JP2012210733A - シート材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリウレタンフォーム2の表面に任意の手段で所定模様の凹凸形状を形成する一方、例えば合成皮革、人工皮革、編織物等の表皮材4の裏側にフレームラミネート可能なポリウレタンフォーム5を積層した表面材3を形成し、表面材3のポリウレタンフォーム5側に火炎を当てて表面の一部を溶融させ、この溶融面とポリウレタンフォーム2の凹凸面を合わせて一対のローラ7の間を通過させ、表面材3とポリウレタンフォーム2が積層されるシート材1を成形する。
【選択図】 図1
Description
この際、シート材の表面に凹凸模様を形成するための手段として、フラット型のエンボス加工によると、バッチ加工となってシート材が連続したものではなく枚葉でしか生産できず、生産効率が悪いものとなる。また、連続生産可能なロータリー型のエンボス加工によって生産効率を上げようとする場合、空気層を有するポリウレタンフォームを積層したシート材の表面には凹凸模様が深く形成されないという問題があるため、シート材を、加熱したエンボスロースとヒートロールの間を通過させ、その表面に凹凸模様を形成するような技術も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、ポリウレタンフォームの表面に凹凸形状を形成し、この凹凸形状の表面にシート状の表面材を積層して一体化するにあたり、ポリウレタンフォームの凹凸面側を加熱溶融して表面材と一体化するとともに、凹凸形状にかみ合う形状のアタッチメントを使用してフレームラミネートするような技術(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
この結果、凸部と凸部の中心間隔aが25〜60mmで、凸部の最大高さと凹部の最低高さの差b(高低差)を中心間隔aの1/10〜1/3にした場合には必要な剥離強度が得られ、しかも、表面材の風合いを残したままで、シート材の表面に形成された凹凸模様の輪郭がぼんやりしてふんわりとして柔らかい印象のデザインになることが判明した。
ここで、定荷重伸び率とは、幅50mmの試験片の上部を固定し、つかみ間隔を100mmとして、下部に29.4Nの荷重を5分間かけた後に測定したつかみ間隔の、初期のつかみ間隔に対する伸び率を測定したものである。
また、ポリウレタンフォームの表面に凹凸形状を形成する方法としては、いわゆるプロファイル加工で成形したものでも、また二次元カッターによって成形したものでもよく、その他の手段で成形したものでもよい。
また、フレームラミネートする際、凹凸のない表面材のフレームラミネート可能なポリウレタンフォーム側に火炎を当てることにより、溶融ムラが生じにくくなり、剥離強度を高めることができる。
また、表面材をフレームラミネートにより積層することで連続生産が可能となるために、生産効率を高めることができる。
まず、図3に示すように、ポリウレタンフォーム2の表面に凹凸形状を形成する。この際、この凹凸形状は、凸部と凸部の中心間隔aを25〜60mmにするとともに、凸部の最大高さと凹部の最低高さの差b(高低差)を中心間隔aの1/10〜1/3にする。
中心間隔aが、25mm未満であると、表面材3がポリウレタンフォーム2の凹凸形状に追随しにくくなり、剥離強度に劣るとともに、シート材表面にポリウレタンフォーム2の凹凸形状が表現できなくなり、60mmを超えると、意匠性に乏しくなる。
また、高低差bが、中心間隔aに対して、1/10未満であれば、凹凸感に乏しく、意匠が得られなくなり、1/3を超えれば、表面材3がポリウレタンフォーム2の凹凸形状に追随しにくくなり、十分な剥離強度が得られない。
なお、表面材3がポリウレタンフォーム2の凹凸形状に追随しにくくなるとは、特に凹部において、表面材3とポリウレタンフォーム2が接着しにくくなることであり、そのために、十分な剥離強度が得られず、また、その凹部にしわが生じてしまい、シート材表面にポリウレタンフォーム2の凹凸形状が表現できなくなり、意匠性に劣るものとなる。
そして、ポリウレタンフォーム2にこのような凹凸形状を形成する手段は、一対の凹凸型を利用して変形させたポリウレタンフォームの中間部を平面的に分断するいわゆるプロファイル加工でもよく、二次元カッターを利用して表面に凹凸形状を形成するものでもよく、その他の手段によるものでもよい。
このように、表面に凹凸形状を形成されたポリウレタンフォーム2の最大厚みとしては、10〜30mm程度であれば、車両の内装材や家具等に使用した際に、クッション性に優れるものとなる。
ここで、フレームラミネート可能なポリウレタンフォーム5としては、従来からフレームラミネート用として使用されているポリウレタンフォームを使用することができる。
また、積層前のフレームラミネート可能なポリウレタンフォーム5の厚みとしては、1〜3.5mm程度とし、積層後のポリウレタンフォーム5の残厚を0.5〜3mmとすることが好ましい。残厚が0.5mm未満だと、十分な剥離強度が得られにくく、3mmを超えると、ポリウレタンフォーム2に形成された凹凸形状が表面に現れにくくなり、凹凸感が乏しく、意匠性が損なわれてしまう虞がある。
ポリウレタンフォームの表面に、表1及び2に示す中心間隔a及び高低差bを有する凹凸形状をそれぞれ連続的に形成した。また、定荷重伸び率が20%の編物に、厚み2.5mmのフレームラミネート可能なポリウレタンフォームをフレームラミネートにより積層して表面材を作成した。このとき、フレームラミネート可能なポリウレタンフォームの残厚は2mmであった。
次いで、表面材とポリウレタンフォームの凹凸面とを、フレームラミネートによって積層して、シート材を得た。その際、表面材のフレームラミネート可能なポリウレタンフォーム側に火炎を当てることで該フォームの表面を溶融させて、表面材の溶融面とポリウレタンフォームの凹凸面とを合せて、ロールで圧着することにより、表面材とポリウレタンフォームを積層させた。なお、得られたシート材の表面材のフレームラミネート可能なポリウレタンフォームの残厚は1.5mmであった。
〔比較例1〕
ポリウレタンフォームの凹凸面に火炎を当てて、表面材とポリウレタンフォームの凹凸面とを積層させたこと以外は、上記と同様にして、シート材を得た。
〔評価方法〕
(1)剥離試験
得られたシート材を幅25mmに切断したサンプル片において、表面に凹凸形状が形成されたポリウレタンフォームに対する表面材の180度剥離強度を測定した。
評価基準は以下の通りである。
○
剥離強度が2.0N/25mm以上、或いはポリウレタンフォームが破断した
× 剥離強度が2.0N/25mm未満
(2)デザイン性
評価基準は以下の通りである。
○ 表面材がポリウレタンフォームの凹凸形状に追随しており、シート材表面が、全体がふんわりとして柔らかい印象の凹凸模様を有する
× 表面材がポリウレタンフォームの凹凸形状に追随せず、シート材表面の凹部にしわが生じてしまい、意匠性に劣る、
或いは、表面材がポリウレタンフォームの凹凸形状に追随するが、凹凸感が乏しく、意匠が得られない
この結果、本発明の有効性が確認された。
Claims (2)
- 表面に凹凸形状が形成されたポリウレタンフォームの表面に、表面材が積層されたシート材であって、前記表面材が、表皮材にフレームラミネート可能なポリウレタンフォームが積層されたものであり、前記ポリウレタンフォーム表面の凹凸形状は、凸部と凸部の中心間隔aが25〜60mmで、凸部の最大高さと凹部の最低高さの差b(高低差)が中心間隔aの1/10〜1/3であるとともに、前記シート材は、表面材のフレームラミネート可能なポリウレタンフォーム側に火炎を当てるフレームラミネートによって、表面材がポリウレタンフォームの凹凸面に積層されたものであることを特徴とするシート材。
- 表面に凹凸形状が形成されたポリウレタンフォームの表面に、表面材が積層されたシート材を製造する方法であって、ポリウレタンフォームの表面に、凸部と凸部の中心間隔aが25〜60mmで、凸部の最大高さと凹部の最低高さの差b(高低差)が中心間隔aの1/10〜1/3の凹凸形状を形成する工程と、表皮材に対してフレームラミネート可能なウレタンフォームを積層することで表面材を形成する工程と、この表面材のフレームラミネート可能なウレタンフォーム側に火炎を当てることで該フォームの表面の一部を溶融させる工程と、この表面材の溶融面と前記ポリウレタンフォームの凹凸面とを合わせてロールで圧着することにより表面材をポリウレタンフォームに積層する工程、を備えたことを特徴とするシート材の製造方法。
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