JP2012222046A - 有機デバイス用電極シート、有機デバイスモジュールおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】支持基材および有機半導体としての機能を兼ね備えるとともに、耐湿性、耐酸素透過性、柔軟性、低抵抗性および量産性に優れ、切断するだけで有機デバイス素子を高い形状自由度で損傷なく与えることが可能な有機デバイス用電極シートの提供。
【解決手段】金属箔12と、金属箔上に互いに離間して設けられた複数の有機半導体層14とを備えてなる、有機デバイス用電極シート10。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属箔を用いた有機デバイス用電極シートに関する。また、本発明は、有機デバイス用電極シートを用いた、有機EL素子、有機太陽電池等の有機デバイスモジュールおよびその製造方法にも関する。
太陽電池には、主として、シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池および有機系太陽電池の3種類がある。その中で、有機太陽電池、特に有機薄膜型および色素増感型の有機太陽電池には、軽量かつフレキシブルであり、製造エネルギーおよび製造コストが低いという利点がある。
有機太陽電池の利点の一つとして、プロセス温度を低くできることが挙げられる。このため、ポリイミド(PI)やポリエチレンテレフタレート(PET)といった樹脂フィルムを基板として使用することでき、それにより薄くフレキシブルな有機太陽電池の作製が可能となる。
しかしながら、有機太陽電池の多くは水および酸素に活性であるため、水や酸素が存在する環境下で特性が低下するという問題がある。これに対処するため、耐湿性の低いPIやPETフィルム上に有機太陽電池を直接積層せずに、SiNx、SiOx、SiON等の無機絶縁膜で被覆した上で有機太陽電池の活性層を積層する必要があり、製造コストの増大を招く。
そこで、現在では、ガラス基板上に有機太陽電池を形成することが主流となっている。ガラス基板は、耐湿性および耐酸素透過性において高い信頼性がある半面、フレキシブル性に乏しいことから、ガラス基板上に形成された有機太陽電池は、フレキシブルである有機太陽電池の利点を活かせていないのが現実である。フレキシブル性を得るべく薄いガラス板を有機太陽電池の基板として用いたとしても、ガラスは、欠けや割れなどが生じやすく、それらは望ましくないパーティクルとなるため、有機太陽電池の量産性を確保することは困難である。また、ガラスは自由に形状を変えることが難しいため、基本的に四角形の場合が多く、形状を自由に選択することができない。
また、有機太陽電池は、所望の電圧を確保するために、複数のセルを電気的に直列に接続する構造となっている。したがって、同一基板上に、複数のセルと、それらを電気的に直列接続する複数の配線とを形成するために、フォトリソグラフィ工程が必要となる。このため、製造プロセスが複雑化し、製造コストの増大を招く。その上、直列接続された複数のセルの中に不良セルが1つでも存在すると、有機太陽電池全体の特性が悪化するという懸念もある。
例えば、特許文献1には、基板の上に複数の光電子デバイスが設けられた光電子デバイスモジュールが開示されている。
特表2008−529281号公報
本発明者らは、今般、金属箔上に有機半導体層を設けることで、支持基材および有機半導体としての機能を兼ね備えるとともに、耐湿性、耐酸素透過性、柔軟性および低抵抗性に優れ、ロール・トゥ・ロール・プロセスでの量産にも適した、有機デバイス用電極シートが得られるとの知見を得た。しかも、複数の有機半導体層を金属箔上に互いに離間して設けることで、有機半導体層を損傷させることなく高い形状自由度で所望の有機デバイス素子ごとに切断することができ、それにより、フォトリソグラフィ工程を要することなく互いに直列接続可能な複数の有機デバイス素子を簡便に得ることができる。さらには、有機デバイス素子ごとに切断可能なため、不良素子を事前に除去することもできる。
したがって、本発明の目的は、支持基材および有機半導体としての機能を兼ね備えるとともに、耐湿性、耐酸素透過性、柔軟性、低抵抗性および量産性に優れ、切断するだけで所望の有機デバイス素子を高い形状自由度で損傷なく与えることが可能な有機デバイス用電極シート、ならびにこれを用いた有機デバイスモジュールおよびその製造方法を提供することにある。
本発明の一態様によれば、
金属箔と、
前記金属箔上に互いに離間して設けられた複数の有機半導体層と
を備えてなる、有機デバイス用電極シートが提供される。
本発明の別の態様によれば、上記電極シートを前記有機半導体層の離間部分で切断して得た複数の有機デバイス素子を絶縁性基板上に備える、有機デバイスモジュールが提供される。
本発明にさらに別の態様によれば、上記電極シートを前記有機半導体層の離間部分で切断することにより、複数の有機デバイス素子を形成し、
前記複数の有機デバイス素子を絶縁性基板に配置する、
有機デバイスモジュールの製造方法が提供される。
本発明による電極シートの一例を示す模式断面図である。 本発明による電極シートの他の一例を示す模式断面図である。 本発明による電極シートの製造工程の一例を示す模式図である。 本発明による電極シートを用いた有機デバイスモジュールの一例を示す模式図である。 本発明による電極シートを用いた有機デバイスモジュールを構成するセルの一例を示す模式図である。 本発明による電極シートの一例を示す模式断面図である。
電極シート
図1に本発明による電極シート10の一例の模式断面図を示す。図1に示される電極シート10は、金属箔12と、金属箔12上に直接設けられたバッファ層13と、互いに離間してバッファ層13上に直接設けられた複数の有機半導体層14と、隣り合う各有機半導体層14の間に設けられた層間絶縁膜19と、有機半導体層14の表面を覆うように設けられた対向電極16と、対向電極16の表面を覆うように設けられた封止材17とを備えてなる。また、図2に本発明による電極シート10の他の一例の模式断面図を示す。図2に示される電極シート10は、金属箔12とバッファ層13との間に反射層18をさらに備えたこと以外は、図1に示される電極シート10と同様の構成を有する。
すなわち、図1および図2に示される電極シート10は、金属箔12、所望により反射層18、バッファ層13、有機半導体層14と、対向電極16および封止材17を備えた5層または6層構成であるが、本発明の電極シートはこれに限定されるものではなく、例えば、金属箔12および有機半導体層14の2層構成、金属箔12、バッファ層13および有機半導体層14の3層構成、金属箔12、バッファ層13、有機半導体層14および対向電極16の4層構成等、様々な形態をとることができる。さらに、所望により対向電極16と封止材17との間に封止膜を形成してもよい。これらのいずれの形態においても、金属箔12と有機半導体層14は直接的または間接的に電気的に接触可能とされており、それにより金属箔12は支持基材としてのみならず電極としての機能を発揮することが保証される。ここで、直接的な電気的接触は金属箔12上に有機半導体層14を直接設けることにより実現されるものである一方、間接的な電気的接触は金属箔12上にバッファ層13や反射層18等の他の機能層を介して有機半導体層14と電気的に接触可能にされることにより実現される。なお、図1および図2は、本実施形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは、以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
図1および図2に示されるように、複数の有機半導体層14は、金属箔12上に互いに離間して設けられており、隣り合う有機半導体層14の距離は、切断加工に必要な距離(例えば切断刃が有機半導体層14に損傷を与えることなく離間部分を通過する距離)が確保されていれば良く、特に限定されない。さらに、この有機半導体層14の表面の形状は、四角形、円形等に自由に選択することができ、ストライプ状、マトリックス状、島状等の様々なパターンで形成されてよい。この電極シート10を有機太陽電池の構成部材として用いる場合、一般的に受光部となる有機半導体層10の表面積が広くなると発電効率は低下することから、各有機半導体層10の表面積は、5mm角程度とすることが好ましい。
対向電極16は、1つないしは複数の有機半導体層14の表面を覆うように設けられ、1つの対向電極16が覆う有機半導体層14の数は適宜選択することができる。また、有機デバイスモジュールの作製のために、対向電極16の端部には、有機半導体層14に接触しないように、対向電極16と電気的に接続された取り出し電極が設けられることが好ましい。この場合、対向電極16の上に設けられる封止材17は、有機半導体層14上の対向電極16を覆い、かつ、対向電極16の端部にある引き出し電極を露出させるように設けられることが好ましい。
金属箔12は、支持基材としての強度および電極として必要な電気的特性を有する箔状金属材料であれば特に限定されない。好ましい金属箔12は、加工時に発生する粒子状物の帯磁による付着を防止できる観点から、非磁性金属箔である。非磁性金属の好ましい例としては、銅、アルミニウム、非磁性ステンレス、チタン、タンタル、モリブデン等が挙げられ、より好ましくは銅、アルミニウムおよび非磁性ステンレスである。最も好ましい金属箔は銅箔である。銅箔は比較的安価でありながら、強度、フレキシブル性、耐湿性、耐酸素透過性、電気的特性等に優れる。さらに、銅箔は、長波長の光の反射率は高く、反射膜、特に電極シート10を太陽電池として用いた場合には、反射膜として好ましい特性を有する。
バッファ層13としてグラフェンを用いる場合には、銅、ニッケルおよび鉄は、グラフェンを形成させる際の触媒として作用するため、金属箔12としてこれらの金属箔を用いることが好ましい。さらに、銅は、グラフェン形成の際に、他の金属と比べて炭素イオンの拡散が起こりにくいという特性を有することから、金属箔12として銅箔を用いることがより好ましい。
有機半導体層14等が設けられる金属箔12の表面12aは、10.0nm以下の算術平均粗さRaを有する超平坦面とするのが好ましく、より好ましくは7.0nm以下、さらに好ましくは5.0nm以下、最も好ましくは3.0nm以下である。算術平均粗さRaの下限は特に限定されずゼロであってもよいが、平坦化処理の効率を考慮すると0.5nmが下限値の目安として挙げられる。この算術平均粗さRaは、JIS B 0601−2001に準拠して市販の粗さ測定装置を用いて測定することができる。
有機半導体層14等が積層されるため、金属箔12の表面12aが最表面でない場合の金属箔表面12aの算術平均粗さRaの評価は、電極シート10の表面からFIB(Focused Ion Beam)加工にて断面を作製し、その断面を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察することにより行うことができる。
本発明者の知るかぎり、このような超平坦表面12aを有する金属箔12(特に銅箔)は今まで工業的に製造されておらず、ましてやそれを有機EL素子または有機太陽電池等の有機デバイスを構成する部材として応用しようとする試みは今までなされていなかった。表面を平坦化した銅箔は市販されているが、このような銅箔の平坦化レベルは有機デバイスの構成部材としては不十分なものであり、表面の凹凸に起因して対向する電極間で短絡を起こしてしまい、所望の特性が得られないおそれがある。これに対し、金属箔12の超平坦面12aの算術平均粗さRaが、上記のように極めて小さいと、有機デバイスの構成部材として用いても電極間で起こりうる短絡を効果的に防止できる。
このような超平坦面12aは、CMP(Chemical Mechanical Polishing)処理により金属箔12を研磨することにより実現することができる。CMP処理は、公知の研磨液および公知の研磨パッドを用いて、公知の条件に従って行うことができる。好ましい研磨液としては、セリア、シリカ、アルミナ、ジルコニア等から選択される1種以上の研磨砥粒約0.5〜2重量%程度を含んでなり、かつ、ベンゾトリアゾール(BTA)等の酸化剤と、さらに/または、キナルシン酸、キノリン酸、ニコチン酸等の有機錯体形成剤と、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤等の界面活性剤と、所望により防食剤とをさらに含むものが挙げられる。好ましい研磨パッドとしては、ウレタン製のパッドが挙げられる。研磨条件は、パッド回転速度、ワーク荷重、研磨液塗布流量等を適宜調整すればよく特に限定されないが、回転速度を20〜1000rpmの範囲内に、ワーク荷重を100〜500gf/cmの範囲内に、研磨液塗布流量を20〜200cc/min範囲内に調整するのが好ましい。
超平坦面12aは、電解研磨法、バフ研磨法、薬液研磨法およびこれらの組み合わせ等を用いて金属箔12を研磨することによっても実現することができる。薬液研磨法は、薬液、薬液温度、薬液浸漬時間等を適宜調整して行えばよく特に限定されないが、例えば、銅箔の薬液研磨は、2−アミノエタノールと塩化アンモニウムとの混合物を使用することにより行うことができる。薬液温度は室温が好ましく、浸漬法(Dip法)を用いるのが好ましい。また、薬液浸漬時間は、長くなると平坦性が悪化する傾向があるため、10〜120秒間が好ましく、30〜90秒間がより好ましい。薬液研磨後の金属箔12は流水により洗浄されるのが好ましい。このような平坦化処理によれば、Ra算術平均粗さRa12nm程度の表面をRa10.0nmまたはそれ以下の程度にまで平坦化することができる。
超平坦面12aは、金属箔12の表面をブラストにより研磨する方法や、金属箔12の表面をレーザー、抵抗加熱、ランプ加熱等の手法により溶融させた後に急冷させる方法等によっても実現することもできる。また、金属箔12として、銅、ニッケル、クロムのようにメッキが可能な金属箔を用いた場合には、転写法を用いて超平坦面を実現することもできる。転写法は、公知の手法および公知の条件に基づいて行えばよい。例えば、電解研磨法およびバフ研磨法を用いて、SUS、チタン等の電極板の表面を算術平均粗さRaが10.0nm以下になるよう平坦化しておく。この平坦化された電極板の表面に金属箔12の材料をめっきし、所望の厚さに達した時点で金属箔12の材料を電極板より剥離する。こうして金属箔12の剥離面に電極板表面の平坦性を転写させることで、超平坦面12aを実現することができる。
金属箔12の厚さは、フレキシブル性を損なうことなく、箔として単独でハンドリングが可能な厚さである限り特に限定されないが、1〜200μm、好ましくは10〜150μm、より好ましくは20〜100μmである。このような厚さであれば、市販の裁断機を用いて簡単に切断することが可能である。電極シート10は、金属箔12をベースとして用いているため、四角形以外の形状、例えば、円形、三角形、多角形といった様々な形状とすることができ、さらに、切断の際、ガラス基板と異なり、割れ、欠け等の問題が無く、切断時のパーティクルが発生しづらい等の利点も有する。
超平坦面12aはアルカリ溶液で洗浄することが好ましい。そのようなアルカリ溶液としては、アンモニアを含有した溶液、水酸化ナトリウム溶液、水酸化カリウム溶液等の公知のアルカリ溶液が使用可能である。好ましいアルカリ溶液はアンモニアを含有した溶液であり、より好ましくはアンモニアを含有した有機系アルカリ溶液、さらに好ましくはテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)溶液である。TMAH溶液の好ましい濃度は0.1〜3.0wt%である。そのような洗浄の一例としては、0.4%TMAH溶液を用いて23℃で1分間の洗浄を行うことが挙げられる。このようなアルカリ溶液による洗浄と併せて、または、アルカリ溶液による洗浄の代わりに、UV(Ultra Violet)処理を行っても同様の洗浄効果を得ることができる。さらに、銅箔等の場合、希硫酸等の酸性洗浄液を用いて、銅表面に形成されうる酸化物を除去することも可能である。酸洗浄の一例としては、希硫酸を用いて30秒間の洗浄を行うことが挙げられる。
有機半導体層14等の成膜前に、超平坦面12a上に存在するパーティクルを除去することが好ましい。有効なパーティクル除去の手法としては、超純水によるソニック洗浄法やドライアイスブラスト法等が挙げられるが、ドライアイスブラスト法がより効果的である。ドライアイスブラスト法は、高圧に圧縮した炭酸ガスを細いノズルから噴射させることにより、低温固化した炭酸を超平坦面12aに吹き付けてパーティクルを除去する方法である。このドライアイスブラスト法は、ウェット工程とは異なり、乾燥工程を省くことができ、また有機物の除去ができる等の利点を有する。ドライアイスブラスト法は、例えばドライアイススノーシステム(エアウォーター社製)等の市販の装置を用いて行うことができる。
所望により金属箔12上にはバッファ層13を設けることができる。バッファ層13は、有機太陽電池または有機EL素子において有機半導体層14と接触して正孔注入効率、電子注入効率等を向上させ、所望の仕事関数を与えるものであれば特に限定されない。もっとも、本発明におけるバッファ層13は、金属箔12を反射層として機能させる観点から、透明または半透明であるのが好ましい。
バッファ層13は、導電性炭素材料膜、導電性酸化物膜、マグネシウム系合金膜およびフッ化物膜から選択される少なくとも一種であるのが好ましく、アノードまたはカソードといった適用用途および要求される特性に応じて適宜選択すればよい。
導電性炭素材料膜としては、グラフェン膜、または水素濃度や不純物濃度を制御することにより導電性が付与された種々の非晶質炭素膜が使用可能である。
グラフェン膜としては、好ましくは5層以下、より好ましくは3層以下であり、さらに好ましくは1層であるグラフェンからなる積層膜を用いることができる。グラフェンを形成する方法は、μ波を利用したCVD(Chemical Vaper Deposition)や、熱(高温)CVD、エタノール中で高電圧を印加する液層プラズマにより生成する方法等、種々の公知技術を使用することが出来る。例えば、金属箔12を1000℃に加熱し、CH/H=25/10sccmの流量にて、0.5torrの圧力になるようにした状態で30分放置した後、0.1torrの圧力下の水素雰囲気中で10℃/secの速度で冷却を行うことにより、グラフェン膜を得ることができる。なお、グラフェン膜の形成の確認は、一般的にラマンスペクトルを測定することにより行う。詳細には、測定されるラマンスペクトルにおいて、2DバンドとGバンドの比が1以上になるものが望ましい。
このように金属箔12上にバッファ層13としてグラフェン膜を設けた場合には、先に述べたように、ニッケル箔、鉄箔および銅箔といった、グラフェン膜を形成する際の触媒として機能する金属材料からなる金属箔12を用いることが好ましい。さらに、銅箔を用いることがより好ましい。銅箔は比較的安価でありながら、強度、フレキシブル性、耐湿性、耐酸素透過性および電気的特性に優れ、加えて、グラフェン膜の形成の際に、他の金属と比べて炭素イオンの拡散が起こりにくいという特性を有する。
また、上述のごとく極めて小さな算術平均粗さRaを有する金属箔12の超平坦面12a上に、バッファ層13としてグラフェン膜を形成することにより、結晶連続性の高いグラフェン膜、すなわち、高い伝導性を有するグラフェン膜を得ることができる。
導電性非晶質炭素膜の形成は、スパッタリング法によって行われるのが好ましい。スパッタリングに用いるカーボンターゲットとしては、純化処理を施した物を使用することが望ましい。また、多孔質のカーボンに、B、Si、AlまたはCuを含浸させたものを使用することも可能である。導電性非晶質炭素膜をバッファ層13として用いる場合には、反射層18として、アルミニウム膜、アルミニウム系合金膜、銀膜および銀系合金膜のいずれも適するが、平坦性および材料コストを考慮するとアルミニウム合金が好ましい。
好ましい導電性非晶質炭素膜は、水素濃度が15at%以下である導電性非晶質炭素で構成される。より好ましい水素濃度は12at%以下であり、さらに好ましくは5at%以下である。なお、水素濃度の下限は特に限定されずゼロであってもよいが、スパッタリング時の成膜環境等に起因する水素の不可避的混入を考慮すると3at%が下限値の目安として挙げられる。なお、バッファ層13中の水素濃度の測定は公知の各種方法により行うことができるが、HFS(水素前方散乱:Hydrogen Forward Scattering)により行われるのが好ましい。本明細書において、導電性非晶質炭素膜中の水素濃度は、HFS等で炭素および水素を定量し、これらの原子数の合計を100at%としたときの水素濃度として定義される。このように水素濃度を極めて低くすることにより、バッファ層13を構成する炭素が水素で終端されることによる導電性の低下ないし絶縁性の発現を回避して、電極としての高い導電性をバッファ層13に持たせることができる。したがって、導電性非晶質炭素には炭素および水素以外の不純物が実質的にドープされていないのが好ましい。ここで「実質的にドープされていない」とは何らかの機能を付与するために不純物が意図的にドープされていないとの意味であり、スパッタリング時の成膜環境等に起因して不可避的に混入される不純物は許容される。このような観点から、本発明において導電性非晶質炭素は、0〜300wtppmの酸素濃度、0〜1000wtppmのハロゲン元素濃度、0〜500wtppmの窒素濃度を有するのが好ましい。バッファ層13の膜厚は特に限定されないが3〜30nmであるのが好ましく、より好ましくは3〜15nmであり、さらに好ましくは5〜10nmである。
好ましい導電性酸化物膜としてはInO、SnO、ZnO、MoO、GaO、VO、WO、RuO、AlO、TiOおよびGeOからなる群から選ばれる1種または2種以上で構成される膜が挙げられ、典型例としてはITO(インジウム錫酸化物)やIZO(インジウム亜鉛酸化物)が挙げられる。導電性酸化物膜の形成は、スパッタリング法、真空蒸着法等の公知の手法によって行えばよく、好ましくはDCマグネトロンスパッタリング法により行われる。スパッタリング法に用いられるターゲット材は、ホットプレス法やコールドプレス法により作製可能であるため、上記酸化物を適宜組み合わせて所望の特性が得られるようにすることが可能である。導電性酸化物膜をバッファ層として用いる場合には、反射層としては、Al−Ni系合金、Ag、またはAg系合金が特に適する。
好ましいマグネシウム系合金膜としては、MgにAg、Al、Zn、Li、YおよびCaから選択される1種以上が添加された合金で構成される膜が挙げられる。マグネシウム系合金膜の形成はスパッタリング法、真空蒸着法等の公知の手法によって行えばよく、好ましくは真空蒸着法により行われる。
好ましいフッ化物膜としては、LiF、MgF、CaF、AlF、NaAlFおよびNaFから選択される1種以上で構成される膜が挙げられる。フッ化物膜の形成はスパッタリング法、真空蒸着法等の公知の手法によって行えばよく、好ましくは真空蒸着法により行われる。
前述のとおり、本発明の電極シート10においては超平坦な金属箔12にバッファ層13が形成されるため、バッファ層13の表面においても算術平均粗さRaを小さくして高い平坦性を実現できる。これにより、過度な凹凸の発生に起因する金属箔12と対向電極16との間における短絡のリスクを低減することができる。また、バッファ層13の表面の凹凸による影響を排除すべく有機半導体層14を厚く設ける必要がないので、有機半導体層14を従来以上に薄くすることができる。その結果、極めて高価な有機原料の使用量を減らして製造コストを低減することができる。
所望により、金属箔12とバッファ層13との間には、反射層18が設けられる。反射層18は、アルミニウム、アルミニウム系合金、銀および銀系合金からなる群から選択される少なくとも一種で構成されるのが好ましい。これらの材料は、光の反射率が高いため反射層に適しており、しかも薄膜化した際の平坦性にも優れる。特に、アルミニウムまたはアルミニウム系合金は安価な材料であることから好ましい。アルミニウム系合金および銀系合金としては、有機太陽電池、有機EL素子等のデバイスにおいてアノードまたはカソードとして使用される一般的な合金組成を有するものが幅広く採用可能である。好ましいアルミニウム系合金組成の例としては、Al−Ni、Al−Cu、Al−Ag、Al−Ce、Al−Zn、Al−B、Al−Ta、Al−Nd、Al−Si、Al−La、Al−Co、Al−Ge、Al−Fe、Al−Li、Al−Mg、Al−Mn合金が挙げられる。これらの合金を構成する元素であれば、必要な特性に合わせて任意に組み合わせることが可能である。また、好ましい銀合金組成の例としては、Ag−Pd、Ag−Cu、Ag−Al、Ag−Zn、Ag−Mg、Ag−Mn、Ag−Cr、Ag−Ti、Ag−Ta、Ag−Co、Ag−Si、Ag−Ge、Ag−Li、Ag−B、Ag−Pt、Ag−Fe、Ag−Nd、Ag−La、Ag−Ce合金が挙げられる。これらの合金を構成する元素であれば、必要な特性に合わせて任意に組み合わせることが可能である。反射層18の膜厚は特に限定されるものではないが、50〜500nmの厚さを有するのが好ましく、より好ましくは100〜300nmである。
本発明の好ましい態様によれば、有機半導体層14として、有機太陽電池に使用される公知の種々の有機半導体層構成が使用可能であり、波長2000nm〜250nm範囲の光を受光することで電位差が生じて電流が得られる有機半導体層が好ましい。例えば、有機半導体層14として、金属箔12上に、正孔輸送層(PEDOT:PSS(30nm))、発電層(例えばPCBM(フラーレン誘導体)とP3HT(ポリ(3−ヘキシルチオフェン))の複合膜)を順次積層させることができる。これらの各層を構成する材料としては公知の材料を適宜使用することができ、特に限定されない。また、有機半導体層14の厚さは、電極間の短絡が発生を防止し、かつ、十分に光を吸収して発電効率が向上させるために、50nm以上1000nm以下とするのが好ましく、好ましくは100nmから800nm、より好ましくは200nmから500nmである。
本発明の別の好ましい態様によれば、有機半導体層14として、有機EL素子に使用される公知の種々のEL層構成が使用可能であり、有機半導体層14として、所望により正孔注入層および/または正孔輸送層、発光層、ならびに所望により電子輸送層および/または電子注入層を、を順次積層させることができる。正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層および電子注入層としては、それぞれ公知の種々の構成ないし組成の層が適宜使用可能であり特に限定されるものではない。
有機半導体層14上に設けられる対向電極16は、光を透過する必要があるため、半透明金属層、透明酸化物層により形成することが好ましい。特に好ましい対向電極16は、マグネシウム系合金膜および/またはフッ化物膜からなるバッファ層としての半透過金属層に、導電性酸化物膜からなるカソード層としての透明酸化物層を積層させた2層構造であり、抵抗の観点からも実用性が高い。この場合、対向電極16の半透過金属層(バッファ層)側を有機半導体層14と接触させて用いることにより、高い光透過性と低い仕事関数がもたらされ、例えば、太陽電池において用いる場合には、発電効率を向上することができる。最も好ましい例としては、Mg−Agからなる半透過金属層(バッファ層)とIZO(インジウム亜鉛酸化物)からなる透明酸化物層(カソード層)とが積層されてなるカソード構造体や、Al−Liからなる半透過金属層(バッファ層)とAgからなる半透過金属層(カソード層)とが積層されてなるカソード構造体が挙げられる。また、対向電極16は、2層以上の透明酸化物層および/または2層以上の半透過金属層を備えるものであってもよい。
対向電極16の端部に設けられる引き出し電極は、対向電極16と同じ材料で構成してもよいし、対向電極16の材料に適合する導電性材料の中から適宜選択して構成してもよい。引き出し電極は、対向電極16と一体のものとして対向電極16と同時に形成してもよいし、対向電極16とは別に形成してもよい。
対向電極16の上には封止材17が設けられ、封止材17と対向電極16との間には封止用樹脂が充填されて封止膜を形成することができる。封止材17としては、ガラスや有機物からなるフィルムを用いることができる。ガラスの場合は、封止膜上に疎水性粘着テープを用いて直接接着することができる。フィルムの場合は、両面および端面をSi系絶縁膜で被覆して用いることが可能である。将来的にバリア性の高いフィルムが開発された場合には、被覆処理を行うことなく封止することが可能となり、量産性に優れたものになることが予想される。封止材17としては、フレキシブル性を付与する観点からはフィルムの方が望ましいが、厚さ20〜100μmの非常に薄いガラスにフィルムを接着させた封止材を使用して所望の性能を得ることも可能である。さらに、封止膜として、樹脂、窒化ケイ素を用いることができる。
金属箔12上に設けられた隣り合う有機半導体層14の間には、層間絶縁膜19を設けることができる。層間絶縁膜19として、公知の種々の層間絶縁膜を用いることが可能であるが、CVD成膜したSi系絶縁膜が、有機半導体層を劣化させる原因となる水分および酸素に対するバリア性が高いことから好ましく、より好ましくはSiN系絶縁膜である。さらに好ましい層間絶縁膜は、膜の内部応力が小さく、屈曲性に優れる点で、SiNO系絶縁膜である。また、ポリイミド等の樹脂を層間絶縁膜19として用いることも可能であり、材料、プロセスコストおよび切断の容易性を考慮すると、今後、耐湿性および密閉性が高い樹脂が開発された場合、樹脂系絶縁膜を用いることが好ましい。さらに、これらの膜を適宜組み合わせてもよい。
本発明による電極シート10は、金属箔12をベースとしているため、支持基材を特に必要とすることなく、例えばロール・トゥ・ロール(roll−to−roll)プロセスによって効率的に製造することができる。図3に示されるように、ロール・トゥ・ロールプロセスにより、金属箔12上に、有機半導体層14や、図1または図2に示されるように対向電極16等を例えばストライプ状もしくはマトリックス状に形成することができる。なお、金属箔12上の有機半導体層14等の配置は、図3に示されるものに限定されることなく、自由に金属箔12上に配置することができる。
本発明による電極シート10は、各種有機デバイス(特にフレキシブル発光または発電デバイス)の構成部材として好ましく用いることができる。そのような有機デバイスの例としては、有機EL素子、有機EL照明、有機ELディスプレイ、電子ペーパー、薄膜太陽電池、液晶ディスプレイ、無機EL素子、無機ELディスプレイ、LED照明、LEDディスプレイが挙げられるが、好ましくは有機EL素子、有機EL照明、有機ELディスプレイ、有機太陽電池、色素増感太陽電池である。すなわち、本発明における電極シート10において、金属箔12上に積層させる有機半導体層14の種類を公知の技術に従い適宜選択することにより、有機デバイスを有機EL素子および有機太陽電池のいずれにも構成することが可能となる。
有機デバイスモジュール
図4に、本発明の電極シート10を構成部材として用いた、有機太陽電池用有機デバイスモジュール30の一例を示す。図4は、本実施形態の説明とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは、以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。
この有機太陽電池モジュール30は、本発明の電極シート10を有機半導体層14の離間部分で切断して得た有機デバイス素子としての複数のセル20を絶縁性基板25に配置して、配線21によりセル20を互いに電気的に接続したものである。
図5に示されるように、有機デバイス素子としての各セル20は、市販の切断機を用いて電極シート10を有機半導体層14の離間部分で切断することにより得られる。先に述べたように、電極シート10は簡単に切断することが可能であることから、図4および図5に示されるような四角形のセル20に限定されることなく、セル20は、例えば、円形、三角形、多角形といった様々な形状とすることができる。さらに、各セル20が有する有機半導体層14の数は、図5に示されるような1つまたは3つに限定されるものではなく、所望の電流密度を確保するために、適宜選択されてよい。また、電極シート10の切断の際は、水、酸素等が外部から入り込んで有機半導体層14を劣化させるのを避けるため、端面に有機半導体層14が露出しないようにすることが好ましい。
絶縁性基板25としては、少なくともその表面が絶縁性である基板であれば特に限定されず、例えば、樹脂材料や、1mm程度の厚さを有するガラスであってもよい。絶縁性基板25はフレキシブル性を有するのが好ましい。さらに、コストや製造の観点からは、絶縁性基板25としては、樹脂フィルムを用いることが好ましい。このような樹脂フィルムの例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルニトリル(PEN)が挙げられる。
絶縁性基板25に配置された各セル20は、配線21を用いて互いに電気的に接続することができる。有機太陽電池として用いる場合には、各セル20を電気的に直列に接続することにより、所望の電圧を得ることができる。配線21としては、導電性ペースト、電線、プリント配線等を用いることができる。なお、セル20間の接続形式は上記のような直列接続に限定されるものではなく、有機デバイスモジュール30の使用用途により、さまざまな接続形式にすることができる。
本発明による電極シート10を用いた有機デバイスモジュール30は、電極シート10を切断して得たセル20を用いて作製するため、フォトリソグラフィ工程を必要としない。したがって、製造プロセスが複雑になり、ひいては製造コストが高くなることを避けることができる。さらに、複数のセル20ごとに切断した後に、各セル20を直列接続することから、不良セルを事前に除去することができ、有機太陽電池としての有機デバイスモジュール30全体の特性悪化を避けることができる。
また、有機半導体層14を公知の有機EL層で置き換えることにより、本発明の電極シート10を構成部材として用いた、トップエミッション型有機ELモジュールを構築することができる。本発明の電極シート10の金属箔12をアノードとして用いた有機ELモジュールの場合、バッファ層13は、アノードとして適するように導電性非晶質炭素膜または導電性酸化物膜で構成されるのが好ましい。さらに、本発明の電極シート10の金属箔12をカソードとして用いた有機ELモジュールの場合、バッファ層13は、マグネシウム系合金膜またはフッ化物膜をスパッタリングまたは蒸着により形成することが好ましく、アノードとしての対向電極16は、導電性非晶質炭素、MoOまたはVの膜を蒸着法により形成するのが好ましい。特に、導電性非晶質炭素膜を有機EL層上に成膜する場合には、スパッタ時のプラズマダメージを避けるため真空蒸着法を用いるのが好ましい。
本発明を以下の実施例によってさらに具体的に説明する。
例1:電極シート(Cu/グラフェン/有機半導体)の作製
アノードとして銅箔を備えた、図1に示されるような構造の有機太陽電池用電極シートを以下のとおり作製した。まず、金属箔12として、厚さ64μmの市販の両面平坦電解銅箔(三井金属鉱業社製DFF(Dual Flat Foil)を用意した。銅箔表面の粗さを走査型プローブ顕微鏡(Veeco社製、Nano Scope V)を用いてJIS B 0601−2001に準拠して測定したところ、算術平均粗さRa:12.20nmであった。この測定は、10μm平方の範囲について、Tapping Mode AFMにて行った。
この銅箔を、エムエーティー社製研磨機を用いたCMP処理に付した。このCMP処理は、XY溝付き研磨パットおよびコロイダルシリカ系研磨液を用いて、パッド回転数:30rpm、荷重:200gf/cm、液供給量:100cc/分の条件で行った。こうしてCMP処理された銅箔表面の粗さを走査型プローブ顕微鏡(Veeco社製、Nano Scope V)を用いてJIS B 0601−2001に準拠して測定したところ、算術平均粗さRaは0.7nmであった。この測定は、10μm平方の範囲について、Tapping Mode AFMにて行った。CMP処理後の銅箔の厚さは48μmであった。
CMP処理された銅箔の表面に、バッファ層13のグラフェン膜を熱CVD法によりゴールドファーネス炉で成膜した。このゴールドファーネス炉は、金蒸着を行ったガラス管に覆われた直径200mmの石英管(反応管)を備え、ターボ分子ポンプ、メカニカルブースターポンプおよびロータリーポンプに接続されている。ターボ分子ポンプにより石英管内を5×10−6torr以下まで真空に排気した。ターボ分子ポンプと炉の間のバルブを閉じ、銅箔を1000℃に加熱した状態でCH/H=25/10sccmの流量にて、約0.5torrの圧力になるようにメカニカルブースターポンプと炉の間のバルブの調整を行った。この状態で30分間反応を行った後、10℃/秒の速度で冷却を行った。この冷却は、水素雰囲気下、約0.1torrの圧力で行った。
こうして得られたグラフェン付き銅箔上に、窒化ケイ素からなる層間絶縁膜19をプラズマCVD法により形成した。このプラズマCVDは、メカニカルブースターポンプ(MBP)およびロータリーポンプ(RP)が接続されたプラズマCVD装置(PD−2202L、サムコ社製)を用い、成膜領域:直径8インチの有効領域、投入パワー(RF):250W(0.8W/cm)、到達真空度:<5×10−3Pa、スパッタリング圧力:80Pa、雰囲気:SiH(H希釈10%):NH:N=100:10:200sccm、基板温度:250℃の条件で行った。積層された箔の表面を40〜50℃に加熱したイソプロピルアルコール溶液で洗浄し、窒素ガスで乾燥させた。
こうして洗浄されたバッファ層13上に、3つの分離した有機半導体層14、カソードとしての対向電極16、封止膜15および封止材17を以下のとおり積層した。まず、バッファ層13表面の3つの受光部上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)分散溶液(1.3重量%)を、5000rpmの回転速度でスピンコートにより塗布した。塗布された電極シートをホットプレート上にて180℃で30分間乾燥させた。
次に、シグマアルドリッチ社製のP3HTおよびPCBMを各々10mg/mlの割合でクロロベンゼン溶液に加え、25℃前後の環境下で24時間放置して完全に溶解させた。このP3HTおよびPCBMが溶解した混合クロロベンゼン溶液を1000rpmの回転速度でスピンコートして厚さ100nmの有機半導体層14を得た。その後、Ar等の不活性雰囲気下にて150℃で30分間焼成を行った後、有機半導体層14の上に、真空蒸着法を用いて、3つの有機半導体層14を覆う対向電極16として、厚さ10nmのAl−Li膜、および厚さ10nmのAg膜を連続成膜した。さらに、対向電極16の端部に引き出し電極としてのAg膜を真空蒸着法により有機半導体層14に接触しないようにして成膜した。
例2:有機太陽電池モジュールの作製
アノードとして銅箔12を備えた、図6に示されるような構造の有機太陽電池用電極シート10を以下のとおり作製した。まず、例1と同様にしてグラフェン付き銅箔を作製した。このグラフェン付き銅箔上に、厚さ0.1mm、幅2mmおよび長さ10mmの複数枚の薄ガラスを2mm間隔で並べて、受光部となるべき個所を覆った。この状態のまま、窒化ケイ素からなる層間絶縁膜19をプラズマCVD法により形成した。このプラズマCVDは、メカニカルブースターポンプ(MBP)およびロータリーポンプ(RP)が接続されたプラズマCVD装置(PD−2202L、サムコ社製)を用い、成膜領域:直径8インチの有効領域、投入パワー(RF):250W(0.8W/cm)、到達真空度:<5×10−3Pa、スパッタリング圧力:80Pa、雰囲気:SiH(H希釈10%):NH:N=100:10:200sccm、基板温度:250℃の条件で行った。その後、薄ガラスを除去し、積層された箔の表面を40〜50℃に加熱したイソプロピルアルコール溶液で洗浄し、窒素ガスで乾燥させた。
こうして洗浄されたバッファ層13上に、複数の分離した有機半導体層14、カソードとしての対向電極16、封止膜15および封止材17を以下のとおり積層した。まず、バッファ層13表面の複数の分離した受光部上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT:PSS)分散溶液(1.3重量%)を、5000rpmの回転速度でスピンコートにより塗布した。塗布された電極シートをホットプレート上にて180℃で30分間乾燥させた。
次に、シグマアルドリッチ社製のP3HTおよびPCBMを各々10mg/mlの割合でクロロベンゼン溶液に加え、25℃前後の環境下で24時間放置して完全に溶解させた。このP3HTおよびPCBMが溶解した混合クロロベンゼン溶液を1500rpmの回転速度でスピンコートして厚さ100nmの有機半導体層14を得た。有機半導体層14の上に、対向電極16として、厚さ10nmのMg−Ag半透過膜層(Mg:Ag=9:1)および厚さ100nmのIZO(In−Zn−O)透明酸化物層を成膜した。対向電極16としてのMg−Ag半透過性層およびIZO透明酸化層は複数の分離した有機半導体層14を覆うように成膜した。さらに、IZO透明酸化層は、IZO透明酸化層の端部の引き出し電極として、層間絶縁膜19上に、有機半導体層14に接触しないように形成される。その後、Ar等の不活性雰囲気にて150℃で30分間焼成を行った。
こうして得られた電極シート上に、厚さ300nmの窒化ケイ素パシベーション膜(封止膜)15および厚さ2000nmの有機層(封止材)17を順に積層した。このとき、パシベーション膜15および有機層17は、完全にIZO透明酸化物層を覆わずに、IZO透明酸化物層の端部の引き出し電極が露出するように積層された。このようにして、図6に示されるような電極シート10を得た。
次に、電極シート10を有機半導体層14の間の絶縁部を市販のはさみで切断して、複数のセル20を用意した。この切断は、電流密度を確保するために各セル20が3つの有機半導体層14(受光面)有するようにするとともに、端面に有機半導体層14が露出しないように行った。
図4に示されるように、絶縁性基板25として厚さ250nmを有するポリイミド基板の上に複数のセル20を3mm間隔で配置し、封止膜15および封止材17から露出するように形成しておいた各セル20の引き出し電極と、それに隣接するセル20の裏面に相当する金属箔12とを、配線21として銀ペーストを用いて、各セル20が電気的直列になるように接続した。このような接続を順次繰り返すことで、図4に示されるような所望の電圧を有する太陽電池モジュール30を得ることができる。
例3:電極シート(Cu/Al合金/a−C/有機半導体)の作製
銅箔をアノードとして備えた、図2に示されるような構造の有機EL用電極シートを以下のとおり作製した。まず、例1と同様に、CMP処理された銅箔12の表面に、膜厚150nmのAl合金反射層18をスパッタリング法により成膜した。このスパッタリングは、Al−0.2B−3.2Ni(at.%)の組成を有するアルミニウム合金ターゲット(直径203.2mm×8mm厚)をクライオ(Cryo)ポンプが接続されたマグネトロンスパッタ装置(MSL−464、トッキ株式会社製)に装着した後、投入パワー(DC):1000W(3.1W/cm)、到達真空度:<5×10−5Pa、スパッタリング圧力:0.5Pa、Ar流量:100sccm、基板温度:室温の条件で行った。
こうして得られたAl合金反射層18の表面に、膜厚1.7nmのカーボンバッファ層13をスパッタリング法により成膜した。このスパッタリングのためのカーボンターゲットとしては、カーボン材料(IGS743材、東海カーボン社製)から作製された未処理の純度3N(99.9%)のカーボンターゲット、またはこのカーボン材料にハロゲンガスによる純化処理を施して作製された純度5N(99.999%)のカーボンターゲットを用いた。このスパッタリングは、カーボンターゲット(直径203.2mm×8mm厚)をクライオ(Cryo)ポンプが接続されたマグネトロンスパッタ装置(マルチチャンバー枚葉式成膜装置MSL−464、トッキ株式会社製)に装着した後、投入パワー(DC):250W(0.8W/cm)、到達真空度:<5×10−5Pa、スパッタリング圧力:0.5Pa、Ar流量:100sccm、基板温度:室温の条件で行った。なお、膜厚の制御は、放電時間を制御することにより行った。
次に、カーボンバッファ層(5cm平方)13の上にガラス基板(3cm平方×0.5mm厚)を載せてマスキングし、窒化ケイ素からなる層間絶縁膜19をプラズマCVD法により形成した。このプラズマCVDは、メカニカルブースターポンプ(MBP)およびロータリーポンプ(RP)が接続されたプラズマCVD装置(PD−2202L、サムコ社製)を用い、成膜領域:直径8インチの有効領域、投入パワー(RF):250W(0.8W/cm)、到達真空度:<5×10−3Pa、スパッタリング圧力:80Pa、ガス:SiH(H希釈10%):NH:N=100:10:200sccm、基板温度:250℃の条件で行う。その後、ガラスをカーボンバッファ層13から除去して、3cm平方の開口部を有する層間絶縁膜19をカーボンバッファ層13上に得た。
層間絶縁膜19が形成されたカーボンバッファ層13の表面を以下のとおり洗浄した。まず、超純水(>18.0MΩ)で満たした槽内において、3分間の超音波洗浄を、超純水を入れ替えて2回行った。引き続き、窒素ガスを用いて水分を除去したのち、アフターキュアを100℃で3時間行った。こうして処理された表面をUV照射により洗浄した。
こうして洗浄されたカーボンバッファ層13上に、有機EL層14、カソードとしての対向電極16、封止膜15および封止材17の積層を行った。具体的には、カーボンバッファ層13の表面に、銅フタロシアニンからなる厚さ50nmの正孔注入層、4,4’−ビス(N,N’−(3−トリル)アミノ)−3,3’−ジメチルビフェニル(HMTPD)からなる厚さ40nmの正孔輸送層、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(Ir(ppy))がホスト材料中にドープされてなる厚さ30nmの発光層、Alq3からなる厚さ30nmの電子輸送層、厚さ10nmのMg−Ag半透過膜層(Mg:Ag=1:9)、厚さ100nmのIZO(In−Zn−O)透明酸化物層、厚さ300nmの窒化ケイ素パシベーション膜(封止膜)、厚さ2000nmの接着層、厚さ200μmの封止ガラス(封止材)の順に積層した。なお、封止ガラス層の積層は両面テープで行い、この両面テープが接着層に相当する。こうして、図2に示されるような、50mm平方×厚さ300μm、各発光面積30mm平方の有機EL用の電極シート10を得た。この有機EL用電極シートを電源に接続して発光を確認した。
例4:電極シート(Cu/Al/ITO/有機半導体)の作製
カーボンバッファ層の代わりに、膜厚10nmのITOバッファ層をスパッタリング法により形成したこと以外は例3と同様にして、有機EL用電極シート10を作製した。このスパッタリングは、Snを10重量%含有したITO(In−SnO)ターゲット(710mm×630mm厚)をクライオ(Cryo)ポンプが接続されたマグネトロンスパッタ装置(SMD−450、株式会社アルバック製)に装着した後、投入パワー(DC):600W(1.9W/cm)、到達真空度:<5×10−5Pa、スパッタリング圧力:0.5Pa、Ar流量:100sccm、O流量:2sccm、基板温度:室温の条件で行った。こうして得られた有機EL用電極シートを電源に接続して発光を確認した。
例5:電極シート(Cu/Ag合金/a−C/有機半導体)の作製
Al合金反射層の代わりに、膜厚150nmのAg合金反射層をスパッタリング法により形成したこと以外は例3と同様にして、有機EL用電極シート10を作製した。このスパッタリングは、Ag−1.0Cu−1.0Pd(at.%)の組成を有する銀合金ターゲット(直径101.6mm×5mm厚)をクライオ(Cryo)ポンプが接続されたマグネトロンスパッタ装置(MSL−464、トッキ株式会社製)に装着した後、投入パワー(DC):150W(1.9W/cm)、到達真空度:<5×10−5Pa、スパッタリング圧力:0.5Pa、Ar流量:90sccm、基板温度:室温の条件で行った。こうして得られた有機EL用電極シートを電源に接続して発光を確認した。
例6:電極シート(Cu/Al合金/有機半導体)の作製
銅箔をカソードの一部として備えた、有機EL用電極シートを以下のとおり作製した。まず、例1と同様の条件で作製した銅箔上に、膜厚150nmのAl合金反射層をスパッタリング法により成膜した。このスパッタリングは、Al−4Mg(at.%)の組成を有するアルミニウム合金ターゲット(直径203.2nm×8mm厚)をクライオ(Cryo)ポンプが接続されたマグネトロンスパッタ装置(MSL−464、トッキ株式会社製)に装着した後、投入パワー(DC):1000W(3.1W/cm)、到達真空度:<5×10−5Pa、スパッタリング圧力:0.5Pa、Ar流量:100sccm、基板温度:室温の条件で行った。
次に、Al合金反射膜(5cm平方)の上にガラス基板(3cm平方×0.5mm厚)を載せてマスキングし、窒化ケイ素からなる層間絶縁膜19をプラズマCVD法により形成した。このプラズマCVDは、メカニカルブースターポンプ(MBP)およびロータリーポンプ(RP)が接続されたプラズマCVD装置(PD−2202L、サムコ社製)を用い、成膜領域:直径8インチの有効エリア、投入パワー(RF):250W(0.8W/cm)、到達真空度:<5×10−3Pa、スパッタリング圧力:80Pa、ガス:SiH(H希釈10%):NH:N=100:10:200sccm、基板温度:250℃の条件で行った。その後、ガラスをAl合金反射膜から除去して、3cm平方の開口部を有する層間絶縁膜19を得た。
さらに、洗浄されたAl合金反射膜の上に、有機EL層、アノード、封止膜および封止材の積層を行った。具体的には、Al合金反射層表面に、厚さ50nmのα−NPD層、厚さ50nmのAlq3層、厚さ20nmのMoO層、厚さ100nmのIZO(In−Zn−O)透明酸化物層、厚さ300nmの窒化ケイ素パシベーション膜(封止膜)、厚さ2000nmの接着層および厚さ200μmの封止ガラス(封止材)を順に積層した。なお、封止ガラス層の積層は両面テープで行った。この両面テープが接着層に相当する。こうして得られた有機EL用電極シートを電源に接続して、Alq3に起因する緑色の発光を確認した。

Claims (17)

  1. 金属箔と、
    前記金属箔上に互いに離間して設けられた複数の有機半導体層と
    を備えてなる、有機デバイス用電極シート。
  2. 有機EL素子または有機太陽電池の構成部材として用いられる、請求項1に記載の電極シート。
  3. 前記電極シートの前記有機半導体層側の表面が、JIS B 0601−2001に準拠して測定される、10.0nm以下の算術平均粗さRaを有する超平坦面である、請求項1または2に記載の電極シート。
  4. 前記金属箔が、1〜200μmの厚さを有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の電極シート。
  5. 前記金属箔が、銅箔である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の電極シート。
  6. 隣り合う前記各有機半導体層の間に層間絶縁膜を備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の電極シート。
  7. 前記層間絶縁膜が、有機絶縁膜からなる、請求項6に記載の電極シート。
  8. 前記金属箔と前記有機半導体層との間に透明または半透明のバッファ層を備える、請求項1〜7のいずれか一項に記載の電極シート。
  9. 前記バッファ層が、導電性炭素材料膜、導電性酸化物膜、マグネシウム系合金膜およびフッ化物膜からなる、請求項8に記載の電極シート。
  10. 前記導電性炭素材料膜が、グラフェン膜または導電性非晶質炭素膜である、請求項9に記載の電極シート。
  11. 前記金属箔と前記バッファ層との間に反射層を備える、請求項8〜10のいずれか一項に記載の電極シート。
  12. 前記反射層が、アルミニウム膜、アルミニウム系合金膜、銀膜、銀系合金膜からなる群から選択される少なくとも一種である、請求項11に記載の電極シート。
  13. 前記複数の有機半導体層の表面を覆う対向電極を備える、請求項1〜12のいずれか一項に記載の電極シート。
  14. 前記有機半導体層の離間部分で複数の有機デバイス素子に切断されて有機デバイスモジュールに用いられるための、請求項1〜13のいずれか一項に記載の電極シート。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の電極シートを前記有機半導体層の離間部分で切断して得た複数の有機デバイス素子を絶縁性基板上に備える、有機デバイスモジュール。
  16. 有機ELモジュールまたは有機太陽電池モジュールとして用いられる、請求項15に記載の有機デバイスモジュール。
  17. 請求項1〜14のいずれか一項に記載の電極シートを前記有機半導体層の離間部分で切断して、複数の有機デバイス素子を形成する工程と、
    前記複数の有機デバイス素子を絶縁性基板に配置する工程と
    を含んでなる、有機デバイスモジュールの製造方法。
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