JP2012221653A - 光電変換素子 - Google Patents

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陽子 新井
Takahiro Osasa
崇宏 大佐々
Tamotsu Horiuchi
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Abstract

【課題】円筒状の太陽電池のすべての面の光電変換層が発電に寄与する太陽電池を提供する。
【解決手段】管状透明基体10の内面または外面に多孔性半導体層41を有する光電変換層40が設けられており、セル内に入射した可視光または近赤外光が、光の入射側の対面側に透過する光電変換素子。
【選択図】図1

Description

本発明は光電変換素子に関するものである。
太陽電池にはいくつかの種類があるが、実用化されているものはシリコン半導体の接合を利用したダイオード型のものがほとんどである。これらの太陽電池は現状では製造コストが高く、このことが普及を妨げる要因となっている。
最近、低コスト化の可能性として、スイス・ローザンヌ工科大学のGraetzelらが高効率の太陽電池(以下、色素増感太陽電池)を発表したことにより、実用化への期待が高まっている(例えば、特許文献1、非特許文献1、2参照)。
この高効率太陽電池の構造は、透明導電性ガラス基板上に多孔質な金属酸化物半導体を設け、その表面に吸着した色素と(以下、色素が吸着した多孔質な金属酸化物半導体を「光電変換層という」)、酸化還元対を有する電解質と、対向電極とからなる。
Graetzelらは、酸化チタン等の金属酸化物半導体電極を多孔質化して表面積を大きくしたこと、並びに色素としてルテニウム錯体を単分子吸着させたことにより光電変換効率を著しく向上させた。
さらに多孔質な金属酸化物半導体は、入射した光をセル内に閉じ込めて、色素の光吸収量を増やすために、粒子径の大きい散乱粒子を含有させる構造が提案されてきた(例えば、特許文献2,3参照)。
また、色素増感太陽電池を含む従来の太陽電池は、光電変換層が平面状に積層された構造であるため、設置に際して多くの面積を必要としている。さらに、太陽電池が最も高い光電変換効率を示すのは太陽光が素子に対して垂直に入射した場合であるが、固定された平面素子に対して垂直に近い角度で入射されるのは日中の数時間に限られるため、発電能力を十分に活用できないとともに、発電量が時刻によって大きく変動するという問題もあった。
このような問題点を解消する手段として、円筒状もしくは半円筒状の透明基材の内側に光電変換層を形成した太陽電池が提案されている(例えば、特許文献4〜6参照)。このような構造においては、同一設置面積の平面状太陽電池に比べて光電変換層の実効面積が増加することから、発電量の増大が見込まれる。また、円筒状もしくは半円筒状にすることにより、入射光に垂直な面が常に存在することから、時刻による発電量変動を大幅に低減することができると期待される。
さらに、封止箇所が円筒外周部に限定されるため、とりわけ色素増感太陽電池では電解液保持のための封止構造を容易に形成できるという利点も得られる。
従来は1セル内で光閉じ込めを行うために、粒子径の大きい散乱粒子を光の入射側の対面側に含有させる構造が採られていたが、粒子径を大きくすると、多孔質な金属酸化物半導体の表面積が小さくなるため、表面に吸着できる色素量が減少してしまう。
その結果、複数のセルが集まったモジュール全体としては、光電変換効率が低下するという問題があった。
そこで、本発明は多孔質な金属酸化物半導体の表面積を減少させずに、モジュール全体として光電変換効率を向上させることを課題とする。
また、従来提案されていた円筒状の太陽電池は、1セル内で光閉じ込めを行う構造が採られているため、光の入射側の対面側を光が透過する構造にはなっていなかった。そのため、光の入射面の対面側の面の光電変換層を有効活用することができないという問題があった。
そこで、本発明は円筒状の太陽電池のすべての面の光電変換層が発電に寄与する太陽電池を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために鋭意検討した結果、高性能な光電変換素子を提供できることを見出し本発明に到達した。
すなわち上記課題を解決するため、下記(1)〜(4)に示す解決手段を講じた。
(1)管状透明基体の内面または外面に多孔性半導体層を有する光電変換層が設けられており、セル内に入射した可視光または近赤外光が、光の入射側の対面側に透過する光電変換素子を特徴とする。
(2)前記(1)に記載の光電変換素子において、前記(1)における光電変換層が管状透明基体の内と外の両面に設けられることを特徴とする。
(3)前記(1)〜(2)に記載の光電変換素子において、前記多孔性半導体層が浸漬塗工により設けられることを特徴とする。
(4)前記(1)〜(3)のいずれかに記載の光電変換素子が複数並列に配置された光電変換モジュールを特徴とする。
本発明により、光の入射の対面側での発電が可能となる。更には管状太陽電池を密に設置することができるため、光電変換層の実効面積を、同じ設置面積の平面状太陽電池に比べて大幅に増やすことができる。例えば、管の形状が円筒状であれば、光電変換層の実効面積を従来の平面状太陽電池に比べてπ倍程度あるいはそれ以上とすることが可能である。
(A)は、本実施形態に係る管状基体の外面に光電変換層が設けられた光電変換素子の構造を表わす一例の短手方向の断面図であり、(B)は、光電変換層40の構成を説明するための模式図である。 本実施形態に係る管状基体の内面に光電変換層が設けられた光電変換素子の構造を表わす一例の短手方向の断面図である。 本実施形態に係る管状基体の内外両面に光電変換層が設けられた光電変換素子の構造を表わす一例の短手方向の断面図である。 本実施形態に係る管状基体の内または外面に光電変換層が設けられた光電変換素子の構造を表わす図1に示す例の長手方向の断面図である。 本実施形態に係る管状基体の内または外面に光電変換層が設けられた光電変換素子の構造を表わす図2に示す例の長手方向の断面図である。 本実施形態に係る管状基体の内外両面に光電変換層が設けられた光電変換素子の構造を表わす図3に示す例の長手方向の断面図である。 実施例1、2、比較例1のモジュールを表わす概略図である。 実施例3、比較例2のモジュールを表わす概略図である。 実施例4のモジュールを表わす概略図である。 実施例5のモジュールを表わす概略図である。 実施例6のモジュールを表わす概略図である。
以下本発明を実施の形態により詳細に説明する。
まず光電変換素子の構成について図1〜6に基づいて説明する。図1〜3は光電変換素子の短手方向の断面図であり、図4〜6はそれぞれ、図1〜3の長手方向の断面図である。
図1に本実施形態の光電変換素子の一態様を示す。
図1(A)に示すように本実施形態の光電変換素子は、第1の管状基体10と第1の管状基体10よりも外径の小さい第2の管状基体60との間に、対極(正極)20と負極50とを有し、さらに、対極20と負極50との間に、電解質層30を有する。
対極20は、第1の透明電極21と触媒層22とが積層されたものであり、触媒層22は第1の透明電極21よりも電解質層30側に設けられている。
また、負極50は、第2の透明電極51と光電変換層40とが積層したものであり、光電変換層40は第2の透明電極51よりも電解質層30側に設けられている。
図1(B)は、光電変換層40の構成を説明するための模式図である。光電変換層40は、図1(B)に示すように、光増感化合物42が担持された多孔質半導体層40を含むものである。図1(B)では光電変換層40が多孔質半導体層40のみを含む態様が示されているが、これ以外の他の層が設けられていても構わない。
以上のような構成を有する光電変換素子において、対極20、電解質層30、負極50はいずれも可視光または近赤外光に対して透明となっている。
本明細書中、透明とは、可視光または近赤外光が70%以上透過することをいう。
また透過するとは、可視光または近赤外光が70%以上透過することをいう。
そして本明細書中、光電変換層とは、光増感化合物を担持した多孔質半導体層をいう。
また可視光または近赤外光とは、300nm以上2000nm以下の光をいう。
さらに管状透明基体の断面形状は特に制限されず、円形、楕円形、多角形などでも、また、これらの一部もしくは全部を変形した形状であってもよい。この管は直線状であっても曲線状であってもよく、直線部と曲線部が混在していても構わない。
図2に本実施形態の光電変換素子の別の態様を示す。
図2の光電変換素子は、第1の管状基体61と第1の管状基体61よりも外径の小さい第2の管状基体110との間に、負極70と対極(正極)100とを有し、さらに、負極70と対極100との間に、電解質層90を有する。
負極70は、第1の透明電極71と光電変換層80とが積層されたものである。
なお、光電変換層80は光電変換層40と同様である。
また対極100は、第2の透明電極101と触媒層102とが積層されたものであり、触媒層102は第2の透明電極101よりも電解質層90側に設けられている。
以上のような構成を有する光電変換素子において、負極70、電解質層90、対極100はいずれも可視光または近赤外光に対して透明となっている。
図3に本実施形態の光電変換素子のさらに別の態様を示す。
図3の光電変換素子は、第1の管状基体210と第1の管状基体210よりも外径の小さい第2の管状基体260との間に、第1の対極220と第1の負極250とを有し、さらに、第1の対極220と第1の負極250との間に、第1の電解質層230を有する。
そして第2の管状基体260と第2の管状基体260よりも外径の小さい第3の管状基体310との間に、第2の負極270と第2の対極300とを有し、さらに、第2の負極270と第2の対極300との間に、第2の電解質層290を有する。
第1の対極220は、第1の透明電極221と第1の触媒層222とが積層されたものであり、第1の触媒層222は第1の透明電極221よりも第1の電解質層230側に設けられている。
また、第1の負極250は、第2の透明電極251と第1の光電変換層240とが積層されたものであり、第1の光電変換層240は第2の透明電極251よりも第1の電解質層230側に設けられている。
このように、光電変換層が管状透明基体の内と外の両面に設けられる態様を採用することができる。これによって、管状基体の内面もしくは外面のいずれか1面のみに光電変換層が形成される円筒状太陽電池に比べてさらに光電変換層の実効面積を増やすことができる。例えば、管の形状が円筒状であれば、同じ設置面積の従来の平面状太陽電池に比べて2π倍とすることが可能である。
なお、第1の光電変換層240は光電変換層40と同様である。
第2の負極270は、第3の透明電極271と第2の光電変換層280とが積層されたものである。
なお、第2の光電変換層280は光電変換層40と同様である。
また第2の対極300は、第4の透明電極301と第2の触媒層302とが積層されたものであり、第2の触媒層302は第4の透明電極301よりも第2の電解質層290側に設けられている。
以上のような構成を有する光電変換素子において、第1の対極220、第1の電解質層230、第1の負極250と第2の負極270、第2の電解質層290、第2の対極300はそれぞれ独立した光電変換素子を構成する。
そして、第1の対極220、第1の電解質層230、第1の負極250、第2の負極270、第2の電解質層290、第2の対極300はいずれも可視光または近赤外光に対して透明となっている。
光増感化合物242、282は同じであっても、異なっていてもよい。特に波長感度の異なる光増感化合物を用いれば、変換効率はさらに向上する。
また、図4〜図6は、それぞれ、図1〜図3の光電変換素子の構造を表わす長手方向の断面図である。
第1、2、3の各管状基体は20μm以上100μm以下の間隔を保ち、端部で封止剤120によって封止されている。
各管状基体の間隔を保つために、スペーサーを端部に設置してもよい。
正極側リード線130と負極側リード線140によって外部回路と電気的に接続されている。
光電変換素子901は図7のように、並列に複数並べ、それを1段、または複数段積み重ねることができる。
また図10ように光電変換素子901を立てて複数並べることもできるし、図11のように光電変換素子901を斜めにして複数並べることもできる。
モジュール中の各光電変換素子の波長感度は同じであっても、異なっていてもよい。特に波長感度の異なる光電変換素子を用いれば、変換効率はさらに向上する。
管状基体10と60と110の断面形状は特に制限されず、円形、楕円形、多角形などでも、また、これらの一部もしくは全部を変形した形状であってもよい。この管は直線状であっても曲線状であってもよく、直線部と曲線部が混在していても構わない。
管状基体(10、60、61、110、210、260、310)の材質は、可視光または近赤外光において透過性のある素材であれば特に制限されず、硼珪酸ガラス、ソーダガラス、石英、サファイアなどの無機材料、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデンなどの有機樹脂などであってもよい。好ましくはガラス等、耐熱性を有するものがよい。管状基体の肉厚は特に制限されず、光の透過率や機械的強度、水や有機溶剤に対するバリア性などを考慮して自由に選択することができる。
透明電極(21、51、71、101、221、251、271、301)の材質としては、可視光または近赤外光に対して透明な導電性物質であれば特に限定されるものではない。通常の光電変換素子、あるいは液晶パネル等に用いられる公知のものを使用できる。
例えば、インジウム・スズ酸化物(以下、ITOと称す)、フッ素ドープ酸化スズ(以下、FTOと称す)、アンチモンドープ酸化スズ(以下、ATOと称す)等が挙げられ、これらが単独あるいは複数積層されていてもよい。あるいは、3,4−エチレンジオキシチオフェン)/スチレンスルホン酸共重合体(以下、PEDOT/PSSと称す)のような導電性高分子であってもよい。
透明電極の厚さは5nm〜100μmが好ましく、50nm〜10μmが更に好ましい。
透明電極の形成方法は公知の方法を用いることができ、例えば、スパッタ法、蒸着法、スプレー法、スピンコート法、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
触媒層(22、102、222、302)に用いる材料は、導電性を示す材料であれば特に制限されない。そして、電気化学的に安定であることが好ましい。
例えば、白金、カーボン、金、導電性ポリマーなどが挙げられる。
但し、触媒層(22、102、222、302)は、可視光または近赤外光に対して透明でなければならないため、膜厚が制限されるものもある。
白金、カーボン、金など、光を吸収または反射しやすい材料の場合は、膜厚を1nm以上10nm以下にしなければならない。特に1nm以上5nm以下とすることが好ましい。
透明電極の形成方法は公知の方法を用いることができ、例えば、スパッタ法、蒸着法、スプレー法、スピンコート法、化学気相成長法(CVD法)などが挙げられる。
多孔性半導体層(41、81、241、281)に用いる半導体の材質は、同じであってもよいし、異なっていてもよい。また、その構造は単層であっても多層の積層体であってもよい。いずれの場合であっても、半導体微粒子を堆積することにより、多孔性の半導体層が形成される。多孔性半導体層は、浸漬塗工により設けることができる。これによって、均一な光電変換層が効率よく作製することができる。
多層の積層体の場合、粒径の異なる半導体微粒子の分散液を多層塗布することも、種類の異なる半導体や、樹脂、添加剤の組成が異なる塗布層を多層塗布することもできる。
一度の塗布で膜厚が不足する場合には、積層塗布は有効な手段である。
一般的に、半導体層の膜厚が増大するほど単位投影面積当たりの担持光増感化合物量も増えるため光の捕獲率が高くなるが、注入された電子の拡散距離も増えるため電荷の再結合によるロスも大きくなってしまう。従って、半導体層の膜厚は100nm〜100μmが好ましい。
半導体の材質としてはシリコン、ゲルマニウムのような単体半導体、あるいは金属のカルコゲニドに代表される化合物半導体、またはペロブスカイト構造を有する化合物等を挙げることができる。
金属のカルコゲニドとしてはチタン、スズ、亜鉛、鉄、タングステン、ジルコニウム、ハフニウム、ストロンチウム、インジウム、セリウム、イットリウム、ランタン、バナジウム、ニオブ、あるいはタンタルの酸化物、カドミウム、亜鉛、鉛、銀、アンチモン、ビスマスの硫化物、カドミウム、鉛のセレン化物、カドミウムのテルル化物等が挙げられる。
他の化合物半導体としては亜鉛、ガリウム、インジウム、カドミウム、等のリン化物、ガリウム砒素、銅−インジウム−セレン化物、銅−インジウム−硫化物等が好ましい。
また、ペロブスカイト構造を有する化合物としては、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム等が好ましい。
これらの中でも酸化物半導体が好ましく、特に酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化ニオブが好ましく、単独、あるいは2種以上の混合で使用しても構わない。これらの半導体の結晶型は特に限定されるものではなく、単結晶でも多結晶でも、あるいは非晶質でも構わない。
半導体微粒子のサイズに特に制限はないが、一次粒子の粒径は0.1nm以上100nm以下好ましく、5nm以上50nm以下がより好ましい。
100nm以下であれば、可視光または近赤外光に対して透明な膜となりうる。
50nm以下であれば、膜の透明性がより向上する。
また光増感化合物を吸着させる場が必要であるため、粒径は0.1nm以上が好ましい。
多孔性半導体層(41、81、241、281)の作製方法には特に制限はなく、スパッタリング等の真空中で薄膜を形成する方法や湿式製膜法が挙げられる。
製造コスト等を考慮した場合、特に湿式製膜法が好ましく、半導体微粒子の粉末あるいはゾルを分散したペーストを調製し、管状基体上に塗布する方法が好ましい。
この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行なうことができる。
例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。
機械的粉砕、あるいはミルを使用して半導体微粒子の分散液を作製する場合、少なくとも半導体微粒子単独、あるいは半導体微粒子と樹脂の混合物を水あるいは有機溶剤に分散して形成される。
この時に使用される樹脂としては、スチレン、酢酸ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル等によるビニル化合物の重合体や共重合体、シリコン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリエステル樹脂、セルロース樹脂、セルロースエステル樹脂、セルロースエーテル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂等が挙げられる。
半導体微粒子を分散する溶媒としては、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、α−テルピネオール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合溶媒として用いることができる。
半導体微粒子の分散液、あるいはゾル−ゲル法等によって得られた半導体微粒子のペーストは、粒子の再凝集を防ぐため、塩酸、硝酸、酢酸等の酸、ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテル(ポリオキシエチレン(10)オクチルフェニルエーテルのポリオキシエチレン(10)オクチル基:(CO)nC1422O この式で、n=10)等の界面活性剤、アセチルアセトン、2−アミノエタノール、エチレンジアミン等のキレート化剤等を添加することができる。
また、製膜性を向上させる目的で増粘剤を添加することも有効な手段である。
この時加える増粘剤としては、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール等の高分子、エチルセルロース等の増粘剤等が挙げられる。
半導体微粒子は、塗布した後に粒子同士を電子的にコンタクトさせ、膜強度の向上や基板との密着性を向上させるために焼成、マイクロ波照射、電子線照射、あるいはレーザー光照射を行なうことが好ましい。これらの処理は単独で行なってもあるいは二種類以上組み合わせて行なってもよい。
焼成する場合、焼成温度の範囲に特に制限はないが、温度を上げ過ぎると透明電極の抵抗が高くなったり、基体が溶融したりするため、30〜700℃が好ましく、100〜600℃がより好ましい。また、焼成時間に特に制限はないが、10分〜10時間が好ましい。
焼成後、半導体微粒子の表面積の増大や、光増感化合物から半導体微粒子への電子注入効率を高める目的で、例えば四塩化チタンの水溶液や有機溶剤との混合溶液を用いた化学メッキや三塩化チタン水溶液を用いた電気化学的メッキ処理を行なってもよい。
マイクロ波照射は、多孔性半導体層側から照射しても、裏側から照射しても構わない。
照射時間には特に制限がないが、1時間以内で行なうことが好ましい。
直径が数十nmの半導体微粒子を焼結等によって積層した膜は、多孔質状態を形成する。
このナノ多孔構造は、非常に高い表面積を持ち、その表面積はラフネスファクターを用いて表わすことができる。
このラフネスファクターは、基体に塗布した半導体微粒子の面積に対する多孔質内部の実面積を表わす数値である。従って、ラフネスファクターは大きいほど好ましいが、多孔性半導体層の膜厚との関係もあり、本実施形態においては20以上が好ましい。
多孔性半導体層に担持される光増感化合物(42、82、242、282)は、増感作用を示す化合物であれば特に限定されないが、具体的には以下の化合物が挙げられる。
特表平7−500630号公報、特開平10−233238号公報、特開2000−26487号公報、特開2000−323191号公報、特開2001−59062号公報等に記載の金属錯体化合物、特開平10−93118号公報、特開2002−164089号公報、特開2004−95450号公報、J. Phys. Chem. C, 7224, Vol.111(2007)等に記載のクマリン化合物、同特開2004−95450号公報、Chem. Commun., 4887(2007)等に記載のポリエン化合物、特開2003−264010号公報、特開2004−63274号公報、特開2004−115636号公報、特開2004−200068号、特開2004−235052号公報、J. Am. Chem. Soc., 12218, Vol.126(2004)、Chem. Commun., 3036(2003)、Angew. Chem. Int. Ed., 1923, Vol.47(2008)等に記載のインドリン化合物、J. Am. Chem. Soc., 16701, Vol.128(2006)、J. Am. Chem. Soc., 14256, Vol.128(2006)等に記載のチオフェン化合物、特開平11−86916号公報、特開平11−214730号公報、特開2000−106224号公報、特開2001−76773号公報、特開2003−7359号公報等に記載のシアニン色素、特開平11−214731号公報、特開平11−238905号公報、特開2001−52766号公報、特開2001−76775号公報、特開2003−7360号等に記載メロシアニン色素、特開平10−92477号公報、特開平11−273754号公報、特開平11−273755号公報、特開2003−31273号等に記載の9−アリールキサンテン化合物、特開平10−93118号公報、特開2003−31273号等に記載のトリアリールメタン化合物、特開平9−199744号公報、特開平10−233238号公報、特開平11−204821号公報、特開平11−265738号、J. Phys. Chem., 2342, Vol.91(1987)、J. Phys. Chem. B, 6272, Vol.97(1993)、Electroanal. Chem., 31, Vol.537(2002)、特開2006−032260号公報、J. Porphyrins Phthalocyanines, 230, Vol.3(1999)、Angew. Chem. Int. Ed., 373, Vol.46(2007)、Langmuir, 5436, Vol.24(2008)等に記載のフタロシアニン化合物、ポルフィリン化合物等を挙げることができる。
特にこの中で、金属錯体化合物、クマリン化合物、ポリエン化合物、インドリン化合物、チオフェン化合物を用いることが好ましい。
光増感化合物42と82は同じであっても良いし、異なっていても良いが、異なることによってより広い光波長領域に感度を示し、より多くの太陽光を使って発電することが好ましい。
多孔性半導体層(41、81、241、281)に光増感化合物(42、82、242、282)を吸着させる方法としては、光増感化合物溶液中あるいは分散液中に半導体微粒子を含有する電子集電電極を浸漬する方法、溶液あるいは分散液を電子輸送層に塗布して吸着させる方法を用いることができる。
前者の場合、浸漬法、ディップ法、ローラー法、エアーナイフ法等を用いることができ、後者の場合は、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテン法、スピン法、スプレー法等を用いることができる。
また、二酸化炭素などを用いた超臨界流体中で吸着させても構わない。
光増感化合物を吸着させる際、縮合剤を併用してもよい。
縮合剤は、無機物表面に物理的あるいは化学的に光増感化合物と電子輸送化合物を結合すると思われる触媒的作用をするもの、または化学量論的に作用し、化学平衡を有利に移動させるものの何れであってもよい。
更に、縮合助剤としてチオールやヒドロキシ化合物を添加してもよい。
光増感化合物を溶解、あるいは分散する溶媒は、水、メタノール、エタノール、あるいはイソプロピルアルコール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、あるいはメチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、ギ酸エチル、酢酸エチル、あるいは酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、あるいはジオキサン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、あるいはN−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ブロモホルム、ヨウ化メチル、ジクロロエタン、トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、フルオロベンゼン、ブロモベンゼン、ヨードベンゼン、あるいは1−クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−オクタン、1,5−ヘキサジエン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、シクロヘキサジエン、ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、あるいはクメン等の炭化水素系溶媒を挙げることができ、これらは単独で、あるいは2種以上の混合として用いることができる。
また、光増感化合物は、その種類によっては化合物間の凝集を抑制した方がより効果的に働くものが存在するため、凝集解離剤を併用しても構わない。
凝集解離剤としてはコール酸、ケノデオキシコール酸などのステロイド化合物、長鎖アルキルカルボン酸または長鎖アルキルホスホン酸が好ましく、用いる色素に対して適宜選ばれる。これら凝集解離剤の添加量は、色素1質量部に対して0.01〜500質量部が好ましく、0.1〜100質量部がより好ましい。
これらを用い、光増感化合物、あるいは光増感化合物と凝集解離剤を吸着する際の温度としては、−50℃以上、200℃以下が好ましい。
また、この吸着は静置しても攪拌しながら行なっても構わない。
攪拌する場合の方法としては、スターラー、ボールミル、ペイントコンディショナー、サンドミル、アトライター、ディスパーザー、あるいは超音波分散等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
吸着に要する時間は、5秒以上、1000時間以下が好ましく、10秒以上、500時間以下がより好ましく、1分以上、150時間が更に好ましい。
また、吸着は暗所で行なうことが好ましい。
電解質層(30、90、230、290)は酸化還元対を含有する液体であってもよいし、ホール輸送材料からなる固体であっても構わない。また、液体電解質を適当なゲル化剤を用いてゲル化した擬固体であってもよい。
液体である場合は、ヨウ素/ヨウ化物イオン、フェリシアン化物/フェロシアン化物、キノン/ヒドロキノンなどの酸化還元対と、ヨウ化リチウム、ターシャリーブチルピリジンなどの添加剤が、溶媒に溶解されてなるものが用いられる。溶媒としては、アセトニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトンなどの有機溶媒や、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩などのイオン液体を用いることができるが、これらに限定されるものではない。また、これらの溶媒の2種以上を混合して用いることもできる。
上記液体電解質に対してゲル化剤を添加し、擬固体として用いることもできる。ゲル化剤としては架橋性ポリマー、層状ケイ酸塩鉱物などを用いることができるが、これらに限定されるものではない。
ホール輸送材料としては、公知のホール輸送性化合物が用いられ、その具体例としては特公昭34−5466号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特公昭45−555号公報等に示されているトリフェニルメタン化合物、特公昭52−4188号公報等に示されているピラゾリン化合物、特公昭55−42380号公報等に示されているヒドラゾン化合物、特開昭56−123544号公報等に示されているオキサジアゾール化合物、特開昭54−58445号公報に示されているテトラアリールベンジジン化合物、特開昭58−65440号公報あるいは特開昭60−98437号公報に示されているスチルベン化合物等を挙げることができ、単独でも2種以上の混合物でも構わない。
ホール輸送材料を用いた場合の電解質層(30、90、230、290)の作製方法には特に制限はないが、製造コスト等を考慮した場合、特に湿式製膜法が好ましく、多孔体半導体層上に塗布する方法が好ましい。
この湿式製膜法を用いた場合、塗布方法は特に制限はなく、公知の方法に従って行なうことができる。例えば、ディップ法、スプレー法、ワイヤーバー法、スピンコート法、ローラーコート法、ブレードコート法、グラビアコート法、また、湿式印刷方法として、凸版、オフセット、グラビア、凹版、ゴム版、スクリーン印刷等様々な方法を用いることができる。また、超臨界流体あるいは亜臨界流体中で製膜してもよい。
封止剤120の材料は特に制限されないが、管状基体(10、60、61、110、210、260、310)に対する接着性が優れ、かつ耐光性、耐湿性、絶縁性に優れた材料が好ましい。例えば、ポリエチレン、変性ポリエチレン、マレイン酸変性ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリプロピレン、マレイン酸変性ポリプロピレン、アイオノマー樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリレート樹脂、EVA(エチレンビニルアセテート)等の樹脂材料や、ガラスフリットのようなガラス材料などが挙げられる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
半導体微粒子として酸化チタン(アエロジル社製、P25)を用い、ペイントシェーカーにて72h分散した。酸化チタンエタノール分散液(10wt%)20重量部、テルピネオール(関東化学社製)10重量部、エチルセルロース(関東化学社製)エタノール溶液(10w%)10重量部を混合し、エバポレーターにてエタノールを除去して多孔性半導体層用ペースト1を得た。
管状基体60として透明ガラス管(内径2.5mmφ、長さ50mm)を用い、フッ化アンモニウムとジブチルスズジアセテートのエタノール溶液とを用いたスプレー熱分解法により、管状基体60の外側に透明電極51としてフッ素ドープSnO2膜を形成した。膜厚は1μmであった。
次に、多孔性半導体層用ペースト1を、透明電極51上に浸漬塗工により塗布した後、450℃に30分間保持し、膜厚15μmのTiO2焼結体1を得た。
次に、TiO2焼結体1を0.05MのTiCl4水溶液中に浸漬させ、70℃に30分間保持した後、洗浄を行い、その後再び450℃で30分間焼成を行った。
次に、TiO2焼結体1の不純物を除去し、活性を高める目的で、紫外線照射装置により30分間、紫外線露光を行った。
次に、0.3mMのN719色素を溶解したtert−ブチルアルコール/アセトニトリル混合溶媒(体積比1:1)にTiO2焼結体1を室温下、24時間浸漬させ、色素を担持させた。
そしてTiO2焼結体1をエタノールで洗浄し、暗所で乾燥させ負極50を作製した。
対極20としては、2.6mmφ、長さ50mmの透明ガラス管の基体10の内側に透明電極51と同様にして透明電極21を形成し、その上に触媒層22としてPtをスパッタしたものを用いた。
触媒層22の膜厚は5nmであった。
対極は可視光または近赤外光に対して透明であることを確認した。
次に、対極20、負極50−1を図1のように配置し、ガラス管の端部を、封止部材120にアクリル系UV硬化樹脂を用いて封止した。
一方、アセトニトリルに、ヨウ化リチウム(LiI)0.1M、1−プロピル−2,3−ジメチルイミダゾリウムヨーダイド0.6M、ヨウ素(I2)0.05M、4−tert−ブチルピリジン0.5Mを溶解させ、電解液を調製した。
上記電解液を先に封止した反対側から注入し、アクリル系UV硬化樹脂を用いて封止し、光電変換素子1を得た。
光電変換素子1の透過率は400nmが80%、800nmが90%、1500nmが95%であった。
図7に示すように光電変換素子1を5本直列に接続し、光電変換素子モジュール1001を得た。
管状基体61として透明ガラス管(内径2.5mmφ、長さ50mm)を用い、フッ化アンモニウムとジブチルスズジアセテートのエタノール溶液とを用いたスプレー熱分解法により、管状基体61の内側に透明電極71としてフッ素ドープSnO2膜を形成した。膜厚は1μmであった。
次に、多孔性半導体層用ペースト1を、透明電極71上に浸漬塗工により塗布した後、450℃に30分間保持し、膜厚15μmのTiO2焼結体2を得た。
そして実施例1と同様にして、TiO2焼結体2をTiCl4水溶液中に浸漬、焼成を行い、紫外線露光、色素を担持させ、乾燥させ負極80を作製した。
対極100としては、2.4mmφ、長さ50mmの透明ガラス管の基体110の外側に透明電極71と同様にして透明電極101を形成し、その上に触媒層102としてPtをスパッタしたものを用いた。
触媒層22の膜厚は5nmであった。
対極は可視光または近赤外光に対して透明であることを確認した。
次に、対極20、負極50を図2のように100、70のように配置し、ガラス管の端部を、封止部材120にアクリル系UV硬化樹脂を用いて封止した。
そして、実施例1と同様に電解液を注入して封止し、光電変換素子2を得た。
光電変換素子2の透過率は400nmが80%、800nmが90%、1200nmが95%であった。
図7に示すように光電変換素子2を5本直列に接続、光電変換素子モジュール1002を得た。
管状基体260として透明ガラス管(内径2.5mmφ、長さ50mm)を用い、実施例1の透明電極51と同様にして、管状基体260の内外側に透明電極251、271としてフッ素ドープSnO2膜を形成した。
膜厚は透明電極251、271ともに1μmであった。
次に、多孔性半導体層用ペースト1を、透明電極251、271上に浸漬塗工により塗布した後、450℃に30分間保持し、膜厚15μmのTiO2焼結体3を得た。
そして実施例1と同様にして、TiO2焼結体3をTiCl4水溶液中に浸漬、焼成を行い、紫外線露光、色素を担持させ、乾燥させ第一の負極240と第2の負極280を作製した。
対極220としては、2.6mmφ、長さ50mmの透明ガラス管の基体210の内側に実施例1の透明電極51と同様にして透明電極221を形成し、その上に触媒層222としてPtをスパッタしたものを用いた。
触媒層222の膜厚は5nmであった。
対極は可視光または近赤外光に対して透明であることを確認した。
対極300としては、2.4mmφ、長さ50mmの透明ガラス管の基体310の外側に実施例1の透明電極51と同様にして透明電極301を形成し、その上に触媒層222としてPtをスパッタしたものを用いた。
触媒層222の膜厚は5nmであった。
対極は可視光または近赤外光に対して透明であることを確認した。
次に、上記のように準備された対極220、300と負極240、280を図3のように配置し、ガラス管の端部を、封止部材120にアクリル系UV硬化樹脂を用いて封止した。
そして、実施例1と同様に電解液を注入して封止し、光電変換素子3を得た。
光電変換素子3の透過率は400nmが70%、800nmが90%、1200nmが95%であった。
図8に示すように光電変換素子3を5本直列に接続したものを3段に積層して、光電変換素子モジュール1003を得た。
図9に示すように光電変換素子3を5本直列に接続したものを5段に積層して、光電変換素子モジュール1004を得た。
このように、図7〜図9に示すような光電変換素子が複数並列に配置された光電変換モジュールを本実施形態では含んでいる。ここで並列に配置とは、横、斜め、縦、に複数並べることをいう。また、横や斜めに複数並べた、モジュールを数段重ねることも含む。
このような構成を採用することにより、さらに光電変換層の実効面積を増やすことができる。本実施形態では管状太陽電池を複数段積み重ねることができるため、設置面積に対する光電変換層の実効面積を大きくすることができ、設置面積に対する変換効率が向上する。
図10に示すように光電変換素子3を5本直列に接続したものを3列に並べて、光電変換素子モジュール1005を得た。
図11に示すように光電変換素子3を5本直列に接続したものを3列に並べて、光電変換素子モジュール1006を得た。
(比較例1)
半導体微粒子として酸化チタン(アエロジル社製、P25)を用い、ペイントシェーカーにて5h分散した。酸化チタンエタノール分散液(10w%)20重量部、テルピネオール(関東化学社製)10重量部、エチルセルロース(関東化学社製)エタノール溶液(10w%)10重量部を混合し、エバポレーターにてエタノールを除去して多孔性半導体層用ペースト2を得た。
管状基体61として透明ガラス管(内径2.5mmφ、長さ50mm)を用い、フッ化アンモニウムとジブチルスズジアセテートのエタノール溶液とを用いたスプレー熱分解法により、管状基体61の内側に透明電極71としてフッ素ドープSnO2膜を形成した。膜厚は1μmであった。
次に、多孔性半導体層用ペースト2を、透明電極71上に浸漬塗工により塗布した後、450℃に30分間保持し、膜厚15μmのTiO2焼結体2を得た。
そして実施例1と同様にして、TiO2焼結体2をTiCl4水溶液中に浸漬、焼成を行い、紫外線露光、色素を担持させ、乾燥させ負極80を作製した。
対極100としては、2.4mmφ、長さ50mmの透明ガラス管の基体110の外側に透明電極71と同様にして透明電極101を形成し、その上に触媒層102としてPtをスパッタしたものを用いた。
触媒層22の膜厚は5nmであった。
対極は透明であることを確認した。
次に、対極20、負極80を図2のように配置し、ガラス管の端部を、封止部材120にアクリル系UV硬化樹脂を用いて封止した。
そして、実施例1と同様に電解液を注入して封止し、光電変換素子4を得た。
光電変換素子4の透過率は400nmが40%、800nmが80%、1200nmが90%であった。
図7に示すように光電変換素子4を5本直列に接続して光電変換素子モジュール2001を得た。
(比較例2)
図8に示すように比較例1の光電変換素子4を5本直列に接続したものを3段に積層して、光電変換素子モジュール2002を得た。
モジュール1001〜2002の設置面積に対する変換効率を示す。
モジュール1001(図7参照):5.4%
モジュール1002(図7参照):5.5%
モジュール1003(図8参照):6.8%
モジュール1004(図9参照):8.3%
モジュール1005(図10参照):6.5%
モジュール1006(図11参照):8.2%
モジュール2001(図7参照):5.3%
モジュール2002:5.5%
なお変換効率は、以下のようにして求めた。
変換効率はAir Mass 1.5、100mW/cmの擬似太陽光を用いた時、単位面積当たりに得られた電力のパーセンテージから求めた。
つまり、下記変換効率の式:
変換効率=(出力電力/cm)/(100mW/cm)×100
なおAir Massとは太陽光スペクトルを表現する定義である。
(入射角θの時、Air Mass m(AM m)であるとすると、m=1/sinθである。
たとえば、Air Mass0=宇宙空間、Air Mass1=大気圏を通過して地表に90度の角度で入射した太陽光(100mW/cm)、 Air Mass2=地表に対して45°で入射する太陽光である。なおAM 1.5はASTMも採用している評価方法である。入射角θ約41.8度 http://www.astm.org/)
10、61 第1の管状基体
20、100、250、300 対極(正極)
21、71、221 第1の透明電極
22、102 触媒層
30、90 電解質層
40、80 光電変換層
41 多孔性半導体層
42 光増感化合物
50、70、250、270 負極
51、101、251 第2の透明電極
60、110、260 第2の管状基体
61 第1の管状基体
120 封止部材
130 正極側リード線
140 負極側リード線
222 第1の触媒層
230 第1の電解質層
240 第1の光電変換層
271 第3の透明電極
280 第2の光電変換層
301 第4の透明電極
302 第2の触媒層
310 第4の管状基体
特許第2664194号 特開2008−204956号公報 特開2006−049311号公報 特開2003−77550号公報 特開2008−123894号公報 特開2006−216562号公報
Nature, 353 (1991) 737 J. Am. Chem. Soc., 115 (1993) 6382

Claims (4)

  1. 管状透明基体の内面または外面に多孔性半導体層を有する光電変換層が設けられており、セル内に入射した可視光または近赤外光が、光の入射側の対面側に透過することを特徴とする光電変換素子。
  2. 請求項1に記載の光電変換層が管状透明基体の内と外の両面に設けられることを特徴とする光電変換素子。
  3. 請求項1または2に記載の多孔性半導体層が浸漬塗工により設けられることを特徴とする光電変換素子。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の光電変換素子が複数並列に配置された光電変換モジュール。
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