JP2012215260A - コンセントリックスレーブシリンダ - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動源の出力軸1と変速機の入力軸2との間に設けられる摩擦式のクラッチ3を作動させるためのコンセントリックスレーブシリンダ5において、ピストン53からシールリング57を離隔させにくくしながら、ピストン53およびシールリング57の動作円滑化を図る。
【解決手段】変速機側が閉塞していてクラッチ3側が開放している筒形の油圧室56にスライド可能に挿入される筒形のピストン53の突出部分の外径側にレリーズベアリング55を取り付けている。ピストン53において前記突出部分と軸方向反対側の内端側にシールリング57が非固定に配置されている。このシールリング57には油圧室56の外径側壁面および内径側壁面に個別に接触するシールリップ57c,57dを備えている。外径側壁面においてシールリング57の初期組み付け位置から油圧室56の開口寄り所定位置までの領域に、内径寸法が漸増する拡径面52cが設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動源(例えばエンジン)の出力軸(例えばクランクシャフト)と変速機の入力軸との間に設置される摩擦式のクラッチを作動させるためのコンセントリックスレーブシリンダに関する。なお、コンセントリックスレーブシリンダは、例えばクラッチ操作装置、クラッチレリーズ装置、クラッチ遮断装置などとも呼ばれている。
本発明の対象となるコンセントリックスレーブシリンダは、摩擦式のクラッチに備えるダイアフラムスプリングの内径側に当接されるレリーズベアリングを油圧で直接スライドさせる直接操作タイプである。なお、前記レリーズベアリングをスライドさせるためのレリーズフォークの操作を油圧で行う間接操作タイプのクラッチアクチュエータもあるが、このタイプは本発明の対象とならない。
この種のコンセントリックスレーブシリンダは、例えば特許文献1に示されているように、略円筒形の油圧室を変速機の入力軸の外径側に同心状に配置し、この油圧室内にスライド可能に挿入される略円筒形のピストンの外端外径側にレリーズベアリングを取り付けた構成になっている。
前記油圧室は、インナーハウジングとそれの外径側に同心状に配置されるアウターハウジングとの径方向対向間にできる環状空間とされている。
両ハウジングの奥にはそれぞれ径方向外向きの環状壁が設けられている。インナーハウジングの環状壁は油圧室の奥側(変速機側)開口を閉塞するようになっている。アウターハウジングの環状壁は変速機ケースに取り付けられるようになっており、このアウターハウジングの環状壁の円周所定位置には油圧室と作動油圧制御系(例えばマスターシリンダを含む)とを連通連結するための通路が設けられている。
ピストンは、油圧室の先端側(クラッチ側)開口から外側に突出されており、このピストンの突出部分である外端の外径側にレリーズベアリングが取り付けられている。このピストンの内端側(ピストンにおいて前記突出部分と軸方向反対側)には、油圧室内を密封するためのシールリングが配置されている。
このシールリングは、その内端の外径側と内径側とにシールリップが設けられている。このシールリップは、ピストンとアウターハウジングとの摺接面およびピストンとインナーハウジングとの摺接面をそれぞれ密封するために、設けられている。
特許文献1に示す従来例の場合、前記シールリングは、例えば金属製のホルダにゴム材を固定した構成になっている。このシールリングは、そのホルダが前記ピストンの前記内端に寄り添うように配置されているだけで、ピストンに固定されていない。そして、コンセントリックスレーブシリンダを使用対象に組み込んだ段階では、クラッチの切断時だけでなくクラッチの継合時にも作動油の圧力がシールリングに若干付与される関係より、シールリングがピストンの前記内端に押し付けられるようになっている。
特開2010−164110号公報
上記特許文献1に示す従来例では、次のような不具合がある。例えばクラッチを切断している状態から急継合させるような場合には、油圧室の作動油が作動油圧制御系側に急激に吸入されてピストンが停止した後でも油圧室から作動油圧制御系への作動油吸入が停止しなくなるので、油圧室が負圧になり、それによってシールリングが前記ピストンの前記内端から引き離される現象が発生しうる。この他、油圧室から作動油圧制御系までの油圧経路を真空引きする際にも前記同様にシールリングが前記ピストンの前記内端から引き離される現象が発生しうる。
このような現象が発生した状態で、次にクラッチを切断(作動)しようとすると、作動油圧とピストンの実際のスライド量との相関関係が狂うことになり、例えば図5に示すように、クラッチの切断点が狙いからずれることになりかねない。
これに対し、油圧室から作動油圧制御系までの油圧経路にオリフィスなどを設けることにより、前記負圧発生を抑えるようにすることが考えられている。しかしながら、コンセントリックスレーブシリンダの製造段階において油圧室から作動油圧制御系までの油圧経路を真空引きする工程では、前記オリフィスによる負圧発生の抑制効果は期待できない。
この他、上記特許文献1に示す従来例では、油圧室を構成するインナーハウジングおよびアウターハウジングに対するシールリングの摺動抵抗を可及的に小さくする目的で、シールリングの締め代を可及的に小さく設定すると、シールリングが動きやすくなるので、前記のような現象の発生を誘発しやすくなる。かといって、シールリングの締め代を大きくすればするほど前記の現象の発生を抑制するうえで有利になるものの、シールリングの摺動抵抗が増大して動きが悪化することになる。その場合、クラッチ操作を運転者が直接行う場合にはクラッチ操作フィーリングが低下することにつながる。
このような事情に鑑み、本発明は、駆動源の出力軸と変速機の入力軸との間に設けられる摩擦式のクラッチを作動させるためのコンセントリックスレーブシリンダにおいて、ピストンからシールリングを離隔させにくくしながら、ピストンおよびシールリングの動作円滑化を図ることを目的としている。
ところで、参考までに、例えば特開2002−323067号公報の段落0022に、「油圧室を構成するアウターシリンダの内周面を内奥に向けて傾斜面にする」ということが記載されている。しかしながら、この特許文献では、あくまでも、前記傾斜面を形成する領域について、段落0021−0022に「シールリングの初期設定位置から油圧室の内奥まで」という記載がある。このような領域に傾斜面を設けることの狙いは、段落0022の後半および段落0026に、「シールリングの各リップの摩耗が生じても各リップのアウターシリンダやインナーシリンダに対する締め代をシールリングの初期設定位置から最終移動位置までほぼ同等に維持する」ということである。つまり、この特許文献は、本発明とは技術思想ならびに具体構成が相違している。しかも、この特許文献は、そもそもシールリングをピストンの内端に固定しているタイプであって、前記のようにシールリングがピストンから引き離されるという現象が発生しにくいので、本発明とは発明の前提が相違している。そのことから、この特許文献はあくまでも参考例として提示している。
本発明は、駆動源の出力軸と変速機の入力軸との間に設けられる摩擦式のクラッチを作動させるためのコンセントリックスレーブシリンダであって、前記変速機の入力軸の外径側に同心状に配置されかつ前記変速機側が閉塞していて前記クラッチ側が開放している筒形の油圧室と、この油圧室内にスライド可能に挿入されかつ前記油圧室の開口から突出される筒形のピストンと、このピストンの突出部分の外径側に取り付けられかつ前記ピストンのスライドに伴い前記クラッチに備えるダイアフラムスプリングを押動することにより前記クラッチを作動(切断)させるレリーズベアリングと、前記ピストンにおいて前記突出部分と軸方向反対側の内端側に非固定に配置されかつ前記油圧室の内径側壁面および外径側壁面に個別に接触するシールリップを備えるシールリングとを含み、かつ、前記外径側壁面において前記シールリングの初期組み付け位置から少なくとも前記油圧室の開口寄り所定位置までの領域に、内径寸法が漸増する拡径面が設けられている、ことを特徴としている。
なお、前記シールリングの初期組み付け位置とは、コンセントリックスレーブシリンダを使用対象に組み付けた状態でコンセントリックスレーブシリンダを非作動にしている状態(クラッチ継合状態)のときにシールリングが停止している位置のことである。
この構成では、コンセントリックスレーブシリンダでクラッチを作動(切断)している状態から非作動(継合)にさせる際に、油圧室から作動油圧が抜けるにしたがい油圧室において径方向間隔の大きい側(拡径面の大径側)から径方向間隔の小さい側(拡径面の小径側)にピストンおよびシールリングが移動(吸引)されることになる。このような移動過程におけるシールリングの摺動抵抗は、拡径面の大径側を通過するときよりも小径側を通過するときのほうが大きくなる。
そのため、例えばクラッチを切断状態から急継合させるような場合において仮にピストンが停止した後でも作動油圧制御系による作動油吸入が継続されてしまうことが原因で油圧室が負圧になったとしても、シールリングがピストンから引き離されて油圧室の奥に移動する現象が発生しにくくなる。
これとは逆に、クラッチを非作動(継合)状態から作動(切断)させる際に作動油圧制御系から油圧室に作動油圧が付与されることにより、油圧室において径方向間隔の小さい側(拡径面の小径側)から径方向間隔の大きい側(拡径面の大径側)にピストンおよびシールリングが移動(押圧)されるが、この移動に伴いシールリングの摺動抵抗が徐々に小さくなるから、ピストンおよびシールリングの動きが円滑になる。そのため、例えばクラッチ操作を運転者が直接行う場合にはクラッチ操作フィーリングが良好になる。
好ましくは、前記外径側壁面において前記初期組み付け位置から前記油圧室の奥までの領域は、内径寸法が一定に設定される。
このような構成では、例えばクラッチを作動(切断)している状態から非作動(継合)状態にする場合に、ピストンが拡径面の大径側から小径側に移動するが、その後さらに油圧室の奥へ移動する場合にはその移動過程でシールリングの摺動抵抗が一定になる。この移動過程での摺動抵抗は、拡径面の大径側から小径側へシールリングが移動する過程に比べると大きくなる。
好ましくは、前記拡径面の最小径位置は、前記クラッチの切断過程において前記ダイアフラムスプリングの反力が最大になる(ピーク荷重)ときの前記シールリングの存在位置にすることができる。
なお、前記ピーク荷重は、一般にクラッチの完全切断点で発生する。ここでは拡径面を確保するうえでの必要最小限の領域を特定している。この特定により拡径面を製作する際に最小限の加工で済むから、必要以上に大きな範囲に余分な加工を施すといった無駄を省くことが可能になる。
好ましくは、前記シールリングは、ホルダにゴム材を一体的に取り付けた構成であり、前記シールリップのうち外径側に位置するシールリップは、前記拡径面の小径側から大径側へ移動する過程で当該拡径面に常に接触するように設定されている、構成にすることができる。
ここではシールリングがツーピース構造であることを特定しているとともに、外径側のシールリップの形状や長さなどを特定している。
本発明は、駆動源の出力軸と変速機の入力軸との間に設けられる摩擦式のクラッチを作動させるためのコンセントリックスレーブシリンダにおいて、ピストンからシールリングを離隔させにくくしながら、ピストンおよびシールリングの動作円滑化を図ることが可能になる。
本発明に係るコンセントリックスレーブシリンダの一実施形態を示す断面図であり、コンセントリックスレーブシリンダを非作動にしてクラッチを継合しているときの状態を示している。 図1において、コンセントリックスレーブシリンダを作動してクラッチを切断したときの状態を示す断面図である。 図1および図2のコンセントリックスレーブシリンダをエンジンの出力軸と変速機の入力軸との間に組み込んだ状態を示す模式図である。 本発明に係るコンセントリックスレーブシリンダの他実施形態を示す断面図である。 従来例のコンセントリックスレーブシリンダの不具合を説明するためのグラフであり、正常時とシールリング離隔時とにおけるクラッチペダルの踏力とストロークとの関係を示している。
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について添付図面を参照して詳細に説明する。
図1から図3に、本発明の一実施形態を示している。まず、本発明の特徴説明に先立ち、図3を参照して本発明のコンセントリックスレーブシリンダの使用対象となる摩擦式のクラッチの概略構成を説明する。
図示省略の駆動源(例えばエンジン)の出力軸(例えばクランクシャフト)1と変速機の入力軸2との間にクラッチ3が介装されている。
このクラッチ3は、出力軸1と入力軸2とを動力伝達可能な継合状態、動力伝達不可能な切断状態、あるいは滑り継合状態にするものである。
このクラッチ3は、公知の単板乾式構造とされており、クラッチディスク31、プレッシャープレート32、ダイアフラムスプリング33などを含んで構成されている。
クラッチディスク31は、変速機の入力軸2の先端に一体回転かつ軸方向変位可能にスプライン嵌合されることによって、駆動源の出力軸1の外端に固定されるフライホイール4に対向して配置されている。
プレッシャープレート32は、クラッチディスク31に対向して配置される環状板からなり、ダイアフラムスプリング33の外周に取り付けられている。
ダイアフラムスプリング33は、自然状態のときにプレッシャープレート32をフライホイール4側に近づけるように押圧することによりプレッシャープレート32でクラッチディスク31をフライホイール4に圧接させてクラッチ3を継合させる一方、その内径側が軸方向に押圧されることによって反転されたときに、プレッシャープレート32をフライホイール4から遠ざける側に引き離すことによりクラッチディスク31をフライホイール4から引き離してクラッチ3を切断させるものである。
コンセントリックスレーブシリンダ5は、要求に応じてクラッチ3のプレッシャープレート32を軸方向に変位させることによってクラッチ3を継合、切断、あるいは滑り継合させるように操作するものである。
このコンセントリックスレーブシリンダ5は、図1および図2に示すように、外形が略円筒形状とされており、変速機の入力軸2の外径側に同心状に配設されるもので、インナースリーブ51、アウタースリーブ52、ピストン53、レリーズベアリング54、予圧スプリング55、油圧室56などを含んで構成されている。
インナースリーブ51は、円筒形に形成されており、変速機の入力軸2の外径側に非接触に包囲配置されている。このインナースリーブ51の軸方向基端側には、径方向外向きに延びる環状壁部51aが設けられている。
アウタースリーブ52は、円筒形に形成されており、インナースリーブ51の外径側に環状空間を作るように包囲配置されている。
このアウタースリーブ52の軸方向基端側には、径方向外向きに延びる環状壁部52aが設けられている。この環状壁部52aは変速機ケース7に取り付けられるようになっており、環状壁部52aの外周の円周所定位置には、作動油圧制御回路6(例えばマスターシリンダを含む)と油圧室56との間で作動油を送受するための通路52bが設けられている。
ピストン53は、円筒形とされ、インナースリーブ51とアウタースリーブ52との間の環状空間(油圧室56)内に軸方向スライド可能に挿入されている。このピストン53において、油圧室56の開口から突出している側(クラッチ3側)を「外端」と言い、ピストン53において前記突出部分と軸方向反対側を「内端」と言う。
レリーズベアリング54は、ピストン53の前記外端側における小径薄肉部の外径側に搭載されていて、クラッチ3のダイアフラムスプリング33の内径部分に当接される。
なお、レリーズベアリング54の内輪内径側がピストン53の小径薄肉部に外装されており、板ばね59によってレリーズベアリング54が抜け止めされている。
予圧スプリング55は、アウタースリーブ52の環状壁部52aの内面とレリーズベアリング54の内輪に組み付けられた受け座50との間に圧縮状態で介装されており、その弾性復元力でもってレリーズベアリング54の外輪端面をダイアフラムスプリング33の内径側に常時当接させるよう押圧付勢して「がた」を無くすものである。
油圧室56は、インナースリーブ51とアウタースリーブ52とピストン53とで囲まれて構成されている。この油圧室56は、円筒形で一端(変速機)側が閉塞していて他端(クラッチ3)側が開放しており、シールリング57やOリング58でもって外部から密封されるようになっている。
シールリング57は、油圧室56の作動油がピストン53の外径側および内径側から漏洩することを防止するものであって、例えば金属製のホルダ57aにゴム材57bを一体的に取り付けた構成になっている。このシールリング57は、そのホルダ57aをピストン53の前記内端側に配置した状態で、ピストン53の前記内端側に非固定状態で寄り添うように配置されている。
このシールリング57のゴム材57bには、インナースリーブ51の外周面(油圧室56の内径側壁面に相当)とアウタースリーブ52の内周面(油圧室56の外径側壁面に相当)とに摺接するシールリップ57c,57dが設けられている。
Oリング58は、アウタースリーブ52の環状壁部52aの外面に形成してある周溝52d内にはみ出す状態で収納されていて、インナースリーブ51の環状壁部51aの内面に圧接されることによって、油圧室56の作動油がインナースリーブ51の環状壁部51aとアウタースリーブ52の環状壁部52aとの当接面から漏洩することを防止するとともに、外部の水分や塵埃等の異物が前記当接面を伝って油圧室56に入ることを防止するようになっている。
このコンセントリックスレーブシリンダ5による基本的な動作については、公知であるので簡単に説明する。
例えば運転者によるクラッチペダル(図示省略)の操作状態を制御装置(ECU:Electronic Control Unit)で認識し、この認識結果に応じて制御装置が作動油圧制御回路6を制御することによって、コンセントリックスレーブシリンダ5の油圧室56に作動油を供給してクラッチ3を切断させたり、油圧室56に対する作動油の供給を解除してクラッチ3を継合させたり、あるいは滑り継合させたり、するようになっている。
まず、クラッチ3を図1に示す継合から切断状態とする場合、作動油圧制御回路6から適宜の作動油を通路52bを通じてコンセントリックスレーブシリンダ5の油圧室56へ供給させる。
これにより、コンセントリックスレーブシリンダ5のピストン53が外側に押し出されて、このピストン53に取り付けられるレリーズベアリング54がダイアフラムスプリング33を反転させるように作用するので、プレッシャープレート32がフライホイール4から引き離されることになる。これでクラッチ3が切断されるので、駆動源の出力軸1と変速機の入力軸2とが切り離される。
一方、クラッチ3を切断状態から継合状態にする場合、作動油圧制御回路6からの作動油供給を解除させることにより、油圧室56内の作動油を通路52bを介して作動油圧制御回路6に吸引回収する。これにより、ダイアフラムスプリング33の弾性復元力によってコンセントリックスレーブシリンダ5のレリーズベアリング54およびピストン53が押し戻されることになる。
それと同時に、ダイアフラムスプリング33の弾性復元力でもってプレッシャープレート32がフライホイール4側へ押動されるので、駆動源の出力軸1と変速機の入力軸2とが圧接されることになる。これでクラッチ3が継合されるので、駆動源の出力軸1と変速機の入力軸2とが動力伝達可能に接続される。
この実施形態に示すコンセントリックスレーブシリンダ5では、アウタースリーブ52の内周面(油圧室56の外径側壁面に相当)においてシールリング57の初期組み付け位置(図1参照)から油圧室56の開口寄り所定位置までの領域に、内径寸法が漸増する拡径面52cを設けるようにしている。
なお、拡径面52cの最小径位置となるシールリング57の初期組み付け位置とは、コンセントリックスレーブシリンダ5を図3に示すように使用対象に組み付けた時点でコンセントリックスレーブシリンダ5を非作動(クラッチ継合状態)にしているときにシールリング57が停止している位置のことである。前記シールリング57の停止位置については、図1に示すように、ホルダ57aの先端位置とされる。
また、前記拡径面52cの最大径位置となる油圧室56の開口寄り所定位置とは、コンセントリックスレーブシリンダ5の初期組み付け時点でのクラッチ3の切断過程においてダイアフラムスプリング33の反力が最大になる(ピーク荷重)ときのシールリング57の存在位置のことである。なお、前記ピーク荷重は一般にクラッチ3の完全切断点で発生する。前記ピーク荷重のときのシールリング57の存在位置については、図2に示すように、アウターシールリップ57dの先端位置とされる。
前記シールリング57の初期組み付け位置および前記ピーク荷重のときのシールリング57の存在位置は、製造公差を考慮すると軸方向に適宜ずれることがあるので、この製造公差を加味して任意の位置に設定することが可能である。
さらに、アウタースリーブ52の内周面において拡径面52cの最大径位置から外端縁までの領域は、内径寸法が前記最大径位置の内径寸法と同じで一定になっている。
そして、アウタースリーブ52の内周面において拡径面52cの最小径位置から油圧室56の奥までの領域は、内径寸法が一定に設定されている。このように設定している場合には、ピストン53およびシールリング57が拡径面52cの大径側から小径側へ向けて移動してさらに油圧室56の奥へ移動することがあると、この油圧室56において拡径面52cよりも奥でのシールリング57の摺動抵抗が一定になる。この移動過程での摺動抵抗は、拡径面52cの大径側から小径側へシールリング57が移動する過程に比べると大きくなる。
なお、インナースリーブ51の外周面については内径寸法が全長にわたって一定に設定されている。
このようなことから、油圧室56において、拡径面52cの最小径位置から油圧室56の奥までの領域の径方向間隔が最小となり、拡径面52cの最大径位置から油圧室56の開口までの領域の径方向間隔が最大となる。
そして、拡径面52cを形成することに伴い、シールリング57のアウターシールリップ52dについては、拡径面52cの小径側から大径側へ移動する過程で拡径面52cに常に接触するように設定されている。このようにするために、例えばアウターシールリップ52dの突出長さがインナーシールリップ52cよりも長く設定されている。
次に、上記した構成を有するコンセントリックスレーブシリンダ5では、クラッチ3を作動(切断)している状態から非作動(継合)にさせる際に、油圧室56から作動油圧が抜けるにしたがい油圧室56において径方向間隔の大きい側(拡径面52cの大径側)から径方向間隔の小さい側(拡径面52cの小径側)にピストン53およびシールリング57が移動(吸引)されることになる。このような移動過程におけるシールリング57の摺動抵抗は、拡径面52cの大径側を通過するときよりも小径側を通過するときのほうが大きくなる。
そのため、例えばクラッチ3を切断状態から急継合させるような場合において仮にピストン53が停止した後でも作動油圧制御回路6による作動油吸入が継続されてしまうことが原因で油圧室56が負圧になったとしても、シールリング57がピストン53から引き離されて油圧室56の奥に移動するような現象が発生しにくくなる。
これとは逆に、クラッチ3を非作動(継合)状態から作動(切断)させる際に作動油圧制御回路6から油圧室56に作動油圧が付与されることにより、油圧室56において径方向間隔の小さい側(拡径面52cの小径側)から径方向間隔の大きい側(拡径面52cの大径側)にピストン53およびシールリング57が移動(押圧)されるが、この移動に伴いシールリング57の摺動抵抗が徐々に小さくなるから、ピストン53およびシールリング57の動きが円滑になる。そのため、例えばクラッチ操作を運転者がクラッチペダルで直接行う場合にはクラッチ操作フィーリングが良好になる。
このように、アウタースリーブ52の内周面に拡径面52cを設置している場合には、油圧室56の奥側から開口側に向けてピストン53およびシールリング57を移動させる際にシールリング57が受ける作動油圧の面積が変化することになる。つまり、シールリング57が油圧室56において拡径面52cの最小径位置に位置している場合にはシールリング57の受圧面積が小さくなるが、拡径面52cの最大径位置に位置している場合にはシールリング57の受圧面積が大きくなる。
このシールリング57の受圧面積が小さくなるほどクラッチ3の切れ性能が向上するものの、ピストン53の操作力が増大して操作フィーリングが低下するようになる。一方、前記受圧面積が大きくなるほどクラッチ3の切れ性能が低下するものの、ピストン53の操作力が低減して操作フィーリングが向上するようになる。
この点を考慮し、クラッチ3の切断初期における切れ性能を確保しながら切断後期におけるピストン53の操作力を低減させるように、シールリング57のシールリップ57c,57dの締め代(接触圧)を適宜設定することが好ましい。そのために、具体的には、シールリップ57c,57dの外径形状、突出寸法ならびに厚み寸法などを適宜設定したうえで、拡径面52cの最小径寸法、最大径寸法ならびに傾斜角度などを適宜設定することにより油圧室56において拡径面52cの最小径位置よりも奥までの領域の径方向間隔と、油圧室56において拡径面52cが存在する領域の径方向間隔とを管理することが考えられる。
以上説明したように本発明を適用した実施形態では、駆動源の出力軸と変速機の入力軸との間に設けられる摩擦式のクラッチ3を作動させるためのコンセントリックスレーブシリンダ5において、アウタースリーブ52の内周面の途中に拡径面52cを設置することによって、ピストン53からシールリング57を離隔させにくくしながら、ピストン53およびシールリング57の動作円滑化を図ることが可能になる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲内で適宜に変更することが可能である。
(1)例えば図4に本発明の他の実施形態を示している。この実施形態では、拡径面52cの最小径位置をアウタースリーブ52の内周面において外端縁(クラッチ3寄りの端縁)にしている。言い換えると、拡径面52cはアウタースリーブ52の内周面において初期組み付け位置から外端縁までの領域に形成されている。この場合も前記実施形態と基本的に同様の作用、効果が得られる。
(2)本発明に係るコンセントリックスレーブシリンダ5は、クラッチ操作を運転者がクラッチペダルで直接操作することによって作動される形態で実施することが可能である他、図示していないが、クラッチペダルを用いずに運転者の変速要求を制御装置で認識してコンセントリックスレーブシリンダ5を制御装置で作動制御することによりクラッチ操作を行う形態で実施することが可能である。
本発明は、駆動源の出力軸と変速機の入力軸との間に設けられる摩擦式のクラッチを作動させるコンセントリックスレーブシリンダに好適に利用することが可能である。
1 駆動源の出力軸
2 変速機の入力軸
3 クラッチ
33 ダイアフラムスプリング
5 コンセントリックスレーブシリンダ
51 インナースリーブ(油圧室の内径側壁面)
51a インナースリーブの環状壁部
52 アウタースリーブ(油圧室の外径側壁面)
52a アウタースリーブの環状壁部
52c アウタースリーブの内周面における拡径面
53 ピストン
54 レリーズベアリング
56 油圧室
57 シールリング
57a シールリングのホルダ
57b ゴム材
57c インナーシールリップ
57d アウターシールリップ
6 作動油圧制御回路

Claims (4)

  1. 駆動源の出力軸と変速機の入力軸との間に設けられる摩擦式のクラッチを作動させるためのコンセントリックスレーブシリンダであって、
    前記変速機の入力軸の外径側に同心状に配置されかつ前記変速機側が閉塞していて前記クラッチ側が開放している筒形の油圧室と、
    この油圧室内にスライド可能に挿入されかつ前記油圧室の開口から突出される筒形のピストンと、
    このピストンの突出部分の外径側に取り付けられかつ前記ピストンのスライドに伴い前記クラッチに備えるダイアフラムスプリングを押動することにより前記クラッチを作動(切断)させるレリーズベアリングと、
    前記ピストンにおいて前記突出部分と軸方向反対側の内端側に非固定に配置されかつ前記油圧室の内径側壁面および外径側壁面に個別に接触するシールリップを備えるシールリングとを含み、
    かつ、前記外径側壁面において前記シールリングの初期組み付け位置から少なくとも前記油圧室の開口寄り所定位置までの領域に、内径寸法が漸増する拡径面が設けられている、ことを特徴とするコンセントリックスレーブシリンダ。
  2. 請求項1に記載のコンセントリックスレーブシリンダにおいて、
    前記外径側壁面において前記初期組み付け位置から前記油圧室の奥までの領域は、内径寸法が一定に設定されている、ことを特徴とするコンセントリックスレーブシリンダ。
  3. 請求項1または2に記載のコンセントリックスレーブシリンダにおいて、
    前記拡径面の最小径位置は、前記クラッチの切断過程において前記ダイアフラムスプリングの反力が最大になる(ピーク荷重)ときの前記シールリングの存在位置とされる、ことを特徴とするコンセントリックスレーブシリンダ。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のコンセントリックスレーブシリンダにおいて、
    前記シールリングは、ホルダにゴム材を一体的に取り付けた構成であり、前記シールリップのうち外径側に位置するシールリップは、前記拡径面の小径側から大径側へ移動する過程で当該拡径面に常に接触するように設定されている、ことを特徴とするコンセントリックスレーブシリンダ。
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WO2015126732A1 (en) * 2014-02-20 2015-08-27 Schaeffer Technologies AG & Co. KG Concentric slave cylinder including one-way clutch
US9677625B2 (en) 2014-02-20 2017-06-13 Schaeffler Technologies AG & Co. KG Concentric slave cylinder including one-way clutch

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