JP2012211724A - 蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システム - Google Patents

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Abstract

【課題】室内の温度ムラの解消を図ると共に、室内の顕熱負荷及び潜熱負荷の処理を深夜電力で賄う蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による放射冷房システムを提供する。
【解決手段】透湿性を有する材料からなる天井材2とその上の蓄冷体としての躯体スラブ11との間に画成された密閉状の天井裏空間4と、天井裏空間4内の空気を冷却及び除湿する空調機5と、天井裏空間4内の空気中の水蒸気を蓄湿及び放湿可能な調湿材54からなることを特徴とする。夜間は、空調機5で天井裏空間4内の空気を冷却することによって、躯体スラブ11を蓄冷すると共に、天井裏空間4内を除湿する。蓄冷された躯体スラブ11は、昼間、放射及び対流により天井材2を冷却するので、この天井材2により室3内が放射冷房されると共に、室3内の空気中の水蒸気が天井材2を透過して天井裏空間4へ浸入し、調湿材54で吸湿される。
【選択図】図1

Description

本発明は、天井からの冷熱の放射(輻射)により室内の冷房を行う天井放射冷房システムに関するものである。
従来から、室内の温湿度環境を快適にするための空調システムは、室内に空調空気を噴出する噴流式のものが主流であるが、この種の空調システムでは、室内に気流が発生し、その気流が人体に直接当たることで不快感を生じる。また、温度による空気の比重差に起因して、冷気は下に暖気は上に移動して鉛直温度分布が発生するので、不快な頭熱足寒の環境となりやすい。
そこで近年、不快な気流や室内鉛直温度分布が比較的発生しにくい輻射熱を利用した天井放射冷房システムが注目され、様々な手法が提案されている。この天井放射冷房システムには、冷水を流通させることによるものと、空気を流通させることによるものがあり、このうち、冷水を流通させることによる天井放射冷房システムとしては、躯体のコンクリート内に冷水配管を埋設した構造とするものや、天井パネルの裏に冷水配管を這わせた構造とするものがあり、空気を流通させることによる天井放射冷房システムとしては、天井裏の空間を密閉空間とし、この密閉空間内の空気を空気調和機で冷却する手法が知られている。
ところが、冷水を流通させることによる天井放射冷房システムのうち、躯体のコンクリート内に冷水配管を埋設したものは、コンクリートに一度埋設した配管は取り出すことができないのでメンテナンスが不可能であるといった問題が指摘され、天井パネルの裏に冷水配管を這わせた構造は、メンテナンスは可能であるが、冷えた配管が空気に触れることによる結露が発生するため、結露水を処理するドレンパンやドレン配管が必要であるといった問題がある。また、天井裏に設けた密閉空間の空気を空調機で冷却するものは、空気は容積比熱が小さいため、流路が長くなればなるほど天井裏空間において温度ムラを生じてしまうといった問題がある。
しかも、通常の空気噴出式の空調機は、夏季の湿度が高い時期には除湿を行っているが、上述のような天井放射冷房システムは、湿度制御機能がないため、別途、湿度制御機器が必要になるといった問題も指摘される。
一方、潜熱や蓄熱を利用した天井放射冷房システムとしては、下記の特許文献1,2のようなものが知られている。このうち、特許文献1に記載の天井輻射冷暖房システムは、単位面積あたり熱抵抗が0.01m・K/W以上0.4m・K/W以下の天井材を用い、この天井材の裏側に上部及び側部が適切に断熱された密閉空間を形成して、その空間に空調空気を送り、放熱を天井材のみにすることで天井面の温度ムラを解消させたものであり、特許文献2に記載の屋内環境改善建物は、床下空間と内側通気層と天井裏空間を連通し、空調空気の流路とし、流路内に潜熱蓄熱材を用いることによって、主に深夜電力を利用可能とし、温度ムラを解消させる室6面放射冷房を提供するものである。
特開平5−149586号公報 特開2006−112210号公報
しかしながら、特許文献1に記載の天井輻射冷暖房システムは、熱放射を天井面のみにすることで温度ムラの解消を図ることができると共に、躯体に奪われる熱が少なくなるので空調立ち上げ時の負荷を抑えることができるものではあるが、室内で発生する熱負荷に対してタイムリーな処理となるため、冷房を特に必要とする夏季の昼間は、深夜の余剰電力ではないエネルギーを消費することになる。また、深夜電力を利用可能とするために他の設備を導入すると、近年、オール電化の普及によって、深夜電力プラン契約者が多数存在する中、昼間の電力料金が高いプランの契約者にはコスト増につながってしまう問題がある。
また、特許文献2に記載の屋内環境改善建物は、潜熱蓄熱材を用いて、深夜電力を利用するシステムであるため、二酸化炭素の排出量の削減に貢献することができるが、高価な潜熱蓄熱材を利用して温度ムラの解消を行っているため、イニシャルコストが高くなってしまう問題がある。
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであって、その技術的課題は、室内の冷房における温度ムラや気流による不快感の解消を図ると共に、室内の顕熱負荷及び潜熱負荷の処理を深夜の余剰電力で賄うことの可能な蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による放射冷房システムを提供することにある。
上述した技術的課題を有効に解決するための手段として、請求項1の発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムは、透湿性を有する材料からなる天井材と、その上の蓄冷体としての躯体スラブと、この天井材と躯体スラブの間に画成された密閉状の天井裏空間と、前記天井裏空間内の空気を冷却及び除湿する空調機と、前記天井裏空間内の空気中の水蒸気を蓄湿及び放湿可能な調湿材からなることを特徴とするものである。
請求項1の構成によれば、夜間、例えば深夜電力時間帯に、空調機で天井裏空間内の空気を冷却することによって、躯体スラブを蓄冷すると共に、前記天井裏空間内を除湿する。蓄冷された(冷やされた)躯体スラブは、昼間の空調機の運転停止後、冷熱放射及び天井裏空間内の空気の対流により天井材を冷却するので、この冷却された天井材によって室内が放射冷房され、室内の顕熱負荷が処理される。
一方、天井裏空間内は夜間の空調機による除湿によって乾燥状態となっているので、昼間は、室内の空気中の水蒸気が透湿性を有する天井材を透過して天井裏空間へ浸入し、調湿材に吸収(蓄湿)され、すなわち室内の潜熱負荷が処理される。蓄湿された調湿材は、夜間の空調機の運転によって放湿され除湿される。このため、空調機による冷却・乾燥空気は、調湿材の除湿により潜熱を処理した後に天井裏密閉空間内に拡散して、間接的に蓄冷が行われるため、躯体スラブの表面や天井材の表面の温度ムラが軽減される。
請求項2の発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムは、請求項1の構成において、空調空気の噴き出し通路が調湿材からなることを特徴とするものである。
請求項2の構成によれば、空調空気の噴き出し通路が調湿材からなるため、天井裏空間内に調湿材を別途に配置する必要がなく、しかも気流が調湿材によって阻害されることがないので、天井裏空間内に良好な旋回流が形成され、躯体スラブに温度ムラができにくくなり、効率良く蓄冷することができる。
請求項3の発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムは、請求項1又は2の構成において、天井材が調湿材を兼ねることを特徴とするものである。
請求項3の構成によれば、天井材が調湿材を兼ねることによって、天井材が透湿性ばかりでなく吸湿性による蓄湿機能を有するので、室内の潜熱負荷に対する処理機能を高めることができる。
請求項4の発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムは、請求項1〜3のいずれかの構成において、調湿材が、天井裏空間内に、空調空気の噴き出し口と対向して配置されたことを特徴とするものである。
請求項4の構成によれば、空調機からの空調空気は、噴き出し口から噴き出されて調湿材にぶつかり、蓄湿されたこの調湿材を除湿することにより潜熱を処理しながら天井裏空間内に拡散して躯体スラブへの間接的な蓄冷が行われる。
請求項5の発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムは、請求項1〜4のいずれかの構成において、躯体スラブの上面に断熱材が敷設されたことを特徴とするものである。
請求項5の構成によれば、空調機で天井裏空間内の空気を冷却することによる躯体スラブの蓄冷によって、積層型建築物において、上階の床面に結露が発生するのを防止することができ、しかも躯体スラブから上階への放冷が断熱材によって抑制されるので、十分に蓄冷することができる。
本発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムによれば、夏季において上下温度分布を解消した気流感のない静穏な快適環境を提供することができ、しかも湿度制御機器を別途用いることなく室内の潜熱処理を行うと共に温度ムラの解消を図ることができ、深夜の安価な余剰電力を利用して室内の顕熱負荷、潜熱負荷の処理を賄うことができるので、昼間の電力消費量を低減することができ、昼間と夜間でのエネルギー使用量の平準化及び二酸化炭素排出量の削減にも貢献することができる。
本発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムの好ましい実施の形態を示す概略構成説明図である。 本発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムの好ましい実施の形態による昼間の顕熱及び潜熱の流れを示す作用説明図である。 本発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムの好ましい実施の形態による夜間の顕熱及び潜熱の流れを示す作用説明図である。 空調機のダクトの噴き出し口を調湿材で形成した例を示す説明図である。 空調機のダクトの噴き出し口を調湿材で形成した場合の天井裏空間の気流シミュレーション結果を示す説明図である。
以下、本発明に係る蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システムの好ましい実施の形態について、図面を参照しながら説明する。図1はこの実施の形態を示す概略構成説明図、図2及び図3は作用説明図である。
まず図1において、参照符号1は鉄骨・鉄筋コンクリート造りの積層型建築物の躯体であって、11は躯体スラブ、12は躯体側壁、13はバルコニーである。すなわち躯体スラブ11、躯体側壁12及びバルコニー13は鉄骨・鉄筋コンクリートからなる。
躯体スラブ11の下側には天井材2が設置されており、この天井材2によって、各躯体スラブ11,11間の空間は、居住室3と天井裏空間4に仕切られている。天井裏空間4は、躯体スラブ11と躯体側壁12と天井材2に包囲されることによって密閉状の空間となっている。また、躯体スラブ11の上面とその上の不図示の床材との間、及び躯体側壁12の内面と不図示の壁装材との間には、断熱材14が介装されている。
参照符号5は空調機で、天井裏空間4に設置された室内機51と、躯体1の外部に設置された室外機52を備え、室内機51と室外機52の間で、冷媒を、液相−気相の可逆変化を伴いながら循環させることによって、室内機51において天井裏空間4内の空気から熱を吸収し、吸収した熱を室外機52において外部へ放出するヒートポンプ機能を奏するものである。
空調機5における室内機51は、不図示の吸気口から天井裏空間4内の空気を取り入れて、冷媒の吸熱作用により冷却された空気を、ダクト53を介して天井裏空間4へ噴き出すことにより、密閉状の天井裏空間4内の空気を循環させながら冷却するものである。
天井材2は、水蒸気の通過を許容する透湿性及び水蒸気を吸収する吸湿性に優れた多孔質材料からなるものであって、例えば石膏ボードからなるものが好適に用いられる。
また、天井裏空間4内には、空調機5におけるダクト53の先端の、上向きに開口した噴き出し口53aに対向して板状の調湿材54が略水平に配置されている。この調湿材54としては、吸湿性及び放湿性に優れた市販の調湿建材のほか、珪藻土や炭、炭化物セラミックなど、低湿時と高湿時における平衡含水率に差がある材質が好適に使用することができる。
以上のように構成された本発明の実施の形態の天井放射冷房システムによれば、夏季の昼間においては、図2に示すように、居住室3内の高温・多湿の空気は、夜間に空調機5の駆動によって蓄冷された躯体スラブ11からの冷熱放射及び天井裏空間4内の空気の対流により冷却された天井材2によって放射冷房され、言い換えれば、居住室3内の空気のもつ顕熱SHは適度な熱伝導性を有する天井材2を介して天井裏空間4内へ取り込まれ、さらに躯体スラブ11に取り込まれて蓄熱される。一方、居住室3内の空気のもつ潜熱LHは、空気中の水蒸気Vと共に、透湿性に優れた多孔質の天井材2を通過して天井裏空間4内へ浸入し、調湿材54に吸収される。また、天井材2は透湿性ばかりでなく吸湿性にも優れた材質からなるため、調湿材の機能も兼ねており、居住室3内の空気のもつ潜熱LH(水蒸気V)の一部は、この天井材2にも吸収され、蓄湿される。すなわち、居住室3から天井材2への吸湿量と、天井材2から天井裏空間4内への放湿量の差が、天井材2への蓄湿量となる。そしてこのような蓄熱・蓄湿作用によって、昼間の居住室3内の顕熱負荷及び潜熱負荷が処理される。
また夜間、とくに深夜電力時間帯は、図3に示すように空調機5を駆動させる。先に説明したように、空調機5は、室内機51と室外機52の間でのヒートポンプ作用によって、天井裏空間4内の熱(顕熱SH及び潜熱LH)を外部へ放出すると共に除湿を行うものである。
詳しくは、天井裏空間4から空調機5の室内機51に取り込まれた空気がこの室内機51内で冷却される際には、空気に含まれる水蒸気Vが凝縮され、液化してドレン水Dとなって躯体1の外部へ排出されるので、ダクト53を介して噴出する冷却空気Aは相対湿度が低いものとなっている。このため昼間、調湿材54の吸湿作用によってこの調湿材54に蓄湿された水蒸気Vは、ダクト53の噴き出し口53aからの乾燥・冷却空気Aが調湿材54に噴き付けられることによって天井裏空間4に効率良く放出(放湿)され、その後、室内機51内に取り込まれて凝縮され、ドレン水Dとして除去されることになる。このとき、室内機51内の熱交換器で水蒸気Vが凝縮して液化する際の潜熱LHは、冷媒により室外機52に運ばれ、室外機52内の熱交換器から躯体1の外部へ放出される。
また、天井材2に蓄湿された水蒸気Vも、上述と同様に、天井裏空間4へ効率良く放出(放湿)され、室内機51内に取り込まれて凝縮され、ドレン水Dとして除去されると共に、凝縮の際の潜熱LHが室外機52へ運ばれて放出される。そして、このようにして天井裏空間4及び天井材2が除湿されるので、夜間も継続して、居住室3の潜熱LHが空気中の水蒸気Vと共に天井材2を通過(居住室3から天井材2への吸湿及び天井材2から天井裏空間4への放湿)して天井裏空間4内へ取り込まれ、空調機5によって上述と同様に処理される。
空調機5の駆動によって密閉状の天井裏空間4の空気が冷却されて行くと、これに伴い、昼間の間に蓄熱されることにより昇温した躯体スラブ11から天井裏空間4への顕熱SHの放出が行われ、言い換えれば躯体スラブ11への蓄冷が行われる。一方、居住室3の顕熱SHも天井材2を介して天井裏空間4へ放出され、言い換えれば適度な熱伝導性を有する天井材2を介して居住室3への冷熱放射が行われる。そして、天井裏空間4へ放出された顕熱SHは、空気と共に空調機5の室内機51に取り込まれ、空調機5のヒートポンプ機能により躯体1の外部へ放出される。
また、空調機5の室内機51から噴き出される冷却空気Aは、調湿材54の潜熱を処理した後に天井裏空間4内に水平に拡散し、放射によって、間接的に躯体スラブ11への蓄冷が行われるため、躯体スラブ11の表面の温度ムラや天井材2の表面の温度ムラが軽減される。
ここで、躯体スラブ11の上面は断熱材14の敷設によって断熱されているため、躯体スラブ11の蓄冷によって、上階の床面に結露が発生するのを有効に防止することができる。
そしてコンクリートからなる躯体スラブ11は熱容量が大きく、しかも躯体スラブ11の上面が断熱材14によって断熱されているため、躯体スラブ11に蓄積される冷熱が、上階の居住室へ容易に放出されてしまうようなこともない。したがって、夜間の空調機5の駆動によって、朝までの間に躯体スラブ11が十分に蓄冷される(冷やされる)と共に、調湿材54及び天井材2が十分に除湿されて乾燥状態となる。
したがって、空調機5が停止した後(昼間)は、先に説明したように、居住室3が、蓄冷された躯体スラブ11からの冷熱放射及び天井裏空間4内の空気の対流により冷却された天井材2によって放射冷房され、顕熱負荷が処理されると共に、居住室3内の水蒸気Vが、透湿性を有する天井材2を通過し(一部は天井材2に吸収され)、天井裏空間4内の調湿材54に吸収され蓄湿されることによって、居住室3内の潜熱負荷が処理されるのである。しかも、室内に空調空気を噴出する噴流式の空調システムと異なり、居住室3内に顕著な気流を発生させないので、気流が人体に直接当たることによる不快感を生じることがなく、天井材2からの冷熱放射によるものなので、温度の異なる空気の比重差による鉛直温度分布を生じにくく、かつ適度に除湿されるので、快適な居住環境を創出することができる。
また、躯体スラブ11への蓄冷のための空調機5の運転は、上述のように、深夜電力の時間帯に行われる。すなわち、電力使用量の少ない深夜の時間帯は、電力供給量が過剰となっているため安価に提供されており、したがってこのような深夜電力を利用して空調機5を運転することにより、電力料金を節減することができる。しかも、深夜の余剰電力を用いることで昼間の電力消費量を低減することができ、その結果、昼と夜のエネルギー使用量の平準化、ひいては大気中への二酸化炭素排出量の削減に貢献することができる。
なお、上述の説明では、便宜上、空調機5の運転によって躯体スラブ11に蓄冷されるものとしたが、実際には躯体側壁12のうち天井裏空間4を取り囲んだ部分12a(図2及び図3参照)にも蓄冷されることになる。
また、市販のダクト式の空調機5を用いた放射冷房システムであるため、躯体のコンクリート内に冷水配管を埋設したものなどとは異なり、例えば開閉可能な点検口(不図示)を天井材2に設けておくことによって、メンテナンスを容易に行うことができる。
また、上述の形態ではダクト53からの乾燥した低温の空気Aを板状の調湿材54にその下側から噴き付けているが、その噴き出し方向や調湿材54の方向については特に限定しない。また、図4に示すように、空調空気の噴き出し通路であるダクト53、及び(又は)その先端の噴き出し口53aを調湿材54で形成して、天井裏空間4内へ冷却空気Aを水平方向へ噴き出すようにすることも好ましい。このように構成することによって、図5に気流シミュレーション結果を示すように、天井裏空間4内で旋回流が形成され、上面の躯体スラブに温度ムラができにくくなり、効率良く蓄冷することができる。
また、上述の形態では、天井材2には湿気伝導率(透湿性)が高く、水分を通しやすい石膏ボードを用いたが、低湿時と高湿時の平衡含水率の差が大きい材質ほど好適である。そして天井材2の熱伝導率は、高すぎると夜間の躯体スラブ11への蓄冷時に、居住室3内へ冷気が漏れやすくなるため、蓄冷の効率が低下するおそれや、夜間に居住室3内が過冷却になるおそれがあり、逆に低すぎると天井裏空間4の冷熱を居住室3内へ放射する機能が阻害されるため、地域による気候の差などの条件を考慮して、適切な熱伝導率を有する材料が選択される。
1 躯体
11 躯体スラブ
12 躯体側壁
14 断熱材
2 天井材
3 居住室
4 天井裏空間
5 空調機
51 室内機
52 室外機
53 ダクト(噴き出し通路)
53a 噴き出し口(噴き出し通路)
54 調湿材

Claims (5)

  1. 透湿性を有する材料からなる天井材と、その上の蓄冷体としての躯体スラブと、この天井材と躯体スラブの間に画成された密閉状の天井裏空間と、前記天井裏空間内の空気を冷却及び除湿する空調機と、前記天井裏空間内の空気中の水蒸気を蓄湿及び放湿可能な調湿材からなることを特徴とする蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システム。
  2. 空調空気の噴き出し通路が調湿材からなることを特徴とする請求項1に記載の蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システム。
  3. 天井材が調湿材を兼ねることを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システム。
  4. 調湿材が、天井裏空間内に、空調空気の噴き出し口と対向して配置されたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システム。
  5. 躯体スラブの上面に断熱材が敷設されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の蓄冷・放冷及び蓄湿・放湿による天井放射冷房システム。
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