ところで、上述のような電磁開閉装置では、経年的な劣化や使用回数(開閉回数)などにより、接点(固定接点及び可動接点)の消耗や溶着などの異常が生じることがある。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、接点に異常が生じていることを検出可能とすることを目的とする。
本発明は、(少なくとも1つの)固定接点(1A)及び可動接点(1B)を備え、前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を開閉するための外部指令に応じて前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を開閉するように構成される電磁開閉装置(A)である。電磁開閉装置(A)は、第1計測部(5)、第2計測部(6)、判断部(7)及び出力部(10)を備える。第1計測部(5)は、前記外部指令が入力された回数を基に第1計数を取得するように構成される。第2計測部(6)は、前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開閉された回数を基に第2計数を取得するように構成される。前記判断部(7)は、前記第1計数と前記第2計数の差に基づいて前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)の状態を判断するように構成される。出力部(10)は、判断部(7)の判断結果を外部に出力するように構成される。
一実施形態において、前記判断部(7)は、前記差の絶対値が所定の上限値以上である場合に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)に異常があると判断するように構成される。
一実施形態において、前記判断部(7)は、前記外部指令が入力されてから所定時間(Tth)の間における前記差の絶対値が所定の上限値以上である場合に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)に異常があると判断するように構成される。
一実施形態において、第1計測部(5)は、前記外部指令が前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を閉成するための閉制御信号であれば、その閉制御信号が入力された回数を基に前記第1計数を変更するように構成される。第2計測部(6)は、前記閉制御信号が入力されてから第1所定時間(Tth1)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に閉成された回数を所定値に変更し、前記第1所定時間(Tth1)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開閉された回数に関係なくその所定値で前記第2計数を変更し、前記第1所定時間(Tth1)の経過後に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開成されて閉成される毎に前記所定値で前記第2計数を変更するように構成される。
一実施形態において、前記第1計測部(5)は、前記外部指令が前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を閉成するための閉制御信号であれば、その閉制御信号が入力された回数を前記第1計数に加算するように構成される。前記第2計測部(6)は、前記閉制御信号が入力されてから第1所定時間(Tth1)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に閉成された回数を所定値に変更し、前記第1所定時間(Tth1)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開閉された回数に関係なくその所定値を前記第2計数に加算し、前記第1所定時間(Tth1)の経過後に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開成されて閉成される毎に前記所定値を前記第2計数に加算するように構成される。
一実施形態において、前記判断部(7)は、前記差の絶対値が第1上限値以上であれば、予め決められた第1判断結果を出力するように構成される。
一実施形態において、前記第1計測部(5)は、前記外部指令が前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を開成するための開制御信号であれば、その開制御信号が入力された回数を基に前記第1計数を変更するように構成される。前記第2計測部(6)は、前記開制御信号が入力されてから第2所定時間(Tth2)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開成されれば、第2所定値で前記第2計数を変更するように構成される。
一実施形態において、前記第1計測部(5)は、前記外部指令が前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を開成するための開制御信号であれば、その開制御信号が入力された回数を前記第1計数から減じるように構成される。前記第2計測部(6)は、前記開制御信号が入力されてから第2所定時間(Tth2)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開成されれば、第2所定値を前記第2計数から減算するように構成される。
一実施形態において、前記判断部(7)は、前記差の絶対値が第2上限値以上であれば、予め決められた第2判断結果を出力するように構成される。
一実施形態において、前記第1計数は、前記外部指令が前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を閉成するための閉制御信号用の第1計数を含む。前記第1計測部(5)は、前記外部指令が前記閉制御信号であれば、その閉制御信号が入力された回数を基に前記閉制御信号用の第1計数を変更するように構成される。前記第2計数は、前記閉制御信号用の第2計数を含む。前記第2計測部(6)は、前記閉制御信号が入力されてから第1所定時間(Tth1)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に閉成された回数を所定値に変更し、前記第1所定時間(Tth1)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開閉された回数に関係なくその所定値で前記閉制御信号用の第2計数を変更し、前記第1所定時間(Tth1)の経過後に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開成されて閉成される毎に前記所定値で前記閉制御信号用の第2計数を変更するように構成される。
一実施形態において、前記判断部(7)は、前記閉制御信号用の第1計数と前記閉制御信号用の第2計数の差の絶対値が前記閉制御信号用の第1上限値以上であれば、予め決められた第1判断結果を出力するように構成される。
一実施形態において、前記第1計数は、前記外部指令が前記固定接点及び可動接点を開成するための開制御信号用の第1計数を含む。前記第1計測部(5)は、前記外部指令が前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)を開成するための開制御信号であれば、その開制御信号が入力された回数を基に前記開制御信号用の第1計数を変更するように構成される。前記第2計数は、前記開制御信号用の第2計数を含む。前記第2計測部(6)は、前記開制御信号が入力されてから第2所定時間(Tth2)の間に前記固定接点(1A)及び可動接点(1B)が実際に開成されれば、第2所定値で前記開制御信号用の第2計数を変更するように構成される。
一実施形態において、前記判断部(7)は、前記開制御信号用の第1計数と前記開制御信号用の第2計数の差の絶対値が前記開制御信号用の第1上限値以上であれば、予め決められた第2判断結果を出力するように構成される。
本発明の電磁開閉装置は、接点に異常が生じていることが検出可能になるという効果がある。
図1は本発明の一実施形態による電磁開閉装置Aを示す。電磁開閉装置Aは、少なくとも1つの固定接点及び可動接点を備え、固定接点及び可動接点を開閉するための外部指令に応じて固定接点及び可動接点を開閉するように構成される。図1の例では、電磁開閉装置Aは、接点部1、駆動部2、制御部3、入力部4、第1計測部5、第2計測部6、異常判断部7、記憶部8、タイマ9及び出力部10などを備える。接点部1は、電路100の途中に挿入される2つの固定接点1Aと、固定接点1Aに接離するように構成される可動接点(可動子)11とを有する。すなわち、2つの固定接点1Aと可動接点1Bが接触しているときに接点部1が閉極して電路100が導通する。2つの固定接点1Aと可動接点1Bが接触していないときに接点部1が開極して電路100が非導通となる。
駆動部2は、可動接点1Bを移動して固定接点1Aに接離させるものであって、励磁コイル20に励磁電流を流して生じる電磁力によって可動接点1Bを移動させる。制御部3は、外部から入力部4に入力される制御信号(外部指令)に応じて駆動部2を制御するように構成される。すなわち、固定接点1A及び可動接点1Bを閉成するための閉制御信号が入力部4に入力されれば、制御部3は駆動部2を制御して接点部1を閉極させる。また、固定接点1A及び可動接点1Bを開成するための開制御信号が入力部4に入力されれば、制御部3は駆動部2を制御して接点部1を開極させる。なお、制御信号(閉制御信号及び開制御信号)はハイレベルとローレベルに切り換わる直流電圧信号であり、閉制御信号(接点オン)はハイレベルであり、開制御信号(接点オフ)はローレベルである。
第1計測部5は、制御信号(外部指令)が入力部4に入力された回数を基に第1計数を取得するように構成される。具体的には、第1計測部5は、外部指令が固定接点1A及び可動接点1Bを閉成するための閉制御信号であれば、その閉制御信号が入力された回数を基に第1計数を変更する(例えばその回数を第1計数に加算する)ように構成される。また、第1計測部5は、外部指令が固定接点1A及び可動接点1Bを開成するための開制御信号であれば、その開制御信号が入力された回数を基に第1計数を変更する(例えばその回数を第1計数から減じる)ように構成される。本実施形態では、第1計測部5は、入力部4に入力される制御信号がローレベルからハイレベルに切り換わる閉制御信号であれば、その閉制御信号が入力された回数(“1”)をローレベルからハイレベルに切り換わった時点で第1計数に加算するように構成される。第1計数の初期値は、例えば“0”である。また、第1計測部5は、入力部4に入力される制御信号がハイレベルからローレベルに切り換わる開制御信号であれば、その開制御信号が入力された回数(“1”)をハイレベルからローレベルに切り換わった時点で第1計数から減算するように構成される。第1計測部5で取得された第1計数は制御部3を通じて記憶部8に記憶される。
第2計測部6は、固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開閉された回数を基に第2計数を取得するように構成される。具体的には、第2計測部6は、閉制御信号が入力されてから第1所定時間の間に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に閉成された回数を所定値(例えば“1”)に変更し、第1所定時間の間に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開閉された回数に関係なくその所定値で第2計数を変更し(例えばその所定値を第2計数に加算し)、第1所定時間の経過後に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開成されて閉成される毎にその所定値で第2計数を変更する(例えば所定値を第2計数に加算する)ように構成される。第2計数は、制御部3を通じて記憶部8に記憶に記憶される。
本実施形態では、第2計測部6は、可動接点1Bの変位に基づいて接点部1が開閉される回数を仮計数として計測し、仮計数を制御部3を通じて記憶部8に記憶するように構成される。例えば、接点部1に連動して開閉する補助接点が設けられている場合、第2計測部6は、補助接点のオン・オフ状態から接点部1が開閉された回数を仮計数として計測することができる。あるいは、可動接点1Bの変位若しくは位置を検出することでも接点部1が開閉される回数を仮計数として計測可能である。また、固定接点1A及び可動接点1Bに印加される電圧に基づいて接点部1の開閉を検出することができる。更に、固定接点1A間の電流を検出することによって、接点部1が開閉を検出することができる。なお、可動接点1Bの変位若しくは位置の検出方法については、例えば、近接スイッチやマイクロスイッチなどを用いる検出方法などがある。
ここで、接点部1が開閉される時には接点バウンス(あるいはチャタリング)と呼ばれる間欠開閉現象が生じる。この接点バウンスは電磁開閉装置の機構上、必ず生じる現象であるから、第2計測部6は、接点バウンスによって接点部1が開閉される回数をカウントしないことが望ましい。本実施形態では、第2計測部6は、接点部1の開極又は閉極を検出した時点から(閉極の場合は接点バウンス時間が経過後の)所定時間の間に接点部1が開閉される回数を基に第2計数(閉極の場合は1回)を取得する。
また、第2計測部6は、開制御信号が入力されてから第2所定時間の間に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開成されれば、第2所定値(例えば“1”)で第2計数を変更する(例えば第2所定値を第2計数から減算する)ように構成される。
異常判断部7は、第1計数と第2計数の差に基づいて固定接点1A及び可動接点1Bの状態を判断するように構成される。本実施形態では、異常判断部7は、記憶部8に記憶されている第1計数と第2計数との差の絶対値を所定のしきい値(上限値)と比較し、前記差の絶対値が所定のしきい値未満であれば接点部1の異常(接点不良)なしと判断する。一方、前記差の絶対値がしきい値以上であれば、異常判断部7は接点部1に異常有りと判断し、その判断結果を制御部3に出力する。
具体的には、異常判断部7は、閉制御信号から得られる差の絶対値が第1上限値(少なくとも“1”)以上であれば、予め決められた第1判断結果(固定接点1A及び可動接点1Bに異常(接点バウンス又はチャタリング)があるとの判断結果)を出力するように構成される。また、異常判断部7は、開制御信号から得られる差の絶対値が第2上限値(例えば“2”)以上であれば、予め決められた第2判断結果(固定接点1A及び可動接点1Bに異常(溶着)があるとの判断結果)を出力するように構成される。
制御部3は、異常判断部7から第1又は第2判断結果(異常有りの判断結果)を受け取ると、出力部10から、対応する異常検出信号を出力させるように構成される。なお、制御部3と入力部4と異常判断部7と記憶部8とタイマ9と出力部10とは、それぞれが別々のハードウェア(回路)で実現されてもよいし、1つのマイクロコンピュータ及び種々のソフトウェアで実現されてもよい。
ここで、入力部4に制御信号が入力されてから、駆動部2が接点部1を駆動して接点部1の開閉状態が切り換わるまでにはある程度の時間が必要となる。図2に示すように、電磁リレー(電磁開閉装置)においては、通常、接点が閉極するときに要する時間が動作時間Tonと呼ばれ、接点が開極するときに要する時間が復帰時間Toffと呼ばれる。つまり、第2計測部6が動作時間Tonや復帰時間Toffに接点部1が開閉される回数を計測してしまうと、第1計数と第2計数との差を、異常判断部7が正しく評価し難くなってしまう。したがって、第2計測部6は、動作時間Tonや復帰時間Toffが経過するまでの間、接点部1が開閉される回数を計測しないことが望ましい。
本実施形態では、図2に示すように、第2計測部6は、動作時間Ton及び接点バウンス時間Tbを含み動作時間Ton及び接点バウンス時間Tbより長い第1所定時間Tth1を使用し、また、復帰時間Toffを含み復帰時間Toffより長い第2所定時間Tth2を使用する。また、第1計数及び第2計数は適宜初期化される。
図2の例では、閉制御信号が入力部4に入力されると、その閉制御信号が入力された回数(“1”)が初期値(例えば“0”)の第1計数に加算され、第1計数は“1”となる。また、閉制御信号が入力されてから第1所定時間Tth1の間に固定接点1A及び可動接点1Bが閉成されているので、第1所定時間Tth1の間に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開閉された回数に関係なく、所定値(例えば“1”)が初期値(例えば“0”)の第2計数に加算され、第2計数は“1”となる。したがって、第1計数と第2計数の差の絶対値は“0”となり、第1上限値(例えば“1”)以上でないので、固定接点1A及び可動接点1Bの閉状態は正常であると判断される。
その後、開制御信号が入力部4に入力されると、その開制御信号が入力された回数(“1”)が第1計数から減算され、第1計数は“0”となる。また、開制御信号が入力されてから第2所定時間Tth2の間に固定接点1A及び可動接点1Bが開成されているので、第2所定値(例えば“1”)が第2計数から減算され、第2計数は“0”になる。したがって、第1計数と第2計数との差の絶対値は“0”となり、第2上限値(例えば“1”)以上でないので、固定接点1A及び可動接点1Bの開状態は正常であると判断される。
図3の例では、閉制御信号が入力部4に入力されると、その閉制御信号が入力された回数(“1”)が初期値(例えば“0”)の第1計数に加算され、第1計数は“1”となる。また、閉制御信号が入力されてから第1所定時間Tth1の間に固定接点1A及び可動接点1Bが閉成されているので、所定値(例えば“1”)が初期値(例えば“0”)の第2計数に加算され、第2計数は“1”となる。しかし、第1所定時間Tth1の経過後、固定接点1A及び可動接点1Bが開閉される回数が“2”であるので、2×所定値、即ち“2”が第2計数に加算され、第2計数は“3”になる。したがって、第1計数と第2計数との差の絶対値は“2”となり、第2上限値(例えば“1”)以上であるので、固定接点1A及び可動接点1Bの閉状態は異常であると判断される。
図4の例では、閉制御信号が入力部4に入力されると、その閉制御信号が入力された回数(“1”)が初期値(例えば“0”)の第1計数に加算され、第1計数は“1”となる。また、閉制御信号が入力されてから第1所定時間Tth1の間に固定接点1A及び可動接点1Bが閉成されているので、所定値(例えば“1”)が初期値(例えば“0”)の第2計数に加算され、第2計数は“1”となる。したがって、第1計数と第2計数との差の絶対値は“0”となり、第1上限値(例えば“1”)以上でないので、固定接点1A及び可動接点1Bの閉状態は正常であると判断される。
その後、開制御信号が入力部4に入力されると、その開制御信号が入力された回数(“1”)が第1計数から減算され、第1計数は“0”となる。また、開制御信号が入力されてから第2所定時間Tth2の間に固定接点1A及び可動接点1Bが開成されていないので、第2所定値(“1”)が第2計数から減算されない。したがって、第2計数は“1”を保持し、第1計数と第2計数との差の絶対値は“1”となり、第2上限値(例えば“1”)以上であるので、固定接点1A及び可動接点1Bの開状態は異常であると判断される。
而して、接点部1の消耗や接点部1に接圧を付与する接圧ばねの劣化などが原因で接点バウンスの回数が増加した場合、異常判断部7が第1計数と第2計数との差に基づいて接点部1に異常が生じていると判断する。あるいは、接点部1の溶着などが原因で接点部1が開極しなかった場合にも、異常判断部7が第1計数と第2計数との差に基づいて接点部1に異常が生じていると判断する。そして、異常判断部7の判断結果が制御部1から出力部10を通じて外部に出力されるので、接点部1に異常が生じていることが検出可能になる。なお、第1計測部5及び第2計測部6にて開極した回数(開回数)と閉極した回数(閉回数)を個別に計測し、異常判断部7が、開回数同士の差又は閉回数同士の差を比較して異常判断を行ってもよい。
ところで、電磁開閉装置Aでは、通常、動作時間Ton(励磁コイル20に定格電圧を加えてから接点が接触するまでの時間であって、接点バウンス時間を含まない時間)や接点バウンス時間Tbが規定されている(図2参照)。したがって、接点バウンス時間(規格値)Tbを超えて接点バウンスが継続するようになれば、接点部1に異常が生じていると判断して差し支えない。
そこで、指令が入力されてから所定時間、すなわち、入力部4に閉制御信号が入力されてから接点バウンス時間(規格値)Tbよりも長い第1所定時間Tth1が経過するまでの期間において接点部1が開閉される回数の差が所定の上限値以上である場合、異常判断部7が異常有りと判断すればよい。つまり、接点バウンス時間Tb内において接点部1が開閉される回数は1回であるので、接点バウンス時間Tbを過ぎてからカウントされる回数が増えるに連れて、第1計数と第2計数との差が大きくなる。故に、第1計数と第2計数との差が上限値以上になれば、異常判断部7が接点部1に異常有りと判断できる。
一実施形態において、第1計数は、外部指令が固定接点1A及び可動接点1Bを閉成するための閉制御信号用の第1計数を含む。第1計測部5は、外部指令が閉制御信号であれば、その閉制御信号が入力された回数を基に閉制御信号用の第1計数を変更するように構成される。例えば、第1計測部5は、外部指令が閉制御信号であれば、その閉制御信号が入力された回数を閉制御信号用の第1計数に加算するように構成される。第2計数もまた、閉制御信号用の第2計数を含む。第2計測部6は、閉制御信号が入力されてから第1所定時間Tth1の間に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に閉成された回数を所定値(例えば“1”)に変更し、第1所定時間Tth1の間に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開閉された回数に関係なくその所定値で閉制御信号用の第2計数を変更し(例えばその所定値を第2計数に加算し)、第1所定時間Tth1の経過後に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開成されて閉成される毎に上記所定値で閉制御信号用の第2計数を変更する(例えば上記所定値を閉制御信号用の第2計数に加算する)ように構成される。
加えて、異常判断部7は、閉制御信号用の第1計数と閉制御信号用の第2計数の差の絶対値が閉制御信号用の第1上限値以上であれば、予め決められた第1判断結果を出力するように構成される。この実施形態では、図3に示す異常が一過性の異常であれば、その一過性の異常が検出されるのを防止することができる。具体的には、図3の例において、閉制御信号用の第1上限値を3以上に設定すれば、図3の異常を一過性の異常と仮に判断することができる。閉制御信号用の第1上限値が例えば“3”であるとき、閉制御信号用の第1計数は“1”であり、閉制御信号用の第2計数は“3”であり、それらの差の絶対値が“2”であるので、図4の異常を一過性の異常と仮に判断することができる。その後、再度閉制御信号が入力されたときに図3の現象が発生すれば、閉制御信号用の第1計数は“2”となり、閉制御信号用の第2計数は例えば“6”となって、それらの差の絶対値が“4”となるので、図3の現象を異常として検出することができる。なお、閉制御信号用の第1計数と閉制御信号用の第2計数は、接点部1が開閉された回数が所定値(2以上、例えば5や10など)に達するたびに初期化することが望ましい。
また、この実施形態では、第1計数は、外部指令が固定接点1A及び可動接点1Bを開成するための開制御信号用の第1計数を含むことになり、第2計数は、開制御信号用の第2計数を含むことになる。この場合、第1計測部5は、外部指令が開制御信号であれば、その開制御信号が入力された回数を基に開制御信号用の第1計数を変更するように構成される。例えば、第1計測部5は、外部指令が開制御信号であれば、その開制御信号が入力された回数を開制御信号用の第1計数に追加するように構成されてもよい。第2計測部6は、開制御信号が入力されてから第2所定時間Tth2の間に固定接点1A及び可動接点1Bが実際に開成されれば、第2所定値で開制御信号用の第2計数を変更し(例えば第2所定値(例えば“1”)を開制御信号用の第2計数に追加する)ように構成される。
加えて、異常判断部7は、開制御信号用の第1計数と開制御信号用の第2計数の差の絶対値が開制御信号用の第1上限値以上であれば、予め決められた第2判断結果を出力するように構成される。開制御信号用の第1上限値は“1”以上に設定される。図2後の図4の例において、開制御信号用の第1上限値が例えば“1”に設定されると、図4の現象を検出することができる。即ち、図4の例において、開制御信号が入力されると、開制御信号用の第1計数は“2”となり、開制御信号用の第2計数は“1”に保持され、それらの差の絶対値は“1”となる。これにより、図4の現象を異常として検出することができる。なお、開制御信号用の第1計数と開制御信号用の第2計数は、接点部1が開閉された回数が所定値(2以上、例えば5や10など)に達するたびに初期化することが望ましい。