、このとき、バイポーラトランジスタ52のベース−エミッタ間は逆方向バイアス状態となるので、バイポーラトランジスタ52はオフとなる。一方、2次巻線に電圧が現れていない場合は、電界効果トランジスタ50のゲート端子の容量(以下、「ゲート容量」と称する)に蓄積されている電荷により、バイポーラトランジスタ52のベース−エミッタ間が順方向バイアス状態となるので、バイポーラトランジスタ52がオンの状態(短絡状態)となる。この結果、電界効果トランジスタ50のゲート容量に蓄積されている電荷は、バイポーラトランジスタ52のエミッタ−コレクタを介して放電される。
ここで、図9に示すように、バイポーラトランジスタ52を設けないLED点灯装置1Cの場合には、ゲート容量に蓄積されている電荷は、抵抗素子53を介して放電されるため、RC時定数に応じた分だけ放電に時間を要する。図10は、図8,9の回路において、ゲート容量に蓄積された電荷の放電に伴うゲート電圧の時間的変化を示す図であり、実線は図8の回路のゲート電圧の変化を示し、破線は図9の回路のゲート電圧の変化を示している。この図10に示すように、図8の回路では、図9の回路と比較して、ゲート電圧が急激に減少していることから、ゲート容量に蓄積された電荷が急激に放電されていることが分かる。このように、ゲート容量に蓄積された電荷を急激に放電させることにより、高い周波数でのスイッチング動作が可能になる。具体的には、図9の回路では、例えば、100kHz程度が上限である場合であっても、図8の回路によれば、例えば、500kHz程度での動作が可能になる。もちろん、回路定数の設定によっては、これ以下またはこれ以上の周波数で動作可能であることはいうまでもない。
なお、図8に示す実施形態では、第1バックコンバータは、プラス側に電界効果トランジスタ50が配置されるハイサイド型としたが、図11に示すように、グランド側に電界効果トランジスタ50が配置されるローサイド型とすることも可能である。より詳細には、図11に示すLED点灯装置1Dでは、図8と比較すると、電界効果トランジスタ50がコンデンサ素子13の一端とダイオード素子15のカソードとの間から、ダイオード素子15のアノードとグランドとの間に移動されている。なお、抵抗素子51,53,55、バイポーラトランジスタ52、および、ダイオード素子54も電界効果トランジスタ50とともに移動されている。また、コイル素子16がダイオード素子15のカソードとコンデンサ素子17の一端の間から、ダイオード素子15のアノードとコンデンサ素子17の他端との間に移動されている。また、コンデンサ素子13の他端が接地されるとともに、電界効果トランジスタ50のソースが接地されている。なお、これら以外の構成は図8の場合と同様である。
図11に示す実施形態では、電界効果トランジスタ50がオンの状態になると、コンデンサ素子13の一端から流出した電流は、コンデンサ素子17、コイル素子16、および、電界効果トランジスタ50を介してグランドに流入する。また、電界効果トランジスタ50がオフの状態になると、コイル素子16に蓄積されている磁気エネルギがダイオード素子15を介して放出され、コンデンサ素子17に電荷として蓄積される。なお、その他の動作は、図8の場合と同様である。このようなローサイド型の構成によっても、ハイサイド型と同様に、高速にスイッチング動作を行うことができる。
以上に説明したように、本発明の第3実施形態によれば、2次巻線を有するコイル素子60を設け、2次巻線に現れる電圧に基づいて、第1バックコンバータのスイッチング制御を行うようにしたので、1次巻線から絶縁された2次巻線を用いることで、図8に示すハイサイド型または図11に示すローサイド型のいずれの回路も容易に構成することができる。
また、第3実施形態では、電界効果トランジスタ50のゲート側にバイポーラトランジスタ52を設けて、ゲート容量に蓄積された電荷を放電するようにしたので、高速でスイッチング動作を行うことが可能になる。
(F)変形実施形態の説明
以上の実施形態は一例であって、本発明が上述したような場合のみに限定されるものでないことはいうまでもない。例えば、以上の各実施形態では、1つのLED23を点灯するようにしたが、例えば、並列接続された複数のLEDを点灯するようにしたり、あるいは、直列接続された複数のLEDを点灯するようにしたりしてもよい。
また、以上の各実施形態では、直列接続された2つのバックコンバータは、一の制御信号によってスイッチングされるようにしたが、これらを別個の制御信号によってスイッチングするようにしてもよい。具体的には、デューティ比が同じで、位相が異なる制御信号を用いるようにすることも可能である。このような構成によれば、スイッチングのタイミングをずらすことにより、ノイズ特性を改善することができる。なお、このような信号を生成する方法としては、例えば、一の回路から生成された制御信号を2つに分岐して一方は遅延回路によって遅延することで得ることができる。また、2つのバックコンバータでデューティ比を同一にするのではなく、例えば、各バックコンバータのデューティ比が異なる構成としてもよい。その場合、例えば、オンになるタイミングが同期するか、もしくは、オフになるタイミングが同期するか、または、これらが同期しない構成とすることができる。なお、デューティ比が異なる信号を生成する方法としては、例えば、PWM制御回路において異なる2つの基準電圧を用いることで実現できる。
また、以上の各実施形態では、LED23に流れる電流を抵抗素子21に生じる電圧に基づいて検出するようにしたが、例えば、LED23に印加される電圧を検出し、検出された電圧に基づいて第1および第2バックコンバータを制御するようにしてもよい。
また、以上の第2および第3実施形態では、第2バックコンバータのみを同期整流型としたが、第1および第2バックコンバータの双方を同期整流型としてもよい。なお、第2バックコンバータのみを同期整流型とする理由としては、前述したように、第2バックコンバータは、出力電圧が小さいことから、ダイオード素子19の順方向電圧による損失が無視できないのに対して、第1バックコンバータは、出力電圧が大きいことから、ダイオード素子による損失が無視できるからである。より詳細には、第2バックコンバータを同期整流型としない場合、出力電圧が3.2Vでダイオード素子19の順方向電圧が0.5V(ショットキーダイオードの場合)とすると15.6%(=0.5/3.2)が損失になるが、第1バックコンバータを同期整流型としない場合、出力電圧が約21Vであるから、損失は2.4%(=0.5/12V)となる。一方、第2バックコンバータを同期整流型とする場合、電圧効果トランジスタ18bでのオン電圧が0.1Vとすると、前述した15.6%の損失を3.1%(0.1/3.2)にすることができる。
また、以上の各実施形態に示すLED点灯装置1,1A〜1DをLED23とともに筐体内に組み込んで、LED照明装置として構成することも可能である。なお、筐体としては、例えば、電球型の筐体を用いたり、あるいは、棒状の蛍光灯形状を有する筐体に組み込んだりすることができる。もちろん、これ以外の形状を有していてもよい。
1,1A〜1D LED点灯装置
10,11 入力端子
12 ダイオードブリッジ
13,17,22 コンデンサ素子
14,18 スイッチング素子
14a,14e,18a,18b,50 電界効果トランジスタ
15,19 ダイオード素子
16,20 コイル素子
14b,14c,14d,21 抵抗素子
23 LED
30,40 制御部(制御手段)
41 差動アンプ
42 PWM制御部
43 FETアンプ
51,53,55 抵抗素子
52 バイポーラトランジスタ(放電用スイッチング素子)
54 ダイオード素子

Claims (7)

  1. LEDを点灯するLED点灯装置において、
    入力電圧を第1電圧まで降圧する第1バックコンバータと、
    前記第1バックコンバータに直列接続され、前記第1バックコンバータから出力される前記第1電圧を、それよりも低い第2電圧まで降圧して前記LEDに供給する第2バックコンバータと、
    前記第2バックコンバータから前記LEDに供給される電圧または電流を検出し、検出結果に基づいて前記第1バックコンバータおよび前記第2バックコンバータの双方のスイッチング動作を制御する制御手段と、
    を有することを特徴とするLED点灯装置。
  2. 前記制御手段は、前記第1バックコンバータと前記第2バックコンバータに対して、デューティ比が同じ制御信号をそれぞれ供給してこれらのスイッチング動作を制御することを特徴とする請求項1記載のLED点灯装置。
  3. 前記制御手段から前記第1バックコンバータおよび前記第2バックコンバータにそれぞれ供給される前記制御信号はデューティ比および位相が等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項2に記載のLED点灯装置。
  4. 前記第1バックコンバータは、ハイサイドスイッチがスイッチング素子によって構成されるとともにローサイドスイッチがダイオード素子によって構成され、
    前記第2バックコンバータは、ハイサイドスイッチおよびローサイドスイッチの双方がスイッチング素子によって構成される、
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のLED点灯装置。
  5. 前記第2バックコンバータのチョークコイルには2次巻線が設けられており、前記第1バックコンバータは前記第1コンバータの2次巻線に励起される電圧によってスイッチングされることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のLED点灯装置。
  6. 前記第1バックコンバータはスイッチング素子としての電界効果トランジスタを有するとともに、前記電界効果トランジスタがオフの状態になると、オンの状態となってゲート端子の入力容量に蓄積された電荷を放電する放電用スイッチング素子を有することを特徴とする請求項5に記載のLED点灯装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のLED点灯装置を有するLED照明装置。
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