JP2012209388A - コイル形成方法、及びコイル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】絶縁性を有する絶縁基板上に、有機溶媒(テルピネオール及びエタノール)に銅ナノフィラーを混合した銅ペーストを塗布して各コイルパターンを形成する各パターン形成工程(ステップS2,S3)と、加熱により各コイルパターンに含まれる有機溶媒を除去するとともに銅ナノフィラー同士を焼結(金属接合)させて金属焼結体とする焼結工程(ステップS4)と、を含む。
【選択図】図6
Description
これによれば、金属粒子を焼成する際に有機溶媒を蒸発させ、コイル内部に有機溶媒が残留することを抑制できる。したがって、コイルの比抵抗が高くなることを抑制できる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のコイル形成方法において、前記支持体には、凹部が設けられており、前記凹部に前記混合体を充填することにより前記コイルパターンを形成することを要旨とする。
請求項6に記載の発明は、コイルにおいて、請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のコイル形成方法により形成されたことを要旨とする。これによれば、金属粒子同士が焼成されたコイルとなる。このため、金属粒子の間に熱硬化性樹脂が残留する場合と比較して比抵抗が高くなることを抑制できる。したがって、容易に製造できるとともに、比抵抗が高くなることを抑制できる。
図1に示すように、本実施形態のDC/DCコンバータ10は、絶縁性を有する材料(以下、絶縁材料と示す)からなるハウジング11を備えるとともに、ハウジング11の内部には、絶縁材料(本実施形態ではガラスエポキシ樹脂)からなる支持体としての絶縁基板12が固定されている。絶縁基板12は、その両面に厚みが0.1〜0.5mmの図示しない厚銅箔パターンが付与されており、両面基板とされている。絶縁基板12には、IGBTやMOSFETなどの複数のパワー半導体素子13が実装されているとともに、誘導機器(電子機器)としてのトランス14が配設されている。以下の説明では、便宜上、パワー半導体素子13が実装された面を絶縁基板12の上面(表面)と示し、その反対側の面を絶縁基板12の下面(裏面)と示す。
最初に、図6に示すように、有機溶媒(本実施形態では、テルピネオール及びエタノール)と銅ナノフィラーNfを混合した混合体としての銅ペースト20を得る銅ペースト調製工程を行う(ステップS1)。銅ペースト調製工程では、増粘剤(バインダ)となるテルピネオールと、銅ナノフィラーNfを混合するとともに、さらに希釈剤(粘度調整剤)となるエタノールを加えつつ均一となるまで混合し、最終的に粘度を50Pa・s以上且つ100Pa・s以下に、より好ましくは80Pa・s以上且つ100Pa・s以下に調整する。粘度が50Pa・s未満の場合には、銅ペースト20によりコイルパターンを形成し難く、100Pa・sより大きい場合には銅ペースト20を塗布や充填し難い。つまり、粘度が50Pa・s以上且つ100Pa・s以下の場合には銅ペースト20の取り扱いが容易になり、銅ペースト20を塗布することによりコイルパターンを容易に形成できる。
一次コイル17、及び二次コイル18は、銅ナノフィラーNf同士が焼結された金属焼結体により形成されている。これに対し、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に銅ナノフィラーNfを混合したペーストを熱硬化させて形成したコイルでは、断面積の全体に占める熱硬化性樹脂の断面積の割合が50%程度となるのが一般的である。このため、本実施形態の一次コイル17及び二次コイル18では、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂に銅ナノフィラーNfを混合したペーストを熱硬化させて形成したコイルと比較して、銅配線wそのものの比抵抗を低く抑えることができる。このため、本実施形態の一次コイル17、及び二次コイル18では、通電時における発熱を抑制できる。
(1)有機溶媒(テルピネオール、及びエタノール)に銅ナノフィラーNfを混合した銅ペースト20を絶縁基板12上に塗布して一次コイルパターンPa、及び二次コイルパターンPbを形成することにより、一次コイルパターンPa、及び二次コイルパターンPbを容易に形成できる。また、加熱により有機溶媒を除去するとともに銅ナノフィラーNf同士を焼結して金属焼結体とすることができる。したがって、コイル形状(一次コイルパターンPa、及び二次コイルパターンPb)を形成しやすく、且つ銅ナノフィラーNfの間に熱硬化性樹脂が残留する場合と比較して比抵抗が高くなることを抑制できる。したがって、一次コイル17及び二次コイル18を容易に製造できるとともに、比抵抗が高くなることを抑制できる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 一次コイル17を絶縁基板12の下面に配置する一方で、二次コイル18を絶縁基板12の上面に配置してもよい。
○ 焼結工程では、絶縁基板12(一次コイルパターンPa、及び二次コイルパターンPb)を冶具で加圧しつつ加熱してもよい。このように構成した場合には、空孔kの形成を抑制し、銅配線wをより緻密な金属焼結体とすることができる。
○ 焼結工程における加熱時間は、例えば10分など、金属粒子同士が金属接合されて金属焼結体となる時間であれば、適宜変更してもよい。
○ 第1パターン形成工程(ステップS2)と、第2パターン形成工程(ステップS3)の順序を入れ替えてもよい。
○ 第1スクリーン21、及び第2スクリーン23のうち少なくとも何れか一方を用いなくてもよい。この場合には、絶縁基板12に銅ペースト20を直接塗布し、凹部12bや凹部12cに銅ペースト20(混合体)を充填(塗布)して一次コイルパターンPa、及び二次コイルパターンPbを形成すればよい。
○ 一次コイル17は、一次コイル17を絶縁基板12の厚さ方向に対して複数層にわたって積層するとともに、各一次コイル17を電気的に接続して1つのコイルとしてもよい。この場合、一次コイル17上に絶縁層を形成するとともに、その絶縁層の上に一次コイル17を形成することを繰り返せばよい。また、二次コイル18についても同様の構成としてもよい。
○ 一次コイル17、及び二次コイル18の何れか一方を省略するか、或いは一次コイル17及び二次コイル18を電気的に接続して1つのコイルとすることにより、誘導機器(電子部品)としてのインダクタ(リアクトル)として構成してもよい。この場合、コア15を省略した構成としてもよい。
(イ)前記金属焼結体は、線幅が0.9mm以下であり、且つ厚さが0.5mm以下の線状に形成されるとともに、その線間隔が1mm以下となるように前記支持体に支持された請求項7又は請求項8に記載のコイル。
Claims (8)
- 絶縁性を有する支持体上に、有機溶媒に金属粒子を混合した混合体を塗布してコイルパターンを形成する工程と、
加熱により前記コイルパターンに含まれる有機溶媒を除去するとともに前記金属粒子同士を焼成する工程と、を含むことを特徴とするコイル形成方法。 - 前記有機溶媒の沸点は、前記加熱の温度より低温であることを特徴とする請求項1に記載のコイル形成方法。
- 前記混合体の粘度は、50Pa・s以上且つ100Pa・s以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコイル形成方法。
- 前記混合体は80重量%以上且つ98重量%以下の前記金属粒子を含むことを特徴とする請求項1〜請求項3のうち何れか一項に記載のコイル形成方法。
- 前記支持体には、凹部が設けられており、
前記凹部に前記混合体を充填することにより前記コイルパターンを形成することを特徴とする請求項1〜請求項4のうち何れか一項に記載のコイル形成方法。 - 請求項1〜請求項5のうち何れか一項に記載のコイル形成方法により形成されたことを特徴とするコイル。
- 絶縁性を有する支持体に支持されるとともに、表面に径が0.5μm以下且つ0μmより大きい空孔を有し、金属粒子同士が焼成された金属焼成体により形成されたことを特徴とするコイル。
- 前記支持体の凹部に形成されたことを特徴とする請求項7に記載のコイル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018530920A (ja) * | 2015-09-30 | 2018-10-18 | アジャイル・パワー・スイッチ・3・ディー−インテグレイション・エイ・ピー・エス・アイ・3・ディー | 追加的トラックを備えた半導体パワーデバイスおよび半導体パワーデバイスを製造する方法 |
EP4030446A4 (en) * | 2019-09-10 | 2023-09-27 | Kyocera Corporation | PLANE COIL, AND TRANSFORMER, WIRELESS TRANSMITTER AND ELECTROMAGNET COMPRISING A PLANE COIL |
JP7354584B2 (ja) | 2019-05-22 | 2023-10-03 | Tdk株式会社 | 積層電子部品の製造方法 |
Citations (2)
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JPH11162765A (ja) * | 1997-11-26 | 1999-06-18 | Fuji Elelctrochem Co Ltd | 同軸インダクタの製造方法 |
JP2008031491A (ja) * | 2006-07-26 | 2008-02-14 | Sumitomo Metal Mining Co Ltd | 銅微粉とその製造方法及び導電性ペースト |
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- 2011-03-29 JP JP2011073126A patent/JP2012209388A/ja active Pending
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