JP2012225186A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】均質な混合気を形成することができる内燃機関の制御装置を得る。
【解決手段】内燃機関の筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記内燃機関の吸気バルブの開弁時期を可変調節する可変バルブタイミング機構と、前記内燃機関の筒内にスワール流動を形成させるよう吸気ポートの片方に設置されているスワール流動制御バルブと、前記内燃機関の吸気バルブを通過する吸気の流速を演算する吸気流速演算手段と、前記スワール流動制御バルブによってスワール流動が制御されており、且つ吸気バルブが開弁している間に燃料を噴射する場合において、吸気流動の偏流によって燃料噴射直後の燃料噴霧が流されて偏向する度合を、前記吸気流速に応じて推定する噴霧偏向度合推定手段と、推定された噴霧偏向度合に応じて、吸気バルブ開弁時期を遅角側に補正する吸気バルブ開弁時期補正手段とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、筒内噴射式内燃機関における均質燃焼モード制御時およびスワール流動制御時の内燃機関の制御装置に関するものである。
近年において、大気汚染や石油事情の変動などに伴い、内燃機関(以下「エンジン」と称す)の排気ガスおよび燃費の向上が強く要求されている。エンジンの排気ガスおよび燃費を向上する方法として、エンジンにおける混合気の燃焼状態を向上することが注目されている。
筒内噴射式火花点火エンジンにおける混合気の燃焼状態を向上するためには、点火時に形成される混合気の状態が重要な要素となることが知られている。そして、始動時や高負荷運転時の吸気行程で燃料を噴射して筒内全体に均質な混合気を形成して燃焼を行うよう制御する均質燃焼モード時においては、噴射される燃料を筒内全体に素早く拡散させ、且つ燃料の拡散と蒸発および空気との混合に対して十分な期間を設けるよう制御して均質な混合気を形成することが非常に重要となってくる。
燃料の拡散を向上し、良好な均質混合気を形成するためには、筒内に形成する空気流動の制御と燃料噴射の制御が特に重要な要素である。そして、筒内に形成する空気流動を強化するよう制御することや、形成される空気流動に対して適切な燃料噴射を行うよう制御する、もしくは燃料噴射に対して適切な空気流動を形成するよう制御することが必要となる。
例えば、エンジンの温度が所定値以下の均質燃焼モード制御時に、筒内の横渦の空気流動(以下「スワール流動」と称す)を強化するよう制御を行うと同時に、燃料の供給圧を増加させることで、噴射された燃料が微粒化して直ぐに推進力を失い、且つスワール流動による噴霧拡散により、筒内壁面に付着するのを低減しており、即ち空気流動強化による均質混合気形成の向上を図っている(例えば、特許文献1参照)。
また、ピストン挙動によるガス流動の強さと吸気バルブ近傍のガス流動の強さを比較し、強い方のガス流動がピークとなる(一番強くなる)タイミングが燃料噴射時期の中心となるよう燃料噴射時期を制御して燃料の拡散および蒸発を促進しており、形成された空気流動に対して適切な燃料噴射制御を行うことによる均質混合気形成の向上を図っている(例えば、特許文献2参照)。
特開平11−294246号公報 特開2007−327345号公報
一般的に、筒内にスワール流動を形成させる場合には、特許文献1のように片方の吸気バルブからの吸入空気を多くすることなどによって、吸気バルブを通過する空気流動(吸気流動)に偏流が生じる。
しかし、我々の研究の結果によると、吸気バルブが開弁している間の偏流が強く生じているタイミングにおいて燃料を噴射すると、偏流に流されて燃料噴霧の形状が筒内壁面へ向かうように偏向してしまい、その後多くの燃料は筒内に形成されたスワール流動によって筒内壁面近傍を周回することが判明した。即ち、筒内壁面近傍での燃料および混合気の拡散は高くなるものの、筒内中央への燃料および混合気の拡散が非常に低くなり、点火時における均質混合気の形成が悪化することがわかった。
従って、特許文献1では、スワール流動を強化し、且つ燃料微粒化に伴う燃料噴射後の推進力が低下するよう制御しているため、吸気流動の偏流に燃料噴霧が流されやすくなり、筒内壁面近傍での燃料の拡散が高くなるものの、筒内中央への燃料および混合気の拡散が非常に低くなり、均質混合気の形成が悪化する。
また、特許文献2では、燃料噴射時期の中心がガス流動の一番強くなるタイミングとなるよう制御しているため、スワール流動制御が行われた場合、吸気バルブを通過する空気流動に偏流が生じているタイミングにおいて燃料が噴射され、均質混合気の形成が悪化する。
ここで、スワール流動制御時における吸気流動の偏流によって燃料噴霧が偏向するような場合、吸気流動の偏流を弱める、即ちスワール流動を弱めるようスワール流動制御に補正を施すことや、吸気流動の偏流がある程度弱まったタイミングに燃料噴射するよう燃料噴射時期を遅角補正することや、吸気流動の偏流が生じる前、即ち吸気バルブが開弁する前において燃料を噴射させるよう吸気バルブ開弁時期を遅角補正することなどで、燃料噴射時の燃料噴霧の偏向を弱めることが可能となる。
しかし、スワール流動を低下させると、燃料および混合気の拡散速度が低下して良好な均質混合気が得られなくなり、また、燃料噴射時期を遅角化すると、燃料噴射から点火までの期間が短くなり良好な均質混合気が形成される前に点火してしまう問題がある。
そのため、吸気流動の偏流による噴霧形状偏向を抑制するためには、スワール流動を低下させることや、燃料噴射時期を遅角化させることよりも、吸気バルブ開弁時期を遅角補正して制御することが有効な手段である。
この発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、均質燃焼モード制御時およびスワール流動制御時における吸気流動による燃料噴霧の偏向度合を吸気流速に応じて推定し、推定した噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ開弁時期を補正することで、燃料噴霧を筒内全体に拡散できるよう燃料噴射時に燃料噴霧が偏向するのを抑制して、均質な混合気を形成することができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記内燃機関の吸気バルブの開弁時期を可変調節する可変バルブタイミング機構と、前記内燃機関の筒内にスワール流動を形成させるよう吸気ポートの片方に設置されているスワール流動制御バルブと、前記内燃機関の吸気バルブを通過する吸気の流速を演算する吸気流速演算手段と、前記スワール流動制御バルブによってスワール流動が制御されており、且つ吸気バルブが開弁している間に燃料を噴射する場合において、吸気流動の偏流によって燃料噴射直後の燃料噴霧が流されて偏向する度合を、前記吸気流速に応じて推定する噴霧偏向度合推定手段と、推定された噴霧偏向度合に応じて、吸気バルブ開弁時期を遅角側に補正する吸気バルブ開弁時期補正手段とを備える。
また、この発明に係る内燃機関の制御装置は、推定された噴霧偏向度合に応じて、吸気バルブ閉弁時期を進角側に補正する吸気バルブ閉弁時期補正手段と、前記燃料噴射弁から燃料が噴射される時期が予め設定された所定の時期よりも進角側であるかを判定する燃料噴射時期判定手段とを備える。
この発明に係る内燃機関の制御装置の効果は、均質燃焼モード制御時およびスワール流動制御時において、吸気バルブを通過する吸気流速に応じて燃料噴射中の燃料噴霧の偏向度合を推定して吸気バルブ開弁中に燃料が噴射される際の筒内壁面方向に流されて燃料噴霧形状が偏向する現象およびその度合を予め予測し、噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ開弁時期を遅角補正して燃料噴霧形状の偏向を抑制することで、筒内全体に均等に噴霧を拡散させ、均質な混合気を形成することで、排ガス、燃費、およびドラビリを向上することができる。
また、噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ閉弁時期を進角補正して吸気バルブ開弁時期の遅角化時の圧縮行程での空気および燃料の吹き戻しを抑制することで、吸気バルブ開弁時期遅角化による均質混合気形成の効果を最大限にすることができる。
また、燃料噴射時期が吸気行程初期である場合にのみ噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ開弁時期を遅角補正することで、燃料噴射時期が吸気行程初期である場合にのみ顕著に発生する燃料噴霧形状の偏向を抑制することができ、吸気バルブ開弁時期補正制御精度を向上することができる。
本発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る制御装置により制御される内燃機関のシステム構成図である。 スワール流動の強さを強弱に変化したときの燃料噴射直後の燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。 スワール流動の強さを強弱に変化したときの燃料噴射直後の燃料噴霧形状を排気側から視た図である。 スワール流動の強さを強弱に変化したときの燃料噴射から所定の時間経過した時の燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。 本発明の実施の形態1に係るECUの吸気流速演算手段、噴霧偏向度合推定手段、吸気バルブ開弁時期補正手段、吸気バルブ閉弁時期補正手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態1に係る制御装置で制御に用いる吸気流速と噴霧偏向度合の特性を示したマップである。 本発明の実施の形態1に係る均質燃焼モード制御およびスワール流動が制御されたときの吸気バルブ開弁時期および吸気バルブ閉弁時期の補正を行う挙動を示すタイミングチャート図である。 本発明の実施の形態2に係る内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。 スワール流動の強さを強にして吸気行程の初期と中期で燃料を噴射した直後での燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。 スワール流動の強さを強にして吸気行程の初期と中期で燃料を噴射した直後での燃料噴霧形状を排気側から視た図である。 スワール流動の強さを強にして吸気行程の初期と中期で燃料を噴射してから所定の時間経過した時の燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。 均質燃焼モード制御およびスワール流動制御時において、吸気流速とスワール比の関係を示す図である。 本発明の実施の形態2に係るECUの吸気流速演算手段、噴霧偏向度合推定手段、吸気バルブ開弁時期補正手段、吸気バルブ閉弁時期補正手段、燃料噴射時期判定手段の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施の形態2に係る均質燃焼モード制御およびスワール流動が制御されたときに、燃料噴射時期が所定のタイミングよりも進角側である場合にのみ吸気バルブ開弁時期および吸気バルブ閉弁時期の補正を行う挙動を示すタイミングチャート図である。
以下、本発明の内燃機関の制御装置の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。尚、各図において同一、または相当する部材、部位については、同一符号を付して説明する。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るエンジンは、均質燃焼モードで運転されており、燃料は吸気行程初期で噴射されている。均質燃焼モード運転時において、吸気バルブが開弁している間にスワール流動によって燃料噴霧が流されて起こる噴霧偏向の度合を予め推定し、噴霧偏り度合推定値に応じて吸気バルブの開弁時期を遅角補正する。
図1は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。り、後述するエンジン制御用電子コントロールユニットに各手段が記憶されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置により制御される内燃機関のシステム構成図であり、一般的にエンジンには、複数のシリンダ2が設けられているが、図2では、そのうちの1つのシリンダ2について説明する。
エンジン1は、図2に示すように、筒状のシリンダ2が設けられている。シリンダ2の軸線方向に往復自在なピストン3が設けられており、ピストン3の頂面には成層燃焼モード時におけるシリンダ2の上部への成層混合気を形成のために皿状に窪んだキャビティ4が形成されている。これらシリンダ2とピストン3によって、燃料と空気との混合気が燃焼する燃焼室5が形成されている。
また、ピストン3の往復運動を回転運動に変換するクランク軸6が設けられており、クランク軸6の回転角度(クランク角)を検出するようなクランク角センサ7が設けられている。
また、シリンダ2には、エンジン1を冷却するための冷却水(図示せず)の温度に応じた電圧を出カする水温センサ8が設けられている。
シリンダ2内(以下「筒内」と称す)に空気を吸入する吸気マニホールド9と、燃焼室5内で混合気が燃焼して生成された排気ガスを排出する排気マニホールド10とがシリンダ2に接続されている。
また、シリンダ2には、燃焼室5と吸気マニホールド9との間を開閉する吸気バルブ11と、燃焼室5と排気マニホールド10との間を開閉する排気バルブ12とがそれぞれ2つ(図2では1つずつのみ図示)が取り付けられている。
適切な開弁時期および適切なリフト量で吸気バルブ11および排気バルブ12をそれぞれ制御するために、吸気バルブ11および排気バルブ12の上部それぞれに、吸気可変バルブ機構13と排気可変バルブ機構14が設置されている。
シリンダ2の頂部には、適切なタイミングで筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁15が取り付けられている。また、シリンダ2の頂部には、燃焼室5に形成された混合気に火花点火する点火プラグ16が取り付けられており、点火プラグ16に高電圧を供給する点火コイル17が取り付けられている。
吸気マニホールド9には、2つあるうちの片方の吸気バルブ11に通じる吸気マニホールド9の流路の少なくとも一部を閉塞するスワール流動制御バルブ18が取り付けられている。
また、スワール流動制御バルブ18には、バルブの開度に応じた電圧を出カするセンサが含まれている。ここで、スワール流動制御バルブ18は、バルブの開度が小さくなれば、吸気マニホールド9の閉塞領域が拡大するよう取り付けられている。スワール流動制御バルブ18の開度を小さくし、吸気マニホールド9における閉塞領域が拡大した場合、スワール流動制御バルブ18が設置された方の吸気マニホールド9からシリンダ2へ流入する空気量が減少するため、シリンダ2には偏流が生じ、筒内にスワール流動が形成される。
吸気マニホールド9の上流側には、燃焼室5に吸入される空気を一時的に溜めるサージタンク19が接続されており、サージタンク19の上流側には、スロットルバルブ20が配置されている。
また、スロットルバルブ20の下流側には、ブースト圧に応じた電圧を出力するブースト圧センサ21が配置されている。
排気マニホールド10の下流側には、排気ガス中の有害物質を取り除く触媒装置22が接続されており、触媒装置22の下流側には、排気ガスを外部に排気するテールパイプ23が接続されている。
また、排気マニホールド10には、排気ガスの空燃比を検出する空燃比センサ(図示せず)が配置されている。
エンジン制御用電子コントロールユニット(以下、「ECU」と称す)24は、演算処理をするCPU、プログラムや固定値データを記憶するROM、格納されているデータを更新して順次書き換えられるRAM、およびECU24の電源が切られても格納されているデータを保持するバックアップRAMを有するマイクロコンピュータ(図示せず)と、アクチュエータ駆動のための駆動回路(図示せず)と、各種信号の入出力を行うI/Oインターフェース(図示せず)とで構成されている。
ECU24のメモリには、吸気流速演算手段25、噴霧偏向度合推定手段26、吸気バルブ開弁時期補正手段27、吸気バルブ閉弁時期補正手段28に関わるプログラムがソフトウェアとして記憶されている。
また、ECU24には、水温センサ8、ブースト圧センサ21、スワール流動制御バルブ18からの電圧出力値がA/D変換されて入カされ、これらA/D変換された各出カ値は、それぞれ冷却水温TW、ブースト圧Pb、スワール流動制御バルブ開度SCVとして上記各手段での演算に用いられる。
また、ECU24には、クランク角センサ7の信号が割り込み入力されて、ECU24に内蔵されたタイマーとクランク角センサ7の信号とからエンジン回転数NEが演算される。
吸気流速演算手段25は、吸気バルブ11が開弁する前のタイミングで演算され、スワール流動制御バルブ開度SCV、吸入空気量Qa、吸気バルブリフト量IVL、および基本吸気バルブ開弁時期IVOに基づいて、スワール流動制御バルブが設置されていない方の吸気マニホールド9から吸気バルブ11を通過して筒内に吸入される流速(バルブ通過流速)を表す吸気流速Vが推定演算される。
噴霧偏向度合推定手段26は、吸気バルブ11が開弁する前のタイミングで演算され、吸気流速Vに応じて予め設定されて一意に決定する噴霧偏向度合Dの特性を用いて噴霧偏向度合Dが演算される。
ここで、本実施の形態1における後述する吸気バルブ開弁時期補正手段27を適用していない場合において、スワール流動制御時に噴射された燃料噴霧がどのように偏向して拡散するのかを、図3〜図5に示すスワール流動制御による燃料噴霧の偏向現象を用いて説明する。
図3は、スワール流動の強さを強(b)弱(a)に変化したときの燃料噴射直後の燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。図4は、スワール流動の強さを強(b)弱(a)に変化したときの燃料噴射直後の燃料噴霧形状を排気側から視た図である。図5は、スワール流動の強さを強(b)弱(a)に変化したときの燃料噴射から所定の時間経過した時の燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。なお、図3〜図5において、(a)は、弱いスワール流動が形成される運転状態およびスワール流動制御である場合、(b)は、強いスワール流動が形成される運転状態およびスワール流動制御である場合の燃料噴霧の形状を図示している。また、説明を簡略化するため、図3〜図5において図示している網掛け部分は、燃料噴霧の主な拡散位置および形状を現しているが、実際には網掛け部分以外にも若干の燃料噴霧は拡散している。
通常、均質燃焼モード時には吸気バルブ開弁直後(吸気行程初期)のタイミングで燃料が噴射される。図3(a)において、スワール流動が弱い場合(例えば、エンジン回転数および負荷が低いとき)には、吸気マニホールド9が閉塞されていない方の吸気バルブ11を通過する流速は低いため、Aのように、吸気バルブ開弁直後に筒内中央から噴射された燃料噴霧は偏流によって若干筒内中央から流される。よって、所定の時間経過後の図5(a)では、筒内中央から若干距離があるところにおいて燃料噴霧が拡散し、その後スワール流動により筒内円周を周回しながら筒内壁面への燃料噴霧および混合気の拡散が進む。
一方、図3(b)のスワール流動が強い場合(例えば、エンジン回転数および負荷が高いとき)には、閉塞されていない方の吸気バルブ11を通過する流速が高いため、Bのように、吸気バルブ開弁直後に筒内中央から噴射された燃料噴霧は強い偏流によって筒内中央から筒内壁面へと流される。よって、所定の時間経過後の図5(b)では、筒内壁面近傍において多くの燃料噴霧が拡散するが、筒内中央への噴霧拡散が少なく、強いスワール流動によって筒内壁面近傍での燃料噴霧および混合気の拡散は素早くなるものの、筒内中央へは燃料噴霧および混合気の拡散が非常に弱くなる。
これら図3〜図5の現象に基づいて、吸気流速Vに応じた噴霧偏向度合Dの特性が予め記憶されている。
吸気バルブ開弁時期補正手段27は、吸気バルブ11が開弁する前のタイミングで、噴霧偏向度合Dに基づいて吸気バルブ開弁時期補正量IVOが演算され、吸気バルブ基本開弁時期IVOに対し吸気バルブ開弁時期補正量IVO分遅角側となるよう補正して吸気バルブ開弁時期IVOが演算される。
吸気バルブ閉弁時期補正手段28は、吸気バルブ11が開弁する前のタイミングで、噴霧偏向度合Dに基づいて吸気バルブ閉弁時期補正量IVCが演算され、吸気バルブ基本閉弁時期IVCに対し吸気バルブ閉弁時期補正量IVC分遅角側となるよう補正して吸気バルブ閉弁時期IVCが演算される。
以下、上記構成の内燃機関の制御装置において、均質燃焼モード時のスワール流動制御中において、吸気流速Vを演算し、噴霧偏向度合Dを推定し、吸気バルブ開弁時期IVOおよび吸気バルブ閉弁時期IVCを補正する動作について説明する。
まず、図6のフローチャートを参照しながら、吸気流速Vを演算し、噴霧偏向度合Dを推定し、吸気バルブ開弁時期IVOおよび吸気バルブ閉弁時期IVCを補正する動作を説明する。なお、この動作は、ECU24において所定クランク角度毎に割り込んで実行される割り込みルーチン内のサブルーチンとして実行される。また、所定クランク角度毎に割り込んで実行される割り込みルーチン内のサブルーチンとして実行されるが、所定時間周期のメインルーチン内のサブルーチンとして実行されても良い。
まず、S101においてエンジン制御が均質燃焼モードであるかを判定する。均質燃焼モードは、例えばエンジンの始動時や高負荷運転時などに条件が成立するものである。
S101において均質燃焼モードが成立していないと判定された場合、S102で初期化処理が実行される。S102の初期化処理は、吸気流速V、噴霧偏向度合D、吸気バルブ開弁時期補正量IVO、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCにそれぞれ0を入力する。さらに、式(1)、式(2)のように吸気バルブ開弁時期IVOに吸気バルブ基本開弁時期IVOを、吸気バルブ閉弁時期IVCに吸気バルブ基本閉弁時期IVCを入力する。なお、吸気バルブ基本開弁時期IVOおよび吸気バルブ基本閉弁時期IVCは、式(3)、式(4)のようにエンジン回転数NEとブースト圧Pbで一意に決定する運転状態に応じて予め設定されているマップを参照して更新される。
IVO=IVO・・・(1)
IVC=IVC・・・(2)
IVO=map(NE,Pb)・・・(3)
IVC=map(NE,Pb)・・・(4)
S102の初期化処理が終了すると、サブルーチンを終了する。
S101において均質燃焼モードが成立していると判定された場合、S103でスワール流動制御条件が成立しているか否か判定される。スワール流動制御条件は、エンジン回転数NEが予め設定された所定値以下であり、スロットル開度が予め設定された所定値以下であり、水温TWが予め設定された所定値以下である場合に条件が成立するものである。
S103においてスワール流動制御条件が成立していないと判定された場合、S102で初期化処理が実行され、サブルーチンを終了する。
S103においてスワール流動制御条件が成立していると判定された場合、S104において、吸気バルブ補正量演算タイミングであるかを判定する。吸気バルブ補正量演算タイミングは、所定気筒における吸気バルブ開弁前のタイミングとして予め設定されている。
S104において吸気バルブ補正量演算タイミングが成立していないと判定された場合、サブルーチンを終了する。
S104において吸気バルブ補正量演算タイミングが成立していると判定された場合、S105で吸気流速Vを演算する。この吸気流速Vは、吸気バルブ開弁時期補正手段27を用いていない場合の、スワール流動制御バルブが設置されていない方の吸気バルブ通過流速を示す値である。吸気流速Vは、式(5)のように、吸入空気量Qa、バルブ開口面積A、スワール流動制御バルブ開度SCV、および予め設定してある重み付け係数Kより演算される。
=Qa/A/SCV×K・・・(5)
ここで、式(5)の吸入空気量Qaは、式(6)のように、エンジン回転数NEとブースト圧Pbを乗算することによって演算される。なお、吸入空気量Qaは式(6)のように演算されるものに限らず、例えば吸気マニホールド9を通過する空気量を検出するセンサの出力値を用いて演算しても良い。
Qa=NE×Pb・・・(6)
式(5)のバルブ開口面積Aは、式(7)のように、吸気バルブリフト量IVLに応じて予め設定されているマップを参照して更新される。吸気バルブリフト量IVLは、吸気バルブ11の開弁中にバルブ開口面積が最大となるリフト量の値であり、式(8)のように、例えばエンジン回転数NEとブースト圧Pbで一意に決定する運転状態に応じて予め設定されているマップを参照して更新される。
=map(IVL)・・・(7)
IVL=map(NE,Pb)・・・(8)
なお、式(7)において、バルブ開口面積Aは、吸気バルブ11の開弁中にバルブ開口面積が最大となるリフト量の値である吸気バルブリフト量IVLに応じたものとしているが、これに限ったものではなく、例えば吸気バルブ11の開弁中における吸気流速が最大となる近傍のタイミングのリフト量に応じたものとしても良い。
また、式(8)の吸気バルブリフト量IVLの演算方法はこれに限ったものではなく、吸気バルブ11に取り付けて吸気バルブ11のリフト量を検出するセンサの出力値により演算することなどでも求めることができる。
また、式(5)のバルブ開口面積Aは、式(7)のようにマップを用いて演算されているが、これに限ったものではなく、吸気バルブリフト量IVLから幾何学的に求めるようにしても良い。
なお、スワール流動制御バルブ開度SCVは、吸気マニホールド9の閉塞領域が拡大するほど値が小さくなるものであり、重み付け係数Kは、空気密度と相関関係のある値である。
このS105で規定される手順が吸気流速演算手段25に相当する。
次に、S106において、噴霧偏向度合Dを演算する。噴霧偏向度合Dは、吸気バルブが基本開弁時期で開弁された場合において、吸気バルブ開弁中に噴射された燃料噴霧がどれだけ偏向するかを表すものであり、式(9)のように吸気流速Vに応じて予め記憶してあるマップを参照して演算される。
=map(V)・・・(9)
図7は、吸気流速Vに応じた噴霧偏向度合Dを演算するために予め記憶してあるマップであり、噴霧偏向度合Dが0であれば噴霧は全く偏向せずに筒内中央に拡散し、1であれば噴霧は大きく偏向してほとんどの噴霧が筒内壁面に流されるような状態を表している。
吸気流速Vが低ければ、吸気流動よりも噴霧の勢いが強いため噴霧が流され難く、噴霧偏向度合Dは0に近い値となる。吸気流速Vが強くなると、噴霧の勢いよりも吸気流動が強くなり、噴霧が筒内壁面へと流され始めることから、噴霧偏向度合Dは除々に大きな値となる。吸気流速Vが非常に強くなると、ほぼ全ての噴霧が筒内壁面に流されるため、噴霧偏向度合Dはほぼ1となる。
このS106で規定される手順が噴霧偏向度合推定手段26に相当する。
次に、図6のS107において、吸気バルブ開弁時期補正量IVOを演算し補正を行う。吸気バルブ開弁時期補正量IVOは、式(10)のように噴霧偏向度合Dと予め設定してある吸気バルブ開弁時期補正係数KVOを乗算して演算される。さらに、式(11)のように、演算された吸気バルブ開弁時期補正量IVOを吸気バルブ基本開弁時期IVOに加算して吸気バルブ開弁時期IVOを遅角側に補正する。
なお、本実施の形態1では、吸気バルブ開弁時期補正量IVOには正の値が入っており、吸気バルブ開弁時期IVOが増加すると遅角されるものとしている。また、吸気バルブ基本開弁時期IVOは、前述の式(3)を用いてS107において更新されても良いし、S102で更新された値を用いても良い。
IVO=D×KVO・・・(10)
IVO=IVO+IVO・・・(11)
この吸気バルブ開弁時期IVOとなるよう吸気バルブは制御される。
本実施の形態1において、吸気バルブ開弁時期補正量IVOを演算されるとき、固定値である吸気バルブ開弁時期補正係数KVOを用いて演算されているが、これに限ったものではなく、例えば、式(12)のように、エンジン回転数およびブースト圧の運転状態に応じて複数の吸気バルブ開弁時期補正係数KVOを予め設定しているマップを用いることでも良い。このマップは、各運転状態に対して過度な吸気バルブ開弁時期補正量IVOとならないような吸気バルブ開弁時期補正係数KVOが設定されたものであり、例えば、高回転時では吸気バルブが開弁できる時間が短いために吸気バルブ開弁時期補正量IVOを大きな値とすることができないことから、高回転域には小さい値がマップに設定されている。
IVO=D×map(NE,Pb)・・・(12)
このS107で規定される手順が吸気バルブ開弁時期補正手段27に相当する。
S108では、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCを演算し補正を行う。ここで、吸気バルブ閉弁時期補正の意図を説明する。例えば、S107において吸気バルブ開弁時期補正量IVO分吸気バルブ開弁時期が遅角補正された場合、吸気バルブの開閉が遅角側へシフトすることとなる。即ち、吸気バルブ閉弁時期も開弁時期補正量IVO分遅角されることとなるため、吸気バルブ開弁時期補正量IVOおよび吸気バルブの開閉プロフィールによっては、圧縮行程時においても吸気バルブが開弁状態となり、吸気行程で筒内に吸入された空気や吸気バルブ開弁時期遅角化によって噴霧偏向が抑制されて筒内全体に均等に拡散している噴霧および混合気が吸気マニホールド9へ吹き戻されてしまう可能性があるため、吸気バルブ開弁時期遅角化による混合気均質化向上の効果が最大限に得られない可能性がある。そこで、吸気バルブの閉弁時期を進角側に補正することで圧縮行程での吸気ポートへの吹き戻しを抑制し、吸気バルブ開弁時期遅角化による混合気均質化向上の効果を最大限に得られるようにする。
S108において、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCは、式(13)のように噴霧偏向度合Dと予め設定してある吸気バルブ閉弁時期補正係数KVCを乗算して演算される。さらに、式(14)のように、吸気バルブ基本閉弁時期IVCにS107で演算された吸気バルブ開弁時期補正量IVOを加算したものに対して、演算された吸気バルブ閉弁時期補正量IVCを加算して吸気バルブ閉弁時期IVCを進角側に補正する。
なお、本実施例では、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCには負の値が入っており、吸気バルブ閉弁時期IVCが減少すると進角されるものとしている。また、吸気バルブ基本閉弁時期IVCは、前述の式(4)を用いてS108において更新されても良いし、S102で更新された値を用いても良い。
IVC=D×KVC・・・(13)
IVC=IVC+IVO+IVC・・・(14)
この吸気バルブ閉弁時期IVCとなるよう吸気バルブは制御される。
なお、本実施の形態1において、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCを演算するとき、固定値である吸気バルブ閉弁時期補正係数KVCを用いて演算しているが、これに限ったものではなく、例えば、式(15)のように、エンジン回転数およびブースト圧の運転状態に応じて複数の吸気バルブ閉弁時期補正係数KVCを予め設定しているマップを用いることでも良い。
このマップは、各運転状態に対して過度な吸気バルブ閉弁時期補正量IVCとならないような吸気バルブ閉弁時期補正係数KVCが設定されたものであり、例えば、高回転時では吸気バルブが開弁できる時間が短いために吸気バルブ閉弁時期補正量IVCを大きな値とすることができないことから、高回転域には小さい値がマップに設定されている。
IVC=D×map(NE,Pb)・・・(15)
また、本実施の形態1において、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCを演算して吸気バルブ閉弁時期を進角補正しているが、これに限ったものではない。例えば、式(16)、式(17)のように、吸気バルブ作用角(吸気バルブが開弁してから閉弁するまでの期間)補正量IVAを噴霧偏向度合Dと予め設定してある吸気バルブ閉弁時期補正係数KVCを乗算し、吸気バルブ作用角IVAが減少するよう吸気バルブ基本作用角IVAに減算して補正を行い、吸気バルブ作用角IVAとなるよう吸気バルブが制御されるものとしても良い。
なお、吸気バルブ基本作用角IVAは、式(18)ように例えばエンジン回転数NEとブースト圧Pbで一意に決定する運転状態に応じて予め設定されているマップを参照して更新される。
IVA=D×KVC・・・(16)
IVA=IVA−IVA・・・(17)
IVA=map(NE,Pb)・・・(18)
このS108で規定される手順が吸気バルブ閉弁時期補正手段28に相当する。
S107において吸気バルブ開弁時期が補正され、S108において吸気バルブ閉弁時期が補正されたあと、本サブルーチンを終了する。
以上説明した実施の形態1に係る制御装置において均質燃焼モード制御時およびスワール流動制御時に、吸気流速を演算し、噴霧偏向度合を推定し、吸気バルブ開弁時期および吸気バルブ閉弁時期を補正する実行例を図8のタイミングチャートを用いて説明する。図8は、その説明を簡略化するために、一つのシリンダ2(単気筒)で動作している場合の図を示している。
最初においては、均質燃焼モードが成立しているが、スワール流動制御が成立していないため、吸気流速V、噴霧偏向度合D、吸気バルブ開弁時期補正量IVO、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCは初期値の0となっている。そのため、吸気バルブは、Aのようにエンジン回転数NEとブースト圧Pbよりマップを参照して演算される吸気バルブ基本開弁時期IVO、吸気バルブ閉弁時期IVCとなるよう制御される。ここではスワール流動制御が成立しておらず、1つの筒内において複数ある吸気ポートから均等に空気が吸入されるため、吸気行程初期の燃料噴射タイミングと吸気バルブが開弁した直後の実吸気流速が最大値となるタイミングが重なっていても、燃料噴霧は大きく偏向することなく筒内中央に拡散し、圧縮行程において除々に筒内全体に拡散して均質な混合気が形成される。
あるタイミングにおいてスワール流動制御が成立したとき、吸気バルブ補正量演算タイミング(1)において吸気流速Vが演算され、演算された吸気流速Vに応じた噴霧偏向度合Dを元に吸気バルブ開弁時期補正量IVO、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCが演算されて吸気バルブ開閉時期にそれぞれ遅角および進角補正される。
そのため、吸気バルブは、Bのように吸気バルブ開弁時期はAの開弁時期よりも遅角側となる。これにより、吸気行程初期の燃料噴射タイミングは実吸気流速が最大となるタイミングとならず、スワール流動制御時においても一方の吸気ポートから流入する空気の流れに流されること無く燃料が噴射されるため、燃料噴霧は、燃料噴射直後において筒内中央付近に拡散している形状を維持したまま、スワール流動により筒内円周方向の流れに沿って筒内全体に素早く拡散することとなる。
また、吸気バルブ閉弁時期はAの閉弁時期よりも進角側となると同時に、吸気可変バルブ機構13では、吸気バルブ作用角に応じて一意に決まる吸気バルブリフト量も減少される。これにより、吸気バルブ開弁時期がAよりも遅角しても圧縮行程における吹き戻しがなく、且つ吸気バルブ開弁時の強い吸気流動により吸入空気量を低下させることがない。
さらに、エンジン回転数や負荷が変化して吸気流速が高くなった場合、吸気バルブ補正量演算タイミング(2)において吸気流速Vが演算され、吸気バルブ補正量演算タイミング(1)の時に演算された吸気流速Vよりも大きい値となる。
吸気流速Vに応じた噴霧偏向度合Dを元に吸気バルブ開弁時期補正量IVO、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCが演算されて吸気バルブ開閉時期にそれぞれ遅角および進角補正される。そのため、吸気バルブは、Cのように吸気バルブ開弁時期はBの開弁時期よりもさらに遅角側となる。これにより、吸気行程初期の燃料噴射タイミングは実吸気流速がほとんどないタイミングとなるため、一方の吸気ポートから流入する非常に強い空気の流れに流されること無く燃料が噴射される。
燃料噴射が終了してから強い吸気流動により強いスワール流動が形成されるため、燃料噴霧は、燃料噴射直後において筒内中央付近に拡散している形状を維持したまま、強いスワール流動により筒内円周方向の流れに沿って筒内全体に素早く拡散することとなる。
また、吸気バルブ閉弁時期を進角、吸気バルブリフト量を低減することで、圧縮行程における吹き戻しがなく、且つ吸気バルブ開弁時のさらに強い吸気流動により吸入空気量を低下させることがない。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置によれば、均質燃焼モード制御時およびスワール流動制御時において、吸気バルブを通過する吸気流速に応じて燃料噴射中の燃料噴霧の偏向度合を推定して吸気バルブ開弁中に燃料が噴射される際の筒内壁面方向に流されて燃料噴霧形状が偏向する現象およびその度合を予め予測し、噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ開弁時期を遅角補正して燃料噴霧形状の偏向を抑制することで、筒内全体に均等に噴霧を拡散させ、均質な混合気を形成することで、排ガス、燃費、およびドラビリを向上することができる。
また、噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ閉弁時期を進角補正して吸気バルブ開弁時期の遅角化時の圧縮行程での空気および燃料の吹き戻しを抑制することで、吸気バルブ開弁時期遅角化による均質混合気形成の効果を最大限にすることができる。
実施の形態2.
実施の形態1においては、燃料噴射時期は吸気行程初期であったが、実施の形態2においては、燃料噴射時期が変化した場合にそれを判定し、燃料噴射時期が吸気行程初期である場合にのみ、吸気バルブの開弁時期遅角補正、吸気バルブの閉弁時期の進角補正、および吸気バルブリフト量低下をそれぞれ実行する。
図9は、本発明の実施の形態2に係る内燃機関の制御装置の構成を示すブロック図である。
ECU24に吸気流速演算手段25、噴霧偏向度合推定手段26、吸気バルブ開弁時期補正手段27、吸気バルブ閉弁時期補正手段28、燃料噴射時期判定手段29に関わるプログラムが記憶され、読み出したプログラムの命令に従ってCPUにて演算を行うことにより上述の各手段が実行される。なお、本発明の実施の形態2に係る内燃機関の制御装置により制御される内燃機関のシステム全体を示す構成図は、実施の形態1に係る内燃機関の制御装置と同様、図2である。
また、ECU24に記憶されている吸気流速演算手段25、噴霧偏向度合推定手段26、吸気バルブ開弁時期補正手段27、吸気バルブ閉弁時期補正手段28に関わるプログラムは、実施の形態1と同様である。
燃料噴射時期判定手段29は、燃料噴射時期が予め設定してある吸気流速最大時期Tよりも進角側であるかどうかを判定し、吸気流速最大時期Tよりも進角側である場合にのみ、吸気流速演算手段25、噴霧偏向度合推定手段26、吸気バルブ開弁時期補正手段27を実行する。
ここで、実施の形態1に係る吸気バルブ開弁時期補正手段27を適用していない場合において、燃料噴射時期が異なるとスワール流動制御時に噴射された燃料噴霧がどのように変化するのかを、図10〜図12に示すスワール流動制御による燃料噴霧の偏向現象を用いて説明する。
図10は、スワール流動の強さを強くしている場合での吸気行程の初期(b)または中期(c)に燃料を噴射した直後の燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。図11は、スワール流動の強さを強くしている場合での吸気行程の初期(b)または中期(c)に燃料を噴射した直後の燃料噴霧形状を排気側から視た図である。図12は、スワール流動の強さを強くしている場合での吸気行程の初期(b)または中期(c)に燃料を噴射してから所定の時間経過した時の燃料噴霧形状を筒内上部から視た図である。なお、説明を簡略化するため、図10〜図12において図示している網掛け部分は、燃料噴霧の主な拡散位置および形状を現している。実際には網掛け部分以外にも若干の燃料噴霧は拡散している。
吸気行程初期噴射においてスワール流動が強い場合には、燃料噴霧は強い偏流によって筒内中央から筒内壁面へと流されて筒内中央への燃料噴霧および混合気の拡散が非常に弱くなる現象を実施の形態1において説明しているので、その詳しい説明は省略する。
図10の(c)では、吸気行程中期で燃料噴射されている。例えば、エンジンが冷機時などにおいて、混合気拡散時間よりも筒内壁面やピストンへの燃料付着による排ガス悪化が非常に懸念される運転状態において、燃料噴霧とピストンの距離がある程度離れた位置となる吸気行程中期に燃料が噴射されている。
吸気行程中期に燃料が噴射された場合には、燃料噴射時において既に筒内にスワール流動が形成されているため、Cのように、燃料噴霧は筒内中央のスワール流動により噴射直後から筒内円周方向に周回し始め、Bのように吸気行程初期で噴射された噴霧よりも筒内壁面へと流されない。よって、所定時間経過後の図12の(c)では、筒内中央への噴霧拡散が多く、強いスワール流動によって燃料噴霧および混合気の拡散は素早くなる。
さらに、図13において、スワール流動制御時に噴射された燃料噴霧が流されて偏向する燃料噴射時期を説明する。図13は、本実施の形態2における吸気バルブ開弁時期補正手段27を適用していない場合において、スワール流動制御時における吸気バルブリフト量、吸気流速、および筒内のスワール比を示したものである。
吸気バルブが開弁し始め、吸気流速が急速に高まるTからTの期間においては、スワール比が上昇しており、筒内におけるスワール流動が高まる期間である。即ち、この時点では、スワール流動制御バルブが設置されていない方の吸気バルブからの吸入空気によって、筒内壁面へと向かい、筒内壁面に沿うような偏流は形成されているものの、筒内全体を周回するような横渦のスワール流動は未形成(もしくは非常に弱い)状態となる。
よって、TからTのタイミングにおいて燃料が噴射されると、筒内壁面へと向かい、筒内壁面に沿うような偏流によって燃料噴霧が流されて偏向してしまう。一方、吸気流速およびスワール比が最大となるTのタイミング以降で燃料が噴射されると、既に筒内全体を周回するようなスワール流動が形成されているため、燃料噴霧は筒内中央から筒内壁面へと多量に流されることがない。
これら図10〜図13の現象に基づいて、燃料噴霧が偏向する現象が発生する最遅角側のタイミング(図13のTのタイミング)である吸気流速最大時期Tが予め記憶されている。
以下、図14のフローチャートを参照しながらこの発明の実施の形態2に係る動作について詳細に説明する。なお、実施の形態1と同様の動作については、説明を省略する。
S104において吸気バルブ補正量演算タイミングが成立していると判定された場合、S201で燃料噴射時期が予め記憶してある吸気流速最大時期Tよりも進角側であるかどうかを判定する。
なお、本実施の形態2においては、吸気流速最大時期Tを固定値としているが、これに限ったものではなく、例えばエンジン回転数NEとブースト圧Pbのマップに予め記憶してある値を参照して更新するものでも良い。
また、図13より、吸気流速が最大となるタイミングはスワール比が最大となるタイミングとほぼ同じであることから、センサや演算により求められたスワール比が最大となるタイミングを吸気流速最大時期Tとして与えても良い。
S201において燃料噴射時期が予め記憶してある吸気流速最大時期Tよりも進角側でない(遅角側である)場合には、S102の初期化処理を行う。
S201において燃料噴射時期が予め記憶してある吸気流速最大時期Tよりも進角側である(遅角側でない)場合には、S105に進む。
このS201に規定される手順が燃料噴射時期判定手段29に相当する。
以上説明した実施の形態2の均質燃焼モード制御時およびスワール流動制御時に、所定のタイミングよりも進角側で燃料が噴射される場合にのみ、吸気流速を演算し、噴霧偏向度合を推定し、吸気バルブ開弁時期および吸気バルブ閉弁時期を補正する実行例を図15のタイミングチャートを用いて説明する。図15は、その説明を簡略化するために、一つのシリンダ2(単気筒)で動作している場合の図を示している。また、図15のBの吸気バルブ制御までの動作は図8のBの吸気バルブ制御までの動作と同様のため説明を省略する。
吸気バルブ制御補正量演算タイミング(2)の直前において、燃料噴射時期が吸気行程初期から吸気行程中期へと遅角されており、吸気流速最大時期Tよりも遅角側の燃料噴射時期となっている。よって、均質燃焼モードおよびスワール流動制御がそれぞれ成立していようとも、吸気バルブ制御補正量演算タイミング(2)において、吸気流速V、噴霧偏向度合D、吸気バルブ開弁時期補正量IVO、吸気バルブ閉弁時期補正量IVCは初期値の0となり、Cのように補正がされていない吸気バルブ制御が実行される。
この発明の実施の形態2に係る内燃機関の制御装置によれば、均質燃焼モード制御時およびスワール流動制御時において、吸気バルブを通過する吸気流速に応じて燃料噴射中の燃料噴霧の偏向度合を推定して吸気バルブ開弁中に燃料が噴射される際の筒内壁面方向に流されて燃料噴霧形状が偏向する現象およびその度合を予め予測し、噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ開弁時期を遅角補正して燃料噴霧形状の偏向を抑制することで、筒内全体に均等に噴霧を拡散させ、均質な混合気を形成することで、排ガス、燃費、およびドラビリを向上することができる。
また、噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ閉弁時期を進角補正して吸気バルブ開弁時期の遅角化時の圧縮行程での空気および燃料の吹き戻しを抑制することで、吸気バルブ開弁時期遅角化による均質混合気形成の効果を最大限にすることができる。
さらに、燃料噴射時期が吸気行程初期である場合にのみ噴霧偏向度合に応じて吸気バルブ開弁時期を遅角補正することで、燃料噴射時期が吸気行程初期である場合にのみ顕著に発生する燃料噴霧形状の偏向を抑制することができ、吸気バルブ開弁時期補正制御精度を向上することができる。
1 エンジン、2 筒内、3 ピストン、4 キャビティ、5 燃焼室、6 クランク軸、7 クランク角センサ、8 水温センサ、9 吸気マニホールド、10 排気マニホールド、11 吸気バルブ、12 排気バルブ、13 吸気可変バルブ機構、14 排気可変バルブ機構、15 燃料噴射弁、16 点火プラグ、17 点火コイル、18 スワール流動制御バルブ、19 サージタンク、20 スロットルバルブ、21 ブースト圧センサ、22 触媒装置、23 テールパイプ、24 ECU、25 吸気流速演算手段、26 噴霧偏向度合推定手段、27 吸気バルブ開弁時期補正手段、28 吸気バルブ閉弁時期補正手段、29 燃料噴射時期判定手段。
この発明に係る内燃機関の制御装置は、内燃機関の筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、前記内燃機関の吸気バルブの開弁時期を可変調節する可変バルブタイミング機構と、前記内燃機関の筒内にスワール流動を形成させるよう吸気ポートの片方に設置されているスワール流動制御バルブと、前記内燃機関の吸気バルブを通過する吸気の流速を演算する吸気流速演算手段と、前記スワール流動制御バルブによってスワール流動が制御されており、且つ吸気バルブが開弁している間に燃料を噴射する場合において、吸気流動の偏流によって燃料噴射直後の燃料噴霧が流されて偏向する度合を、前記吸気流速に応じて推定する噴霧偏向度合推定手段と、推定された噴霧偏向度合と予め設定された吸気バルブ開弁時期補正係数とを乗算して得られる吸気バルブ開弁時期補正量に応じて、吸気バルブ開弁時期を遅角側に補正する吸気バルブ開弁時期補正手段とを備える。
また、この発明に係る内燃機関の制御装置は、推定された噴霧偏向度合と予め設定された吸気バルブ閉弁時期補正係数とを乗算して得られる吸気バルブ閉弁時期補正量に応じて、吸気バルブ閉弁時期を進角側に補正する吸気バルブ閉弁時期補正手段と、前記燃料噴射弁から燃料が噴射される時期が予め設定された所定の時期よりも進角側であるかを判定する燃料噴射時期判定手段とを備える。

Claims (3)

  1. 内燃機関の筒内に直接燃料を噴射する燃料噴射弁と、
    前記内燃機関の吸気バルブの開弁時期を可変調節する可変バルブタイミング機構と、
    前記内燃機関の筒内にスワール流動を形成させるよう吸気ポートの片方に設置されているスワール流動制御バルブと、
    前記内燃機関の吸気バルブを通過する吸気の流速を演算する吸気流速演算手段と、
    前記スワール流動制御バルブによってスワール流動が制御されており、且つ吸気バルブが開弁している間に燃料を噴射する場合において、吸気流動の偏流によって燃料噴射直後の燃料噴霧が流されて偏向する度合を、前記吸気流速に応じて推定する噴霧偏向度合推定手段と、
    推定された噴霧偏向度合に応じて、吸気バルブ開弁時期を遅角側に補正する吸気バルブ開弁時期補正手段と
    を備えることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関の吸気バルブの開閉時期およびリフト量を可変調節する可変バルブ機構と、
    推定された噴霧偏向度合に応じて、吸気バルブ閉弁時期を進角側に補正する吸気バルブ閉弁時期補正手段と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記燃料噴射弁から燃料が噴射される時期が、予め設定された所定の時期よりも進角側であるかを判定する燃料噴射時期判定手段と、
    前記燃料噴射時期判定手段おいて所定の時期よりも進角側であると判定された場合にのみ、前記吸気バルブ開弁時期補正手段または前記吸気バルブ閉弁時期補正手段の少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の内燃機関の制御装置。
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