JP2012218453A - 自動車用ホイール - Google Patents

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Yutaka Mikazuki
豊 三日月
Yoshiyuki Kasurida
良之 綛田
Koichi Hamada
幸一 浜田
Tadaaki Sakao
忠明 坂尾
Takayuki Hisayoshi
孝行 久芳
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Abstract

【課題】リムビードシートの振れ精度に優れる自動車用ホイールおよびその製造方法の提供
【解決手段】ウェル3、アウター側ビードシート部4およびインナー側ビードシート部5を有するリム2と、複数の切欠部8を備えるフランジ7、ハブ穴9およびボルト穴10を有するディスク6とを備え、ウェル3とフランジ7とを切欠部8の位置で溶接した自動車用ホイール。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車用ホイールに関する。
図1に示すように、自動車用ホイール1は、リム2とディスク6とで構成される。リム2は、ウェル3、アウター側ビードシート部4、インナー側ビードシート部5(以下、これらのビードシート部を合わせて、単に「ビードシート部」ともいう。)などで構成されている。そして、リム2は、例えば、鋼製素管を作製し、得られた素管の端を拡径した後、ロール成形および外径を整えるサイジングを経て、ほぼ真円のリム形状となすことにより製造される。一方、ディスク6は、フランジ7、切欠部8、ハブ穴9、ボルト穴10などで構成されている。切欠部8は、フランジ7端部の部分的に窪んだ部分である。切欠部8は、ホイールの軽量化、コスト低減などの目的で形成されるものである。
ディスク6は、例えば、図2(a)に示すように、鋼製板材11を図中破線位置で打ち抜いて、図2(b)に示す所定形状のブランク12を作製した後、このブランク12をプレス成形によってディスク形状とすることにより製造される。ディスク6には、図2(c)に示す形状の切欠部8が形成される。なお、実際のディスクには、リブ穴、ボルト穴などの空孔部も存在しているが、図2ではこれらの図示を省略している。
そして、リム2にはディスク6が圧入され、その状態でウェル3とフランジ7とを溶接することにより自動車用ホイールが製造される。溶接は、図5(a)に示すように、通常、フランジ7の切欠部8がない部分において、周方向4か所に行われる。
自動車の安定走行を確保するためには、アウター側ビードシート部4およびインナー側ビードシート部5には優れた振れ精度が要求される。従来、振れ精度を改善するための技術がいくつか開示されている。
特許文献1には、リムとディスクとの圧入・溶接時に歪みがリムに発生して振れ精度を低下させるという問題を解決するため、リムとディスクとの溶接後に塑性変形によるリムの真円化をする方法が記載されている。
特許文献2には、特殊形状のディスク、フランジ補強リングなど用いてリムのビードシート部の剛性を高めて圧入・溶接時の変形を抑止して、振れ精度の向上を図る発明が記載されている。
特許文献3および4には、溶接長さを短くし、溶接個所を増やすことにより振れ精度の向上を図る発明が記載されている。
特開2004−196133号公報 特開2000−219001号公報 特開2002−225501号公報 特開昭62−255201号公報
リムとディスクとの溶接後に塑性加工を要する特許文献1の発明では製造工程が増加し、製造コストの上昇を招く。また、特殊形状への加工および別部材の取り付けを要する特許文献2の発明では製造工程が増加するとともに原材料が増加するため、いずれも製造コストの上昇を招く。また、ホイールの質量増加につながる。また、引用文献3および4に記載の発明では、圧入時に生じる振れについては全く考慮されていない。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決し、リムのビードシート部(アウター側ビードシート部およびインナー側ビードシート部)の振れ精度に優れる自動車用ホイールを提供することを目的としている。
本発明者らは、リムのビードシート部(アウター側ビードシート部4およびインナー側ビードシート部5)の振れ精度に悪影響を及ぼすものとして、ディスクの切欠部に着目して研究を行った。そして、アウター側ビードシート部4およびインナー側ビードシート部5の振れ精度が低下する原因が、二つの製造工程にあることを知見した。本発明者らの知見は、下記の(A)および(B)である。
(A)ウェル3は、ディスク6が圧入されると、フランジ7に切欠部8がない位置では拡径するが、フランジ7に切欠部8がある位置では縮径する。このため、リム2は、切欠部8がある位置では凹み、切欠部8ない位置では膨らむことになる。
(B)ウェル3とフランジ7とを溶接すると、冷却時に溶接個所では圧縮応力、その周りでは引張応力を伴い、溶接部では拡径し、それ以外の箇所では縮径する。このため、切欠部8のない位置で溶接をする従来技術では、切欠部8がある位置でのウェル3の凹みを助長し、切欠部8がない位置でのウェル3の膨らみを助長する。
本発明者らは、上記(A)および(B)の知見に基づき、検討を重ねた結果、従来技術のように、ウェルとフランジとを切欠部8のない位置で溶接をするのではなく、切欠部8の位置で溶接した場合にリムのビードシート部の振れ精度が顕著に向上することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、下記の(1)〜(4)に示す自動車用ホイールおよび下記の(5)および(6)に示す自動車用ホイールの製造方法を要旨としている。
(1)ウェル、アウター側ビードシート部およびインナー側ビードシート部を有するリムと、複数の切欠部を備えるフランジ、ハブ穴およびボルト穴を有するディスクとを備える自動車用ホイールであって、前記ウェルと前記フランジとを前記切欠部の位置で溶接した自動車用ホイール。
(2)前記切欠部の切欠き深さが最も大きい箇所を含む位置で溶接した上記(1)の自動車用ホイール。
(3)前記切欠部の底部が、前記フランジ端部と同心円上で切欠いた形状を有する上記(1)または(2)の自動車用ホイール。
(4)リムおよびディスクが鋼板製である上記(1)〜(3)のいずれかの自動車用ホイール。
(5)ウェル、アウター側ビードシート部およびインナー側ビードシート部を有するリムと、複数の切欠部を備えるフランジ、ハブ穴およびボルト穴を有するディスクとを備える自動車用ホイールを製造する方法であって、前記ウェルに前記フランジを圧入する工程と、前記ウェルと前記フランジとを前記切欠部の位置で溶接する工程とを有し、圧入時の歪み量に基づいて電流値、電圧値、溶接速度および溶接時間を決定し、その条件で溶接を行う自動車用ホイールの製造方法。
(6)打ち抜いて得たブランクをプレス成形によりディスクを製造するに際し、前記ブランクを、そのフランジ端部の切欠部に対応する部分が、前記フランジ端部の前記切欠き部以外の部分と同心円となるように打ち抜く上記(5)の自動車用ホイールの製造方法。
本発明の自動車用ホイールは、リムのビードシート部の振れ精度に優れる。本発明の自動車用ホイールの製造方法によれば、製造コストの上昇を招くことも、ホイールの質量を増加させることもなく、自動車用ホイールは、リムのビードシート部の振れ精度を向上させることができる。
自動車用ホイールの概略図 ディスクの製造方法および切欠部の例を示す図 (a)ブランキング工程を示す図 (b)打ち抜かれたブランクを示す図 (c)ディスク形状に加工した後の切欠部の形状を示す図 ディスクの製造方法および切欠部の他の例を示す図 (a)ブランキング工程を示す図 (b)打ち抜かれたブランクを示す図 (c)ディスク形状に加工した後の切欠部の形状を示す図 ディスクの製造方法および切欠部の他の例を示す図 (a)ブランキング工程を示す図 (b)打ち抜かれたブランクを示す図 (c)ディスク形状に加工した後の切欠部の形状を示す図 比較例4のホイールにおけるシミュレーション結果を示す図 (a)ホイールの外観および溶接個所 (b)シミュレーション圧入後および溶接後のインナー側ビードシート部のリム外周の振れをプロットした図 本発明例4のホイールにおけるシミュレーション結果を示す図 (a)ホイールの外観および溶接個所 (b)シミュレーション圧入後および溶接後のインナー側ビードシート部のリム外周の振れをプロットした図 (1)式および(2)式によって定められる範囲と、実施例の表2に示される実施例1〜4の結果とをプロットした図
本発明の自動車用ホイールの基本的な構成要素は、従来の自動車用ホイールと同様である。すなわち、本発明の自動車用ホイールは、例えば、図1に示すようなウェル3、アウター側ビードシート部4、インナー側ビードシート部5などで構成されるリム2と、フランジ7、切欠部8、ハブ穴9、ボルト穴10などで構成されるディスク6とを有する。
リム2およびディスク6の製造方法には制約がなく、通常の製造方法を採用することができる。すなわち、リム2は、例えば、鋼製素管を作製し、得られた素管の端を拡径した後、ロール成形および外径を整えるサイジングを経て、ほぼ真円のリム形状となすことにより製造することができる。一方、ディスク6は、例えば、前掲の図2(a)に示すように、鋼製板材11を図中破線位置で打ち抜いて、図2(b)に示す所定形状のブランク12を作製した後、このブランク12をプレス成形によってディスク形状とすることにより製造することができる。ディスク6には、図2(c)に示す形状の切欠部8が形成される。
そして、リム2にはディスク6が圧入され、その状態でウェル3とフランジ7とを溶接することにより自動車用ホイールが製造される。このとき、ウェル3とフランジ7とを切欠部8の位置で溶接することが重要である。これは、すでに述べたように、圧入時には切欠部に対応する位置は縮径し、それ以外の部分は拡径し、これがアウター側ビードシート部4およびインナー側ビードシート部5に振れを生じさせるが、切欠部の位置で溶接することにより、リム2の切欠部に対応する位置は拡径し、それ以外の部分は縮径するため、アウター側ビードシート部4およびインナー側ビードシート部5の振れ精度を顕著に向上させることが可能となる。この効果は、切欠部8の切欠き深さ(図2〜図4のh、以下、「切欠部深さ」ともいう。)が最も大きい箇所を含む位置で溶接した場合にさらに向上する。
溶接は、例えば、アーク溶接、レーザ溶接などの通常の溶接方法で行うことができる。溶接時のアウター側ビードシート部4およびインナー側ビードシート部5の変形量は溶接入熱量に依存する。このため、溶接入熱量を調整することにより、圧入時に生じた変形を相殺するのに適した溶接時の変形量を調整することが可能となる。すなわち、圧入時の歪み量に基づいて、それを相殺するのに適した溶接入熱量が得られるよう、電流値、電圧値、溶接速度および溶接時間を決定し、その条件で溶接を行うことが好ましい。
本発明は、ウェル3とフランジ7とを切欠部8の位置で溶接したものであるが、切欠部8以外の位置での溶接を除外するものではない。溶接を切欠部のみに行った場合には強度不足となる場合があるので、切欠部以外の部分に溶接してもよい。ただし、本発明の効果を得るためには、切欠部8における溶接入熱量がそれ以外の部分における溶接入熱量よりも大きくなるようにする必要がある。具体的には、切欠部8における溶接長さの合計を、それ以外の部分における溶接長さの合計よりも大きくする。振れのバランスをとる観点から、溶接箇所はディスクの周方向に45°毎に溶接するのが望ましい。特に、切欠部以外の箇所における溶接入熱量を小さくする観点からは、切欠部に以外に複数個所配列した溶接部は短いほどよい。
本発明の自動車用ホイールに用いることができるディスクは、図2に示すものに限られない。例えば、図3(a)に示すように、鋼製板材11を破線で示す二つの同心円で打ち抜いて、図3(b)に示す所定形状のブランク12を作製した後、このブランク12をプレス成形によってディスク形状とすることにより製造することができる。この場合、ディスク6の切欠部は、図3(c)に示すように、切欠部8の底部が、フランジ7端部と同心円上で切欠いた形状を有するものとなる。
同様に、図4(a)に示すように、鋼製板材11を破線で示す二つの同心円で打ち抜いて、図4(b)に示す所定形状のブランク12を作製した後、このブランク12をプレス成形によってディスク形状とすることにより製造することができる。この場合、ディスク6の切欠部は、図4(c)に示すように、切欠部8の底部が、フランジ7端部と同心円上で切欠いた形状を有するものとなる。なお、図3および図4に示すディスクを作成する際には、一工程で打ち抜いてもよいし、一旦、図2(a)に示す形状に打ち抜いた後、切欠部を切り落としてもよい。
図3(c)および図4(c)に示す例では、いずれも切欠部8がリム2の周方向に対して直線的に形成されているので、円弧上のものよりも溶接を容易に行うことができる。
ここで、本発明者らは、さらに、ビードシート部の振れ精度を向上させるべく、様々なサイズ、切欠部形状を有するホイール(ただし、切欠部は周方向等間隔に4つ)についてシミュレーションを行った。その結果、ビードシート部の振れ精度は、(溶接長さ/ホイール径)および(切欠部深さ/ホイール径)に依存することが判明した。
すなわち、(溶接長さ/ホイール径)をx、(切欠部深さ/ホイール径)をyとするとき、xおよびyを下記の(1)式を満足する範囲に制限すれば、ビードシート部の振れ0.2mm以内に抑えることができる。特に、xおよびyを下記の(2)式を満足する範囲に制限すれば、ビードシート部の振れ0.1mm以内とより低く抑えることができる。
0.84x−0.026≦y≦0.84x+0.026・・・(1)
0.84x−0.015≦y≦0.84x+0.015・・・(2)
ただし、上記(1)式または更に(2)式を満たす場合でも、溶接長さが短すぎると溶接強度を十分に保つことが困難となるため、溶接長さを30mm以上とするのが好ましい。一方、溶接長さが大きすぎると、溶接時に生じる歪み量が大きくなり、圧入時の歪み量とのアンバランスが生じて、ビードシート部の振れを大きくすることがある。よって、溶接長さは、115mm以下とすることが好ましい。特に、xの下限は0.078とするのが好ましく、xの上限は0.3とするのが好ましい。
切欠部の深さは、小さすぎると、圧入時に生じる歪み量が小さくなり、溶接時の歪み量とのアンバランスが生じて、ビードシート部の振れを大きくすることがある。このため、切欠部の深さは2mm以上とするのが好ましい。一方、切欠部の深さが大きすぎると、切欠部がウェル部と接触せずクリアランスが発生し、切欠部で溶接することが困難になる。よって、切欠部の深さは15mm以下とすることが好ましい。特に、yの上限は0.039とするのが好ましく、yの下限は0.005とするのが好ましい。切欠部の幅は、溶接長さとの関係で、30mm以上115mm以下とするのが好ましく、(切欠部の幅/ホイール径)では0.09以上0.3以下とするのが好ましい。
本発明の効果を確認するため、3.7mm厚さの炭素鋼製の鋼板(引張強度440MPa相当 JIS表記SAPH440)を打ち抜いて得たブランクから作製したディスクを、2.1mm厚さの炭素鋼製の素管(引張強度780MPa相当 JIS表記SPFH780)にロール成形およびサイジングを実施して作製したリムに圧入し、所定箇所を溶接して、径15インチ(381mm)、幅5.5インチ(139.7mm)のホイール(図5(a)または図6(a)に示すホイール)を作製するシミュレーションを行った。シミュレーションでは、ディスクの切欠部深さ、溶接個所および溶接長さの条件を種々変えた。また、ディスクは、図2に示す形状の切欠部(深さが5mmのものと10mmのもの)を有するものとした。
圧入時の変形シミュレーションは、リムのアウター側のエッジを拘束し、ディスクを工具で押しつける条件での弾塑性解析によって実施した。また、溶接時の変形シミュレーションは、ホイールの溶接条件(電流180A、電圧20V、溶接速度780mm/min)に相当する熱量を溶接箇所に相当する部分(合計4か所)に入熱し、常温25℃に冷却されるまでの熱・構造連成解析によって実施した。このシミュレーションにおいて、「振れ」とはリムのインナー側ビードシート部の外径の最大値と最小値との差である。
シミュレーション結果を表1および表2に示す。また、図5および図6は、それぞれ比較例4および本発明例4のホイールにおけるシミュレーション結果を示す図であり、いずれも(a)はホイールの外観および溶接個所を示し、(b)は、シミュレーション圧入後および溶接後のインナー側ビードシート部のリム外周の振れをプロットした図を示している。なお、図5および図6において、正の値がリムの径が平均より大きく、負の値がリムの径が小さいことを示している。
表1および2に示すように、切欠部深さが5mmの実施例1および2ならびに比較例1および2と、切欠部深さが10mmの実施例3および4ならびに比較例3および4とを比較すると、切欠部深さが大きいほど、圧入後の振れは大きくなる。表1の「振れの変化量B−A (mm)」を見れば明らかなように、切欠部深さは、溶接時に発生する振れにはほとんど影響を及ぼさない。次に、溶接長さが40mmの比較例1および3と、溶接長さが85mmの比較例2および4とを比較すると、溶接長さが長くなると、溶接で発生する振れが大きくなる。そして、図5(b)に示すように、比較例4のホイールでは、圧入後、リムは切欠部(0、90、180、270°)で縮径しており、切欠部以外で拡径しているが、溶接による歪みが圧入時の振れをさらに助長する。
これに対して、切欠部で溶接する実施例1〜4においては、溶接時の歪みが圧入時の振れを打ち消すため、比較例1〜4に対して0.10mm以上振れが改善していた。そして、図6(b)に示すように、実施例4のホイールでは、圧入後、リムは切欠部(0、90、180、270°)で縮径しており、切欠部以外で拡径している点は、図5に示す例と同様であるが、切欠部が拡径、切欠部以外が縮径するため、圧入と溶接で発生する振れが打ち消し合い、リム外周の振れ(凹凸)が小さくなることがわかる。
ディスクとして、図4に示す切欠部を有するもの(切欠部の底部が、フランジ端部と同心円上で切欠いた形状のもの)に変え、その他の条件は変更せず、上記と同様のホイールについてのシミュレーションを行った(実施例5)。なお、1箇所あたりの溶接長さは85mm、切欠部の深さは10mmとした。その結果を表3に示す。表3には比較のため、実施例4および比較例4の結果も合わせて掲載した。
表3に示すように、切欠部の底部がフランジ端部と同心円上で切欠いた形状のディスクを用いた実施例5においても、通常の切欠部を有するディスクを用いた実施例4と同様の振れ改善効果が得られることが分かる。このように、本発明による振れ改善効果は切欠部の形状でほとんど変化しないことが分かる。ただし、切欠部の底部がフランジ端部と同心円上で切欠いた形状のディスクであれば、リムにディスクを圧入した後の切欠部の底部がリムの周方向に対して直線的に形成されるため、切欠部の溶接を容易に行えるというメリットがある。
図7は、上記(1)式および(2)式によって定められる範囲と、後段の実施例の表2に示される実施例1〜4の結果とをプロットした図である。図7中、実線(y=0.84xの曲線)は、振れがゼロになるxとyとの関係を示す曲線であるが、この曲線に近づくほど、振れが小さくなる。そして、図7に示すように、実施例1〜4のうち、(1)式の関係を満たす実施例3および4は、(1)式を満たさない実施例2よりも溶接後の振れが小さく(0.2mm以下)になり、(2)式の関係をも満たす実施例1は、実施例3よりもさらに溶接後の振れが小さく(0.1mm以下)なっている。
本発明の自動車用ホイールは、リムのビードシート部の振れ精度に優れる。本発明の自動車用ホイールの製造方法によれば、製造コストの上昇を招くことも、ホイールの質量を増加させることもなく、自動車用ホイールは、リムのビードシート部の振れ精度を向上させることができる。
1 自動車用ホイール
2 リム
3 ウェル
4 アウター側ビードシート部
5 インナー側ビードシート部
6 ディスク
7 フランジ
8 切欠部
9 ハブ穴
10 ボルト穴
11 鋼製板材
12 ブランク
h 最大切欠部深さ

Claims (6)

  1. ウェル、アウター側ビードシート部およびインナー側ビードシート部を有するリムと、
    複数の切欠部を備えるフランジ、ハブ穴およびボルト穴を有するディスクとを備える自動車用ホイールであって、
    前記ウェルと前記フランジとを前記切欠部の位置で溶接したことを特徴とする自動車用ホイール。
  2. 前記切欠部の切欠き深さが最も大きい箇所を含む位置で溶接したことを特徴とする請求項1に記載の自動車用ホイール。
  3. 前記切欠部の底部が、前記フランジ端部と同心円上で切欠いた形状を有することを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用ホイール。
  4. リムおよびディスクが鋼板製であることを特徴とする請求項1から3までのいずれかに記載の自動車用ホイール。
  5. ウェル、アウター側ビードシート部およびインナー側ビードシート部を有するリムと、
    複数の切欠部を備えるフランジ、ハブ穴およびボルト穴を有するディスクとを備える自動車用ホイールを製造する方法であって、
    前記ウェルに前記フランジを圧入する工程と、前記ウェルと前記フランジとを前記切欠部の位置で溶接する工程とを有し、
    圧入時の歪み量に基づいて電流値、電圧値、溶接速度および溶接時間を決定し、その条件で溶接を行うことを特徴とする自動車用ホイールの製造方法。
  6. 打ち抜いて得たブランクをプレス成形によりディスクを製造するに際し、前記ブランクを、そのフランジ端部の切欠部に対応する部分が、前記フランジ端部の前記切欠部以外の部分と同心円となるように打ち抜くことを特徴とする請求項5に記載の自動車用ホイールの製造方法。
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