以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、パチンコ遊技機を正面から見た正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。図2は、パチンコ遊技機1に搭載された各種の制御基板などを示す構成図である。以下において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側とし、パチンコ遊技機1を前面側から見たときの上下左右方向を基準として説明する。本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の前面とは、該パチンコ遊技機1にて遊技を行う遊技者と対向する対向面である。
図1に示すように、パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレール2bによって囲まれた正面視略円形状の遊技領域10が形成されている。この遊技領域10には、遊技媒体としての遊技球が打球発射装置(図示略)から発射されて打ち込まれる。また、遊技機用枠3には、ガラス窓50aを有するガラス扉枠50が左側辺を中心として回動可能に設けられている。ガラス扉枠50を閉鎖した状態では、図1に示すようにガラス窓50aを通して遊技領域10が視認可能であり、ガラス扉枠50を開放した状態では、遊技領域10などに遊技店員が接触可能となっている。
遊技盤2は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透光性を有する合成樹脂材にて正面見略四角形状に形成された遊技盤面2aを有し、遊技盤面2aに障害釘(図示略)やガイドレール2bやセンター飾り枠51等が設けられている。また、遊技盤2の後面に設けられたサブ基板上には、調整用スイッチ600が設けられている。店員は、遊技機用枠3を開放するための鍵を所有するため、遊技機用枠3を開放することによって、調整用スイッチ600を操作可能である。店員は、調整用スイッチ600を操作することによって、遊技中の演出における音量および光量の基準となる設定をすることができる。このように、調整用スイッチ600は、鍵を所有する店員等しか操作することはできず、遊技者は操作することができない。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域10の右側下部位置)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域10の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)を導出表示する。
画像表示装置5は、遊技盤2よりも背面側に配設され、該遊技盤2に形成された開口2cを通して視認できるようになっている。遊技盤2における開口2cには枠状のセンター飾り枠51が設けられている。遊技盤2の背面と画像表示装置5との間には、所定の演出動作を実行する演出ユニット300が設けられている。
画像表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。
第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの右方位置には、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示し、第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aが設けられ、画像表示装置5の右側下方には、後述する普通可変入賞球装置6Bが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の球受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態(図11(a))と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態(図11(b))とに変化する可動板551(図11(a)、(b))を有する普通電動役物を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。また、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第2始動条件が成立する。
図1に示すように、普通入賞球装置6Aの右方位置かつ普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって、遊技領域10に突出する突出位置となる閉鎖状態(図11(a))と遊技領域10から退避する退避位置となる開放状態(図11(b))とに変化する可動板561(図11(a)、(b))を有し、特定領域としての大入賞口を形成する。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できない(または通過(進入)しにくい)遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。
大入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示すカウントスイッチ23によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1の状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2の状態となる。
第2保留表示器25Bの右方位置には、普通図柄表示器20が設けられている。普通図柄表示器20の右方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる一般入賞口を有する一般入賞球装置24が設けられている。一般入賞球装置24は、画像表示装置5の右方であり通過ゲート41の下方にもうけられている。一般入賞口に進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチ24a(図2)によって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域10に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域10の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、発射装置(図示略)へと供給可能に保持(貯留)する上皿90(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿90から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿91が設けられている。上皿90を形成する部材に設けられたプッシュボタン31Bに対して遊技者によってなされた押下動作はプッシュセンサ35B(図2)にて検出される。
なお遊技者が打球操作ハンドルを操作し、遊技球が左遊技領域(画像表示装置5の左方の領域)へ流れるように遊技球を打込むことを「左打ち」と呼び、遊技球が右遊技領域(画像表示装置5の右方の領域)へ流れるように遊技球を打込むことを「右打ち」と呼ぶ。遊技者は、打球操作ハンドルの操作量に応じて打球発射装置の発射強度を変更することで、右打ちまたは左打ちする等、遊技者の選択により遊技球を打込む領域を変更することができる。
次に、パチンコ遊技機1の回路構成について説明する。パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14(LED制御基板などであってもよい)、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15、払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホール(遊技店)の管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。また、主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、通過ゲート41を通過した遊技球を検出するゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23、一般入賞球スイッチ24aからの検出信号を伝送する配線が接続されている。また、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば、演出図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを示す変動パターン指定コマンド等が含まれている。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM101(Read Only Memory101)と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM102(Random Access Memory102)と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU103(Central Processing Unit103)と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O105(Input/Output port105)と、を備えて構成される。一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。
図2に示すように、演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L,8R、LED221〜223、遊技効果ランプ9、LED541〜543といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路や、プッシュボタン31Bといった電気部品の動作を検出するための各種回路が搭載されている。また、演出制御基板12には、遊技中の演出態様(LED221〜223、遊技効果ランプ9、及びLED541〜543の光量、スピーカ8L、8Rの音量)の基準となる設定を行うための調整用スイッチ600が接続されている。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125と、調整用スイッチ600から入力された検出信号を検出するスイッチ回路96と、が搭載されている。一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。また、ROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域10に設けられた通過ゲート41を遊技球が通過したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過し、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図はずれ」となる。特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となり、普通可変入賞球装置6Bの可動板551(図11)が遊技領域10から退避する開放制御が行われ、所定時間が経過するか、もしくは規定数(例えば6個)の遊技球が入賞すると、遊技領域10に突出する閉鎖位置に戻る通常開放制御が行われる。
遊技球が第1始動入賞口に入賞したことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、遊技球が第2始動入賞口に入賞したことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、変動表示時間が経過すると確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「はずれ」となる。特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置7の可動板561(図11)が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1の状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした可動板561(図11)は、遊技盤2の表面を移動する遊技球を大入賞口に進入させ、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2の状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。
画像表示装置5の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。リーチ状態とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄については変動が継続している表示状態、あるいは、全部または一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「非確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「非確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。時短制御では、普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せ(「確変大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示され、変動表示結果が「確変大当り」となった場合は大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。この確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したとき、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回)の特図ゲームが実行されたとき、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたとき、などに終了すればよい。
時短制御が行われるときには、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動板の移動制御を行う移動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その移動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御、高開放制御)が行われる。これにより、第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。
次に、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理において遊技制御用タイマ割込み処理を開始すると、スイッチ処理、メイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理を実行する。
特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部(図示略)に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、第1始動入賞や第2始動入賞があったか否かを判定し、入賞があった場合には、特図表示結果判定用、大当り種別判定用、変動パターン判定用などの乱数値をそれぞれ抽出して、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部における空きエントリの最上位に格納(記憶)する始動入賞処理を実行する。
また、CPU103は、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている保留データの有無などに基づいて特図ゲームを開始するか否かの判定や、特図表示結果判定用の乱数値を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する特別図柄通常処理を実行する。つまり、CPU103は、特図ゲームの変動表示を開始するときに、始動入賞が発生したときに記憶した乱数値に基づいて、当該変動表示の表示結果として大当り表示結果を導出表示するか否かを決定(抽選)する処理を実行する。
次いで、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する変動パターン設定処理、特別図柄を変動させるための設定や特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理を行う特別図柄変動処理、特別図柄の変動を停止させて確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う特別図柄停止処理を行う。また、変動表示結果が「大当り」となった場合は、大当り遊技状態において大入賞口を開閉させる処理を行う大当り開放前処理、大当り開放中処理、大当り開放後処理、大当り終了処理を行う。
次に、演出制御基板12の動作を説明する。先ず、演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理においてタイマ割込が発生すると、コマンド解析処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数更新処理を実行する。
演出制御プロセス処理では、画像表示装置5の第1保留記憶表示エリア5D及び第2保留記憶表示エリア5Uでの保留記憶表示を、保留記憶バッファの記憶内容に応じた表示に更新する保留表示更新処理を実行する。次いで、演出制御プロセスフラグの値に応じて、遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する変動パターン指定コマンド受信待ち処理、演出図柄の変動が開始されるように制御する演出図柄変動開始処理、演出図柄変動開始処理にてセットされたプロセスデータに応じて変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等の制御や変動時間の終了を監視するとともに、画像表示装置5の表示制御、スピーカ8L,8Rからの音出力、LED221〜223、遊技効果ランプ9、LED541〜543の発光及び演出ユニット300の駆動制御等を行う演出図柄変動中処理、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う演出図柄変動停止処理を行う。
大当り表示処理においては、変動時間の終了後、画像表示装置5に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。大当り遊技中処理においては、大当り遊技中の制御を行う。大当り終了演出処理においては、画像表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。
このように演出制御用CPU120は、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンド(制御情報)に基づいて、演出図柄の変動表示制御や予告演出といった遊技に関連する各種演出を実行可能とされている。
演出制御用CPU120が演出図柄の変動表示中において実行する予告演出としては、例えば、大当りの可能性を示唆する大当り予告演出や、リーチになるか否かを示唆するリーチ予告、停止図柄を予告する停止図柄予告、遊技状態が確率変動状態であるか否か(潜伏しているか否か)を予告する潜伏予告といったように、変動表示開始時やリーチ成立時において実行される複数の予告を含む。
本実施の形態では、演出ユニット300による可動体演出や、演出ユニット300とスピーカ8L,8R、LED221〜223、遊技効果ランプ9と、及びLED541〜543による複合演出や、遊技者がプッシュボタン31Bを操作したことを条件に実行される操作演出といった各種演出が各種予告として実行可能である。
また、演出制御用CPU120は、調整用スイッチ600のチャンネルに応じた第1光量段階および第1音量段階となるように、LED221〜223、遊技効果ランプ9、LED541〜543の光量、およびスピーカ8L、8Rの音量を調整可能である。また、演出制御用CPU120は、調整用スイッチ600のチャンネルに応じて定められた範囲内において、プッシュボタン31Bなどを操作することにより、LED221〜223、遊技効果ランプ9、LED541〜543の光量、およびスピーカ8L、8Rの音量を調整可能である。これらの点については、図14や図15を参照して後述する。これに対して、遊技の進行に応じて制御される第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bと普通図柄表示器20とを構成する各LED(例えばセグメントLED)、及び第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bと普図保留表示器25Cとを構成する各LEDなどの発光手段の光量は、調整用スイッチ600のチャンネルなどにより調整された光量にかかわらず、一定となる。
次に、画像表示装置5の右方に設けられた一般入賞球装置24及びその周辺の構成と、入賞球装置ユニット500の構成について説明する。図3は、遊技盤の一部の構成を示した分解斜視図である。
図3に示すように、透明な材料からなる遊技盤面2aの略中央には、画像表示装置5及び演出ユニット300(ともに図1に図示)を視認させるための開口2cが形成されている。この開口2cの縁に沿って該開口2cを取り囲むように、センター飾り枠51が遊技盤面2aに取り付けられている。センター飾り枠51は、遊技領域を流下する遊技球が画像表示装置5や演出ユニット300に接触しないように、遊技球の流れを規制し、打ち出された遊技球を左遊技領域と右遊技領域とに振り分けるための枠体である。このセンター飾り枠51には、通過ゲート41と一般入賞球装置24とが設けられている。センター飾り枠51、通過ゲート41、及び一般入賞球装置24は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成されている。また、遊技盤2は、遊技盤本体70に取り付けられる装飾体200、遊技球経路400、及び入賞球装置ユニット500を有している。入賞球装置ユニット500は、普通可変入賞球装置6Bと特別可変入賞球装置7とを備えている。なお、パチンコ遊技機1を構成する各部材は、特に言及がない限り、合成樹脂又は金属により形成されている。また、各部材に関する取り付けは、特に言及がない限り、ネジ、ビス等を用いた取り付けや、嵌合等の取り付け、溶接、溶着等、適宜の方法で行えばよい。
まず、一般入賞球装置24及びその周辺の構成について説明する。図4は、遊技盤に設けられた装飾体を示す図であり、(a)は分解斜視図、(b)は(a)中の矢視B−Bからみた正面図である。図5は、図1中の矢視V−Vで示したパチンコ遊技機1の断面図である。図6は、図5中の矢視VI−VIで示した断面図である。
一般入賞球装置24は、右遊技領域を流下する遊技球が進入可能な一般入賞口24bを有している。一般入賞口24bに進入した遊技球は後方に向けて流下する。遊技盤面2aには、後方に流下する遊技球を通すための開口である通過孔2dが形成されている。
装飾体200は、一般入賞口24bに進入し後方に移動する遊技球が進入する進入口200aを有している。装飾体200は、進入口200aを遊技盤面2aに形成された通過孔2dに一致させた状態で、遊技盤面2aに後方から取り付けられる。図4に示すように、装飾体200は、ベース体210と、3つのLED221〜223を搭載したLED基板220と、LED221〜223から発せられた光を取り込み導光しながら前方へと出射するレンズ体230と、装飾体200の最前面を構成するカバー体240とを備えている。またカバー体240の前面には、パチンコ遊技機1特有の装飾や模様が付されたシール250が貼付されている。
ベース体210は、例えば、非透光性の合成樹脂から形成されており、装飾体200を構成する種々の部材が取り付けられる。ベース体210の前面には、左下方向に延びた平行四辺形状の3つの反射面210a、210b、210cが形成されている。これらの反射面210a、210b、210cは、上下方向に沿って並列しており、レンズ体230から後方に向けて出射された光を反射して再度レンズ体230に入射させる。これにより、レンズ体230から前方へ出射される光の量を多くすることができる。また、ベース体210には、レンズ体230に形成された遊技球の流下経路となる筒状体231が挿通される挿通孔210dが形成されている。挿通孔210dは矩形状で、最も下方にある反射面210cの一部を打ち抜くように形成されている。
LED基板220は、ベース体210の右側前面に取り付けられている。LED基板220には、上下方向に等間隔で並んだ3つのLED221〜223が取り付けられている。LED基板220がベース体210に取り付けられると、LED221は反射面210aの側方に、LED222は反射面210bの側方に、LED223は反射面210cの側方に位置する。3つのLED221〜223は、演出制御基板12(図2)からの制御データに基づいてランプ制御基板14(図2)により点灯/消灯駆動がされる。なお、LED221〜223は、後述するレンズ体230を照射するため、パチンコ遊技機1の電源が入れられている間(デモンストレーションの期間も含め)は常に点灯状態にある。
レンズ体230は、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成されている。レンズ体230は、ベース体210の前面に取り付けられる。レンズ体230は、左下に向けて延びる平行四辺形状の3つの導光部232〜234と、最も下方に位置する導光部234を突き抜けるように形成された筒状体231とを有している。導光部232〜234はそれぞれ、近傍に配置されたLED232〜234からの光が入射する光入射面232a、233a、234aを右側面に有している。また、各導光部232〜234の前面には、模様や文字等を表現する凹凸が形成されている。これにより、LED221〜223からの光が導光部232〜234に入射すると、入射した光は全反射を繰り返しながら導光され、前面に形成された凹凸によって全反射しなかった光は前方へと出射される。このように前方に出射される光には、導光部232〜234の前面に形成された模様や文字等が付加される。なお、各導光部232〜234の後方には、反射面210a、210b、210cが配置される。これにより、全反射せずに導光部232〜234の後方から出射された光は、反射面210a、210b、210cで反射され、再度導光部232〜234に入射させることができる。
カバー体240は、透明な合成樹脂材にて形成されている。カバー体240は、ベース体210に取り付けられ、ベース体210やLED基板220を覆う。一方、導光部232〜234は、カバー体240の凹部240aに位置しており、カバー体240に覆われることはない。なお、カバー体240の前面に貼付されたシール250により、パチンコ遊技機1に装飾を施すことができる。
遊技球経路400は、筒状体231内部を後方に移動した遊技球が進入する進入口400a(図3)を有している。遊技球経路400の内部には、進入した遊技球が流下する流路が形成されているとともに、一般入賞口24bから進入して流下する遊技球を検出する一般入賞球スイッチ24a(図2)が設けられている。
続いて、一般入賞口24bに進入した遊技球の流れについて説明する。図5、図6に示すように、ガラス窓50aと遊技盤面2aとの間には、遊技球が移動可能な隙間が形成されている。一般入賞球装置24は、この隙間に突出する一般入賞口24bを有している。図5に示すように、ガラス窓50aと遊技盤面2aとの間を流下する遊技球P1が、一般入賞口24bから進入すると(遊技球P2)、後方へと流下方向を変える。そして遊技球は、遊技盤面2に形成された通過孔2dを通り、筒状体231の進入口200aに進入する(遊技球P3)。さらに、遊技球P3は、筒状体231内を後方へと移動し、遊技球経路400の進入口400aに進入する。遊技球経路400は、進入口400aの直後からおおよそ90度下方へと流路を変更させた屈曲部400bを有している。これにより、遊技球P4は、遊技球経路400に進入後直ぐに、後方から下方へと流下方向を変更する。そして、遊技球P4は、そのまま下方へと移動し(遊技球P5)、やがて一般入賞球スイッチ24a(図2)により検出される。このようにして、一般入賞口24bから進入した遊技球は、遊技盤面2aの通過孔2dを通り、遊技盤面2aの後方へと移動していく。
次に、装飾体200に設けられたLED221〜223のうち、もっとも下に位置するLED223から出射された光の進み方について説明する。図6の部分拡大図に示すように、LED223から出射された光は、近傍の光入射面233aに入射する。光入射面233aに入射した光は、導光部234内部を左方へと進み(矢印L1)、あるいはレンズ体230の表面で全反射しながら左方へと進む(矢印L2)。やがて、導光された光は、筒状体231の空洞部231aに出射され広がりながら左方へと進み(L3)、再びレンズ体230の内部に入射する。再びレンズ体230の内部に進入した光は、導光部234の内部を左方へと進んだり(L4)、導光部234の表面で全反射しながら左方へと進んだり(L5)、導光部234の前面に形成された凹凸234aによって全反射されずに前方へと出射されたり(L6)、導光部234の表面で全反射されずに後方へ出射された後に反射面210cに反射されて再び導光部234の内部に進入する(L7)、といった光路を進む。このように、導光部234の内部で導光されながら前方へと光が出射されることにより、導光部234の全面から光を出射することができるとともに、出射された光に凹凸234aによる模様や文字等を付加することができる。
このように、LED223から出射され光入射面233aから入射した光は、導光部234から前方に出射させる前に筒状体231の空洞部231aを通過する。これにより、遊技球の流下路を構成する空洞部231aに光が照射される。なお、LED223は、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間(デモンストレーションの期間も含め)は常に点灯状態にある。そのため、空洞部231aも、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間は常に明るく照射されている。この筒状体231の空洞部231aは、一般入賞口24bに進入した遊技球の流路を構成している。そのため、筒状体232の空洞部231aを通過する遊技球には、LED223から出射された光が当たり反射される。これにより、遊技球は光輝いたように視認される。以下、一般入賞口24bに進入した遊技球に光を反射させ光輝いたように見せる演出を「入賞演出」と記載する。
なお、遊技球に光が照射される範囲は、概ね遊技球P3から遊技球P4の範囲(図5、図6中の実線の矢印Yで示す範囲)に設定される。この矢印Yで示す流路の範囲は、第1所定領域と記載することがあるものとし、遊技球の後方へ移動する区間(筒状体231の内部)と、遊技球経路400に進入後に下方へ移動する区間(屈曲部400b)とを含んでいる。図5、図6に示すように、遊技球P3には、照射範囲P3´において照射された光を反射する。この照射範囲P3´は、遊技球P3の後部右側に位置している。また、遊技球P4には、照射範囲P4´において照射された光を反射する。この照射範囲P4´は、遊技球P4の前部上側に位置している。このように、遊技球に光が照射され該光を反射する矢印Yで示す第1所定領域の範囲では、遊技球の移動に伴って遊技球における照射範囲の大きさと位置が刻々と変化する。これにより、遊技球が反射する光の態様を変化させることが可能となる。一方、図5、図6中の破線の矢印で示す範囲にある遊技球には、光が照射されず、遊技球はLED223からの光を反射しない。これにより、LED223を常時発光させていたとしても、一般入賞口24bに進入し流下する遊技球が突然光り輝く入賞演出を実行できる。
また、第1所定領域を流下する遊技球には光が照射されるが、その際、遊技球は、流下路である空洞部231aへの光と導光部234に入射する光とを遮る。そのため、遊技球が第1所定領域を通る際、空洞部231a及び導光部234は暗くなる。なお、空洞部231aと導光部234とを照らすLED223は、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間、常に発光されている。これにより、空洞部231a及び導光部234に光が照射されていることに慣れている遊技者は、空洞部231a及び導光部234が暗くなったことに気づきやすい。これと同時に、あるいはこの後すぐに、遊技球が光輝く入賞演出を実行することができる。これにより、周囲を暗くしたなかで、遊技球を光輝かせることができるため、演出効果を向上させることができる。
なお、上記では、LED基板220に搭載されたLED221〜LED223のうち、最も下方に位置するLED223から出射された光の進み方について説明した。ここでは、他のLED221、222から出射された光の進み方については説明を省略するが、導光部232、233に左方へと導光されながら前方へ出射されるより単純な光の進み方をする。
次に、入賞球装置ユニット500の構成について説明する。図7は、入賞球装置ユニットの斜視図であり、(a)は前方からみた斜視図、(b)は後方からみた見た斜視図である。図8は、入賞球装置ユニットを前方からみた分解斜視図であり、図9は、入賞球装置ユニットを後方からみた分解斜視図である。図10は、特別可変入賞球装置の構成要素である第2可動装置の分解斜視図である。
入賞球装置ユニット500は、普通可変入賞球装置6B及び特別可変入賞球装置7の2つの入賞球装置を備えている。普通可変入賞球装置6B及び特別可変入賞球装置7はベース板510を共有しており、ベース板510の上部であるベース板上部510aは、普通可変入賞球装置6Bのベース板として機能する。また、ベース板下部510bは、特別可変入賞球装置7のベース板として機能する。
普通可変入賞球装置6Bは、ベース板上部510aと、ベース板上部510aに後方から取り付けられる第1可動装置550と、ベース板上部510aに前方から取り付けられるカバー体520と、を備えている。
ベース板上部510aは、普通可変入賞球装置6Bの各種部品を保持した状態で、遊技盤面2a(図3)に取り付けられる。ベース板上部510aには、可動板551が挿通される可動板挿通孔512(図8)が形成されている。
第1可動装置550は、図8、9に示すように、前後方向にスライド可能な可動板551と、可動板551を前後方向に移動させるソレノイド81とを有している。ソレノイド81が可動板551を移動させるための構成については、後述する第2可動装置560における構成と同様である。ソレノイド81がオフ状態にあるとき、図8に示すように、可動板551は、ベース板上部510aから突出した状態となる。一方、ソレノイド82がオフ状態からオン状態へと移行すると、可動板551は、後方へと移動しベース板上部510aから突出することがない位置まで後退する。
カバー体520は、図9に示すように、パチンコ遊技機1特有の装飾が施された装飾板521と、装飾板521の後面に形成された傾斜面522及び傾斜面523と、傾斜面522と傾斜面523との間に設けられた凹部である進入口524とを有している。傾斜面522及び傾斜面523は、右方に向かうにつれ下向きの傾斜を有している。可動板551がベース板上部510aから突出した状態になると、進入口524の上方は閉じられ、普通可変入賞球装置6Bは閉鎖状態となる。一方、可動板551がベース板上部510aから突出しない状態になると、進入口524の上方が開放し、普通可変入賞球装置6Bは開放状態となる。普通可変入賞球装置6Bが開放状態となると、傾斜面522を右下に流下する遊技球は、進入口524に進入可能となる。普通可変入賞球装置6Bに進入した遊技球は、ベース板510に形成された通過孔514(図8)を通過して第1可動装置550に進入し、第1可動装置550に設けられた第2始動口スイッチ22B(図2)に検出される。
普通可変入賞球装置6Bの下方に位置する特別可変入賞球装置7は、ベース板下部510bと、ベース板下部510bに後方から取り付けられる第2可動装置560と、ベース板下部510bに前方から取り付けられるカバー体530と、カバー体530の後面に取り付けられるLED基板540とを備えている。
ベース板下部510bは、特別可変入賞球装置7の各種部品を保持した状態で、遊技盤面2a(図3)に取り付けられる。ベース板下部510bには、可動板561が挿通される可動板挿通孔513と、特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球が通過する通過孔515と、普通可変入賞球装置6Bに進入せずに流下する遊技球の飛び出しを防止する飛び出し防止部511と、カバー体530に形成された規制片537とともに流下する遊技球の勢いを抑制する規制片516とが形成されている。
第2可動装置560は、図10に示すように、種々の部品が保持体562に取り付けられて構成されている。
ソレノイド82は、ソレノイド本体82aとプランジャ―82bとを備えている。ソレノイド82に電流が流れていない場合には、図10に示すようにプランジャ82bはソレノイド本体82aから突出した状態にある。この状態からソレノイド82に電流を流すと、プランジャ82bは、ソレノイド本体82aに引き寄せられてソレノイド本体82aからの突出量が小さくなる。
連結片563は、略L字型状をなし、プランジャ82bの先端に連結される連結部563aと、保持体562に左右方向に沿って形成されたスリット562aに挿入される突起563bと、回動片564の突起564aが挿通される挿通孔部563cとを有している。連結片563は、連結されたプランジャ82bの動きに連動し、スリット562aが延びる左右方向に沿って移動する。
回動片564は、挿通孔部563cに挿通される突起564aと、保持体562に形成されたスリット562eに挿通される移動突起564bと、可動板561の突起561aが挿通される挿通孔部564cと、保持体562に形成された突起である回転軸部562fが挿通され回動片564を回動可能に保持する挿通孔部564dと、を有している。回動片564の突起564aは、連結片563の左右方向の移動に伴い挿通孔部563cの孔壁に押圧される。これにより、回動片564は、回転軸部562fを中心に回動する。
可動板561は、略矩形状のプレートである可動板本体561cと、可動板本体561cの下面に形成された円柱状の突起561aと、直方体状の対の規制片561b、561dとを有している。突起561aは、保持体562に形成された長孔562bと、回動片564に形成された挿通孔部564cとを連通する。長孔562bの長軸は、前後方向に設定されている。また、規制片561bは前後方向に沿って形成された溝部562cに、規制片561dは前後方向に沿って形成された溝部562dに挿入される。このような構成により、回動軸部562fを中心に回動すると、突起561aは挿通孔部564cの孔壁に押圧される。これにより、可動板561は、長孔562b及び溝部562cの延びる方向(前後方向)に沿って移動する。
このように、ソレノイド82の電流がオン/オフを繰り返すことによりプランジャ82bは左右方向に移動する。このプランジャ82bの移動に伴い、可動板561は、連結片563及び回動片564を介して前後方向に移動する。
カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に入賞して案内されてきた遊技球の流路560aに配置される。カウントスイッチ23は、特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球を検出する。
カバー体530は、例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、メタクリル樹脂等の透明な合成樹脂材にて形成されている。カバー体530は、図9に示すように、パチンコ遊技機1特有の装飾が施された装飾板531と、装飾板531の後面から突出した傾斜面532と、傾斜面532の左方に設けられた凹部である進入口533と、ベース板下部510bに形成された規制片516とともに流下する遊技球の勢いを抑制する規制片537とを有している。
装飾板531の裏面には、複数の凹凸が形成されており、後述するように後方からの光に模様を付すことができる。また、装飾板531の前面には、星形状の星形図形536が描かれている。この星形図形536にも後方から光を照射することにより、星が光っているかのうように視認させることができる。傾斜面532は、左方に向かうにつれ下向きの傾斜を有しており、普通可変入賞球装置6B側の傾斜面522、523とは傾斜方向が異なっている。そして、可動板561がベース板下部510bから突出した状態になると、進入口533の上方は閉じられ、特別可変入賞球装置7は閉鎖状態となる。一方、可動板561がベース板下部510bから突出しない状態になると、進入口533の上方が開放され、特別可変入賞球装置7は開放状態となる。特別可変入賞球装置7が開放状態となると、傾斜面532を左下に流下する遊技球は、進入口533に進入可能となる。
また、進入口533の最下部には、1個の遊技球が落下可能な窪みである案内部533aが形成されている。案内部533aは、後方に向かうにつれ下方に傾斜している。また、案内部533aを補強するともに、進入した遊技球をスムーズに後方へと移動させるために、装飾板531と案内部533aとの隅角部に、リブ534が形成されている。リブ534は、後方に向けて緩やかに下降した緩斜面を有する第1リブ部534aと、後方に向けて大きく下降した急斜面を有する第2リブ部534bとから構成されている。進入口533が、このような案内部533aを有することで、進入口533に進入して案内部533aに落下した遊技球は、後方へと移動し、ベース板下部510bに形成された通過孔515を通り、第2可動装置560にの流路560a(図10)に進入する。そして、遊技球は、第2可動装置560に設けられたカウントスイッチ23(図10)によって検出される。
また、カバー体530の進入口533の下方には、LED基板540の外形に合わせた基板収容部535が形成されている。LED基板540は、カバー体530にねじ止めされ、基板収容部535に収容される。
LED基板540は、図8に示すように、左右方向に並んだ3つのLED541〜543を搭載している。3つのLED541〜543は、演出制御基板12(図2)からの制御データに基づいてランプ制御基板14(図2)により点灯/消灯駆動がされる。3つのLED541〜543が点灯すると、出射された光は装飾板531から外部へされる。装飾板531には装飾が施されているため、出射される光には装飾による模様等が付加される。
次に、入賞球装置ユニット500を流下する遊技球の動きについて説明する。図11は、遊技球装置ユニットを前方から見た斜視図であり、(a)は各入賞球装置が閉鎖状態にある場合、(b)は各入賞球装置が開放状態にある場合である。なお、図11においては、遊技球の動きが理解できるように、カバー体520の一部の図示を省略している。右遊技領域に打ち出され一般入賞球装置24(図1)に入賞しなかった遊技球は、入賞球装置ユニット500の近傍まで流下する。そのうち一部の遊技球は、入賞球装置ユニット500に到達する。なお、遊技領域に打ち出された遊技球は、それぞれが様々な動きをし、同様に動く遊技球はほとんどない。そのため、以下の説明では、遊技球の動きの一例を示すものとする。
まず、入賞球装置ユニット500の各入賞球装置が閉鎖状態にある場合について説明する。図11(a)に示すように、普通可変入賞球装置6Bの傾斜面522に到達した遊技球P1は、傾斜面522を右下に向けて流下する。普通可変入賞球装置6Bは、可動板551が進入口524を塞いだ閉鎖状態にある。そのため、遊技球は可動板551、続いて傾斜面523の上を順に右下に転がる(遊技球P2)。やがて、遊技球は、傾斜面523から下方へと落下し、飛び出し防止部511に衝突する(遊技球P3)。このようにして、普通可変入賞球装置6Bを流下した遊技球は、特別可変入賞球装置7へと移動する。
また、特別可変入賞球装置7は、可動板561が進入口533を塞いだ閉鎖状態にある。そのため、遊技球は、傾斜面532、続いて可動板561の上を順に左下に転がり(遊技球P4)、やがて特別可変入賞球装置7から転がり落ちる(遊技球P5)。なお、可動板561上の遊技球の流路には、カバー体530に形成された規制片537とベース板510に形成された規制片516が交互に突出している。これにより、可動板561の上を転がる遊技球は蛇行しながら流下するため、流下速度は遅くなる。これにより、可動板561上を遊技球が転がる時間を長くすることができ、その間に開放状態になれば進入口533に進入可能となる。これにより、進入口533に入賞しやすくすることができる。
このように、普通可変入賞球装置6Bと特別可変入賞球装置7とは、上下方向に並んで配置されており、普通可変入賞球装置6Bが流下した後に、特別可変入賞球装置7を流下する。そして、普通可変入賞球装置6Bにおける遊技球の流下方向(右下方向)と、特別可変入賞球装置7における遊技球の流下方向(左下方向)とが異なるように構成されている。
これに対し、入賞球装置ユニット500の各入賞球装置が共に開放状態にある場合、図11(b)に示すように、普通可変入賞球装置6Bの傾斜面522に到達した遊技球P6は、傾斜面522の上を右下に向けて流下した後、開放された進入口524に進入する(遊技球P7)。また、普通可変入賞球装置6Bを経ずに、直接特別可変入賞球装置7の傾斜面532に到達した遊技球P8は、傾斜面532の上を左下に流下した後、開放された進入口533に進入する(遊技球P9)。なお、遊技球が傾斜面532の上を勢いよく左下に向けて流下したとしても、交互に形成された規制片516及び規制片537によりその勢いは低減される。これにより、遊技球は、進入口533を飛び越えることなく確実に該進入口533に進入することができる。
次に、LED基板540に搭載されたLED541〜543から出射された光による演出態様について説明する。図12は、LED基板が取り付けられたカバー体を示す図であり、(a)はカバー体の正面図、(b)は(a)中の矢視B−Bで示す断面図である。なお、図12(a)中の破線でハッチングした領域は、装飾板531の後面から突出した部位であり、傾斜面532や案内部533a等を形成する部位を表している。なお、上述したようにカバー体530は透明な材料から構成されており、内部に容易に光が入射可能になっている。また、LED541〜543から出射される光は、様々な方向に進みカバー体530内に入射する。そのため、以下の説明では、光の進み方の一例を示すものとする。
図12(a)、(b)に示すように、星形図形536は、正面視してリブ534に重なるようにカバー体530に設けられている。また、リブ534の下方には、LED541〜543が左右方向に並んで配置されている。LED541〜543から出射された光は、その一部は前方にあるカバー体530の凹凸544(図12(b))で拡散され、そのままカバー体530から前方へ出射される。これにより、図12(a)に示すように、正面視してカバー体530のLED541〜543が位置する箇所を中心にして拡散された光が前方へ出射される。また、LED541〜543から出射された光の一部は、上方の案内部533aに向けて進む。案内部533aに向かった光の一部は、リブ534に入射し、空中との境界面である全反射面534cで全反射する。全反射した光は、カバー体530の星形図形536が形成された領域から前方へと出射される。
なお、リブ534の全反射面534cの形成角度は、全反射される光がカバー体530から遊技者に向けて出射されるように調整される。具体的に調節される全反射面534cの形成角度とは、図12(b)に示す、水平Hに対する全反射面534cの角度θである。この角度θは、LED541〜543の取り付け位置との関係も考慮して適切に決定される。
なお、LED541〜543から光が出射され、出射された光が全反射されて遊技者に届くまでの光路上には、例えば凹凸544のような光を拡散させる部位は存在せず、平坦化された表面しか存在していない。そのため、LED541〜543からの光が拡散されずに直接遊技者に視認されることになる。
このように、LED541〜543からの光を拡散させることなく、遊技者に向けて全反射させる構成とすることにより、リブ534位置で輝く強い光を遊技者に視認させることができる。また、強く光り輝いている部位に、星形図形536を配置することにより、まるで星が輝いているかのような演出を実行することができる。
また、LED541〜543から出射され、案内部533aに向かった光のうち、リブ534に入射しなかった光は、リブ534周囲の案内部533aや、ベース板510に形成された通過孔515(図8)を明るく照射する。この案内部533aや通過孔515は、特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球の流路である。そのため、案内部533aや通過孔515を通過する遊技球によって、照射されていた光が遮られて暗くなる部分が形成される一方、遊技球に光が反射して光輝く部分も形成される。このように、通過する遊技球により、光の見え方を逐一変化させることができ、遊技者を魅了する演出を提供することができる。
次に、遊技盤2の後方に設けられた調整用スイッチ600について説明する。図13は、調整用スイッチの正面図である。調整用スイッチ600は、「0」〜「F」までの計16個のチャンネルを切り替えるスイッチである。店員は、つまみ601を回動操作することで、これらチャンネルを切り替えることができる。各チャンネル「0」〜「F」に対しては、演出における音量および光量の大きさが段階分けされている。チャンネル「0」〜「F」に対応する音量の段階を第1音量段階と称し、チャンネル「0」〜「F」に対応する光量の段階を第1光量段階とも称する。たとえば、チャンネルが「0」であれば、最小の音量に設定される第1音量段階と最小の光量に設定される第1光量段階とに設定される。チャンネルが「F」であれば、最大の音量に設定される第1音量段階と最大の光量に設定される第1光量段階とに設定される。
なお、調整用スイッチ600の操作に基づき店員が設定する音量および光量の大きさに対する段階を第1音量段階および第1光量段階と称するのに対して、遊技者による操作によって、遊技者が設定可能な音量および光量の大きさに対する段階を第2音量段階および第2光量段階とも称する。
演出制御用CPU120は、店員が調整用スイッチ600を操作することにより、LED221〜223、遊技効果ランプ9、及びLED541〜543の光量を調整用スイッチ600のチャンネルに応じた第1光量段階に調整し、スピーカ8L、8Rの音量を調整用スイッチ600のチャンネルに応じた第1音量段階に調整する。また、演出制御用CPU120は、客待ちの状態において遊技者がプッシュボタン31Bなどを操作することにより、調整用スイッチ600のチャンネルに応じて予め定められた光量範囲および音量範囲内のうちのいずれかに調整して、LED221〜223、遊技効果ランプ9、及びLED541〜543の光量、スピーカ8L、8Rの音量を制御する。
図14は、調整用スイッチ600のチャンネルに応じた第1音量段階および第1光量段階と、チャンネルに応じて調整可能に予め定められた光量範囲および音量範囲との関係を説明する。調整用スイッチ600のチャンネルは、「0」〜「F」の16段階に分かれている。つまり、店員が設定する音量および光量の段階(第1音量段階、第1光量段階に対応)は、16段階に分かれている。調整用スイッチ600が操作されてチャンネルが設定されたときには、当該チャンネルに対応して定められている初期表示(音量)および初期表示(光量)欄に記載の音量段階および光量段階が設定される。
たとえば、調整用スイッチ600のチャンネル「0」に対応して、音量の初期表示として「2」、光量の初期表示として「30%」が定められている。また、調整用スイッチ600のチャンネル「9」に対応して、音量の初期表示として「14」、光量の初期表示として「100%」が定められている。
また、各チャンネルには、遊技者の操作により調整可能な音量範囲および光量範囲(実際の音量範囲、実際の光量範囲)が対応付けて定められている。実際の音量範囲および実際の光量範囲のうちから、遊技者の操作に応じて音量段階および光量段階が設定される。なお、図14における実際の音量範囲における括弧内の数字は、遊技者が設定する第2音量段階に対応する音量表示であり、図15に示す設定画面610の音量設定領域610aに示された数字に対応する。音量および光量の値は、大きいほど、音量および光量が大きくなる。
まず、音量について説明する。たとえば、調整用スイッチ600のチャンネルが「0」〜「4」の範囲内で設定されたときには、実際の音量を「2」〜「14」の範囲内から設定可能である。調整用スイッチ600のチャンネルが「5」〜「9」の範囲内で設定されたときには、実際の音量は「10」〜「22」の範囲内から設定可能である。なお、調整用スイッチ600のチャンネルが「A」〜「F」の範囲内で設定されたときには、実際の音量が固定値となる。たとえば、調整用スイッチ600のチャンネルが「A」に設定されたときには、実際の音量は「2」に固定される。
次に、光量について説明する。たとえば、調整用スイッチ600のチャンネルが「0」〜「3」の範囲内で設定されたときには、実際の光量は「30%」、「65%」、および「100%」のいずれかに設定可能である。調整用スイッチ600のチャンネルが「4」〜「9」の範囲内で設定されたときには、実際の光量は「50%」、「75%」、および「100%」のいずれかに設定可能である。なお、調整用スイッチ600のチャンネルが「A」〜「F」の範囲内で設定されたときには、実際の光量が固定値となる。たとえば、調整用スイッチ600のチャンネルが「A」または「B」に設定されたときには、実際の音量は「30%」に固定される。
次に、設定画面610について説明する。図15は、音量および光量の設定画面について説明する。設定画面610は、たとえば、客待ちの状態においてプッシュボタン31Bを操作することにより画像表示装置5に表示される。
設定画面610では、音量設定領域610aにおいて、調整用スイッチ600のチャンネルに応じて調整可能な実際の音量範囲が表示される。これを音量表示ともいう。さらに、現在設定されている音量に対応する数字は、強調表示(点滅表示、選択項目の色を変化させる表示など)される。設定画面610では、光量設定領域610bにおいて、調整用スイッチ600のチャンネルに応じて調整可能な実際の光量範囲が表示される。これを光量表示ともいう。さらに、現在設定されている光量に対応する数字は、強調表示(点滅表示、選択項目の色を変化させる表示など)される。これにより、遊技者は、初期表示の画面(強調表示された数字)を確認することによって、現在の音量および光量を認識することができる。また、遊技者は、所定の変更操作を行うことによって強調表示を移動させ、音量段階および光量段階を変更することができる。たとえば、遊技者は、プッシュボタン31Bを短く押すことによって強調表示を右に移動させることができる。そして、もっとも右に移動した状態からさらにプッシュボタン31Bを押すと、強調表示はMINである左側に飛ぶ。また、プッシュボタン31Bを長く押すことによって、変更させる強調表示を音量設定領域610aにするか光量設定領域610bとするかを選択することができる。
さらに、設定画面610では、キャラクタ演出領域610cにおいて、遊技中に実際に用いられる演出画面の一部が表示され、当該演出をサンプルに用いて遊技者が音量および光量を設定することができる。具体的には、遊技者が第2音量段階を上げれば、味方キャラクタの音声(図15の例では、「参ったか!!」の音声)の音量が上がり、第2音量段階が最大から最少に移行すると、味方キャラクタの音声の音量が下がる。また、遊技者が第2光量段階を上げれば、演出の画面の光量が上がって明るくなり、第2光量段階が最大から最少に移行すると、演出の画面の光量が下がって暗くなる。このように、遊技中の実際の演出を例にして演出中の音量および光量の設定を行うことができるため、遊技者が容易に設定を行いやすい。
以上のように、店員による調整用スイッチ600への操作や遊技者によるプッシュボタン31Bなどへの操作に応じて、演出制御用CPU120は、LED221〜223、遊技効果ランプ9、及びLED541〜543の光量、スピーカ8L、8Rの音量を調整し、当該光量および音量となるように、LED221〜223、遊技効果ランプ9、及びLED541〜543の光量、スピーカ8L、8Rの音量を制御する。具体的に、演出制御用CPU120は、調整後の光量に応じてランプ制御基板14を制御し、調整後の音量に応じて音声制御基板13を制御する。
以上説明したように、本発明の実施形態に係るパチンコ遊技機1では、一般入賞口24bに進入した遊技球の流路が、LED223から出射された光の光路となっている。これにより、一般入賞口24bに進入し流下する遊技球に光を照射する入賞演出を実行することができる。これにより、遊技者は一般入賞口24bに進入した遊技球に気づくことができるとともに、視認される遊技球は光を反射して光り輝くことになる。これにより演出効果を高めることができる。
また、図5に示すように、光を照射され遊技球が光を反射する、矢印Yで示す第1所定領域の前後には、遊技球が光を反射しない区間が設定されている。これにより、LED223を常時発光させていたとしても、一般入賞口24bに進入し流下する遊技球が突然光り輝く入賞演出を実行できる。このような入賞演出は、あたかもセンサ等により遊技球を検出したことに基づいて発光手段を発光させる演出と同様の効果を有する。このように本発明では、センサ等を設けず、制御に負担をかけずに演出効果を高めることが可能となる。
また、第1所定領域を流下する遊技球は、空洞部231a(遊技球の流路及び導光部234に入射する光を遮り暗くする。なお、空洞部231aと導光部234とを照らすLED223は、パチンコ遊技機1の電源が投入されている間、常に発光されている。これにより、空洞部231a及び導光部234に光が照射されていることに慣れている遊技者は、空洞部231a及び導光部234が暗くなったことに気づきやすい。これと同時に、あるいはこの後すぐに、遊技球が光輝く入賞演出を実行することができる。これにより、周囲を暗くしたなかで、遊技球を光輝かせることができるため、演出効果を向上させることができる。
また、遊技球に光を照射する発光手段(装飾体200)は、遊技球が流下する遊技盤面2aの後方に設けられている。これにより、一般入賞口24bに進入しない遊技球には光を照射することなく、一般入賞口24bに進入した遊技球のみに確実に光を照射することができる。これにより、一般入賞口24bに進入し流下する遊技球は突然光を反射し光輝くことができる。これにより、演出効果をより高めることが可能となる。
また、遊技球経路400は、進入口400aの直後からおおよそ90度下方へと流路を変更させた屈曲部400bを有している。そして、この屈曲部400bを通過する遊技球にも光を届かせ該光を反射するようにしている(図5、6参照)。遊技球は、屈曲部400bを通過する際、移動する方向を大きく変えるため移動速度が遅くなる。従って、移動速度が遅くなった分だけ、長い時間にわたり遊技球を光り輝かせることができ、演出効果を高めることができる。また、遊技球の移動方向が大きく変わるため、それに伴い遊技球に反射される光の態様が大きく変化する。このように遊技球の移動に伴い、光の反射態様を変化させることができ演出効果を高めることができる。
また、装飾体200に設けられたLED221〜223は、一般入賞口24bに進入した遊技球に光を照射し該光を反射させるだけでなく、導光部232〜234の光の照射も兼ねている。これにより、遊技球に光を反射させるための発光手段を別途設ける必要がなく、コストを抑制することができる。
また、LED541〜543から出射された光の一部は、図12(b)に示すように上方に向かう。上方に向かった一部の光は、リブ534に入射し、空中との境界面である全反射面534cで全反射させている。この全反射した光は遊技者に向かうように構成されている。これにより、リブ534が設けられた位置で輝く強い光を遊技者に視認させることができ、リブ534を効果的に発光させることができる。
なお、LED541〜543から光が出射され、出射された光が全反射されて遊技者に届くまでの光路上には、例えば凹凸544のような光を拡散させる部位は存在せず、平坦化された表面しか存在していない。そのため、LED541〜543からの光は拡散されずに、直接遊技者に視認されることになる。これにより、リブ534が設けられた位置で輝く強い光を遊技者に視認させることができ、リブ534を効果的に発光させることができる。
また、LED541〜543から出射され、案内部533aに向かった光のうち、リブ534に入射しなかった光は、リブ534周囲の案内部533a、ベース板510に形成された通過孔515(図8)、及び第2可動装置560の流路560a(図10)を明るく照射する。この案内部533a、通過孔515、及び流路560aは、特別可変入賞球装置7に入賞した遊技球の流路である。そのため、案内部533aや通過孔515を通過する遊技球によって、照射されていた光が遮られて暗くなる部分が形成される一方、遊技球に光が反射して光輝く部分も形成される。このように、通過する遊技球により、光の見え方を刻々と変化させることができ、遊技者を魅了する演出を提供することができる。
また、LED541〜543の光は、リブ534、案内部533a、及び通過孔515に向かうだけでなく、その一部は前方にあるカバー体530の凹凸544(図12(b))で拡散され、そのままカバー体530から前方へ出射される。これにより、LED541〜543の光によって様々な部位を発光させることができ、演出効果を高めることができる。
また、強い光を発光するリブ534が形成されている位置に、星形図形536を配置している。これにより、まるで星が輝いているかのような演出を実行することができる。
また、図11に示すように、普通可変入賞球装置6Bにおいて右下方向(第1方向)に流下した遊技球が、特別可変入賞球装置7において右下方向(第1方向)とは異なる左下方向(第2方向)に流下可能な態様で、2つの可変入賞装置を上下方向に並べて配置することにより、可変入賞装置の設置場所を確保しやすくすることができる。
また、普通可変入賞球装置6Bにおける遊技球の流下方向(右下方向)と、特別可変入賞球装置7における遊技球の流下方向(左下方向)とが逆方向であることにより、遊技球の流下方向の逆方向への変更時に一旦流下速度が0になる等、流下方向の逆方向への変更に基づいて、特別可変入賞球装置7を流下する遊技球を減速させることが可能となる。
また、ベース体510に形成された規制片516と、カバー体530に形成された規制片536とを交互に流路に突出させることにより、特別可変入賞球装置7を流下する遊技球の勢いが抑制される。これにより、可動板561が閉鎖しているときの特別可変入賞球装置7における遊技球の滞在期間を長期化することができる。これにより、特別可変入賞球装置7において遊技球をより一層入賞させやすくすることができる。
また、前述した実施の形態におけるパチンコ遊技機1には、LEDなどの発光手段として、遊技の進行に応じて制御される発光手段(第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、及び普図保留表示器25Cを構成する各LEDなど)と、演出の進行に応じて制御される発光手段(LED221〜223、遊技効果ランプ9、LED541〜543など)とが搭載されている。店員による調整用スイッチ600への操作や遊技者によるプッシュボタン31Bなどへの操作に応じて、発光手段のうち演出の進行に応じて制御される発光手段の光量については調整可能である一方、遊技の進行に応じて制御される発光手段の光量については調整できないように構成されている。このため、遊技の進行に応じて制御される発光手段の光量が調整されることにより遊技の進行が阻害されてしまうといった不都合の発生を防止できる。その結果、LED221〜223、遊技効果ランプ9、LED541〜543などの光量を適切に調整可能としつつ、遊技者に不満感を抱かせてしまうことを防止できる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。上記実施の形態では、一般入賞球装置24に進入した遊技球にLED223からの光を反射させていたが、遊技領域10を流下する遊技球が進入可能な他の進入口であっても、同様にこの発明を適用できる。例えば、普通入賞球装置6A等の他の入賞球装置であってよいし、いずれの入賞球装置にも入賞しなかった遊技球が進入するアウト口であってもよいし、遊技球を所定位置まで導くためのワープ経路であっても本発明を適用することができる。
また、一般入賞装置24に進入した遊技球に光を照らす光学手段としてLED223のみを説明したが、互いに異なる色の光を発光する複数のLEDを設けて、様々な色の光で、遊技球、流下路、及び導光部234を照射するようにしてもよい。また、色の変化を刻々と変化させてもよいし、出射する光の量も変化させてもよい。あるいは、大当り中や、リーチ演出中といった特定の場面のみに照射する照射する光の色や量を変化させるようにしてもよい。
また、遊技球に光を照射する発光手段と、遊技球の流路との関係についても、上記実施の形態に限定されない。入賞球装置に進入した遊技球の流路内に光を照射する光学手段があれば、入賞球装置に進入した遊技球は光を反射することが可能である。また、光学手段による光の照射範囲も、入賞球装置に進入後の流路に限定されていることが好ましいが、進入直前の遊技球に光が当たり反射する態様であってもよい。図16は、一般入賞口の近傍に光学手段が取り付けられた他の例を説明するための説明図である。図16では、説明するLEDの全てを1つの図に記している。例えば、LED701に示すように、一般入賞口24bを構成する前面の流路壁に光学手段を取り付けてもよいし、LED702に示すように下面の流路壁に光学手段を取り付けてもよい。これにより、遊技球は、一般入賞口24bに進入した後すぐに、照射された光を反射する。また、LED703に示すように流路壁の上面に取り付けてもよいし、LED704に示すように遊技球経路400に取り付けてもよい。これにより、一般入賞口24bに進入後の遊技球に光が照射され、該光が遊技球表面で反射される。これらのように、遊技球の流下路を形成する壁体に直接光学手段をとりつけてもよい。これにより、流下する遊技球に、近くで発光する光学手段からの光を照射することができ、遊技球を光輝かせることができる。また、LED705に示すように、遊技盤面2aに突出部706を形成し、この突出部706に光学手段を設けてもよい。これにより、一般入賞口24bに進入する直前の遊技球にも光を照射することができる。
このように、光学手段を取り付ける位置としての第1所定領域や一般入賞口の「近傍」とは、第1所定領域を通る遊技球や、一般入賞口に進入する遊技球に、光学手段から発せられた光が反射されて、遊技球が輝いているとの印象を与える程度に近いという意味である。そのためには、光学手段と、第1所定領域を通る遊技球や一般入賞口に進入する遊技球とが隣接するような距離であったり、両者の距離が遊技球直径の数個分(例えば3個)以内であったりすることが好ましい。あるいは、第1所定領域を通る遊技球や一般入賞口に進入する遊技球に光を照射する光学手段であるため、その他の演出用の光学手段よりも、第1所定領域や一般入賞口から近い位置に配置されていることが好ましい。これにより、光学手段から発せられた光によって、遊技球を光輝かせることができる。
また、遊技球に光を照射する図5等に示すLED223、及び図16に示すLED701〜705のうちから複数のLEDをパチンコ遊技機1に設置してもよい。これにより、一般入賞球装置24に進入する直前の遊技球から、屈曲部400bを通過した後の遊技球まで、光を照射することができる。また、設置した複数のLEDの発光色を異ならせることで、流下する遊技球が反射する光の色を変化させることができる。これにより、流下する遊技球が反射する光の色を変化させることができ、演出効果を向上させることができる。
また、図12に示すように、光を全反射するリブ534は、特別可変入賞球装置7に設けられていると説明したが、遊技領域10を流下する遊技球が進入可能な他の進入口であっても同様に適用可能である。例えば、図6に示す一般入賞球装置24に形成されたリブ24cの近傍に光学手段を配置し、出射した光をリブ24cで反射させる態様であってもよい。また、遊技球を所定箇所まで導くためのワープ路の入口に形成されたリブに光を照射する態様であってもよい。
なお、リブと、リブに光を照射する光学手段との位置関係は、図12に示すような関係に限定されない。例えば、光学手段を、リブの真下(例えば、矢視B−Bを示すライン上)に設けてもよい。これにより、光学手段からの光を、直接リブに入射しやすくすることができる。このように配置した光学手段からの光を、遊技者に向けて反射させるためには、リブの全反射面の向きと光学手段位置とは所定の位置関係にある必要がある。本発明では、これらの位置関係を適切に設定することにより、光学手段の光をリブで反射させた明るい光を視認させることができる。
また、リブに光を照射するLED541、LED542、及びLED543が発する光の色については特に言及しなかったが、同色の光を発光するLEDであってもよいし、互いに異なる色の光を発光するLEDであってもよい。例えば、図12に示すように、リブ534から略等距離にあるLED541及びLED542において、LED541を赤色LEDとし、LED542を青色LEDとしてもよい。これにより、リブ534で反射される光を、赤色と青色とを混色させた赤紫色とすることができ、星形図形536から赤紫色の光が光っているかのように視認させることができる。また、互いに異なる色の光を発するLEDを、リブ534の近傍に3個以上設け、発光するLEDを制御することで、リブ534で反射される光の色を変化させてもよい。これにより、遊技者を魅了する演出を実行することができる。
また、カバー体530において、強く光り輝くリブ534の位置に星形図形536を配置したが、他の図形を配置してもよく、例えば太陽の図やライトの図であってもよいし、不規則な凹凸をカバー体530の前面に形成して、光を拡散して出射させるようにしてもよい。
また、前述した実施の形態では、光量及び音量の調整手段として、演出制御基板12に搭載された演出制御用CPU120を例示した。しかし、調整手段は、これに限らず、音声制御基板13に搭載されている回路やランプ制御基板14に搭載されている回路であってもよい
また、主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100が遊技の進行に応じて演出内容を決定するとともに、パチンコ遊技機1に搭載されているLEDなどの発光手段のうち、遊技の進行に応じて制御される発光手段(第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、及び普図保留表示器25Cを構成する各LED)と、演出の進行に応じて制御される発光手段(LED221〜223、遊技効果ランプ9、LED541〜543)との双方を制御するようにしてもよい。この場合においても、遊技の進行に応じて制御される発光手段ではなく、演出の進行に応じて制御される発光手段のみの光量を調整するようにしてもよい。調整手段として、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ100が調整後の光量に応じて演出の進行に応じて制御される発光手段を制御してもよく、また、ランプ制御基板14が調整後の光量に応じて演出の進行に応じて制御される発光手段を制御するようにしてもよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100により制御される発光手段は、遊技の進行に応じて制御されるすべての発光手段と、演出の進行に応じて制御される一部またはすべての発光手段とを含むものであってもよい。このように構成した場合においても、前述した実施の形態と同様の効果を奏する。
前述した実施の形態においては、調整対象である発光手段の発光態様として、輝度に相当する光量を例示した。しかし、発光態様としては、光量に限らず、発光色や、発光させる発光手段(LED)の個数、発光させる期間、および、これらの組合せなどであってもよい。これにより、調整手段により調整される態様を豊富にすることができる。
また、例えば、パチンコ遊技機1に隣接して配置されたカードユニットからのエラーコマンド等を受信した主基板11が、接続されたスピーカ(不図示)から警告音を発する構成を有している場合、該スピーカは遊技の進行に応じて制御されるスピーカ(不図示)である。このような、遊技の進行に応じて制御されるスピーカ(不図示)の音量は調整することができない。一方で、演出の進行に応じて制御されるスピーカ(8L、8R)は、店員による調整用スイッチ600への操作や遊技者によるプッシュボタン31Bなどへの操作に応じて調整可能である。
また、上記実施の形態では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態及び各変形例に示した構成、後述の形態例及び各変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等な意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の遊技機としては、他にも、遊技が可能な遊技機であって、遊技媒体が通過可能な所定領域(例えば、図5に示す、矢印Yで示す流路の範囲である第1所定領域)と、前記所定領域に前記遊技媒体が通過したか否かに関わらず発光可能な発光手段(例えば、LED223)と、を備え、前記発光手段は、発した光が前記所定領域を通過する前記遊技媒体に反射するように該所定領域の近傍に設けられ(例えば、図5、6に示すように、LED223は、出射した光が遊技球に反射される位置に設けられる)、さらに、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)への制御の期待度を示唆する示唆表示として、表示サイズが第1サイズである第1示唆表示(図29(a)に示すシャッター演出時に表示する第1サイズのシャッター画像9094による表示等)と、表示サイズが第2サイズである第2示唆表示(図29(d)に示すリーチタイトル演出時に表示する第2サイズのリーチタイトル画像9095等)による表示とを表示可能な表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100,演出表示装置909等)を備え、前記表示手段は、態様の異なる複数種類の要素(図29(a),(d)に示す要素E901(バナナ),要素E902(メロン),要素E903(リンゴ),要素E904(スイカ),要素E905(イチゴ)等)を含んで構成された特定画像(図29(a),(d)に示すフルーツ柄等)を表示可能であり、前記特定画像を含むパターンにて前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれを表示するときにも、複数種類の要素が前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれにも含まれるように表示する(図29(a),(d)に示すシャッター画像9094、リーチタイトル画像9095のいずれにも要素E901〜E905が含まれるように表示する等)遊技機が挙げられる。
このような構成によれば、簡易な構成で演出効果を高めることができる。また、示唆表示の表示サイズに関わらず特定画像を好適に表示することができる。これにより、特定画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、上記遊技機において、第1示唆表示や第2示唆表示が表示されているときには、発光手段の発光態様を特定の発光態様としてもよい。このような構成によれば、第1示唆表示や第2示唆表示が表示されていることを遊技者に認識させやすくすることができる。
さらに、簡易な構成で演出効果を高めることができ、また、示唆表示の表示サイズに関わらず特定画像を好適に表示することができ、特定画像が表示されたことを正確に伝えることができる遊技機の形態の一例として、遊技者にとって有利な有利状態(大当り遊技状態等)に制御可能な遊技機(パチンコ遊技機901等)であって、前記有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示として、表示サイズが第1サイズである第1示唆表示(図29(a)に示すシャッター演出時に表示する第1サイズのシャッター画像9094による表示等)と、表示サイズが第2サイズである第2示唆表示(図29(d)に示すリーチタイトル演出時に表示する第2サイズのリーチタイトル画像9095等)による表示とを表示可能な表示手段(演出制御用マイクロコンピュータ90100,演出表示装置909等)を備え、前記表示手段は、態様の異なる複数種類の要素(図29(a),(d)に示す要素E901(バナナ),要素E902(メロン),要素E903(リンゴ),要素E904(スイカ),要素E905(イチゴ)等)を含んで構成された特定画像(図29(a),(d)に示すフルーツ柄等)を表示可能であり、前記特定画像を含むパターンにて前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれを表示するときにも、複数種類の要素が前記第1示唆表示および前記第2示唆表示のいずれにも含まれるように表示する(図29(a),(d)に示すシャッター画像9094、リーチタイトル画像9095のいずれにも要素E901〜E905が含まれるように表示する等)遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。なお、この他の形態例を「実施の形態」ということがある。図17はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。図18は当り種別表である。
パチンコ遊技機901は、遊技媒体としての遊技球を遊技領域907に打込んで遊技が行なわれる遊技機である。パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取付けられる機構板(図示せず)と、それらに取付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。パチンコ遊技機901では、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に打込んで遊技が行なわれる。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904、および、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905等が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取付けられている。遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
余剰球受皿(下皿)904を形成する部材には、たとえば下皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえば下皿の中央部分)等に、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒する操作が可能なスティックコントローラ90122が取付けられている。なお、スティックコントローラ90122には、遊技者がスティックコントローラ90122の操作桿を操作手(たとえば左手等)で把持した状態において、所定の操作指(たとえば人差し指等)で押引操作すること等により所定の指示操作が可能なトリガボタン90125(図19参照)が設けられ、スティックコントローラ90122の操作桿の内部には、トリガボタン90125に対する押引操作等による所定の指示操作を検知するトリガセンサ90121(図19参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ90122の下部における下皿の本体内部等には、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット90123(図19参照)が設けられている。また、スティックコントローラ90122には、スティックコントローラ90122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ90126(図19参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)903を形成する部材には、たとえば上皿本体の上面における手前側の所定位置(たとえばスティックコントローラ90122の上方)等に、遊技者が押下操作等により所定の指示操作を可能なプッシュボタン90120が設けられている。プッシュボタン90120は、遊技者からの押下操作等による所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン90120の設置位置における上皿の本体内部等には、プッシュボタン90120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ90124(図19参照)が設けられていればよい。図17に示す構成例では、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン90120及びスティックコントローラ90122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン90120とスティックコントローラ90122との取付位置が上下の位置関係にはなく、たとえば左右の位置関係にあるものとしてもよい。なお、操作手段としては、レバースイッチ、および、ジョグダイヤル等のその他の操作手段を設けてもよい。
遊技領域907の中央付近には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄を変動表示(可変表示ともいう)可能な表示手段としての演出表示装置909が設けられている。遊技領域907における演出表示装置909の右側方には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示部)908aと、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示部)908bとが設けられている。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、数字および文字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で構成されている。演出表示装置909は、液晶表示装置(LCD)で構成されており、表示画面において、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示に同期した演出図柄の変動表示を行なう演出図柄表示領域が設けられる。演出図柄表示領域には、たとえば左,中,右の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を変動表示する図柄表示エリアが形成される。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(変動表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bのそれぞれは、主基板(遊技制御基板)に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行され、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の変動表示が実行されているときに、その変動表示に伴なって演出表示装置909で演出表示が実行されるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
より具体的には、第1特別図柄または第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(たとえば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、変動表示の開始条件(たとえば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲート等の予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
第1特別図柄表示器908aに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、または、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときには、演出表示装置909においても、特定表示結果としての大当り表示結果(大当り図柄の組合せ)が導出表示される。このように変動表示の表示結果として特定表示結果が表示されたときには、遊技者にとって有利な価値(有利価値)が付与される有利状態としての特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御される。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(たとえば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(たとえば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組合せ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動表示したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これら状態をリーチ状態という。)で行なわれる演出をリーチ演出という。
ここで、リーチ状態は、演出表示装置909の表示領域において停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄の変動表示が継続している表示状態、または、全部もしくは一部の演出図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動表示している表示状態である。言い換えると、リーチとは、複数の変動表示領域において識別情報が特定表示結果を構成しているが少なくとも一部の変動表示領域が変動表示中である状態をいう。この実施形態において、リーチ状態は、たとえば、左,右の図柄表示エリアで同じ図柄が停止し、中の図柄表示エリアで図柄が停止していない状態で形成される。リーチ状態が形成されるときの左,右の図柄表示エリアで停止された図柄は、リーチ形成図柄、または、リーチ図柄と呼ばれる。
そして、リーチ状態における表示演出が、リーチ演出表示(リーチ演出)である。また、リーチの際に、通常と異なる演出がランプや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、演出表示装置909の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別のリーチをスーパーリーチという。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。したがって、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
第2特別図柄表示器908bの上方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第2特別図柄保留記憶表示器9018bのさらに上方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(たとえば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行なう。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置909における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組合せが停止表示される。
また、演出表示装置909の表示画面における下部の位置には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数(合算保留記憶数)を表示する保留記憶表示部(合算保留記憶表示部、保留表示エリア、図示せず)が設けられる。合算保留記憶表示部では、保留記憶表示として保留記憶数をたとえば所定画像の表示個数により特定可能な保留記憶画像(保留記憶情報のそれぞれに対応して1つずつ保留記憶画像を表示することにより、保留記憶数を特定する。)が表示される。このように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられていることによって、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、および、演出表示装置909のそれぞれにおいて、保留記憶数を示すための発光表示および画像表示は、保留表示、または、保留記憶表示と呼ばれる。
また、図17に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置9020が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。これにより、繰返し継続制御は、ラウンド制御とも呼ばれる。本実施の形態では、大当りの種別が複数設けられており、大当りとすることが決定されたときには、いずれかの大当り種別が選択される。
演出表示装置909の左方には、各々を識別可能な普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010が設けられている。この実施の形態では、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、普通図柄表示器9010は、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、小型の表示器は、たとえば方形状に形成されている。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の変動表示が開始される。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄。たとえば、図柄「7」。)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ遊技者にとって不利な閉状態から遊技者にとって有利な開状態に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の変動表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。
また、演出表示装置909の上方には、役物9012が設けられている。役物9012は、遊技盤906と演出表示装置909との間に位置し、役物モータ9017によって位置を変位することが可能である。役物9012は、通常は遊技者から視認し難い場所に位置し、所定の演出が実行されるときに遊技者から視認可能な位置(たとえば、演出表示装置909の前方の位置)に移動する。
遊技盤906の下部には、入賞しなかった打球が取込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部および左右下部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する4つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、単に「カードユニット」ともいう。)が、パチンコ遊技機901に隣接して設置される(図示せず)。
図18の当り種別表においては、大当りにおける当りの種別ごとに、大当り遊技状態の終了後の大当り確率、大当り遊技状態の終了後のベース、大当り遊技状態終了後の変動時間、大当りにおける開放回数(ラウンド数)、および、各ラウンドの開放時間が示されている。
具体的に、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置9020が、開放状態とされた後、所定の開放状態の終了条件(開放状態において所定期間(たとえば29秒間)が経過したこと、または、所定個数(たとえば10個)の入賞球が発生したという開放終了条件)が成立したことに応じて閉鎖状態とされる。そして、開放終了条件が成立すると、継続権が発生し、特別可変入賞球装置9020の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、大当り遊技状態における開放回数が予め定められた上限値となる15ラウンド(最終ラウンド)に達するまで繰返される。
「大当り」のうち、大当り遊技状態に制御された後、特別遊技状態として、通常状態(確変状態でない通常の遊技状態)に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(確率変動状態の略語であり、高確率状態ともいう)に移行する大当りの種類(種別)は、「確変大当り」と呼ばれる。また、本実施の形態では、特別遊技状態としては、確変状態に付随して、特別図柄や演出図柄の変動時間(変動表示期間)が非時短状態よりも短縮される時短状態に制御される場合がある。なお、特別遊技状態としては、確変状態とは独立して時短状態に制御される場合があるようにしてもよい。
このように、時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、時短状態となったときには、有効な始動入賞が発生しやすくなり大当り遊技が行なわれる可能性が高まる。なお、「大当り」のうち、15ラウンドの大当り遊技状態に制御された後、確変状態に移行しない大当りの種類(種別)は、「通常大当り」と呼ばれる。
また、特別遊技状態としては、確変状態または時短状態に付随して、可変入賞球装置9015が開状態になる頻度を高くすることにより可変入賞球装置9015に遊技球が進入する頻度を高くして可変入賞球装置9015への入賞を容易化(高進入化、高頻度化)する電チューサポート制御状態に制御される場合がある。電チューサポート制御状態は、後述するように高ベース状態であるので、以下の説明においては、主として高ベース状態と呼ぶ。
ここで、電チューサポート制御について説明する。電チューサポート制御としては、普通図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御(普通図柄短縮制御)、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率を高める制御(普通図柄確変制御)、可変入賞球装置9015の開放時間を長くする制御(開放時間延長制御)、および、可変入賞球装置9015の開放回数を増加させる制御(開放回数増加制御)が行なわれる。このような制御が行なわれると、当該制御が行なわれていないときと比べて、可変入賞球装置9015が開状態となっている時間比率が高くなるので、第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まり、遊技球が始動入賞しやすくなる(特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における変動表示の実行条件が成立しやすくなる)。この制御によって第2始動入賞口9014への入賞頻度が高まることにより、第2始動条件の成立頻度および/または第2特別図柄の変動表示の実行頻度が高まる遊技状態となる。
電チューサポート制御により第2始動入賞口9014への入賞頻度が高められた状態(高頻度状態)は、発射球数に対して入賞に応じて賞球として払出される遊技球数の割合である「ベース」が、当該制御が行なわれないときと比べて、高い状態であるので、「高ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御が行なわれないときは、「低ベース状態」と呼ばれる。また、このような制御は、可変入賞球装置9015、すなわち、電動チューリップにより入賞をサポートすることにより可変入賞球装置9015への入賞を容易化する制御であり、「電チューサポート制御」と呼ばれる。
この実施の形態においては、大当り確率の状態を示す用語として、「高確率状態(確変状態)」と、「低確率状態(非確変状態)」とを用い、ベースの状態の組合せを示す用語として、「高ベース状態(電チューサポート制御状態)」と、「低ベース状態(非電チューサポート制御状態)」とを用いる。
また、この実施の形態においては、大当り確率の状態およびベースの状態の組合せを示す用語として、「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、および、「高確高ベース状態」を用いる。「低確低ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が低ベース状態であることを示す状態である。「低確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が低確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。「高確高ベース状態」とは、大当り確率の状態が高確率状態で、かつ、ベースの状態が高ベース状態であることを示す状態である。
図18に示すように、15ラウンドの大当りとしては、通常大当りと確変大当りとの複数種類の大当りが設けられている。通常大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、非確変状態、時短状態、および、高ベース状態(低確高ベース状態)に制御される大当りである。通常大当りにおいては、非確変状態が次回の大当りが発生するまでの期間継続し、時短状態、および、高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。なお、通常大当りは、非確変状態、非時短状態、および、非電チューサポート制御状態(低確低ベース状態)に制御される大当りとなるように制御するものであってもよい。
確変大当りは、15ラウンドの大当り遊技状態の終了後に、確変状態、時短状態、および、高ベース状態(高確高ベース状態)に移行する制御が行なわれる大当りである。確変大当りにおいては、このような高確高ベース状態が、変動表示が100回という所定回数実行されるまでという条件と、次回の大当りが発生するまでという条件とのいずれか早い方の条件が成立するまでの期間継続する。
図19は、主基板(遊技制御基板)および演出制御基板における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図19には、払出制御基板9037等も示されている。主基板9031には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムにしたがって制御動作を行なうCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ROM9054およびRAM9055が内蔵された1チップマイクロコンピュータである。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路90503が内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板(図示省略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムにしたがって制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路90503は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路90503は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路90503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。
また、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014a、カウントスイッチ9023からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令にしたがって駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を変動表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう。
演出制御基板9080は、演出制御用マイクロコンピュータ90100、ROM90102、RAM90103、VDP90109、および、I/Oポート部90105等を搭載している。ROM90102は、表示制御等の演出制御用のプログラムおよびデータ等を記憶する。RAM90103は、ワークメモリとして使用される。ROM90102およびRAM90103は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に内蔵されてもよい。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行なう。
演出制御用マイクロコンピュータ90100は、主基板9031から演出制御基板9080の方向への一方向にのみ信号を通過させる中継基板9077を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出表示装置909の変動表示制御を行なう他、ランプドライバ基板9035を介して、枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行なうとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行なう等、各種の演出制御を行なう。
また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122のトリガボタン90125に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ90121から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、プッシュボタン90120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ90124から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、スティックコントローラ90122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット90123から、I/Oポート部90105の入力ポートを介して入力する。また、演出制御用CPU90101は、I/Oポート部90105の出力ポートを介してバイブレータ用モータ90126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ90122を振動動作させる。また、演出制御用CPU90101は、モータ駆動回路(図示省略)を介して役物モータ9017を駆動して役物9012を動作させる。
図20は、各乱数を示す説明図である。図20においては、乱数の種別、更新範囲、用途、および、加算条件が示されている。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダムR´:大当りにするか否かを判定する当り判定用のランダムカウンタである。ランダムR´は、10MHzで1ずつ更新され、0から加算更新されてその上限である65535まで加算更新された後再度0から加算更新される。(2)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(種別、通常大当り、および、確変大当りのいずれかの種別)および大当り図柄を決定する(大当り種別判定用、大当り図柄決定用)。(3)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)。(4)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)。(5)ランダム4´(MR4´):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)。(6)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)。
この実施の形態では、特定遊技状態である大当りとして、通常大当り、および、確変大当りという複数の種別が含まれている。したがって、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値に基づいて、大当りとする決定がされたときには、大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当りの種別が、これらいずれかの大当り種別に決定される。さらに、大当りの種別が決定されるときに、同時に大当り種別判定用乱数(ランダム1´)の値に基づいて、大当り図柄も決定される。したがって、ランダム1´は、大当り図柄決定用乱数でもある。
また、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴にしたがってグループ化したものである。変動パターン種別には、1または複数の変動パターンが属している。変動パターン種別は、変動種別と呼ばれる場合もある。
この実施の形態では、変動パターンが、リーチを伴なわない変動パターン種別である通常変動パターン種別と、リーチを伴なう変動パターン種別であるリーチ変動パターン種別とに種別分けされている。
このような変動パターン種別は、表示結果がはずれとなる場合に、時短状態であるときと、時短状態でないときとで、変動パターン種別の選択割合が異なるように設定されていることにより、時短状態であるときには、時短状態でないときと比べて、変動時間が短縮される。たとえば、時短状態では、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間を短くするために、所定の変動パターンの変動時間が時短でないときよりも短く設定されたり、変動パターン種別のうち最も変動時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなり、リーチ種別が選択されるときでも変動パターン種別のうち最も変動時間が短いノーマルリーチの変動パターンが選択される割合が高くなるように設定されたりすることで、時短状態でないときと比べて、変動時間の平均時間が短くなる。
なお、このような変動パターン種別は、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときと、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、変動表示をする各特別図柄の保留記憶数が所定数以上であるときには、各特別図柄の保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動表示時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。たとえば、保留数短縮制御状態では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、通常変動パターン種別のような変動表示時間が短い変動パターン種別が選択される割合が高くなるように設定されることで、保留数短縮制御状態でないときと比べて、変動表示時間の平均時間が短くなるようにしてもよい。また、保留数短縮制御では、保留数短縮制御状態でないときと比べて、同じ変動パターン種別が選択される場合でも、その変動パターン種別の変動表示時間自体を短くしてもよい。
また、変動パターンは、変動パターン種別を決定してから変動パターンを決定する2段階の決定方法ではなく、1回の乱数抽選により変動パターンが決定される1段階の決定方法としてもよい。
図21は、大当り判定テーブルおよび大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図21(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態、すなわち非確変状態)において用いられる通常時(非確変時)大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。
通常時大当り判定テーブルには、図21(A)の左欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定され、確変時大当り判定テーブルには、図21(A)の右欄に記載されている各数値が大当り判定値として設定されている。確変時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値は、通常時大当り判定テーブルに設定された大当り判定値と共通の大当り判定値(通常時大当り判定値または第1大当り判定値という)に、確変時固有の大当り判定値が加えられたことにより、確変時大当り判定テーブルよりも多い個数(10倍の個数)の大当り判定値(確変時大当り判定値または第2大当り判定値という)が設定されている。これにより、確変状態には、通常状態よりも高い確率で大当りとする判定がなされる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路90503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値と比較するのであるが、大当り判定用乱数値が図21(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(通常大当り、または、確変大当り)にすることに決定する。なお、図21(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。
図21(B),(C)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブルを示す説明図である。図21(B)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことに基づく保留記憶(第1保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第1特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第1特別図柄大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)である。図21(C)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことに基づく保留記憶(第2保留記憶ともいう)を用いて大当り種別を決定する場合(第2特別図柄の変動表示が行なわれるとき)に用いる第2特別図柄大当り種別判定テーブルである。
図21(B)、および、図21(C)の第1,第2特別図柄大当り種別判定テーブルのそれぞれは、変動表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」と「確変大当り」とのうちのいずれかに決定するとともに、大当り図柄を決定するために参照される。
図21(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。図21(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。
また、図21(B),(C)に示すように、大当り種別判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄を決定する判定値(大当り図柄判定値)としても用いられる。「通常大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「3」に対応した判定値としても設定されている。「確変大当り」に対応した判定値は、第1特別図柄および第2特別図柄の大当り図柄の「7」に対応した判定値としても設定されている。
大当り種別判定テーブルを用いて、CPU56は、大当り種別として、ランダム1´の値が一致した大当り種別判定値に対応する種別を決定するともに、大当り図柄として、ランダム1´の値が一致した大当り図柄を決定する。これにより、大当り種別と、大当り種別に対応する大当り図柄とが同時に決定される。
図21(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルと図21(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルとは、確変大当りに決定される割合が同じである。このような場合には、第1特別図柄と第2特別図柄とで大当り種別判定テーブルを分けなくてもよい。また、大当り種別として、大当り遊技状態での最大ラウンド数が異なる複数種類の大当りのうちから大当り種別を選択するときには、図21(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図21(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、ラウンド数が多い大当り種別が選択される割合が高くなるように設定してもよい。このようにすれば、高ベース状態において、大当りの種別選択が遊技者にとって有利となり、遊技の興趣を向上させることができる。また、図21(C)の第2特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、図21(B)の第1特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合を高くしてもよい。そうすることにより、第2特別図柄の変動表示の方が、第1特別図柄の変動表示よりも、確変大当りとなる割合を高くすることができる。また、第1特別図柄大当り種別判定テーブルの方が、第2特別図柄大当り種別判定テーブルよりも、確変大当りに決定される割合が高くなるようにしてもよい。
次に、図22を用いて、遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、特別図柄および演出図柄の変動パターンを選択決定するために用いる変動パターンテーブルについて説明する。図22は、変動パターンを決定するために用いる変動パターンテーブルを表形式で示す図である。
図22には、(a)に通常状態はずれ時判定テーブル、(b)に時短状態はずれ時判定テーブルが示されている。また、(c)に通常大当り時判定テーブル、(d)に確変大当り時判定テーブルが示されている。図22(a)〜(d)の各判定テーブルは、ROM9054に記憶されており、遊技状態に応じて選択され、変動パターン種別および変動パターンを判定(決定)するために用いられる。
図22に示す判定テーブルは、ランダム2´と変動パターン種別との関係を示す変動パターン種別判定テーブルと、各変動パターン種別についてランダム3´と各種別に属する変動パターンとの関係を示す変動パターン判定テーブルとを含む。
図22の各テーブルでの「変動パターン種別」または「変動パターン」の欄において、「通常」または「通常変動」は、リーチとならない通常変動パターンを示す。
また、図22の各テーブルでの「ノーマルリーチ」は、リーチ状態となったときに特に派手な演出を実行しないノーマルリーチの変動パターンを示している。「スーパーリーチ」は、リーチ状態となったときに特別な演出画像を表示するリーチ演出を行なう変動パターンを示している。
また、前述したように、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて大当りとなるときに選択される割合が高く、大当りとなる信頼度が高い変動パターンである。さらに、「スーパーリーチ」は、「ノーマルリーチ」と比べて変動時間が長い(たとえば、ノーマルリーチ10秒、スーパーリーチ50秒〜80秒)変動パターンである。なお、スーパーリーチには、4種類の変動パターンが設定されており、第1スーパーリーチ<第2スーパーリーチ<第3スーパーリーチ<第4スーパーリーチとなるような関係で大当り期待度(大当りとなる可能性)が高いことを示す。
なお、“期待度”とは、大当りに対する期待度、確変に対する期待度等を含む概念である。具体的には、大当りに対する期待度(信頼度ともいう)とは、各リーチ変動パターンが選択された場合に大当りとなる期待度(大当りとなる割合)であり、たとえば、リーチ変動が100回行なわれた場合に60回大当りとなるのであれば、大当りに対する期待度が60%(大当りが出現する出現率(確率)が60%)となる。また、確変に対する期待度とは、確変状態に移行する期待度(確変となる割合)のことをいう。
パチンコ遊技機901では、識別情報としての演出図柄、および、第1,第2特別図柄のそれぞれの変動表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまで、演出表示装置909において、所定の演出態様としての擬似連と呼ばれる演出(以下、擬似連演出と称する)が実行される場合がある。擬似連とは、本来は1つの保留記憶に対応する1回の変動であるものを、複数の保留記憶に対応する複数回の変動が連続して行なわれているように見せる演出表示である擬似連続変動を示す略語である。
また、擬似連とは、1の始動入賞に対して、あたかも複数回の図柄の変動表示(可変表示)が実行されたかのように見せるために、1の始動入賞に対して決定された変動時間内にて、全部の図柄列(左,中,右)について仮停止と、再変動とを所定回数実行する(繰り返す)特殊な変動パターン(変動表示パターンともいう)のことを指す。たとえば、再変動の繰返し実行回数(初回変動およびその後の再変動を含む合計の変動回数であり、擬似連変動回数ともいう)が多い程、大当りとなる信頼度(大当りとなるときとはずれとなるときとを含むすべての選択割合に対して大当りとなるときに選択される割合の度合い、大当りとなる割合の程度、すなわち、大当りとなる信頼性の度合い)が高くなる。より具体的には、大当りと決定されたときに選択される割合が高くなることで、大当り遊技状態となるか否かを擬似連演出により示唆する。擬似連の変動パターンでは、演出表示装置909において通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄に含まれない擬似連図柄(たとえば、所定の文字またはキャラクタ等が付された図柄(数字が付されていない図柄、擬似連専用図柄とも称する))が仮停止する。なお、擬似連においては、通常的に変動表示(基本的に変動表示)する演出図柄(本実施形態では数字図柄)が仮停止してもよい。演出表示装置909において仮停止される図柄の組合せが、仮停止図柄の組合せと呼ばれる。仮停止図柄の組合せは、大当り図柄の組合せ以外の図柄の組合せよりなる複数種類のチャンス目(以下、擬似連出目(擬似連チャンス目)という)のうちからいずれかの擬似連チャンス目に決定されるようにすればよい。
また、パチンコ遊技機901では、演出図柄が滑る演出が行なわれる場合がある。ここで、滑りとは、変動表示において図柄の停止直前に図柄を停止予測位置から滑らせる演出表示をいう。第2スーパーリーチにおいては、その後、左右の図柄表示エリアにおいてはずれ出目(はずれ図柄の組合せ)で仮停止していた2つの演出図柄のうち一方が滑った後停止することによりリーチ出目(リーチ図柄の組合せ)を形成し、リーチ演出が実行されるような演出である。
なお、はずれ時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「はずれ」の表示結果となる変動パターンである。通常大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「通常大当り」の表示結果となる変動パターンである。確変大当り時判定テーブルに示される変動パターンは、変動表示の最終的な表示結果が「確変大当り」の表示結果となる変動パターンである。
これらの情報に基づいて、たとえば、図22(a)の「変動パターン」の欄に示された「第4スーパーリーチ (80秒)」という変動パターンは、「はずれ表示結果となる変動時間が80秒で実行される第4スーパーリーチの変動パターン」であることが示される。
図22のテーブルで「ランダム2´範囲」および「変動パターン種別」という記載がされた欄は、「ランダム2´範囲」と「変動パターン種別」との関係を示す変動パターン種別判定テーブル部としての機能を示す欄である。たとえば、図22(a)を例にとれば、「通常」、「ノーマルリーチ」、「スーパーリーチ」というような複数の変動パターン種別のそれぞれに、ランダム2´(1〜251)のすべての値が複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図22(a)を例にとれば、所定のタイミングで抽出したランダム2´の値が1〜251の乱数値のうち、140〜229に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、変動パターン種別として「ノーマルリーチ」とすることが決定される。
また、図22のテーブルで「ランダム3´範囲」および「変動パターン」という記載がされた欄は、「ランダム3´範囲」と「変動パターン」との関係を示す変動パターン判定テーブル部としての機能を示す欄である。変動パターン種別判定テーブルの各種別に対応して示されている変動パターンが、各種別に属する変動パターンである。たとえば、図22(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の種別に属する変動パターンは、「第1スーパーリーチ」、「第2スーパーリーチ」、「第3スーパーリーチ」、および、「第4スーパーリーチ」である。
各変動パターン種別に対応する複数の変動パターンのそれぞれに、ランダム3´(1〜220)のすべての値が、複数の数値範囲に分けて割振られている。たとえば、図22(a)を例にとれば、「スーパーリーチ」の変動パターン種別とすることが決定されたときに、所定のタイミングで抽出したランダム3´が1〜220の乱数値のうち、1〜70に割振られた判定値のいずれかの数値と合致すると、「第1スーパーリーチ(50秒)」の変動パターンとすることが決定される。
第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果がはずれとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。非時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図22(a)の通常状態はずれ時判定テーブルを選択する。一方、時短状態において、変動表示結果がはずれとなるときには、図22(b)の時短状態はずれ時判定テーブルを選択する。なお、図22(a),図22(b)の判定テーブルを用いることで、保留数に関わらず、通常状態はずれ時、時短状態はずれ時でのリーチ割合を一定にしている。
時短状態か否かにかかわらず第1特別図柄または第2特別図柄について変動表示結果が大当りとなるときには、変動パターンを決定するために、次のように判定テーブルを選択する。変動表示結果が通常大当りとなるときには、図22(c)の通常大当り時判定テーブルを選択する。時短状態か否かにかかわらず変動表示結果が確変大当りとなるときには、図22(d)の確変大当り時判定テーブルを選択する。
図22(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図22(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、通常変動の変動時間が短く設定されている。そして、図22(b)の時短状態はずれ時判定テーブルでは、図22(a)の通常状態はずれ時判定テーブルと比べて、リーチ変動(ノーマルリーチ変動およびスーパーリーチ変動を含む)よりも変動時間が短い通常変動(非リーチはずれ変動(リーチとならずにはずれ表示結果となる変動))に決定される割合が高く、通常変動よりも変動時間が長いリーチ変動に決定される割合が低くなるように、データが設定されている。
これにより、非時短状態(通常状態)のときと比べて、時短状態のときの方が、変動時間が短い変動パターンが選択される割合が高いので、時短状態のときの方が、非時短状態のときよりも平均的に短い変動時間で変動表示が行なわれることとなる。このように判定テーブルを選択することにより時短状態を実現することができる。また、通常変動を非時短状態よりも時短状態ときの方が変動時間が短くなるように設定することで、時短状態中の保留消化を短縮することができる。
はずれとなるときに選択される図22(a)および図22(b)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ>スーパーリーチとなるような高低関係で選択されるようにデータが設定されている。一方、大当りとなるときに選択される図22(c)および図22(d)の判定テーブルでは、リーチの種別の選択割合がノーマルリーチ<スーパーリーチというような割合の高低関係で選択されるようにデータが設定されている。これにより、大当りとなるときには、はずれとなるときと比べ、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出がされることにより、遊技者の期待感を高めることができる。
また、大当りのうち確変大当りとなるときに選択される図22(d)の判定テーブルでは、大当りのうち通常大当りとなるときに選択される図22(c)の判定テーブルと比べて、ノーマルリーチに対してスーパーリーチ演出の種別が選択される割合が高くなるようにデータが設定されている。これにより、確変大当りとなるときには、通常大当りとなるときと比べて、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれる割合(リーチが選択されるときにおけるスーパーリーチのリーチ演出が占める割合)が高くなるので、スーパーリーチのリーチ演出が行なわれることにより、遊技者の確変大当りへの期待感を高めることができる。
なお、このような変動パターンは、変動表示をする第1特別図柄および第2特別図柄の合算保留記憶数(合計値)が所定数以上であるとき(たとえば、合算保留記憶数が3以上)と、所定数未満であるときとで選択割合が異なるように設定されることにより、合算保留記憶数が所定数以上であるときには、合算保留記憶数が所定数未満であるときと比べて、変動時間が短縮される保留数短縮制御を実行するようにしてもよい。ただし、保留数短縮制御が実行される条件下でも(たとえば、合算保留記憶数が3以上)リーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ含む)の割合を一定にすることで、リーチに対する期待感が保たれる。また、リーチの中でもスーパーリーチのみ変動時間が短縮されないようにして、保留数時短制御を実行するようにしてもよい。さらに、保留数時短制御は変動時間が短い通常変動が高い割合で選択されるようにすることで実行可能としてもよく、各変動パターン自体の変動時間を短くすることで実行可能としてもよいし、その組合せでもよい。
図23は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560においては、図23に示すように、遊技制御状態に応じて、各種の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100へ送信する。
図23のうち、主なコマンドを説明する。コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置909において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図22に示すような使用され得る変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。したがって、演出制御用CPU90101は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を示す表示結果指定コマンドである。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す第1図柄変動指定コマンドである。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す第2図柄変動指定コマンドである。コマンド8F00(H)は、第1,第2特別図柄の変動を終了することを指定するコマンド(図柄確定指定コマンド)である。
コマンドA001〜A002(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態開始を指定する大当り開始指定コマンドである。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す大入賞口開放中指定コマンドである。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放後(閉鎖)を示す大入賞口開放後指定コマンドである。
コマンドA301〜A302(H)は、大当りの種別(通常大当り、または、確変大当り)ごとに大当り遊技状態終了を指定する大当り終了指定コマンドである。
コマンドA401(H)は、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドA402(H)は、第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドである。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態(低確率状態)であることを指定する通常状態指定コマンドである。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを指定する時短状態指定コマンドである。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを指定する確変状態指定コマンドである。
コマンドC0XX(H)は、合算保留記憶数を示す合算保留記憶数指定コマンドである。コマンドC100(H)は、合算保留記憶数が1減算されることを示す合算保留記憶数減算指定コマンドである。この実施の形態では、合算保留記憶数指定コマンドは、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への遊技球の始動入賞時(たとえば、後述する始動口スイッチ通過処理の実行時)に、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。また、合算保留記憶数減算指定コマンドは、変動表示開始時(たとえば、後述する特別図柄変動表示中処理の実行時)に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送られる。なお、合算保留記憶指定コマンドおよび保留記憶数減算指定コマンドを兼用してもよい。たとえば、合算保留記憶数指定コマンドを、減算後の保留記憶数を特定可能なコマンドとして用いてもよい。なお、合算保留記憶数としてではなく、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを特定可能なコマンドをそれぞれ送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100が第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計値を合算保留記憶数として特定してもよい。
コマンドC2XX(H)およびコマンドC3XX(H)は、第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞時における大当り判定、大当り種別判定、変動パターン種別判定等の入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンドである。このうち、コマンドC2XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否か、および、大当りの種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC3XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す変動種別コマンドである。
この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、始動入賞時に、大当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りとなることを指定する値、および、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。変動種別コマンドのEXTデータに変動パターン種別の判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行なう。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が、図柄指定コマンドに設定されている値に基づき、始動入賞時に、表示結果が大当りとなるか否か、および、大当りの種別を認識できるとともに、変動種別コマンドに基づき、変動パターン種別を認識できる。
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側での保留記憶に対応する乱数等のデータ(保留記憶データ)を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を説明する。保留記憶バッファは、RAM9055に設けられる。
第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数である大当り判定用乱数(ランダムR´)、および、ソフトウェア乱数である大当り種別決定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)、および、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、CPU9056は、乱数回路90503およびソフトウェア乱数を生成するためのランダムカウンタからこのような乱数値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。具体的に、第1始動入賞口9013への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第1保留記憶バッファに保存される。また、第2始動入賞口9014への入賞に基づいて、これら乱数値が抽出されて第2保留記憶バッファに保存される。
第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファに前述のような始動入賞に関する情報が記憶されることを「保留記憶される」と示す場合がある。なお、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)は、始動入賞時に抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、後述する変動パターン設定処理(特別図柄の変動開始時)に抽出するようにしてもよい。
このように保留記憶バッファに記憶されたデータは、後述するように、始動入賞時に読出されて先読み予告演出のために用いられるとともに、変動表示開始時に読出されて変動表示のために用いられる。
第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014への始動入賞があったときには、図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンドというような、始動入賞時判定処理の判定結果を示すコマンドが、主基板9031から演出制御基板9080へと送信される。演出制御用マイクロコンピュータ90100のRAM90103に設けられた始動入賞時受信コマンドバッファには、受信した図柄指定コマンド、変動種別コマンド、第1(第2)始動入賞指定コマンド、および、合算保留記憶数指定コマンド等の各種コマンドを対応付けて格納できるように、受信したコマンドを特定可能なデータを記憶する記憶領域が確保されている。
この実施の形態において、第1特別図柄および第2特別図柄の変動表示に対応して行なわれる演出図柄の演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、演出図柄の変動表示動作、リーチ演出等における演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出動作というような、様々な演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。また、予告演出制御パターンは、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータ等から構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機901における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータ等から構成されている。
次に、パチンコ遊技機901の動作について説明する。パチンコ遊技機901においては、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が予め定められたメイン処理を実行すると、所定時間(たとえば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかりタイマ割込処理が実行されることにより、各種の遊技制御が実行可能となる。
メイン処理においては、たとえば、必要な初期設定処理、通常時の初期化処理、通常時以外の遊技状態復旧処理、乱数回路設定処理(乱数回路90503を初期設定)、表示用乱数更新処理(変動パターンの種別決定、変動パターン決定等の各種乱数の更新処理)、および、初期値用乱数更新処理(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタのカウント値の初期値の更新処理)等が実行される。
図24は、タイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図24に示すステップS(以下、単に「S」と示す)9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行なう(スイッチ処理:S9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行なう表示制御処理を実行する(S9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、S9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数および大当り種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行なう(判定用乱数更新処理:S9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行なう(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行なう(S9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行なう(S9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグにしたがって該当する処理を実行し、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行なう(演出制御コマンド制御処理:S9028)。さらに、CPU9056は、たとえばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報等のデータを出力する情報出力処理を行なう(S9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号に基づく賞球個数の設定等を行なう賞球処理を実行する(S9030)。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行なうための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行なう(S9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行なうための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行なう(S9033)。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S9034)、処理を終了する。以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は所定時間毎に起動されることになる。
図25は、特別図柄プロセス処理(S9026)を示すフローチャートである。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理においては、始動口スイッチ通過処理を実行する(S90312)。そして、内部状態に応じて、S90300〜S90307のうちのいずれかの処理を行なう。
遊技制御用マイクロコンピュータ90560において、RAM9055には、前述したように、第1始動入賞口9013への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第1保留記憶データ)が記憶される第1保留記憶バッファと、第2始動入賞口9014への始動入賞に基づいて得られる大当り判定用乱数等の保留記憶データ(第2保留記憶データ)が記憶される第2保留記憶バッファとが設けられている。これら各保留記憶バッファには、各保留記憶の記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。
始動口スイッチ通過処理では、第1始動口スイッチ9013aがオンしていれば、第1保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第1保留記憶データの記憶数を計数する第1保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第1」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。一方、第2始動口スイッチ9014aがオンしていれば、第2保留記憶数が上限値(たとえば、4)に達していないことを条件として、第2保留記憶データの記憶数を計数する第2保留記憶数カウンタの値を1増やし、乱数回路90503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから数値データ(たとえば、大当り判定用乱数、変動パターン種別判定用乱数、および、変動パターン判定用乱数)を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファにおける保存領域に保存(格納)する処理を実行する。さらに、合算保留記憶数カウンタの値を1増やし、合算後の合算保留記憶数カウンタの値に対応した保留特定領域に「第2」を示すデータを保存(格納)する処理を実行する。
S90300〜S90307の処理は、以下のような処理である。特別図柄通常処理(S90300)は、変動表示の表示結果を大当りとするか否かの決定、および、大当りとする場合の大当り種別の決定等を行なう処理である。変動パターン設定処理(S90301)は、変動パターンの決定(変動パターン種別判定用乱数および変動パターン判定用乱数を用いた変動パターンの決定)、および、決定された変動パターンに応じて変動時間を計時するための変動時間タイマの計時開始等の制御を行なう処理である。
表示結果指定コマンド送信処理(S90302)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行なう処理である。特別図柄変動中処理(S90303)は、変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過すると特別図柄停止処理にプロセスを進める処理である。特別図柄停止処理(S90304)は、決定された変動パターンに対応する変動時間の経過が変動時間タイマにより計時されたときに第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける変動表示を停止して停止図柄を導出表示させる処理である。
大入賞口開放前処理(S90305)は、大当りの種別に応じて、特別可変入賞球装置9020において大入賞口を開放する制御等を行なう処理である。大入賞口開放中処理(S90306)は、大当り遊技状態中のラウンド表示演出用の演出制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御、および、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行なう処理である。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、大入賞口開放前処理(S90305)に移行する。また、全てのラウンドを終えた場合には、大当り終了処理(S90307)に移行する。大当り終了処理(S90307)は、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行なわせるための制御等を行なう処理である。
次に、演出制御用マイクロコンピュータ90100の動作を説明する。図26は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。
演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、演出制御メイン処理の実行を開始する。演出制御メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(たとえば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行なうための初期化処理を行なう(S90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(S90702)を行なうループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。演出制御メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(S90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドがどのようなことを指示するコマンドであるかを特定可能なフラグ等のデータをセットする処理(たとえば、RAM90103に設けられた各種コマンド格納領域に受信したコマンドを特定可能なデータを格納する処理等)等を行なう(コマンド解析処理:S90704)。次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行なう(S90705)。演出制御プロセス処理では、S90704で解析した演出制御コマンドの内容にしたがって演出表示装置909での演出図柄の変動表示等の各種演出を行なうために、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出制御を実行する。
次いで、演出制御用マイクロコンピュータ90100が用いる乱数(演出図柄の左停止図柄決定用のSR1´−1、演出図柄の中停止図柄決定用のSR1´−2、演出図柄の右停止図柄決定用のSR1´−3等)を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S90706)。このような乱数SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれは、ソフトウェアによりカウント値を更新するランダムカウンタのカウントにより生成されるものであり、それぞれについて予め定められた範囲内でそれぞれ巡回更新され、それぞれについて定められたタイミングで抽出されることにより乱数として用いられる。
次いで、保留表示エリアにおける保留表示の表示状態の制御(保留表示の移動、消去等)を行なう保留記憶表示制御処理を実行する(S90707)。
このような演出制御メイン処理が実行されることにより、演出制御用マイクロコンピュータ90100では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から送信され、受信した演出制御コマンドに応じて、演出表示装置909、各種ランプ、および、スピーカ9027L,9027R等の演出装置を制御することにより、遊技状態に応じた各種の演出制御が行なわれる。
図27は、図26に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(S90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、先読み演出を実行するか否かの決定、および、先読み演出の種類の選択をする先読み演出処理(S90700)を実行した後、演出制御プロセスフラグの値に応じてS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行なう。
演出制御プロセス処理では、以下のような処理が実行される。演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。
先読み演出処理(S90700)は、先読み演出を実行するか否か等の先読み判定、および、先読み演出を実行するときの演出態様の決定等を行なう処理である。先読み演出とは、ある保留情報(保留記憶情報)に基づいた特別図柄の変動表示(図柄変動)の順番が到来する前に、その保留情報を先読みしてその保留情報に基づいた特別図柄の変動表示の内容を判定して、将来の特別図柄の変動表示がどのようになるかを、それよりも前の段階で予告をする等の演出技術である。たとえば、保留情報が大当りであるときに、当該保留情報による変動表示が実行される前に、当該保留情報に対応する保留表示の表示態様に基づいて、後に大当りが発生する可能性のあることを予告するといった類の演出が先読み演出として行なわれる。以下では、先読み演出の対象とした保留情報に基づいた変動表示を「ターゲットの変動表示」と称する。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S90800)は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する処理等を行なう処理である。変動パターンコマンドを受信していれば、演出図柄変動開始処理に移行する。
演出図柄変動開始処理(S90801)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示が開始されるように制御するための処理である。演出図柄変動中処理(S90802)は、変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替えタイミングを制御する処理等を行なう処理である。演出図柄変動停止処理(S90803)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示を停止し、変動表示の表示結果(最終停止図柄)を導出表示する制御を行なう処理である。
大当り表示処理(S90804)は、変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するためのファンファーレ演出を表示する制御等の表示制御を行なう処理である。ラウンド中処理(S90805)は、ラウンド中の表示制御を行なう処理である。ラウンド終了条件が成立したときに、最終ラウンドが終了していなければ、ラウンド後処理に移行し、最終ラウンドが終了していれば、大当り終了処理に移行する。ラウンド後処理(S90806)は、ラウンド間の表示制御を行なう処理である。ラウンド開始条件が成立したら、ラウンド中処理に移行する。大当り終了演出処理(S90807)は、演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行なう処理である。
演出制御用CPU90101は、変動表示の開始時から変動表示の停止時まで、および、大当り遊技状態開始時から大当り遊技状態終了時までの予め定められた演出制御期間中に、ROM90102に格納されたプロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置909等の演出装置(演出用部品)の制御を行なう。
プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と、表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組合せが複数集まったデータとで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄(飾り図柄)の変動表示の変動時間(変動表示時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置909の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU90101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行なう。このようなプロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
図28は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S90801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU90101は、次のような処理を行なう。
演出図柄変動開始処理においては、変動表示結果をはずれとすることに決定されているか否か確認する(S90601)。はずれとすることに決定されているか否かは、たとえば、表示結果指定コマンド格納領域に表示結果1指定コマンドが格納されているか否かによって判定される。はずれとすることに決定されている場合には、変動パターンコマンドとして、非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否か確認する(S90602)。非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したか否かは、たとえば、変動パターンコマンド格納領域に格納されているデータによって判定される。
非リーチ変動パターンに対応したコマンドを受信したと判定した場合、ROM90102に格納されたはずれ図柄決定用データテーブルを用いて、リーチにならないはずれの表示結果を演出図柄の最終停止として決定し(S90604)、S90616へ進む。はずれ図柄決定用データテーブルでは、複数種類の演出図柄のそれぞれに、SR1´−1〜SR1´−3のそれぞれの数値データが対応付けられている。
S90604の処理では、所定のタイミングでSR1´−1〜SR1´−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、抽出した数値データに対応する図柄がそれぞれ左,中,右の演出図柄の変動表示結果となる停止図柄の組合せとして決定される。このように非リーチはずれの図柄の組合せを決定する場合において、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然大当り図柄の組合せと一致する場合には、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。また、抽出された乱数に対応する停止図柄が偶然リーチ図柄となってしまう場合には、非リーチはずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、右図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
S90602の処理で非リーチ変動パターンではないと判定した場合(リーチ変動パターンであると判定した場合)は、リーチ図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90605)、S90616へ進む。S90605の処理では、所定のタイミングでSR1´−1〜SR1´−3のそれぞれから数値データ(乱数)を抽出し、はずれ図柄決定用データテーブルを用い、SR1´−1から抽出された乱数に対応する図柄がリーチ状態を形成する左,右の各演出図柄の停止図柄として決定され、SR1´−2から抽出されたカウンタの値と合致する乱数に対応する図柄が中図柄の停止図柄として決定される。また、この場合も、偶然大当り図柄の組合せとなってしまうときには、はずれ図柄の組合せとなるように補正(たとえば、中図柄を1図柄ずらす補正)して各停止図柄が決定される。
また、S90601の処理ではずれとすることに決定されていない場合(大当りとすることが決定された場合)に(S90601のN)、演出制御用CPU90101は、大当りの種別に応じて、大当り図柄の組合せを構成する演出図柄の停止図柄を決定し(S90603)、S90616へ進む。
S90603では、次のように大当りの種別に応じて当り図柄の組合せを決定する。表示結果2指定コマンドと表示結果3指定コマンドとのうちのどの表示結果指定コマンドが表示結果特定コマンド格納領域に格納されているかに基づいて、確変大当りと、通常大当りとのうちから、大当りの種別を判定し、確変大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1´−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1´−1と確変大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「7,7,7」等の奇数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(確変大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの確変大当り図柄の組合せを選択決定する。また、通常大当りにすることに決定されていると判定したときには、所定のタイミングでSR1´−1から数値データ(乱数)を抽出し、SR1´−1と通常大当り図柄の組合せ(たとえば、左,中,右が「4,4,4」等の偶数のゾロ目の組合せ)との関係が設定されたデータテーブル(通常大当り図柄決定用テーブル)を用いて、抽出値からいずれかの通常大当り図柄の組合せを選択決定する。このように決定された図柄が大当り遊技状態に制御される前の変動表示結果である最終停止図柄として用いられる。
[示唆演出]
次に、本実施の形態で行なわれる各種演出について説明する。本実施の形態では、大当り遊技状態等の有利状態への制御の期待度を示唆する示唆表示を行なう示唆演出が実行される場合がある。示唆演出には、第1示唆演出(シャッター演出)と第2示唆演出(リーチタイトル演出)とがある。第1示唆演出としてのシャッター演出では、変動開始後に画面上をシャッター表示で覆う演出が実行される。また、第2示唆演出としてのリーチタイトル演出では、リーチ後にリーチ演出の発展先を示すリーチタイトル表示をする演出が実行される。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれを表示するときにも特定画像が含まれて表示される場合がある。
[特定画像]
特定画像とは、画像内に複数種類の要素を含んで表示される大当り期待度の高い画像のことである。複数種類の要素としては、要素E901のバナナ画像,要素E902のメロン画像,要素E903のリンゴ画像,要素E904のスイカ画像,要素E905のイチゴ画像が含まれる。これら要素E901〜E905を含んで構成されたフルーツ柄画像が特定画像である。シャッター表示およびリーチタイトル表示のいずれにおいても、要素E901〜E905の全てが視認可能となるように表示される。また、特定画像を構成する要素E901〜E905の表示サイズは、シャッター表示とリーチタイトル表示との表示サイズの違いに応じて変更して表示される。また、要素E901〜E905のすべてがシャッター表示およびリーチタイトル表示のそれぞれに収まるように表示される。
変動開始後にシャッター演出が実行された場合に、フルーツ柄画像が表示されるときには、フルーツ柄画像が表示がされないときよりも大当り期待度が高い。また、リーチ演出実行中に、画面の右下等の位置に小さくリーチタイトル表示をする際に、フルーツ柄画像で表示がされるときには、フルーツ柄画像で表示がされないときよりも大当り期待度が高い。フルーツ柄が表示されないときには、たとえば、各要素E901〜E905を含まない無地の画像が表示される。なお、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されたときの大当り期待度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り期待度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい(たとえば、赤色のシャッターや赤文字のリーチタイトル等)。そして、変動表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。
[共通報知]
シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際に、フルーツ柄が表示される際においても、スピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに演出用ランプの発光による報知を行なう。演出用ランプは、演出表示装置909の上方の位置に設けられている(図示省略)。共通音および演出用ランプの発光制御により、フルーツ柄が特別な画像であることが遊技者に示される。このような、シャッター表示およびリーチタイトル表示を行なう際には、フルーツ柄に対する共通報知が実行される。また、リーチタイトル表示では、共通報知の後に、特定音(ボイス)がさらに出力される。なお、共通音と特定音とは、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
図29は、シャッター演出およびリーチタイトル演出が実行されるときの表示画面図である。図29(a)〜(f)は、第4スーパーリーチ実行時にシャッター演出およびリーチタイトル演出が実行される場合の例である。
図29(a)に示すように、シャッター演出が実行されると、画面上にはシャッター画像9094が表示される。シャッター画像9094には、要素E901〜E905全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、シャッター演出実行時には、スピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに演出用ランプの発光による報知が実行される。閉じていたシャッターが開くと、図29(b)に示すように、図柄の変動表示が開始される。下向きの矢印が左,中,右図柄の変動表示を示している。左図柄および右図柄の変動表示が仮停止すると、図29(c)に示すように、リーチ状態となる。
次いで、図29(d)に示すように、スーパーリーチ演出が開始される。変動表示は画面右上に小さく表示され、画面左側にキャラクタが表示される。画面右下には、リーチタイトル画像9095が表示され、これから実行されるスーパーリーチの内容がリーチタイトル表示として示される。リーチタイトル画像9095には、要素E901〜E905全てを含むフルーツ柄の画像が表示される。また、リーチタイトル画像9095には、バトルリーチ演出が実行されることを示す「バトルリーチ」の文字が表示される。
ここで、バトルリーチ演出とは、敵キャラと味方キャラとが戦い、味方キャラが勝利すると大当りとなることが示され、敵キャラに味方キャラが敗北するとはずれとなることが示される演出である。リーチタイトル演出では、このようなバトルリーチを含む複数種類のリーチ演出の内容が、当該リーチ演出が実行される前にリーチタイトル画像9095により示される。
また、リーチタイトル演出実行時には、スピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知が実行されるとともに演出用ランプの発光による報知が実行される。さらに、共通音を出力後に、キャラクタが「アツイアツイ」のような大当り期待度が高いことを示す特定音(ボイス)を発する演出が実行される。ここで、リーチタイトル演出ではシャッター演出に比べ表示する示唆表示のサイズが小さい。しかし、このように、リーチタイトル演出においては、特定音を出力することで、フルーツ柄画像が表示されたことを遊技者により認識させやすくすることができる。なお、共通音と特定音とは、出力期間が完全に分かれている場合を説明したが、出力期間が一部重なるようにしてもよい。
その後、図29(e)に示すような、バトルリーチ演出が実行される。画面左には敵キャラクタが表示され、画面右には味方キャラクタが表示される。味方キャラクタが敵キャラクタとのバトルに勝利すると、画面左上には「バトル勝利!」の文字が表示される。バトルに勝利したことで大当りが確定したことが報知される。バトル演出が終了すると元の数字図柄による変動表示画面に戻る。図29(d)に示すように、全ての図柄が停止し、「777」の大当り図柄が表示される。
図29(a),(d)に示すように、シャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095のいずれにもフルーツ柄画像を構成する全ての要素E901〜E905を含んで表示される。このようにすれば、表示サイズの異なるシャッター画像9094とリーチタイトル画像9095とのいずれにおいても、フルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、大当り期待度の高いフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図29(a)に示すシャッター画像9094の表示サイズは、図29(d)に示すリーチタイトル画像9095の表示サイズよりも大きく表示される。よって、シャッター画像9094の表示サイズとリーチタイトル画像9095の表示サイズとの違いに注目させることができる。
また、図29(a)に示すシャッター画像9094と図29(d)に示すリーチタイトル画像9095とは異なるタイミングで表示される。このようにすれば、実行タイミングが重なることにより特定画像であるフルーツ柄画像が見えづらくなってしまうことを防止することができる。
図30は、音声出力タイミングおよび演出用ランプ発光タイミングを示すタイミングチャートである。横軸は、時間tを示す。図30に示すように、シャッター演出およびリーチタイトル演出の実行時において、フルーツ柄画像が表示されるときには、共通音を出力して音による報知を行なう。共通音は、たとえば、なんらかのメロディを出力するものである。共通音を出力している期間中は、演出用ランプが発光することにより、光による報知も行なう。演出用ランプの発光態様は、シャッター演出とリーチタイトル演出とで共通である。
共通音の出力が終わった後は、シャッター演出においては、音声および光のいずれによる報知演出も行わない。一方で、リーチタイトル演出においては、共通音の出力が終わった後に、特定音を出力して音による報知を行なう。特定音は、たとえば、画面上にキャラクタが登場し、なんらかの音声を出力するもの(ボイス出力)である。特定音を出力して報知を行なう期間は、光による報知は行わない。
ここで、フルーツ柄画像が表示されないときは、フルーツ柄画像が表示されるときと異なる報知を実行することが望ましい。このようにすれば、フルーツ柄画像が表示されるときに特別感を与えることができる。
図30に示すように、シャッター演出、リーチタイトル演出においてスピーカ9027L,9027Rによる共通音(メロディ)を出力する報知を行なうとともに演出用ランプの発光による報知を行なうため、フルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図30に示すように、リーチタイトル画像9095が表示されるときには、共通報知として、メロディを出力し、その後にシャッター画像9094が表示されるときには出力しない特定音であるボイスをさらに出力する。このようにすれば、リーチタイトル画像9095が表示されるときにフルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
なお、図30に示すように、シャッター演出の実行期間(画像表示期間)とシャッター演出が実行されているときの共通音とは同じ期間出力され、リーチタイトル演出の実行期間(画像表示期間)とリーチタイトル演出が実行されているときの共通音および特定音とを足した出力期間とは同じであった。しかしながら、画像表示期間と音出力期間とが異なるようにしてもよい。たとえば、画像表示期間が音出力期間よりも短い場合には、音による余韻を楽しむことができる。逆に、画像表示期間が音出力期間よりも長い場合には、画像による余韻を楽しむことができる。なお、光による報知についても画像表示期間との関係で報知が短い場合や長い場合があってもよい。また、共通音から特定音に跨り光による報知が実行されるようにしてもよい。
また、シャッター演出の実行期間とリーチタイトル演出の実行期間とを同じにしてもよい。そのような場合、リーチタイトル演出が実行されるときには、リーチタイトル演出の実行期間が終了した後に特定音が出力されるようにすればよい。
次に、フルーツ柄画像の決定方法について説明する。図31は、フルーツ柄実行決定テーブルを示す説明図である。フルーツ柄実行決定テーブルは、フルーツ柄画像の表示を実行するか否かを決定するための抽選に用いるデータテーブルである。フルーツ柄実行決定テーブルには、図31(A)の大当り時フルーツ柄実行決定テーブルと、図31(B)のはずれ時フルーツ柄実行決定テーブルとが含まれている。これらのフルーツ柄実行決定テーブルは、演出制御基板9080に設けられたROM90102に記憶されている。
図31(A)の大当り時フルーツ柄実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「フルーツ柄を実行する>フルーツ柄を実行しない」という大小関係となるように、フルーツ柄画像の表示を実行する決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。図31(B)のはずれ時フルーツ柄実行決定テーブルは、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、「フルーツ柄を実行する<フルーツ柄を実行しない」という大小関係となるように、フルーツ柄画像の表示を実行しない決定が選択される割合の方が高くなるようにデータが設定されている。
図32は、演出設定処理を示すフローチャートである。演出設定処理は、演出制御用マイクロコンピュータ90100が実行する演出図柄変動開始処理において実行される(図28のS90616参照)。演出設定処理では、第4スーパーリーチにおいてフルーツ柄の表示の実行有無を決定し、フルーツ柄画像が表示される場合には表示設定や音声の出力設定が行われる。以下、フローチャートに基づき、具体的に説明する。
演出設定処理では、まず、今回実行される変動表示の変動パターンが第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを今回の変動に際して受信した変動パターンコマンドに基づいて判定する(S90630)。受信した変動パターンコマンドは、RAM90103の記憶領域に設けられたコマンド格納領域に記憶されている。演出制御用CPU90101は、RAM90103の記憶領域を参照し、今回実行される変動表示を示す領域に第4スーパーリーチの変動パターンコマンドが格納されているか否かにより、第4スーパーリーチの変動パターンであるか否かを判定する。S90630の処理で、今回実行される変動が第4スーパーリーチであったと判定した場合(S90630のY)は、S90631へ進む。一方、今回実行される変動が第4スーパーリーチでなかったと判定した場合(S90630のN)は、S90637へ進む。
S90631では、フルーツ柄実行決定テーブル(図31参照)により、フルーツ柄の表示の実行の有無を決定し(S90631)、S90632へ進む。たとえば、大当り時には、図31(A)の大当り時フルーツ柄実行決定テーブルを用いて、所定のタイミングで抽出したSR2´の値によって、フルーツ柄の実行有無を決定する。S90632の処理で、フルーツ柄の実行があったと判定した場合(S90632のY)は、S90633へ進む。一方、フルーツ柄の実行がなかったと判定した場合(S90632のN)は、S90637へ進む。
S90633の処理で、シャッター演出時に要素E901〜E905すべての要素が第1示唆画像内(シャッター画像9094内)に表示されるサイズとなるように設定し(S90633)、S90634へ進む。要素E901〜E905の画像データは、標準サイズのものがデータとして格納されている。標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをこのままシャッター画像に表示させると、それぞれのフルーツ柄(要素E901〜E905)が小さく見えるため、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを拡大して表示させる(図29(a)参照)。
次いで、S90634の処理で、シャッター演出時に共通音(メロディー)が出力されるように設定し(図30参照)、S90635へ進む。
S90635の処理で、リーチタイトル演出時に要素E901〜E905すべての要素が第2示唆画像内(リーチタイトル画像9095内)に表示されるサイズとなるように設定し(S90635)、S90636へ進む。ここでは、S90633の処理で用いた標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを使用する。標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをこのままシャッター画像に表示させると、それぞれのフルーツ柄(要素E901〜E905)がリーチタイトル画像9095内に収まりきらないので、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを縮小して要素E901〜E905の全てが視認可能となるように表示させる(図29(d)参照)。
なお、リーチタイトル画像9095内に全ての要素E901〜E905が表示されるように、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データの一部を切り出して表示させてもよい。また、標準サイズの要素E901〜E905のそれぞれを縮小して、縮小されたそれぞれの要素E901〜E905をリーチタイトル画像9095内に配置されるように配置してもよい。ただし、標準サイズの要素E901〜E905のそれぞれを縮小するよりも、上述のように、標準サイズの要素E901〜E905から構成された1つの画像データを縮小した方が、データ容量を削減できるとともに処理負担を低減することができる。
S90636の処理で、リーチタイトル演出時に共通音(メロディー)および特定音(ボイス)が出力されるように設定し(図30参照)、S90637へ進む。共通音は、シャッター演出時に出力される音声と同じである。メロディによる共通音の出力が終わると、キャラクタの音声であるボイスの出力を行なう。
S90637の処理で、その他の演出を決定し(S90637)、処理を終了する。その他の演出としては、たとえば、シャッター演出およびリーチタイトル演出で実行される演出用ランプの発光による演出を決定する。演出用ランプの発光態様は、シャッター演出およびリーチタイトル演出で同じように設定されるが、発光態様が異なるようにしてもよい。S90637の処理では、この他に各変動表示パターンで実行される各種の演出が決定される。
図29(a),(d)の表示の設定としてS90633,S90636により実行される処理により、要素E901〜E905の表示サイズをシャッター画像9094とリーチタイトル画像9095との表示サイズの違いに応じて変更して表示することができる。このようにすれば、示唆画像の表示サイズに関わらずフルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、フルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
また、図29(a),(d)の表示の設定としてS90633,S90636により実行される処理により、要素E901〜E905のすべてがシャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095のそれぞれに収まるように表示することができる。このようにすれば、示唆画像の表示サイズに関わらずフルーツ柄画像を好適に表示することができる。これにより、フルーツ柄画像が表示されたことを正確に伝えることができる。
なお、シャッター演出とリーチタイトル演出とが同一期間内で実行されるようにしてもよい。このような場合には、図29(a)のような全画面で表示されるフルーツ柄画像と、図29(d)のような画面の一部を用いて表示されるフルーツ柄画像とが重なって表示され、遊技者から認識し難くなることが想定される。しかしながら、図29(d)に示すように、フルーツ柄画像の周囲に縁画像が表示されることで、フルーツ柄画像が重なって表示された場合であっても、認識し難くすることを防ぐことができる。なお、縁画像ではなく、画像に台座部を設ける等の他の画像を付加することで視認し易くしてもよいし、縁画像の線を太くして表示することで視認し易くしてもよい。なお、フルーツ柄画像が重なって表示されない場合には、縁画像を表示しなくてもよい。このように、単体の画像で表示するときには実行されないことが、重なる画像で表示される場合に実行されるようにしてもよい。また、シャッター演出とリーチタイトル演出とが同一期間内で実行されるような場合において、先に実行されたシャッター演出により音が出力されている場合には、後に実行されたリーチタイトル演出による音の出力を禁止するようにしてもよい。このようにすれば、音が途中で途切れて違和感を感じてしまうことを防止できる。
次に、以上に説明した実施の形態の変形例や特徴点等を以下に列挙する。
(1) 図29等で示した例においては、要素E901〜E905のすべての要素がシャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095のそれぞれに収まるように表示される場合を説明した。しかし、これに限らず、表示のさせ方として以下のようにしてもよい。
たとえば、シャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095の画像表示領域内において、要素E901〜E905を左から右にスクロールさせて表示させるようにしてもよい。要素E901〜E905は、繰り返しスクロール表示されるため、画像表示領域内においては、常に、要素E901〜E905のうちいくつかの要素が表示されている状態となる。このような場合には、要素E901〜E905のそれぞれは、図29で示したものより画像サイズが大きく、シャッター画像9094およびリーチタイトル画像9095の画像表示領域内に収まりきれないものであってもよい。ただし、要素E901〜E905を左から右にスクロールさせて表示させることによって、一定時間経過後には、全ての要素が視認可能となる。このように、要素E901〜E905をスクロール表示することで、表示領域が異なっていても同じサイズの要素を全て表示させることが可能となる。
また、シャッター画像9094に比べて表示サイズが小さいリーチタイトル画像9095においては、シャッター画像9094に比べてリーチタイトル画像9095の方がスクロールさせる速度を速くしてもよい。スクロールさせる速度を早くすることで、画像が小さくても遊技者の目につきやすくさせることができる。なお、遊技者の目につきやすくさせるため、リーチタイトル画像9095を点滅させながらスクロールさせるものであってもよい。また、シャッター画像9094はスクロールさせず、リーチタイトル画像9095のみをスクロールさせることで、遊技者の目につきやすくさせてもよい。
また、スクロールさせる方向は、左から右にスクロールさせるものに限らず、右から左にスクロールさせるものであってもよいし、上から下にスクロールさせるものであってもよいし、下から上にスクロールさせるものであってもよいし、斜め方向にスクロールさせるものであってもよいし、スクロール動作により大当り期待度が異なるようにしてもよい。また、スクロールされるものに限らず、要素E901〜E905を拡大、縮小を繰り返させるものであってもよい。この場合、拡大時には全ての要素が表示されないが、縮小時には全ての要素が表示されるようにすればよい。また、文字を含む画像を要素として表示し、これをスクロールさせてもよい。この場合、一定時間のスクロールにより、全ての文字が認識可能になるようにすればよい。また、動作が実行される表示と動作が実行されない表示とで大当り期待度が異なるようにしてもよい。
(2) 前述した実施の形態では、特定画像として、全ての要素E901〜E905が第1示唆表示および第2示唆表示のそれぞれに収まるように表示するようにした。しかし、これに限らず、要素E901〜E905のうち少なくとも2つ以上の要素が第1示唆表示および第2示唆表示のそれぞれに収まるように表示するようなものであればよい。たとえば、フルーツの「柄」である以上は、バナナ(要素E901)のみから構成されることは適切でなく、複数種類のフルーツから構成されていることが望ましい。また、要素としては、フルーツ等の柄に限らず、文字によって構成されるものであってもよい。しかしながら、画像の表示パターンとしては、1つの要素のみで表示する大当り期待度示唆パターンが設けられていてもよい。たとえば、リンゴ(要素E903)のみで構成される画像表示パターンを備えてもよい。このような1つの要素のみから構成される画像パターンは、全ての要素から構成される画像表示パターン(フルーツ柄画像)よりも大当り期待度の低いパターンとして実行されるようにすればよい。このようにすれば、画像を表示するパターンが増加するので、興趣を向上できる。ただし、シャッター演出とリーチタイトル演出といった表示手段に表示される面積の異なる表示演出により同じ大きさで1つの要素を表示してしまうと、1つの要素のみで表示するパターンが設けられている場合には、1つの要素のみで表示するパターンを全ての要素から構成される画像表示パターンと勘違いしてしまうことが起こる。よって、特定画像を表示するときに要素の表示サイズを変更するとともに、複数の要素がしっかりと視認できるようにする必要がある。
(3) 前述した実施の形態では、標準サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを拡大してシャッター画像として表示させ、当該画像データを縮小してリーチタイトル画像として表示させた。しかし、これに限らず、シャッター画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを格納しておいてもよい。この場合、当該画像データをそのままシャッター画像として表示させ、当該画像データを縮小してリーチタイトル画像として表示させるようにすればよい。また、リーチタイトル画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データを格納しておいてもよい。この場合、当該画像データを拡大してシャッター画像として表示させ、当該画像データをそのままリーチタイトル画像として表示させるようにすればよい。また、シャッター画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データおよびリーチタイトル画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データの2つの画像データを格納しておいてもよい。この場合、シャッター画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをそのままシャッター画像として表示させ、リーチタイトル画像と同サイズの要素E901〜E905から構成された画像データをそのままリーチタイトル画像として表示させるようにすればよい。
(4) 前述した実施の形態では、図31、図32に示したように、第4スーパーリーチ実行時において、フルーツ柄実行決定テーブルに基づきフルーツ柄実行有無を決定し(S90631)、フルーツ柄が実行される場合には、必ずシャッター演出およびリーチタイトル演出が行なわれるようにした(S90633〜S90636)。しかし、これに限らず、以下のようにしてもよい。たとえば、予告演出の種類を変動パターンに応じて決定してもよい。たとえば、変動パターンが第1スーパーリーチ〜第4スーパーリーチである場合は、シャッター演出の実行の有無をまず決定する。さらに、その後、シャッター演出が実行される場合に、フルーツ柄画像を表示するか否か決定すればよい。リーチタイトル演出についても、リーチタイトル演出を実行するか否かを決定した後に、フルーツ柄画像を表示するか否か決定してもよい。そして、フルーツ柄画像を表示すると決定された場合に表示サイズを変更する処理を実行すればよい。
なお、大当り期待度を示す画像として、フルーツ柄画像以外の画像のパターンが用意されていてもよい。たとえば、大当り期待度の順に白画像<青画像<赤画像<フルーツ柄画像が用意されていてもよい。そして、変動表示の表示結果が大当りとなるか否かにより、所定の乱数抽選でいずれか1つの画像パターンが選択されるようにしてもよい。ただし、シャッター演出とリーチタイトル演出とで、選択される画像パターン数が異なるようにしてもよい。たとえば、タイミング的に先に実行されるシャッター演出では、4種類の画像パターンのうちいずれかの画像パターンが選択され、タイミング的に後に実行されるリーチタイトル演出では、青画像<赤画像<フルーツ柄画像といった3種類の画像パターンのうちいずれかの画像パターンが選択されようにしてもよい。このような場合に、後ろのタイミングで実行される演出に対しては、先のタイミングで実行される演出のうち、遊技者が大当り期待度が低いと認識している画像パターンを選択されないようにすることで、期待感の低下を防止することができる。
(5) 前述した実施の形態では、特定画像として、要素E901(バナナ),要素E902(メロン),要素E903(リンゴ),要素E904(スイカ),要素E905(イチゴ)を含んで構成されたフルーツ柄の画像を用いた例について説明した。しかし、これに限らず、連続模様による柄を特定画像にしてもよい。たとえば、動物の模様のような連続模様の画像を特定画像としてもよい。ただし、画像を拡大する場合は、連続模様であるということを認識可能である程度に拡大する必要がある。たとえば、図32のS90633において、格納されている画像データを拡大して表示させる際に、動物の模様であるということを認識できない大きさまで拡大しないように設定すればよい。
(6) 前述した実施の形態では、特定画像として、フルーツ柄画像以外を用いてもよい。たとえば、単なる丸型や四角型のようなシンボルを組合せた図柄の表示パターンでもよいし、様々なキャラクタ画像を組合わせた画像の表示パターンでもよい。このように、特定画像は、人が別々の画像として認識できる複数種類の画像(複数種類の要素となる画像)の組合せから構成されるものであればよい。
(7) 前述した実施の形態では、第1示唆演出(シャッター演出)と第2示唆演出(リーチタイトル演出)とのうち、いずれか一方のみを実行するようにしてもよい。このような場合において、第2示唆演出(リーチタイトル演出)が実行されたときは、第1示唆演出(シャッター演出)が実行されたときに比べて、大当り期待度が高くなるように構成してもよい。さらに、このような場合には、第2示唆演出が実行されるときに、第1示唆演出が実行されるときと比べて、より遊技者の注意を引く演出を行なうようにしてもよい。たとえば、リーチタイトル演出が行なわれた場合には、第1示唆演出が行なわれた場合に比べ、音声出力時間が長い(共通音に加えて特定音の出力がある)が、これに限らず、第2示唆演出が実行時には、音声出力時の音量を大きくするようにしてもよい。
(8) 前述した実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、前述した実施の形態に示した各種の設定は、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて表示手段における図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組合せになると、所定数のメダルが遊技者に払出されるスロットマシン(スロット機)に適用することも可能である。具体的には、スロットマシンにおいて設けられた演出表示装置等の表示装置において、前述したシャッター演出やリーチタイトル演出が実行されるようにしてもよい。スロットマシンに適用した場合においては、フルーツ柄画像が表示される場合には、フルーツ柄画像が表示されない場合よりも、ビッグボーナスやAT(アシストタイム)等の遊技者にとって有利な状態となる可能性が高いことが示されるようにすればよい。
(9) 前述した実施の形態では、遊技者にとって有利な有利状態として、大当り遊技状態を代表例として説明した。しかし、これに限らず、遊技者にとって有利な有利状態としては、高確率状態(確変状態)、時短状態、および、高ベース状態等のその他の有利状態が含まれてもよい。
(10) 本実施の形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出す遊技機を説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式の遊技機を採用してもよい。封入式の遊技機には、遊技媒体の一例となる複数の玉を遊技機内で循環させる循環経路が形成されているとともに、遊技点を記憶する記憶部が設けられており、玉貸操作に応じて遊技点が記憶部に加算され、玉の発射操作に応じて遊技点が記憶部から減算され、入賞の発生に応じて遊技点が記憶部に加算されるものである。
(11) 前述した実施の形態では、たとえば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を変動表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、変動表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、変動表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要なく、変動表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を変動表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて変動表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、変動表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その変動表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
(12) 前述した実施の形態では、「割合(比率、確率)」として、0%を越える所定の値を具体例に挙げて説明した。しかしながら、「割合(比率、確率)」としては、0%であってもよい。たとえば、所定の遊技期間における所定の遊技状態1の発生割合と他の遊技状態2との発生割合とを比較して、「一方の発生割合が他方の発生割合よりも高い」とした場合には、一方の遊技状態の発生割合が0%の場合も含んでいる。
(13) 前述した実施の形態では、変動表示の表示結果を確変大当りとすることが決定されたときの変動表示結果が導出表示された後、大当り遊技状態の終了後に、無条件で確変状態に制御される確変状態制御例を示した。しかし、これに限らず、特別可変入賞球装置9020における大入賞口内に設けられた特定領域を遊技球が通過したことが検出手段により検出されたときに、確変状態に制御される、確変判定装置タイプの確変状態制御が実行されるようにしてもよい。
(14) なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。