JP2012222773A - コンデンサマイクロホンユニットおよびコンデンサマイクロホン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】振動板ホルダ4に周縁部が取り付けられた振動板8と、電気絶縁性のスペーサ5を介して前記振動板と所定の間隔をもって対向するように配置された金属素材による固定電極6とが具備され、前記振動板の背面空間が閉塞されて無指向性コンデンサマイクロホンユニットが構成される。前記固定電極6における前記スペーサ5に接する部分には、前記振動板と固定電極との間の背面空間が外部と連通するようにエッチング加工により有底凹状の溝部16aが形成され、前記溝部16aと前記スペーサ5との間で形成される連通部を、圧力等価用の音響抵抗として利用する。
【選択図】図1
Description
この構成により、マイクロホンユニットにおける振動板の向きや角度に関係なく音の大きさだけに反応する無指向性のマイクロホンが得られる。
コンデンサマイクロホンユニットは、音波により振動する振動板と固定電極(背面電極)とを所定間隔の空気層を介して対向させたコンデンサ要素を有し、このコンデンサ要素はユニットケース1内において組み立てられている。
なお、前記絶縁座7の後面には蓋体10が気密状態で取り付けられており、前記絶縁座7の適宜の位置に穿設された連通孔7aを介して、絶縁座7と固定電極6との間、および絶縁座7と蓋体10との間に、それぞれ空気室11が形成されている。
この空気室11は、図8および図9には示されていないが、前記固定電極6に形成された連通孔(音孔)を介して振動板8の背面空間と接続されている。
なお、前記ロックリング12は、ユニットケース1と同じく例えば真鍮などの金属素材により成形されている。
高い音響抵抗を安定に得るためには細い管(キャピラリーチューブ)、あるいは平板で挟まれた薄空気層抵抗が用いられる。これらはいずれも高いインピーダンスを得るためには微細加工が必要であり、相応の加工精度を維持するためにコストアップは免れない。
なお、図10〜図12においては、すでに説明した図8および図9に示す各部と同一の機能を果たす部分を同一符号で示しており、したがってその詳細な説明は省略する。
その特徴とするところが図12に拡大して示されており、図11に示す拡大断面図は前記スペーサ5における切除部5aを含む部分について示したものである。
このメッシュ状スペーサ14は、前記したとおりメッシュ状に加工されることにより通気性を持ち、かつリング状に構成されている。
これにより、振動板8と固定電極6との間の背面空間は、図11に破線の矢印で示すように前記スペーサ5の切除部5aを介して、ユニットケース1の内周面側に連通し、さらにユニットケース1の内周面と振動板ホルダ4の外周縁との隙間を介して、前記メッシュ状スペーサ14側に連通し、外部と接続されている。
これによると、フィルム状の振動板の厚さが2μm前後で薄いことから、特に無指向性コンデンサマイクロホンに前記特許文献2に開示の手段を適用しようとした場合、無指向性コンデンサマイクロホンに必要な極めて高い音響抵抗を得ることが困難であるという課題がある。
すなわち、前記エッチング加工によると深さが極めて浅い溝部を精度よく形成することが可能であり、特に無指向性コンデンサマイクロホンに必要な圧力等価用の極めて高い音響抵抗を安定的に得ることができるコンデンサマイクロホンユニットおよびコンデンサマイクロホンを提供することを課題とするものである。
したがって、低域の集音限界を適切に設定することができると共に、溝部の加工寸法の安定性が良いことから、安定した音響抵抗を構成することができ、これにより集音限界周波数の個体差を防止することができる。
加えて、この実施の形態においては、固定電極6の外周縁と同心円状にエッチング加工により有底凹状の環状溝部16cが形成され、この環状溝部16cの一部において前記直線状の溝部16aが連通した状態になされている。
このように素材の片面のみにエッチング加工を施す手段をハーフエッチング加工とも呼んでいる。
前記固定電極6におけるスペーサ5が接する部分は、前記したハーフエッチング加工により形成された溝部16a,16cと、これを覆う前記スペーサ5とによって実線の矢印で示されたように連通部が形成される。
この場合、溝部16a,16cは、前記したハーフエッチング加工により、エッチングの深さが5μm前後の極めて浅い有底凹状の溝部になされ、この溝部は精度よく形成することができ、かつその長さや幅を任意に設定することができる。
したがって、前記連通部は無指向性マイクロホンユニットの圧力等価用の音響抵抗として効果的に機能させることができる。
この場合、図2に拡大して示したとおり、溝部16a,16cで構成される圧力等価用の連通部は、ユニットケース1の内周面側に連通し、さらに破線の矢印で示すようにユニットケース1の内周面と振動板ホルダ4の外周縁との隙間を介して、図11に示した例と同様にメッシュ状スペーサ14側に連通して外部と接続される。
この第2の形態においては、固定電極6における前記スペーサ5によって覆われる位置に、環状の溝部16cが形成されている。また前記環状の溝部16cにおける180度対向する位置に、第1の溝部16aおよび第2の溝部16bが形成されている。
すなわち、前記第1の溝部16aは前記環状の溝部16cに連通し、固定電極6の外側に向かうように構成され、前記第2の溝部16bは前記環状の溝部16cに連通し、固定電極6の内側に向かうように構成されている。
そして、環状の溝部16cは前記したリング状のスペーサ5によって覆われるので、環状の溝部16cの全周にわたって圧力等価用の音響抵抗を構成することができる。
前記第1の溝部16aは、実線の矢印で示したように前記環状の溝部16cを外部と連通させる機能を果たし、180度対向する位置における前記第2の溝部16bは、実線の矢印で示したように前記振動板8と固定電極6との間の背面空間を、前記環状の溝部16cに連通させるように機能する。
そして、図5および図6に示す第2の形態においても、図1に示したようにユニットケース1内に装着されて、前記コンデンサマイクロホンユニットが形成される。
前記マイクロホンユニット1は、円筒状の本体ケース21に対してねじ込みにより取り付けられて図7(A)に正面図、図7(B)に側面図で示した外観構成になされる。
2 音導入孔
3 フロントメッシュ
4 振動板ホルダ
5 スペーサ
6 固定電極
6a 連通孔(音孔)
7 絶縁座
7a 連通孔
8 振動板
9 引出電極ロッド
10 蓋体
11 空気室
12 ロックリング
14 メッシュ状スペーサ
16a 第1の溝部
16b 第2の溝部
16c 環状の溝部
21 本体ケース(マイクロホンケース)
22 支持部材
23 出力コネクタ
24 回路基板
Claims (4)
- 振動板ホルダに周縁部が取り付けられた振動板と、電気絶縁性のスペーサを介して前記振動板と所定の間隔をもって対向するように配置された金属素材による固定電極とが具備され、前記振動板の背面空間が閉塞されてなる無指向性コンデンサマイクロホンユニットであって、前記固定電極における前記スペーサに接する部分には、前記振動板と固定電極との間の背面空間が外部と連通するようにエッチング加工により有底凹状の溝部が形成され、前記溝部と前記スペーサとの間で形成される連通部を、圧力等価用の音響抵抗としたことを特徴とするコンデンサマイクロホンユニット。
- 前記固定電極には、前記振動板の配置側とその反対面との間を連通させる連通孔が備えられ、前記固定電極における振動板の配置側とは反対面において、前記連通孔を介して閉塞された空気室を形成し、当該空気室を含めて前記振動板の背面空間を構成したことを特徴とする請求項1に記載されたコンデンサマイクロホンユニット。
- 前記固定電極にエッチング加工により形成される有底凹状の溝部は、前記スペーサによって覆われる位置に形成された環状の溝部と、前記環状の溝部における180度対向する位置に形成されて前記環状の溝部より外側に向かう第1の溝部および前記環状の溝部より内側に向かう第2の溝部より構成され、前記第1の溝部が前記環状の溝部と外部とを連通するように構成され、前記第2の溝部が前記環状の溝部と振動板の背面空間とを連通するように構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載されたコンデンサマイクロホンユニット。
- 前記請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載されたコンデンサマイクロホンユニットを、マイクロホンケースに取り付けたことを特徴とするコンデンサマイクロホン。
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