JP2012210898A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
電動パワーステアリング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012210898A JP2012210898A JP2011078410A JP2011078410A JP2012210898A JP 2012210898 A JP2012210898 A JP 2012210898A JP 2011078410 A JP2011078410 A JP 2011078410A JP 2011078410 A JP2011078410 A JP 2011078410A JP 2012210898 A JP2012210898 A JP 2012210898A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electric motor
- frequency
- signal
- yoke
- teeth
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)
- Power Steering Mechanism (AREA)
Abstract
【課題】構造を複雑にすることなく耳障りな歯打ち音等の発生を抑制する技術を提供する。
【解決手段】ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、電動モータの回転駆動力が伝達されるウォームギアと、前輪を転舵させるラック軸を移動させるピニオンシャフトと、ピニオンシャフトと同軸的に連結された下部連結シャフトとの相対回転角度を検出する相対角度検出装置と、ウォームギアと噛み合うことにより電動モータの回転駆動力をピニオンシャフトに伝達するウォームホイールと、相対角度検出装置が検出した相対回転角度に基づいて電動モータの駆動を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、前輪側から外力を受けて相対回転角度が周期的に変化する場合に、ウォームギアの歯とウォームホイールの歯とが衝突する際に生じる歯打ち音の周波数を変更するように電動モータの駆動を制御する。
【選択図】図18
【解決手段】ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、電動モータの回転駆動力が伝達されるウォームギアと、前輪を転舵させるラック軸を移動させるピニオンシャフトと、ピニオンシャフトと同軸的に連結された下部連結シャフトとの相対回転角度を検出する相対角度検出装置と、ウォームギアと噛み合うことにより電動モータの回転駆動力をピニオンシャフトに伝達するウォームホイールと、相対角度検出装置が検出した相対回転角度に基づいて電動モータの駆動を制御する制御装置と、を備え、制御装置は、前輪側から外力を受けて相対回転角度が周期的に変化する場合に、ウォームギアの歯とウォームホイールの歯とが衝突する際に生じる歯打ち音の周波数を変更するように電動モータの駆動を制御する。
【選択図】図18
Description
本発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
近年、電動パワーステアリング装置において、電動モータの回転駆動力を操舵系へ伝達するギアにより生じる歯打ち音、歯当り音(ラトル音)等を抑制する技術が提案されている。
例えば、特許文献1に記載のパワーステアリング制御装置は、以下のように構成されている。すなわち、相対角度検出装置とトーションバーとからなるトルク検出装置によってトーションバーの端部間に相対的角度の振動(トルク振動)が生じたことが検出されたとき、モータ駆動制御装置は、ドライバー、アクチュエータを駆動し、ウォームをウォームホィールに向けて偏倚させ、かみ合い軸間距離を短縮させてバックラッシュを除去する。
例えば、特許文献1に記載のパワーステアリング制御装置は、以下のように構成されている。すなわち、相対角度検出装置とトーションバーとからなるトルク検出装置によってトーションバーの端部間に相対的角度の振動(トルク振動)が生じたことが検出されたとき、モータ駆動制御装置は、ドライバー、アクチュエータを駆動し、ウォームをウォームホィールに向けて偏倚させ、かみ合い軸間距離を短縮させてバックラッシュを除去する。
特許文献1に記載された構成のように、機械的にギア間のバックラッシュをなくす構成である場合には、減速機構やその周辺の構造が複雑化してしまう。
本発明は、構造を複雑にすることなく耳障りな歯打ち音、歯当り音等の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明は、構造を複雑にすることなく耳障りな歯打ち音、歯当り音等の発生を抑制することができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明は、ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、前記電動モータの回転駆動力が伝達される第1の歯車と、転舵輪を転舵させるラック軸を移動させる第1の回転軸と、当該第1の回転軸と同軸的に連結された第2の回転軸との相対回転角度を検出する相対角度検出手段と、前記第1の歯車と噛み合うことにより前記電動モータの回転駆動力を前記第1の回転軸に伝達する第2の歯車と、前記相対角度検出手段が検出した前記相対回転角度に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記転舵輪側から外力を受けて前記相対回転角度が周期的に変化する場合に、前記第1の歯車の歯と前記第2の歯車の歯とが衝突する際に生じる歯打ち音の周波数を変更するように前記電動モータの駆動を制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置である。
ここで、前記制御手段は、単位時間あたりに前記第1の歯車の歯と前記第2の歯車の歯とが衝突する回数が増加するように前記電動モータの駆動を制御するとよい。
また、前記制御手段は、前記相対角度検出手段が検出した前記相対回転角度の周期的な変化の振動数よりも高い振動数で前記第1の歯車の歯が振動するように前記電動モータの駆動を制御するとよい。
また、前記制御手段は、前記相対角度検出手段が検出した前記相対回転角度の周期的な変化の振動数よりも高い振動数で前記第1の歯車の歯が振動するように前記電動モータの駆動を制御するとよい。
本発明によれば、構造を複雑にすることなく耳障りな歯打ち音等の発生を抑制することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。図2は、ステアリングギアボックス107内を示す断面図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
図1は、実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100の概略構成を示す図である。図2は、ステアリングギアボックス107内を示す断面図である。
電動パワーステアリング装置100(以下、単に「ステアリング装置100」と称する場合もある。)は、乗り物の進行方向を任意に変えるためのかじ取り装置であり、本実施の形態においては自動車に適用した構成を例示している。
ステアリング装置100は、ドライバが操作する車輪(ホイール)状のステアリングホイール(ハンドル)101と、ステアリングホイール101に一体的に設けられたステアリングシャフト102とを備えている。また、ステアリング装置100は、ステアリングシャフト102と自在継手103aを介して連結された上部連結シャフト103と、この上部連結シャフト103と自在継手103bを介して連結された下部連結シャフト108とを備えている。下部連結シャフト108は、ステアリングホイール101の回転に連動して回転する。
また、ステアリング装置100は、転動輪としての左右の前輪150のそれぞれに連結されたタイロッド104と、タイロッド104に連結されたラック軸105とを備えている。また、ステアリング装置100は、ラック軸105に形成されたラック歯105aとともにラック・ピニオン機構を構成するピニオン106aを備えている。ピニオン106aは、ピニオンシャフト106の下端部に形成されている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバー140(図2参照)を介して上述した下部連結シャフト108と連結されている。
また、ステアリング装置100は、ピニオンシャフト106を収納するステアリングギアボックス107を有している。ピニオンシャフト106は、ステアリングギアボックス107にてトーションバー140(図2参照)を介して上述した下部連結シャフト108と連結されている。
図2に示すように、ピニオンシャフト106および下部連結シャフト108は、ハウジング120に回転可能に支持されている。ハウジング120は、例えば自動車などの乗り物の本体フレーム(以下、「車体」と称する場合もある。)に固定される部材であり、第1ハウジング121と第2ハウジング122とが、例えばボルトなどにより結合されて構成される。下部連結シャフト108は、軸受を介して第1ハウジング121に回転可能に支持され、ピニオンシャフト106は、トーションバー140を介して下部連結シャフト108に同軸的に結合されるとともに軸受を介して第2ハウジング122に回転可能に支持されている。
また、ステアリング装置100は、ステアリングギアボックス107に固定された電動モータ110と、ピニオンシャフト106に固定されたウォームホイール130と、を備えている。電動モータ110の出力軸に連結されたウォームギヤ111とウォームホイール130とは噛み合っており、電動モータ110の回転力がウォームホイール130により減速されてピニオンシャフト106に伝達される。電動モータ110は、3相ブラシレスモータであることを例示することができる。また、ウォームギヤ111とウォームホイール130との噛み合い部分には、円滑な噛み合いのために適度なバックラッシュが設定されている。
ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいて、言い換えればトーションバー140の捩れ量を検出する相対角度検出手段の一例としての相対角度検出装置20が設けられている。この相対角度検出装置20については後で詳述する。
ステアリング装置100は、また、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述した相対角度検出装置20の出力値、自動車の移動速度である車速Vを検出する車速センサ170の出力値が入力される。
ステアリングギアボックス107の内部には、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対角度に基づいて、言い換えればトーションバー140の捩れ量を検出する相対角度検出手段の一例としての相対角度検出装置20が設けられている。この相対角度検出装置20については後で詳述する。
ステアリング装置100は、また、電動モータ110の作動を制御する制御装置10を備えている。制御装置10には、上述した相対角度検出装置20の出力値、自動車の移動速度である車速Vを検出する車速センサ170の出力値が入力される。
以上のように構成されたステアリング装置100は、ステアリングホイール101に加えられた操舵トルクTを相対角度検出装置20からの出力値に基づいて検出し、検出した操舵トルクTに応じて制御装置10が電動モータ110を駆動制御し、電動モータ110の発生トルクをピニオンシャフト106に伝達する。これにより、電動モータ110の発生トルクが、ステアリングホイール101に加える運転者の操舵力をアシストする。つまり、ピニオンシャフト106は、ステアリングホイール101の回転によって発生する操舵トルクTと電動モータ110から付与される補助(アシスト)トルクとで回転する。
次に、相対角度検出装置20について詳述する。
図3は、図2におけるX部の拡大図である。図4は、相対角度検出装置20の主要部品の概略構成図である。図5は、相対角度検出装置20を、図2におけるY方向から見た図である。なお、図4においては、後述するブラケット60は省略している。
図3は、図2におけるX部の拡大図である。図4は、相対角度検出装置20の主要部品の概略構成図である。図5は、相対角度検出装置20を、図2におけるY方向から見た図である。なお、図4においては、後述するブラケット60は省略している。
相対角度検出装置20は、ハウジング120に回転可能に支持された下部連結シャフト108と、同じくハウジング120に回転可能に支持されたピニオンシャフト106との相対回転角度(トーションバー140の捩れ量)を検出する装置である。
相対角度検出装置20は、下部連結シャフト108に取り付けられる磁石21と、磁石21が形成する磁界内に配置されたヨーク30と、ヨーク30に生じる磁束密度を検出する磁気センサ40とを有している。
相対角度検出装置20は、下部連結シャフト108に取り付けられる磁石21と、磁石21が形成する磁界内に配置されたヨーク30と、ヨーク30に生じる磁束密度を検出する磁気センサ40とを有している。
磁石21は、円筒状であり、図4に示すように、下部連結シャフト108の周方向にN極とS極とが交互に配置されるとともに周方向に着磁されている。この磁石21は、カラー22を介して下部連結シャフト108に取り付けられている。つまり、磁石21がカラー22に固定されており、カラー22が下部連結シャフト108に固定されている。そして、磁石21は下部連結シャフト108とともに回転する。なお、磁石21の下部連結シャフト108の軸方向の長さは、ヨーク30の長さよりも長い。
ヨーク30は、第1のヨーク31と、第2のヨーク32と、下部連結シャフト108の軸方向に第1のヨーク31と第2のヨーク32との間に設けられた、第3のヨーク33とから構成されている。これら第1のヨーク31、第2のヨーク32および第3のヨーク33は、ピニオンシャフト106に取り付けられる。
第1のヨーク31は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第1の円環部31aと、この第1の円環部31aから下部連結シャフト108の軸方向に伸びるように形成された複数の第1の突起部31bとを有している。
第1の突起部31bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。つまり、磁石21のN極およびS極がそれぞれ例えば12個である場合には、第1の突起部31bも12個形成されている。そして、この第1の突起部31bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第1の突起部31bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
第1の突起部31bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。つまり、磁石21のN極およびS極がそれぞれ例えば12個である場合には、第1の突起部31bも12個形成されている。そして、この第1の突起部31bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第1の突起部31bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
第2のヨーク32は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第2の円環部32aと、この第2の円環部32aから下部連結シャフト108の軸方向に伸びるように形成された複数の第2の突起部32bとを有している。
第2の突起部32bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。そして、この第2の突起部32bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第2の突起部32bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
第2の突起部32bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。そして、この第2の突起部32bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第2の突起部32bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
第3のヨーク33は、磁石21の外径よりも大きな径の孔が内側に形成された円板状の第3の円環部33aと、この第3の円環部33aから下部連結シャフト108の軸方向に、第1のヨーク31側へ伸びるように形成された複数の第3の突起部33bと、第2のヨーク32側へ伸びるように形成された複数の第4の突起部34bとを有している。
第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。そして、この第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第3の突起部33bおよび第4の突起部34bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、磁石21のN極およびS極と同数形成されている。そして、この第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、下部連結シャフト108の回転半径方向においては、図3,図5に示すように、磁石21の外周面と対向するようにこの外周面よりもやや外側に配置されており、その第3の突起部33bおよび第4の突起部34bの磁石21と対向する面は、下部連結シャフト108の回転軸に直交する方向に見ると長方形である。
また、第1のヨーク31の第1の突起部31bと第3のヨーク33の第3の突起部33bとは、下部連結シャフト108の周方向に交互に配置されている。第2のヨーク32の第2の突起部32bと第3のヨーク33の第4の突起部34bとは、下部連結シャフト108の周方向に交互に配置されている。
なお、本実施の形態に係る第3のヨーク33においては、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、下部連結シャフト108の軸方向に一体的に連続して形成されている。
なお、本実施の形態に係る第3のヨーク33においては、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、下部連結シャフト108の軸方向に一体的に連続して形成されている。
そして、本実施の形態に係る相対角度検出装置20においては、トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときに、図5に示すように、下部連結シャフト108の周方向において、時計回転方向に見た場合に磁石21のN極とS極との境界線と第1のヨーク31の第1の突起部31bの周方向の中心が一致するように配置されている。
第2のヨーク32の第2の突起部32bは、下部連結シャフト108の周方向には、第1のヨーク31の第1の突起部31bと同じ位置となるように配置されている。つまり、トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときに、第1の突起部31bが対向する磁石21のN極とS極との境界線と、第2の突起部32bの周方向の中心が一致するように配置されている。すなわち、図5に示すように、時計回転方向に見た場合に磁石21のN極とS極との境界線と第2の突起部32bの周方向の中心が一致するように配置されている。そして、トーションバー140に操舵トルクTが加わってトーションバー140に捩れが生じ、第1の突起部31bが磁石21のN極あるいはS極と対向する場合に、第2の突起部32bは、第1の突起部31bが対向する極性と同じ極性の磁極に対向する。
第3のヨーク33の第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、初期状態のときに、下部連結シャフト108の周方向において、図5に示すように、時計回転方向に見た場合に磁石21のS極とN極との境界線と第3の突起部33bおよび第4の突起部34bの周方向の中心が一致するように配置されている。そして、トーションバー140に操舵トルクTが加わってトーションバー140に捩れが生じ、第1の突起部31bが磁石21のN極あるいはS極と対向する場合に、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、第1の突起部31bが対向する磁極とは異なる極性の磁極に対向する。
また、本実施の形態に係るヨーク30においては、図3に示すように、第1のヨーク31、第2のヨーク32および第3のヨーク33は、インサートモールド成形により一体化されている。そして、インサートモールド成形する際にブラケット60をも一体成形している。ブラケット60は、ピニオンシャフト106の軸方向に伸びる薄肉円筒状の軸方向部位61と、軸方向部位61からピニオンシャフト106の回転半径方向に伸びる円板状の半径方向部位62とを有する。そして、ブラケット60の軸方向部位61がピニオンシャフト106に圧入、溶接あるいはねじ止めされることにより、軸方向部位61がピニオンシャフト106に固定されている。これにより、ヨーク30は、ピニオンシャフト106に固定される。
第1の磁気センサ41は、ハウジング120に固定されており、下部連結シャフト108の軸方向において、第1のヨーク31の第1の円環部31aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間に配置されている。第1の磁気センサ41は、制御装置10から電源電圧が供給されることにより作動して、第1のヨーク31と第3のヨーク33との間の磁束密度を検出し、検出した磁束密度を電気信号(例えば電圧信号)に変換して出力する。
第2の磁気センサ42は、ハウジング120に固定されており、下部連結シャフト108の軸方向において、第2のヨーク32の第2の円環部32aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間に配置されている。第2の磁気センサ42は、制御装置10から電源電圧が供給されることにより作動して、第2のヨーク32と第3のヨーク33との間の磁束密度を検出し、検出した磁束密度を電気信号(例えば電圧信号)に変換して出力する。
そして、第1の磁気センサ41と第2の磁気センサ42とは、例えば下部連結シャフト108の軸方向に同じ向きの磁界が生じている場合には、同じ符号の磁束密度を検出するように配置されている。これら第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42としては、磁気抵抗素子、ホールIC、ホール素子などを例示することができる。
第2の磁気センサ42は、ハウジング120に固定されており、下部連結シャフト108の軸方向において、第2のヨーク32の第2の円環部32aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間に配置されている。第2の磁気センサ42は、制御装置10から電源電圧が供給されることにより作動して、第2のヨーク32と第3のヨーク33との間の磁束密度を検出し、検出した磁束密度を電気信号(例えば電圧信号)に変換して出力する。
そして、第1の磁気センサ41と第2の磁気センサ42とは、例えば下部連結シャフト108の軸方向に同じ向きの磁界が生じている場合には、同じ符号の磁束密度を検出するように配置されている。これら第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42としては、磁気抵抗素子、ホールIC、ホール素子などを例示することができる。
以上のように構成された相対角度検出装置20においては、以下に示すように作用する。
図6は、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106とが相対変位する前の相対角度検出装置20の状態を示す図である。図6(a)は、磁石21とヨーク30との関係を、図2におけるY方向に見た図である。図6(b)は、磁石21およびヨーク30を、(a)におけるZ方向に見た図である。
図6は、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106とが相対変位する前の相対角度検出装置20の状態を示す図である。図6(a)は、磁石21とヨーク30との関係を、図2におけるY方向に見た図である。図6(b)は、磁石21およびヨーク30を、(a)におけるZ方向に見た図である。
トーションバー140に捩れが生じていない初期状態のときは、図5、図6(a)に示すように、下部連結シャフト108の周方向において、ヨーク30の全ての突起部である第1の突起部31b〜第4の突起部34bの周方向の中心と、磁石21のN極とS極との境界線とが一致する。かかる場合、第1の突起部31b〜第4の突起部34bの各突起部には、磁石21のN極とS極とから同数の磁力線が出入りする。そのため、第1のヨーク31の第1の円環部31aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間、および第2のヨーク32の第2の円環部32aと第3のヨーク33の第3の円環部33aとの間には磁束密度差が生じないので、第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42の出力は零となる。
ステアリングホイールに操舵トルクTが入力されてトーションバー140に捩れが生じると、磁石21とヨーク30との周方向の相対位置が変化する。
図7は、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転した状態を示す図である。図8は、図5で見た場合に、磁石21がヨーク30に対して反時計回転方向に回転した状態を示す図である。それぞれの図において、(a)は磁石21とヨーク30との関係を、図2におけるY方向から見た図である。(b)は磁石21およびヨーク30を、(a)におけるZ方向に見た図である。
また、図9は、磁石21(下部連結シャフト108)とヨーク30(ピニオンシャフト106)との相対角度(トーションバー140の捩れ角θ)と第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42が検出する磁束密度との関係を示す図である。
図7は、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転した状態を示す図である。図8は、図5で見た場合に、磁石21がヨーク30に対して反時計回転方向に回転した状態を示す図である。それぞれの図において、(a)は磁石21とヨーク30との関係を、図2におけるY方向から見た図である。(b)は磁石21およびヨーク30を、(a)におけるZ方向に見た図である。
また、図9は、磁石21(下部連結シャフト108)とヨーク30(ピニオンシャフト106)との相対角度(トーションバー140の捩れ角θ)と第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42が検出する磁束密度との関係を示す図である。
図7および図8に示すように、トーションバー140が捩れると、下部連結シャフト108の周方向において、ヨーク30の第1の突起部31b〜第4の突起部34bの周方向の中心と、磁石21のN極とS極との境界線とが一致しなくなる。つまり、初期状態に比べて、磁石21のいずれかの磁極がヨーク30の第1の突起部31b〜第4の突起部34bと対向する領域が増加する。
より具体的には、図7の状態においては、第1のヨーク31の第1の突起部31bおよび第2のヨーク32の第2の突起部32bは、磁石21のN極と対向する領域が増加し、第3のヨーク33の第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、磁石21のS極と対向する領域が増加する。そのため、磁石21のN極から第1の突起部31bおよび第2の突起部32bに向かう磁力線が、第1の突起部31bおよび第2の突起部32bから磁石21のS極に向かう磁力線よりも増加する。また、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bから磁石21のS極に向かう磁力線が、磁石21のN極から第3の突起部33bおよび第4の突起部34bに向かう磁力線よりも増加する。これにより、第1のヨーク31の第1の円環部31aから第3のヨーク33の第3の円環部33aへ向かう磁束密度が増加するとともに第2のヨーク32の第2の円環部32aから第3のヨーク33の第3の円環部33aへ向かう磁束密度が増加する。
そして、第1のヨーク31の第1の円環部31aから第3のヨーク33の第3の円環部33aへ向かう方向をプラスの方向とすると、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がプラスの方向へ大きくなる。他方、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がマイナスの方向へ大きくなる。以下、図5で見た場合に、初期状態から、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して時計回転方向に回転するときに、「右方向」の操舵トルクTが発生しているものとする。
また、図8の状態においては、第1のヨーク31の第1の突起部31bおよび第2のヨーク32の第2の突起部32bは、磁石21のS極と対向する領域が増加し、第3のヨーク33の第3の突起部33bおよび第4の突起部34bは、磁石21のN極と対向する領域が増加する。そのため、第1の突起部31bおよび第2の突起部32bから磁石21のS極に向かう磁力線が、磁石21のN極から第1の突起部31bおよび第2の突起部32bに向かう磁力線よりも増加する。また、磁石21のN極から第3の突起部33bおよび第4の突起部34bに向かう磁力線が、第3の突起部33bおよび第4の突起部34bから磁石21のS極に向かう磁力線よりも増加する。これにより、第3のヨーク33の第3の円環部33aから第1のヨーク31の第1の円環部31aへ向かう磁束密度が増加するとともに第3のヨーク33の第3の円環部33aから第2のヨーク32の第2の円環部32aへ向かう磁束密度が増加する。それゆえ、初期状態から、図5で見た場合に、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して反時計回転方向に回転するにしたがって、第1の磁気センサ41が検出する磁束密度B1がマイナスの方向へ大きくなる。他方、第2の磁気センサ42が検出する磁束密度B2がプラスの方向へ大きくなる。以下、図5で見た場合に、初期状態から、磁石21(下部連結シャフト108)がヨーク30(ピニオンシャフト106)に対して反時計回転方向に回転するときに、「左方向」の操舵トルクTが発生しているものとする。
図9においては、下部連結シャフト108とピニオンシャフト106とを、両方向に磁極1個(α度)分相対的に回転させた場合の磁束密度の変化を示している。そして、トーションバー140が両方向に1/3×α度捩れることを許容する仕様にすることで、第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42は、トーションバー140の捩れ量(下部連結シャフト108とピニオンシャフト106との相対回転角度)に比例する磁束密度の変化を検出することが可能となる。
第1の磁気センサ41は、検出した磁束密度B1を、この磁束密度B1に応じた電圧値を示す第1の電圧信号V1sに変換して出力し、第2の磁気センサ42は、検出した磁束密度B2を、この磁束密度B2に応じた電圧値を示す第2の電圧信号V2sに変換して出力する。トーションバー140の捩れ量(下部連結シャフト108とピニオンシャフト106の相対回転角度)とステアリングホイール101の操舵トルクTとは比例関係にある。つまり、第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42は、操舵トルクTに応じた電圧値を示す第1の電圧信号V1sおよび第2の電圧信号V2sを出力する。
図10は、操舵トルクTと、第1の電圧信号V1sおよび第2の電圧信号V2sとの関係を示す図である。
図10においては、横軸に操舵トルクT、縦軸に第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2を示している。横軸は、操舵トルクTが零の状態、言い換えれば、トーションバー140の捩れ量が零の状態を中点にし、右方向の操舵トルクTをプラス、左方向の操舵トルクをマイナスとしている。
そして、本実施の形態に係る第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42は、図10に示すように、第1の電圧信号V1sが示す第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sが示す第2の電圧V2が、最大電圧VHiと最小電圧VLoとの間で変化するように構成されている。なお、最大電圧VHiは、第1の磁気センサ41,第2の磁気センサ42が第1の電圧信号V1s,第2の電圧信号V2sとして出力可能な出力上限値よりわずかに低く、最小電圧VLoは、出力可能な出力下限値よりわずかに高く設定される。
図10においては、横軸に操舵トルクT、縦軸に第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2を示している。横軸は、操舵トルクTが零の状態、言い換えれば、トーションバー140の捩れ量が零の状態を中点にし、右方向の操舵トルクTをプラス、左方向の操舵トルクをマイナスとしている。
そして、本実施の形態に係る第1の磁気センサ41および第2の磁気センサ42は、図10に示すように、第1の電圧信号V1sが示す第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sが示す第2の電圧V2が、最大電圧VHiと最小電圧VLoとの間で変化するように構成されている。なお、最大電圧VHiは、第1の磁気センサ41,第2の磁気センサ42が第1の電圧信号V1s,第2の電圧信号V2sとして出力可能な出力上限値よりわずかに低く、最小電圧VLoは、出力可能な出力下限値よりわずかに高く設定される。
そして、図10の実線で示すように、第1の磁気センサ41が出力する第1の電圧信号V1sは、操舵トルクTの右方向への大きさが増加(トーションバー140の右方向への回転量が増加)するのに伴って電圧が上昇する特性を有する。すなわち、ステアリングホイール101が右方向に回転すると第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1が上昇する。また、図10の破線で示すように、第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2は、第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1と同じ最大電圧VHiと最小電圧VLoの間で変化するとともに第1の電圧信号V1sと逆の特性(負の相関関係)を有し、操舵トルクTの右方向への大きさが増加するのに伴って第2の電圧信号V2sが低下する特性を有する。すなわち、ステアリングホイール101が右方向に回転すると第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2が低下する。
そして、中点では第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1と第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2とが等しい電圧(以下、「中点電圧Vc」と称する場合がある)となるように構成されている。中点電圧Vcは、例えば、最大電圧VHiと最小電圧VLoの中間の電圧(Vc=(VHi+VLo)/2)となる。
さらに、操舵トルクTの変化に対する第1の電圧信号V1sの変化の割合と第2の電圧信号V2sの変化の割合(絶対値)は等しく、同じ操舵トルクTを示す第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1と第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2を合計した合計電圧Vt(以下、単に「合計電圧Vt」と称する場合がある)が常に予め定められた所定電圧となる特性を有する。本実施の形態において、合計電圧Vtは、一定電圧(VHi+VLo)となるように構成されており、「VHi+VLo=2Vc」が所定電圧となる。
さらに、操舵トルクTの変化に対する第1の電圧信号V1sの変化の割合と第2の電圧信号V2sの変化の割合(絶対値)は等しく、同じ操舵トルクTを示す第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1と第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2を合計した合計電圧Vt(以下、単に「合計電圧Vt」と称する場合がある)が常に予め定められた所定電圧となる特性を有する。本実施の形態において、合計電圧Vtは、一定電圧(VHi+VLo)となるように構成されており、「VHi+VLo=2Vc」が所定電圧となる。
例えば、第1の磁気センサ41,第2の磁気センサ42が、0〜5〔V〕の間の電圧値を第1の電圧信号V1s,第2の電圧信号V2sとして出力可能な性能を有する場合、すなわち、出力下限値が0〔V〕で出力上限値が5〔V〕の場合に、第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2の最大電圧VHiを4.5〔V〕、最小電圧VLoを0.5〔V〕に設定すると、中点電圧Vcは2.5〔V〕、所定電圧は5〔V〕になる。
したがって、操舵トルクTが零の中点では、第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2は共に2.5〔V〕となり、第1の電圧V1と第2の電圧V2との合計電圧Vtは常に5〔V〕となる。そして、操舵トルクTが右方向に増加すると、第1の電圧V1は2.5〔V〕から上昇し、第2の電圧V2は2.5〔V〕から低下する。他方、操舵トルクTが左方向に増加すると、第1の電圧V1は2.5〔V〕から低下し、第2の電圧V2は2.5〔V〕から上昇する。
したがって、操舵トルクTが零の中点では、第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1および第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2は共に2.5〔V〕となり、第1の電圧V1と第2の電圧V2との合計電圧Vtは常に5〔V〕となる。そして、操舵トルクTが右方向に増加すると、第1の電圧V1は2.5〔V〕から上昇し、第2の電圧V2は2.5〔V〕から低下する。他方、操舵トルクTが左方向に増加すると、第1の電圧V1は2.5〔V〕から低下し、第2の電圧V2は2.5〔V〕から上昇する。
次に、制御装置10について説明する。
制御装置10は、電動モータ110の制御を行う際の演算処理を行うCPU11と、CPU11にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM12と、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM13と、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)14と、を備えている。
制御装置10には、上述した相対角度検出装置20からの出力値、車速センサ170にて検出された車速Vが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
制御装置10は、電動モータ110の制御を行う際の演算処理を行うCPU11と、CPU11にて実行されるプログラムや各種データ等が記憶されたROM12と、CPU11の作業用メモリ等として用いられるRAM13と、EEPROM(Electrically Erasable & Programmable Read Only Memory)14と、を備えている。
制御装置10には、上述した相対角度検出装置20からの出力値、車速センサ170にて検出された車速Vが出力信号に変換された車速信号vなどが入力される。
図11は、ステアリング装置100の制御装置10の概略構成図である。
制御装置10は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて操舵トルクTを検出するトルク検出部210と、トルク検出部210にて検出された操舵トルクTに基づいて電動モータ110に供給する目標電流を算出する目標電流算出部220と、を備えている。目標電流算出部220は、後述する第1の目標電流決定部225を有している。
また、制御装置10は、電動モータ110のウォームギヤ111とウォームホイール130との間の歯打ち音(ラトル音)の周波数を変更する周波数変更部250を備えている。周波数変更部250は、後述するようにウォームギヤ111の歯が高振動数で振動するように電動モータ110に供給する目標電流を決定する第2の目標電流決定部252を有している。
また、制御装置10は、第1の目標電流決定部225あるいは第2の目標電流決定部252が決定した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部230と、制御部230への入力を第1の目標電流決定部225からの出力値と第2の目標電流決定部252からの出力値とで切り替える切替部270と、を有している。
制御装置10は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて操舵トルクTを検出するトルク検出部210と、トルク検出部210にて検出された操舵トルクTに基づいて電動モータ110に供給する目標電流を算出する目標電流算出部220と、を備えている。目標電流算出部220は、後述する第1の目標電流決定部225を有している。
また、制御装置10は、電動モータ110のウォームギヤ111とウォームホイール130との間の歯打ち音(ラトル音)の周波数を変更する周波数変更部250を備えている。周波数変更部250は、後述するようにウォームギヤ111の歯が高振動数で振動するように電動モータ110に供給する目標電流を決定する第2の目標電流決定部252を有している。
また、制御装置10は、第1の目標電流決定部225あるいは第2の目標電流決定部252が決定した目標電流に基づいてフィードバック制御などを行う制御部230と、制御部230への入力を第1の目標電流決定部225からの出力値と第2の目標電流決定部252からの出力値とで切り替える切替部270と、を有している。
先ずは、トルク検出部210について詳述する。
トルク検出部210は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部220へ出力する。より具体的には、トルク検出部210は、磁気センサ40の第1の磁気センサ41が正常である場合には、第1の磁気センサ41からの第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部220へ出力する。
トルク検出部210は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部220へ出力する。より具体的には、トルク検出部210は、磁気センサ40の第1の磁気センサ41が正常である場合には、第1の磁気センサ41からの第1の電圧信号V1sの第1の電圧V1に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部220へ出力する。
第1の電圧V1に基づいて操舵トルクTを算出する手法としては以下を例示することができる。すなわち、先ず、第1の電圧V1と、操舵トルクTとの関係を示すマップをROM12に記憶しておき、トルク検出部210は、このマップに、第1の電圧V1を代入することにより操舵トルクTを算出する。又は、第1の電圧V1と操舵トルクTとの関係を示す関数を組み込んでおき、トルク検出部210は、この関数に第1の電圧V1を代入して操舵トルクTを算出してもよい。
なお、トルク検出部210は、磁気センサ40の第1の磁気センサ41に異常が生じ、第2の磁気センサ42のみが正常である場合には、非常用として、第2の磁気センサ42からの第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部220へ出力する。
なお、トルク検出部210は、磁気センサ40の第1の磁気センサ41に異常が生じ、第2の磁気センサ42のみが正常である場合には、非常用として、第2の磁気センサ42からの第2の電圧信号V2sの第2の電圧V2に基づいて操舵トルクTを算出し、算出した操舵トルクTを電気信号に変換したトルク信号Tdを目標電流算出部220へ出力する。
次に、目標電流算出部220について詳述する。
図12は、目標電流算出部220の概略構成図である。
目標電流算出部220は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部221と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部222と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部223とを備えている。また、目標電流算出部220は、ベース電流算出部221、イナーシャ補償電流算出部222、ダンパー補償電流算出部223などからの出力に基づいて目標電流を決定する第1の目標電流決定部225を備えている。さらに、目標電流算出部220は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部226を備えている。
図12は、目標電流算出部220の概略構成図である。
目標電流算出部220は、目標電流を設定する上で基準となるベース電流を算出するベース電流算出部221と、電動モータ110の慣性モーメントを打ち消すための電流を算出するイナーシャ補償電流算出部222と、モータの回転を制限する電流を算出するダンパー補償電流算出部223とを備えている。また、目標電流算出部220は、ベース電流算出部221、イナーシャ補償電流算出部222、ダンパー補償電流算出部223などからの出力に基づいて目標電流を決定する第1の目標電流決定部225を備えている。さらに、目標電流算出部220は、トルク信号Tdの位相補償を行う位相補償部226を備えている。
なお、目標電流算出部220には、トルク信号Tdと、車速信号vと、電動モータ110の回転速度Nmが出力信号に変換された回転速度信号Nmsとが入力される。回転速度信号Nmsは、例えば3相ブラシレスモータである電動モータ110に設けられ、この電動モータ110の回転子(ロータ)の回転角度を検出するセンサ(例えば、回転子の回転位置を検出するレゾルバ、ロータリエンコーダ等で構成されるロータ位置検出回路)の出力信号が微分(ω)されることにより得られるものであることを例示することができる。制御装置10には、車速センサ170などからの信号がアナログ信号として入力されるので、図示しないA/D変換部によりアナログ信号をデジタル信号に変換し、目標電流算出部220に取り込んでいる。
ベース電流算出部221は、位相補償部226にてトルク信号Tdが位相補償されたトルク信号Tsと、車速センサ170からの車速信号vとに基づいてベース電流を算出し、このベース電流の情報を含むベース電流信号Imbを出力する。なお、ベース電流算出部221は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、トルク信号Tsおよび車速信号vとベース電流との対応を示すマップに、検出されたトルク信号Tsおよび車速信号vを代入することによりベース電流を算出する。
イナーシャ補償電流算出部222は、トルク信号Tdと車速信号vとに基づいて電動モータ110およびシステムの慣性モーメントを打ち消すためのイナーシャ補償電流を算出し、この電流の情報を含むイナーシャ補償電流信号Isを出力する。なお、イナーシャ補償電流算出部222は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、トルク信号Tdおよび車速信号vとイナーシャ補償電流との対応を示すマップに、トルク信号Tdおよび車速信号vを代入することによりイナーシャ補償電流を算出する。
ダンパー補償電流算出部223は、トルク信号Tdと、車速信号vと、モータ角速度ωとに基づいて、電動モータ110の回転を制限するダンパー補償電流を算出し、この電流の情報を含むダンパー補償電流信号Idを出力する。なお、ダンパー補償電流算出部223は、例えば、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、トルク信号Td、車速信号vおよびモータ角速度ωと、ダンパー補償電流との対応を示すマップに、トルク信号Tdと車速信号vとモータ角速度ωとを代入することによりダンパー補償電流を算出する。
第1の目標電流決定部225は、ベース電流算出部221から出力されたベース電流信号Imb、イナーシャ補償電流算出部222から出力されたイナーシャ補償電流信号Isおよびダンパー補償電流算出部223から出力されたダンパー補償電流信号Idに基づいて最終的な目標電流を決定し、この電流の情報を含む目標電流信号IT1を出力する。第1の目標電流決定部225は、例えば、ベース電流に、イナーシャ補償電流を加算するとともにダンパー補償電流を減算して得た補償電流を、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、補償電流と最終的な目標電流との対応を示すマップに代入することにより最終的な目標電流を算出する。
次に、制御部230について詳述する。
図13は、制御部230の概略構成図である。
制御部230は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部231と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部232と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部233とを有している。
モータ駆動制御部231は、第1の目標電流決定部225にて決定された目標電流又は第2の目標電流決定部252にて決定された目標電流と、モータ電流検出部233にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部240と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部260とを有している。
図13は、制御部230の概略構成図である。
制御部230は、電動モータ110の作動を制御するモータ駆動制御部231と、電動モータ110を駆動させるモータ駆動部232と、電動モータ110に実際に流れる実電流Imを検出するモータ電流検出部233とを有している。
モータ駆動制御部231は、第1の目標電流決定部225にて決定された目標電流又は第2の目標電流決定部252にて決定された目標電流と、モータ電流検出部233にて検出された電動モータ110へ供給される実電流Imとの偏差に基づいてフィードバック制御を行うフィードバック(F/B)制御部240と、電動モータ110をPWM駆動するためのPWM(パルス幅変調)信号を生成するPWM信号生成部260とを有している。
フィードバック制御部240は、目標電流算出部220にて最終的に決定された目標電流とモータ電流検出部233にて検出された実電流Imとの偏差を求める偏差演算部241と、その偏差が零となるようにフィードバック処理を行うフィードバック(F/B)処理部242とを有している。
偏差演算部241は、目標電流算出部220からの出力値である目標電流信号ITとモータ電流検出部233からの出力値であるモータ電流信号Imsとの偏差の値を偏差信号241aとして出力する。
偏差演算部241は、目標電流算出部220からの出力値である目標電流信号ITとモータ電流検出部233からの出力値であるモータ電流信号Imsとの偏差の値を偏差信号241aとして出力する。
フィードバック(F/B)処理部242は、目標電流と実電流Imとが一致するようにフィードバック制御を行うものであり、例えば、入力された偏差信号241aに対して、比例要素で比例処理した信号を出力し、積分要素で積分処理した信号を出力し、加算演算部でこれらの信号を加算してフィードバック処理信号242aを生成・出力する。
PWM信号生成部260は、フィードバック制御部240からの出力値に基づいてPWM信号260aを生成し、生成したPWM信号260aを出力する。
PWM信号生成部260は、フィードバック制御部240からの出力値に基づいてPWM信号260aを生成し、生成したPWM信号260aを出力する。
モータ駆動部232は、所謂インバータであり、例えば、スイッチング素子として6個の独立したトランジスタ(FET)を備え、6個の内の3個のトランジスタは電源の正極側ラインと各相の電気コイルとの間に接続され、他の3個のトランジスタは各相の電気コイルと電源の負極側(アース)ラインと接続されている。そして、6個の中から選択した2個のトランジスタのゲートを駆動してこれらのトランジスタをスイッチング動作させることにより、電動モータ110の駆動を制御する。
モータ電流検出部233は、モータ駆動部232に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出して、検出した実電流Imをモータ電流信号Imsに変換して出力する。
モータ電流検出部233は、モータ駆動部232に接続されたシャント抵抗の両端に生じる電圧から電動モータ110に流れる実電流Imの値を検出して、検出した実電流Imをモータ電流信号Imsに変換して出力する。
次に、ステアリング装置100のアシスト特性について説明する。
電動モータ110の回転駆動力は、ウォームギヤ111を介してウォームホイール130に伝達され、運転者がステアリングホイール101を介して前輪150の向きを変えるために与えた操舵力をアシストする力となる。
図14は、ステアリング装置100のアシスト特性を示すグラフである。横軸は操舵トルクTを示し、零より右側が右方向への操舵トルクTを表し、零より左側が左方向への操舵トルクTを表している。縦軸はアシストするために電動モータ110に供給する目標電流を示し、零より上側が右方向へのアシストを表し、零より下側が左方向へのアシストを表している。このアシスト特性における目標電流は、目標電流算出部220の第1の目標電流決定部225にて決定される。
電動モータ110の回転駆動力は、ウォームギヤ111を介してウォームホイール130に伝達され、運転者がステアリングホイール101を介して前輪150の向きを変えるために与えた操舵力をアシストする力となる。
図14は、ステアリング装置100のアシスト特性を示すグラフである。横軸は操舵トルクTを示し、零より右側が右方向への操舵トルクTを表し、零より左側が左方向への操舵トルクTを表している。縦軸はアシストするために電動モータ110に供給する目標電流を示し、零より上側が右方向へのアシストを表し、零より下側が左方向へのアシストを表している。このアシスト特性における目標電流は、目標電流算出部220の第1の目標電流決定部225にて決定される。
アシスト特性は、操舵トルクTに対する電動モータ110の目標電流を示す。このアシスト特性は、操舵トルクTの範囲によって分けられたマップの集まりとして考えることができる。例えば、操舵トルクTの全範囲は、特性上の要所で区切った5つの範囲、R0〜R4とすることができる。R0は、操舵トルクT=零を含むトルクT1〜トルクT2(トルクT1とトルクT2は、絶対値は同じで、符号が異なる。)の不感帯領域、R1は、トルクT1とトルクT3との間の範囲、R2は、トルクT2とトルクT4(トルクT3とトルクT4は、絶対値は同じで、符号が異なる。)との間の範囲、R3は、左方向への操舵トルクTの絶対値が所定値|T3|より大きい範囲、R4は、右方向への操舵トルクTの絶対値が所定値|T4|より大きい範囲である。
以上のように構成されたステアリング装置100において、直線走行時など、操舵トルクTが零かその近辺であるときには、不感帯領域とされ、電動モータ110は駆動されておらず、ウォームホィールには駆動力が与えられない状態にある。特にこのような状態にあるとき、路面状態によっては、前輪150が路面から受ける力、特に不整路面などの路面状況によって生じる振動的反力が前輪150側からウォームホイール130に伝達される。振動的反力が伝達されると、ウォームギヤ111の歯とウォームホイール130の歯との間にバックラッシュがあることによって、ウォームギヤ111とウォームホイール130との隣り合う歯面間同士が直接衝突を繰り返すような現象が生じる。
図15は、図2におけるA−A部の部分断面図であり、ウォームギヤ111とウォームホイール130の歯同士が衝突する現象を模式的に示す図である。図16は、前輪150が路面から振動的反力を受けた場合の相対角度検出装置20の出力信号を例示する図である。なお、以下の説明では、相対角度検出装置20の出力信号あるいは磁気センサ40の出力信号は、磁気センサ40の第1の磁気センサ41の出力信号を意味するものとする。
電動モータ110が駆動されていない状態にあるとき、バックラッシュによりウォームギヤ111の歯面とウォームホイール130の歯面との間には、図15(a)に示すような隙間がある。この状態のときに、前輪150が路面から振動的反力を受けると、この力がラック軸105、ピニオンシャフト106などを辿ってウォームホイール130に伝達され、ウォームホイール130が周期的に左右両方向に回転する。その結果、図15(b)、図15(c)に示すように、ウォームホイール130の隣り合う歯面がウォームギヤ111の歯へ繰り返し衝突する。また、相対角度検出装置20の磁気センサ40の出力信号が、図16に示すように、周期的に変化する。歯面の衝突は音として認識され、いわゆる歯打ち音(ラトル音)と言われている。この歯打ち音の周波数が、800(Hz)〜1600(Hz)である場合に人間にとって耳障りな音として聞こえる場合がある。
かかる事項に鑑み、本実施の形態に係るステアリング装置100の制御装置10は、周波数変更部250を備え、上述した歯打ち音等が耳障りな音として聞こえるのを抑制する。次に、この周波数変更部250について説明する。
図17は、周波数変更部250の概略構成図である。
周波数変更部250は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて、ウォームホイール130の歯面とウォームギヤ111の歯面とで生じる歯打ち音(ラトル音)等が耳障りな音として聞こえるか否かを判別する判別部251と、この判別部251が耳障りな音として聞こえると判定した場合に電動モータ110に供給する目標電流を所定の目標電流に決定する第2の目標電流決定部252と、を備えている。
図17は、周波数変更部250の概略構成図である。
周波数変更部250は、相対角度検出装置20から入力される信号に基づいて、ウォームホイール130の歯面とウォームギヤ111の歯面とで生じる歯打ち音(ラトル音)等が耳障りな音として聞こえるか否かを判別する判別部251と、この判別部251が耳障りな音として聞こえると判定した場合に電動モータ110に供給する目標電流を所定の目標電流に決定する第2の目標電流決定部252と、を備えている。
判別部251は、相対角度検出装置20の出力信号に基づいて、ウォームホイール130の歯面とウォームギヤ111の歯面とで生じている歯打ち音の周波数が、所定の周波数領域内であるか否かを判別する。所定の周波数領域としては、800(Hz)〜1600(Hz)であることを例示することができる。所定の周波数領域内であるか否かを判別するにあたっては、相対角度検出装置20の出力信号に基づいて歯打ち音の周波数を導出し、導出した周波数と所定の周波数領域とを比較することで判別することを例示することができる。歯打ち音の周波数の導出は、予め経験則に基づいて作成しROM12に記憶しておいた、磁気センサ40の出力信号の変化と歯打ち音の周波数との対応を示すマップに、磁気センサ40の出力信号の変化を代入することにより導出することを例示することができる。その際、磁気センサ40の出力信号が、例えば、図16に示すように変化する周期的な出力信号の1周期を出力したときに判別すればよい。
そして、判別部251は、ウォームホイール130の歯面とウォームギヤ111の歯面とで生じる歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であると判定した場合には、制御部230への入力を第2の目標電流決定部252からの出力値とするように切替部270を切り替える。加えて、判別部251は、第2の目標電流決定部252に対して、導出した歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であるときの相対角度検出装置20の出力信号の変化と時間とを出力する。
そして、判別部251は、ウォームホイール130の歯面とウォームギヤ111の歯面とで生じる歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であると判定した場合には、制御部230への入力を第2の目標電流決定部252からの出力値とするように切替部270を切り替える。加えて、判別部251は、第2の目標電流決定部252に対して、導出した歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であるときの相対角度検出装置20の出力信号の変化と時間とを出力する。
第2の目標電流決定部252は、電動モータ110の回転が、ウォームギヤ111の歯面とウォームホイール130の歯面との歯打ち音が所定の周波数領域内であるときの歯打ち音とは異なる周波数となるようにウォームギヤ111の歯を変位させる回転となるようにこの電動モータ110に供給する目標電流を決定し、この電流の情報を含む目標電流信号IT2を出力する。周波数を変更する手段として、本実施の形態に係る第2の目標電流決定部252は、ウォームギヤ111の歯面とウォームホイール130の歯面との歯打ち音の周波数が耳障りな音として聞こえない周波数に変わるように電動モータ110を回転させるための目標電流に決定する。
図18は、図2におけるA−A部の部分断面図であり、ウォームギヤ111の歯面とウォームホイール130の歯面との歯打ち音の周波数が所定の周波数領域外となる様子を模式的に示す図である。
第2の目標電流決定部252は、歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であるときの相対角度検出装置20の出力信号の周期的な変化の周波数、言い換えれば前輪150側から受ける周期的な力の振動数よりも高い振動数でウォームギヤ111の歯が振動するように、電動モータ110に供給する目標電流を決定する。図18(b)、(c)には、このような目標電流が供給され、ウォームギヤ111の歯がウォームホイール130の歯と逆方向に変位する様子を示している。つまり、図18(b)に示すように、ウォームホイール130が右回転する場合には、ウォームホイール130の歯同士の間に介在するウォームギヤ111の歯が上側(図2においては奥側)に移動し、図18(c)に示すように、ウォームホイール130が左回転する場合には、ウォームホイール130の歯同士の間に介在するウォームギヤ111の歯が下側(図2においては手前側)に移動する。
第2の目標電流決定部252は、歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であるときの相対角度検出装置20の出力信号の周期的な変化の周波数、言い換えれば前輪150側から受ける周期的な力の振動数よりも高い振動数でウォームギヤ111の歯が振動するように、電動モータ110に供給する目標電流を決定する。図18(b)、(c)には、このような目標電流が供給され、ウォームギヤ111の歯がウォームホイール130の歯と逆方向に変位する様子を示している。つまり、図18(b)に示すように、ウォームホイール130が右回転する場合には、ウォームホイール130の歯同士の間に介在するウォームギヤ111の歯が上側(図2においては奥側)に移動し、図18(c)に示すように、ウォームホイール130が左回転する場合には、ウォームホイール130の歯同士の間に介在するウォームギヤ111の歯が下側(図2においては手前側)に移動する。
より具体的には、第2の目標電流決定部252は、ウォームギヤ111の歯の図18で見た場合の上下方向への移動が、前輪150側から受ける外力の振動数よりも高い振動数、例えば、前輪150側から受ける周期的な力の振動数の2倍〜4倍の振動数で周期的に行われるように目標電流を決定する。
例えば、予め経験則に基づいて、相対角度検出装置20の出力信号の変化と、その変化が検出されたときに決定すべき目標電流との対応を示すマップを作成しROM12に記憶しておき、第2の目標電流決定部252は、このマップに、相対角度検出装置20の出力信号の変化を代入することで目標電流を決定すればよい。
例えば、予め経験則に基づいて、相対角度検出装置20の出力信号の変化と、その変化が検出されたときに決定すべき目標電流との対応を示すマップを作成しROM12に記憶しておき、第2の目標電流決定部252は、このマップに、相対角度検出装置20の出力信号の変化を代入することで目標電流を決定すればよい。
次に、フローチャートを用いて、周波数変更部250が行う周波数変更処理の手順について説明する。
図19は、周波数変更部250が行う周波数変更処理の手順を示すフローチャートである。周波数変更部250は、定期的に、例えば0.1ms毎に、この周波数変更処理を実行する。
図19は、周波数変更部250が行う周波数変更処理の手順を示すフローチャートである。周波数変更部250は、定期的に、例えば0.1ms毎に、この周波数変更処理を実行する。
先ず、判別部251が相対角度検出装置20からの出力信号に基づいて、ウォームギヤ111の歯面とウォームホイール130の歯面との歯打ち音の周波数(検出周波数)が、所定の周波数領域内であるか否かを判別する(ステップ(以下、単に、「S」と記す。)1901)。そして、検出周波数が所定の周波数領域内である場合(S1901でYes)、制御部230への入力を第2の目標電流決定部252からの出力値とするように切替部270を切り替える(S1902)。加えて、第2の目標電流決定部252に対して、歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であるときの相対角度検出装置20からの出力信号の変化とその出力信号が得られた時間とを出力する(S1903)。これを取得した第2の目標電流決定部252は、ウォームギヤ111の歯の図18で見た場合の上下方向への振動の振動数が、歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内であるときの相対角度検出装置20の出力信号の周期的な変化の振動数、言い換えれば前輪150側から受ける周期的な力の振動数よりも高い振動数となるようにこの電動モータ110に供給する目標電流を決定する。そして、決定した目標電流の情報を含む目標電流信号IT2を出力する。
その後、相対角度検出装置20からの出力信号の波形の周波数が、想定される周波数を中心とする所定の範囲内の周波数から外れたか否かを判別する(S1904)。S1901にて取得した相対角度検出装置20の出力信号の波形がある特定の波形である場合に、S1903の処理に基づいて第2の目標電流決定部252にてある特定の目標電流に決定されることが予め決まっているので、経験則に基づいて、S1901にて取得した相対角度検出装置20からの出力信号の変化と想定される周波数との対応を示すマップを予め作成しROM12に記憶しておく。S1904においては、このマップに、S1901にて取得した相対角度検出装置20からの出力信号の変化を代入することで想定される周波数を導出し、今回取得した相対角度検出装置20からの出力信号の波形の周波数が、この導出された周波数を中心とする所定の範囲内の周波数から外れたか否かを判別する。例えば、想定される周波数が2000(Hz)である場合には、2000−200(=2000の10%)(Hz)以上、2000+200(Hz)以下の周波数であることを例示することができる。
出力信号の波形の周波数が所定の範囲内の周波数から外れた場合(S1904でYes)、制御部230への入力を第1の目標電流決定部225からの出力値とするように切替部270を切り替えるとともに、第2の目標電流決定部252に対して、出力信号の波形の周波数が所定の範囲内の周波数から外れた旨の信号を出力する(S1905)。これを取得した第2の目標電流決定部252は、目標電流信号の出力を終了する。
他方、出力信号の周波数が所定の範囲内の周波数から外れていない場合(S1904でNo)、外れるまで待機する。
一方、歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内ではない場合(S1901でNo)、つまり、その周波数が所定の周波数領域外である場合、歯打ち音自体が生じていないとして、この歯打ち音抑制処理を終了する。
他方、出力信号の周波数が所定の範囲内の周波数から外れていない場合(S1904でNo)、外れるまで待機する。
一方、歯打ち音の周波数が所定の周波数領域内ではない場合(S1901でNo)、つまり、その周波数が所定の周波数領域外である場合、歯打ち音自体が生じていないとして、この歯打ち音抑制処理を終了する。
周波数変更部250が上述したように構成されることで、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100においては、歯打ち音等の周波数が耳障りな音として認識され得る所定の周波数領域内である場合には、ウォームギヤ111の歯が前輪150側から受ける周期的な力の振動数よりも高い振動数で振動するように電動モータ110が制御される。その結果、歯打ち音の周波数を変えることができる。それゆえ、本実施の形態に係る電動パワーステアリング装置100においては、耳障りな歯打ち音等が発生することを抑制することができる。また、耳障りな歯打ち音等の発生の抑制を、電動モータ110の回転駆動を制御することで実現しているので、例えば、機械的に、ウォームホイール130の歯とウォームギヤ111の歯との間のバックラッシュを強制的になくす構成と比べると、より簡易な装置構成とすることができる。さらに、電動モータ110の回転駆動を制御することで耳障りな歯打ち音等の発生を抑制することを、通常の制御時における不感帯領域にて行うので、通常の電動モータ110の制御に影響を与えることなく実現することができる。
10…制御装置、20…相対角度検出装置、21…磁石、30…ヨーク、40…磁気センサ、100…電動パワーステアリング装置、101…ステアリングホイール(ハンドル)、110…電動モータ、210…トルク検出部、220…目標電流算出部、230…制御部、250…周波数変更部
Claims (3)
- ステアリングホイールに操舵補助力を与える電動モータと、
前記電動モータの回転駆動力が伝達される第1の歯車と、
転舵輪を転舵させるラック軸を移動させる第1の回転軸と、当該第1の回転軸と同軸的に連結された第2の回転軸との相対回転角度を検出する相対角度検出手段と、
前記第1の歯車と噛み合うことにより前記電動モータの回転駆動力を前記第1の回転軸に伝達する第2の歯車と、
前記相対角度検出手段が検出した前記相対回転角度に基づいて前記電動モータの駆動を制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記転舵輪側から外力を受けて前記相対回転角度が周期的に変化する場合に、前記第1の歯車の歯と前記第2の歯車の歯とが衝突する際に生じる歯打ち音の周波数を変更するように前記電動モータの駆動を制御することを特徴とする電動パワーステアリング装置。 - 前記制御手段は、単位時間あたりに前記第1の歯車の歯と前記第2の歯車の歯とが衝突する回数が増加するように前記電動モータの駆動を制御することを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記制御手段は、前記相対角度検出手段が検出した前記相対回転角度の周期的な変化の振動数よりも高い振動数で前記第1の歯車の歯が振動するように前記電動モータの駆動を制御することを特徴とする請求項1又は2に記載の電動パワーステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011078410A JP2012210898A (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 電動パワーステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011078410A JP2012210898A (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 電動パワーステアリング装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012210898A true JP2012210898A (ja) | 2012-11-01 |
Family
ID=47265265
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2011078410A Withdrawn JP2012210898A (ja) | 2011-03-31 | 2011-03-31 | 電動パワーステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012210898A (ja) |
-
2011
- 2011-03-31 JP JP2011078410A patent/JP2012210898A/ja not_active Withdrawn
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2007010329A (ja) | 回転角検出装置及びこれを用いた電動パワーステアリング装置 | |
JP4512128B2 (ja) | モータの回転角検出装置 | |
JP5077785B2 (ja) | 操舵制御装置 | |
JPH0729610B2 (ja) | 電磁型倍力装置 | |
JP5883706B2 (ja) | 相対角度検出装置および電動パワーステアリング装置 | |
US10298157B2 (en) | Brushless motor and electric power steering apparatus | |
JP5017423B2 (ja) | 操舵制御装置 | |
JP6024971B2 (ja) | 回転角検出装置 | |
JP2012111335A (ja) | 電動パワーステアリング装置、故障検出装置および故障検出方法 | |
JP6771373B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
US8554413B2 (en) | Steering control apparatus | |
JP4872229B2 (ja) | 車両用操舵装置 | |
JP2013067340A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2012210900A (ja) | 電動パワーステアリング装置および設定方法 | |
JP2012112778A (ja) | 故障検出装置、故障検出方法および電動パワーステアリング装置 | |
JP2012210897A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP2012210898A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP5634930B2 (ja) | 相対角度検出装置、電動パワーステアリング装置 | |
JP2011058979A (ja) | 電動パワーステアリング装置、電動パワーステアリング装置の制御方法およびプログラム | |
JP2014088138A (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP6059051B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置およびプログラム | |
JP2011201451A (ja) | ステアリング角度検出装置およびステアリング角度検出方法 | |
JP2017083422A (ja) | 回転角検出装置 | |
JP4946075B2 (ja) | 電動パワーステアリング装置 | |
JP4763298B2 (ja) | 電動アシスト自転車のペダル踏力検出装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20140603 |