JP2012214399A - エチレンオキシドの製造方法 - Google Patents

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智之 四方
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【課題】エチレンオキシド製造プラントにおいて、反応で発生する反応熱を有効に利用して、エチレンオキシドを経済的に製造をする方法を提供する。
【解決手段】エチレンと酸素を反応させて発生する反応熱のうち、これまで利用されていなかった排熱を利用して冷媒を発生させ、その冷媒をエチレンオキシドプラントで活用することを特徴とするエチレンオキシドの製造方法。また水蒸気を、前記プラントのポンプまたは昇圧機の動力源、あるいは発電機の駆動源として使用し、さらに該蒸気タービン出口の蒸気を前記プラントのプロセス蒸気として使用するエチレンオキシドの製造方法
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレンオキシドの製造方法に関する。
近年、エチレンオキシド(EOともいう)は銀触媒の存在下にエチレンを空気又は酸素で直接酸化することにより工業的に製造されている。この反応は大量の発熱を伴うので、反応管に触媒を充填した多管式反応器を使用し、過剰の反応熱を除去するために反応器の胴側に有機熱媒体の強制循環を行ったり、灯油又はテトラリン等の沸騰液体を循環している。最近では反応熱の除去効率が良く、安全性にも優れた水が熱媒体として利用されている。
反応熱によって加熱された熱媒体は廃熱ボイラ等に導かれて水蒸気の製造に用いられる。水を熱媒体としている場合は、過熱された水媒体は気液分離槽で分離され水蒸気として回収される。(以後、廃熱ボイラで製造された水蒸気および前記気液分離槽で分離回収された水蒸気を排熱蒸気ともいう。)製造または回収された排熱蒸気は、そのまま又はさらに過熱されてエチレンオキシドプラント及び併設されるエチレングリコールプラントの加熱源として利用される。例えば、特許文献1にはその水蒸気は、さらに過熱された後にスチームタービンを回転させる動力源として使用されることが示され、動力源として使用し終わった水蒸気はエチレンオキシド放散塔の再沸器へ導かれ、エチレンオキシドを含む水溶液を加熱するための熱源として使用することが開示されている。特許文献2には、1基以上の背圧蒸気タービン、例えば1基以上の作業機械及び/又は1基以上の発電機を駆動させるのに利用することが開示されている。
一般的に、発熱反応である反応器を有する化学プラントにおいては、その反応熱を利用して蒸気発生を行い、工場内のプロセス蒸気として利用しているが、不足分は、蒸気発生ボイラなど蒸気発生を行っている。特に、エチレンオキシド及びエチレングリコールのプラントにおいては多くの熱源を必要とする装置が多いが、蒸気需給バランスはこれまでの省エネルギーの推進により、反応熱から得られた排熱蒸気で概ね賄われており、熱源として利用されることなく余剰蒸気として廃棄されることが少なくなかった。そのため排熱蒸気の利用は不十分であり、見直しすべき余地があった。一方、エチレンオキシド製造プラントにおいては、電力を使用し冷媒もしくはプロセス流体の冷却を行って大量の電力が消費されているにも係わらず、これまでに電力の削減については検討の余地があった。
特公昭50−7574号公報 特表2003−521454号公報
かかる状況において、本発明が解決しようとする課題は、エチレンオキシド製造プラントにおいて発生する反応熱を有効に利用して、エチレンオキシドを経済的に製造をする方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、エチレンを空気又は酸素で直接酸化してエチレンオキシドを製造する際に発生する反応熱(排熱ともいう)を利用して水蒸気と冷却された伝熱媒体(以下、「冷媒」ということがある)を発生させ、その水蒸気と冷媒をエチレンオキシドプラントで利用することにより、省エネルギーを図ることができるだけでなく、これまでに比べてCO2排出量を大幅に削減ができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)エチレンを、空気又は酸素により直接酸化してエチレンオキシドを製造する方法であって、(a)反応熱の除去に用いた熱キャリヤーを用いて水蒸気を発生させ、次いで(b)前記水蒸気を1基以上の蒸気タービンの駆動に用い、駆動に用いた後に排出される水蒸気および/または温水を得て、(c)(b)で得られた水蒸気もしくは温水の一部を利用して冷媒を発生させ、得られた冷媒をエチレンオキシドプラントに冷熱源として利用する、工程を含むことを特徴とするエチレンオキシドの製造方法を提供する。
本発明はまた(2)前記(a)の工程で得られた水蒸気を更に過熱する工程を含むことを特徴とする(1)記載のエチレンオキシドの製造方法を提供する。
本発明はまた、好ましい別の実施形態として、(3)前記(b)の工程で得られる水蒸気を、前記プラントのポンプまたは昇圧機の動力源、あるいは発電機の駆動源として使用し、さらに該蒸気タービン出口の蒸気を前記プラントのプロセス蒸気として使用する(1)または(2)記載のエチレンオキシドの製造方法を提供する。
本発明によれば、エチレンと空気または酸素で直接酸化する際に発生する反応熱を熱媒体で除去し、熱媒体のもつ排熱を利用して水蒸気と冷媒を発生させて、水蒸気と冷媒の利用(需要)の多いエチレンオキシドプラントにおいて前記水蒸気と冷媒を効率よく利用することにより、燃料削減及び電力削減により省エネルギーを達成できる。また、これまでは電気を動力源として冷凍機を稼動して冷媒を発生していたために、その冷凍機の使用頻度の低下により電気使用量を大幅に低減できる。結果としてCO2の排出を大幅に抑制することができる。
EOプロセスの一例を示す系統図である。 EOプロセスの蒸気及び冷媒のフローの一例を示す図面である。 従来のEOプロセスの蒸気及び冷媒のフローを示す図面である。
本発明のエチレンオキシド製造方法は、エチレンを空気又は酸素で直接酸化してエチレンオキシドを製造する際に発生する反応熱を利用して水蒸気と冷媒を発生させ、その水蒸気と冷媒をエチレンオキシドプラントで利用することを特徴とする。
本発明のエチレンオキシドプラントにおいて反応熱の除去に用いられる熱キャリヤーとしては、ダウサム(ダウ社の伝熱媒体の商品)等の有機熱媒体、灯油又はテトラリン等の沸騰液体および水が用いることができ、安全性の面から好適には水が用いられる。
本発明の反応熱から生成される水蒸気は使用される熱キャリヤーの種類により生成する方法が異なる。熱キャリアーが有機熱媒体または沸騰液体の場合は、主反応器で反応熱により加熱された熱キャリヤーを主反応器から近くに併設した廃熱ボイラに導き、過熱または沸騰された熱キャリアーを熱源として水蒸気を製造する。反応器と廃熱ボイラの間の熱キャリヤー循環は熱媒体循環ポンプまたは熱キャリヤーの沸騰による自然循環により行われる。熱キャリヤーが水の場合は、反応熱により過熱された水は沸騰水として主反応器の横に設けられた気液分離槽に導かれ、水と水蒸気に分離される。得られた水蒸気は気液分離槽から排出され、水は再度反応器に循環され反応熱の除去に使用される。
本発明で得られた水蒸気はそのままEOプラント装置の駆動源、熱源として利用しても良いが、加熱炉に送り、さらに加熱して過熱蒸気とした後に利用する形態が好適に行われる。
本発明の水蒸気を駆動源として用いられる蒸気タービンとは、回転可動部を有する熱エンジンであり、一定に流れる蒸気の圧力低下を、1段以上の段階で機械的仕事に変換するものである。蒸気の除去のタイプに依存するが、復水蒸気タービン、背圧蒸気タービン等の種々なタイプの蒸気タービンに区別される。駆動に用いた後の排気蒸気のエネルギーが、さらに他の目的に利用できることから、好適には背圧蒸気タービンが用いられる。
本発明において蒸気タービンの駆動に用いた後に排出される蒸気は、EO製造プロセス内に設置した水蒸気もしくは温水の発生器を利用することにより、水蒸気(排気蒸気ともいう)および/または温水として回収される。蒸気タービンの駆動に用いた後の蒸気タービン出口の蒸気はEOプラントのプロセス蒸気として使用され、EO放散塔やEO精製塔等の蒸留塔の熱源として使用される。また、冷媒を得るために使用される。
本発明の冷媒は、前記排気蒸気または温水の熱エネルギーを利用して得られた冷媒であれば制限なく利用することができる。本発明の排熱を利用して冷熱を発生させる装置としては、特に限定されないが、蒸気投入吸収式冷凍機、温水投入吸収式冷凍機、排ガス直接投入吸収式冷凍機等を挙げることができ、発生した冷熱を伝熱する媒体としては、冷水、ブラインなどが例示できる。
本発明の冷媒は、前記EOプラントで利用される。例えば、EO吸収液の冷却、放散塔、脱水塔及び軽質分放散塔の凝縮器、製品EOの冷却等の冷媒として利用できる。
EOの製造プロセスの概略を以下に説明する。
図1はEOプロセスの一例を示す系統図である(例えば、特開2001−187788号公報、特開2001−316308号公報、特開昭62−103072号公報参照)。
図1(A)において、エチレン、酸素などを含む原料ガスをブロワ101、熱交換器102を経てシェル・アンド・チューブ型反応器103に導入し、ここで銀含有触媒と接触させてエチレンをEOに部分酸化する。反応ガスは熱交換器102を経てEO吸収塔104に導入し、生成したEOを吸収・回収する。EO吸収塔104からの反応ガスの一部は反応器103に循環する。そして、その残りは、ブロワ101を経て炭酸ガス吸収塔105に導入し、炭酸ガスを吸収・分離した後、反応器103に循環する。このように、EO吸収塔104及び炭酸ガス吸収塔105から循環した反応ガスにエチレン、メタンなどを補充してガス組成を調整した後、原料ガスとして反応器103に導入して連続的に酸化反応を行う。
図1(B)においてEO吸収塔106の塔底液を、熱交換器107へ送り、放散塔底液と熱交換してEO放散塔108の上部へ供給し、吸収液中に含まれるEOを放散する。EO放散塔108の底部よりEOを含まない塔底液は熱交換器107でEO吸収塔の塔底液と熱交換し、冷却器109により冷却して吸収塔106に導入する。EO放散塔108の塔頂部より放散された放散蒸気は凝縮器110へ送り、凝縮液はEO放散塔108の塔頂部へ還流し、未凝縮蒸気は脱水塔111へ供給される。脱水塔111の塔頂部よりエチレンオキシドを含む蒸気は凝縮器112へ送り、凝縮液は一部、塔頂部へ還流し、残りは軽質分放散塔113へ供給される。凝縮器112の未凝縮蒸気はEO再吸収塔(図示していない)へ供給した。軽質分放散塔113の塔頂部より軽質分ガスを含むEO蒸気は凝縮器114へ送り、凝縮液は凝縮器112へ還流し、未凝縮蒸気はEO再吸収塔(図示してない)へ供給する。軽質分放散塔113の塔底液は精留塔115へ供給する。精留塔115の塔頂部よりEO蒸気を凝縮器116へ送りEOを液化し、一部は精留塔の塔頂部へ還流液として供給し、他部はEO製品として抜き出す。
次に、EOプロセスにおける主要な蒸気、エネルギーのフローを説明する。
図2は本発明のEOプロセスにおける蒸気及び冷熱のフローの一例を示す図面である。図2において、EO反応器201でエチレンと酸素との酸化反応の際に大量の反応熱が発生するので、EOの反応器201で発生する酸化反応熱を、熱水循環による沸騰伝熱により除去を行う。この反応熱を有効に利用するために熱水は気液分離槽202に導き、気液分離槽202で飽和蒸気を得る。
この飽和蒸気を、ライン203を介して蒸気過熱炉204に導き、そこで過熱蒸気とする。得られた過熱蒸気は、ライン205を介してEOプロセスの動力源とする蒸気タービン206に送る。蒸気タービン206から出た蒸気は、ライン207を介してプロセス熱源として利用する。ライン207を介して、EO放散塔214の再沸器216、軽質分放散塔220の再沸器222、及びEO精製塔223の再沸器227の加熱用蒸気として利用される。また、反応ガス中の炭酸ガスを吸収分離した後、炭酸ガスを吸収液から加熱放散させる炭酸ガス放散塔の加熱用蒸気として利用される(図示していない)。また本発明におけるEOプロセスでは、蒸気タービン206から出た蒸気は、ライン207及びライン208を介して蒸気投入吸収式冷凍機228の熱源として利用される。蒸気投入吸収式冷凍機228から得られる冷媒はライン229を介してEO吸収液の冷却器217、EO放散塔214の塔頂凝縮器215、脱水塔218の塔頂凝縮器219、軽質分放散塔220の塔頂凝縮器221、EO精製塔223の塔頂凝縮器224、及び製品EOの冷却器225等の冷却用冷媒として利用された後、ライン230で冷凍機228へと再循環される。さらに、蒸気タービン206から出た蒸気は、ライン209を介して、吸収式冷凍機228よりも温度レベルの低い冷媒を生成することのできる蒸気投入吸収式冷凍機231の熱源として利用される。この蒸気投入吸収式冷凍機231から得られる冷媒はライン232を介して、主に製品EOの冷却器226で冷却用冷媒として利用される。この蒸気吸収式冷凍機から得られる冷熱によって、これまで冷熱を発生するために稼動されているターボ式冷凍機235の運転負荷は大幅に軽減できる。なお、さらに余剰分の蒸気がある場合はライン234を介して廃棄される。
このように蒸気投入吸収式冷凍機を使用してこれまで余剰分として廃棄されていた蒸気を利用して冷熱を生成し、プロセスでの冷熱源として利用することで、従来電力を使用して冷熱を生成していた場合と比較して、電力使用量の大幅な削減とランニングコストの低減、さらに地球温暖化影響のある二酸化炭素(CO2)排出量の削減が可能である。
以下、本発明について、実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されることはない。
(実施例1)
本発明のエチレンオキシド製造プロセスについて図面を参照して説明する。
図2において、EOプロセスについて順に説明する。
(EOプロセス)
EOの反応器201で発生する酸化反応熱を、熱水循環による沸騰伝熱により除去を行う。この反応熱を有効に利用するために熱水は気液分離槽202に導き、気液分離槽202で飽和蒸気を得る。この飽和蒸気を、ライン203を介して蒸気過熱炉204に導き、そこで過熱蒸気とする。得られた過熱蒸気は、ライン205を介してEOプロセスの動力源とする蒸気タービン206に送る。蒸気タービン206から出た蒸気は、ライン207を介してプロセス熱源として利用する。ライン207を介して、EO放散塔214の再沸器216、軽質分放散塔220の再沸器222、及びEO精製塔223の再沸器227の加熱用蒸気として利用される。また、反応ガス中の炭酸ガスを吸収分離した後、炭酸ガスを吸収液から加熱放散させる炭酸ガス放散塔の加熱用蒸気として利用される(図示していない)。また本発明におけるEOプロセスでは、蒸気タービン206から出た蒸気は、ライン207及びライン208を介して蒸気投入吸収式冷凍機228の熱源として利用される。蒸気投入吸収式冷凍機228から得られる冷媒はライン229を介してEO吸収液の冷却器217、EO放散塔214の塔頂凝縮器215、脱水塔218の塔頂凝縮器219、軽質分放散塔220の塔頂凝縮器221、EO精製塔223の塔頂凝縮器224、及び製品EOの冷却器225等の冷却用冷媒として利用された後、ライン230で冷凍機228へと再循環される。さらに、蒸気タービン206から出た蒸気は、ライン209を介して、吸収式冷凍機228よりも温度レベルの低い冷媒を生成することのできる蒸気投入吸収式冷凍機231の熱源として利用される。この蒸気投入吸収式冷凍機231から得られる冷媒はライン232を介して、主に製品EOの冷却器226で冷却用冷媒として利用される。
なお、さらに余剰分の蒸気がある場合はライン234を介して廃棄される。
(比較例1)
従来技術の蒸気フローについて図面を参照して説明する。
図3は、従来のEO技術の蒸気及び冷媒フローを示す図面である。図3において、EOプロセスの蒸気フローと冷媒フローとに分けて順に説明する。
(EOプロセス)
EOの反応器301で発生する酸化反応熱を、熱水循環による沸騰伝熱により熱除去を行う。熱水は気液分離槽302に導き、そこで飽和蒸気とする。飽和蒸気を、ライン303を介して蒸気過熱炉304に導き、そこで過熱蒸気とする。過熱蒸気は、ライン305を介してEOプロセスの動力源とする蒸気タービン306に送る。蒸気タービン306から出た蒸気は、ライン307を経由してプロセス熱源として用いる。余剰分の蒸気はライン308を介して廃棄される。
冷媒はライン329を介してターボ式冷凍機327に導き、電力を投入して冷却する。さらに冷媒はライン328を介してEOプロセス内のEO吸収液の冷却器317、EO放散塔314の塔頂凝縮器315、脱水塔318の塔頂凝縮器319、軽質分放散塔320の塔頂凝縮器321、EO精製塔323の塔頂凝縮器324、及び製品EOの冷却器325等の冷却用冷媒として利用された後、ライン329で冷凍機327へ再循環される。
(エネルギー収支)
排熱蒸気からの冷媒生成する工程を導入する前後での運転条件の一例について表1に示す。
Figure 2012214399
ここで、加熱炉の効率90%、蒸気タービンの効率90%、蒸気投入吸収式冷凍機のCOP(冷房能力(kWh)÷冷房消費電力(kWh))は生成する冷水の温度が7℃の場合1.5、−5℃の場合0.6、ターボ式冷凍機のCOPは4.0である。
表1の運転条件において、導入後では、図3のターボ式冷凍機327での消費電力が97%低減した運転が可能である。
導入前は、ターボ式冷凍機で冷媒の冷却を行い、1055kWの購入電力を消費していた。導入後は余剰蒸気を利用して蒸気投入吸収式冷凍機で冷媒の冷却を行うことにより、ターボ式冷凍機での消費電力を27kWに低減できた。
消費電力を原油換算量にし、導入前後の総エネルギー使用量として比較した。その際の原油換算係数としては、『エネルギーの使用の合理化に関する法律』の換算係数をもとにして、電力:0.25L/kWhを用いた。
(導入前購入電力消費量)=購入電力:1055kW×0.25=264L/hとなる。
(導入後購入電力消費量)=購入電力:27kW×0.25=7L/h。
このシステムの導入効果として、原油換算量で97%の省エネルギーを達成した。
CO2排出量について導入前後のCO2排出量の比較を行った。CO2排出量の算出には地球温暖化対策の推進に関する法律の換算係数をもとにして、電力:0.555kg−CO2/kWhを用いた。
(導入前排出量)=購入電力:1055kW×0.555=586kg−CO2/hとなる。
(導入後排出量)=購入電力:27kW×0.555=15kg−CO2/h。
このシステムの導入効果として、CO2排出量が97%減った。
本発明は、エチレンを空気又は酸素で直接酸化してエチレンオキシドを製造する際に発生する反応熱のうち利用されていなかった排熱を利用して冷媒を発生させ、その冷媒をエチレンオキシドプラントで活用することにより、冷媒発生に使用していた電気使用量を大幅に低減でき、結果としてCO2排出を大幅に抑制できるので、地球温暖化対策に多大の貢献をなすものである。

Claims (3)

  1. エチレンを、空気又は酸素により直接酸化してエチレンオキシドを製造する方法であって、
    (a)反応熱の除去に用いた熱キャリヤーにより水蒸気を発生させ、次いで
    (b)前記水蒸気を1基以上の蒸気タービンの駆動に用い、駆動に用いた後に排出される水蒸気および/または温水を得て、
    (c)(b)で得られた水蒸気もしくは温水の一部を利用して冷媒を発生させ、前記冷媒をエチレンキシドプラントに冷熱源として利用する
    工程を含むことを特徴とするエチレンオキシドの製造方法。
  2. 前記(a)の工程で得られた水蒸気を更に過熱する工程を含むことを特徴とする請求項1記載のエチレンオキシドの製造方法。
  3. 前記(b)の工程で得られる水蒸気を、前記プラントのポンプまたは昇圧機の動力源、あるいは発電機の駆動源として使用し、さらに該蒸気タービン出口の蒸気を前記プラントのプロセス蒸気として使用する請求項1または2記載のエチレンオキシドの製造方法。
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