JP2012214767A - シリコンインゴットスライス用切削液 - Google Patents

シリコンインゴットスライス用切削液 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明はシリコンインゴットの切削工程において、従来品より砥粒の分散性と砥粒スラリーの流動性が良好であるため、切削加工効率を向上させることができ、また、砥粒スラリーの洗浄性が優れるため、シリコンウエハの洗浄効率を向上させることができるため、シリコンウエハの生産性に優れる切削液および砥粒スラリーを提供する。
【解決手段】 数平均分子量が130〜500であるポリオキシアルキレン化合物(A)および有機酸塩(B)を必須成分として含有し、その電気伝導度が1.0〜7.0μS/cmであるとすることを特徴とするシリコンインゴットスライス用切削液およびそれを含有する砥粒スラリー。
【選択図】 なし

Description

本発明は、シリコンインゴットを切削するときに使用する切削液に関する。
さらに詳しくは、ワイヤーソーを用い、遊離砥粒を切削液に分散させた砥粒スラリーを連続的に供給しながら切削加工を行なう際の切削液に関する。
従来より、ワイヤーソーを用いてシリコンインゴットの切削加工を行なう切削液として、砥粒をポリエチレングリコール等の水溶性エーテルに分散させた砥粒スラリーが用いられる。
これらを用いて作成した砥粒スラリーは、通常、砥粒の分散性が不十分であるため、加工部分への砥粒の搬送途中で、配管に一部詰まりが生じたりする。
また、砥粒の堆積層が形成された場合は、堆積層が固くなるために砥粒の再分散が困難であったり、スライシング時の砥粒の濃度にばらつきが生じるという問題があった。
一方で、砥粒の分散性を改善する目的で、アリルアルコール―無水マレイン酸―スチレン共重合物とポリオキシアルキレンのグラフト化物を分散剤成分として添加した水溶性切削液が提案されている(例えば特許文献1)。
しかしながら、これらの水溶性切削液を用いた砥粒スラリーは、砥粒の分散性は改善されているものの、その電気伝導度が高すぎるために砥粒の凝集物が多く発生する。
発生した砥粒の凝集物は、スライシング時にワイヤーとガイド間に噛み込むと、ワイヤーがガイドからジャンプする原因となったり、スライシング後のウエハの表面精度が低下したりする。さらに、高分子の分散剤がシリコンウエハ表面に多く吸着するため、洗浄性にも課題があった。
特開2006−111728号公報
そこで本発明の切削液は、砥粒の分散性が良好で、砥粒スラリー洗浄性および流動性に優れ、更に砥粒の凝集が抑制できるシリコンインゴットスライス用切削液を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するべく検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、数平均分子量が特定の範囲にあるポリオキシアルキレン化合物(A)および有機酸塩(B)を必須成分として含有し、その電気伝導度が特定の範囲であることを特徴とするシリコンインゴットスライス用切削液;このシリコンインゴットスライス用切削液と砥粒(C)との混合物からなるシリコンインゴットスライス用砥粒スラリー;このシリコンインゴットスライス用切削液を用いて遊離砥粒によりシリコンインゴットを切断する工程を含むシリコンインゴットをスライスする製造方法:このシリコンインゴットスライス用切削液を用いてシリコンインゴットを切断して製造されたシリコンウエハ;並びにこのシリコンウエハを用いて製造された電子材料である。
本発明の切削液は、砥粒の分散性が良好で、砥粒スラリーの洗浄性および流動性に優れる。さらに砥粒の凝集が抑制できるため、被加工面の表面精度が高く、過酷なスライシング条件下でもワイヤーが断線しないという効果を奏する。
本発明のシリコンインゴットスライス用切削液は、数平均分子量が特定の範囲にあるポリオキシアルキレン化合物(A)および有機酸塩(B)を必須成分として含有する。さらに、その切削液は特定の範囲の電気伝導度を有する。
本発明の切削液の第1の必須成分であるポリオキシアルキレン化合物(A)の数平均分子量は130〜500であり、好ましくは160〜400である。
130未満では砥粒を分散したスラリーの粘度が低くなり、砥粒のワイヤーへの付着量が少なくなる。一方、500を超えると砥粒を分散したスラリーの粘度が高すぎるため、加工部へのスラリーの供給が困難である。
なお、本発明における(A)の数平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による分子量である。
本発明のポリオキシアルキレン化合物(A)は、下記化学式(1)で表される。また、ポリオキシアルキレン化合物(A)は1種類でもよく2種類以上の混合物であってもよい。
O−(AO)n−R (1)
[式(1)中、RとRはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基;AOは、1種または2種以上の炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表す。nはアルキレンオキサイドの平均付加モル数を表し、2〜11の数である。(AO)は1種または2種以上のアルキレンオキサイドの付加形式を表し、2種の場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。]
式(1)中、RとRはそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を表す。
アルキル基としては炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基などが挙げられる。
とRとして好ましいのは、スライス加工後のシリコンウエハの洗浄性および製造コストの観点から、少なくとも一方が水素原子である。さらに好ましくは、RとRの両方が水素原子である。
式(1)中のAOは、炭素数が2〜4のオキシアルキレン基を表し、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシブチレン基などが挙げられ、これらの1種の単独でもよいし、これらの2種以上を併用してもよく、2種の場合の付加形式はブロック付加でもランダム付加でもよい。
水溶性の点で、オキシエチレン基、オキシプロピレン基が好ましく、オキシエチレン基単独がさらに好ましい。
nはAOの平均付加モル数を表し、通常2〜11の数である。好ましくは3〜9である。
2未満では砥粒を分散したスラリーの粘度が低くなり、砥粒のワイヤーへの付着量が少なくなる。11を超えると粘度が高くなり過ぎ、砥粒を分散したスラリーの粘度が高すぎるため、加工部へのスラリーの供給が困難である。
(AO)nは1種のアルキレンオキサイドまたは2種以上のアルキレンオキサイドの付加形式を表し、2種以上の場合の付加形式はブロック状でもランダム状でもよい。
ポリオキシアルキレン化合物(A)の具体例としては、ポリオキシエチレングリコール、ポリ1,2−プロピレングリコール(ジ1,2−プロピレングリコールなど)、ポリ1,3−プロピレングリコール、ポリ1,2−ブチレングリコール、ポリ1,3−ブチレングリコール、ポリ1,4−ブチレングリコール;これらのモノアルキルエーテルまたはジアルキルエーテル等が挙げられる。
モノアルキルエーテルまたはジアルキルエーテルとしては、ポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリオキシエチレングリコールジメチルエーテル、及びポリ1,2−プロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。
ポリオキシアルキレン化合物(A)のうち好ましいのは、スライス加工後のシリコンウエハの洗浄性および製造コストの観点から、ポリオキシエチレングリコールおよびポリエチレングリコールモノメチルエーテルである。さらに好ましくは、ポリオキシエチレングリコールである。
本発明における切削液の第2の必須成分である有機酸塩(B)は、切削液の電気伝導度を特定の範囲に調整するためのものであって、ポリオキシアルキレン化合物(A)に溶解するものであれば差しつかえない。
有機酸塩(B)は、本発明のポリオキシアルキレン化合物(A)に有機酸塩として加えてもよいし、有機酸および対応する塩基をそれぞれ別々に加えて、ポリオキシアルキレン化合物(A)中で有機酸塩を調製しても良い。
本発明の有機酸塩(B)としては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸などの塩が挙げられる。
カルボン酸の塩の具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、ヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、カプリル酸などの脂肪族モノカルボン酸の塩;クエン酸、コハク酸、アジピン酸などの脂肪族多価カルボン酸の塩;安息香酸などの芳香族モノカルボン酸の塩;フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸などの芳香族多価カルボン酸の塩などが挙げられる。
スルホン酸の塩の具体例としては、ナフタレンスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸などのスルホン酸の塩などが挙げられる。
リン酸の塩の具体例としては、亜リン酸ジフェニル、リン酸ジフェニルなどのリン酸の塩が挙げられる。
これらの有機酸塩(B)うち、好ましいのは、スライス加工後のシリコンウエハの洗浄性およびポリオキシアルキレン化合物(A)への溶解性の観点から、カルボン酸の塩が好ましい。
さらに好ましくは、カルボニル基の炭素原子を含めた炭素数が1〜4の脂肪族カルボン酸の塩であり、具体例としては、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸などの塩が挙げられる。
本発明の有機酸塩(B)を形成する塩基成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物;メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、オクチルアミン、ラウリルアミンなどの脂肪族アミン;モノメタノールアミン、ジメタノールアミン、トリメタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンなどが挙げられる。
本発明の有機酸塩(B)を形成する塩基成分のうち、好ましいのは、スライス加工後のシリコンウエハの洗浄性およびポリオキシアルキレン化合物(A)への溶解性および着色の観点から、金属水酸化物およびアルカノールアミンである。さらに好ましくは、金属水酸化物である。
本発明のシリコンインゴットスライス用切削液の20℃における電気伝導度は、通常1.0〜7.0μS/cm、好ましくは1.0〜6.5μS/cm、さらに好ましくは1.2〜6.0μS/cmである。
電気伝導度が1.0μS/cm未満であると、砥粒の分散性が不十分となり加工部分への砥粒の搬送途中で、配管に一部詰まりが生じる。7.0μS/cmを超えると、砥粒の凝集物が多く発生し、スライシング後のウエハの表面精度が低下する。
本発明の砥粒スラリーの粘度範囲は、通常、160〜400mPa・sであり、好ましくは160〜350mPa・sである。
ここでの「砥粒スラリーの粘度」とは、ブルックフィールド型回転粘度計で25℃におけるスラリー粘度である。砥粒スラリーは、炭化ケイ素砥粒((株)フジミインコーポレーテッド製、商品名GC♯1200)42部と切削液58部を配合し、ディスパーサー(T.K.ロボミックス;プライミクス(株)製)を用いて3000回転で3分間攪拌分散して
調製したものである。
この粘度範囲より低いと砥粒のワイヤーへの付着量が少なくなるため、シリコンインゴットの切削効率が低下するので加工時間が長くなる。
一方、この粘度範囲より高いと加工部へのスラリーの供給が困難になりやすいため、発生する加工熱が十分に冷却できない。
本発明のシリコンインゴットスライス用切削液は、ワイヤーによりシリコンインゴットをスライス加工する際に好適である。
シリコンインゴットを加工する方法として、遊離砥粒および固定砥粒ワイヤーを用いる方法があり、本発明の切削液はいずれにも適用できるが、ワイヤーソーを用いて砥粒を切削液に分散させた砥粒スラリーを連続的に供給させながら加工する遊離砥粒方式に特に適している。
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り、%は重量%、部は重量部を示す。
製造例1 <エチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合ポリエーテル(A−3)の製造>
ステンレス製加圧反応装置にエチレングリコール124.1部と水酸化ナトリウム0.02部を仕込み、窒素置換後に、120〜140℃でエチレンオキサイド378部とプロピレンオキサイド498部の混合物を約4時間で圧入した。
同温度でさらに4時間反応させて、数平均分子量が500のエチレンオキサイド−プロピレンオキサイドランダム共重合ポリエーテル(A−3)を得た。
実施例1〜5および比較例1〜7
表1記載の配合比(重量部)で砥粒(C)以外の各成分を配合して切削液を調製した。
次に、調製した切削液に砥粒(C)を配合し、ディスパーサー(T.K.ロボミックス;プライミクス(株)製)を用いて3000回転で3分間攪拌分散して、実施例1〜5及び比較例1〜7の砥粒スラリーを調製した。
Figure 2012214767
なお、表1中の配合成分の記号は、以下の化合物を表す。
<オキシアルキレン化合物(A)>
ポリオキシエチレングリコール(A−1):三洋化成工業(株)製、商品名PEG−200、数平均分子量200
ポリオキシエチレングリコールモノメチルエーテル(A−2):数平均分子量400
ポリオキシエチレングリコール(A´−3):三洋化成工業(株)製、商品名PEG−600、数平均分子量600
<砥粒(C)>
炭化ケイ素砥粒(C−1):(株)フジミインコーポレーテッド製、商品名GC♯1200
<ノニオン系分散剤>
アリルアルコール―無水マレイン酸―スチレン共重合物とポリオキシアルキルエーテルとのグラフト化物:日本油脂(株)製、商品名マリアリムAKM−0531、重量平均分子量:15,000)
<砥粒を配合する前の切削液の電気伝導度の測定>
砥粒を配合する前の切削液の20℃における電気伝導度は、導電率計(CON110;アズワン(株)製)を用いて測定した。その結果を表1に示す。
砥粒を含む砥粒スラリーについて、砥粒の分散性、スラリーの外観および洗浄性の性能評価を行った。
また、ブルックフィールド型回転粘度計で25℃における砥粒スラリーの粘度を測定した。その結果を表1に示す。
<砥粒の分散性>
砥粒スラリーにおける砥粒の分散性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)砥粒スラリー19gを内径が約2cmの円筒状のガラスサンプル瓶に入れて10時間静置し、自然沈降させた。
(2)ガラスサンプル瓶の底から砥粒スラリーの気液界面の高さ(h1とする)および、ガラスサンプル瓶の底からの切削液と砥粒の界面の高さ(h2とする)をそれぞれ計測した。
(3)h2とh1との高さの比(h2/h1)を算出して砥粒の分散性の指標とした。高さの比(h2/h1)が1に近づくに従って砥粒の分散性が高いことを意味する。
砥粒の分散性の評価は以下の判断基準に従って行った。
○:高さの比(h2/h1)が0.70以上
×:高さの比(h2/h1)が0.70未満
<スラリーの外観>
砥粒スラリーの外観評価は以下に示す方法で行った。
平らなガラス板上に、砥粒スラリーをスポイト3滴分(約0.06g)付着させて、直ちに約15°の角度にガラス板を傾けた状態で、20時間静置させた後にスライドガラス上に堆積した砥粒の凝集状態を目視にて観察した。
スラリーの外観評価は以下の判断基準に従って行った。
○:スライドガラスに堆積した砥粒でガラス表面が見えない。
×:スライドガラスに堆積した砥粒が凝集して、疎らにガラス表面が透けて見える。
<洗浄性>
砥粒スラリーにおけるシリコンウエハの洗浄性の評価は以下に示す方法で行った。
(1)砥粒スラリー90gにシリコンインゴッドの切り屑を想定したケイ素粉末(高純度化学研究所社製;粒子径1μm以下)10gを配合し、ディスパーサーを用いて3000回転で1分間攪拌分散してケイ素粉末を含む砥粒スラリーを得た。
(2)約3cm四方に切断した多結晶シリコンウエハ上に、上記で調製したケイ素粉末を含む砥粒スラリーをスポイト1滴分(約0.02g)付着させた後、20分間静置させて試験片とした。
(3)この試験片を垂直に立てた状態で、25℃のイオン交換水中に静かに入れて、全体を浸漬させた状態で静置させた。
(4)水中でスラリーがシリコンウエハ上から剥がれ滑り落ちて除去されるのを観察して、浸漬直後から除去されるのに要した時間を記録した。
洗浄性の評価は以下の判断基準に従って行った。
○:浸漬後10分未満でウエハ上のスラリーが除去される。
×:ウエハ上のスラリーが除去されるのに要する時間が10分以上であるか、または除去されない。
<砥粒スラリーの粘度>
砥粒スラリーの粘度の測定は以下に示す方法で行った。
砥粒スラリーが入ったガラスサンプル瓶を25℃に温調した後、ブルックフィールド型回転粘度計(BL型;3号ロータ,60rpm)で25℃における砥粒スラリーの粘度を測定した。
表1の結果から明らかなように、実施例1〜5の本発明の砥粒スラリーはいずれも、砥粒の分散性、スラリーの外観、洗浄性および、砥粒スラリー粘度ともに優れている。なお実施例1〜4では有機酸塩を用いたのに対して、実施例5では酢酸と水酸化ナトリウムを配合したものを用いた。
一方、酢酸ナトリウムの配合量が少ないため電気伝導度が0.4の比較例1、および酢酸塩ではなく酢酸を用いて電気伝導度が0.04の比較例4は砥粒の分散性が不十分である。
また、酢酸ナトリウムの配合量が多すぎるため電気伝導度が11.7の比較例2、および有機酸ではないリン酸ナトリウムを使用した比較例3はスラリーの外観が不十分である。
また、砥粒の分散剤としてノニオン系の高分子分散剤を使用し、電気伝導度が7.2である比較例7では、スラリーの外観だけでなく洗浄性も不十分である。
また、数平均分子量が106のジエチレングリコールを使用した比較例5では砥粒スラリーの粘度が低すぎるために砥粒のワイヤーへの付着量が少なくなり、一方数平均分子量が600であるポリオキシエチレングリコールを使用した比較例6では、砥粒スラリーの粘度が高すぎるために加工部へのスラリーの供給が困難である。
本発明のシリコンインゴットスライス用切削液は、砥粒の分散性が良好で、砥粒スラリーの洗浄性および流動性に優れ、更に砥粒の凝集が抑制できるため、シリコンインゴットを切断するときに使用する切削液して有用である。
本発明のシリコンインゴットスライス用切削液を用いてシリコンインゴットを切削加工して製造されたシリコンウエハは、例えばメモリー素子、発振素子、増幅素子、トランジスタ、ダイオード、太陽電池、LSIの電子材料として利用でき、これらの電子材料は、パソコン、携帯電話、ディスプレー、オーディオ等に使用することができる。
また、本発明のシリコンインゴットスライス用切削液は、砥粒の分散性と流動性に優れるので、シリコンインゴッド以外に、水晶、炭化ケイ素、サファイヤ等の硬質な材料を切削するときに使用する切削液としても有用である。

Claims (9)

  1. 数平均分子量が130〜500であるポリオキシアルキレン化合物(A)および有機酸塩(B)を必須成分として含有し、その20℃における電気伝導度が1.0〜7.0μS/cmであることを特徴とするシリコンインゴットスライス用切削液。
  2. 該ポリオキシアルキレン化合物(A)がポリオキシエチレングリコールである請求項1記載のシリコンインゴットスライス用切削液。
  3. 該有機酸塩(B)がカルボン酸の塩である請求項1または2記載のシリコンインゴットスライス用切削液。
  4. 該有機酸塩(B)がカルボニル基の炭素原子を含めた炭素数が1〜4の脂肪族カルボン酸の塩である請求項1〜3いずれか記載のシリコンインゴットスライス用切削液。
  5. 請求項1〜4いずれか記載のシリコンインゴットスライス用切削液と砥粒(C)との混合物からなるシリコンインゴットスライス用砥粒スラリー。
  6. 該砥粒(C)が、アルミナ、炭化ケイ素およびダイヤモンドからなる群より選ばれる1種以上である請求項5記載のシリコンインゴットスライス用砥粒スラリー。
  7. 請求項5または6記載のシリコンインゴットスライス用砥粒スラリーを用いて遊離砥粒によりシリコンインゴットを切断する工程を含むシリコンインゴットをスライスする製造方法。
  8. 請求項5または6記載のシリコンインゴットスライス用砥粒スラリーを用いてシリコンインゴットをスライスして製造されたシリコンウエハ。
  9. 請求項8に記載のシリコンウエハを用いて製造された電子材料。
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