次に、本発明に係る遊技機につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。なお、遊技機としては、一般的なパチンコ機10を例にして説明する。また、以下の説明において、「前」、「後」、「左」、「右」とは、特に断りのない限り、図1に示すようにパチンコ機10を前側(遊技者側)から見た状態で指称する。
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞装置26の始動入賞口26a,26bへのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行なう図柄表示装置(図柄表示手段)18が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板13aで前後に開口する窓部を覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル17が設けられており、該操作ハンドル17の操作により打球発射装置が作動されることで、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が所定間隔(実施例では0.6(秒)間隔)で1球ずつ前記遊技盤20に向けて連続的に発射されるようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置18としては、各種図柄を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されるが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置18やドットマトリックス式の図柄表示装置18等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
(遊技盤20について)
前記遊技盤20には、図2に示すように、略矩形状に形成されたアクリルやポリカーボネート等の透明な合成樹脂材で形成された透明板からなり、略円形状に湾曲形成した案内レール21が遊技盤20の前面に配設されて、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出される略円形の遊技領域20aが画成されている。そして、ルーター加工等の孔空け加工により前後に貫通するよう開設された複数の装着口を介して、各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する発光演出装置24、枠状装飾体25、始動入賞装置26、特別入賞装置30等)が遊技盤20に対して前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口23が開設されている。なお、前記装着口の形成数や形成位置は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜に決定される。
ここで、実施例の前記遊技盤20には、図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央に、前後に開口する表示窓口25aが形成された枠状装飾体25が取り付けられており、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して遊技盤20の裏側に配置された図柄表示装置18の表示面が遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の下方位置には、遊技領域20aの左右幅方向の略中央に、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な始動入賞口26a,26bを有する始動入賞装置26および特別入賞装置30が取り付けられている。なお、実施例では、始動入賞装置26および特別入賞装置30は同じ装着口に取り付けられている。
(始動入賞装置26について)
図2に示すように、前記始動入賞装置(始動入賞手段)26は、上下の位置関係で2つの前記始動入賞口26a,26bが設けられており、上側の始動入賞口(第1始動入賞手段)26aは遊技領域20a内で常に上方へ開口するよう構成されている。一方で、下側の始動入賞口(第2始動入賞手段)26bを挟む左右両側には、相互に近接および離間するよう揺動可能な一対の開閉部材26,28が設けられており、駆動手段としてのソレノイド27(図11参照)の駆動に伴って一対の開閉部材28,28が下側の始動入賞口26bを閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に開閉部材28,28が揺動変位するよう構成されている。すなわち、前記上側の始動入賞口26aは、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が一定の確率で入賞し得るよう構成されると共に、下側の始動入賞口26bは、パチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材28,28が閉鎖位置に変位した状態(後述する入賞率向上状態が付与されていない状態)では、前記下側の始動入賞口26bへのパチンコ球の入賞が阻止されて、上側の始動入賞口26aへパチンコ球が入賞する確率よりも低確率となるよう設定される一方、開閉部材28,28が開放位置に変位した状態(後述する入賞率向上状態が付与された状態)では、が開閉部材28,28で受止められたパチンコ球が下側の始動入賞口26bに案内されて、上側の始動入賞口26aへパチンコ球が入賞する確率よりも高確率となるよう設定されている。
また、前記始動入賞装置26は、前記上下の始動入賞口26a,26bに入賞したパチンコ球を検出する始動入賞球検出センサ29,29が設けられている。前記始動入賞球検出センサ29は、前記制御装置に配線接続されており、該始動入賞球検出センサ29の検出を契機として所定数の賞球が払い出されると共に、後述する特図当り抽選(具体的には大当り抽選および小当り抽選)が行なわれて、該特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置18の図柄変動演出が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置18での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置18に所定の組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が停止表示されることで大当りや小当りが発生し、大当りの発生に伴って前記特別入賞装置30を所定の開放条件で開放する当り遊技が行なわれて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。また、前記始動入賞球検出センサ29は、始動入賞口26a,26b毎に設けて入賞球を個別に検出してもよいし、各始動入賞口26a,26bに入賞したパチンコ球を1つのセンサで検出するよう構成してもよい。実施例では、始動入賞口26a,26b毎に始動入賞球検出センサ29,29を設けた例で説明する。
(球通過ゲート47)
図1に示すように、前記遊技盤20には、前記枠状装飾体25の右側部に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が通過可能な球通過ゲート47が設けられている。この球通過ゲート47には通過球検出センサ48が備えられており、該球通過ゲート47を通過するパチンコ球を通過球検出センサ48で検出するよう構成されている。前記通過球検出センサ48は、パチンコ機10の裏側に配設された制御装置に配線接続されており、該通過球検出センサ48から制御装置への球検出信号の入力に伴って普図当り抽選が行なわれ、該普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞装置26の開閉部材28,28が開閉動作するようになっている。
(特別入賞装置30)
図3〜図9に示すように、前記特別入賞装置(入賞手段)30は、前記遊技盤20に取り付けられ、前方に開口する特別入賞口(入賞口)33を介してパチンコ球が入賞可能な入賞空間31aを画成する装置本体31と、該装置本体31の特別入賞口33を開閉する開閉扉(開閉手段)42と、該開閉扉42を強制的に開閉動作させるソレノイド(駆動手段)40とから基本的に構成されており、ソレノイド40の駆動に伴って開閉扉42が揺動変位することで特別入賞口31が開閉するようよう構成されている。また、前記装置本体31には、前記開閉扉42の前方に位置し、該装置本体31との間をパチンコ球が通過可能な距離だけ離間する位置に遮蔽部材45が取り付けられている。
(装置本体31)
前記装置本体31は、平板状の台板部32と、該台板部32の裏側に固定される本体部34とから構成され、遊技盤20に開設された装着口内に本体部34を前側から挿入した状態で、台板部32を遊技盤20の前面にネジ止め固定される。前記台板部32は、パチンコ球が通過可能な横長矩形状の特別入賞口33が前後に貫通するよう形成されると共に、前記本体部34には、該台板部32の特別入賞口33に整合する形状で前方へ開口するよう前記入賞空間31aが画成されており、入賞空間31aの前方開口を特別入賞口33に整合させた状態で台板部32と装置本体31とが固定されている。また、前記装置本体31の後方には、前方へ向けて光を照射するLED(発光手段)38aを実装したLED基板38が装置本体31の(本体部34)後壁面に対向するよう配設されている。すなわち、前記LED38aからの光が装置本体31(本体部34)の後壁面を透過して入賞空間31a内を照明すると共に、前記開閉扉42および遮蔽部材45を透過して遊技盤20の前方へ照射されるようになっている。ここで、前記LED基板38のLED38aは、前記制御装置に配線接続されており、前記開閉扉42に短時間開放動作を行なわせる当り遊技(後述する15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技、ステップアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技、ジャンプアップ大当り遊技および小当り遊技)の際には、前記LED38aを消灯するよう発光制御されて、該開閉扉42の開閉動作を把握され難くしている。
(台板部32について)
前記台板部32は、図3〜図7に示すように、前記遊技盤20の前面に当接する略矩形平板状に形成されて、前後に開口するよう前記特別入賞口33が開設されている。そして、前記台板部32における前記特別入賞口33の上端縁を画成する縁部に、前側および特別入賞口33側に開口する凹状の段部32aが形成されており、前記開閉扉42を閉鎖位置(後述)に変位した状態で、該開閉扉42の自由端縁部が段部32aの前面に当接するようになっている。また、前記台板部32には、前記特別入賞口33(段部32a)の開口上端縁部に沿って前方へ突出する突条部32bが形成されており、段部32aに臨んだ開閉扉42の自由端縁部が突条部32bと上下の関係で重なるようになっている。このように、前記突条部32bが開閉扉42の自由端縁部と上下の関係で重ならせることで、該開閉扉42の自由端縁部の視認性を低下し、当該開閉扉42の開閉状態を把握され難くし得る。
また、前記突条部32bの上面32cは、前記段部32a(開閉扉42)に近づくにつれて前方へ傾斜する傾斜面状に形成されている。これにより、前記遊技領域20a内に挿入された針金等の不正器具が特別入賞装置30の上方から進入された際に、該不正器具が突条部32bにより開閉扉42から離れるよう誘導されて、該開閉扉42に不正器具が掛かるのを防止している。ここで、前記突条部32bは、前記特別入賞口33(段部32a)の開口上端縁部の略全長に亘って延在するよう形成されると共に、該突条部32bの左端位置に、前方および上下方向に開放する係止凹部32dが形成されている。すなわち、前記段部32aの前面に当接し開閉扉42の自由端縁部が前記係止凹部32dを介して上方に臨んで、係止凹部32dを介して開閉扉42の自由端縁部に手指を引っ掛け得るようになっている。
前記本体部34は、図3〜図6に示すように、前記入賞空間31aが前後に開口するよう画成された画成部材35と、該画成部材35の後側に取り付けられ、該入賞空間31aの後方開口を閉塞する支持部材36とからなり、該支持部材36の前面における右側に偏った位置に、入賞空間31a内に連通する排出球通路37が設けられている。前記排出球通路37は、本体部34の下方に開口するよう形成されて、入賞空間31a内に入ったパチンコ球を外部に排出し得るよう構成されている。また、前記支持部材36には、前記排出球通路37の球入口に、前記制御装置に配線接続された特別入賞球検出センサ39が配設されており、該特別入賞球検出センサ39から制御装置への入賞検出信号の入力に伴って所定数の賞球が払い出されるようになっている。なお、前記入賞空間31aを画成する底面は、前記排出球通路37へ向けて下方傾斜するよう形成されて、入賞空間31aに入賞したパチンコ球を排出球通路37へ案内するようになっている。
そして、前記支持部材36における左側部に、図3〜図6に示すように、前記ソレノイド40を設置する設置部36aが設けられており、該設置部36aにプランジャを前後動可能な姿勢でソレノイド40が設置される。また、前記ソレノイド40のプランジャには、該プランジャの前後動に伴って上下方向に揺動変位する作動部材41が取り付けられており、該作動部材41が開閉扉42に連繋接続するよう構成される。なお、前記ソレノイド40が非励磁状態(非通電状態)の場合には、前記作動部材41の前端部が下方に位置し、該ソレノイド40に通電した励磁された状態では、該作動部材41の前端部が上方へ向けて揺動変位するよう構成される。
(開閉扉42について)
前記開閉扉42は、前記特別入賞口33の開口形状に略合致する横長矩形板状に形成されて、その左右側面の下端部に外方へ突出するよう設けられた支軸42aを前記台板部32および本体部34の間に揺動自在な状態で挟持される。すなわち、前記開閉扉42は、前記特別入賞口33を閉成する閉鎖位置(図3、図9の実線参照)から上端(自由端縁部)が前方(透視保護板13a)へ近接する方向へ回転することで、該特別入賞口33を開放する開放位置(図4、図8参照)へ変位する。ここで、前記開閉扉42が開放位置に変位した状態では、図示しないストッパにより位置規制されて、自由端縁部から枢支端部へ向けて下方傾斜する姿勢に開閉扉42が保持され、開閉扉42で受止めたパチンコ球を特別入賞口33へ向けて案内するようになっている。
前記開閉扉42の左下端部には、前記閉鎖位置にある状態で後方へ突出する連繋片(図示せず)が形成されており、前記ソレノイド40に接続した前記作動部材41が連繋片と連繋接続するよう構成されている。そして、前記ソレノイド40を励磁(通電)することで前記作動部材41が上方へ揺動変位するのに伴い連繋片を押し上げて開閉扉42を開放位置へ回転(開動作)させ、ソレノイド40を非励磁(非通電)することで作動部材41が下方へ揺動するのに伴い連繋片を押し下げて開閉扉42を閉鎖位置へ回転(閉動作)させるよう構成される。また、前記開閉扉42は、光透過性の合成樹脂材により形成されており、該開閉扉42が特別入賞口33を閉鎖した状態で前記LED基板38のLED38aを発光させた際には、該開閉扉42を透過した光が遊技盤20の前方(遮蔽部材45)へ照射される一方で、該開閉扉42が特別入賞口33を開放した状態でLED38aを発光させた際には、当該開閉扉42を透過することなく遊技盤20の前方(遮蔽部材45)へ光が照射されるようになっている。
図8、図9に示すように、前記開閉扉42の自由端縁部は、前記特別入賞口33を閉鎖する閉鎖状態での前面側が先端に近づくにつれて円弧状に湾曲した形状に円弧状部42aが形成されている。すなわち、前記段部32aに開閉扉42の上端を臨ませることで、遊技領域20aを流下するパチンコ球が開閉扉42に接触するのを抑制すると共に、開閉扉42にパチンコ球が接触した際の衝撃を逃がすようになっている。すなわち、前記開閉扉42の自由端縁部に円弧状部42aを形成することで、遊技領域20a内に挿入された針金等の不正器具が開閉扉42に掛かるのを抑制している。
(遮蔽部材45について)
前記遮蔽部材(障害手段)45は、前記特別入賞口33の開口形状より大型の平板状に形成されて、左右に離間する位置に後方へ突出する支持部46,46が形成されている。前記支持部46,46は、前記特別入賞口33の左右の開口側縁部に夫々位置するよう前記台板部32の前面に固定され、該特別入賞口33の開口前方に、台板部32と略平行な姿勢で前記遮蔽部材45が位置するようになっている。言い換えると、前記遮蔽部材45は、前記特別入賞口33の左右の開口側縁部から前方へ突出するよう形成された支持部46,46の前端部に架渡されており、前記閉鎖位置にある開閉扉42と遮蔽部材45とがパチンコ球が通過可能な距離離間した状態で前後に重なるよう構成されている。また、前記開閉扉42が開放位置に変位した際に、該開閉扉42の自由端部が遮蔽部材45の裏面に干渉しないよう構成されており、該開閉扉42が開放位置にある状態で、台板部32と、遮蔽部材45と、左右の支持部46,46とにより囲まれた領域を流下するパチンコ球が開閉扉42で受止められて、前記特別入賞口33に入賞するようになっている。
また、図8、図9に示すように、前記遮蔽部材45は、上端部が特別入賞口33の開口上端縁部よりも上方に位置するよう構成されると共に、該遮蔽部材45の下端部が特別入賞口33の開口下端縁部よりも下方に位置するよう構成されている。すなわち、前記遮蔽部材55が特別入賞口33に対して遊技者の視線方向(前側上方)に位置しており、前記特別入賞口33を閉鎖する開閉扉42は、その前側上方に位置する遮蔽部材55により遊技者からの視認が妨げられるようになっている。また、前記遮蔽部材55が特別入賞口33の前方に位置することで、開放位置に位置する開閉扉42の自由端縁部が遮蔽部材45で隠されて、開放位置にある開閉扉42を遊技者から判別し難くしている。ここで、遮蔽部材45が特別入賞口33に対して遊技者の視線方向に設けられる状態としては、該特別入賞口33(開閉扉42)を遊技者側から完全に見えなくなるよう設けられた状態に限られるものではなく、前述のように遮蔽部材45の上端部が特別入賞口33の開口上端縁部よりも上方に位置して、該遮蔽部材55が存在しない状態に較べて開閉扉42を視認し難くなる状態を含んでいる。
また、図7に示すように、前記左右の支持部46,46の上面46a,46aは、前記特別入賞口33から側外方に離間するにつれて下方傾斜するよう形成されて、該左右の支持部46,46における特別入賞口33に向く内側面46b,46bの上端部が外側面46c,46cの上端部より上方に位置するよう構成してある。これにより、前記遊技領域20a内に挿入された不正器具が、前記左右の支持部46,46の間に位置する前記開閉扉42まで到達するのを防止して、該開閉扉42の不正な開放を困難にしている。
(特図表示器について)
図2に示すように、遊技盤20の遊技領域20aの左下部位置には、複数個のLED(発光部)から構成された特図表示器(図柄表示手段)50が設けられており、前記始動入賞装置26の入賞口26a,26bへのパチンコ球の入賞を契機として、特図表示器50のLEDが変動表示(点灯・消灯する点滅変動)されて、最終的にLEDが確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により特図を表すよう構成されている。なお、実施例では、前記始動入賞装置26における上側の始動入賞口26aへのパチンコ球の入賞を契機として変動表示される複数個のLED(実施例では7個)から構成された特図表示器50aと、下側の始動入賞口26bへのパチンコ球の入賞を契機として変動表示される複数個のLED(実施例では8個)から構成された特図表示器50bとから構成されている(図10(a)参照)。ここで、前記特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされて、前記特図表示器50では、LEDの点灯位置の組み合わせで複数種類の特図が表示されるようになっている。そして、前記図柄表示装置18では、前記特図表示器50で行なわれる特図変動表示に係わる表示演出(図柄変動演出)が行なわれるようになっている。具体的には、図柄表示装置18では、変動画像(または画像表示)に基づく表示演出が行なわれると共に、複数種類の図柄(飾図)を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動演出が行なわれる。なお、特図表示器50と図柄表示装置18では、特図変動表示と飾図変動表示が同時に開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
実施例において特図表示器50には、複数種類(実施例では61種類)の特図の中から、大当り抽選および小当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、特図変動表示の終了に伴って選択された特図が個別に確定停止表示される。なお、前記特図表示器50に表示される特図には、大当りを認識し得る図柄となる50種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、小当りを認識し得る図柄となる10種類の小当り図柄(小当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。そして、特図表示器50に大当り図柄が表示された場合に、遊技者に大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。なお、小当り抽選は、大当り抽選に当選しなかった場合に行なわれるようになっている。
また、前記図柄表示装置18には、左右列に「0」〜「7」の8種類の数字が飾図として表示されると共に、中央列に「0」〜「7」の8種類の数字および「A」の英字が飾図として表示されるようになっている。そして、図柄表示装置18に停止表示された全列の飾図が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ(「777」等)から大当り遊技が付与される大当りの発生を認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。そして、図柄変動演出の結果、大当り表示が確定停止表示されると、その後に大当り遊技が遊技者に付与される。一方、図柄表示装置18に確定停止表示された全列の飾図が異なる種類の場合または1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、原則として、その図柄組み合わせ(「123」等)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。なお、はずれの図柄組み合わせの中でも所定の図柄組み合わせが表示された場合には(実施例では中央列に「A」が表示された場合)、大当り遊技または小当り遊技が付与される場合もあることを認識できる。この大当り遊技または小当り遊技が付与される場合もあることを認識できる図柄組み合わせが大当り判定の確率が低確率から高確率となる確率変動状態が付与される可能性を示唆する確変示唆の図柄組み合わせとなる。
そして、特図表示器50に大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則として図柄表示装置18にも大当りの図柄組み合わせ(例えば「333」等)が確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器50にはずれ図柄が停止表示される場合には、図柄表示装置18にもはずれの図柄組み合わせ(例えば「754」等)が確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器50に小当り図柄が停止表示される場合には、図柄表示装置18にも確変示唆の図柄組み合わせ(中央列に「A」)が確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一の関係となっているとは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
(特図保留について)
また、図2に示すように、遊技盤20の右下部位置には、上側の始動入賞口26aに入賞し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数表示する複数のLED(実施例では4個)から構成された第1特図保留表示器51が配設されると共に、下側の始動入賞口26bに入賞し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数表示する複数のLED(実施例では4個)から構成された第2特図保留表示器52が配設されており、該第1および第2特図保留表示器51,52の表示内容によって保留されている特図変動表示(図柄変動演出)の回数が報知される。
ここで、前記第1特図保留表示器51で表示される第1特図始動保留記憶数は、上側の始動入賞口26aへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、特図変動表示(図柄変動演出)が行なわれることにより1減算される。同様に、前記第2特図保留表示器52で表示される第2特図始動保留記憶数は、下側の始動入賞口26bへパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、特図変動表示(図柄変動演出)が行なわれることにより1減算される。なお、第1および第2特図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示器51,52の夫々は、複数(実施例では4つ)のLEDから構成されており、対応の特図始動保留記憶数の数分のLEDが点灯することで。特図変動表示が行なわれる保留数を把握し得るようになっている。
(普図表示器について)
また、図2に示すように、遊技盤20の右下部位置には、複数のLED(実施例では2個)から構成された普図表示器53が配設されている。この普図表示器53では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普図変動表示が行なわれるようになっている。実施例では、普図を2つのLEDの発光態様にて3種類示しており、具体的には、2つのLEDが共に点灯する、右側LEDだけが点灯する、左側LEDだけが点灯することにより、複数種類の普図を示している。なお、以下では、説明の都合上、2つのLEDが共に点灯することにより示す普図を普図「0」とし、右側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「1」とし、左側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「2」とする。そして、前記普図表示器53の最終的な表示結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示器53に普図「1」、「2」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図がはずれの表示結果となる。
(普図保留について)
また、図2に示すように、遊技盤20の右下部位置には、球通過ゲート47をパチンコ球が通過し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数表示する複数のLED(実施例では2個)から構成された普図保留表示器54が配設されており、該普図保留表示器54の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示器54で表示される普図始動保留記憶数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。なお、前記普図保留表示器54は、複数(実施例では4つ)のLEDから構成されており、普図始動保留記憶数の数分のLEDが点灯することで。普図変動演出が行なわれる保留数を把握し得るようになっている。
(確変について)
また、実施例のパチンコ遊技機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として確率変動(以下「確変」という)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(実施例では、4/1439)から高確率(実施例では、33/1439)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態は、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
(入賞率向上状態について)
また、確変状態が付与される場合では、大当り遊技の種類によって入賞率向上状態が付与される付与されるか否かが決定されると共に、入賞率向上状態が付与される場合の期間(特図変動表示の回数)が決定される。この入賞率向上状態は、前記普図表示器53で行なわれる普図変動表示の変動時間が短縮されると共に、普図変動表示の普図当り確率が通常確率(実施例では、2/107)から高確率(実施例では、106/107)に変動した状態である。また、入賞率向上状態が付与された状態では、入賞率向上状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。具体的には、入賞率向上状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材28が開放してから300ms経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行なうようになっている。一方で、入賞率向上状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材28は開放してから1800msが経過するまで開放状態を維持する開放動作を3回繰り返すようになっている。すなわち、入賞率向上状態が付与されている状態では、入賞率向上状態が付与されていない状態と比較して、開閉部材28の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
(時短について)
実施例のパチンコ遊技機10は、非確変状態となる大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として変動時間短縮状態(以下「時短状態」という)を付与する時短機能を備えている。実施例では、非確変状態となる大当り遊技終後に前記入賞率向上状態が前記時短状態として付与されるよう設定されている。なお、時短状態における入賞率向上状態は、予め定めた回数(実施例では50回)の特図変動表示が行なわれるまでの間継続して付与され、大当りの発生に伴い時短状態が終了するよう設定される。
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ遊技機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示器50に大当り図柄が停止表示された後に開始されよう設定されており、大当り遊技の開始を示すオープニング演出と、オープニング演出終了後に行なわれる規定ラウンド数(実施例では15ラウンドおよび2ラウンドの2種類)だけ繰り返されるラウンド遊技と、大当り遊技の終了を示すエンディング演出とにより構成されている。前記ラウンド遊技では、発生した大当りの種類に応じた開放動作で特別入賞装置30の開閉扉42が開閉動作して、1回のラウンド遊技において特別入賞口33に規定個数(例えば8個)のパチンコ球が入賞するか、或いは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで1回のラウンド遊技が終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間(以下「ラウンド間インターバル時間」という)だけ開閉扉42が閉鎖状態で保持されるインターバル時間が設定されている。すなわち、大当り遊技では、前記開閉扉42が各大当り遊技の規定ラウンド数以上の開閉動作を行なう。
ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における開閉扉42の開閉動作のパターンには、パチンコ球を所定間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉扉42の開放時間が短く、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてパチンコ球の入賞が実質的に不可能な時間または入賞可能な開放時間であっても規定個数のパチンコ球の入賞は実質的に不可能な時間だけ開放する短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。
(大当り遊技の種類)
実施例のパチンコ遊技機10では、図12に示す9種類の大当り遊技が設定されており、大当り抽選に当選した場合に1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、9種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定される特図(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。ここで、実施例のパチンコ機で付与される大当り遊技は、長時間開放動作のみを開閉扉42に行なわせる第1当り遊技としての15R確変大当り遊技と、短時間開放動作を含んだ開放動作を開閉扉42に行なわせる第2当り遊技としての15R非確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技、ステップアップ大当り遊技(第1の特別確変大当り遊技)、ジャンプアップ大当り遊技(第2の15R特別確変大当り遊技)および2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技が設定されている。以下、各大当り遊技における開閉扉42の開閉動作パターンについて説明する。
(15R確変、15R非確変、15R確変秘匿大当り遊技について)
前記15R確変大当り遊技、15R非確変大当り遊技および15R確変秘匿大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された15ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。そして、15R確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および入賞率向上状態が付与されるようになっている。また、15R確変秘匿大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与される一方で、大当り遊技終了時から予め決められた回数(実施例では50回)の特図変動表示が行なわれるまでの間だけ入賞率向上状態が付与されるようになっている。そして、15R非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態が付与されない一方で、大当り遊技終了後に前記時短状態(入賞率向上状態)が付与されるようになっている。
そして、15R確変大当り遊技、15R非確変大当り遊技および15R確変秘匿大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口33を開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせるよう設定されている。すなわち、前記15R確変大当り遊技、15R非確変大当り遊技および15R確変秘匿大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせる全開放ラウンド遊技で構成されている。従って、15R確変大当り遊技、15R非確変大当り遊技および15R確変秘匿大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉42が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で15回の開閉動作を開閉扉42が繰り返すようになっている。すなわち、15R確変大当り遊技、15R非確変大当り遊技および15R確変秘匿大当り遊技では、各大当り遊技における開閉扉42が見た目上は同じ開閉動作を行なうようになっている。
ここで、15R確変大当り遊技、15R非確変大当り遊技および15R確変秘匿大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉42が最大で「25(秒)」に亘って開放動作するようになっている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング時間として「7.0(秒)」が設定され、エンディング時間として「14.6(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。
(15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技について)
前記15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された15ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定される。そして、15R短縮確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および入賞率向上状態が付与されるようになっている。また、15R短縮非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態が付与されない一方で、大当り遊技終了後に前記時短状態(入賞率向上状態)が付与されるようになっている。
この15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口33を開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせるよう設定されている。一方で、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口33を開放させるものの、8ラウンド目までに開閉扉42に行なわせる前記長時間開放動作よりも特別入賞口33の開放時間が短くなる短時間開放動作を開閉扉42に行なわせるよう設定されている。すなわち、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせる全開放ラウンド遊技で構成される一方、残りの回数(7R分)のラウンド遊技が短時間開放動作を開閉扉42に行なわせる短時間ラウンド遊技で構成されている。すなわち、前記15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技は、前記長時間開放動作および短時間開放動作を開閉扉42に行なわせる複合開放当り遊技を構成している。
ここで、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉42が最大で「25(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目〜15ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.2(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング時間として「7.0(秒)」が設定され、エンディング時間として「14.6(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。これにより、15R短縮確変大当り遊技において、9ラウンド目で特別入賞装置30の開閉扉42が開放してから15ラウンド目で特別入賞装置30の開閉扉42が閉鎖するまでの時間(「13.4(秒)」)は、ステップアップ大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉42の1回目の開放から7回目の閉鎖までの時間と同一時間とされる。
15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技における9ラウンド目以降のラウンド遊技時間(0.2(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置30に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。因みに、パチンコ遊技機10では、1分間あたりのパチンコ球の発射個数が略「100球」に設定されているので、パチンコ球を1球発射させるために要する時間は「0.6(秒)」となる。すなわち、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技では、ラウンド遊技時間内に入賞上限個数となる「8球」のパチンコ球を入賞させるのは実質的に不可能な短時間開放動作を行なうようになっており、前述した15R確変大当り遊技における8ラウンド分のラウンド遊技での入賞球数(すなわち賞球数)と実質的に同等になる。従って、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技では、前述した15R確変大当り遊技と同様に、各ラウンド遊技において開閉扉42が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で15回の開閉動作を開閉扉42が繰り返すものの、大当り遊技の全体での開閉扉42の開放時間が15R確変大当り遊技と較べて短くなっている。
(ステップアップ大当り遊技について)
前記ステップアップ大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された15ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定される。また、ステップアップ大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および入賞率向上状態が付与されるようになっている。
このステップアップ大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技および10ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技は、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口33を開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせるよう設定されている。また、ステップアップ大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技は、特別入賞装置30の開閉扉42を複数回(実施例では、8回)開放させるように設定されている。すなわち、ステップアップ大当り遊技は、最初のラウンド遊技から予め定めた回数(8回)のラウンド遊技が、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせる全開放ラウンド遊技で構成され、次のラウンド遊技が第1の特殊ラウンド遊技で構成されると共に、該第1の特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(6R分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成され構成されている。ここで、前記第1の特殊ラウンド遊技(9ラウンド目のラウンド遊技)では、前記15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技における9ラウンド目〜15ラウンド目となる短時間ラウンド遊技の回数分(7回)だけ、該短時間ラウンド遊技と略同じ開放時間となる短時間開放動作を開閉扉42に行なわせた後は該第1の特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせるよう設定される。すなわち、前記ステップアップ大当り遊技は、前記長時間開放動作および短時間開放動作を開閉扉42に行なわせる複合開放当り遊技を構成している。
ここで、ステップアップ大当り遊技では、1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜15ラウンド目の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉42が最大で「25(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。一方で、9ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放7回目における開閉扉42の開放時間が「0.2(秒)」に夫々設定され、開放8回目の開閉扉42の開放時間が「23.6(秒)」に設定されている。また、開放1回目〜開放7回目の開放後には、ラウンド内のインターバル時間として「2.0(秒)」が夫々設定されている。これにより、ステップアップ大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技時間は、「(0.2(秒)+2.0(秒))×7十23.6(秒)」からなる「39(秒)」に設定されていることになる。
また、ステップアップ大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉42の1回目の開放から7回目の閉鎖までの時間(「13.4(秒)」)は、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技において9ラウンド目で特別入賞装置30の開閉扉42が開放してから15ラウンド目で特別入賞装置30の開閉扉42が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ大当り遊技では、オープニング時間として「7.0(秒)」が設定され、エンディング時間として「14.6(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。従って、ステップアップ大当り遊技が開始してから9ラウンド目において開閉扉42が7回目に閉鎖するまでの開閉扉42の開閉動作は、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技が開始してから15ラウンド目で特別入賞装置30の開閉扉42が閉鎖するまでの開閉扉42の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行なうようになっている。
(2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技について)
前記2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技は、規定ラウンド数が「2回」に設定された2ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定されている。そして、2R特別確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および入賞率向上状態が付与されるようになっている。また、2R通常確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態が付与される一方で、大当り遊技終了後に入賞率向上状態が付与されないようになっている。
そして、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技の各ラウンド遊技では、ラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口33を開放する短時間開放動作を開閉扉42に行なわせるよう設定されている。すなわち、前記2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技の全てのラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する短時間開放動作を開閉扉42に行なわせる短時間ラウンド遊技で構成されている。従って、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技では、各ラウンド遊技において開閉扉42が1回だけ開放し、大当り遊技の全体で2回の開閉動作を開閉扉42が繰り返すようになっている。すなわち、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技では、短時間開放動作のみを開閉扉42に行なわせる短開放当り遊技を構成しており、各大当り遊技における開閉扉42が見た目上は同じ開閉動作を行なうようになっている。
ここで、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.06(秒)」が設定されている。なお、これらの大当り遊技では、オープニング時間として「0.06(秒)」が設定され、エンディング時間として「0.05(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技におけるオープニング時間およびラウンド遊技時間は、後述するジャンプアップ大当り遊技のオープニング時間および1ラウンド目における1回目と2回目の特別入賞装置30の開閉扉42の開放時間と同一時間に設定されているそして、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉42が開放してから2ラウンド目で開閉扉42が閉鎖するまでの時間(「1.62(秒)」)は、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目において特別入賞装置30の開閉扉42が2回目の開放を終了するまでの時間と同一時間とされる。
2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.2(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞装置30に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。すなわち、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技では、前述した15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技の9ラウンド目以降のラウンド遊技と同じように、ラウンド遊技時間内に入賞上限個数となる「8球」のパチンコ球を入賞させるのは実質的に不可能な短時間開放動作を行なうようになっており、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技での入賞球は殆ど発生しない。
(ジャンプアップ大当り遊技について)
前記ジャンプアップ大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された15ラウンド大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「8個」に設定される。また、ジャンプアップ大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に、次回の大当り遊技が生起されるまでの間、大当り遊技終了後に確変状態および入賞率向上状態が付与されるようになっている。
このジャンプアップ大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置30の開閉扉42を複数回(実施例では3回)開放させ、2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口33を開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なわせるよう設定されている。すなわち、ジャンプアップ大当り遊技は、最初のラウンド遊技が第2の特殊ラウンド遊技で構成され、該第2の特殊ラウンド遊技以降の残りの回数(14R分)のラウンド遊技が全開放ラウンド遊技で構成されている。ここで、前記第2の特殊ラウンド遊技(1ラウンド目のラウンド遊技)では、2R特別確変大当り遊技や2R通常確変大当り遊技、小当り遊技における短時間開放動作と略同じ開放時間となる短時間開放動作を、2R特別確変大当り遊技や2R通常確変大当り遊技、小当り遊技における開閉回数分だけ開閉扉42に行なわせ、その後に該第2の特殊ラウンド遊技終了まで開放する長時間開放動作を開閉扉42に行なせるよう設定される。すなわち、前記ジャンプアップ大当り遊技は、前記長時間開放動作および短時間開放動作を開閉扉42に行なわせる複合開放当り遊技を構成している。
ここで、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、開放1回目〜開放2回目における開閉扉42の開放時間が「0.06(秒)」に夫々設定され、開放3回目の開閉扉42の開放時間が「24.88(秒)」に設定されている。また、開放1回目と開放2回目の間には、ラウンド内のインターバル時間として「1.5(秒)」が設定され、開放2回目と開放3回目の間には、ラウンド内のインターバル時間として「1.5(秒)」が設定されている。これにより、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「0.06(秒)+1.5(秒)+0.06(秒)十1.5(秒)十24.88(秒)」からなる「28.0(秒)」に設定されていることになる。そして、ジャンプアップ大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時時間として「25(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉扉42が最大で「25(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。
また、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目において開閉扉42の1回目の開放から2回目の閉鎖までの時間(「1.62(秒)」)は、前記2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技において、1ラウンド目で開閉扉42が開放してから2ラウンド目で開閉扉42が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。なお、ステップアップ大当り遊技では、オープニング時間として「0.02(秒)」が設定され、エンディング時間として「14.6(秒)」が夫々設定されている。また、これらの大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、最終ラウンドの開始前を除いて「2.0(秒)」に、最終ラウンドの開始前では「1.996(秒)」に夫々設定されている。従って、ジャンプアップ大当り遊技が開始してから2ラウンド目において開閉扉42が2回目に閉鎖するまでの開閉扉42の開閉動作は、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技が開始してから2ラウンド目で特別入賞装置30の開閉扉42が閉鎖するまでの開閉扉42の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行なうようになっている。
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ遊技機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、複数回(実施例では2回)の短時間開放動作を前記開閉扉42に行なわせるよう設定されている。すなわち、前記小当り遊技は、短時間開放動作を含んだ開放動作を開閉扉42に行なわせる第2当り遊技を構成している。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態を継続して付与させる一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも確変状態を付与しない。また、小当り遊技では、小当り抽選の当選時に入賞率向上状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも入賞率向上状態を継続して付与させる一方、入賞率向上状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも入賞率向上状態を付与しない。
また、小当り遊技では、開放1回目と開放2回目の開放時間が「0.06(秒)」に設定されていると共に、開放1回目と開放2回目の間にはインターバル時間として「1.5(秒)」が設定されている。すなわち、1回の小当り遊技では、「0.06(秒)+1.5(秒)十0.06(秒)」からなる「1.62(秒)」となるよう設定されていることになる。このため、小当り遊技が開始してから2回目に開閉扉42が閉鎖するまでの時間は、2R確変大当り遊技(2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技)の1ラウンド目で特別入賞装置30(の開閉扉42)が開放してから2ラウンド目で特別入賞装置30が閉鎖するまでの時間と同一時間とされる。さらに、小当り遊技が開始してから2回目に開閉扉42が閉鎖するまでの時間は、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目において特別入賞装置30が1回目の開放を行ってから2回目の開放を終了するまでの時間と同一時間とされる。すなわち、小当り遊技では、1回当たりの開閉扉42の開放時間(0.12(秒))内にパチンコ球を入賞させるのは実質的に不可能な短時間開放動作を開閉扉42に行なわせるようになっており、小当り遊技での入賞球は殆ど発生しない。また、小当り遊技における開閉扉42の開閉動作は、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技における開閉扉42の開閉動作や、ジャンプアップ大当り遊技が開始してから2ラウンド目において開閉扉42が2回目に閉鎖するまでの開閉扉42の開閉動作と見た目上は同じ開閉動作を行なうようになっている。
(パチンコ機10の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。パチンコ機10が備える制御装置60は、制御処理を実行するCPU60a、該CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するR0M60b、当該CPU60aが読み出しを行なう各種乱数値が記憶されると共に制御処理に伴って各種情報を一時的に記憶可能なRAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞球検出センサ29、特別入賞球検出センサ39、通過球検出センサ49等の各種センサが前記CPU60aに接続されている。また、CPU60aには、図柄表示装置18、特図表示器50、特図保留表示器51,52、普図表示器53、普図保留表示器54等の各表示器が接続されて、各検出センサ29,39,49の検出を契機としてCPU60aで実行された制御処理に基づいて、各表示器50,51,52,53の表示制御が実行されると共に、前記図柄表示装置18の表示制御が行なわれ、また前記始動入賞装置26および特別入賞装置30に設けられたソレノイド27,40の駆動制御が行なわれるようになっている。また、CPU60aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に更新し、更新後の値をRAM60cの設定領域に記憶させて更新前の値を書き換えている。
ここで、前記R0M60bには、特図が変動開始してから確定的に停止表示されるまで(特図変動表示が終了するまで)の間に行なわれる遊技演出(図柄表示装置18での演出内容等)のベースとなるパターンを示す複数種類の変動パターンが記憶されている。すなわち、変動パターンにより、特図が変動開始してから確定停止表示されるまでの間の図柄変動演出の演出内容や演出時間(特図や飾図の変動時間)を特定している。従って、前記特図表示器50には、特図の変動が開始してから、変動パターンに定める変動時間の経過時に変動が停止し、大当り図柄、小当り図柄またははずれ図柄が確定停止表示される。そして、前記図柄表示装置18において変動パターンで特定された演出内容で図柄変動演出が行なわれて、変動パターンに定める変動時間の経過時に飾図の変動が停止し、前記特図表示器50に停止表示される特図に対応する飾図の図柄組み合わせが確定停止表示される。
本実施例における複数種類の変動パターンの中には、15R確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技、15R非確変大当り遊技、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技が決定された際に選択される大当り演出用の変動パターンがある。また、複数種類の変動パターンの中には、ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技が決定された際に選択される秘匿演出用の変動パターンがある。また、複数種類の変動パターンの中には、大当り抽選および小当り抽選に非当選の場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンがある。また、はずれ演出用の変動パターンには、リーチ演出を含むはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチ演出を含まないはずれ通常演出用の変動パターンがある。なお、大当り演出用、秘匿演出用、はずれリーチ演出用およびはずれ通常演出用の変動パターンの夫々は複数種類設けられており、例えば、15R特別確変大当り遊技が決定された場合には、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から1つの大当り演出用の変動パターンを決定する。
また、前記R0M60bには、当り遊技中(大当り遊技または小当り遊技の間)に図柄表示装置18で行なわれる遊技演出(当り演出)のベースとなるパターンを示す複数種類の当り演出パターンが記憶されている。そして、15R確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技および15R非確変大当り遊技が決定された際には、これら当り遊技において選択可能な複数種類の共通の当り演出パターンの中から1つの当り演出パターンが決定される。従って、当り遊技中に図柄表示装置18で行なわれる当り演出の内容から、15R確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技および15R非確変大当り遊技の何れの当り遊技が付与されたかは判別し得ないようになっている。
また、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技が決定された際には、これら当り遊技において選択可能な複数種類の共通の当り演出パターンの中から1つの当り演出パターンが決定される。すなわち、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技が決定された際には、基本的に共通した演出内容の当り演出が行なわれる。そして、この当り演出パターンでは、ステップアップ大当り遊技が決定されている場合に、当り遊技の開始から9ラウンド目で開閉扉42が8回目の開放(すなわち長時間開放)を行なう時点までの間に、ステップアップ大当り遊技であることを示す特定表示が表示されるよう設定されており、この特定表示が表示されることでステップアップ大当り遊技であることが遊技者に把握される一方、該特定表示が表示されない場合には、ステップアップ大当り遊技以外の大当り遊技(すなわち15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技)であることが遊技者に把握されるようになっている。すなわち、これらの大当り遊技において図柄表示装置18で行なわれる当り演出の内容(共通演出)から、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技の何れの当り遊技が付与されたかは判別し得ないようになっている。なお、ステップアップ大当り遊技が決定された場合では、引き続き10ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技に対応した当り演出が実行されるように設定される。ここで、ステップアップ大当り遊技が決定されている場合に、9ラウンド目で開閉扉42が8回目の開放(すなわち長時間開放)を行なう時点とは、該開閉扉42の開放と特定表示の表示が同時である場合のみではなく、開閉扉42の開放タイミングおよび特定表示の表示タイミングのずれを遊技者が知覚できない程度の時間で前後にずれている場合を含むものである。
ここで、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技が決定された際に行なわれる当り遊技における共通演出としては、完全に同じ演出内容であってもよく、演出の進行(当り遊技の進行)に伴って様々にストーリーが展開することで、当該大当り遊技がステップアップ大当り遊技であること(もしくはステップアップ大当り遊技ではないこと)を示唆する演出であってもよい。この場合に、ストーリー展開によって当該大当り遊技がステップアップ大当り遊技である期待感を変えるようにしてもよい。なお、前記共通演出において展開されるストーリーとしては、連続した物語の流れを有するものであってもよく、またキャラクタA,Bとの格闘演出のようなものであってもよい。また、前記ステップアップ大当り遊技を示す特定表示としては、「ステップアップ大当り遊技確定」といった明示的な表示としたり、展開された演出の特定結果表示(例えばキャラクタAの勝利等)といった間接的な表示とすることが可能である。
また、実施例では、ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技が決定された際には、これら当り遊技において選択可能な複数種類の共通の当り演出パターンの中から1つの当り演出パターンが決定される。すなわち、ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技が決定された際には、基本的に共通した演出内容の当り演出が行なわれる。そして、この当り演出パターンでは、ジャンプアップ大当り遊技が決定されている場合に、当り遊技の開始から1ラウンド目で開閉扉42が3回目の開放(すなわち長時間開放)を行なう時点までの間に、ジャンプアップ大当り遊技であることを示す第2の特定表示が表示されるよう設定されており、該第2の特定表示が表示されることでジャンプアップ大当り遊技であることが遊技者に把握される一方、該特定表示が表示されない場合には、ジャンプアップ大当り遊技の当り遊技(すなわち2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技または小当り遊技)であることが遊技者に把握されるようになっている。すなわち、これらの当り遊技において図柄表示装置18で行なわれる当り演出の内容(共通演出)から、ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技の何れの当り遊技が付与されたかは判別し得ないようになっている。なお、ジャンプアップ大当り遊技が決定された場合では、引き続き2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技に対応した当り演出が実行されるように設定される。ここで、ジャンプアップ大当り遊技が決定されている場合に、1ラウンド目で開閉扉42が3回目の開放(すなわち長時間開放)を行なう時点とは、該開閉扉42の開放と特定表示の表示が同時である場合のみではなく、開閉扉42の開放タイミングおよび特定表示の表示タイミングのずれを遊技者が知覚できない程度の時間で前後にずれている場合を含むものである。
ここで、ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技が決定された際に行なわれる当り遊技における共通演出としては、完全に同じ演出内容であってもよく、演出の進行(当り遊技の進行)に伴って様々にストーリーが展開することで、当該大当り遊技がジャンプアップ大当り遊技であること(もしくはジャンプアップ大当り遊技ではないこと)を示唆する演出であってもよい。この場合に、ストーリー展開によって当該大当り遊技がジャンプアップ大当り遊技である期待感を変えるようにしてもよい。なお、前記共通演出において展開されるストーリーとしては、連続した物語の流れを有するものであってもよく、キャラクタA,Bとの格闘演出のようなものであってもよい。また、前記ジャンプアップ大当り遊技を示す特定表示としては、「ジャンプアップ大当り遊技確定」といった明示的な表示としたり、展開された演出の特定結果表示(例えばキャラクタAの勝利等)といった間接的な表示とすることが可能である。
また、前記R0M60bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りを発生するか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1438までの全1439通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(実施例では33個)は、通常状態時の大当り判定値の数(実施例では4個)よりも多く設定されている。なお、第1特図始動保留記憶数に基づく大当り判定のときに使用する大当り判定値と、第2特図始動保留記憶数に基づく大当り判定のときに使用する大当り判定値とは同じものである。
また、R0M60bには、小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、小当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1438までの全1439通りの整数)の中から定められている。また、この小当り判定値は、所定数(実施例では9個)設定されている。なお、当り判定用乱数は、大当り判定において使用した乱数をそのまま使用するようになっている。また、小当り判定値は、確変状態が付与されているか否かおよび入賞率向上状態が付与されているか否かによってその数が異なることはない(同じ値が定められている)。
RAM60cには、大当り判定および小当り判定の内部抽選時に使用する当り判定用乱数が記憶されている。RAM60cが記憶する当り判定用乱数の値は所定の周期(例えば2ミリ秒)毎に更新され、更新後の値をRAM60cの設定領域に記憶させて更新前の値を書き換えている。そして、上下の始動入賞口26a,26bへパチンコ球が入賞したことを契機にCPU60aが当り判定用乱数を取得するようになっている。そして、前記CPU30aが取得した当り判定用乱数の値が予め定められた前記大当り判定値と一致するか否かを判定して、当り判定用乱数に基づく特図変動表示(図柄変動演出)の結果が大当りになるか否かの大当り判定を行なうよう設定されている。そして、大当り判定の判定結果が否定の場合には、取得した当り判定用乱数の値が予め定められた前記小当り判定値と一致するか否かを判定して、当り判定用乱数に基づく特図変動表示(図柄変動演出)の結果が小当りになるか否かの小当り判定を行なうよう設定されている。すなわち、前記CPU30aは、乱数取得手段および当り判定手段(大当り判定手段および小当り判定手段)としての機能を備えている。
また、RAM60cには、大当り図柄となる特図の種類を決定する際に用いる特図振分乱数が記憶されている。各特図には、この特図振分乱数が所定個数(実施例では1個)ずつ振り分けられており、CPU60aは、大当りまたは小当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合または小当り判定が肯定となった場合)に、取得した特図振分乱数に基づき大当り図柄または小当り図柄を決定する。この特図振分乱数は、予め定められた数値範囲内(実施例では「0」〜「49」の全50通りの整数)の数値を取り得るように、CPU60aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、CPU60aは、更新後の値を特図振分乱数の値としてRAM60cに記憶し、既に記憶されている特図振分乱数の値を書き換えることで特図振分乱数の値を順次更新するようになっている。実施例において、特図振分乱数は、上下の始動入賞口26a,26bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得するようになっている。
また、RAM60cには、小当り図柄となる特図の種類を決定する際に用いる小当り図柄振分乱数が記憶されている。各特図には、この小当り図柄振分乱数が所定個数(実施例では1個)ずつ振り分けられており、CPU60aは、小当りの決定時(小当り判定が肯定となった場合)に、取得した小当り図柄振分乱数に基づき小当り図柄を決定する。この小当り図柄振分乱数は、予め定められた数値範囲内(実施例では「0」〜「10」の全10通りの整数)の数値を取り得るように、CPU60aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、CPU60aは、更新後の値を小当り図柄振分乱数の値としてRAM60cに記憶し、既に記憶されている小当り図柄振分乱数の値を書き換えることで小当り図柄振分乱数の値を順次更新するようになっている。実施例において、小当り図柄振分乱数は、上下の始動入賞口26a,26bへパチンコ球が入賞したことを契機に取得するようになっている。
ここで、前記特図振分乱数の値は、大当り遊技の種類毎に適宜振り分けられており、大当り判定が肯定となった場合には特図振分乱数の値が定まることで一義的に大当り遊技の種類も定まるようになっている。すなわち、特図変動表示の結果大当りとなる場合に、決定された大当り図柄(特図)に応じて大当り遊技の種類が特定され、該大当り図柄としての特図が確定表示された後に、特定された大当り遊技を付与されるようになっている。また、決定された大当り図柄に応じて、大当り遊技後の遊技において確変状態および入賞率向上状態を付与するか否かを決定すると共に、確変状態および入賞率向上状態を付与する期間を決定するようになっている。また、小当りの決定時(大当り判定が否定で、小当り判定で肯定となった場合)には、10種類の小当り図柄の中から特図が決定され、該小当り図柄としての特図が確定表示された後に小当り遊技を付与されるようになっている。なお、はずれの決定時(大当り判定および小当り判定が否定となった場合)には、1種類のはずれ図柄の中から特図が決定され、該はずれ図柄としての特図が確定表示されることで特図変動表示が終了して次の特図変動表示が行なわれる。そして、小当りの決定時には、小当り遊技後の遊技における確変状態および入賞率向上状態が、小当り遊技が行なわれる以前状態を維持するようになっている。
また、R0M60bには、普通当り判定値が記憶されている。普通当り判定値は、普通当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、普通当り判定用乱数の取り得る数値(0〜106までの全107通りの整数)の中から定められている。なお、普通当り判定値は、入賞率向上状態が付与されているか否かでその数が異なっており、入賞率向上状態が付与されている時の普通当り判定値の数(実施例では、106個)は、通常状態時の普通当り判定値の数(実施例では、2個)よりも多く設定されている。また、RAM30Cには、普通当り判定時に使用する普通当り判定用乱数が記憶されている。実施例において、普通当り判定用乱数は、球通過ゲート47をパチンコ球が通過したことを契機に取得するようになっている。
すなわち、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(大当り判定手段および小当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての機能を前記CPU30aが備えている。また、前記CPU30aは、大当りが発生する確率(大当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを判定する確変判定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記CPU30aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定すると共に2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技が付与される場合には確変状態を付与すると判定するようになっている。更に、前記CPU30aは、大当りが発生する場合(大当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、下側の始動入賞口27bへパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、大当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、或いは次回の大当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態を付与する期間として決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、大当り遊技終了後に決定された賞率向上状態を付与する期間だけ入賞率向上状態を付与する入賞率向上状態付与手段としても機能している。
次に、制御装置60のCPU60aが制御プログラムに基づき実行する各種処理について具体的に説明する。
(特図処理について)
特図入力処理では、図13に示すように、始動入賞装置26の上側の始動入賞口26aにパチンコ球が入賞したか否かをCPU60aが判定する(ステップS11)。すなわち、ステップS11においてCPU60aは、上側の始動入賞口26aに対応する始動入賞球検出センサ29がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップS11の判定結果が否定の場合には、ステップS15に移行する。ステップS11の判定結果が肯定の場合には、CPU60aは、RAM60cに記憶されている第1特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留記憶数が4)の場合には、CPU60aは、ステップS15に移行する。
ステップS12の判定結果が肯定(第1特図始動保留記憶数<4)の場合には、第1特図始動保留記憶数を1加算し、RAM60cが記憶する第1特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS13)。続いて、RAM60cから当り判定用乱数の値と、特図振分乱数の値と、小当り図柄振分乱数の値をCPU60aが読み出して、当該乱数の値を第1特図始動保留記憶数に対応付けたRAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。これにより、ステップS15に移行する。
また、ステップS15では、始動入賞装置26の下側の始動入賞口26bにパチンコ球が入賞したか否かをCPU60aが判定する。すなわち、ステップS15においてCPU60aは、下側の始動入賞口26bに対応する始動入賞球検出センサ29がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップS15の判定結果が否定の場合には、特図入力処理を終了する。ステップS15の判定結果が肯定の場合には、CPU60aは、RAM60cに記憶されている第2特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS16)。ステップS16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留記憶数が4)の場合には、CPU60aは、特図入力処理を終了する。
ステップS16の判定結果が肯定(第2特図始動保留記憶数<4)の場合には、第2特図始動保留記憶数を1加算し、RAM60cが記憶する第2特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS13)。続いて、RAM60cから当り判定用乱数の値と、特図振分乱数の値と、小当り図柄振分乱数の値をCPU60aが読み出して、当該乱数の値を第2特図始動保留記憶数に対応付けたRAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップS17)。これにより、特図入力処理が終了する。
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について図14に基づき説明する。特図開始処理では、CPU60aは、特図表示器50および図柄表示装置18において図柄(特図および飾図)が変動表示中であるか、或いは当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)中であるか否かを判定する(ステップS201)。そして、ステップS201の判定結果が肯定の場合には、CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップS201の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS202)、第2特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS203)。ステップS203の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留記憶数=0の場合には)、CPU60aは、ステップS206の処理に移行する。ステップS203の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留記憶数>0)の場合には、第2特図始動保留記憶数を1減算して(ステップS204)、当該第2特図始動保留記憶数に対応付けられたRAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数、特図振分乱数および小当り図柄振分用乱数の値をCPU60aが取得して(ステップS205)、次いで当り判定処理を実行する。
ステップS203の判定結果が否定の場合には、第1特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS206)、第1特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS207)。ステップS207の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留記憶数>0)の場合には、第1特図始動保留記憶数を1減算して(ステップS208)、当該第1特図始動保留記憶数に対応付けられたRAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数、特図振分乱数および小当り図柄振分用乱数の値をCPU60aが取得して(ステップS209)、次いで当り判定処理を実行する。一方、ステップS207の判定結果が否定の場合には(第1特図始動保留記憶数=0の場合には)、CPU60aは、デモンストレーション演出の実行中か否かを判定し(ステップS210)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップS211)。また、ステップS24の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション演出の実行中の場合には)、CPU60aは、特図開始処理を終了する。
(当り判定処理について)
前記当り判定処理では、図15に示すように、CPU60aが取得した当り判定用乱数の値がR0M60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(大当り抽選)を行なう(ステップS31)。なお、前述したように、通常状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、4/1439に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、33/1439に設定されている。そして、ステップS31における大当り判定手段62の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップS32)。そして、CPU60aは、取得した特図振分乱数の値に基づき、大当り図柄の中から特図表示器50にて確定停止表示される最終停止図柄(特図)を決定する(ステップS33)。次いで、CPU60aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定し、その特定した大当り遊技に対応する変動パターンを決定する(ステップS34)。そして、決定した変動パターンおよび最終停止図柄に基づいて特図表示器50での特図変動表示および図柄表示装置18での図柄変動演出に関する各種処理をCPU60aが実行する(ステップS35)。
一方、ステップS31の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がR0M60bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行なう(ステップS36)。ステップS36の判定結果が肯定の場合には(小当りの場合には)、CPU60aは、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」を設定する(ステップS37)。そして、CPU60aは、取得した小当り図柄振分乱数に基づき、特図による小当り図柄の中から特図表示器50にて確定停止表示させる最終停止図柄(特図)を決定する(ステップS38)。その後、CPU60aは、小当り遊技に対応する秘匿演出用の変動パターンを決定する(ステップS39)。変動パターンおよび最終停止図柄を決定したCPU60aは、ステップS35の処理に移行し、前述と同様に、決定した変動パターンおよび最終停止図柄に基づいて特図表示器50での特図変動表示および図柄表示装置18での図柄変動演出に関する各種処理をCPU60aが実行する。
一方、ステップS36の小当り判定の判定結果が否定の場合には(小当りでない場合には)、CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行なう(ステップS40)。実施例では、CPU60aは、ステップS40の処理時においてRAM60cから取得したリーチ判定用乱数の値が、リーチ判定値と一致するか否かにより当選判定を行なう。なお、リーチ判定値は、リーチ演出を行なうか否かの内部抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。そして、ステップS40の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行なう場合には)、CPU60aは、はずれ図柄を特図表示器50にて確定停止表示される最終停止図柄(特図)として決定する(ステップS41)。次に、CPU60aは、はずれリーチ演出用の変動パターンを決定する(ステップS42)。そして、変動パターンおよび最終停止図柄を決定したCPU60aは、ステップS35の処理に移行し、前述と同様に、決定した変動パターンおよび最終停止図柄に基づいて特図表示器50での特図変動表示および図柄表示装置18での図柄変動演出に関する各種処理をCPU60aが実行する。
一方、ステップS40の判定結果が否定の場合には(リーチを行なわない場合には)、CPU60aは、はずれ図柄を特図表示器50にて確定停止表示される最終停止図柄(特図)として決定する(ステップS43)。次に、CPU60aは、はずれ通常演出用の変動パターンを決定する(ステップS44)。そして、変動パターンおよび最終停止図柄を決定したCPU60aは、ステップS35の処理に移行し、前述と同様に、決定した変動パターンおよび最終停止図柄に基づいて特図表示器50での特図変動表示および図柄表示装置18での図柄変動演出に関する各種処理をCPU60aが実行する。
(大当り遊技が付与される場合について)
そして、CPU60aは、前記当り決定手段66が大当りを決定した場合(大当りフラグに「1」が設定された場合)には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、決定した種類の大当り遊技の制御を開始する。以下、大当り遊技が付与される場合に制御装置60で行なわれる制御内容について、大当り遊技毎に説明する。
(15R確変、15R確変秘匿および15R非確変大当り遊技が付与される場合)
前記CPU60aが、15R確変大当り遊技、確変秘匿大当り遊技および15R非確変大当り遊技の何れかを決定した場合には、CPU60aは、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、所定のオープニング演出時間(7秒)の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技を開始して、ラウンド遊技時間(max25秒)の計測を開始すると共に特別入賞装置30の開閉扉42に長時間開放動作を行なわせる。そして、1ラウンド目のラウンド遊技において終了条件(ラウンド遊技時間の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされたことを条件として開閉扉42が閉鎖されることで、ラウンド遊技(全開放ラウンド遊技)が終了する。
1ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、所定のインターバル時間(2.0秒)の経過後に、1ラウンド目の開始と同様に、2ラウンド目のラウンド遊技(全開放ラウンド遊技)が開始されて、ラウンド遊技時間(max25秒)の計測を開始すると共に特別入賞装置30の開閉扉42に長時間開放動作を行なわせる。そして、2ラウンド目のラウンド遊技において終了条件(ラウンド遊技時間の経過または規定個数のパチンコ球の入賞)が満たされたことを条件として開閉扉42が閉鎖されることで、2ラウンド目のラウンド遊技が終了する。以降は同様に、3ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技において前記開閉扉42に長時間開放動作を行なわせるよう制御し、15ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、インターバル時間の経過後にエンディング演出を実行して、大当り遊技が終了する。
そして、15R確変大当り遊技が付与された場合には、前記CPU60aが確変フラグに「1」を設定すると共に、確変状態が付与される残り図柄変動演出数を示す確変状態付与回数に「次回まで」を示す値を設定する。なお、実施例では、確変状態付与回数に「10000回」が設定されて、実質的に次回まで確変状態が付与されるようになっている。なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。また、15R確変大当り遊技が付与された場合には、前記CPU60aが作動フラグに「1」を設定すると共に、入賞率向上状態が付与される残り図柄変動演出数を示す作動回数に「次回まで」を示す値を設定する。なお、実施例では、入賞率向上状態付与回数に「10000回」が設定されて、実質的に次回まで入賞率向上状態が付与されるようになっている。作動フラグに「1」が設定されている場合には、入賞率向上状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、入賞率向上状態が付与されていないことを示している。確変状態付与回数および入賞率向上状態付与回数は、特図変動表示(図柄変動演出)が実行される毎に1減算され、各値が「0」となるか、大当り遊技が付与されることで、確変フラグおよび作動フラグに「0」が設定される。
また、15R確変秘匿大当り遊技が付与された場合には、メインCPU60aが確変フラグに「1」を設定すると共に、メインCPU60a(入賞率向上状態付与手段)が作動フラグに「1」を設定し、確変状態付与回数に「次回まで」を示す値を設定する。また、メインCPU60aは、作動回数に50回を設定する。そして、CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。一方で、15R非確変大当り遊技が付与された場合には、メインCPU60aが確変フラグに「0」を設定すると共に、メインCPU60a(入賞率向上状態付与手段)が作動フラグに「1」を設定し、確変状態付与回数に「次回まで」を示す値を設定する。また、メインCPU60aは、作動回数に50回を設定する。そして、CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
(15R短縮確変大当り遊技または15R短縮非確変大当り遊技が付与される場合)
次に、前記CPU60aが、15R短縮確変大当り遊技または15R短縮非確変大当り遊技の付与を決定した場合の制御について説明する。15R短縮確変大当り遊技または15R短縮非確変大当り遊技における1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技では、前述した15R確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技および15R非確変大当り遊技の対応する1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技と同じ開閉動作を開閉扉42に行なわせるよう開閉制御が実行される。
そして、8ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、9ラウンド目の開始に伴い所定のラウンド遊技時間(max0.2秒)の計測を開始すると共に特別入賞装置30の開閉扉42に短時間開放動作を行なわせ、9ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると開閉扉42が閉鎖されて9ラウンド目のラウンド遊技を終了する。9ラウンド目のラウンド遊技を終了すると、所定のラウンド間インターバル時間(2.0秒)の経過後に、9ラウンド目と同様に、ラウンド遊技時間(max0.2秒)の計測を開始すると共に特別入賞装置30の開閉扉42に短時間開放動作を行なわせ、10ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると開閉扉42が閉鎖されて10ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降は同様に、11ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技において前記開閉扉42に短時間開放動作を行なわせるよう制御し、15ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、ラウンド間インターバル時間(1.996秒)の経過後にエンディング時間(14.6秒)のエンディング演出を実行し、大当り遊技を終了させる。すなわち、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技における1ラウンド目〜8ラウンド目のラウンド遊技は、「全開放ラウンド遊技」であり、9ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技が「短時間ラウンド遊技」となっている。
また、CPU60aは、15R短縮確変大当り遊技が付与されていた場合には、大当り遊技の終了後に確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、入賞率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、15R短縮確変大当り遊技が付与されていた場合には、確変状態付与回数および作動回数に「次回まで」を示す値をCPU60aが設定する。そして、CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
一方で、CPU60aは、15R短縮非確変大当り遊技が付与されていた場合には、大当り遊技の終了後に確変フラグに「0」を設定すると共に、入賞率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、15R短縮非確変大当り遊技が付与されていた場合には、作動回数に50回をCPU60aが設定する。そして、CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
(ステップアップ大当り遊技が付与される場合)
前記CPU60aが、ステップアップ大当り遊技を決定した場合には、1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技では、15R確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技および15R非確変大当り遊技の対応するラウンド目のラウンド遊技と同じ制御が実行される一方で、9ラウンド目のラウンド遊技がこれら15R確変大当り遊技等の9ラウンド目とは異なる制御が実行される。
具体的には、8ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、9ラウンド目では、CPU60aは、ラウンド遊技時間(max39秒)が経過する間に、入賞上限個数のパチンコ球が入賞していないことを条件に、特別入賞装置30の開閉扉42を最大8回開閉させる。CPU60aは、まず、1回目の短時間開放動作を開閉扉42に、特別入賞装置30の開閉扉42を開放(1回目の開放)させてから所定の開放時間(0.2秒)が経過した時点で開閉扉42を閉鎖する。開閉扉42を閉鎖(1回目の閉鎖)させてから所定のラウンド内インターバル時間(2.0秒)を経過した時点で、2回目の短時間開放動作を開閉扉42に行なわせ、開閉扉42を開放(2回目の開放)させてから所定の開放時間(0.2秒)が経過した時点で開閉扉42を閉鎖する。そして、CPU60aは、9ラウンド目の開始から開閉扉42が7回開閉するまで同様に開閉動作を行なわせる。
CPU60aは、開閉扉42を閉鎖(7回目の閉鎖)させてから所定のラウンド内インターバル時間(2.0秒)が経過した時点で、長時間開放動作を開閉扉42に行なわせ(8回目の開放)、開閉扉42を開放(8回目の開放)させてから所定の開放時間(max23.6秒)が経過した時点で開閉扉42を閉鎖する。そして、8回目の開放を行なってから所定の開放時間(max23.6秒)が経過するか、9ラウンド目のラウンド遊技の開始からのパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数(規定個数)に達することを条件に、9ラウンド目のラウンド遊技を終了させるようになっている。そして、9ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、所定のラウンド間インターバル時間(2.0秒)の経過後に、10ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技長時間開放動作を開閉扉42に行なわせる。すなわち、ステップアップ大当り遊技における1ラウンド目〜8ラウンド目および10ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技は、「全開放ラウンド遊技」であり、9ラウンド目のラウンド遊技が「第1の特殊ラウンド遊技」となっている。
そして、CPU60aは、大当り遊技を終了後に、確変フラグおよび作動フラグに「1」を設定する。また、CPU60aは、確変状態付与回数および作動回数に「次回まで」を示す値を設定する。そして、CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
(2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技が付与される場合)
次に、前記CPU60aが、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技を決定した場合の制御について説明する。なお、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技における開閉扉42の開閉動作態様は同じである。
CPU60aは、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、所定のオープニング時間(0.02秒)の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させてラウンド遊技時間(max0.06秒)の計測を開始すると共に開閉扉42に短時間開放動作を行なわせる。そして、ラウンド遊技時間の経過により開閉扉42を閉鎖させて1ラウンド目のラウンド遊技が終了する。1ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、所定のラウンド間インターバル時間(1.5秒)の経過後に、1ラウンド目の開始と同様に、2ラウンド目のラウンド遊技が開始されて、ラウンド遊技時間(max0.06秒)の計測を開始すると共に特別入賞装置30の開閉扉42に短時間開放動作を行なわせる。そして、ラウンド遊技時間の経過により開閉扉42を閉鎖させて2ラウンド目のラウンド遊技が終了する。そして、CPU60aは、2ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、ラウンド間インターバル時間(1.5秒)の経過後にエンディング時間(0.5秒)のエンディング演出を実行し、大当り遊技を終了させ、CPU60aが大当りフラグに「0」を設定する。すなわち、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技における1ラウンド目〜2ラウンド目の全てのラウンド遊技が「短時間ラウンド遊技」となる。
また、CPU60aは、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技が付与される場合には、確変フラグに「1」を設定すると共に、確変状態付与回数に「次回まで」を示す値を設定する。そして、2R特別確変大当り遊技が付与される場合には、CPU60aは、作動フラグに「1」を設定すると共に作動回数に「次回まで」を示す値を設定する。一方で、2R通常確変大当り遊技が付与される場合には、CPU60aは、作動回数に「0回」を設定すると共に作動フラグに「0」を設定する。
(ジャンプアップ大当り遊技が付与される場合)
前記CPU60aが、ジャンプアップ大当り遊技を決定した場合には、1ラウンド目のラウンド遊技が15R確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技および15R非確変大当り遊技の各1ラウンド目とは異なる制御が実行され、2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技ではこれら15R確変大当り遊技等の2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技と同じ制御が実行される。
CPU60aは、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、オープニング時間(0.02秒)の経過後に、1ラウンド目のラウンド遊技が開始されて、ラウンド遊技時間(max28秒)の計測を開始する。CPU60aは、特別入賞装置30の開閉扉42を、入賞上限個数のパチンコ球が入賞していないことを条件に、最大3回開閉動作させる。1ラウンド目のラウンド遊技では、短時間開放動作を開閉扉42に行なわせ、特別入賞装置30の開閉扉42を開放(1回目の開放)させてから所定の開放時間(0.06秒)が経過した時点で開閉扉42を閉鎖する。開閉扉42を閉鎖(1回目の閉鎖)させてから所定のラウンド内インターバル時間(1.5秒)が経過した時点で、2回目の短時間開放動作を開閉扉42に行なわせ、開閉扉42を開放(2回目の開放)させてから所定の開放時間(0.06秒)が経過した時点で開閉扉42を閉鎖する。
CPU30aは、開閉扉42を閉鎖(2回目の閉鎖)させてから所定のラウンド内インターバル時間(2.0秒)が経過した時点で、長時間開放動作を開閉扉42に行なわせ(3回目の開放)、開閉扉42を開放(3回目の開放)させてから所定の開放時間(max24.88秒)が経過するか、1ラウンド目のラウンド遊技の開始からのパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数(規定個数)に達することを条件に、1ラウンド目のラウンド遊技を終了させるようになっている。すなわち、実施例では、ジャンプアップ大当り遊技における1ラウンド目のラウンド遊技は、前記開閉扉42を長時間開放動作させる長時間ラウンドとしての「第2の特殊ラウンド遊技」となっている。そして、1ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、所定のラウンド間インターバル時間(2.0秒)の経過後に、2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技の長時間開放動作を開閉扉42に行なわせる。すなわち、ジャンプアップ大当り遊技における1ラウンド目のラウンド遊技は「第2の特殊ラウンド遊技」であり、2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技が「全開放ラウンド遊技」となっている。
CPU60aは、大当り遊技を終了後に、確変フラグおよび作動フラグに「1」を設定する。また、CPU60aは、確変状態付与回数および作動回数に「次回まで」を示す値を設定する。そして、CPU60aは、大当りフラグに「0」を設定する。
(小当り遊技が付与される場合について)
そして、CPU60aは、小当りを決定した場合(小当りフラグに「1」が設定された場合)には、特図変動表示(図柄変動演出)の終了後に、小当り遊技の制御を開始する。
CPU60aは、特図変動表示(図柄変動演出)が終了すると、開放時間0.06秒)の計測を開始すると共に開閉扉42に短時間開放動作を行なわせる。そして、前記開放時間の経過により開閉扉42を閉鎖させて1回目の開放を終了し、所定のインターバル時間(1.5秒)の経過後に、同様に開放時間0.06秒)の計測を開始すると共に開閉扉42に短時間開放動作を行なわせ、開放時間の経過により開閉扉42を閉鎖させて2回目の開放を終了する。これにより、小当り遊技が終了し、CPU60aが小当りフラグに「0」を設定する。なお、小当り遊技の場合には、小当り当選時の遊技状態が維持されることから、CPU60aは、確変フラグおよび作動フラグの何れも現状を維持する。
このように大当り遊技および小当り遊技を実行させることにより、実施例では、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目において、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技と開閉扉42の開放態様が同一態様となる状態が作り出される。すなわち、ジャンプアップ大当り遊技における1ラウンド目の開閉扉42の1回目の開放が開始してから2回目の開放が終了するまでの時間と、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技における開閉扉42の1回目の開放が開始してから2回目の開放が終了するまでの時間が何れも「1.62(秒)」に設定されている。つまり、ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技では、当り遊技が開始してから「1.62(秒)」の間は、同一開放態様にて開閉扉42が開放されることになる。すなわち、実施例のパチンコ機10では、開閉扉42の開放動作態様を遊技者が視認したとしても、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技と、小当り遊技の区別を付けることは困難である。また、実施例のパチンコ機10では、ジャンプアップ大当り遊技においても、1ラウンド目の開始後に3回目の開放が行なわれるまでの間は、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技とは全く区別が付かない。これにより、遊技者は、開閉扉42が短い時間(0.06秒)で2回開放しても、その開放態様からはジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技の何れが付与されているかを区別し得ない。
また、15R確変大当り遊技と、ステップアップ大当り遊技と、15R短縮確変大当り遊技と、15R確変秘匿大当り遊技と、15R非確変大当り遊技と、15R短縮非確変大当り遊技とでは、1〜8ラウンド目までの開閉扉42の開放態様は同じである。このため、1〜8ラウンド回までの開閉扉42の開放態様から、15R確変大当り遊技、ステップアップ大当り遊技、15R短縮確変大当り遊技、15R確変秘匿大当り遊技、15R非確変大当り遊技および15R非確変大当り遊技のうち何れの大当り遊技であるか認識できない。
また、ステップアップ大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉42が7回開閉するまでの開放態様と、15R短縮確変大当り遊技と、15R短縮非確変大当り遊技の9〜15ラウンド目までの開閉扉42の開放態様は同じである。すなわち、ステップアップ大当り遊技の9ラウンド目において開閉扉42が7回開閉するまでの開放動作態様と、15R短縮確変大当り遊技と、15R短縮非確変大当り遊技の9〜15ラウンド目までの開閉扉42の開放動作態様は、見かけ上同じになっている。このため、8ラウンド目以降、開閉扉42が7回開閉するまでは、その開放態様からステップアップ大当り遊技、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技のうち何れの大当り遊技であるか認識できない。
また、15R確変秘匿大当り遊技と15R非確変大当り遊技では、大当り遊技終了後に入賞率向上状態が付与される期間(50回の図柄変動演出が実行されるまでの間)が同じである。一方で、15R確変秘匿大当り遊技では大当り遊技終了後に確変状態が付与されるのに対して、15R非確変大当り遊技では大当り遊技終了後に確変状態が付与されない。すなわち、15R確変秘匿大当り遊技および15R非確変大当り遊技の何れかの大当り遊技が付与され、その後50回の図柄変動演出が実行されたときに入賞率向上状態の付与が終了すると、確変状態が付与されているか否かを特定することができないから、入賞率向上状態の付与が終了すると、確変状態が付与されていることを期待させることができる。
(実施例の作用)
次に、前述した実施例に係るパチンコ機10の作用につき説明する。
前記遊技盤20に設けた案内レール21に沿って遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球は、遊技盤20上に設けた遊技釘等に接触して流下方向を変更しながら流下する。そして、前記遊技領域20aを流下するパチンコ球が前記始動入賞装置26の上下の始動入賞口26a,26bに入賞すると、前記制御装置の制御に基づいて前記特図表示器50での特図変動表示が開始されると共に図柄表示装置18での図柄変動演出が開始される。そして、特図変動表示(図柄変動演出)の結果、特図表示器50に所定の大当り図柄(特図)が表示されると大当りが発生し、特図表示器50に所定の小当り図柄(特図)が表示されると小当りが発生する。そして、大当りの発生に伴い特図表示器50に表示された特図の種類に応じた大当り遊技が付与されると共に、小当りが発生の発生に伴い小当り遊技が付与されて、前記遊技盤20の下方に設けられた特別入賞装置の開閉扉42が付与された大当り遊技または小当り遊技の種類に応じて開閉動作する。
ここで、前記特別入賞装置30の開閉扉42は、大当り遊技または小当り遊技の発生に伴って開放されるため、常には開閉扉42が特別入賞口33を閉鎖しており、遊技盤20の遊技領域を流下するパチンコ球が開閉扉42に接触して傷が生じ易い。実施例の特別入賞装置30では、前記特別入賞口33(開閉扉42)に対する遊技者の視線方向に離間して位置するよう遮蔽部材45を配設したことで、特別入賞口33を開閉する開閉扉42の視認性が妨げられる。このため、前記開閉扉42に傷等が生じても遮蔽部材45で遊技者の視線を遮って傷等を認識され難くでき、パチンコ機10の装飾性を損なうのを防止できる。しかも、前記特別入賞装置30は前記遊技盤20の下部位置に配設されており、少なくとも閉鎖位置にある開閉扉42の自由端部の全長が遮蔽部材45と前後に重なるよう構成されているから、遊技者側からの開閉扉42の視認をより一層低下することができるから、該開閉扉42に生じた傷等を遊技者に認識されるのを効果的に防止することが可能となる。このとき、前記特別入賞口33を閉鎖した開閉扉42と遮蔽部材45の間をパチンコ球が通過し得るよう構成したことにより、開閉扉42が特別入賞口33を開放した状態で、遮蔽部材45が特別入賞口33への入賞するパチンコ球の障害となることはない。
また、前記特別入賞装置30には、前記特別入賞口33の開口方向に向けて光を照射するLED38aが配設されており、該LED38aの光が前記開閉扉42および遮蔽部材45を透過して遊技盤20の前方へ照射されるようになっている。このように、LED38aの光を開閉扉42に照射することで、該開閉扉42に生じた傷等の陰影が目立たなくなり、遊技者から開閉扉42の傷等を識別され可能性を効果的に低下させることができる。同様に、LED38aの光が遮蔽部材45にも照射されることで、該遮蔽部材45に生じた傷等の陰影も目立たなくすることができ、当該遮蔽部材45に生じた傷によりパチンコ機10の装飾性を損なうのも防止できる。
また、前記遮蔽部材45は、前記特別入賞口33を開放した開閉扉42の前方に位置して、開放位置に位置する開閉扉42の自由端部が遮蔽部材45で隠されるよう構成されている。これにより、前記開閉扉42が開放位置にある状態でも、前記遮蔽部材45の存在により開閉扉42の視認性が妨げられて、当該開閉扉42を遊技者から判別し難くでき、開閉扉42の裏側に生じた傷等も遊技者に認識され難くできる。
ところで、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技では、各大当り遊技の8ラウンド目のラウンド遊技までは特別入賞装置30の開閉扉42の開閉動作態様が同じになるよう構成されている。そして、ステップアップ大当り遊技の9ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置30の開閉扉42が7回開閉するまでの開放態様と、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技における9ラウンド目〜15ラウンド目までの開閉扉42の開放態様とは、何れも同じ短時間開放動作を繰り返すようになっている。これにより、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技の何れの大当り遊技が行なわれる場合に、9ラウンド目のラウンド遊技が行なわれている場合には、開閉扉42が8回目の開放動作を行なうか否かに遊技者の注目させることができる。ここで、前述したように、実施例の特別入賞装置30では、前記特別入賞口33の開口前方に遮蔽部材45が位置するように開閉扉42の前側に配設されているから、該開閉扉42の開閉動作が遊技者から見え難くなっている。これにより、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技において前記開閉扉42が短時間開放動作を行ったか否かを判別し難くでき、開閉扉42の開閉動作から遊技内容を遊技者に予測されるのを抑制できる。
すなわち、15R短縮確変大当り遊技および15R短縮非確変大当り遊技と、ステップアップ大当り遊技との区別を、開閉扉42の開放動作から識別されるのを防止できるから、図柄表示装置18で行なわれる演出に注目を集め、ラウンド遊技の継続に対する期待感を高めることができる。そして、前記15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技が決定された際には、ステップアップ大当り遊技が開始してから9ラウンド目のラウンド遊技において開閉扉42が8回目に開放するタイミングまでに図柄表示装置18に特定表示が表示されるか否かにより、ステップアップ大当り遊技であるか否かが判別される。これにより、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技が決定された場合には、ステップアップ大当り遊技が開始してから9ラウンド目のラウンド遊技において8回目の開放が行なわれる時点までの当り演出において図柄表示装置18に特定表示が表示されるか否か(すなわち当り遊技がステップアップ大当り遊技であるか否か)に対して遊技者の注意を惹きつけることができる。すなわち、開閉扉42の開放動作を視認され難くすることで、開閉扉42に対する遊技者の注意を逸らさせて図柄表示装置18で行われる当り演出の注目度を高めることができ、該演出の演出効果を最大に引き出すことが可能となる。このように、ステップアップ大当り遊技における開閉扉42の短時間開放動作に遊技者に注目させつつ、該開閉扉42を遮蔽部材45で覆って遊技者から判別し難くすると共に、図柄表示装置18において遊技者の注目度の高い当り演出を行なうことで、該開閉扉42の開閉動作による演出と図柄表示装置18での演出とをバランスよく楽しむことができるようになる。
また、15R短縮確変大当り遊技、15R短縮非確変大当り遊技およびステップアップ大当り遊技における開閉扉42の短時間開閉動作を遊技者に悟られ難くできるから、15R短縮確変大当り遊技や15R短縮非確変大当り遊技のラウンド遊技が進行するのを効果的に秘匿することができる。更に、ステップアップ大当り遊技にあっては、ラウンド遊技の途中で開閉扉42が短時間開閉動作することでの不自然さをなくすことができる。
また、ジャンプアップ大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置30の開閉扉42が2回開閉するまでの開放態様と、2R特別確変大当り遊技や2R通常確変大当り遊技、小当り遊技における特別入賞装置30の開閉扉42の開放態様と同じにした。これにより、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技およびジャンプアップ大当り遊技の何れの大当り遊技が行なわれる場合や小当り遊技が行なわれる場合には、当り遊技の開始から開閉扉42が3回目の開放動作を行なうか否かに遊技者の注目させることができる。ここで、前述したように、実施例の特別入賞装置30では、前記特別入賞口33の開口前方に遮蔽部材45が位置するように開閉扉42の前側に配設されているから、該開閉扉42の開閉動作が遊技者から見え難くなっている。これにより、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技、小当り遊技およびジャンプアップ大当り遊技において前記開閉扉42が短時間開放動作を行ったか否かを判別し難くでき、開閉扉42の開閉動作から遊技内容を遊技者に予測されるのを抑制できる。
すなわち、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技と、ジャンプアップ大当り遊技との区別を、開閉扉42の開放動作から識別されるのを防止できるから、図柄表示装置18で行なわれる演出に注目を集め、ラウンド遊技の継続に対する期待感を高めることができる。そして、前記ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技が決定された際には、ジャンプアップ大当り遊技が開始してから1ラウンド目において開閉扉42が3回目に開放するタイミングまでに図柄表示装置18に第2の特定表示が表示されるか否かにより、ジャンプアップ大当り遊技であるか否かが判別される。これにより、ジャンプアップ大当り遊技、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技および小当り遊技が決定された場合には、ジャンプアップ大当り遊技が開始してから1ラウンド目において3回目の開放が行なわれる時点までの当り演出において図柄表示装置18に第2の特定表示が表示されるか否か(すなわち当り遊技がジャンプアップ大当り遊技であるか否か)に対して遊技者の注意を惹きつけることができる。すなわち、開閉扉42の開放動作を視認され難くすることで、開閉扉42に対する遊技者の注意を逸らさせて図柄表示装置18で行われる当り演出の注目度を高めることができ、該演出の演出効果を最大に引き出すことが可能となる。このように、ジャンプアップ大当り遊技における開閉扉42の短時間開放動作に遊技者に注目させつつ、該開閉扉42を遮蔽部材45で覆って遊技者から判別し難くすると共に、図柄表示装置18において遊技者の注目度の高い当り演出を行なうことで、該開閉扉42の開閉動作による演出と図柄表示装置18での演出とをバランスよく楽しむことができるようになる。
また、2R特別確変大当り遊技、2R通常確変大当り遊技およびジャンプアップ大当り遊技における開閉扉42の短時間開閉動作を遊技者に悟られ難くできるから、2R特別確変大当り遊技や2R特別確変大当り遊技が進行するのを効果的に秘匿することができる。更に、ジャンプアップ大当り遊技にあっては、ラウンド遊技の途中で開閉扉42が短時間開閉動作することでの不自然さをなくすことができる。また、2R特別確変大当り遊技および2R通常確変大当り遊技における開閉扉42の開閉動作を遊技者に認識され難くできるから、開閉扉42が短時間だけ開閉することによる違和感を遊技者に与えるのを防止し得る。
しかも、2R通常確変大当り遊技と特別入賞装置30の開閉扉42の開放態様と、小当り遊技の開閉扉42の開放態様とを同じにしたことで、2R通常確変大当り遊技または小当り遊技の開放態様で特別入賞装置30の開閉扉42が開閉されたときには、確変状態が付与されるのか否か認識できない。これにより、2R通常確変大当り遊技または小当り遊技の何れの当り遊技が付与されたのかを秘匿でき、確変状態が付与されていることを期待して遊技を継続することができる。
更に、実施例の特別入賞装置30では、前記特別入賞口33を閉鎖した開閉扉42の自由端縁部に沿って突条部32bが延在するよう構成されている。このため、遊技盤20の遊技領域20a内に不正器具が仮に挿入されたとしても、該不正器具が突条部32bで阻止されて前記開閉扉42の自由端縁部に引っ掛けるのが困難になり、当該開閉扉42の不正開放を防止し得る。更に、前記突条部32bの上面32cは、前方へ向かうにつれた下方傾斜する傾斜形状に形成されているから、開閉扉42の自由端部に不正器具が近づけられたとしても、該突条部32bの上面32cの傾斜に沿って開閉扉42から離れるよう誘導することができ、該開閉扉42の自由端部に不正器具が引っ掛けられるのをより効果的に防止し得る。また、前記突条部32bの自由端部を湾曲形状に形成してことでも、該開閉扉42の自由端部に不正器具を引っ掛けるのを防止し得るから、該開閉扉42の不正な開放操作をより効果的に阻止することが可能となる。
また、実施例の特別入賞装置30では、前記特別入賞口33左右の開口側縁部から前記遮蔽部材45の支持部46,46が前方へ突出するよう形成されて、該開閉扉42の前方に遮蔽部材45が位置している。すなわち、開閉扉42の左右側方や前方から不正器具を侵入させようとしても、前記遮蔽部材45や支持部46,46が障害となって特別入賞口33(開閉扉42)まで到達させ難くでき、不正器具による開閉扉42の不正な開放をより効果的に防止できる。
一方で、パチンコ機10(特別入賞装置30)のメンテナンスや入賞検出確認検査、或いは遊技店で行なわれる賞球の不足分の補償といった場合には、作業性の観点から開閉扉42を手動で強制的に開放できることが必要になる。ここで、実施例の特別入賞装置30では、前記突条部32bに係止凹部32dを形成して、前記開閉扉42の自由端部の一部が係止凹部32dに臨むよう構成したこと、該係止凹部32dを利用して作業者が手指を開閉扉42に引っ掛けることができ、手動による強制的な開放操作を行なうことができる。このように、前記突条部32bおよび係止凹部32dを形成することで、開閉扉42の手動での強制的な開放操作の許容と、該開閉扉42の不正な開放操作の防止のように相反する目的をバランス良く実現することが可能になる。
また、前記係止凹部32dは,前記突条部32bの左端部に位置するよう設けることで、突条部32bの中間位置に係止凹部32dを設ける構成と比較して、該係止凹部32dに作業者が手指を引っ掛け易くなり、手動での強制的な開放操作が容易に行ない得る。ここで、前記係止凹部32dを突条部32bの左端部に位置させて作業者の手指を開閉扉42に引っ掛け易くしたとしても、前述のように前記特別入賞口33左右の開口側縁部から前記遮蔽部材45の支持部46,46が前方へ突出するよう形成されているから、該係止凹部32dへ不正器具が侵入するのを規制する規制手段として支持部46,46が機能し、該開閉扉42の不正な開放操作の防止効果を損なうことはなく、手動での開閉扉42の強制的な開放操作の許容と、該開閉扉42の不正な開放操作の防止とをよりバランスよく実現することが可能となる。
(変更例)
なお、本発明に係る遊技機の構成としては、前述した実施例に示したものに限らず、種々の変更が可能である。
(1) 実施例では、障害手段としての遮蔽部材の形状大きさは、実施例に示したものに限られず、特別入賞口(入賞口)に対する遊技者の視線方向に離間して位置していれば、任意に変更することができる。例えば、一般的な体格の遊技者が遊技を行なう姿勢で遊技機に対面した状態で、遮蔽部材(障害手段)で特別入賞口(入賞口)を完全に視認不能に遮る位置に配設してもよい。
(2) 実施例では、開閉扉(開閉手段)が閉鎖位置から開放位置に変位する際に前方へ揺動するよう構成したが、これに限られるものではなく、開閉扉(開閉手段)が左右方向に揺するよう構成してもよく、また開閉扉(開閉手段)が前後方向にスライドするよう構成してもよい。すなわち、開閉手段が何れの開閉動作を行なう構成であっても、特別入賞装置(入賞装置)の特別入賞口(入賞口)に対する遊技者の視線方向に離間して位置するよう遮蔽部材(障害手段)が位置する構成であればよい。
(3) 実施例の障害手段としての遮蔽部材は、支持部を一体的に備えるよう構成したが、該支持部を別部材として形成してよく、また特別入賞装置(入賞装置)の取付板に支持部を一体的に形成するようにしてもよい。
(4) 実施例では、障害手段としての遮蔽部材を固定的に配設したが、これに限られるものではなく、適宜に動作するよう構成してもよい。すなわち、当り遊技が行なわれる際に、前記遮蔽部材(障害手段)が遊技者の視線方向に位置するよう移動する構成してもよい。
(5) 実施例では、係止凹部を突条部の左端部に位置するよう形成したが、これに限られるものではなく、特別入賞口(入賞口)の開口方向および前方に開放するよう突条部に形成すればよい。
(6) 開閉扉(開閉手段)に行なわせる長時間開放動作および短時間開放動作の開放時間としては、実施例に示した時間に限られるものではない。すなわち、長時間開放動作および短時間開放動作の開放時間としては、開閉扉(開閉手段)が短時間開放動作を行なう場合に較べて、開閉扉(開閉手段)が長時間開放動作を行なう場合の方がラウンド遊技に定められた規定個数全ての遊技球が入賞してラウンド遊技の終了条件が満たされる確率が高くなるよう設定すればよく、これによりラウンド遊技において賞球として獲得可能な遊技球数に差を付けることができる。すなわち、実施例において短時間開放動作では、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)において遊技球の入賞が実質的に不可能な時間または入賞可能な開放時間であっても規定個数の遊技球の入賞は実質的に不可能な時間だけ開閉扉(開閉手段)が開放する場合を示したが、必ずしもこれに限られるものではなく、短時間開放動作を開閉扉(開閉手段)に行なわせる場合であっても規定個数全ての遊技球の入賞がし得るようにしてもよい。具体例を挙げると、前記開閉扉に行なわせる長時間開放動作の開放時間としては、遊技球を所定間隔で1球ずつ連続的に発射する条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数全ての遊技球が略確実に入賞してラウンド遊技の終了条件が満たされる(ラウンド遊技時間の経過によりラウンド遊技の終了条件が満たされない)時間を設定することができる(例えば開放時間20秒以上)。一方で、前記開閉扉に行なわせる短時間開放動作の開放時間としては、遊技球を所定間隔で1球ずつ連続的に発射する条件において、長時間開放動作における開閉扉の開放時間より短い時間であって、ラウンド遊技時間の経過によってラウンド遊技の終了条件が満たされる確率が高い時間を設定すれば、短時間開放動作を開閉扉に行なわせた場合であってもラウンド遊技に定められた規定個数全ての遊技球が入賞することでラウンド遊技の終了条件が満たされ得る場合があってもよい(例えば開放時間6秒)。
(7) 実施例では、特別入賞装置(入賞装置)を、遊技盤の下部位置(アウト口の上方)に配置するよう構成したが、これに限られるものではなく、図16に示すように、遊技盤の右側に偏った位置に配置するようにしてもよい。すなわち、図16に示すように、前記遊技盤20に画成された遊技領域20aに、前記枠状装飾体25の左側方をパチンコ球が流下する第1経路25b、および該枠状装飾体25の右側方をパチンコ球が流下する第2経路25cを設けて、操作ハンドル17の回動操作量を可変することで該第1経路25bをパチンコ球が流下する所謂「左打ち」と、該第2経路25cをパチンコ球が流下する所謂「右打ち(ゴム打ち)」とを打ち分け得るよう構成し、該第2経路25cの経路中に特別入賞装置30を配設するよう構成してもよい。この場合には、前記遊技盤20には、第1経路25bに較べて第2経路25cの方が遊技釘等の障害物の設置数が少なくなるよう構成されて、第2経路25cをパチンコ球が通過した場合に、遊技盤20の遊技領域20aに発射されたパチンコ球の勢いが損なわれずに流下するよう構成される。すなわち、前記当り遊技の発生時には、パチンコ球を第2経路25cへ打ち出す「右打ち」を実施することで、当り状態を早く消化して短時間で多くの賞球を獲得し得る有利な遊技を行ない得る。なお、図16において実施例と同一の機能を有する部材には同一の符号を付した。
(8) 実施例では、遊技機としてパチンコ機を例示して説明したが、これに限られるものではなく、アレンジボール機やピンボール機、スロットマシン機等の各種遊技機を採用し得る。