JP2012211242A - 活性エネルギー線硬化物及び活性エネルギー線硬化型シール材 - Google Patents

活性エネルギー線硬化物及び活性エネルギー線硬化型シール材 Download PDF

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智 鈴木
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Yasutoshi Tokita
康利 時田
Koichi Akiyama
孝一 秋山
Hiroyuki Fujita
博之 藤田
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Abstract

【課題】 電子機器、例えばハードディスクに適用される活性エネルギー線硬化型シール材として要求される低硬度、良好なクリーン度、良好な復元性、及び低透湿性を有しつつ音響特性を満足する技術を提供すること。
【解決手段】 ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)とポリシソシアネート化合物(b)と活性水素含有(メタ)アクリレート(c)より得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を含有する樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化させてなる硬化物であって、ガラス転移点が0〜30℃の範囲にあり、且つ損失係数tanδが1.0以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、活性エネルギー線硬化物、及び、電気・電子機器、通信機器、特にハードディスク装置に使用可能な活性エネルギー線硬化型シール材に関する。
電子機器、例えばハードディスクに適用されるシール材としては、活性エネルギー線硬化型で柔らかく復元性があり、しかもクリーン度が高いことが要求されている。この要求に適合するため、シール材に用いられる組成物としては、活性エネルギー線硬化性のウレタン(メタ)アクリレートと反応性モノマーからなる組成物が提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。
活性エネルギー線硬化型シール材は、品質として耐熱性、耐湿性、接着性の向上が求められており、これに対し重合脂肪酸(ダイマー酸骨格)を有するポリオールを用いたウレタン(メタ)アクリレートとモノビニル化合物よりなる組成物が検討されている(例えば、特許文献3を参照)。
更に、パーティクルの低減を目的として、チクソトロピック材を添加しないで、特定のダイマー酸系ポリオールと特定のポリイソシアナートを用いた活性エネルギー線硬化型シール材が提案されている(例えば、特許文献4及び5を参照)。
一方、近年ハードディスクの作動時の静寂さが求められてきており、シール材に対しても適用される電子機器の作動時の音を抑制する特性(以下、「音響特性」という)に優れることが求められてきている。しかしながら従来技術による活性エネルギー線硬化型のシール材では音響特性が十分とは言えないのが実情である。
特開昭60−163911号公報 特開2001−163931号公報 特開平09−208681号公報 特開2010−100711号公報 国際公開第2009/123236号
本発明の目的は、電子機器、例えばハードディスクに適用される活性エネルギー線硬化型シール材として要求される低硬度、良好なクリーン度、良好な復元性、及び低透湿性を有しつつ音響特性を満足する技術を提供することである。
本発明は、一態様において、ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)とポリシソシアネート化合物(b)と活性水素含有(メタ)アクリレート(c)より得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を含有する樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化させてなる硬化物であって、ガラス転移点が0〜30℃の範囲にあり、且つ損失係数tanδが1.0以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化物である。
上記活性エネルギー線型樹脂組成物は、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート(A):芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の質量比率が5:95〜50:50の範囲である。
また、上記芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)は、例えば、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される。
Figure 2012211242
一般式(I)〜(III)において、Rは、複数ある場合は各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Rは水素又はメチル基を表し、nは0〜10の整数を表し、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素原子、炭化水素基又は芳香環を表す。
また、上記ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)は、例えば、ダイマー酸と多価アルコールから得られるダイマー酸エステルポリオールであり、前記多価アルコールが側鎖にアルキル基が1つ以上有するアルコールである。
本発明は、他の態様において、上記本発明の活性エネルギー線硬化物からなる活性エネルギー線硬化型シール材である。
本発明により、低硬度、良好なクリーン度、良好な復元性及び低透湿性を有し、且つ、音響特性に優れ、ハードディスク等の電子機器のガスケットなどとして好適に用い得る活性エネルギー線硬化型シール材の提供が可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の活性エネルギー線硬化物は、ガラス転移点(Tg)と損失係数を表すtanδが音響特性に重要な影響を及ぼすとの知見に基づき開発されたものであり、ガラス転移点が0〜30℃の範囲にあり、且つ、損失係数を表すtanδが1.0以上であることを特徴の一つとする。
本発明の活性エネルギー線硬化硬化物は、ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)とポリイソシアネート化合物(b)と活性水素含有(メタ)アクリレート(c)より得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を含有してなる活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、活性エネルギー線で硬化して得られる。
〔(A)ウレタン(メタ)アクリレート〕
ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)(以下、「ダイマー酸ポリオール(a)」などともいう。)は、ダイマー酸と多価アルコールから得られるダイマー酸エステルポリオールが代表的である。ここで多価アルコールとして、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、ジエチレングリコール、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−プロパノール、ダイマージオール等が挙げられる。
また、多価アルコールは、一形態において、側鎖に1つ以上のアルキル基を有するアルコールであることが好ましい。そのような多価アルコールとしては、ネオペンチルグリコール、2メチル−1,3プロパンジオール、3―メチル1,5ペンタンジオール、2−メチル−1,5ペンタンジオール、2−エチルペンタン−1,5−ジオール、3−メチルヘキサン−1,6−ジオール、2−メチル−1,4ブタンジオール、4−メチル−1,7−ヘプタンジオールなどが例示できる。
これらの多価アルコールは1種類を単独で、あるいは2種類以上を併用してもよいが、側鎖にアルキル基を有する多価アルコールを用いると加水分解安定性や低透湿性になるため好ましい。
ダイマー酸ポリオール(a)の数平均分子量は800〜2000であることが好ましい。分子量がこの範囲であるダイマー酸ポリオール(a)を用いることにより、シール材の損失係数であるtanδを高めることができ、これにより音響特性が良好になることを見出した。音響特性が良好となり、更に柔らかさを満足する観点からダイマー酸骨格を有するダイマー酸ポリオール(a)のより好ましい分子量は800〜1500である。ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)の更なる例として、ダイマー酸を還元したダイマージオールも挙げられる。更にダイマージオールにアルキレンオキサイドを付加したポリオール、ダイマージオールとジカルボン酸から得られるエステルも挙げられる。
ポリイソシアネート化合物(b)としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどが挙げられる。これらは1種類を単独で、あるいは2種類以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物(b)としては、さらに、上記の各種ジイソシアネート化合物と水とを反応させて得られるビュレット型ポリイソシアネート化合物、または上記の各種ジイソシアネート化合物とトリメチロールプロパン等の多価アルコールとを反応させて得られるアダクト型ポリイソシアネート化合物、または上記の各種ジイソシアネート化合物をイソシアヌレート化せしめて得られる多量体等を用いることができる。
活性水素含有(メタ)アクリレート(c)としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリロイル6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−ヒドロキシプロピルなどが挙げられる。これらは、1種類を単独で、あるいは2種類以上を併用してもよい。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)は、上述したダイマー酸骨格を有するポリオール(a)、ポリイソシアネート化合物(b)及び活性水素含有(メタ)アクリレート(c)を反応させることにより得られる。その方法としては、ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)の水酸基を利用し、ポリイソシアネート化合物(b)を介して活性水素含有(メタ)アクリレート(c)を分子末端に付加することにより得られる。この際に、(I)ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)とポリイソシアネート化合物(b)を反応させて末端イソシアネートオリゴマーとし、活性水素含有(メタ)アクリレート(c)を付加させる方法、(II)ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)と活性水素含有(メタ)アクリレート(c)を混合しリイソシアネート化合物(b)を加えて反応させる方法のどちらで行なってもよい。また、これらの反応を後述する(メタ)アクリル酸エステル(B)中で行う方法、また得られた(メタ)アクリレートを(メタ)アクリル酸エステル(B)で溶解する方法のどちらで行ってもよい。
〔(B)芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル〕
芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)として、例えば、p−クミルフェノール(メタ)アクリレート、ナフタレン(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、フェノールPO変性(メタアクリレート、ノニルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールEO変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールPO変性(メタ)アクリレートベンジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシフェノキシプロピル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
その中でも下記一般式(I)〜(III)で表されるものがより好ましい。
Figure 2012211242
一般式(I)〜(III)において、Rは、複数ある場合は各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Rは水素又はメチル基を表し、nは0〜10の整数を表し、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素原子、炭化水素基又は芳香環を表す。
により表される炭化水素基としては、具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
nは、上記の通り0〜10の整数であり、より好ましくは1〜4の整数である。
Ra〜Reにより表される炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等が挙げられ、芳香環としては、例えば、フェニル、トリル、キシル、クメニル、ナフチル、ベンジル、フェネチル、クミル等が挙げられる。
このような芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を用いると硬化物の透湿性が低く、硬度が低く、クリーン度も高く、しかもHDDの金属カバーとの接着性も優れるなど音響性能に加え優れた性能が得られる。芳香族環を有しないアクリル酸エステルで、ガラス転移点が0〜30℃でtanδが1.0以上になるものとして、例えば、シクロヘキシルアクリレートやラウリルアクリレート等が挙げられるが、これらを選択しても、良好な音響特性が得られず、更には硬さや発ガスも満足しないなど好適なものが無い。
本発明の活性エネルギー線硬化型樹脂組成物は、上述した芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)以外の反応性モノマーを更に含有していてもよい。
芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)以外の反応性モノマーとして、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルカプロラクタム、(メタ)アクリロイルモルフォリン、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の公知慣用のものが挙げられる。
これらの反応性モノマーは、透湿性の改善や接着性の改善などで用い得るが、音響特性等の性能が劣らない範囲で芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)と併用して使用することができる。
ウレタン(メタ)アクリレート(A)と(メタ)アクリル酸エステル(B)の配合比率は、(メタ)アクリル酸エステル(B)の割合が多いほどtanδが高くなり、音響特性に優れるのであるが、多くなりすぎると粘度が低下して吐出安定性が悪くなったり、復元性が悪くなるので、その質量比率は5:95〜50:50が好ましい割合である。音響特性、復元性、硬さのバランスの観点から、より好ましくは10:90〜40:60の範囲であり、更に粘度など作業性の観点も踏まえて更に好ましくは10:90〜30:70の範囲である。
〔その他の成分〕
本発明の組成物には、更に、必要に応じて光重合開始剤、揺変剤としての微粉末シリカ等を含有させてもよい。
本発明において用い得る光重合開始剤は、特に制限はなく、従来公知の化合物を適宜採用することができる。一例を挙げると、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノンオリゴマーなどのアセトフェノン類;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどのベンゾイン類;ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−N,N−ジメチル−N−[2−(1−オキソ−2−プロペニルオキシ)エチル]ベンゼンメタナミニウムブロミド、(4−ベンゾイルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドなどのベンゾフェノン類;2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン、2−(3−ジメチルアミノ−2−ヒドロキシ)−3,4−ジメチル−9H−チオキサントン−9−オンメソクロリドなどのチオキサントン類;2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどのアシルフォスフォンオキサイド類などが挙げられる。これらの光重合開始剤は1種のみが単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
〔硬化物〕
先に述べた方法により得られたウレタン(メタ)アクリレート(A)に芳香族環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)、及び必要に応じて光重合開始剤、揺変剤である微粉シリカなどを配合したものを、ディスペンサーなどを用いてハードディスクの蓋などに吐出し、活性エネルギー線を照射し硬化させることにより、例えばシール材を得ることができる。
ここで、活性エネルギー線としては、紫外線、遠紫外線、可視光線、X線、電子線等が挙げられる。利便性を考えるならば、一般的に用いられている紫外線が好ましい。紫外線の光源としては、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、(パルス)キセノンランプ、及び無電極ランプ等が挙げられる。
上述したように、本発明においては、硬化物のガラス転移点(Tg)が0〜30℃の範囲にあり、且つ、損失係数を表すtanδが0.1以上であることが重要である。
ここで、本発明におけるtanδとは、損失係数と呼ばれ、動的粘弾性の貯蔵弾性率E’と損失弾性率E”からE”/E’で求まる値である。
また、本発明におけるガラス転移点(Tg)とは、動的粘弾性の損失係数tanδの極大値を示す温度である。
Tgが0〜30℃の範囲にあると、活性エネルギー線硬化したシール材の音響特性が良好になること以外に、硬さが室温で柔らかいので、シール材を塗布した蓋体とHDD本体とを組付けるときに隙間無く圧締できる。シール材の硬さはJIS K6253に基づくA硬度で50以下が好ましく、この数値であると柔らかく圧縮し易い。これよりも硬いと組付けたとしても、蓋体とHDD本体の間に隙間が生じてしまう。特に好ましいTgの温度範囲は0〜20℃でありこの範囲だとシール材は非常に柔らかい。より好ましくは、硬化物のTgが0〜20℃の範囲である。なお、ガラス転移点(Tg)の制御には、ウレタン(メタ)アクリレート組成と反応性モノマ−の種類と量が最も寄与度が高い。
また、tanδの値が1.0未満では音響特性が悪化する。より好ましくは硬化物のtanδが1.3以上である。
以下に実施例を示すが、本発明は特にこれらに限定されるものではない。また、文中、「部」、「%」は質量基準である。
まず、本実施例及び比較例で使用するダイマー酸ポリオール(a)の合成について説明する。
(合成例1)(ダイマー酸ポリオール(I)の合成)
攪拌機、水分離器つき反応容器中に2−メチル−1,3―プロパンジオール305部、ダイマー酸(モノマー酸:2%、ダイマー酸:95%、トリマー酸:3%)1000部を仕込み、常圧下で窒素ガスを通じつつ、約240℃で縮合水を流出させながら脱水エステル化反応を行い、酸価0.3mgKOH/g、水酸基価140.0mgKOH/g、数平均分子量800のダイマー酸ポリオール(I)を得た。
(合成例2)(ダイマー酸ポリオール(II)の合成)
攪拌機、水分離器つき反応容器中に2−メチル−1,3―プロパンジオール272部、ダイマー酸(モノマー酸:2%、ダイマー酸:95%、トリマー酸:3%)1000部を仕込み、合成例1と同様の方法にて酸価0.2mgKOH/g、水酸基価112.2mgKOH/g、数平均分子量1000のダイマー酸ポリオール(II)を得た。
(合成例3)(ダイマー酸ポリオール(III)の合成)
攪拌機、水分離器つき反応容器中に2−メチルー1,3―プロパンジオール212部、ダイマー酸(モノマー酸:2%、ダイマー酸:95%、トリマー酸:3%)1000部を仕込み、合成例1と同様の方法にて酸価0.25mgKOH/g、水酸基価56.1mgKOH/g、数平均分子量2000のダイマー酸ポリオール(III)を得た。
(合成例4)(ダイマー酸ポリオール(IV)の合成)
攪拌機、水分離器つき反応容器中に2−メチルー1,3―プロパンジオール194部、ダイマー酸(モノマー酸:2%、ダイマー酸:95%、トリマー酸:3%)1000部を仕込み、合成例1と同様の方法にて酸価0.21mgKOH/g、水酸基価37.4mgKOH/g、数平均分子量3000のダイマー酸ポリオール(IV)を得た。
(合成例5)(ダイマー酸ポリオール(V)の合成)
攪拌機、水分離器つき反応容器中にジエチレングリコール327部、ダイマー酸(モノマー酸:2%、ダイマー酸:95%、トリマー酸:3%)1000部を仕込み、合成例1と同様の方法にて酸価0.1mgKOH/g、水酸基価112.2mgKOH/g、数平均分子量1000のダイマー酸ポリオール(V)を得た。
次に、実施例及び比較例について説明する。
(実施例1)ウレタンアクリレート樹脂(I)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート2932部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(I)を得た。
(実施例2)ウレタンアクリレート樹脂(II)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート5027部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(II)を得た。
(実施例3):ウレタンアクリレート樹脂(III)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例3で得られたダイマー酸ポリオール(III)2000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート5269部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)2.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル2.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(III)を得た。
(実施例4):ウレタンアクリレート樹脂(IV)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例4で得られたダイマー酸ポリオール(IV)3000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート7604部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)3.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル3.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(IV)を得た。
(実施例5):ウレタンアクリレート樹脂(V)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例1で得られたダイマー酸ポリオール(I)800部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート2462部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.1部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.1部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(V)を得た。
(実施例6):ウレタンアクリレート樹脂(VI)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例5で得られたダイマー酸ポリオール(V)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート2932部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(VI)を得た。
(実施例7):ウレタンアクリレート樹脂(VII)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート2513部、ジシクロペンタジエンオキシエチルアクリレート419部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(VII)を得た。
(実施例8):ウレタンアクリレート樹脂(VIII)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート1255.4部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(VIII)を得た。
(比較例1):ウレタンアクリレート樹脂(IX)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレートを539部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(IX)を得た。
(比較例2):ウレタンアクリレート樹脂(X)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレートを314部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(X)を得た。
(比較例3):ウレタンアクリレート樹脂(XI)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ジシクロペンタジエンオキシエチルアクリレートを539部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(XI)を得た。
(比較例4):ウレタンアクリレート樹脂(XII)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ジシクロペンタジエンオキシエチルアクリレートを2932部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(XII)を得た。
(比較例5):ウレタンアクリレート樹脂(XIII)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、シクロヘキシルアクリレート2932部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(XIII)を得た。
(比較例6):ウレタンアクリレート樹脂(XIIII)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中にポリプロピレングリコール(三洋化成社製:サンニックスPP1000 分子量1000)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ノニルフェノールEO(1モル)変性アクリレート2932部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み、2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。その後、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(XIIII)を得た。
(比較例7):ウレタンアクリレート樹脂(XV)の合成
攪拌機、空冷管つき反応容器中に合成例2で得られたダイマー酸ポリポリオール(II)1000部とトリレンジイソシアネート209部、ラウリルアクリレート1255部、イルガノックス1010(BASF社製の商品名)1.3部を仕込み、加熱攪拌し、80℃で5時間反応させた。次に、2−ヒドロキシエチルアクリレート46.4部、ハイドロキノンモノメチルエーテル1.3部を仕込み2時間保温して、赤外吸収スペクトルによりイソシアネート基による吸収が消失したことを確認した。光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製の商品名)を3%加え、1時間攪拌し、目的のウレタンアクリレート樹脂(XV)を得た。
得られた組成物を、以下に示す評価方法に従い評価した。結果を表1に示す。
<評価方法>
[試験片の作製]
上記実施例および比較例で得られた組成物を、膜厚100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、組成物の膜厚が1mmとなるように均等に塗布した。その後、得られた積層体にUV照射装置(ECS−401GX、アイグラフィックス株式会社製)を用いてUVを照射(ランプ:160W/cm 高圧水銀ランプ、ランプ出力:2kW、コンベアスピード:60cm/min、ランプ高さ:180mm、積算光量:4000mJ/cm)し、組成物を硬化させて試験片を作製した。
〔Tg及びtanδ〕
動的粘弾性測定装置DMA(ティー・エイ・インストルメント社製)を用い、試験片(2mm×1mm×50mm)を引張モードにて、測定周波数10Hz、昇温速度2℃/分で測定した。
〔A硬度〕
試験片100mm×100mm×10mm(上記で作製した試験片を重ね合わせたもの)を、JIS K6253に基づくA硬度にて押し圧直後の値をA硬度として読み取った。A硬度が50を超えるとHDDカバーの圧締がしにくくなるため、50以下を合格(○)とし、50超を不合格(×)として評価した。
〔音響特性〕
3.5インチHDDのカバーにFIPG装置を用い、幅1.8mmで高さが1.3mmのシール材を塗布し、UVを約3000ミリジュール照射し硬化物を得、HDD本体にセットしたHDD組付け品を無響室に設置し、HDDをシーク駆動させた状態の騒音レベルを測定した。測定条件は、Gras社製騒音測定装置、マイク(Type40AH;小野測器製)プリアンプ(Type26HH;小野測器製)、FFT(DS2000;小野測器製)を用い、マイクはHDDの10mm直上に設置した。騒音レベルは測定値から暗騒音を差し引いた値とした。騒音レベルは50dB以下を合格(○)とし、50dB超を不合格(×)として評価した。なお、音響的には1dBの差は人間の耳で十分識別できると言われている。
〔透湿性〕
3.5インチHDDと同形のスチール製カバーにFIPG装置を用い、音響測定用と同一のサンプルを施工し、スチール製の本体部を準備し、内部に湿度センサーを設置してHDD組付け品を準備した。これを温度50℃、湿度90%のの恒温恒湿槽に放置し、HDD内部が65%の湿度になる時間を測定した。この時間が50時間より短いとHDD内部における湿度の侵入が容易となりHDD内部にある金属部品の腐食が起こりやすくなるため、50時間以上を合格(○)とし、50時間未満を不合格(×)として評価した。
〔発ガス〕
シール材400mgを120℃に10分間加熱し発ガス分をガスクロマトグラフィー/マススペクトログラフィーを用いて定量した。各成分のピーク面積はペンタデカンの感度と同等とみなして定量した。数値は100μg/g以下を合格とし、100μg/g超を不合格(×)として評価した。
Figure 2012211242
Figure 2012211242
上記結果より、本発明の組成物を用いて形成された硬化物においては、音響特性、低硬度、低透湿性及び発ガス性能のいずれにおいても優れていることがわかった。

Claims (5)

  1. ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)とポリシソシアネート化合物(b)と活性水素含有(メタ)アクリレート(c)より得られるウレタン(メタ)アクリレート(A)、及び、芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)を含有する樹脂組成物を活性エネルギー線で硬化させてなる硬化物であって、ガラス転移点が0〜30℃の範囲にあり、且つ損失係数tanδが1.0以上であることを特徴とする活性エネルギー線硬化物。
  2. ウレタン(メタ)アクリレート(A):芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)の質量比率が、5:95〜50:50の範囲であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化物。
  3. 芳香環を有する(メタ)アクリル酸エステル(B)が、下記一般式(I)〜(III)のいずれかで表される請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化物。
    Figure 2012211242
    一般式(I)〜(III)において、
    は、複数ある場合は各々独立に、炭素数1〜4の炭化水素基を表し、Rは水素又はメチル基を表し、nは0〜10の整数を表し、Ra、Rb、Rc、Rd及びReは、各々独立に、水素原子、炭化水素基又は芳香環を表す。
  4. ダイマー酸骨格を有するポリオール(a)がダイマー酸と多価アルコールから得られるダイマー酸エステルポリオールであり、前記多価アルコールが側鎖にアルキル基が1つ以上有するアルコールであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化物からなる活性エネルギー線硬化型シール材。
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