JP5784948B2 - シート材の製造方法 - Google Patents
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Description
この際、シート材の表面に凹凸模様を形成するための手段として、フラット型のエンボス加工によると、バッチ加工となってシート材が連続したものではなく枚葉でしか生産できず、生産効率が悪いものとなる。また、連続生産可能なロータリー型のエンボス加工によって生産効率を上げようとする場合、空気層を有するポリウレタンフォームを積層したシート材の表面には凹凸模様が深く形成されないという問題があるため、シート材を、加熱したエンボスロースとヒートロールの間を通過させ、その表面に凹凸模様を形成するような技術も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、ポリウレタンフォームの表面に凹凸形状を形成し、この凹凸形状の表面にシート状の表面材を積層して一体化するにあたり、ポリウレタンフォームの凹凸面側を加熱溶融して表面材と一体化するとともに、凹凸形状にかみ合う形状のアタッチメントを使用してフレームラミネートするような技術(例えば、特許文献4参照。)も知られている。
この結果、凸部と凸部の中心間隔aが25〜60mmで、凸部の最大高さと凹部の最低高さの差b(高低差)を中心間隔aの1/10〜1/3にした場合には、表面材の風合いを残したままで、シート材の表面に形成された凹凸模様の輪郭がぼんやりしてふんわりとして柔らかい印象のデザインになり、しかも、このようなポリウレタンフォームの凹凸面上に接着剤を介して表面材を接着し、必要な剥離強度を得るためには、例えばロール圧着のように、ロールとロールが相対する線状の範囲を局部的に圧着するのでは不十分であり、平面的に広い範囲で圧着することが必要であることが判明した。
このような方法を採用することで、表面材の風合いを損ねることなく、シート材の表面に形成された凹凸模様の輪郭がぼんやりしてふんわりとして柔らかい印象のデザインになり、また平面圧着することで、ポリウレタンフォームと表面材の剥離強度を高めることができる。
この際、ポリウレタンフォームの表面に凹凸形状を形成する方法としては、いわゆるプロファイル加工で成形したものでも、また二次元カッターによって成形したものでもよく、その他の手段で成形したものでもよい。
なお、圧着条件としては、ポリウレタンフォームと表面材のどちら側に接着剤層を設けるか、または表面材や接着剤の種類によって適宜設定することができる。本発明においては、平面的に圧着することが重要である。
また、表面材としては、例えば合成皮革、人工皮革、織物、編物、毛織物等が使用でき、また、その裏にポリウレタンフォームなどを積層して表面材としたものでもよい。
また、前記重ね合わせた表面材とポリウレタンフォームを平面的に圧着する工程において、平板の熱プレスを用いることができる。平板の熱プレスで圧着する圧着条件としては、表面材や接着剤の種類等によって適宜設定されるが、例えば、60℃〜90℃の温度で1〜2分程度の加圧とする。
また、表面材に積層する接着剤シートとしては、例えば、ホットメルトフィルムや、粘着剤層を備えたフィルムなどが使用できる。粘着剤層を備えたフィルムを用いる場合、表面材にその粘着剤層が接するように積層して、ポリウレタンフォームと表面材とを積層する際に、粘着剤層を残して該フィルムのみを剥がして、平面的に圧着することで、表面材とポリウレタンフォームを粘着剤層を介して積層することができる。
また、前記重ね合わせた表面材とポリウレタンフォームを平面的に圧着する工程において、平板の熱プレスを用いることができる。平板の熱プレスで圧着する圧着条件としては、表面材の種類、接着層の種類等によって適宜設定する。
このように、圧着式無端ベルトで圧着するようにすれば、ワークを連続的に流動させながら製造することができるため生産性の向上が図られる。
なお、この際の無端ベルトとしては、例えば空気が自由に流通するメッシュベルトを使用し、ワークの流動経路を除いた周囲を60℃〜90℃程度に加温可能な乾燥オーブンで囲うことにより、接着剤の溶剤や水分等を蒸発させながら積層できるようにすれば、より効率的に作業することができ、好ましい。
まず、図5に示すように、ポリウレタンフォーム2の表面に凹凸形状を形成する。この際、この凹凸形状は、凸部と凸部の中心間隔aを25〜60mmにするとともに、凸部の最大高さと凹部の最低高さの差b(高低差)を中心間隔aの1/10〜1/3にする。
中心間隔aが、25mm未満であると、表面材がポリウレタンフォーム2の凹凸形状に追随しにくくなり、剥離強度に劣るとともに、シート材表面にポリウレタンフォーム2の凹凸形状が表現できなくなり、60mmを超えると、意匠性に乏しくなる。
さらに、高低差bが、中心間隔aに対して、1/10未満であれば、凹凸感に乏しく、意匠が得られなくなり、1/3を超えれば、表面材3がポリウレタンフォーム2の凹凸形状に追随しにくくなり、十分な剥離強度が得られない。
なお、表面材3がポリウレタンフォーム2の凹凸形状に追随しにくくなるとは、特に凹部において、表面材3とポリウレタンフォーム2が接着しにくくなることであり、そのために、十分な剥離強度が得られず、また、その凹部にしわが生じてしまい、シート材表面にポリウレタンフォーム2の凹凸形状が表現できなくなり、意匠性に劣るものとなる。
そして、ポリウレタンフォーム2の表面にこのような凹凸形状を形成する手段は、一対の凹凸型を利用して変形させたポリウレタンフォームの中間部を平面的に分断するいわゆるプロファイル加工でもよく、二次元カッターを利用して表面に凹凸形状を形成するものでもよく、その他の手段によるものでもよい。
このように、表面に凹凸形状を形成されたポリウレタンフォーム2の最大厚みとしては、10〜30mm程度であれば、車両の内装材や家具等に使用した際に、クッション性に優れるものとなる。
すなわち、表面に凹凸形状が形成されたポリウレタンフォーム2を搬送ラインに沿って搬送し、ポリウレタンフォーム2の凹凸面上に接着剤sをスプレー塗布して接着剤層を形成する。この際、接着剤sをスプレー塗布することで、凹凸面の凹部内にも隈なく塗布することができる。
そして、その下流側では、スプレー塗布した接着剤sを予備乾燥することで、接着剤に含まれる溶剤や水分などの一部を蒸発させ、更にその下流側では、予備乾燥を終えたポリウレタンフォーム2の凹凸面上の接着剤層の上に表面材3を重ね合わせ、平板の熱プレス4によって圧着し積層させて、シート材1とする。
なお、この際の熱プレス4による圧着条件としては、例えば60〜90℃の温度で1〜2分程度の時間が好適である。
この方法は、表面材3側に接着剤層を形成する方法であり、図2に示すように、表面材3を搬送ラインに沿って搬送し、表面材3上に接着剤sを塗布して接着剤層を形成する。この際、接着剤の塗布は、図に示すようなロール塗布でもよいが、その他の方法で塗布してもよい。また、予め表面材3にホットメルトフィルムや粘着剤層を備えたフィルムなどの接着剤シートを積層したものを使用してもよい。
そして、その下流側では、塗布した接着剤sを予備乾燥することで、接着剤sに含まれる溶剤や水分などの一部を蒸発させ、更にその下流側では、予備乾燥を終えた表面材3上の接着剤層の上にポリウレタンフォーム2の凹凸面側を重ね合わせ、平板の熱プレス4によって圧着し積層させて、シート材1とする。
なお、接着剤シートを使用する場合は、予備乾燥の工程を省略することができる。
この場合は、圧着式無端ベルト5のベルト5aをメッシュ材から構成することにより、接着剤の乾燥効率を高め、しかもワークの流通経路を除いてその周囲を乾燥オーブン6で取り囲み、60〜90℃程度に加温してワークを通過させるようにすれば、ワークを連続的に流動させながら製造することができるため、効率的に積層することができる。
ポリウレタンフォームの表面に、表1及び2に示す中心間隔a及び高低差bを有する凹凸形状をそれぞれ連続的に形成した。その凹凸面に、ウレタン系水溶性接着剤をスプレー塗布して予備乾燥させた後、定荷重伸び率が20%の編物を積層し、80℃で1分間熱プレスしてシート材を得た。
〔実施例5、比較例6〕
表面材に、ウレタン系水溶性接着剤をロールコーターによって塗布し接着剤層を形成し、その接着剤層と、ポリウレタンフォームの凹凸面を積層すること以外は、上記と同様にして、シート材を得た。
〔実施例6、比較例7〕
熱プレスの代わりに、80℃の乾燥オーブン内で、圧着式無端ベルトを用いて圧着させること以外は、実施例5と同様にして、シート材を得た。
〔評価方法〕
(1)剥離試験
得られたシート材を幅25mmに切断したサンプル片において、表面に凹凸形状が形成されたポリウレタンフォームに対する表面材の180度剥離強度を測定した。
評価基準は以下の通りである。
○
剥離強度が2.0N/25mm以上、或いはポリウレタンフォームが破断した
× 剥離強度が2.0N/25mm未満
(2)デザイン性
評価基準は以下の通りである。
○ 表面材がポリウレタンフォームの凹凸形状に追随しており、シート材表面が、全体がふんわりとして柔らかい印象の凹凸模様を有する
× 表面材がポリウレタンフォームの凹凸形状に追随せず、シート材表面の凹部にしわが生じてしまい、意匠性に劣る、
或いは、表面材がポリウレタンフォームの凹凸形状に追随するが、凹凸感が乏しく、意匠が得られない
また、実施例5、実施例6の方法においても、良好なシート材が得られた。
この結果、本発明の有効性が確認された。
Claims (4)
- 表面に凹凸形状が形成されたポリウレタンフォームの表面に、表面材が積層されたシート材を製造する方法であって、ポリウレタンフォームの表面に、凸部と凸部の中心間隔aが25〜60mmで、凸部の最大高さと凹部の最低高さの差b(高低差)が中心間隔aの1/10〜1/3の凹凸形状を形成する工程と、ポリウレタンフォームの凹凸面上あるいは表面材の少なくともいずれか一方に接着剤層を形成する工程と、前記ポリウレタンフォームの凹凸面と表面材とを接着剤層を介して重ね合わせて平面的に圧着して積層する工程を備えたことを特徴とするシート材の製造方法。
- 前記ポリウレタンフォームの凹凸面上あるいは表面材の少なくともいずれか一方に接着剤層を形成する工程は、ポリウレタンフォームの凹凸面上に接着剤をスプレー塗布することによって行われることを特徴とする請求項1に記載のシート材の製造方法。
- 前記ポリウレタンフォームの凹凸面上あるいは表面材の少なくともいずれか一方に接着剤層を形成する工程は、表面材側に接着剤を塗布すること、または予め表面材に接着剤シートを積層することによって行われることを特徴とする請求項1に記載のシート材の製造方法。
- 前記重ね合わせた表面材とポリウレタンフォームを平面的に圧着して貼り合わせる工程は、重ね合わせた表面材とポリウレタンフォームを一対の圧着式無端ベルト間を通過させることで行われることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のシート材の製造方法。
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